C1DKR:Tクロスの性能と維持費 FF/7AT 5人 300万円 2019年式

このページでは、フォルクスワーゲンの5ドア・5人乗りSUV、初代の3BA-C1DKR型Tクロス TSI 1st【2019/11モデル・116PS/20.4kgm・FF/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

C1DKR Tクロス
販売期間:2019/11 - 現行車

画像はフォルクスワーゲンより引用
http://www.volkswagen.co.jp/
投稿:2020/02/14|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長4115mm×全幅1760mm×全高1580mm、排気量は999ccであることから、大雑把に分類すると1.0リットルクラス(1000cc、自動車税は1.0L以下を適用)に属し、全長、全高、排気量は5ナンバー枠ながら全幅が1.7mを超えていることにより3ナンバー登録になります。この手のタイプはいわゆる世界戦略車(グローバルカー)に多くあるようです。
参考:100PS~150PSの自動車 一覧

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、前輪のみを駆動する、フロントエンジン・フロントドライブ方式(FF・FWD・前輪駆動とも)を採用しています。この方式はエンジンと駆動系(ミッション、デフ等)の収納がエンジンルーム内で完結するので、軽量コンパクトかつ低コスト化が実現でき、室内を広く作りやすい(エンジンが横置きの場合)ほか、後輪駆動車に比べて直進安定性に優れることが主な特長です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4115mmであるこの車の場合は「ロア ミディアム」(Lower-Medium:3850mm超-4300mm以下・Cセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


C1DKR型 Tクロス [999cc/116PS FF/7AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー フォルクスワーゲン
車名&
グレード
Tクロス
TSI 1st
その他 T-Cross|TSI 1st Plus|4.777(1-2-3-4)/3.583(5-6-7)/4.526(B)
お値段 2999000円
車両型式 3BA-C1DKR
駆動方式
変速機
FF・前輪駆動(FWD,2WD)
7速AT・7速オートマ車
ドア/定員 5ドア/5名乗車
車体寸法 長4115×幅1760×高1580mm
軸距&
輪距
2550mm
前1535mm/後1515mm
最小半径 5.1m
タイヤ 前輪:205/60R16
後輪:205/60R16
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ディスク
車両重量 1270kg
エンジン諸元
原動機型式 DKR
気筒配列 直列3気筒
排気量999cc
圧縮比10.5
吸気方式 ターボ
最高出力 116PS[85kW]/5000-5500rpm
最大トルク 20.4kgm[200Nm]/2000-3500rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
WLTC燃費 16.9km/L(39.8mpg)
JC08燃費 19.3km/L(45.4mpg)
100km燃費 5.9L/100km
DKR型エンジンの諸元と性能まとめ
直列3気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に3個配置する方式。小排気量のスタンダード。
直列3気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税29500円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税12300円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額4500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、Tクロスの新車を344.9万円(諸費用として45.0万円を加算)にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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新車で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 1000cc以下 13年未満 29500円
自動車重量税(1年分) 1.5トン以下 13年未満 12300円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
燃料代(年間1万km) 10000km÷16.9km/L×185円/L 109470円
オイル交換(5000km毎) 1回4000円×2回 8000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本12000円×4本÷5年 9600円
任意保険料(月額4500円) 月額4500円×12ヶ月 54000円
ローン完済後の年間維持費 231700円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額57480円×12ヶ月 689760円
ローン返済中の年間維持費 921500円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 45300円
名目 金額
自動車税(1年分) 29500円
自動車重量税(1年分) 12300円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
109470円
(76630円)
(54740円)
(32840円)
オイル交換(5000km毎) 8000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 9600円
任意保険料(月額4500円) 54000円
ローン完済後の年間維持費 231700円
名目 金額
車のローン額(1年分) 689760円
ローン返済中の年間維持費 921500円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
45300円
  • 初度登録から5年経過車の場合、「1000cc以下で13年未満」クラスの自動車税は29500円、「1.5トン以下で13年未満」クラスの自動車重量税は12300円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに4000円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本12000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額4500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした45300円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

Tクロス【TSI 1st】の場合、維持費の月額は19400円です。これは今にも壊れそうな格安車、あるいは維持費の安さに全てを懸けたコスパ重視のスペシャルマシンから少しステップアップしたクラスになります。

「廉価車にしか乗れなかった自分が、ついにこれだけの維持費が掛かる車を所有できるようになったのだ、新しい自分になれたのだ。あの頃のアタシ、サヨナラ…」とかいう謎のカタルシスに浸りつつ、はるか高みで微笑む理想の自分に近付けるよう自分磨きに邁進しましょう。車としての維持費は安いほうで使い勝手も申し分のない、バランスの取れたクラスです。

Tクロスの維持費は高い?安い?

