AE30 8シリーズ カブリオレ 性能と維持費 FR/8AT 1308万円 2021年

このページでは、BMWの2ドア・4人乗りオープンカー、2代目の3BA-AE30型8シリーズ カブリオレ 840i Cabriolet G14【2021/04モデル・340PS/51.0kgm・FR/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

AE30 8シリーズ カブリオレ
販売期間:2018/11 -

画像はBMWより引用
http://www.bmw.co.jp/
投稿:|更新:

ボディサイズが全長4855mm×全幅1900mm×全高1340mm、排気量は2997ccであることから、大雑把に分類すると3.0リットルクラス(3000cc、自動車税は3.0L以下を適用)に属し、全長、全幅、排気量ともに5ナンバー枠を超えていることにより完全無欠の3ナンバー登録車です。いわゆる【高級車】にカテゴライズされます。
参考:300PS~350PSの自動車 一覧

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、後輪のみを駆動する、フロントエンジン・リヤドライブ方式(後輪駆動・FR・RWDとも)を採用しています。前輪は操舵、後輪は駆動と役割分担が異なることから優れたハンドリングを得られるとされ、運転の質を求める人々から絶大なる支持を集めます。高級車の代名詞的な駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4855mmであるこの車の場合は「アッパーミディアム」(Upper-Medium:4650mm超-4900mm以下・Eセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。

AE30型 8シリーズ カブリオレ [2997cc/340PS FR/8AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

2代目8シリーズ カブリオレの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2021/04
AE44M型
[Competition]
4.4L-TB・4WD/8AT・2474.0万円
625PS・76.5kgm・-
625PS
76.5kgm
-
2021/04
GV44M型
[Competition F93]
4.4L-TB・4WD/8AT・2231.0万円
625PS・76.5kgm・8.8km/L
625PS
76.5kgm
8.8km/L
2021/04
AE44M型
[Competition]
4.4L-TB・4WD/8AT・2584.0万円
625PS・76.5kgm・-
625PS
76.5kgm
-
2代目 8シリーズ 型式一覧 G14/G15/G16/F91/F92/F93系まとめ 2018-【全12車種】
8シリーズ カブリオレの旧型モデル
初代 850CSI型8シリーズ クーペ
850CSI型8シリーズ クーペは1990/03に登場した初代モデル。参考車両の「850CSI E31」は全長4780mm、全幅1855mm、全高1330mmの車体に、381PS/56.1kgmを発生するS70B56型5576ccエンジンを搭載。


AE30 8シリーズ カブリオレの主要諸元と大きさ比較

主要諸元
メーカー BMW
車名&
グレード
8シリーズ カブリオレ
840i Cabriolet G14
その他 -
お値段 13080000円
車両型式 3BA-AE30
駆動方式
変速機
FR・後輪駆動(RWD,2WD)
8速AT・8速オートマ車
ドア/定員 2ドア・4名乗車
ホイールベース 2820mm
トレッド 1620mm/1670mm
WB/TR比 1.714
最小半径 5.2m
最低高 120mm
タイヤ 前輪:245/45R18
後輪:275/40R18
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
車両重量 1900kg

※WB/TR比はホイールベーストレッド比の略。値が大きいほど直進安定性に優れ、小さいほど旋回性能が高くなりやすい。全ての車種の平均値は1.773。

8シリーズ カブリオレと各規格の大きさ比較
規格名 規格寸法 増減
8シリーズ カブリオレ
車体寸法
全長 4855mm -
全幅 1900mm -
全高 1340mm -
大きさ 12.36m3 -
軽自動車
新規格
全長 3400mm以下 +1455mm
全幅 1480mm以下 +420mm
全高平均 1640mm -300mm
大きさ平均 8.13m3 +4.23m3
小型車規格
5ナンバー車
全長 4700mm以下 +155mm
全幅 1700mm以下 +200mm
全高平均 1496mm -156mm
大きさ平均 10.48m3 +1.88m3
普通車平均
3ナンバー車
全長平均 4643mm +212mm
全幅平均 1815mm +85mm
全高平均 1518mm -178mm
大きさ平均 12.84m3 -0.48m3

※上記グラフは100のラインを上回れば平均値以上、下回れば平均値以下を表す。グラフの伸びが大きいほど各規格の車両に対して相対的に車体が長い・広い・高い。※普通乗用車(3ナンバー車)の条件は全長4700mm超または全幅1700mm超または全高2000mm超と上限値が曖昧なため、ここでは普通乗用車に属する全ての車種の平均値との比較。※軽自動車・小型乗用車の全高はいずれも2000mm以下。ただし、ここでは各規格に属する車種の全高の平均値との比較。



