1A16:1シリーズの性能と維持費 FR/8AT 5人 318万円 2011年式

このページでは、BMWの5ドア・5人乗りハッチバック、2代目のDBA-1A16型1シリーズ 116i-Style F20【2011/09モデル・136PS/22.4kgm・FR/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

1A16 1シリーズ
販売期間:2011/09 - 2019/08

画像はBMWより引用
http://www.bmw.co.jp/
投稿:2011/12/25|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長4335mm×全幅1765mm×全高1440mm、排気量は1598ccであることから、大雑把に分類すると1.6リットルクラス(1600cc、自動車税は2.0L以下を適用)に属し、全長、全高、排気量は5ナンバー枠ながら全幅が1.7mを超えていることにより3ナンバー登録になります。この手のタイプはいわゆる世界戦略車(グローバルカー)に多くあるようです。
参考:100PS~150PSの自動車 一覧

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、後輪のみを駆動する、フロントエンジン・リヤドライブ方式(後輪駆動・FR・RWDとも)を採用しています。前輪は操舵、後輪は駆動と役割分担が異なることから優れたハンドリングを得られるとされ、運転の質を求める人々から絶大なる支持を集めます。高級車の代名詞的な駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4335mmであるこの車の場合は「ミディアム」(Medium:4300mm超-4650mm以下・Dセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


1A16型 1シリーズ [1598cc/136PS FR/8AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

2代目1シリーズの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2016/11
1S20G型
[Sport]
2.0L-TB・FR/8AT・418.0万円
184PS・27.5kgm・15.9km/L
184PS
27.5kgm
15.9km/L
2016/07
1S30型
[M140i F20]
3.0L-TB・FR/8AT・590.0万円
340PS・51.0kgm・13.4km/L
340PS
51.0kgm
13.4km/L
2016/05
1S20型
[118d Sport F20]
2.0L-TB・FR/8AT・365.0万円
150PS・32.6kgm・22.2km/L
150PS
32.6kgm
22.2km/L
2代目1シリーズの車両型式・グレード一覧【全7車種】
1シリーズの新型モデル
3代目 7L20型1シリーズ
7L20型1シリーズは2019/11に登場した3代目モデル。参考車両の「M135i xDrive F40」は全長4355mm、全幅1800mm、全高1465mmの車体に、306PS/45.9kgmを発生するB48A20型1998ccエンジンを搭載。

1シリーズの旧型モデル
初代 UF30型1シリーズ
UF30型1シリーズは2004/10に登場した初代モデル。参考車両の「130i M-sport E87」は全長4240mm、全幅1750mm、全高1415mmの車体に、265PS/32.1kgmを発生するN52B30型2996ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー BMW
車名&
グレード
1シリーズ
116i-Style F20
その他 116i スポーツ スタイル
お値段 3180000円
車両型式 DBA-1A16
駆動方式
変速機
FR・後輪駆動(RWD,2WD)
8速AT・8速オートマ車
ドア/定員 5ドア/5名乗車
車体寸法 長4335×幅1765×高1440mm
軸距&
輪距
2690mm
前1520mm/後1555mm
最小半径 5.1m
最低高 140mm
タイヤ 前輪:205/55R16
後輪:205/55R16
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ディスク
車両重量 1400kg
エンジン諸元
原動機型式 N13B16A
気筒配列 直列4気筒
排気量1598cc
圧縮比10.5
吸気方式 ターボ
最高出力 136PS[100kW]/4400-6450rpm
最大トルク 22.4kgm[220Nm]/1350-4300rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
JC08燃費 16.6km/L(39.0mpg)
10・15燃費 17.6km/L(41.4mpg)
100km燃費 6.0L/100km
N13B16A型エンジンの諸元と性能まとめ
直列4気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に4個配置する方式。小排気量から2.5Lあたりまでをカバー。
直列4気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税45400円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税17100円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額5500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、2011/09モデルの1シリーズを13年落ちの中古で139.9万円にて購入し、頭金なしで3年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    1シリーズの2011/09モデルの場合、2024年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の40%である127.2万円に諸経費として12.7万円を足した139.9万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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2011年式を13年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 2000cc以下 13年経過 45400円
自動車重量税(1年分) 1.5トン以下 13年-17年経過 17100円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
燃料代(年間1万km) 10000km÷15.4×185円/L 120130円
オイル交換(5000km毎) 1回5500円×2回 11000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本12000円×4本÷5年 9600円
任意保険料(月額5500円) 月額5500円×12ヶ月 66000円
ローン完済後の年間維持費 278100円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額38870円×12ヶ月 466440円
ローン返済中の年間維持費 744500円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 54900円
名目 金額
自動車税(1年分) 45400円
自動車重量税(1年分) 17100円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
120130円
(84090円)
(60070円)
(36040円)
オイル交換(5000km毎) 11000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 9600円
任意保険料(月額5500円) 66000円
ローン完済後の年間維持費 278100円
名目 金額
車のローン額(1年分) 466440円
ローン返済中の年間維持費 744500円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
54900円
  • 初度登録から13年以上経過車の場合、「2000cc以下で13年経過」クラスの自動車税は45400円、「1.5トン以下で13年-17年経過」クラスの自動車重量税は17100円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに5500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本12000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額5500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした54900円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