「Tクロスの年間維持費は231700円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「1000ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてTクロスの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いインサイト178300円-53400円
500S193500円-38200円
クロスビー206700円-25000円
バレーノ214900円-16800円
基準1000ccクラス平均221800円-9900円
フィエスタ231400円-300円
Tクロスの維持費231700円
ストーリア X4248800円+17100円
ブーン X4268900円+37200円
高いミニ301400円+69700円

Tクロスの年間維持費を、1000ccクラスで最も維持費が安いインサイトと比較して53400円高く、最も高いミニと比較して69700円安く、1000ccクラスの平均維持費との比較では9900円高くなっています。

最低額のインサイトと最高額のミニは極端な例としても、1000ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、Tクロスの維持費は ちょっと高い! と言えそうです。

年間維持費が安い 1000ccクラスの車 ランキング

Tクロスを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟%年収月給手取り
10%300万円25万円20万円
15%200万円17万円14万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は300万円(総支給額25万円/月、手取り20万円/月)、ここから月額維持費1.9万円を支払うと残りは18.1万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は200万円(総支給額17万円/月、手取り14万円/月)、1.9万円を支払うと残りは12.1万円になります。

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり185円を基準として、-50円となる135円から、+50円となる235円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費16.9km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
135円/L
79900円
[-29570円]
-25円
160円/L
94690円
[-14780円]
-10円
175円/L
103570円
[-5900円]
185円/L109470円
[0円]
+10円
195円/L
115410円
[+5940円]
+25円
210円/L
124280円
[+14810円]
+50円
235円/L
139080円
[+29610円]

燃費16.9km/LのC1DKR型 Tクロスで10000km走行するのに必要な燃料は591.8L、1リットルあたり185円としたときの燃料代は109470円になります。

参考までに、Tクロスの燃料タンクは40リットルですので、591.8Lの給油回数は15回、1回あたりの燃料代は約7300円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては5940円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると14810円、50円も違ってくると29610円にもなります。

これをC1DKR型 Tクロスの年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり185円の場合を231700円としたとき、135円/Lに値下がりすれば202130円(87.2%)に、235円/Lに値上がりすれば261310円(112.8%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(29500円)なり重量税(12300円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 29500円 22%
自動車重量税 1年分 12300円 9%
自賠責保険料 1年分 8825円 6%
燃料代 3000km分 32840円 24%
オイル交換 年1回 4000円 3%
タイヤ交換 6年毎 6400円 5%
任意保険料 80% 43200円 31%
合計
[1万kmとの差額]
137100円
-94600円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 29500円 18%
自動車重量税 1年分 12300円 8%
自賠責保険料 1年分 8825円 5%
燃料代 5000km分 54740円 34%
オイル交換 年1回 4000円 2%
タイヤ交換 6年毎 6400円 4%
任意保険料 85% 45960円 29%
合計
[1万kmとの差額]
161800円
-69900円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 29500円 16%
自動車重量税 1年分 12300円 7%
自賠責保険料 1年分 8825円 5%
燃料代 7000km分 76630円 41%
オイル交換 年1回 5600円 3%
タイヤ交換 6年毎 6400円 3%
任意保険料 90% 48600円 25%
合計
[1万kmとの差額]
187900円
-43800円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料54000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて94600円安い137100円に、5000km走行では69900円安い161800円に、7000km走行では43800円安い187900円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 29500円 10%
自動車重量税 1年分 12300円 4%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 15000km分 164210円 53%
オイル交換 年3回 24000円 8%
タイヤ交換 2.7年毎 14400円 5%
任意保険料 100% 54000円 17%
合計
[1万kmとの差額]
307300円
+75600円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 29500円 8%
自動車重量税 1年分 12300円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 20000km分 218940円 58%
オイル交換 年4回 32000円 9%
タイヤ交換 2年毎 19200円 5%
任意保険料 100% 54000円 15%
合計
[1万kmとの差額]
374800円
+143100円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
輸入車・外車の小型車&普通車編
1000cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
5人乗りSUV・RV編

【WLTC特典】市街地・郊外・高速道路の走行比率が変わると?

