2G30G 2シリーズ クーペ M240i 性能と維持費 FR/6MT 631万円 2016

このページでは、BMWの2ドア・4人乗りクーペ、初代のABA-2G30G型2シリーズ クーペ M240i M240i F22【2016/09モデル・340PS/51.0kgm・FR/MT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

2G30G 2シリーズ クーペ M240i
販売期間:2014/02 - 2022/03

画像はBMWより引用
http://www.bmw.co.jp/
投稿:|更新:

ボディサイズが全長4470mm×全幅1775mm×全高1410mm、排気量は2997ccであることから、大雑把に分類すると3.0リットルクラス(3000cc、自動車税は3.0L以下を適用)に属し、全長、全高は5ナンバー枠ながら全幅が1.7mを超え、排気量も2000ccを超えていることにより3ナンバー登録になります。比較的コンパクトなボディに大きめなエンジンの組み合わせは世界戦略車(グローバルカー)やちょっとした高級車に良くあるパターンです。
参考:300PS~350PSの自動車 一覧

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、後輪のみを駆動する、フロントエンジン・リヤドライブ方式(後輪駆動・FR・RWDとも)を採用しています。前輪は操舵、後輪は駆動と役割分担が異なることから優れたハンドリングを得られるとされ、運転の質を求める人々から絶大なる支持を集めます。高級車の代名詞的な駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4470mmであるこの車の場合は「ミディアム」(Medium:4300mm超-4650mm以下・Dセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。

2G30G型 2シリーズ クーペ M240i [2997cc/340PS FR/6MT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

初代2シリーズ クーペ M240iの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2022/09
7L20型
[M235i xDrive F44]
2.0L-TB・FF/8AT・692.0万円
306PS・45.9kgm・12.1km/L
306PS
45.9kgm
12.1km/L
2022/09
7M20型
[218d Play F44]
2.0L-TB・FF/8AT・498.0万円
150PS・35.7kgm・17.1km/L
150PS
35.7kgm
17.1km/L
2021/04
2H20型
[220i M-Sport F22]
2.0L-TB・FR/8AT・560.0万円
184PS・27.5kgm・12.8km/L
184PS
27.5kgm
12.8km/L
初代 2シリーズ 型式一覧 F22/F23/F45/F46系まとめ 2014-2023【全37車種】
2シリーズ クーペ M240iの新型モデル
2代目 12DM30型M2 クーペ
12DM30型M2 クーペは2023/02に登場した2代目モデル。参考車両の「BaseGrade G87」は全長4580mm、全幅1885mm、全高1410mmの車体に、460PS/56.1kgmを発生するS58B30型2992ccエンジンを搭載。


2G30G 2シリーズ クーペ M240iの主要諸元と大きさ比較

主要諸元
メーカー BMW
車名&
グレード
2シリーズ クーペ M240i
M240i F22
その他 -
お値段 6310000円
車両型式 ABA-2G30G
駆動方式
変速機
FR・後輪駆動(RWD,2WD)
6速MT・6速マニュアル車
ドア/定員 2ドア・4名乗車
ホイールベース 2690mm
トレッド 1510mm/1535mm
WB/TR比 1.766
最小半径 5.1m
最低高 130mm
タイヤ 前輪:225/40R18
後輪:245/35R18
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
車両重量 1550kg

※WB/TR比はホイールベーストレッド比の略。値が大きいほど直進安定性に優れ、小さいほど旋回性能が高くなりやすい。全ての車種の平均値は1.773。

2シリーズ クーペ M240iと各規格の大きさ比較
規格名 規格寸法 増減
2シリーズ クーペ M240i
車体寸法
全長 4470mm -
全幅 1775mm -
全高 1410mm -
大きさ 11.19m3 -
軽自動車
新規格
全長 3400mm以下 +1070mm
全幅 1480mm以下 +295mm
全高平均 1640mm -230mm
大きさ平均 8.13m3 +3.06m3
小型車規格
5ナンバー車
全長 4700mm以下 -230mm
全幅 1700mm以下 +75mm
全高平均 1496mm -86mm
大きさ平均 10.47m3 +0.72m3
普通車平均
3ナンバー車
全長平均 4643mm -173mm
全幅平均 1815mm -40mm
全高平均 1518mm -108mm
大きさ平均 12.84m3 -1.65m3

