GS38S ボイジャーの性能と維持費 4WD/4AT 7人 375万円 2001年式

このページでは、クライスラーの5ドア・7人乗りミニバン、3代目のGF-GS38S型ボイジャー LE-Limited AWD【2001/01モデル・176PS/33.3kgm・4WD/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

GS38S ボイジャー
販売期間:1997/04 - 2001/06

画像はクライスラーより引用
http://www.chrysler.co.jp/
投稿:2013/01/06|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長4750mm×全幅1950mm×全高1750mm、排気量は3778ccであることから、大雑把に分類すると3.8リットルクラス(3800cc、自動車税は4.0L以下を適用)に属し、全長、全幅、排気量ともに5ナンバー枠を超えていることにより完全無欠の3ナンバー登録車です。いわゆる【高級車】にカテゴライズされます。

駆動方式には車両に備わる全てのタイヤを駆動する、いわゆる四輪駆動(All Wheel Drive・AWD・Four Wheel Drive・4WDとも)を採用しています。真っ直ぐ進むことに掛けては右に出る者なしとされ、大雨、強風、泥濘、降雪、凍結など天変地異による悪天候下や悪路にて無類の強さを発揮する安心の駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4750mmであるこの車の場合は「アッパーミディアム」(Upper-Medium:4650mm超-4900mm以下・Eセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


GS38S型 ボイジャー [3778cc/176PS 4WD/4AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

No Data
タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
No Data
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

3代目ボイジャーの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2001/01
GS33S型
[LE-Limited]
3.3L-NA | FF/4AT
| 350.0万円
160PS
28.0kgm
7.8km/L
ボイジャーの新型モデル
4代目 RG33S型ボイジャー
RG33S型ボイジャーは2001/06に登場した4代目モデル。参考車両の「LX」は全長4820mm、全幅1995mm、全高1755mmの車体に、174PS/28.3kgmを発生するR型3301ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー CHRYSLER
車名&
グレード
ボイジャー
LE-Limited AWD
その他 リミテッド 本革シート ダッジ キャラバン
お値段 3750000円
車両型式 GF-GS38S
駆動方式
変速機
4WD・四輪駆動(AWD)
4速AT・4速オートマ車
ドア/定員 5ドア/7名乗車
車体寸法 長4750×幅1950×高1750mm
軸距&
輪距
2880mm
前1600mm/後1625mm
最小半径 6.2m
タイヤ 前輪:215/65R16
後輪:215/65R16
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ディスク
車両重量 1940kg
エンジン諸元
原動機型式 L
気筒配列 V型6気筒
排気量3778cc
圧縮比9.6
吸気方式 自然吸気(NA・ノンターボ)
最高出力 176PS[129kW]/4300rpm
最大トルク 33.3kgm[327Nm]/3100rpm
使用燃料 レギュラーガソリン
10・15燃費 6.1km/L(14.3mpg)
100km燃費 16.4L/100km
L型エンジンの諸元と性能まとめ
V型6気筒とは‥シリンダをV字型に交互で6個配置する方式。中排気量のスタンダード。
V型6気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税76400円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税25200円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額7500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、2001/01モデルのボイジャーを23年落ちの中古で82.5万円にて購入し、頭金なしで2年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    ボイジャーの2001/01モデルの場合、2024年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の20%である75万円に諸経費として7.5万円を足した82.5万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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2001年式を23年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 4000cc以下 13年経過 76400円
自動車重量税(1年分) 2.0トン以下 18年経過 25200円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
10000km÷5.2km/L×170円/L
7000km÷5.2km/L×170円/L
5000km÷5.2km/L×170円/L
3000km÷5.2km/L×170円/L
326920円
(228840円)
(163460円)
(98080円)
オイル交換(5000km毎) 1回6500円×2回 13000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本12000円×4本÷5年 9600円
任意保険料(月額7500円) 月額7500円×12ヶ月 90000円
ローン完済後の年間維持費 550000円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額34380円×12ヶ月 412560円
ローン返済中の年間維持費 962600円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分+検査手数料等3000円程度 71100円
名目 金額
自動車税(1年分) 76400円
自動車重量税(1年分) 25200円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
326920円
(228840円)
(163460円)
(98080円)
オイル交換(5000km毎) 13000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 9600円
任意保険料(月額7500円) 90000円
ローン完済後の年間維持費 550000円
名目 金額
車のローン額(1年分) 412560円
ローン返済中の年間維持費 962600円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
71100円
  • 初度登録から13年以上経過車の場合、「4000cc以下で13年経過」クラスの自動車税は76400円、「2.0トン以下で18年経過」クラスの自動車重量税は25200円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに6500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本12000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額7500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした71100円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

年間の維持費が50万円を超えてくると、これはもうこの車そのものが趣味の世界です。若しくは、これだけの維持費が掛かる車を所有していることに喜びを感じ、意義を見出しているのかもしれません。