お財布に厚みが増した勢いで少し色気を出して愛車にステータス性を求めるなら、月換算23200円くらいの出費は覚悟しましょう。なあに大丈夫、愛車のためです。

口癖のように「もうちょっと維持費が安ければねえ…?」なんて呟くその姿は自慢げなようであり、しかし哀愁を帯びているようでもあり、傍からすれば対応に困ります。より維持費の安い新車を買うほどではない…ないが…考えずにもいられない、そんなクラスです。全体から見るとこの辺りから面白味のある車が増えてきます。

1シリーズの維持費は高い?安い?

「1シリーズの年間維持費は278100円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「2000ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたして1シリーズの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いプリウス189800円-88300円
ヴォクシー ハイブリッド227000円-51100円
スイフト スポーツ275300円-2800円
1シリーズの維持費278100円
シビック タイプR312300円+34200円
基準2000ccクラス平均316600円+38500円
アコード345200円+67100円
WRX STI364700円+86600円
エクスプローラー413900円+135800円
高いBX484900円+206800円

1シリーズの年間維持費を、2000ccクラスで最も維持費が安いプリウスと比較して88300円高く、最も高いBXと比較して206800円安く、2000ccクラスの平均維持費との比較では38500円安くなっています。

最低額のプリウスと最高額のBXは極端な例としても、2000ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、1シリーズの維持費は まあまあ安い! と言えそうです。

年間維持費が安い 2000ccクラスの車 ランキング

1シリーズを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟%年収月給手取り
10%360万円30万円24万円
15%240万円20万円16万円
20%180万円15万円12万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は360万円(総支給額30万円/月、手取り24万円/月)、ここから月額維持費2.3万円を支払うと残りは21.7万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は240万円(総支給額20万円/月、手取り16万円/月)、2.3万円を支払うと残りは13.7万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が180万円(総支給額15万円/月、手取り12万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。2.3万円を引くと残りは9.7万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代13万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり185円を基準として、-50円となる135円から、+50円となる235円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費15.4km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
135円/L
87670円
[-32460円]
-25円
160円/L
103910円
[-16220円]
-10円
175円/L
113650円
[-6480円]
185円/L120130円
[0円]
+10円
195円/L
126640円
[+6510円]
+25円
210円/L
136380円
[+16250円]
+50円
235円/L
152610円
[+32480円]

燃費15.4km/Lの1A16型 1シリーズで10000km走行するのに必要な燃料は649.4L、1リットルあたり185円としたときの燃料代は120130円になります。

参考までに、1シリーズの燃料タンクは52リットルですので、649.4Lの給油回数は13回、1回あたりの燃料代は約9250円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては6510円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると16250円、50円も違ってくると32480円にもなります。