※上記グラフは100のラインを上回れば平均値以上、下回れば平均値以下を表す。グラフの伸びが大きいほど各規格の車両に対して相対的に車体が長い・広い・高い。※普通乗用車(3ナンバー車)の条件は全長4700mm超または全幅1700mm超または全高2000mm超と上限値が曖昧なため、ここでは普通乗用車に属する全ての車種の平均値との比較。※軽自動車・小型乗用車の全高はいずれも2000mm以下。ただし、ここでは各規格に属する車種の全高の平均値との比較。



2シリーズ クーペ M240iでの車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.565m
期待される荷室の幅 1.375m
対角線の長さ 2.083m
期待される荷室の面積 2.152m²

縦方向の長さが1.565m(対角線では2.083m)となれば、一般的な身長ならそれなりの車中泊を楽しむことができそうです。

車の中で足を伸ばして優雅に寝られる悦びを味わうために最低限必要な長さを備えた、車中泊のスタンダードと呼ぶに相応しい性能を有しています。

セダンやクーペであっても後部座席の背もたれを取り外してトランクルームと貫通させて荷室長を確保すれば良いだけの話です。たまに背もたれを取り外してもトランクルームと繋がっていなかったり、頑強な補強バーが入っていて邪魔されることもありますが、恐らく稀なケースです。

車中泊にあると嬉しいアイテム


2G30G 2シリーズ クーペ M240iの税金・年間維持費シミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税51000円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税16400円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額6500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、2016/09モデルの2シリーズ クーペ M240iを9年落ちの中古で416.5万円にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    2シリーズ クーペ M240iの2016/09モデルの場合、2025年現在では9年が経過しているため、新車価格の60%である378.6万円に諸経費として37.9万円を足した416.5万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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2016年式を9年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税 3000cc以下 13年未満 51000円
自動車重量税
1年分
2.0トン以下 13年未満 16400円
自賠責保険料
(1年換算)
自家用乗用車 8825円
燃料代
年間1万㎞
1万㎞÷11.8×195円/L 165250円
オイル交換
5000km毎
1回6500円×2回 13000円
タイヤ交換
5年5万km毎
1本18000円×4本÷5年 14400円
任意保険料
月額6500円
月額6500円×12ヶ月 78000円
ローン完済後の年間維持費 346900円
名目 区分 金額
車のローン額
1年分
月額69410円×12ヶ月 832920円
ローン返済中の年間維持費 1179800円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 53500円
  • 初度登録から9年経過車の場合、「3000cc以下で13年未満」クラスの自動車税は51000円、「2.0トン以下で13年未満」クラスの自動車重量税は16400円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに6500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本18000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額6500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした53500円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

お財布に厚みが増した勢いで少し色気を出して愛車にステータス性を求めるなら、月換算29000円くらいの出費は覚悟しましょう。なあに大丈夫、愛車のためです。

口癖のように「もうちょっと維持費が安ければねえ…?」なんて呟くその姿は自慢げなようであり、しかし哀愁を帯びているようでもあり、傍からすれば対応に困ります。より維持費の安い新車を買うほどではない…ないが…考えずにもいられない、そんなクラスです。全体から見るとこの辺りから面白味のある車が増えてきます。

2シリーズ クーペ M240iの維持費は高い?安い?