AE30 8シリーズ カブリオレの税金・年間維持費シミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税50000円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税16400円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額6500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、8シリーズ カブリオレの新車を1504.2万円(諸費用として196.2万円を加算)にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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新車で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税 3000cc以下 13年未満 50000円
自動車重量税
1年分
2.0トン以下 13年未満 16400円
自賠責保険料
(1年換算)
自家用乗用車 8825円
燃料代
年間1万㎞
1万㎞÷11.3㎞/L×195円/L 172570円
オイル交換
5000km毎
1回6500円×2回 13000円
タイヤ交換
5年5万km毎
1本18000円×4本÷5年 14400円
任意保険料
月額6500円
月額6500円×12ヶ月 78000円
ローン完済後の年間維持費 353200円
名目 区分 金額
車のローン額
1年分
月額250700円×12ヶ月 3008400円
ローン返済中の年間維持費 3361600円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 53500円
  • 初度登録から4年経過車の場合、「3000cc以下で13年未満」クラスの自動車税は50000円、「2.0トン以下で13年未満」クラスの自動車重量税は16400円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに6500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本18000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額6500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした53500円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

お財布に厚みが増した勢いで少し色気を出して愛車にステータス性を求めるなら、月換算29500円くらいの出費は覚悟しましょう。なあに大丈夫、愛車のためです。

口癖のように「もうちょっと維持費が安ければねえ…?」なんて呟くその姿は自慢げなようであり、しかし哀愁を帯びているようでもあり、傍からすれば対応に困ります。より維持費の安い新車を買うほどではない…ないが…考えずにもいられない、そんなクラスです。全体から見るとこの辺りから面白味のある車が増えてきます。

8シリーズ カブリオレの維持費は高い?安い?

「8シリーズ カブリオレの年間維持費は353200円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「3000ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたして8シリーズ カブリオレの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いハイエース バン274670円-78530円
スープラ343900円-9300円
グランエース352500円-700円
8シリーズ カブリオレの維持費353200円
スカイライン379100円+25900円
基準3000ccクラス平均413500円+60300円
アリスト453300円+100100円
スカイライン GT-R480700円+127500円
X5519600円+166400円
高いXM ワゴン623000円+269800円

8シリーズ カブリオレの年間維持費を、3000ccクラスで最も維持費が安いハイエース バンと比較して78530円高く、最も高いXM ワゴンと比較して269800円安く、3000ccクラスの平均維持費との比較では60300円安くなっています。

最低額のハイエース バンと最高額のXM ワゴンは極端な例としても、3000ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、8シリーズ カブリオレの維持費は まあまあ安い! と言えそうです。

年間維持費が安い 3000ccクラスの車 ランキング

8シリーズ カブリオレを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟の%年収月給手取り
10%460万円39万円30万円
15%310万円26万円20万円
20%230万円20万円16万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は460万円(総支給額39万円/月、手取り30万円/月)、ここから月額維持費3.0万円を支払うと残りは27.0万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は310万円(総支給額26万円/月、手取り20万円/月)、3.0万円を支払うと残りは17.0万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が230万円(総支給額20万円/月、手取り16万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。3.0万円を引くと残りは13.0万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代18万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり195円を基準として、-50円となる145円から、+50円となる245円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費11.3km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代差額
145円/L 128330円 -44240円
170円/L 150450円 -22120円
185円/L 163730円 -8840円
195円/L 172570円 -
205円/L 181430円 +8860円
220円/L 194700円 +22130円
245円/L 216830円 +44260円

燃費11.3km/LのAE30型 8シリーズ カブリオレで10000km走行するのに必要な燃料は885L、1リットルあたり195円としたときの燃料代は172570円になります。

参考までに、8シリーズ カブリオレの燃料タンクは68リットルですので、885Lの給油回数は14回、1回あたりの燃料代は約12330円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては8860円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると22130円、50円も違ってくると44260円にもなります。

これをAE30型 8シリーズ カブリオレの年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり195円の場合を353200円としたとき、145円/Lに値下がりすれば308960円(87.5%)に、245円/Lに値上がりすれば397460円(112.5%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(50000円)なり重量税(16400円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

1年分の自動車税・重量税・自賠責保険料
名目 金額
自動車税 50000円
自動車重量税 1年分 16400円
自賠責保険料 1年分 8825円
合計 75225円