これを1A16型 1シリーズの年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり185円の場合を278100円としたとき、135円/Lに値下がりすれば245640円(88.3%)に、235円/Lに値上がりすれば310580円(111.7%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(45400円)なり重量税(17100円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 45400円 26%
自動車重量税 1年分 17100円 10%
自賠責保険料 1年分 8825円 5%
燃料代 3000km分 36040円 21%
オイル交換 年1回 5500円 3%
タイヤ交換 6年毎 6400円 4%
任意保険料 80% 52800円 31%
合計
[1万kmとの差額]
172100円
-106000円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 45400円 23%
自動車重量税 1年分 17100円 9%
自賠責保険料 1年分 8825円 4%
燃料代 5000km分 60070円 30%
オイル交換 年1回 5500円 3%
タイヤ交換 6年毎 6400円 3%
任意保険料 85% 56160円 28%
合計
[1万kmとの差額]
199500円
-78600円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 45400円 20%
自動車重量税 1年分 17100円 7%
自賠責保険料 1年分 8825円 4%
燃料代 7000km分 84090円 37%
オイル交換 年1回 7700円 3%
タイヤ交換 6年毎 6400円 3%
任意保険料 90% 59400円 26%
合計
[1万kmとの差額]
229000円
-49100円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料66000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて106000円安い172100円に、5000km走行では78600円安い199500円に、7000km走行では49100円安い229000円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 45400円 12%
自動車重量税 1年分 17100円 5%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 15000km分 180200円 49%
オイル交換 年3回 33000円 9%
タイヤ交換 2.7年毎 14400円 4%
任意保険料 100% 66000円 19%
合計
[1万kmとの差額]
365000円
+86900円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 45400円 10%
自動車重量税 1年分 17100円 4%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 20000km分 240260円 55%
オイル交換 年4回 44000円 10%
タイヤ交換 2年毎 19200円 4%
任意保険料 100% 66000円 15%
合計
[1万kmとの差額]
440800円
+162700円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
輸入車・外車の小型車&普通車編
2000cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
ハッチバック編

1シリーズの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
JC08モード燃費 16.6km/L
燃料タンク容量 52L
航続距離(カタログ燃費) 863.2km
航続距離(80%燃費) 691.6km
満タンプライス 9620円
1km走行コスト 11.14円
1万円でどこまで行ける? 897.3km

JC08モード燃費が16.6km/L、燃料タンク容量52リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は863.2kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(14.9km/L)とすると航続距離は774.8km、80%(13.3km/L)だと691.6km、70%(11.6km/L)では603.2kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から52リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり185円では9620円、上で計算した航続距離を踏まえると863.2km(80%燃費時691.6km)を走行するのに9620円かかる計算です。

燃費を15.4km/Lとしたときの1km走行コストは11.14円、10万km走行したときの燃料代は111.4万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら11.1万円/年、7年10万kmなら15.9万円/年、5年10万kmなら22.3万円/年、3年10万kmなら37.1万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば897.3km(往復なら片道448.6km)、カタログ値の80%なら717.8km(片道358.9km)離れたところまで行くことができます。

カタログデータから見えてくる要素

N13B16A型エンジン簡易性能曲線図
各回転域での馬力
1350回転時の馬力 42PS
4300回転時の馬力 135PS
4400回転時の馬力 136PS
6450回転時の馬力 136PS
各回転域でのトルク
1350回転時のトルク 22.4kgm
4300回転時のトルク 22.4kgm
4400回転時のトルク 22.1kgm
6450回転時のトルク 15.1kgm
N13B16A型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載しているN13B16型1598cc、直列4気筒のターボエンジンは4400-6450回転時に最高出力136馬力を、1350-4300回転時に最大トルク22.4kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、アイドリングとそれほど変わらないような回転数から最大トルクが発生するこのエンジンは、坂道発進も平気の平左、MT車でもエンスト知らず、扱いやすさにかけては右に出るものがありません。ディーゼル車やダウンサイジングターボに多くあります。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する1350rpmから最高出力が発生する6450rpmまで」の5100rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は79.1%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
2000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
2000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ10.294kg/PS(1400kg/136PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ10.294kg/PS
車体+1人10.699kg/PS
車体+5人12.316kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg10.735kg/PS
車体+70kg10.809kg/PS
車体+80kg10.882kg/PS
車体+90kg10.956kg/PS
車体+100kg11.029kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは10.699kg/PS(1455kg/136PS)となり、数値としては0.405kg、比率にすると3.9%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは12.316kg/PS(1675kg/136PS)となり、数値としては2.022kg、比率にすると19.6%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