「2シリーズ クーペ M240iの年間維持費は346900円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「3000ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたして2シリーズ クーペ M240iの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いハイエース バン274670円-72230円
スープラ343900円-3000円
2シリーズ クーペ M240iの維持費346900円
スカイライン379100円+32200円
ハイエース ワゴン387600円+40700円
基準3000ccクラス平均414000円+67100円
アリスト453300円+106400円
スカイライン GT-R480700円+133800円
X5519600円+172700円
高いXM ワゴン623000円+276100円

2シリーズ クーペ M240iの年間維持費を、3000ccクラスで最も維持費が安いハイエース バンと比較して72230円高く、最も高いXM ワゴンと比較して276100円安く、3000ccクラスの平均維持費との比較では67100円安くなっています。

最低額のハイエース バンと最高額のXM ワゴンは極端な例としても、3000ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、2シリーズ クーペ M240iの維持費は まあまあ安い! と言えそうです。

年間維持費が安い 3000ccクラスの車 ランキング

2シリーズ クーペ M240iを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟の%年収月給手取り
10%450万円38万円30万円
15%300万円25万円20万円
20%230万円20万円16万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は450万円(総支給額38万円/月、手取り30万円/月)、ここから月額維持費2.9万円を支払うと残りは27.1万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は300万円(総支給額25万円/月、手取り20万円/月)、2.9万円を支払うと残りは17.1万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が230万円(総支給額20万円/月、手取り16万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。2.9万円を引くと残りは13.1万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代17万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり195円を基準として、-50円となる145円から、+50円となる245円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費11.8km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代差額
145円/L 122890円 -42360円
170円/L 144080円 -21170円
185円/L 156790円 -8460円
195円/L 165250円 -
205円/L 173740円 +8490円
220円/L 186450円 +21200円
245円/L 207640円 +42390円

燃費11.8km/Lの2G30G型 2シリーズ クーペ M240iで10000km走行するのに必要な燃料は847.5L、1リットルあたり195円としたときの燃料代は165250円になります。

参考までに、2シリーズ クーペ M240iの燃料タンクは52リットルですので、847.5Lの給油回数は17回、1回あたりの燃料代は約9730円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては8490円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると21200円、50円も違ってくると42390円にもなります。

これを2G30G型 2シリーズ クーペ M240iの年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり195円の場合を346900円としたとき、145円/Lに値下がりすれば304540円(87.8%)に、245円/Lに値上がりすれば389290円(112.2%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(51000円)なり重量税(16400円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

税金の安さは折り紙付き!
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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

1年分の自動車税・重量税・自賠責保険料
名目 金額
自動車税 51000円
自動車重量税 1年分 16400円
自賠責保険料 1年分 8825円
合計 76225円

※現在の税制では、自動車税、自動車重量税、自賠責保険料は走行距離に関係なく税額・保険料は一律。走行距離税が新設された場合は大幅に変わる可能性あり。


維持費名目 3000km 5000km 7000km
燃料代 49580円 82630円 115680円
オイル交換 6500円 6500円 9100円
タイヤ交換 9600円 9600円 9600円
任意保険料 62400円 66360円 70200円
税金 自賠責 一律 76225円
合計 204400円 241400円 280900円
1万km差額 -142500円 -105500円 -66000円

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで50000km程度持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料78000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて142500円安い204400円に、5000km走行では105500円安い241400円に、7000km走行では66000円安い280900円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は15000kmは1.1倍、20000kmは1.2倍としたのがこちらです。

維持費名目 10000km 15000km 20000km
燃料代 165250円 247880円 330500円
オイル交換 13000円 19500円 26000円
タイヤ交換 14400円 17280円 23040円
任意保険料 78000円 85800円 93600円
税金 自賠責 一律 76225円
合計 346900円 446700円 549400円
1万km差額 - +99800円 +202500円

走行距離と維持費の変化

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
輸入車・外車の小型車&普通車編
3000cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
2ドア・クーペ編

2シリーズ クーペ M240iの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
JC08モード燃費 12.7km/L
燃料タンク容量 52L
航続距離(カタログ燃費) 660.4km
航続距離(80%燃費) 530.4km
満タンプライス 10140円
1km走行コスト 15.35円/km
1万円でどこまで行ける? 651.3km
東京から660.4kmの範囲