※現在の税制では、自動車税、自動車重量税、自賠責保険料は走行距離に関係なく税額・保険料は一律。走行距離税が新設された場合は大幅に変わる可能性あり。


維持費名目 3000km 5000km 7000km
燃料代 51770円 86290円 120800円
オイル交換 6500円 6500円 9100円
タイヤ交換 9600円 9600円 9600円
任意保険料 62400円 66360円 70200円
税金 自賠責 一律 75225円
合計 205500円 244000円 285000円
1万km差額 -147700円 -109200円 -68200円

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで50000km程度持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料78000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて147700円安い205500円に、5000km走行では109200円安い244000円に、7000km走行では68200円安い285000円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は15000kmは1.1倍、20000kmは1.2倍としたのがこちらです。

維持費名目 10000km 15000km 20000km
燃料代 172570円 258860円 345140円
オイル交換 13000円 19500円 26000円
タイヤ交換 14400円 17280円 23040円
任意保険料 78000円 85800円 93600円
税金 自賠責 一律 75225円
合計 353200円 456700円 563100円
1万km差額 - +103500円 +209900円

走行距離と維持費の変化

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
輸入車・外車の小型車&普通車編
3000cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
オープンカー編

【WLTC特典】市街地・郊外・高速道路の走行比率が変わると?

ひとくちにWLTCモード燃費と言いましても、信号や渋滞があるノロノロ道路の走行を想定した市街地モード(8.0km/L)、信号や渋滞が少ないスイスイ道路の走行を想定した郊外モード(11.6km/L)、高速道路の走行を想定した高速道路モード(13.4km/L)という3つの走行パターンを内包してありまして、これらを「平均的な使用時間配分」なるもので構成したのがWLTCモード燃費(11.3km/L)ということになります。

ここでは年間走行距離を10000kmとして市街地、郊外、高速道路の走行比率を変えてみたとき、WLTCモード燃費でのガソリン代172570円からどのように変化するかを見ていきたいと思います。

走行例1:都市部にお住まい

まず最初に、市街地の住まいを想定して、走行の大半を市街地(90%)、たまに郊外へお買い物(5%)、稀に高速道路に乗ってどこか遠くへ…(5%)という場合で見てみます。

モード 走行距離 必要燃料量 燃料代
市街地 9000km 1125.0L 219380円
郊外 500km 43.1L 8400円
高速道路 500km 37.3L 7270円
平均燃費 8.3km/L 1205.4L 235050円
WLTC 総合燃費との差額 +62480円

走行例2:市街地と郊外を行き来

次に、とにかく市街地と郊外を行ったり来たりする条件を想定して、市街地の走行を50%、郊外の走行を50%、高速道路は走行しない場合を見てみます。

モード 走行距離 必要燃料量 燃料代
市街地 5000km 625.0L 121880円
郊外 5000km 431.0L 84050円
高速道路 0km 0L 0円
平均燃費 9.5km/L 1056.0L 205930円
WLTC 総合燃費との差額 +33360円

走行例3:市街地・郊外・高速道路をMix

続いて、都市部に住んでいて郊外の職場へ通勤(33%)、あるいは郊外に住んでいて都市部の職場へ通勤(34%)、高速利用もバッチリ!(33%)という感じでシミュレーションしてみます。

モード 走行距離 必要燃料量 燃料代
市街地 3330km 416.2L 81160円
郊外 3340km 287.9L 56140円
高速道路 3330km 248.5L 48460円
平均燃費 10.5km/L 952.6L 185760円
WLTC 総合燃費との差額 +13190円

走行例4:農村部にお住まい

最後に、びっくりするほど田舎な住まいを想定して、隣町の市街地へ買い出しに行くため500km走行、パトロールがてらにいつもの田んぼ道を9000km走行、一念発起して都会の空気を吸いに高速道路を500km走行したとする場合を見てみます。

モード 走行距離 必要燃料量 燃料代
市街地 500km 62.5L 12190円
郊外 9000km 775.9L 151300円
高速道路 500km 37.3L 7270円
平均燃費 11.4km/L 875.7L 170760円
WLTC 総合燃費との差額 -1810円


走行距離は同じ1万kmであっても、走行する環境によって燃料代はずいぶん大きく変わります。信号待ちや渋滞のSTOP&GOで燃費が悪くなりがちな走行例1と、渋滞知らずで燃費にも車にも優しい走行例4では燃料の消費量が329.7リットルの差、金額にして64290円の差が生じます。

参考:燃費が3%向上すると…?