1A16 1シリーズのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2011/09

-
1シリーズ
10.699kg/PS
1455kg/136PS|1.6L-TB
[車体のみPWR:10.294]
2017/12

車種詳細
クロスビー
10.657kg/PS
1055kg/99PS|1.0L-TB
車体のみPWR:10.101
2016/09

車種詳細
フリード
10.802kg/PS
1415kg/131PS|1.5L-NA
車体のみPWR:10.382
2016/02

車種詳細
イグニス
10.714kg/PS
975kg/91PS|1.3L-NA
車体のみPWR:10.110
2013/12

車種詳細
ハリアー
10.695kg/PS
1615kg/151PS|2.0L-NA
車体のみPWR:10.331
2010/11

車種詳細
iQ
10.691kg/PS
1005kg/94PS|1.4L-NA
車体のみPWR:10.106

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ10.699kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

10.592kg/PSから10.806kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、スズキの5人乗りSUV「MN71S型 クロスビー」、ホンダの7人乗りミニバン「GB5型 フリード」、スズキの5人乗りSUV「FF21S型 イグニス」、トヨタの5人乗りSUV「ZSU60W型 ハリアー」、トヨタの4人乗りハッチバック「NGJ10型 iQ」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

1A16型 1シリーズ [116i-Style F20]のライバル車種|10.699kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は97.1PS/tとなっています。


1シリーズがバイクと競争するなら…?


車種詳細
マジェスティ250|249cc
10.667kg/PS
224kg/21.0PS/2.40kgm
[車体のみPWR:8.048]
1速ギヤ速度:37.8km/h
最小TWR:1.085
2011/09

-
1シリーズ|1598cc
10.699kg/PS
1455kg/136PS/22.4kgm
[車体のみPWR:10.294]
1速ギヤ速度:53.0km/h
最小TWR:1.362

車種詳細
スカイウェイブ250|249cc
10.739kg/PS
247kg/23.0PS/2.50kgm
[車体のみPWR:8.348]
1速ギヤ速度:37.1km/h
最小TWR:1.008

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここでは1シリーズとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

SG01J マジェスティ250と競争してみる

まず1シリーズより少しPWRが低いバイクとして、ヤマハのマジェスティ250が挙げられます。PWRの10.667kg/PSは車両重量169kgにライダーの体重55kgを加えた224kgを、最高出力21.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はマジェスティ250に15.2km/h勝り、1速TWRは0.277kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

CJ43A スカイウェイブ250と競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、スズキのスカイウェイブ250が挙げられます。PWRの10.739kg/PSは車両重量192kg+55kgの247kgを、最高出力23.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は15.9km/h勝り、1速TWRは0.354kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.749
平均ピストンスピード 18.45m/s
トルクウェイトレシオ 62.50kg/kgm
1馬力あたりのお値段 23382円
排気量1Lあたり馬力 85.11PS/L
排気量1Lあたりトルク 14.02kgm/L
1気筒あたりの馬力 34.0PS
1気筒あたりのトルク 5.6kgm
パワーバンド比率 79.1%
燃費×馬力 2099.8pt
各種ランキング
ハッチバックのPWR
1.5~1.6L以下のPWR

トルクウェイトレシオは62.50kg/kgm(1400kg/22.4kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が3180000円、最高出力が136馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は23382円、逆に1万円あたりでは0.43馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は141964円、1万円あたりでは0.07kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
2000cc以下の車編
ハッチバック編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は85.11PS/L、トルクは14.02kgm/L、1気筒あたりの馬力は34.0馬力、トルクは5.6kgmとなり、このエンジンが136馬力を6450回転で発生させているときの平均ピストンスピードは18.45m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が85.8mmであるN13B16型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6990回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.749になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、走ってよし、曲がってよしで至れり尽くせりのオールラウンダーであると言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が15.44km/L、最高出力が136PSであるこの車の獲得ポイントは2099.8ptになります。
戯れに車両重量1400kgを100kg単位にした14.0で割ってみたところ、その数値は149.99ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)



1シリーズでの車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.517m
期待される荷室の幅 1.365m
対角線の長さ 2.041m
期待される荷室の面積 2.071m²

縦方向の長さが1.517m(対角線では2.041m)となれば、一般的な身長ならそれなりの車中泊を楽しむことができそうです。

車の中で足を伸ばして優雅に寝られる悦びを味わうために最低限必要な長さを備えた、車中泊のスタンダードと呼ぶに相応しい性能を有しています。

一見すると車中泊が可能そうに見えるハッチバックやワゴン、SUVであってもリアシートが前に倒れなかったり、倒れても中途半端であったり、凝った足回りのせいで室内に巨大な出っ張りがあったりで、なかなか思うようにはいきませんが、大抵のケースでは知恵と工夫で何とかなるはずです。