ひとくちにWLTCモード燃費と言いましても、信号や渋滞があるノロノロ道路の走行を想定した市街地モード(13.2km/L)、信号や渋滞が少ないスイスイ道路の走行を想定した郊外モード(17.1km/L)、高速道路の走行を想定した高速道路モード(19.1km/L)という3つの走行パターンを内包してありまして、これらを「平均的な使用時間配分」なるもので構成したのがWLTCモード燃費(16.9km/L)ということになります。

ここでは年間走行距離を10000kmとして市街地、郊外、高速道路の走行比率を変えてみたとき、WLTCモード燃費でのガソリン代109470円からどのように変化するかを見ていきたいと思います。

  • 1リットル185円として計算。
  • []内は低燃費タイヤ装着(エコタイヤ)で燃費が3%向上すると仮定した場合のガソリン代。
    「差額で元が取れるかな?どうかな?」という、なかなかに絶妙なラインです。
参考:燃費が3%向上すると…?
市街地13.2km/L → 13.6km/L
郊外17.1km/L → 17.6km/L
高速道路19.1km/L → 19.7km/L

●例1:都市部にお住まい

まず最初に、市街地の住まいを想定して、走行の大半を市街地(90%)、たまに郊外へお買い物(5%)、稀に高速道路に乗ってどこか遠くへ…(5%)という場合で見てみます。

市街地90%・郊外5%・高速5%
市街地9000km126130円
[122430円]
郊外500km5400円
[5250円]
高速道路500km4850円
[4700円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
136380円
+26910円
13.6km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
132380円
-4000円
14.0km/L
  • 市街地走行のガソリン代
    市街地の走行を9000kmとするとき、市街地モード燃費が13.2km/Lではガソリン681.8Lを消費して、ガソリン代は126130円になります。
  • 郊外走行のガソリン代
    郊外の走行を500kmとするとき、郊外モード燃費が17.1km/Lではガソリン29.2Lを消費して、ガソリン代は5400円になります。
  • 高速道路走行のガソリン代
    高速道路の走行を500kmとするとき、高速道路モード燃費が19.1km/Lではガソリン26.2Lを消費して、ガソリン代は4850円になります。

このパターンでは使用した燃料量が737.2L、かかったガソリン代が136380円となり、平均燃費は13.6km/L(-3.3km/L)、WLTCモード燃費とのガソリン代の差は+26910円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着で燃費が3%アップするとして、同じ条件で走行するとガソリン代は132380円となり、4000円安くなります。車検2回ごとにタイヤ交換するとき、寿命までの5年間で20000円の経費削減になる計算です。純正タイヤとエコタイヤの差額がこれ以上ならお得、以下なら…?

●例2:市街地と郊外を行き来

次に、とにかく市街地と郊外を行ったり来たりする条件を想定して、市街地の走行を50%、郊外の走行を50%、高速道路は走行しない場合を見てみます。

市街地50%・郊外50%・高速0%
市街地5000km70080円
[68010円]
郊外5000km54090円
[52560円]
高速道路0km0円
[0円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
124170円
+14700円
14.9km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
120570円
-3600円
15.3km/L
  • 市街地走行のガソリン代
    市街地の走行を5000kmとするとき、市街地モード燃費が13.2km/Lでは378.8Lを消費して、ガソリン代は70080円になります。
  • 郊外走行のガソリン代
    郊外の走行を5000kmとするとき、郊外モード燃費が17.1km/Lでは292.4Lを消費して、ガソリン代は54090円になります。

このパターンでは使用した燃料量が671.2L、かかったガソリン代が124170円となり、平均燃費は14.9km/L(-2.0km/L)、WLTCモード燃費とのガソリン代の差は+14700円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着ではガソリン代が120570円となり、1年間で3600円、5年間で18000円の経費削減になる計算です。

●例3:市街地・郊外・高速道路をMix

続いて、都市部に住んでいて郊外の職場へ通勤、あるいは郊外に住んでいて都市部の職場へ通勤、高速利用もバッチリ!という感じでシミュレーションしてみます。

市街地33.3%・郊外33.4%・高速33.3%
市街地3330km46680円
[45310円]
郊外3340km36130円
[35110円]
高速道路3330km32250円
[31270円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
115060円
+5590円
16.1km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
111690円
-3370円
16.6km/L
  • 市街地走行のガソリン代
    市街地の走行を3330kmとするとき、市街地モード燃費が13.2km/Lでは252.3Lを消費して、ガソリン代は46680円になります。
  • 郊外走行のガソリン代
    郊外の走行を3340kmとするとき、郊外モード燃費が17.1km/Lでは195.3Lを消費して、ガソリン代は36130円になります。
  • 高速道路走行のガソリン代
    高速道路の走行を3330kmとするとき、高速道路モード燃費が19.1km/Lでは174.3Lを消費して、ガソリン代は32250円になります。

