CY44:X6の性能と維持費 4WD/8AT 5人 1402万円 2019年式

このページでは、BMWの5ドア・5人乗りSUV、3代目の3BA-CY44型X6 M50i G06【2019/12モデル・530PS/76.5kgm・4WD/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

CY44 X6
販売期間:2019/12 - 現行車

画像はBMWより引用
http://www.bmw.co.jp/
投稿:2020/09/10|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長4945mm×全幅2005mm×全高1695mm、排気量は4394ccであることから、大雑把に分類すると4.4リットルクラス(4400cc、自動車税は4.5L以下を適用)に属し、全長、全幅、排気量ともに5ナンバー枠を超えていることにより完全無欠の3ナンバー登録車です。いわゆる【高級車】にカテゴライズされます。
参考:500PS~600PSの自動車 一覧

駆動方式には車両に備わる全てのタイヤを駆動する、いわゆる四輪駆動(All Wheel Drive・AWD・Four Wheel Drive・4WDとも)を採用しています。真っ直ぐ進むことに掛けては右に出る者なしとされ、大雨、強風、泥濘、降雪、凍結など天変地異による悪天候下や悪路にて無類の強さを発揮する安心の駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4945mmであるこの車の場合は「ラグジュアリー」(Luxury:4900mm超・Fセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


CY44型 X6 [4394cc/530PS 4WD/8AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

3代目X6の類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2023/04
12ET44型
[Competition F96]
4.4L-TB・4WD/8AT・2012.0万円
625PS・76.5kgm・7.8km/L
625PS
76.5kgm
7.8km/L
2021/05
GT8230S型
[xDrive35d G06]
3.0L-TB・4WD/8AT・997.0万円
286PS・66.3kgm・12.4km/L
286PS
66.3kgm
12.4km/L
2020/03
JU44M型
[Competition F96]
4.4L-TB・4WD/8AT・1899.0万円
625PS・76.5kgm・7.4km/L
625PS
76.5kgm
7.4km/L
3代目X6の車両型式・グレード一覧【全7車種】
X6の旧型モデル
2代目 KT44型X6 M
KT44型X6 Mは2014/11に登場した2代目モデル。参考車両の「BaseGrade F16」は全長4925mm、全幅1990mm、全高1690mmの車体に、575PS/76.5kgmを発生するS63B44型4394ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー BMW
車名&
グレード
X6
M50i G06
その他 -
お値段 14020000円
車両型式 3BA-CY44
駆動方式
変速機
4WD・四輪駆動(AWD)
8速AT・8速オートマ車
ドア/定員 5ドア/5名乗車
車体寸法 長4945×幅2005×高1695mm
軸距&
輪距
2975mm
前1685mm/後1690mm
最小半径 5.9m
最低高 215mm
タイヤ 前輪:275/40R21
後輪:315/35R21
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
車両重量 2260kg
エンジン諸元
原動機型式 N63B44D
気筒配列 V型8気筒
排気量4394cc
吸気方式 ターボ
最高出力 530PS[390kW]/5500rpm
最大トルク 76.5kgm[750Nm]/1800-4600rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
WLTC燃費 7.8km/L(18.3mpg)
JC08燃費 8.6km/L(20.2mpg)
100km燃費 12.8L/100km
N63B44D型エンジンの諸元と性能まとめ
V型8気筒とは‥シリンダをV字型に交互で8個配置する方式。中?大排気量のスタンダード。
V型8気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税76500円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税20500円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額8000円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、X6の新車を1612.3万円(諸費用として210.3万円を加算)にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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新車で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 4500cc以下 13年未満 76500円
自動車重量税(1年分) 2.5トン以下 13年未満 20500円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
燃料代(年間1万km) 10000km÷7.8km/L×185円/L 237180円
オイル交換(5000km毎) 1回8500円×2回 17000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本28000円×4本÷5年 22400円
任意保険料(月額8000円) 月額8000円×12ヶ月 96000円
ローン完済後の年間維持費 478500円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額268720円×12ヶ月 3224640円
ローン返済中の年間維持費 3703100円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 61700円
名目 金額
自動車税(1年分) 76500円
自動車重量税(1年分) 20500円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
237180円
(166030円)
(118590円)
(71150円)
オイル交換(5000km毎) 17000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 22400円
任意保険料(月額8000円) 96000円
ローン完済後の年間維持費 478500円
名目 金額
車のローン額(1年分) 3224640円
ローン返済中の年間維持費 3703100円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
61700円
  • 初度登録から5年経過車の場合、「4500cc以下で13年未満」クラスの自動車税は76500円、「2.5トン以下で13年未満」クラスの自動車重量税は20500円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに8500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本28000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額8000円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした61700円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