JC08モード燃費が12.7km/L、燃料タンク容量52リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は660.4kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(11.4km/L)とすると航続距離は592.8km、80%(10.2km/L)だと530.4km、70%(8.9km/L)では462.8kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から52リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり195円では10140円、上で計算した航続距離を踏まえると660.4km(80%燃費時530.4km)を走行するのに10140円かかる計算です。

燃費を11.8km/Lとしたときの1km走行コストは15.35円、10万km走行したときの燃料代は153.5万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら15.3万円/年、7年10万kmなら21.9万円/年、5年10万kmなら30.7万円/年、3年10万kmなら51.2万円/年となります。

ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば651.3km(往復なら片道325.6km)、カタログ値の80%なら521.0km(片道260.5km)離れたところまで行くことができます。

2G30G 2シリーズ クーペ M240iのエンジン諸元とカタログデータ

B58B30A型エンジン簡易性能曲線図
エンジン諸元
原動機型式 B58B30A
気筒配列 直列6気筒
排気量2997cc
圧縮比 11.0
吸気方式 ターボ
最高出力 340PS[250kW]/5500rpm
最大トルク 51.0kgm[500Nm]/1520-4500rpm
パワーバンド 1520-5500rpm, 帯域72.4%
使用燃料 ハイオクガソリン
JC08燃費12.7km/L(29.9mpg)
100km燃費7.9L/100km
最高出力・最大トルク 各回転数での出力
1520rpm 108PS/51.0kgm
4500rpm320PS/51.0kgm
5500rpm 340PS/44.3kgm
B58B30A型エンジンの諸元と性能まとめ
直列6気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に6個配置する方式。理論上では完全バランスなれど今や絶滅危惧種。
直列6気筒エンジンを搭載する車種の一覧
直列6気筒の最高出力ランキング

まずおさらいとして、搭載しているB58B30型2997cc、直列6気筒のターボエンジンは5500回転時に最高出力340馬力を、1520-4500回転時に最大トルク51.0kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、アイドリングとそれほど変わらないような回転数から最大トルクが発生するこのエンジンは、坂道発進も平気の平左、MT車でもエンスト知らず、扱いやすさにかけては右に出るものがありません。ディーゼル車やダウンサイジングターボに多くあります。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なります。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する1520rpmから最高出力が発生する5500rpmまで」の3980rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は72.4%となります。※簡易エンジン性能曲線図オレンジ色の帯域。

最高出力ランキング リスト
3000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
3000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ4.559kg/PS(1550kg/340PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ4.559kg/PS
車体+1人4.721kg/PS
車体+4人5.206kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg4.735kg/PS
車体+70kg4.765kg/PS
車体+80kg4.794kg/PS
車体+90kg4.824kg/PS
車体+100kg4.853kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは4.721kg/PS(1605kg/340PS)となり、数値としては0.162kg、比率にすると3.6%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの4人が搭乗した場合、車両重量に220kgがプラスされてパワーウェイトレシオは5.206kg/PS(1770kg/340PS)となり、数値としては0.647kg、比率にすると14.2%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

2G30G 2シリーズ クーペ M240iのライバル候補車たち

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ4.721kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

愛すべきライバル車種
Page Link車名 PWR+55kg

-
2シリーズ クーペ M240i
4.721kg/PS
340PS・3.0L-TB
車体のみPWR 4.559
1605kg
+3.5%

車種詳細
シビック タイプR
4.516kg/PS
320PS・2.0L-TB
車体のみPWR 4.344
1445kg
+4.0%

車種詳細
シビック タイプR
4.629kg/PS
310PS・2.0L-TB
車体のみPWR 4.452
1435kg
+4.0%

車種詳細
インプレッサ R205
4.766kg/PS
320PS・2.0L-TB
車体のみPWR 4.594
1525kg
+3.7%

車種詳細
インプレッサ WRX
4.951kg/PS
308PS・2.0L-TB
車体のみPWR 4.773
1525kg
+3.7%

車種詳細
GRヤリス
4.798kg/PS
272PS・1.7L-TB
車体のみPWR 4.596
1305kg
+4.4%


4.485kg/PSから4.957kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、ホンダの4人乗りハッチバック・FK8型 シビック タイプR、ホンダの4人乗りハッチバック・FK2型 シビック タイプR、スバルの5人乗りハッチバック・GRB型 インプレッサ R205、スバルの5人乗りセダン・GVB型 インプレッサ WRX、トヨタの4人乗りハッチバック・GXPA16型 GRヤリスという顔ぶれが並びました。