モード 各モード燃費 +3%燃費 燃費差
総合燃費 11.3km/L 11.6km/L +0.3km/L
市街地 8.0km/L 8.2km/L +0.2km/L
郊外 11.6km/L 11.9km/L +0.3km/L
高速道路 13.4km/L 13.8km/L +0.4km/L

WLTCモード燃費が良い車ランキング [全車種・総合]

市街地・郊外・高速道路の満タン航続距離

WLTCモード燃費には市街地モード・郊外モード・高速道路モードという3つの走行パターンが内包されておりますので、参考までにそれぞれのモード燃費で燃料タンクが空になるまで走行した場合の満タン航続距離を計算してみます。

各モード燃費の航続距離
モード 燃費 航続距離 1km費用
総合 11.3km/L 768km - 17.26円/km
市街地 8.0km/L 544km -224km 24.4円/km
郊外 11.6km/L 789km +21km 16.8円/km
高速 13.4km/L 911km +143km 14.6円/km

※1km費用は燃料価格195円/Lを各モード燃費で割ったもの。1km走行するために必要な燃料代。

燃料タンクの容量を68Lとしたとき、市街地モード燃費8.0km/Lでの航続距離は544km(-224km)、郊外モード燃費11.6km/Lでの航続距離は789km(+21km)、高速道路モード燃費13.4km/Lでの航続距離は911km(+143km)となります。

ある特定のシチュエーションのみを、燃料タンクが空になるまで走行することはなかなかありませんが、「その気になればこのくらいの距離を走れちゃうんだぜ!」という参考データだけは持っておくと、次回の給油回数削減チャレンジでギリギリのラインを狙っていくのに役立つ、かもしれません。

8シリーズ カブリオレの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
WLTCモード燃費 11.3km/L
燃料タンク容量 68L
航続距離(カタログ燃費) 768.4km
航続距離(80%燃費) 612.0km
満タンプライス 13260円
1km走行コスト 17.26円/km
1万円でどこまで行ける? 579.5km
東京から768.4kmの範囲

WLTCモード燃費が11.3km/L、燃料タンク容量68リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は768.4kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(10.2km/L)とすると航続距離は693.6km、80%(9.0km/L)だと612.0km、70%(7.9km/L)では537.2kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から68リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり195円では13260円、上で計算した航続距離を踏まえると768.4km(80%燃費時612.0km)を走行するのに13260円かかる計算です。

燃費を11.3km/Lとしたときの1km走行コストは17.26円、10万km走行したときの燃料代は172.6万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら17.3万円/年、7年10万kmなら24.7万円/年、5年10万kmなら34.5万円/年、3年10万kmなら57.5万円/年となります。

ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば579.5km(往復なら片道289.7km)、カタログ値の80%なら463.6km(片道231.8km)離れたところまで行くことができます。

AE30 8シリーズ カブリオレのエンジン諸元とカタログデータ

B58B30C型エンジン簡易性能曲線図
エンジン諸元
原動機型式 B58B30C
気筒配列 直列6気筒
排気量2997cc
圧縮比 -
吸気方式 ターボ
最高出力 340PS[250kW]/5000rpm
最大トルク 51.0kgm[500Nm]/1600-4500rpm
パワーバンド 1600-5000rpm, 帯域68.0%
使用燃料 ハイオクガソリン
WLTC燃費11.3km/L(26.6mpg)
JC08燃費12.4km/L(29.2mpg)
100km燃費8.8L/100km
最高出力・最大トルク 各回転数での出力
1600rpm 114PS/51.0kgm
4500rpm320PS/51.0kgm
5000rpm 340PS/48.7kgm
B58B30C型エンジンの諸元と性能まとめ
直列6気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に6個配置する方式。理論上では完全バランスなれど今や絶滅危惧種。
直列6気筒エンジンを搭載する車種の一覧
直列6気筒の最高出力ランキング

まずおさらいとして、搭載しているB58B30型2997cc、直列6気筒のターボエンジンは5000回転時に最高出力340馬力を、1600-4500回転時に最大トルク51.0kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、アイドリングとそれほど変わらないような回転数から最大トルクが発生するこのエンジンは、坂道発進も平気の平左、MT車でもエンスト知らず、扱いやすさにかけては右に出るものがありません。ディーゼル車やダウンサイジングターボに多くあります。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なります。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する1600rpmから最高出力が発生する5000rpmまで」の3400rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は68.0%となります。※簡易エンジン性能曲線図オレンジ色の帯域。