車中泊にあると嬉しいアイテム

ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合4400-6450rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした6950回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 6950rpm|タイヤサイズ 205/55R16|タイヤ直径 63.2cm|円周長 198.5cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
6950rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 4.714 14.50 -
-
57km/h 12180rpm 1028.2kgm
2速 3.143 9.67 0.667 1-2/
4640rpm
86km/h 8120rpm 685.5kgm
3速 2.106 6.48 0.670 2-3/
4660rpm
128km/h 5440rpm 459.4kgm
4速 1.667 5.13 0.792 3-4/
5500rpm
161km/h 4310rpm 363.6kgm
5速 1.285 3.95 0.771 4-5/
5360rpm
209km/h 3320rpm 280.3kgm
6速 1.000 3.08 0.778 5-6/
5410rpm
269km/h 2580rpm 218.1kgm
7速 0.839 2.58 0.839 6-7/
5830rpm
321km/h 2170rpm 183.0kgm
8速 0.667 2.05 0.795 7-8/
5530rpm
403km/h 1720rpm 145.5kgm
Final 3.077 レシオカバレッジ(変速比幅)7.067

  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数1350-4300rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.077)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(22.4kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.077)÷タイヤの有効半径(0.316m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は8速ギヤの403km(6450rpmでは374.3km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが1350-4300回転で最大トルク22.4kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば62.50kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(10.294kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと1028.2kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1400kg)を1速ギヤの最大駆動力(1028.2kgm)で割ってみると1.362kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する6450回転でのトルク(15.1kgm)からTWRを算出すると2.020kg/kgmとなり、1350-6450回転の回転域では1.362-2.020kg/kgmの間で推移することがわかります。


おまけ:6450rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

1A16型1シリーズに搭載されたN13B16型1598ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する6450rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

6450rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ53km/h-
2速ギヤ79km/h4300rpm
3速ギヤ119km/h4320rpm
4速ギヤ150km/h5110rpm
5速ギヤ194km/h4970rpm
6速ギヤ250km/h5020rpm
7速ギヤ298km/h5410rpm
8速ギヤ374km/h5130rpm

まず1速ギヤで6450rpmまで引っ張ると53km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は6450rpmから4300rpmまで落ち、そこから6450rpmまで加速を続けると速度は79km/h(+26km/h)になります。

3速ギヤでは4320rpmまで落ちて6450rpmで119km/h(+40km/h)に、4速ギヤでは5110rpmまで落ちて6450rpmで150km/h(+31km/h)に、5速ギヤでは4970rpmまで落ちて6450rpmで194km/h(+44km/h)になります。

続いて6速ギヤでは5020rpmまで落ちて6450rpmで250km/h(+56km/h)に、7速ギヤでは5410rpmまで落ちて6450rpmで298km/h(+48km/h)に、8速ギヤでは5130rpmまで落ちて6450rpmで374km/h(+76km/h)という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4870 7310 9740 12180 14610 17050 21920
2速 3250 4870 6500 8120 9740 11370 14620
3速 2180 3260 4350 5440 6530 7620 9790
4速 1720 2580 3450 4310 5170 6030 7750
5速 1330 1990 2660 3320 3980 4650 5980
6速 1030 1550 2070 2580 3100 3620 4650
7速 870 1300 1730 2170 2600 3030 3900
8速 690 1030 1380 1720 2070 2410 3100
※赤い数字は暫定レブリミット(6950rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.667)を選択して時速100kmにて走行すると1720回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1030回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1210回転、一般的な高速道路の80km/hでは1380回転、100km/hでは1720回転、制限速度が120km/hになると2070回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは3100回転まで回ります。

これほどまでに時速100kmでの巡航回転数が低ければ、(パワーさえ足りていれば)高速道路では向かうところ敵なしです。エンジンノイズによる疲れとは無縁の世界、ただひたすらに回り続けるエンジンのなんと頼もしいことでしょう。これに合わせてタイヤのロードノイズ、風きり音すらも完璧に抑え込まれていたならば、これはもはや完全無欠の高級車です。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 8 16 25 33 41 49 57 66
2速 12 25 37 49 62 74 86 99
3速 18 37 55 74 92 110 129 147
4速 23 46 70 93 116 139 163 186
5速 30 60 90 120 151 181 211 241
6速 39 77 116 155 194 232 271 310
7速 46 92 138 185 231 277 323 369
8速 58 116 174 232 290 348 406 464