このあたりのクラスから理想と現実の違い、つまり「乗りたい車」と「乗ることができる車」は違うことを思い知らされます。うっかり手を出せば「いっ…維持費が高すぎて息ができん!フーッ!フーッ!」と目を白黒させることになりかねません。

さて、X6【M50i G06】の場合、維持費の月額は39900円になります。金銭的にシビアな人からは「車なんてどれもタイヤが4つあるだけなのに、なんでこんなにお金の掛かる車に乗ってるんだ…修行か…」と奇異の目で見られていることでしょう。でも良いんです。愛さえあれば。

X6の維持費は高い?安い?

「X6の年間維持費は478500円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「4500ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてX6の維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いクイックデリバリー200348670円-129830円
7シリーズ433500円-45000円
M8 グランクーペ437500円-41000円
X6の維持費478500円
セルシオ483200円+4700円
基準4500ccクラス平均526100円+47600円
XJ562100円+83600円
S6 セダン596900円+118400円
レンジローバー ヴォーグ610700円+132200円
高いサファリ672900円+194400円

X6の年間維持費を、4500ccクラスで最も維持費が安いクイックデリバリー200と比較して129830円高く、最も高いサファリと比較して194400円安く、4500ccクラスの平均維持費との比較では47600円安くなっています。

最低額のクイックデリバリー200と最高額のサファリは極端な例としても、4500ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、X6の維持費は まあまあ安い! と言えそうです。

年間維持費が安い 4500ccクラスの車 ランキング

X6を維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟%年収月給手取り
10%620万円52万円40万円
15%410万円35万円27万円
20%310万円26万円20万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は620万円(総支給額52万円/月、手取り40万円/月)、ここから月額維持費4.0万円を支払うと残りは36.0万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は410万円(総支給額35万円/月、手取り27万円/月)、4.0万円を支払うと残りは23.0万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が310万円(総支給額26万円/月、手取り20万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。4.0万円を引くと残りは16.0万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代24万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり185円を基準として、-50円となる135円から、+50円となる235円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費7.8km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
135円/L
173090円
[-64090円]
-25円
160円/L
205140円
[-32040円]
-10円
175円/L
224370円
[-12810円]
185円/L237180円
[0円]
+10円
195円/L
250010円
[+12830円]
+25円
210円/L
269250円
[+32070円]
+50円
235円/L
301300円
[+64120円]

燃費7.8km/LのCY44型 X6で10000km走行するのに必要な燃料は1282.1L、1リットルあたり185円としたときの燃料代は237180円になります。

参考までに、X6の燃料タンクは83リットルですので、1282.1Lの給油回数は16回、1回あたりの燃料代は約14830円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては12830円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると32070円、50円も違ってくると64120円にもなります。