最高出力が高いからといって、車両重量が重ければパワーウェイトレシオの数値は似たようなものになったりします。「空車状態のPWRの違いが、戦力の決定的差ではないということを…教えてやる!」といったところでしょうか。

こうなると、思いもよらぬ車種の登場に「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごも生じることもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

2G30G型 2シリーズ クーペ M240i [M240i F22]のライバル車種|4.721kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は219.4PS/tとなっています。


2シリーズ クーペ M240iがバイクと競争するなら…?


車種詳細
GSX400 インパルス|399cc
4.717kg/PS
250kg/53.0PS/3.80kgm
[車体のみPWR:3.679]
1速ギヤ速度:64.5km/h
最小TWR:0.799
2016/09

-
2シリーズ クーペ M240i|2997cc
4.721kg/PS
1605kg/340PS/51.0kgm
[車体のみPWR:4.559]
1速ギヤ速度:51.6km/h
最小TWR:0.756

車種詳細
グラディウス400|399cc
4.745kg/PS
261kg/55.0PS/4.10kgm
[車体のみPWR:3.745]
1速ギヤ速度:68.4km/h
最小TWR:0.829

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここでは2シリーズ クーペ M240iとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

GK79A GSX400 インパルスと競争してみる

まず2シリーズ クーペ M240iより少しPWRが低いバイクとして、スズキのGSX400 インパルスが挙げられます。PWRの4.717kg/PSは車両重量195kgにライダーの体重55kgを加えた250kgを、最高出力53.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はGSX400 インパルスに12.9km/h劣り、1速TWRは0.043kg勝る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

VK58A グラディウス400と競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、スズキのグラディウス400が挙げられます。PWRの4.745kg/PSは車両重量206kg+55kgの261kgを、最高出力55.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は16.8km/h劣り、1速TWRは0.073kg勝る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.766
平均ピストンスピード 17.34m/s
トルクウェイトレシオ 30.39kg/kgm
1馬力あたりのお値段 18559円
排気量1Lあたり馬力 113.45PS/L
排気量1Lあたりトルク 17.02kgm/L
1気筒あたりの馬力 56.7PS
1気筒あたりのトルク 8.5kgm
パワーバンド比率 72.4%
燃費×馬力 4015.4pt
各種ランキング
クーペのPWR
2.5~3.0Lターボ車のPWR

トルクウェイトレシオは30.39kg/kgm(1550kg/51.0kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が6310000円、最高出力が340馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は18559円、逆に1万円あたりでは0.54馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は123725円、1万円あたりでは0.08kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
3000cc以下の車編
クーペ編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は113.45PS/L、トルクは17.02kgm/L、1気筒あたりの馬力は56.7馬力、トルクは8.5kgmとなり、このエンジンが340馬力を5500回転で発生させているときの平均ピストンスピードは17.34m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が94.6mmであるB58B30型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6340回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.766になります。全ての車種の平均値である1.773を基準にざっくりと分類すると、走ってよし、曲がってよしで至れり尽くせりのオールラウンダーであると言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が11.81km/L、最高出力が340PSであるこの車の獲得ポイントは4015.4ptになります。
戯れに車両重量1550kgを100kg単位にした15.5で割ってみたところ、その数値は259.06ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