最高出力ランキング リスト
3000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
3000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ5.588kg/PS(1900kg/340PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ5.588kg/PS
車体+1人5.750kg/PS
車体+4人6.235kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg5.765kg/PS
車体+70kg5.794kg/PS
車体+80kg5.824kg/PS
車体+90kg5.853kg/PS
車体+100kg5.882kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは5.750kg/PS(1955kg/340PS)となり、数値としては0.162kg、比率にすると2.9%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの4人が搭乗した場合、車両重量に220kgがプラスされてパワーウェイトレシオは6.235kg/PS(2120kg/340PS)となり、数値としては0.647kg、比率にすると11.6%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

AE30 8シリーズ カブリオレのライバル候補車たち

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ5.750kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

愛すべきライバル車種
Page Link車名 PWR+55kg

-
8シリーズ カブリオレ
5.750kg/PS
340PS・3.0L-TB
車体のみPWR 5.588
1955kg
+2.9%

車種詳細
フォレスター
5.875kg/PS
280PS・2.0L-TB
車体のみPWR 5.679
1645kg
+3.5%

車種詳細
インテグラ タイプR
5.659kg/PS
220PS・2.0L-NA
車体のみPWR 5.409
1245kg
+4.6%

車種詳細
マツダスピード アテンザ
5.938kg/PS
272PS・2.3L-TB
車体のみPWR 5.735
1615kg
+3.5%

車種詳細
インプレッサ
5.660kg/PS
250PS・2.0L-TB
車体のみPWR 5.440
1415kg
+4.0%

車種詳細
RX-8
5.979kg/PS
235PS・1.4L-NA
車体のみPWR 5.745
1405kg
+4.1%


5.520kg/PSから5.980kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、スバルの5人乗りSUV・SJG型 フォレスター、ホンダの4人乗りクーペ・DC5型 インテグラ タイプR、マツダの5人乗りセダン・GG3P型 マツダスピード アテンザ、スバルの5人乗りハッチバック・GH8型 インプレッサ、マツダの4人乗りクーペ・SE3P型 RX-8という顔ぶれが並びました。

最高出力が高いからといって、車両重量が重ければパワーウェイトレシオの数値は似たようなものになったりします。「空車状態のPWRの違いが、戦力の決定的差ではないということを…教えてやる!」といったところでしょうか。

こうなると、思いもよらぬ車種の登場に「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごも生じることもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

AE30型 8シリーズ カブリオレ [840i Cabriolet G14]のライバル車種|5.750kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は178.9PS/tとなっています。


8シリーズ カブリオレがバイクと競争するなら…?


車種詳細
GS400E|399cc
5.744kg/PS
224kg/39.0PS/3.20kgm
[車体のみPWR:4.333]
1速ギヤ速度:58.8km/h
最小TWR:0.867
2021/04

-
8シリーズ カブリオレ|2997cc
5.750kg/PS
1955kg/340PS/51.0kgm
[車体のみPWR:5.588]
1速ギヤ速度:41.5km/h
最小TWR:0.820

車種詳細
バルカン1500 ミーンストリーク|1470cc
5.766kg/PS
369kg/64.0PS/11.00kgm
[車体のみPWR:4.906]
1速ギヤ速度:64.0km/h
最小TWR:0.914

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここでは8シリーズ カブリオレとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

GK54A GS400Eと競争してみる

まず8シリーズ カブリオレより少しPWRが低いバイクとして、スズキのGS400Eが挙げられます。PWRの5.744kg/PSは車両重量169kgにライダーの体重55kgを加えた224kgを、最高出力39.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はGS400Eに17.3km/h劣り、1速TWRは0.047kg勝る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

VNT50P バルカン1500 ミーンストリークと競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、カワサキのバルカン1500 ミーンストリークが挙げられます。PWRの5.766kg/PSは車両重量314kg+55kgの369kgを、最高出力64.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は22.5km/h劣り、1速TWRは0.094kg勝る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.714
平均ピストンスピード 15.77m/s
トルクウェイトレシオ 37.25kg/kgm
1馬力あたりのお値段 38471円
排気量1Lあたり馬力 113.45PS/L
排気量1Lあたりトルク 17.02kgm/L
1気筒あたりの馬力 56.7PS
1気筒あたりのトルク 8.5kgm
パワーバンド比率 68.0%
燃費×馬力 3842.0pt
各種ランキング
オープンカーのPWR
2.5~3.0Lターボ車のPWR