これをCY44型 X6の年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり185円の場合を478500円としたとき、135円/Lに値下がりすれば414410円(86.6%)に、235円/Lに値上がりすれば542620円(113.4%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(76500円)なり重量税(20500円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76500円 28%
自動車重量税 1年分 20500円 7%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 3000km分 71150円 26%
オイル交換 年1回 8500円 3%
タイヤ交換 6年毎 14930円 5%
任意保険料 80% 76800円 28%
合計
[1万kmとの差額]
277300円
-201200円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76500円 23%
自動車重量税 1年分 20500円 6%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 5000km分 118590円 36%
オイル交換 年1回 8500円 3%
タイヤ交換 6年毎 14930円 5%
任意保険料 85% 81600円 24%
合計
[1万kmとの差額]
329500円
-149000円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76500円 20%
自動車重量税 1年分 20500円 5%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 7000km分 166030円 43%
オイル交換 年1回 11900円 3%
タイヤ交換 6年毎 14930円 4%
任意保険料 90% 86400円 23%
合計
[1万kmとの差額]
385100円
-93400円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料96000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて201200円安い277300円に、5000km走行では149000円安い329500円に、7000km走行では93400円安い385100円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76500円 12%
自動車重量税 1年分 20500円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 15000km分 355770円 55%
オイル交換 年3回 51000円 8%
タイヤ交換 2.7年毎 33600円 5%
任意保険料 100% 96000円 16%
合計
[1万kmとの差額]
642200円
+163700円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76500円 10%
自動車重量税 1年分 20500円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 20000km分 474360円 60%
オイル交換 年4回 68000円 9%
タイヤ交換 2年毎 44800円 6%
任意保険料 100% 96000円 11%
合計
[1万kmとの差額]
789000円
+310500円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
輸入車・外車の小型車&普通車編
4500cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
5人乗りSUV・RV編

【WLTC特典】市街地・郊外・高速道路の走行比率が変わると?

ひとくちにWLTCモード燃費と言いましても、信号や渋滞があるノロノロ道路の走行を想定した市街地モード(5.3km/L)、信号や渋滞が少ないスイスイ道路の走行を想定した郊外モード(8.1km/L)、高速道路の走行を想定した高速道路モード(9.4km/L)という3つの走行パターンを内包してありまして、これらを「平均的な使用時間配分」なるもので構成したのがWLTCモード燃費(7.8km/L)ということになります。

ここでは年間走行距離を10000kmとして市街地、郊外、高速道路の走行比率を変えてみたとき、WLTCモード燃費でのガソリン代237180円からどのように変化するかを見ていきたいと思います。

  • 1リットル185円として計算。
  • []内は低燃費タイヤ装着(エコタイヤ)で燃費が3%向上すると仮定した場合のガソリン代。
    たった3%のようですが、もともとの燃費が…なため、お財布には劇的な効果があります。
参考:燃費が3%向上すると…?
市街地5.3km/L → 5.5km/L
郊外8.1km/L → 8.3km/L
高速道路9.4km/L → 9.7km/L

●例1:都市部にお住まい

まず最初に、市街地の住まいを想定して、走行の大半を市街地(90%)、たまに郊外へお買い物(5%)、稀に高速道路に乗ってどこか遠くへ…(5%)という場合で見てみます。

市街地90%・郊外5%・高速5%
市街地9000km314150円
[302730円]
郊外500km11410円
[11140円]
高速道路500km9840円
[9530円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
335400円
+98220円
5.5km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
323400円
-12000円
5.7km/L
  • 市街地走行のガソリン代
    市街地の走行を9000kmとするとき、市街地モード燃費が5.3km/Lではガソリン1698.1Lを消費して、ガソリン代は314150円になります。
  • 郊外走行のガソリン代
    郊外の走行を500kmとするとき、郊外モード燃費が8.1km/Lではガソリン61.7Lを消費して、ガソリン代は11410円になります。
  • 高速道路走行のガソリン代
    高速道路の走行を500kmとするとき、高速道路モード燃費が9.4km/Lではガソリン53.2Lを消費して、ガソリン代は9840円になります。

このパターンでは使用した燃料量が1813.0L、かかったガソリン代が335400円となり、平均燃費は5.5km/L(-2.3km/L)、WLTCモード燃費とのガソリン代の差は+98220円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着で燃費が3%アップするとして、同じ条件で走行するとガソリン代は323400円となり、12000円安くなります。車検2回ごとにタイヤ交換するとき、寿命までの5年間で60000円の経費削減になる計算です。純正タイヤとエコタイヤの差額がこれ以上ならお得、以下なら…?