名にし負うボイジャーともなると、維持費は月額でさえ45900円(ローン完済前は80300円)という破格の金額になってしまうことを思えば、とてもじゃないけど新車で買って5年のローンを抱えながら乗るような車ではありません。清水の舞台から飛び降りる覚悟でご近所を一周して満足するか、盆栽としてガレージに飾っておくならまあ、あるいは…


燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、レギュラーガソリン1リットルあたり170円を基準として、-50円となる120円から、+50円となる220円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費5.2km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
120円/L
230780円
[-96140円]
-25円
145円/L
278850円
[-48070円]
-10円
160円/L
307700円
[-19220円]
170円/L326920円
[0円]
+10円
180円/L
346160円
[+19240円]
+25円
195円/L
375010円
[+48090円]
+50円
220円/L
423090円
[+96170円]

燃費5.2km/LのGS38S型 ボイジャーで10000km走行するのに必要な燃料は1923.1L、1リットルあたり170円としたときの燃料代は326920円になります。

参考までに、ボイジャーの燃料タンクは75リットルですので、1923.1Lの給油回数は26回、1回あたりの燃料代は約12580円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては19240円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると48090円、50円も違ってくると96170円にもなります。

これをGS38S型 ボイジャーの年間維持費に当てはめてみますと、レギュラーガソリン1リットルあたり170円の場合を550000円としたとき、120円/Lに値下がりすれば453860円(82.5%)に、220円/Lに値上がりすれば646170円(117.5%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(76400円)なり重量税(25200円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76400円 26%
自動車重量税 1年分 25200円 9%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 3000km分 98080円 33%
オイル交換 年1回 6500円 2%
タイヤ交換 6年毎 6400円 2%
任意保険料 80% 72000円 25%
合計
[1万kmとの差額]
293500円
-256500円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76400円 21%
自動車重量税 1年分 25200円 7%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 5000km分 163460円 45%
オイル交換 年1回 6500円 2%
タイヤ交換 6年毎 6400円 2%
任意保険料 85% 76560円 21%
合計
[1万kmとの差額]
363400円
-186600円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76400円 18%
自動車重量税 1年分 25200円 6%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 7000km分 228840円 53%
オイル交換 年1回 9100円 2%
タイヤ交換 6年毎 6400円 1%
任意保険料 90% 81000円 18%
合計
[1万kmとの差額]
435800円
-114200円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料90000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて256500円安い293500円に、5000km走行では186600円安い363400円に、7000km走行では114200円安い435800円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76400円 10%
自動車重量税 1年分 25200円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 15000km分 490380円 66%
オイル交換 年3回 39000円 5%
タイヤ交換 2.7年毎 14400円 2%
任意保険料 100% 90000円 13%
合計
[1万kmとの差額]
744300円
+194300円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76400円 8%
自動車重量税 1年分 25200円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 20000km分 653840円 71%
オイル交換 年4回 52000円 6%
タイヤ交換 2年毎 19200円 2%
任意保険料 100% 90000円 9%
合計
[1万kmとの差額]
925500円
+375500円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。



ボイジャーの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
10・15モード燃費 6.1km/L
燃料タンク容量 75L
航続距離(カタログ燃費) 457.5km
航続距離(80%燃費) 367.5km
満タンプライス 12750円
1km走行コスト 27.87円
1万円でどこまで行ける? 358.8km
車両価格/航続距離 8197円/km

10・15モード燃費が6.1km/L、燃料タンク容量75リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は457.5kmになります。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(5.5km/L)とすると412.5km、80%(4.9km/L)だと367.5km、70%(4.3km/L)では322.5kmという航続距離になります。

燃料タンクに1滴の燃料もないスッカラカンの状態から満タンにしたときの金額を計算してみますと、レギュラーガソリンを1リットルあたり170円で75リットルの給油をすると12750円、上で計算した航続距離を踏まえると457.5km(80%燃費時367.5km)を走行するのに12750円かかる計算です。

燃費を5.2km/Lとしたときの1km走行コストは27.87円、10万km走行したときの燃料代は278.7万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら27.9万円/年、7年10万kmなら39.8万円/年、5年10万kmなら55.7万円/年、3年10万kmなら92.9万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば358.8km(往復なら片道179.4km)、カタログ値の80%なら287.1km(片道143.5km)離れたところまで行くことができます。

ちなみに、1回の給油で457.5kmの距離を移動できるGS38S型 ボイジャー [LE-Limited AWD]という乗り物を、375.0万円で手に入れたと考えたとき、この車が1km走行するにあたっては「8197円の値打ちがある!」と言える、かもしれません。