このパターンでは使用した燃料量が621.9L、かかったガソリン代が115060円となり、平均燃費は16.1km/L(-0.8km/L)、WLTCモード燃費とのガソリン代の差は+5590円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着ではガソリン代が111690円となり、1年間で3370円、5年間で16850円の経費削減になる計算です。

●例4:農村部にお住まい

最後に、びっくりするほど田舎な住まいを想定して、市街地の走行を5%、郊外の走行を90%、高速道路の走行を5%とした場合を見てみます。

市街地5%・郊外90%・高速5%
市街地500km7010円
[6810円]
郊外9000km97370円
[94610円]
高速道路500km4850円
[4700円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
109230円
-240円
16.9km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
106120円
-3110円
17.4km/L
  • 市街地走行のガソリン代
    市街地の走行を500kmとするとき、市街地モード燃費が13.2km/Lでは37.9Lを消費して、ガソリン代は7010円になります。
  • 郊外走行のガソリン代
    郊外の走行を9000kmとするとき、郊外モード燃費が17.1km/Lでは526.3Lを消費して、ガソリン代は97370円になります。
  • 高速道路走行のガソリン代
    高速道路の走行を500kmとするとき、高速道路モード燃費が19.1km/Lでは26.2Lを消費して、ガソリン代は4850円になります。

このパターンでは使用した燃料量が590.4L、かかったガソリン代が109230円となり、平均燃費は16.9km/L(0.0km/L)、WLTCモード燃費とのガソリン代の差は-240円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着ではガソリン代が106120円となり、1年間で3110円、5年間で15550円の経費削減になる計算です。

以上、極端な条件でのシミュレーションではありますが、走行シチュエーションによって平均燃費は変わり(13.6km/L・14.9km/L・16.1km/L・16.9km/L)、ガソリン代のほうもなかなかな違い(136380円・124170円・115060円・109230円)が出てくることがわかります。


市街地・郊外・高速道路の満タン航続距離

各モード燃費と航続距離
燃料タンク容量 40リットル
WLTCモード燃費
16.9km/L
676.0km
市街地燃費
13.2km/L
528.0km
[-148.0km]
郊外燃費
17.1km/L
684.0km
[+8.0km]
高速道路燃費
19.1km/L
764.0km
[+88.0km]
満タン給油価格 7400円
1km走行コスト 10.95円
1万円走行距離 913.5km

WLTCモード燃費が16.9km/L、燃料タンク容量40リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は676.0kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(15.2km/L)とすると航続距離は608.0km、80%(13.5km/L)だと540.0km、70%(11.8km/L)では472.0kmになります。

WLTCモード燃費には市街地モード・郊外モード・高速道路モードという3つの走行パターンが内包されておりますので、参考までにそれぞれのモード燃費で燃料タンクが空になるまで走行した場合の満タン航続距離を計算してみます。

燃料タンクの容量を40Lとしたとき、市街地モード燃費13.2km/Lでの航続距離は528.0km(-148.0km)、郊外モード燃費17.1km/Lでの航続距離は684.0km(+8.0km)、高速道路モード燃費19.1km/Lでの航続距離は764.0km(+88.0km)となります。

ある特定のシチュエーションのみを、燃料タンクが空になるまで走行することはなかなかありませんが、「その気になればこのくらいの距離を走れちゃうんだぜ!」という参考データだけは持っておくと、次回の給油回数削減チャレンジでギリギリのラインを狙っていくのに役立つ、かもしれません。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から40リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり185円では7400円、上で計算した航続距離を踏まえると676.0km(80%燃費時540.0km)を走行するのに7400円かかる計算です。

燃費を16.9km/Lとしたときの1km走行コストは10.95円、10万km走行したときの燃料代は109.5万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら10.9万円/年、7年10万kmなら15.6万円/年、5年10万kmなら21.9万円/年、3年10万kmなら36.5万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば913.5km(往復なら片道456.8km)、カタログ値の80%なら730.8km(片道365.4km)離れたところまで行くことができます。