●例2:市街地と郊外を行き来

次に、とにかく市街地と郊外を行ったり来たりする条件を想定して、市街地の走行を50%、郊外の走行を50%、高速道路は走行しない場合を見てみます。

市街地50%・郊外50%・高速0%
市街地5000km174530円
[168180円]
郊外5000km114200円
[111440円]
高速道路0km0円
[0円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
288730円
+51550円
6.4km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
279620円
-9110円
6.6km/L
  • 市街地走行のガソリン代
    市街地の走行を5000kmとするとき、市街地モード燃費が5.3km/Lでは943.4Lを消費して、ガソリン代は174530円になります。
  • 郊外走行のガソリン代
    郊外の走行を5000kmとするとき、郊外モード燃費が8.1km/Lでは617.3Lを消費して、ガソリン代は114200円になります。

このパターンでは使用した燃料量が1560.7L、かかったガソリン代が288730円となり、平均燃費は6.4km/L(-1.4km/L)、WLTCモード燃費とのガソリン代の差は+51550円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着ではガソリン代が279620円となり、1年間で9110円、5年間で45550円の経費削減になる計算です。

●例3:市街地・郊外・高速道路をMix

続いて、都市部に住んでいて郊外の職場へ通勤、あるいは郊外に住んでいて都市部の職場へ通勤、高速利用もバッチリ!という感じでシミュレーションしてみます。

市街地33.3%・郊外33.4%・高速33.3%
市街地3330km116240円
[112020円]
郊外3340km76280円
[74440円]
高速道路3330km65550円
[63510円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
258070円
+20890円
7.2km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
249970円
-8100円
7.4km/L
  • 市街地走行のガソリン代
    市街地の走行を3330kmとするとき、市街地モード燃費が5.3km/Lでは628.3Lを消費して、ガソリン代は116240円になります。
  • 郊外走行のガソリン代
    郊外の走行を3340kmとするとき、郊外モード燃費が8.1km/Lでは412.3Lを消費して、ガソリン代は76280円になります。
  • 高速道路走行のガソリン代
    高速道路の走行を3330kmとするとき、高速道路モード燃費が9.4km/Lでは354.3Lを消費して、ガソリン代は65550円になります。

このパターンでは使用した燃料量が1394.9L、かかったガソリン代が258070円となり、平均燃費は7.2km/L(-0.6km/L)、WLTCモード燃費とのガソリン代の差は+20890円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着ではガソリン代が249970円となり、1年間で8100円、5年間で40500円の経費削減になる計算です。

●例4:農村部にお住まい

最後に、びっくりするほど田舎な住まいを想定して、市街地の走行を5%、郊外の走行を90%、高速道路の走行を5%とした場合を見てみます。

市街地5%・郊外90%・高速5%
市街地500km17450円
[16820円]
郊外9000km205550円
[200600円]
高速道路500km9840円
[9530円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
232840円
-4340円
7.9km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
226950円
-5890円
8.2km/L
  • 市街地走行のガソリン代
    市街地の走行を500kmとするとき、市街地モード燃費が5.3km/Lでは94.3Lを消費して、ガソリン代は17450円になります。
  • 郊外走行のガソリン代
    郊外の走行を9000kmとするとき、郊外モード燃費が8.1km/Lでは1111.1Lを消費して、ガソリン代は205550円になります。
  • 高速道路走行のガソリン代
    高速道路の走行を500kmとするとき、高速道路モード燃費が9.4km/Lでは53.2Lを消費して、ガソリン代は9840円になります。

このパターンでは使用した燃料量が1258.6L、かかったガソリン代が232840円となり、平均燃費は7.9km/L(+0.1km/L)、WLTCモード燃費とのガソリン代の差は-4340円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着ではガソリン代が226950円となり、1年間で5890円、5年間で29450円の経費削減になる計算です。

以上、極端な条件でのシミュレーションではありますが、走行シチュエーションによって平均燃費は変わり(5.5km/L・6.4km/L・7.2km/L・7.9km/L)、ガソリン代のほうもなかなかな違い(335400円・288730円・258070円・232840円)が出てくることがわかります。