カタログデータから見えてくる要素

L型エンジン簡易性能曲線図
各回転域での馬力
3100回転時の馬力 144.1PS
4300回転時の馬力 176PS
各回転域でのトルク
3100回転時のトルク 33.3kgm
4300回転時のトルク 29.3kgm
L型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載しているL型3778cc、V型6気筒の自然吸気エンジンは4300回転時に最高出力176馬力を、3100回転時に最大トルク33.3kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、最大トルクと最高出力の発生回転数が程よく近いこのエンジンは、高めの回転数が得意なタイプのエンジンです。日常での使い勝手をある程度は確保しつつ、高回転のパワー感もしっかり伴う雰囲気の良さが自慢です。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する3100rpmから最高出力が発生する4300rpmまで」の1200rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
4000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
4000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ11.023kg/PS(1940kg/176PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ11.023kg/PS
車体+1人11.335kg/PS
車体+7人13.210kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg11.364kg/PS
車体+70kg11.420kg/PS
車体+80kg11.477kg/PS
車体+90kg11.534kg/PS
車体+100kg11.591kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは11.335kg/PS(1995kg/176PS)となり、数値としては0.312kg、比率にすると2.8%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの7人が搭乗した場合、車両重量に385kgがプラスされてパワーウェイトレシオは13.210kg/PS(2325kg/176PS)となり、数値としては2.187kg、比率にすると19.8%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。


GS38S ボイジャーのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2001/01

-
ボイジャー
11.335kg/PS
1995kg/176PS|3.8L-NA
[車体のみPWR:11.023]
2015/05

車種詳細
シャトル
11.318kg/PS
1245kg/110PS|1.5L-NA
車体のみPWR:10.818
2012/11

車種詳細
スイフト
11.264kg/PS
1025kg/91PS|1.3L-NA
車体のみPWR:10.659
2014/09

車種詳細
デミオ
11.286kg/PS
1185kg/105PS|1.5L-TB
車体のみPWR:10.762
2015/04

車種詳細
ステップワゴン
11.233kg/PS
1685kg/150PS|1.5L-TB
車体のみPWR:10.867
2010/07

車種詳細
ラッシュ
11.422kg/PS
1245kg/109PS|1.5L-NA
車体のみPWR:10.917

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ11.335kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

11.222kg/PSから11.448kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、ホンダの5人乗りワゴン「GP7型 シャトル」、スズキの5人乗りハッチバック「ZC72S型 スイフト」、マツダの5人乗りハッチバック「DJ5FS型 デミオ」、ホンダの7人乗りミニバン「RP1型 ステップワゴン」、トヨタの5人乗りSUV「J210E型 ラッシュ」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

GS38S型 ボイジャー [LE-Limited AWD]とパワーウェイトレシオが近い車種|11.335kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は90.7PS/tとなっています。


ボイジャーがバイクと競争するなら…?


車種詳細
TW200E|196cc
11.312kg/PS
181kg/16.0PS/1.60kgm
[車体のみPWR:7.875]
2001/01

-
ボイジャー|3778cc
11.335kg/PS
1995kg/176PS/33.3kgm
[車体のみPWR:11.023]

車種詳細
バーグマン200|199cc
11.368kg/PS
216kg/19.0PS/1.70kgm
[車体のみPWR:8.474]

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではボイジャーとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

2JL TW200Eと競争してみる

まずボイジャーより少しPWRが低いバイクとして、ヤマハのTW200Eが挙げられます。PWRの11.312kg/PSは車両重量126kgにライダーの体重55kgを加えた181kgを、最高出力16.0PSで割ったものです。

CH41A バーグマン200と競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、スズキのバーグマン200が挙げられます。PWRの11.368kg/PSは車両重量161kg+55kgの216kgを、最高出力19.0PSで割ったもので、(PWRで比較すれば)まさに街角の好敵手と呼べるバイクです。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.785
平均ピストンスピード 12.47m/s
トルクウェイトレシオ 58.26kg/kgm
1馬力あたりのお値段 21307円
排気量1Lあたり馬力 46.59PS/L
排気量1Lあたりトルク 8.81kgm/L
1気筒あたりの馬力 29.3PS
1気筒あたりのトルク 5.5kgm
パワーバンド比率
燃費×馬力 911.7pt
各種ランキング
ミニバン・1BOXのPWR
3.5~4.0L以下のPWR

トルクウェイトレシオは58.26kg/kgm(1940kg/33.3kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が3750000円、最高出力が176馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は21307円、逆に1万円あたりでは0.47馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は112613円、1万円あたりでは0.09kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
4000cc以下の車編
7人乗りミニバン編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は46.59PS/L、トルクは8.81kgm/L、1気筒あたりの馬力は29.3馬力、トルクは5.5kgmとなり、このエンジンが176馬力を4300回転で発生させているときの平均ピストンスピードは12.47m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が87.0mmであるL型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6900回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.785になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、走ってよし、曲がってよしで至れり尽くせりのオールラウンダーであると言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が5.18km/L、最高出力が176PSであるこの車の獲得ポイントは911.7ptになります。
戯れに車両重量1940kgを100kg単位にした19.4で割ってみたところ、その数値は46.99ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)