カタログデータから見えてくる要素

DKR型エンジン簡易性能曲線図
各回転域での馬力
2000回転時の馬力 57PS
3500回転時の馬力 100PS
5000回転時の馬力 116PS
5500回転時の馬力 116PS
各回転域でのトルク
2000回転時のトルク 20.4kgm
3500回転時のトルク 20.4kgm
5000回転時のトルク 16.6kgm
5500回転時のトルク 15.1kgm
DKR型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載しているDKR型999cc、直列3気筒のターボエンジンは5000-5500回転時に最高出力116馬力を、2000-3500回転時に最大トルク20.4kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、アイドリングとそれほど変わらないような回転数から最大トルクが発生するこのエンジンは、坂道発進も平気の平左、MT車でもエンスト知らず、扱いやすさにかけては右に出るものがありません。ディーゼル車やダウンサイジングターボに多くあります。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する2000rpmから最高出力が発生する5500rpmまで」の3500rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は63.6%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
1000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
1000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ10.948kg/PS(1270kg/116PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ10.948kg/PS
車体+1人11.422kg/PS
車体+5人13.319kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg11.466kg/PS
車体+70kg11.552kg/PS
車体+80kg11.638kg/PS
車体+90kg11.724kg/PS
車体+100kg11.810kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは11.422kg/PS(1325kg/116PS)となり、数値としては0.474kg、比率にすると4.3%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは13.319kg/PS(1545kg/116PS)となり、数値としては2.371kg、比率にすると21.7%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

C1DKR Tクロスのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2019/11

-
Tクロス
11.422kg/PS
1325kg/116PS|1.0L-TB
[車体のみPWR:10.948]
2010/11

車種詳細
フリード
11.314kg/PS
1335kg/118PS|1.5L-NA
車体のみPWR:10.847
2015/05

車種詳細
シャトル
11.318kg/PS
1245kg/110PS|1.5L-NA
車体のみPWR:10.818
2015/12

車種詳細
デリカD:2
11.484kg/PS
1045kg/91PS|1.3L-NA
車体のみPWR:10.879
2015/08

車種詳細
ソリオ
11.484kg/PS
1045kg/91PS|1.3L-NA
車体のみPWR:10.879
2012/09

車種詳細
ノート
11.480kg/PS
1125kg/98PS|1.2L-SC
車体のみPWR:10.918

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ11.422kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

11.308kg/PSから11.536kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、ホンダの7人乗りミニバン「GB3型 フリード」、ホンダの5人乗りワゴン「GP7型 シャトル」、三菱の5人乗りミニバン「MB36S型 デリカD:2」、スズキの5人乗りミニバン「MA36S型 ソリオ」、日産の5人乗りハッチバック「E12型 ノート」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

C1DKR型 Tクロス [TSI 1st]のライバル車種|11.422kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は91.3PS/tとなっています。


Tクロスがバイクと競争するなら…?


車種詳細
バーグマン200|199cc
11.368kg/PS
216kg/19.0PS/1.70kgm
[車体のみPWR:8.474]
1速ギヤ速度:37.8km/h
最小TWR:1.186
2019/11

-
Tクロス|999cc
11.422kg/PS
1325kg/116PS/20.4kgm
[車体のみPWR:10.948]
1速ギヤ速度:37.6km/h
最小TWR:1.129

車種詳細
バンバン200|199cc
11.438kg/PS
183kg/16.0PS/1.50kgm
[車体のみPWR:8.000]
1速ギヤ速度:33.4km/h
最小TWR:0.946

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではTクロスとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

CH41A バーグマン200と競争してみる

まずTクロスより少しPWRが低いバイクとして、スズキのバーグマン200が挙げられます。PWRの11.368kg/PSは車両重量161kgにライダーの体重55kgを加えた216kgを、最高出力19.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はバーグマン200に0.2km/h劣り、1速TWRは0.057kg勝る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

NH42A バンバン200と競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、スズキのバンバン200が挙げられます。PWRの11.438kg/PSは車両重量128kg+55kgの183kgを、最高出力16.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は4.2km/h勝り、1速TWRは0.183kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.672
平均ピストンスピード 14.01m/s
トルクウェイトレシオ 62.25kg/kgm
1馬力あたりのお値段 25853円
排気量1Lあたり馬力 116.12PS/L
排気量1Lあたりトルク 20.42kgm/L
1気筒あたりの馬力 38.7PS
1気筒あたりのトルク 6.8kgm
パワーバンド比率 63.6%
燃費×馬力 1960.4pt
各種ランキング
SUV・RV・クロカンのPWR
1.0L以下のPWR