市街地・郊外・高速道路の満タン航続距離

各モード燃費と航続距離
燃料タンク容量 83リットル
WLTCモード燃費
7.8km/L
647.4km
市街地燃費
5.3km/L
439.9km
[-207.5km]
郊外燃費
8.1km/L
672.3km
[+24.9km]
高速道路燃費
9.4km/L
780.2km
[+132.8km]
満タン給油価格 15355円
1km走行コスト 23.72円
1万円走行距離 421.6km

WLTCモード燃費が7.8km/L、燃料タンク容量83リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は647.4kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(7.0km/L)とすると航続距離は581.0km、80%(6.2km/L)だと514.6km、70%(5.5km/L)では456.5kmになります。

WLTCモード燃費には市街地モード・郊外モード・高速道路モードという3つの走行パターンが内包されておりますので、参考までにそれぞれのモード燃費で燃料タンクが空になるまで走行した場合の満タン航続距離を計算してみます。

燃料タンクの容量を83Lとしたとき、市街地モード燃費5.3km/Lでの航続距離は439.9km(-207.5km)、郊外モード燃費8.1km/Lでの航続距離は672.3km(+24.9km)、高速道路モード燃費9.4km/Lでの航続距離は780.2km(+132.8km)となります。

ある特定のシチュエーションのみを、燃料タンクが空になるまで走行することはなかなかありませんが、「その気になればこのくらいの距離を走れちゃうんだぜ!」という参考データだけは持っておくと、次回の給油回数削減チャレンジでギリギリのラインを狙っていくのに役立つ、かもしれません。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から83リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり185円では15355円、上で計算した航続距離を踏まえると647.4km(80%燃費時514.6km)を走行するのに15355円かかる計算です。

燃費を7.8km/Lとしたときの1km走行コストは23.72円、10万km走行したときの燃料代は237.2万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら23.7万円/年、7年10万kmなら33.9万円/年、5年10万kmなら47.4万円/年、3年10万kmなら79.1万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば421.6km(往復なら片道210.8km)、カタログ値の80%なら337.3km(片道168.6km)離れたところまで行くことができます。

カタログデータから見えてくる要素

N63B44D型エンジン簡易性能曲線図
各回転域での馬力
1800回転時の馬力 192PS
4600回転時の馬力 491PS
5500回転時の馬力 530PS
各回転域でのトルク
1800回転時のトルク 76.5kgm
4600回転時のトルク 76.5kgm
5500回転時のトルク 69.0kgm
N63B44D型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載しているN63B44型4394cc、V型8気筒のターボエンジンは5500回転時に最高出力530馬力を、1800-4600回転時に最大トルク76.5kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、アイドリングとそれほど変わらないような回転数から最大トルクが発生するこのエンジンは、坂道発進も平気の平左、MT車でもエンスト知らず、扱いやすさにかけては右に出るものがありません。ディーゼル車やダウンサイジングターボに多くあります。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する1800rpmから最高出力が発生する5500rpmまで」の3700rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は67.3%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
4500cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
4500cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ4.264kg/PS(2260kg/530PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ4.264kg/PS
車体+1人4.368kg/PS
車体+5人4.783kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg4.377kg/PS
車体+70kg4.396kg/PS
車体+80kg4.415kg/PS
車体+90kg4.434kg/PS
車体+100kg4.453kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは4.368kg/PS(2315kg/530PS)となり、数値としては0.104kg、比率にすると2.4%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは4.783kg/PS(2535kg/530PS)となり、数値としては0.519kg、比率にすると12.2%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

CY44 X6のライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2019/12

-
X6
4.368kg/PS
2315kg/530PS|4.4L-TB
[車体のみPWR:4.264]
2017/09

車種詳細
シビック タイプR
4.516kg/PS
1445kg/320PS|2.0L-TB
車体のみPWR:4.344
2019/09

車種詳細
スカイライン
4.481kg/PS
1815kg/405PS|3.0L-TT
車体のみPWR:4.346
2015/12

車種詳細
Aクラス
4.239kg/PS
1615kg/381PS|2.0L-TB
車体のみPWR:4.094
2006/11

車種詳細
インプレッサ WRX
4.516kg/PS
1445kg/320PS|2.0L-TB
車体のみPWR:4.344
2002/06

車種詳細
インプレッサ WRX
4.328kg/PS
1385kg/320PS|2.0L-TB
車体のみPWR:4.156

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ4.368kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