2G30G 2シリーズ クーペ M240iのギヤ比と回転数・速度のステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合5500rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした6000回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 6000rpm|タイヤサイズ 245/35R18|タイヤ直径 62.9cm|円周長 197.6cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
6000rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 4.110 12.65 - - 56km/h 10670rpm 2050.8kgm
2速 2.315 7.12 0.563 1-2/
3380rpm
100km/h 6010rpm 1155.1kgm
3速 1.542 4.74 0.666 2-3/
4000rpm
150km/h 4000rpm 769.4kgm
4速 1.179 3.63 0.765 3-4/
4590rpm
196km/h 3060rpm 588.3kgm
5速 1.000 3.08 0.848 4-5/
5090rpm
231km/h 2600rpm 499.0kgm
6速 0.846 2.60 0.846 5-6/
5080rpm
273km/h 2200rpm 422.1kgm
Final3.077レシオカバレッジ(変速比幅)4.858
  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数1520-4500rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.077)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(51.0kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.077)÷タイヤの有効半径(0.3145m)で算出。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は6速ギヤの273km(5500rpmでは250.5km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが1520-4500回転で最大トルク51.0kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば30.39kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(4.559kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと2050.8kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1550kg)を1速ギヤの最大駆動力(2050.8kgm)で割ってみると0.756kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する5500回転でのトルク(44.3kgm)からTWRを算出すると0.870kg/kgmとなり、1520-5500回転の回転域では0.756-0.870kg/kgmの間で推移することがわかります。


5500rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

2G30G型2シリーズ クーペ M240iに搭載されたB58B30型2997ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する5500rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

5500rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ52km/h-
2速ギヤ92km/h3100rpm
3速ギヤ137km/h3660rpm
4速ギヤ180km/h4210rpm
5速ギヤ212km/h4660rpm
6速ギヤ250km/h4650rpm

まず1速ギヤで5500rpmまで引っ張ると52km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は5500rpmから3100rpmまで落ち、そこから5500rpmまで加速を続けると速度は92km/h(+40km/h)になります。

3速ギヤでは3660rpmまで落ちて5500rpmで137km/h(+45km/h)に、4速ギヤでは4210rpmまで落ちて5500rpmで180km/h(+43km/h)になります。

続いて5速ギヤでは4660rpmまで落ちて5500rpmで212km/h(+32km/h)に、6速ギヤでは4650rpmまで落ちて5500rpmで250km/h(+38km/h)という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4270 6400 8530 10670 12800 14930 19200
2速 2400 3600 4810 6010 7210 8410 10810
3速 1600 2400 3200 4000 4800 5600 7200
4速 1220 1840 2450 3060 3670 4280 5510
5速 1040 1560 2080 2600 3110 3630 4670
6速 880 1320 1760 2200 2630 3070 3950
※赤い数字は暫定レブリミット(6000rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.846)を選択して時速100kmにて走行すると2200回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1320回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1540回転、一般的な高速道路の80km/hでは1760回転、100km/hでは2200回転、制限速度が120km/hになると2630回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは3950回転まで回ります。

一般的な自動車であれば時速100kmでの巡航回転数は2500回転付近に落ち着くようですが、その中でも若干低めの回転数となっています。標準的なギヤ比の範囲内ながらも加速よりも静粛性や燃費に重きを置いた設定なので、急な坂道や長く続く坂道では積極的にギヤを1段下げる操作が必要になるかもしれません。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 9 19 28 37 47 56 66 75
2速 17 33 50 67 83 100 117 133
3速 25 50 75 100 125 150 175 200
4速 33 65 98 131 163 196 229 261
5速 39 77 116 154 193 231 270 308
6速 46 91 137 182 228 273 319 364

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(6000回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの245/35R18と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 245/35R18 | 直径 629mm