トルクウェイトレシオは37.25kg/kgm(1900kg/51.0kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が13080000円、最高出力が340馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は38471円、逆に1万円あたりでは0.26馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は256471円、1万円あたりでは0.04kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
3000cc以下の車編
オープンカー編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は113.45PS/L、トルクは17.02kgm/L、1気筒あたりの馬力は56.7馬力、トルクは8.5kgmとなり、このエンジンが340馬力を5000回転で発生させているときの平均ピストンスピードは15.77m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が94.6mmであるB58B30型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6340回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.714になります。全ての車種の平均値である1.773を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと小回りを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が11.3km/L、最高出力が340PSであるこの車の獲得ポイントは3842.0ptになります。
戯れに車両重量1900kgを100kg単位にした19.0で割ってみたところ、その数値は202.21ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


AE30 8シリーズ カブリオレのギヤ比と回転数・速度のステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合5000rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした5500回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 5500rpm|タイヤサイズ 275/40R18|タイヤ直径 67.7cm|円周長 212.7cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
5500rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 5.250 15.38 - - 46km/h 12050rpm 2316.8kgm
2速 3.360 9.84 0.640 1-2/
3520rpm
71km/h 7710rpm 1482.8kgm
3速 2.172 6.36 0.646 2-3/
3550rpm
110km/h 4980rpm 958.5kgm
4速 1.720 5.04 0.792 3-4/
4360rpm
139km/h 3950rpm 759.0kgm
5速 1.316 3.85 0.765 4-5/
4210rpm
182km/h 3020rpm 580.7kgm
6速 1.000 2.93 0.760 5-6/
4180rpm
240km/h 2300rpm 441.3kgm
7速 0.822 2.41 0.822 6-7/
4520rpm
292km/h 1890rpm 362.7kgm
8速 0.640 1.87 0.779 7-8/
4280rpm
374km/h 1470rpm 282.4kgm
Final2.929レシオカバレッジ(変速比幅)8.203
  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数1600-4500rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(2.929)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(51.0kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(2.929)÷タイヤの有効半径(0.3385m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は8速ギヤの374km(5000rpmでは340.4km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが1600-4500回転で最大トルク51.0kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば37.25kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(5.588kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと2316.8kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1900kg)を1速ギヤの最大駆動力(2316.8kgm)で割ってみると0.820kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する5000回転でのトルク(48.7kgm)からTWRを算出すると0.859kg/kgmとなり、1600-5000回転の回転域では0.820-0.859kg/kgmの間で推移することがわかります。


5000rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

AE30型8シリーズ カブリオレに搭載されたB58B30型2997ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する5000rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

5000rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ41km/h-
2速ギヤ65km/h3200rpm
3速ギヤ100km/h3230rpm
4速ギヤ127km/h3960rpm
5速ギヤ166km/h3830rpm
6速ギヤ218km/h3800rpm
7速ギヤ265km/h4110rpm
8速ギヤ340km/h3900rpm

まず1速ギヤで5000rpmまで引っ張ると41km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は5000rpmから3200rpmまで落ち、そこから5000rpmまで加速を続けると速度は65km/h(+24km/h)になります。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4820 7230 9640 12050 14460 16870 21690
2速 3080 4630 6170 7710 9250 10800 13880
3速 1990 2990 3990 4980 5980 6980 8970
4速 1580 2370 3160 3950 4740 5530 7110
5速 1210 1810 2420 3020 3620 4230 5440
6速 920 1380 1840 2300 2750 3210 4130
7速 750 1130 1510 1890 2260 2640 3400
8速 590 880 1180 1470 1760 2060 2640
※赤い数字は暫定レブリミット(5500rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.640)を選択して時速100kmにて走行すると1470回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは880回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1030回転、一般的な高速道路の80km/hでは1180回転、100km/hでは1470回転、制限速度が120km/hになると1760回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは2640回転まで回ります。

これほどまでに時速100kmでの巡航回転数が低ければ、(パワーさえ足りていれば)高速道路では向かうところ敵なしです。エンジンノイズによる疲れとは無縁の世界、ただひたすらに回り続けるエンジンのなんと頼もしいことでしょう。これに合わせてタイヤのロードノイズ、風きり音すらも完璧に抑え込まれていたならば、これはもはや完全無欠の高級車です。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 8 17 25 33 41 50 58 66
2速 13 26 39 52 65 78 91 104
3速 20 40 60 80 100 120 140 160
4速 25 51 76 101 127 152 177 203
5速 33 66 99 132 166 199 232 265
6速 44 87 131 174 218 261 305 349
7速 53 106 159 212 265 318 371 424
8速 68 136 204 272 340 408 477 545