4.150kg/PSから4.586kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、ホンダの4人乗りハッチバック「FK8型 シビック タイプR」、日産の5人乗りセダン「RV37型 スカイライン」、メルセデスベンツの5人乗りハッチバック「176052型 Aクラス」、スバルの5人乗りセダン「GDB型 インプレッサ WRX」、スバルの5人乗りセダン「GDB型 インプレッサ WRX」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

CY44型 X6 [M50i G06]のライバル車種|4.368kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は234.5PS/tとなっています。


X6がバイクと競争するなら…?


車種詳細
ZR-7S|738cc
4.358kg/PS
292kg/67.0PS/5.80kgm
[車体のみPWR:3.537]
1速ギヤ速度:79.1km/h
最小TWR:0.953
2019/12

-
X6|4394cc
4.368kg/PS
2315kg/530PS/76.5kgm
[車体のみPWR:4.264]
1速ギヤ速度:45.1km/h
最小TWR:0.642

車種詳細
インパルス400|399cc
4.377kg/PS
232kg/53.0PS/3.80kgm
[車体のみPWR:3.340]
1速ギヤ速度:64.5km/h
最小TWR:0.725

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではX6とパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

ZR750F ZR-7Sと競争してみる

まずX6より少しPWRが低いバイクとして、カワサキのZR-7Sが挙げられます。PWRの4.358kg/PSは車両重量237kgにライダーの体重55kgを加えた292kgを、最高出力67.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はZR-7Sに34.0km/h劣り、1速TWRは0.311kg勝る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

GK7CA インパルス400と競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、スズキのインパルス400が挙げられます。PWRの4.377kg/PSは車両重量177kg+55kgの232kgを、最高出力53.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は19.4km/h劣り、1速TWRは0.083kg勝る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.762
平均ピストンスピード 16.19m/s
トルクウェイトレシオ 29.54kg/kgm
1馬力あたりのお値段 26453円
排気量1Lあたり馬力 120.62PS/L
排気量1Lあたりトルク 17.41kgm/L
1気筒あたりの馬力 66.2PS
1気筒あたりのトルク 9.6kgm
パワーバンド比率 67.3%
燃費×馬力 4134.0pt
各種ランキング
SUV・RV・クロカンのPWR
4.0~4.5L以下のPWR

トルクウェイトレシオは29.54kg/kgm(2260kg/76.5kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が14020000円、最高出力が530馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は26453円、逆に1万円あたりでは0.38馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は183268円、1万円あたりでは0.05kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
4500cc以下の車編
5人乗りSUV編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は120.62PS/L、トルクは17.41kgm/L、1気筒あたりの馬力は66.2馬力、トルクは9.6kgmとなり、このエンジンが530馬力を5500回転で発生させているときの平均ピストンスピードは16.19m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が88.3mmであるN63B44型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6800回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.762になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、走ってよし、曲がってよしで至れり尽くせりのオールラウンダーであると言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が7.8km/L、最高出力が530PSであるこの車の獲得ポイントは4134.0ptになります。
戯れに車両重量2260kgを100kg単位にした22.6で割ってみたところ、その数値は182.92ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)



X6での車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.731m
期待される荷室の幅 1.605m
対角線の長さ 2.361m
期待される荷室の面積 2.778m²

縦方向の長さが1.731m(対角線では2.361m)などという破格のクラスになると、これはもう四の五の言わず車に住むべきです。

これだけの車を所持できる素養は持ち得ているのですから、細かいことは気にせずあらゆる支配からの卒業を宣言し、信じられぬ大人との争いに終止符を打ちましょう。

一見すると車中泊が可能そうに見えるハッチバックやワゴン、SUVであってもリアシートが前に倒れなかったり、倒れても中途半端であったり、凝った足回りのせいで室内に巨大な出っ張りがあったりで、なかなか思うようにはいきませんが、大抵のケースでは知恵と工夫で何とかなるはずです。