トルクウェイトレシオは62.25kg/kgm(1270kg/20.4kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が2999000円、最高出力が116馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は25853円、逆に1万円あたりでは0.39馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は147010円、1万円あたりでは0.07kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
1000cc以下の車編
5人乗りSUV編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は116.12PS/L、トルクは20.42kgm/L、1気筒あたりの馬力は38.7馬力、トルクは6.8kgmとなり、このエンジンが116馬力を5500回転で発生させているときの平均ピストンスピードは14.01m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が76.4mmであるDKR型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は7850回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.672になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと小回りを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が16.9km/L、最高出力が116PSであるこの車の獲得ポイントは1960.4ptになります。
戯れに車両重量1270kgを100kg単位にした12.7で割ってみたところ、その数値は154.36ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)



Tクロスでの車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.440m
期待される荷室の幅 1.360m
対角線の長さ 1.981m
期待される荷室の面積 1.958m²

縦方向の長さが1.440m(対角線では1.981m)であれば、小柄な体型なら斜めに転げることで足を伸ばして寝られないこともなさそうです。

普通体型では斜めに転げた上で腰と膝を曲げれば何とかギリギリ、大柄な体型ではダンゴ虫のように丸まって腰痛覚悟で決死の車中泊を敢行せざるを得ません。

一見すると車中泊が可能そうに見えるハッチバックやワゴン、SUVであってもリアシートが前に倒れなかったり、倒れても中途半端であったり、凝った足回りのせいで室内に巨大な出っ張りがあったりで、なかなか思うようにはいきませんが、大抵のケースでは知恵と工夫で何とかなるはずです。

車中泊にあると嬉しいアイテム

ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合5000-5500rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした6000回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 6000rpm|タイヤサイズ 205/60R16|タイヤ直径 65.2cm|円周長 204.8cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
6000rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 3.764 17.98 -
-
41km/h 14630rpm 1125.2kgm
2速 2.272 10.85 0.604 1-2/
3620rpm
68km/h 8830rpm 679.2kgm
3速 1.531 7.31 0.674 2-3/
4040rpm
101km/h 5950rpm 457.7kgm
4速 1.133 5.41 0.740 3-4/
4440rpm
136km/h 4400rpm 338.7kgm
5速 0.882 4.21 0.778 4-5/
4670rpm
175km/h 3430rpm 263.7kgm
6速 0.716 3.42 0.812 5-6/
4870rpm
216km/h 2780rpm 214.0kgm
7速 0.596 2.85 0.832 6-7/
4990rpm
259km/h 2320rpm 178.2kgm
Final 4.777 レシオカバレッジ(変速比幅)6.315

  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数2000-3500rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.777)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(20.4kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.777)÷タイヤの有効半径(0.326m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は7速ギヤの259km(5500rpmでは237.4km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが2000-3500回転で最大トルク20.4kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば62.25kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(10.948kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと1125.2kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1270kg)を1速ギヤの最大駆動力(1125.2kgm)で割ってみると1.129kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する5500回転でのトルク(15.1kgm)からTWRを算出すると1.525kg/kgmとなり、2000-5500回転の回転域では1.129-1.525kg/kgmの間で推移することがわかります。


おまけ:5500rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

C1DKR型Tクロスに搭載されたDKR型999ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する5500rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

5500rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ38km/h-
2速ギヤ62km/h3320rpm
3速ギヤ92km/h3710rpm
4速ギヤ125km/h4070rpm
5速ギヤ160km/h4280rpm
6速ギヤ198km/h4470rpm
7速ギヤ237km/h4580rpm

まず1速ギヤで5500rpmまで引っ張ると38km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は5500rpmから3320rpmまで落ち、そこから5500rpmまで加速を続けると速度は62km/h(+24km/h)になります。

3速ギヤでは3710rpmまで落ちて5500rpmで92km/h(+30km/h)に、4速ギヤでは4070rpmまで落ちて5500rpmで125km/h(+33km/h)に、5速ギヤでは4280rpmまで落ちて5500rpmで160km/h(+35km/h)になります。