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(5500回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの275/40R18と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 275/40R18 | 直径 677mm

-20mm
幅255mm
-10mm
幅265mm
変更なし
幅275mm
+10mm
幅285mm
+20mm
幅295mm
35 255/35R18
37.6km/h
径 636mm
差 -41mm
265/35R18
38.0km/h
径 643mm
差 -34mm
275/35R18
38.4km/h
径 650mm
差 -27mm
285/35R18
38.8km/h
径 657mm
差 -20mm
295/35R18
39.2km/h
径 664mm
差 -13mm
40 255/40R18
39.1km/h
径 661mm
差 -16mm
265/40R18
39.5km/h
径 669mm
差 -8mm
275/40R18
40.0km/h
677mm
0mm
285/40R18
40.5km/h
径 685mm
差 +8mm
295/40R18
40.9km/h
径 693mm
差 +16mm
45 255/45R18
40.6km/h
径 687mm
差 +10mm
265/45R18
41.1km/h
径 696mm
差 +19mm
275/45R18
41.7km/h
径 705mm
差 +28mm
285/45R18
42.2km/h
径 714mm
差 +37mm
295/45R18
42.7km/h
径 723mm
差 +46mm
50 255/50R18
42.1km/h
径 712mm
差 +35mm
265/50R18
42.7km/h
径 722mm
差 +45mm
275/50R18
43.2km/h
径 732mm
差 +55mm
285/50R18
43.8km/h
径 742mm
差 +65mm
295/50R18
44.4km/h
径 752mm
差 +75mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、255/40R18 、265/35R18、265/40R18 、275/35R18 、285/35R18 、295/35R18あたりのタイヤがおすすめです。

275/40R18のタイヤ幅を255mmから305mmまで、扁平率を25%から55%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、275/40R18の適応サイズと性能の変化 [AE30型8シリーズ カブリオレ編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
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AE30型 8シリーズ カブリオレ 3.0Lターボ FR/8ATの通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を比較してみます。

運動性能部門 10項目
評価項目全車種平均数値得点評価
PWR9.79㎏/PS5.59㎏/PS61.4ptB
最高回転数5880rpm5000rpm39.2ptD
1速ギヤ
加速性能
1.58㎏/㎏m0.82㎏/㎏m66.0ptA
1速ギヤ
最高速
51.1㎞/h41.5㎞/h41.2ptD
1リットル
換算馬力
103.35PS/L113.45PS/L53.6ptC
1リットル
換算トルク
15.98㎏m/L17.02㎏m/L53.2ptC
WB/TR比1.7731.71456.0ptB
ワイド&
ロー指数
0.8940.70563.5ptA
前面の面積2.631m22.546m252.4ptC
最低地上高154.5mm120mm64.0ptA
スポーツ性能部門の得点533.5pt
総合評価B

※PWR(パワーウェイトレシオ)・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比(旋回性能重視)・ワイド&ロー指数(見た目のかっこよさ)・前面の面積(≒前方投影面積・空気抵抗)・最低地上高については数値が小さいほど高得点。最高回転数・1速ギヤ最高速・1リットル換算馬力・1リットル換算トルクについては数値が大きいほど高得点。

ユーティリティ部門 10項目
評価項目全車種平均数値得点評価
年間維持費340696円353200円48.9ptC
WLTC燃費16.2km/L11.3km/L39.9ptD
100km/h
回転数
2490rpm1470rpm63.5ptA
航続距離644.1km768.4km57.2ptB
車の大きさ11.468m312.361m346.5ptC
車内の広さ3430.7L-46.6ptC
乗車定員4.8人4人43.3ptD
1人あたり
車内広さ
691.9L-44.2ptD
車内床面積2.793m2-46.0ptC
最小回転
半径
5.17m5.2m49.4ptC
ユーティリティ部門の得点485.5pt
総合評価C

※WLTC燃費・航続距離(燃費×燃料タンク容量)・室内の広さ(室内長×室内幅×室内高)・乗車定員・1人あたりの車内の広さは数値が大きいほど高得点、新車価格・年間維持費・100km/h回転数・車の大きさ(全長×全幅×全高)・最小回転半径は数値が小さいほど高得点。