車中泊にあると嬉しいアイテム

ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合5500rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした6000回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 6000rpm|タイヤサイズ 315/35R21|タイヤ直径 75.4cm|円周長 236.9cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
6000rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 5.500 17.35 -
-
49km/h 12200rpm 3520.0kgm
2速 3.520 11.10 0.640 1-2/
3840rpm
77km/h 7810rpm 2252.8kgm
3速 2.200 6.94 0.625 2-3/
3750rpm
123km/h 4880rpm 1408.0kgm
4速 1.720 5.42 0.782 3-4/
4690rpm
157km/h 3820rpm 1100.8kgm
5速 1.317 4.15 0.766 4-5/
4600rpm
205km/h 2920rpm 842.9kgm
6速 1.000 3.15 0.759 5-6/
4550rpm
270km/h 2220rpm 640.0kgm
7速 0.823 2.60 0.823 6-7/
4940rpm
329km/h 1830rpm 526.7kgm
8速 0.640 2.02 0.778 7-8/
4670rpm
422km/h 1420rpm 409.6kgm
Final 3.154 レシオカバレッジ(変速比幅)8.594

  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数1800-4600rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.154)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(76.5kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.154)÷タイヤの有効半径(0.377m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は8速ギヤの422km(5500rpmでは387.3km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが1800-4600回転で最大トルク76.5kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば29.54kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(4.264kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと3520.0kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(2260kg)を1速ギヤの最大駆動力(3520.0kgm)で割ってみると0.642kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する5500回転でのトルク(69.0kgm)からTWRを算出すると0.712kg/kgmとなり、1800-5500回転の回転域では0.642-0.712kg/kgmの間で推移することがわかります。


おまけ:5500rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

CY44型X6に搭載されたN63B44型4394ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する5500rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

5500rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ45km/h-
2速ギヤ70km/h3520rpm
3速ギヤ113km/h3440rpm
4速ギヤ144km/h4300rpm
5速ギヤ188km/h4210rpm
6速ギヤ248km/h4170rpm
7速ギヤ301km/h4530rpm
8速ギヤ387km/h4280rpm

まず1速ギヤで5500rpmまで引っ張ると45km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は5500rpmから3520rpmまで落ち、そこから5500rpmまで加速を続けると速度は70km/h(+25km/h)になります。

3速ギヤでは3440rpmまで落ちて5500rpmで113km/h(+43km/h)に、4速ギヤでは4300rpmまで落ちて5500rpmで144km/h(+31km/h)に、5速ギヤでは4210rpmまで落ちて5500rpmで188km/h(+44km/h)になります。

続いて6速ギヤでは4170rpmまで落ちて5500rpmで248km/h(+60km/h)に、7速ギヤでは4530rpmまで落ちて5500rpmで301km/h(+53km/h)に、8速ギヤでは4280rpmまで落ちて5500rpmで387km/h(+86km/h)という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4880 7320 9760 12200 14640 17090 21970
2速 3120 4690 6250 7810 9370 10930 14060
3速 1950 2930 3910 4880 5860 6830 8790
4速 1530 2290 3050 3820 4580 5340 6870
5速 1170 1750 2340 2920 3510 4090 5260
6速 890 1330 1780 2220 2660 3110 3990
7速 730 1100 1460 1830 2190 2560 3290
8速 570 850 1140 1420 1700 1990 2560
※赤い数字は暫定レブリミット(6000rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.640)を選択して時速100kmにて走行すると1420回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは850回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは990回転、一般的な高速道路の80km/hでは1140回転、100km/hでは1420回転、制限速度が120km/hになると1700回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは2560回転まで回ります。

これほどまでに時速100kmでの巡航回転数が低ければ、(パワーさえ足りていれば)高速道路では向かうところ敵なしです。エンジンノイズによる疲れとは無縁の世界、ただひたすらに回り続けるエンジンのなんと頼もしいことでしょう。これに合わせてタイヤのロードノイズ、風きり音すらも完璧に抑え込まれていたならば、これはもはや完全無欠の高級車です。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 8 16 25 33 41 49 57 66
2速 13 26 38 51 64 77 90 102
3速 20 41 61 82 102 123 143 164
4速 26 52 79 105 131 157 183 210
5速 34 68 103 137 171 205 240 274
6速 45 90 135 180 225 270 315 361
7速 55 110 164 219 274 329 383 438
8速 70 141 211 282 352 422 493 563