ボイジャーでの車中泊

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.66m
期待される荷室の幅 1.55m
対角線の長さ 2.27m
期待される荷室の面積 2.57m²

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

縦方向の長さが1.66m(対角線では2.27m)ともなると、もはや車の中で生活しても良いんじゃないかと錯覚しかねないほど快適な睡眠が約束されます。

日頃の行いが悪いとか、人様には言えないことをやらかしたとか、誰の顔も見たくないなどの訳アリで家に帰れず、やむなく車中泊をしてみたが最期、あまりの気楽さに心を奪われ流浪の民となりかねません。

多くのミニバンや1BOXは室内長の寸法が大きいことから車中泊への期待が高まりますが、2列目、3列目シートの収納がイマイチの場合は車中泊の難易度がセダンよりも跳ね上がりかねません。その場合はシートを前ではなく後に倒してのフルフラットの可否が鍵を握ります。
車中泊にあると嬉しいアイテム


純正装着タイヤの215/65R16と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 215/65R16 | 直径 686mm

-20mm
幅195mm
-10mm
幅205mm
変更なし
幅215mm
+10mm
幅225mm
+20mm
幅235mm
-5%
60
扁平
195/60R16
37.3km/h
直径640mm
径差-46mm
205/60R16
38.0km/h
直径652mm
径差-34mm
215/60R16
38.7km/h
直径664mm
径差-22mm
225/60R16
39.4km/h
直径676mm
径差-10mm
235/60R16
40.1km/h
直径688mm
径差+2mm
0%
65
扁平
195/65R16
38.5km/h
直径660mm
径差-26mm
205/65R16
39.2km/h
直径673mm
径差-13mm
215/65R16
40.0km/h
686mm
0mm
225/65R16
40.8km/h
直径699mm
径差+13mm
235/65R16
41.5km/h
直径712mm
径差+26mm
+5%
70
扁平
195/70R16
39.6km/h
直径679mm
径差-7mm
205/70R16
40.4km/h
直径693mm
径差+7mm
215/70R16
41.2km/h
直径707mm
径差+21mm
225/70R16
42.0km/h
直径721mm
径差+35mm
235/70R16
42.9km/h
直径735mm
径差+49mm
+10%
75
扁平
195/75R16
40.8km/h
直径699mm
径差+13mm
205/75R16
41.6km/h
直径714mm
径差+28mm
215/75R16
42.5km/h
直径729mm
径差+43mm
225/75R16
43.4km/h
直径744mm
径差+58mm
235/75R16
44.3km/h
直径759mm
径差+73mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、195/65R16、195/70R16 、205/60R16、205/65R16 、215/60R16 、225/60R16 あたりのタイヤがおすすめです。

215/65R16のタイヤ幅を195mmから245mmまで、扁平率を50%から80%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、ホイールサイズを16インチからインチダウン、インチアップした場合の一覧表は、純正装着タイヤが215/65R16のとき互換可能なタイヤサイズのページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
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GS38S型ボイジャー[3.8L-NA 4WD/4AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト11.023kg/ps46.56
1速ギヤ加速性能-39.92
1L換算馬力46.59ps/L29.08
1L換算トルク8.81kgm/L41.95
WB/TR比1.78548.76
ワイド&ロー指数0.89749.68
前面の面積3.413m²27.84
最低地上高-43.72
スポーツ性能部門の得点327.51

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
10-15燃費6.1km/L34.84
年間維持費550000円29.62
100kmh回転数-43.39
航続距離457.5km35.03
車の大きさ16.209m³68.98
室内の広さ(仮) 2.939m³45.47
最小回転半径6.2m28.75
馬力単価21307円50.23
ユーティリティ部門の得点336.31

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した GS38S型ボイジャー[3.8L-NA 4WD/4AT] の総合得点は 663.82 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したGS38S型ボイジャー(4WD/4AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのミニバン」、「4000ccのミニバン」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

ボイジャーの歴代モデル

4代目 RG33S型 ボイジャー
RG33S ボイジャーは2001/06に登場した4代目モデル。参考車両の「LX」は全長4820mm、全幅1995mm、全高1755mmの車体に、174PS/28.3kgmを発生するR型3301ccエンジンを搭載した7人乗りミニバン。

3代目 GS38S型 ボイジャー
GS38S ボイジャーは1997/04に登場した3代目モデル。参考車両の「LE-Limited AWD」は全長4750mm、全幅1950mm、全高1750mmの車体に、176PS/33.3kgmを発生するL型3778ccエンジンを搭載した7人乗りミニバン。