-20mm
幅225mm
-10mm
幅235mm
変更なし
幅245mm
+10mm
幅255mm
+20mm
幅265mm
30 225/30R18
37.6km/h
径 592mm
差 -37mm
235/30R18
38.0km/h
径 598mm
差 -31mm
245/30R18
38.4km/h
径 604mm
差 -25mm
255/30R18
38.8km/h
径 610mm
差 -19mm
265/30R18
39.2km/h
径 616mm
差 -13mm
35 225/35R18
39.1km/h
径 615mm
差 -14mm
235/35R18
39.6km/h
径 622mm
差 -7mm
245/35R18
40.0km/h
629mm
0mm
255/35R18
40.4km/h
径 636mm
差 +7mm
265/35R18
40.9km/h
径 643mm
差 +14mm
40 225/40R18
40.5km/h
径 637mm
差 +8mm
235/40R18
41.0km/h
径 645mm
差 +16mm
245/40R18
41.5km/h
径 653mm
差 +24mm
255/40R18
42.0km/h
径 661mm
差 +32mm
265/40R18
42.5km/h
径 669mm
差 +40mm
45 225/45R18
42.0km/h
径 660mm
差 +31mm
235/45R18
42.5km/h
径 669mm
差 +40mm
245/45R18
43.1km/h
径 678mm
差 +49mm
255/45R18
43.7km/h
径 687mm
差 +58mm
265/45R18
44.3km/h
径 696mm
差 +67mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、225/35R18 、235/30R18、235/35R18 、245/30R18 、255/30R18 、265/30R18あたりのタイヤがおすすめです。

245/35R18のタイヤ幅を225mmから275mmまで、扁平率を20%から50%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、245/35R18の適応サイズと性能の変化 [2G30G型2シリーズ クーペ M240i編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】245/35R18のタイヤ銘柄と通販価格

2G30G型 2シリーズ クーペ M240i 3.0Lターボ FR/6MTの通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を比較してみます。

運動性能部門 10項目
評価項目全車種平均数値得点評価
PWR9.79㎏/PS4.56㎏/PS64.2ptA
最高回転数5880rpm5500rpm45.3ptD
1速ギヤ
加速性能
1.58㎏/㎏m0.76㎏/㎏m67.3ptA
1速ギヤ
最高速
51.1㎞/h51.6㎞/h50.5ptC
1リットル
換算馬力
103.37PS/L113.45PS/L53.6ptC
1リットル
換算トルク
15.99㎏m/L17.02㎏m/L53.2ptC
WB/TR比1.7731.76650.7ptC
ワイド&
ロー指数
0.8940.79457.2ptB
前面の面積2.631m22.503m253.6ptC
最低地上高154.5mm130mm59.9ptB
スポーツ性能部門の得点549.4pt
総合評価B

※PWR(パワーウェイトレシオ)・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比(旋回性能重視)・ワイド&ロー指数(見た目のかっこよさ)・前面の面積(≒前方投影面積・空気抵抗)・最低地上高については数値が小さいほど高得点。最高回転数・1速ギヤ最高速・1リットル換算馬力・1リットル換算トルクについては数値が大きいほど高得点。

ユーティリティ部門 10項目
評価項目全車種平均数値得点評価
年間維持費340674円346900円49.5ptC
JC08燃費17.7km/L12.7km/L42.2ptD
100km/h
回転数
2489rpm2200rpm53.8ptC
航続距離644.1km614.2km48.3ptC
車の大きさ11.468m311.187m351.1ptC
車内の広さ3431.7L-46.6ptC
乗車定員4.8人4人43.3ptD
1人あたり
車内広さ
691.9L-44.2ptD
車内床面積2.793m2-46.0ptC
最小回転
半径
5.18m5.1m51.6ptC
ユーティリティ部門の得点476.6pt
総合評価C

※JC08燃費・航続距離(燃費×燃料タンク容量)・室内の広さ(室内長×室内幅×室内高)・乗車定員・1人あたりの車内の広さは数値が大きいほど高得点、新車価格・年間維持費・100km/h回転数・車の大きさ(全長×全幅×全高)・最小回転半径は数値が小さいほど高得点。

結果発表!
部門 全10713車種中 RANK
運動性能 549.4pt 1260位 B
運動性能部門 ランキング
ユーティリティ 476.6pt 6697位 C
ユーティリティ部門 ランキング
総合得点 1026.0pt 2700位 B
総合得点ランキング

スポーツ性能部門は549.4点で全10713車種中の1260位、ユーティリティ部門は476.6点で6697位、総合得点は1026.0点で2700位となりました。各部門、獲得点数が多い車種から順番に並べたランキングを用意してありますのでご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介した2G30G型 2シリーズ クーペ M240i(FR/6MT) の各種スペックを、クーペ3000ccという属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを比較してみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