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(6000回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの315/35R21と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 315/35R21 | 直径 754mm

-20mm
幅295mm
-10mm
幅305mm
変更なし
幅315mm
+10mm
幅325mm
+20mm
幅335mm
-5%
30
扁平
295/30R21
37.7km/h
直径710mm
径差-44mm
305/30R21
38.0km/h
直径716mm
径差-38mm
315/30R21
38.3km/h
直径722mm
径差-32mm
325/30R21
38.6km/h
直径728mm
径差-26mm
335/30R21
38.9km/h
直径734mm
径差-20mm
0%
35
扁平
295/35R21
39.3km/h
直径740mm
径差-14mm
305/35R21
39.6km/h
直径747mm
径差-7mm
315/35R21
40.0km/h
754mm
0mm
325/35R21
40.4km/h
直径761mm
径差+7mm
335/35R21
40.7km/h
直径768mm
径差+14mm
+5%
40
扁平
295/40R21
40.8km/h
直径769mm
径差+15mm
305/40R21
41.2km/h
直径777mm
径差+23mm
315/40R21
41.6km/h
直径785mm
径差+31mm
325/40R21
42.1km/h
直径793mm
径差+39mm
335/40R21
42.5km/h
直径801mm
径差+47mm
+10%
45
扁平
295/45R21
42.4km/h
直径799mm
径差+45mm
305/45R21
42.9km/h
直径808mm
径差+54mm
315/45R21
43.3km/h
直径817mm
径差+63mm
325/45R21
43.8km/h
直径826mm
径差+72mm
335/45R21
44.3km/h
直径835mm
径差+81mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、295/35R21 、305/30R21、305/35R21 、315/30R21 、325/30R21 、335/30R21あたりのタイヤがおすすめです。

315/35R21のタイヤ幅を295mmから345mmまで、扁平率を20%から50%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、315/35R21の適応サイズと性能の変化 [CY44型X6編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】315/35R21のタイヤ銘柄と通販価格

CY44型X6[4.4Lターボ 4WD/8AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト4.264kg/ps65.06
1速ギヤ加速性能0.642kg/kgm69.96
1L換算馬力120.62ps/L56.34
1L換算トルク17.41kgm/L54.57
WB/TR比1.76251.13
ワイド&ロー指数0.84553.46
前面の面積3.398m²28.41
最低地上高215mm25.41
スポーツ性能部門の得点404.34

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
WLTC燃費7.8km/L32.95
年間維持費478500円36.09
100kmh回転数1420rpm64.18
航続距離647.4km46.17
車の大きさ16.805m³71.20
室内の広さ(仮) 3.047m³46.47
最小回転半径5.9m35.10
馬力単価26453円43.57
ユーティリティ部門の得点375.73

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した CY44型X6[4.4Lターボ 4WD/8AT] の総合得点は 780.07 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したCY44型X6(4WD/8AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全ての5人乗SUV」、「4500ccの5人乗SUV」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

X6の歴代モデル

3代目 GT30型 X6
GT30 X6は2019/12に登場した3代目モデル。参考車両の「xDrive35d G06」は全長4945mm、全幅2005mm、全高1695mmの車体に、265PS/63.2kgmを発生するB57D30型2992ccエンジンを搭載した5人乗りSUV。

2代目 KT44型 X6 M
KT44 X6 Mは2014/11に登場した2代目モデル。参考車両の「BaseGrade F16」は全長4925mm、全幅1990mm、全高1690mmの車体に、575PS/76.5kgmを発生するS63B44型4394ccエンジンを搭載した5人乗りSUV。

初代 GZ44型 X6 M
GZ44 X6 Mは2009/07に登場した初代モデル。参考車両の「BaseGrade E71」は全長4875mm、全幅1985mm、全高1675mmの車体に、555PS/69.3kgmを発生するS63B44型4394ccエンジンを搭載した5人乗りSUV。