結果発表!
部門 全10707車種中 RANK
運動性能 533.5pt 2021位 B
運動性能部門 ランキング
ユーティリティ 485.5pt 5612位 C
ユーティリティ部門 ランキング
総合得点 1019.0pt 3330位 B
総合得点ランキング

スポーツ性能部門は533.5点で全10707車種中の2021位、ユーティリティ部門は485.5点で5612位、総合得点は1019.0点で3330位となりました。各部門、獲得点数が多い車種から順番に並べたランキングを用意してありますのでご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したAE30型 8シリーズ カブリオレ(FR/8AT) の各種スペックを、オープンカー3000ccという属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを比較してみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

8シリーズ カブリオレの歴代モデル

2代目 BC44型 8シリーズ カブリオレ
BC44 8シリーズ カブリオレは2018/11に登場した2代目モデル。参考車両の「M850i xDrive G14」は全長4855mm、全幅1900mm、全高1345mmの車体に、530PS/76.5kgmを発生するN63B44型4394ccエンジンを搭載した4人乗りオープンカー。

初代 E50型 8シリーズ クーペ
E50 8シリーズ クーペは1990/03に登場した初代モデル。参考車両の「850i 50-12 E31」は全長4780mm、全幅1865mm、全高1340mmの車体に、300PS/45.9kgmを発生するM70B50型4987ccエンジンを搭載した4人乗りクーペ。


人気があるオープンカーの車種比較


ZZW30 MR-S 2005 vs NB8C ロードスター RS-II 2004 性能比較
初代 MR-S(2005年式 ZZW30・MR/6MT・1.8L・140PS/17.4kgm・2人乗り)と、2代目 ロードスター RS-II(2004年式 NB8C・FR/6MT・1.9L・160PS/17.3kgm・2人乗り)を比較。

ZZW30 MR-S 2005 vs NCEC ロードスター RS 2009 性能比較
初代 MR-S(2005年式 ZZW30・MR/6MT・1.8L・140PS/17.4kgm・2人乗り)と、3代目 ロードスター RS-RHT(2009年式 NCEC・FR/6MT・2.0L・170PS/19.3kgm・2人乗り)を比較。

JW5 S660 2021 vs LA400A コペン GR 2019 性能比較
初代 S660 β 最終モデル(2021年式 JW5・MR/6MT・0.66L+ターボ・64PS/10.6kgm・2人乗り)と、2代目 コペン GR GR-Sport(2019年式 LA400A・FF/5MT・0.66L+ターボ・64PS/9.4kgm・2人乗り)を比較。

S15 シルビア ヴァリエッタ 2000 vs S13 シルビア コンバーチブル 1988 新旧比較
7代目 シルビア ヴァリエッタ Varietta(2000年式 S15・FR/4AT・2.0L・160PS/19.2kgm・4人乗り)と、5代目 シルビア コンバーチブル Convertible(1988年式 S13・FR/4AT・1.9L+ターボ・175PS/23.0kgm・4人乗り)を比較。

ZZW30 MR-S 2005 vs SW20 MR2 G 1997 性能比較
初代 MR-S(2005年式 ZZW30・MR/6MT・1.8L・140PS/17.4kgm・2人乗り)と、2代目 MR2 G(1997年式 SW20・MR/5MT・2.0L・200PS/21.0kgm・2人乗り)を比較。

JW5 S660 2015 vs L880K コペン 2010 性能比較
初代 S660 β(2015年式 JW5・MR/6MT・0.66L+ターボ・64PS/10.6kgm・2人乗り)と、初代 コペン ActiveTop(2010年式 L880K・FF/5MT・0.66L+ターボ・64PS/11.2kgm・2人乗り)を比較。

AE86 スプリンター トレノ GTV 1983 vs NA6CE ロードスター 1993 性能比較
5代目 スプリンター トレノ GTV GTV Fin4.300(1983年式 AE86・FR/5MT・1.6L・130PS/15.2kgm・5人乗り)と、初代 ロードスター V-Special(1993年式 NA6CE・FR/5MT・1.6L・120PS/14.0kgm・2人乗り)を比較。

AP2 S2000 2007 vs AP1 S2000 2004 性能比較
初代 S2000 type-S(2007年式 AP2・FR/6MT・2.2L・242PS/22.5kgm・2人乗り)と、初代 S2000 type-V(2004年式 AP1・FR/6MT・2.0L・250PS/22.2kgm・2人乗り)を比較。