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(6950回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの205/55R16と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 205/55R16 | 直径 632mm

-20mm
幅185mm
-10mm
幅195mm
変更なし
幅205mm
+10mm
幅215mm
+20mm
幅225mm
-5%
50
扁平
185/50R16
37.4km/h
直径591mm
径差-41mm
195/50R16
38.0km/h
直径601mm
径差-31mm
205/50R16
38.7km/h
直径611mm
径差-21mm
215/50R16
39.3km/h
直径621mm
径差-11mm
225/50R16
39.9km/h
直径631mm
径差-1mm
0%
55
扁平
185/55R16
38.6km/h
直径610mm
径差-22mm
195/55R16
39.3km/h
直径621mm
径差-11mm
205/55R16
40.0km/h
632mm
0mm
215/55R16
40.7km/h
直径643mm
径差+11mm
225/55R16
41.4km/h
直径654mm
径差+22mm
+5%
60
扁平
185/60R16
39.7km/h
直径628mm
径差-4mm
195/60R16
40.5km/h
直径640mm
径差+8mm
205/60R16
41.3km/h
直径652mm
径差+20mm
215/60R16
42.0km/h
直径664mm
径差+32mm
225/60R16
42.8km/h
直径676mm
径差+44mm
+10%
65
扁平
185/65R16
40.9km/h
直径647mm
径差+15mm
195/65R16
41.8km/h
直径660mm
径差+28mm
205/65R16
42.6km/h
直径673mm
径差+41mm
215/65R16
43.4km/h
直径686mm
径差+54mm
225/65R16
44.2km/h
直径699mm
径差+67mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、185/55R16、185/60R16 、195/50R16、195/55R16 、205/50R16 、215/50R16 、225/50R16あたりのタイヤがおすすめです。

205/55R16のタイヤ幅を185mmから235mmまで、扁平率を40%から70%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、205/55R16の適応サイズと性能の変化 [1A16型1シリーズ編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
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1A16型1シリーズ[1.6Lターボ FR/8AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト10.294kg/ps48.56
1速ギヤ加速性能1.362kg/kgm54.57
1L換算馬力85.11ps/L43.45
1L換算トルク14.02kgm/L44.04
WB/TR比1.74952.47
ワイド&ロー指数0.81655.56
前面の面積2.542m²52.38
最低地上高140mm55.89
スポーツ性能部門の得点406.92

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
JC08燃費16.6km/L48.36
年間維持費278100円54.45
100kmh回転数1720rpm60.22
航続距離863.2km58.67
車の大きさ11.018m³48.27
室内の広さ(仮) 1.998m³36.49
最小回転半径5.1m51.43
馬力単価23382円47.60
ユーティリティ部門の得点405.49

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した 1A16型1シリーズ[1.6Lターボ FR/8AT] の総合得点は 812.41 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介した1A16型1シリーズ(FR/8AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのハッチバック」、「2000ccのハッチバック」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

1シリーズの歴代モデル

3代目 7K15型 1シリーズ
7K15 1シリーズは2019/11に登場した3代目モデル。参考車両の「118i F40」は全長4335mm、全幅1800mm、全高1465mmの車体に、140PS/22.4kgmを発生するB38A15型1498ccエンジンを搭載した5人乗りハッチバック。

2代目 1R15型 1シリーズ
1R15 1シリーズは2011/09に登場した2代目モデル。参考車両の「118i F20」は全長4340mm、全幅1765mm、全高1440mmの車体に、136PS/22.4kgmを発生するB38B15型1498ccエンジンを搭載した5人乗りハッチバック。

初代 UL20型 1シリーズ カブリオレ
UL20 1シリーズ カブリオレは2004/10に登場した初代モデル。参考車両の「120i Cabriolet N46B20B E87」は全長4370mm、全幅1750mm、全高1410mmの車体に、156PS/20.4kgmを発生するN46B20型1995ccエンジンを搭載した4人乗りオープンカー。