2シリーズ クーペ M240iの歴代モデル

2代目 62BX15型 2シリーズ アクティブツアラー
62BX15 2シリーズ アクティブツアラーは2022/03に登場した2代目モデル。参考車両の「218i Exclusive U06」は全長4385mm、全幅1825mm、全高1580mmの車体に、156PS/23.5kgmを発生するB38A15型1498ccエンジンを搭載した5人乗りミニバン。

初代 2D20型 2シリーズ グランツアラー
2D20 2シリーズ グランツアラーは2014/02に登場した初代モデル。参考車両の「220i Sport F46」は全長4565mm、全幅1800mm、全高1645mmの車体に、192PS/28.6kgmを発生するB48A20型1998ccエンジンを搭載した7人乗りミニバン。


人気があるクーペの車種比較


ZZW30 MR-S 2005 vs SW20 MR2 G 1997 性能比較
初代 MR-S(2005年式 ZZW30・MR/6MT・1.8L・140PS/17.4kgm・2人乗り)と、2代目 MR2 G(1997年式 SW20・MR/5MT・2.0L・200PS/21.0kgm・2人乗り)を比較。

FL5 シビック タイプR 2022 vs ZC6 BRZ 2016 性能比較
11代目 シビック タイプR type-R(2022年式 FL5・FF/6MT・2.0L+ターボ・330PS/42.8kgm・4人乗り)と、初代 BRZ R Customize(2016年式 ZC6・FR/6MT・2.0L・207PS/21.6kgm・4人乗り)を比較。

ZZT231 セリカ SS-II 2005 vs ZZT230 セリカ SS-I 2005 性能比較
7代目 セリカ SS-II(2005年式 ZZT231・FF/6MT・1.8L・190PS/18.4kgm・4人乗り)と、7代目 セリカ SS-I(2005年式 ZZT230・FF/5MT・1.8L・145PS/17.4kgm・4人乗り)を比較。

ZZT231 セリカ SS-II 2005 vs ST202 セリカ SS-III 1999 新旧比較
7代目 セリカ SS-II(2005年式 ZZT231・FF/6MT・1.8L・190PS/18.4kgm・4人乗り)と、6代目 セリカ SS-III(1999年式 ST202・FF/5MT・2.0L・200PS/21.0kgm・5人乗り)を比較。

JZA80 スープラ RZ 2001 vs JZA70 スープラ 2.5GT 1991 新旧比較
4代目 スープラ RZ 17inch(2001年式 JZA80・FR/6MT・3.0L+ツインターボ・280PS/46.0kgm・4人乗り)と、3代目 スープラ 2.5GT TwinTurbo-R(1991年式 JZA70・FR/5MT・2.5L+ツインターボ・280PS/37.0kgm・5人乗り)を比較。

DE3A FTO GPX 1999 vs EK9 シビック タイプR 1998 性能比較
初代 FTO GPX(1999年式 DE3A・FF/5MT・2.0L・200PS/20.4kgm・4人乗り)と、6代目 シビック タイプR type-R(1998年式 EK9・FF/5MT・1.6L・185PS/16.3kgm・4人乗り)を比較。

SW20 MR2 G 1989 vs AW11 MR2 1600G 1984 新旧比較
2代目 MR2 G(1989年式 SW20・MR/5MT・2.0L・165PS/19.5kgm・2人乗り)と、初代 MR2 1600G(1984年式 AW11・MR/5MT・1.6L・130PS/15.2kgm・2人乗り)を比較。

AW11 MR2 1600G SC 1988 vs AW11 MR2 1600G 1984 性能比較
初代 MR2 1600G SC(1988年式 AW11・MR/5MT・1.6L+SC・145PS/19.0kgm・2人乗り)と、初代 MR2 1600G(1984年式 AW11・MR/5MT・1.6L・130PS/15.2kgm・2人乗り)を比較。