続いて6速ギヤでは4470rpmまで落ちて5500rpmで198km/h(+38km/h)に、7速ギヤでは4580rpmまで落ちて5500rpmで237km/h(+39km/h)という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 5850 8780 11710 14630 17560 20490 26340
2速 3530 5300 7070 8830 10600 12370 15900
3速 2380 3570 4760 5950 7140 8330 10710
4速 1760 2640 3520 4400 5290 6170 7930
5速 1370 2060 2740 3430 4110 4800 6170
6速 1110 1670 2230 2780 3340 3900 5010
7速 930 1390 1850 2320 2780 3240 4170
※赤い数字は暫定レブリミット(6000rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.596)を選択して時速100kmにて走行すると2320回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1390回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1620回転、一般的な高速道路の80km/hでは1850回転、100km/hでは2320回転、制限速度が120km/hになると2780回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは4170回転まで回ります。

一般的な自動車であれば時速100kmでの巡航回転数は2500回転付近に落ち着くようですが、その中でも若干低めの回転数となっています。標準的なギヤ比の範囲内ながらも加速よりも静粛性や燃費に重きを置いた設定なので、急な坂道や長く続く坂道では積極的にギヤを1段下げる操作が必要になるかもしれません。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 7 14 21 27 34 41 48 55
2速 11 23 34 45 57 68 79 91
3速 17 34 50 67 84 101 118 134
4速 23 45 68 91 114 136 159 182
5速 29 58 87 117 146 175 204 233
6速 36 72 108 144 180 216 251 287
7速 43 86 129 173 216 259 302 345

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(6000回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの205/60R16と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 205/60R16 | 直径 652mm

-20mm
幅185mm
-10mm
幅195mm
変更なし
幅205mm
+10mm
幅215mm
+20mm
幅225mm
-5%
55
扁平
185/55R16
37.4km/h
直径610mm
径差-42mm
195/55R16
38.1km/h
直径621mm
径差-31mm
205/55R16
38.8km/h
直径632mm
径差-20mm
215/55R16
39.4km/h
直径643mm
径差-9mm
225/55R16
40.1km/h
直径654mm
径差+2mm
0%
60
扁平
185/60R16
38.5km/h
直径628mm
径差-24mm
195/60R16
39.3km/h
直径640mm
径差-12mm
205/60R16
40.0km/h
652mm
0mm
215/60R16
40.7km/h
直径664mm
径差+12mm
225/60R16
41.5km/h
直径676mm
径差+24mm
+5%
65
扁平
185/65R16
39.7km/h
直径647mm
径差-5mm
195/65R16
40.5km/h
直径660mm
径差+8mm
205/65R16
41.3km/h
直径673mm
径差+21mm
215/65R16
42.1km/h
直径686mm
径差+34mm
225/65R16
42.9km/h
直径699mm
径差+47mm
+10%
70
扁平
185/70R16
40.8km/h
直径665mm
径差+13mm
195/70R16
41.7km/h
直径679mm
径差+27mm
205/70R16
42.5km/h
直径693mm
径差+41mm
215/70R16
43.4km/h
直径707mm
径差+55mm
225/70R16
44.2km/h
直径721mm
径差+69mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、185/60R16、185/65R16 、195/55R16、195/60R16 、205/55R16 、215/55R16 あたりのタイヤがおすすめです。

205/60R16のタイヤ幅を185mmから235mmまで、扁平率を45%から75%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、205/60R16の適応サイズと性能の変化 [C1DKR型Tクロス編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
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C1DKR型Tクロス[1.0Lターボ FF/7AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト10.948kg/ps46.77
1速ギヤ加速性能1.129kg/kgm59.55
1L換算馬力116.12ps/L54.71
1L換算トルク20.42kgm/L63.91
WB/TR比1.67260.41
ワイド&ロー指数0.89849.62
前面の面積2.781m²45.69
最低地上高-43.72
スポーツ性能部門の得点424.38

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
WLTC燃費16.9km/L51.49
年間維持費231700円58.70
100kmh回転数2320rpm52.30
航続距離676.0km47.83
車の大きさ11.443m³49.95
室内の広さ(仮) 2.075m³37.22
最小回転半径5.1m51.43
馬力単価25853円44.36
ユーティリティ部門の得点393.28

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した C1DKR型Tクロス[1.0Lターボ FF/7AT] の総合得点は 817.66 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したC1DKR型Tクロス(FF/7AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全ての5人乗SUV」、「1000ccの5人乗SUV」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。