7NDJK シャランの性能と維持費 FF/6AT 7人 442万円 2022年式

このページでは、フォルクスワーゲンの5ドア・7人乗りミニバン、2代目の3BA-7NDJK型シャラン TDI Comfortline【2022/04モデル・150PS/25.5kgm・FF/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

7NDJK シャラン
販売期間:2011/02 -

画像はフォルクスワーゲンより引用
http://www.volkswagen.co.jp/
投稿:2023/02/05|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長4855mm×全幅1910mm×全高1750mm、排気量は1394ccであることから、大雑把に分類すると1.4リットルクラス(1400cc、自動車税は1.5L以下を適用)に属し、排気量は2000cc以下なれど、全長と全幅が5ナンバー枠を超えていることにより3ナンバー登録になります。車体が大きい割りに排気量が小さいものの、ターボによる過給のおかげで非力さを感じることはなさそうです。
参考:100PS~150PSの自動車 一覧

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、前輪のみを駆動する、フロントエンジン・フロントドライブ方式(FF・FWD・前輪駆動とも)を採用しています。この方式はエンジンと駆動系(ミッション、デフ等)の収納がエンジンルーム内で完結するので、軽量コンパクトかつ低コスト化が実現でき、室内を広く作りやすい(エンジンが横置きの場合)ほか、後輪駆動車に比べて直進安定性に優れることが主な特長です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4855mmであるこの車の場合は「アッパーミディアム」(Upper-Medium:4650mm超-4900mm以下・Eセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


7NDJK型 シャラン [1394cc/150PS FF/6AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

2代目シャランの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2019/10
7NDLU型
[TDI Highline]
2.0L-TB・FF/6AT・529.6万円
177PS・38.7kgm・14.0km/L
177PS
38.7kgm
14.0km/L
2015/09
7NCZD型
[TSI TrendLine]
1.4L-TB・FF/6AT・360.0万円
150PS・25.5kgm・15.0km/L
150PS
25.5kgm
15.0km/L
2011/07
7NCAV型
[TSI High-line]
1.4L-TS・FF/6AT・434.0万円
150PS・24.5kgm・14.0km/L
150PS
24.5kgm
14.0km/L
2代目シャランの車両型式・グレード一覧【全4車種】
シャランの旧型モデル
初代 7MAAA型シャラン
7MAAA型シャランは1997/05に登場した初代モデル。参考車両の「VR6」は全長4620mm、全幅1810mm、全高1760mmの車体に、174PS/24.0kgmを発生するAAA型2791ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー フォルクスワーゲン
車名&
グレード
シャラン
TDI Comfortline
その他 TDIコンフォートライン | ハイライン | 4.800(1-2-3-4)/3.600(5-6-B)
お値段 4412000円
車両型式 3BA-7NDJK
駆動方式
変速機
FF・前輪駆動(FWD,2WD)
6速AT・6速オートマ車
ドア/定員 5ドア/7名乗車
車体寸法 長4855×幅1910×高1750mm
軸距&
輪距
2920mm
前1570mm/後1615mm
最小半径 5.8m
タイヤ 前輪:215/60R16
後輪:215/60R16
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ディスク
車両重量 1800kg
エンジン諸元
原動機型式 DJK
気筒配列 直列4気筒
排気量1394cc
圧縮比10.0
吸気方式 ターボ
最高出力 150PS[110kW]/5000-6000rpm
最大トルク 25.5kgm[250Nm]/1500-3500rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
WLTC燃費 12.2km/L(28.7mpg)
100km燃費 8.2L/100km
DJK型エンジンの諸元と性能まとめ
直列4気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に4個配置する方式。小排気量から2.5Lあたりまでをカバー。
直列4気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税30500円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税16400円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額5000円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、シャランの新車を507.4万円(諸費用として66.2万円を加算)にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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新車で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 1500cc以下 13年未満 30500円
自動車重量税(1年分) 2.0トン以下 13年未満 16400円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
燃料代(年間1万km) 10000km÷12.2km/L×185円/L 151640円
オイル交換(5000km毎) 1回4500円×2回 9000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本12000円×4本÷5年 9600円
任意保険料(月額5000円) 月額5000円×12ヶ月 60000円
ローン完済後の年間維持費 286000円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額84560円×12ヶ月 1014720円
ローン返済中の年間維持費 1300700円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 53500円
名目 金額
自動車税(1年分) 30500円
自動車重量税(1年分) 16400円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
151640円
(106150円)
(75820円)
(45490円)
オイル交換(5000km毎) 9000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 9600円
任意保険料(月額5000円) 60000円
ローン完済後の年間維持費 286000円
名目 金額
車のローン額(1年分) 1014720円
ローン返済中の年間維持費 1300700円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
53500円
  • 初度登録から2年経過車の場合、「1500cc以下で13年未満」クラスの自動車税は30500円、「2.0トン以下で13年未満」クラスの自動車重量税は16400円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに4500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本12000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額5000円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした53500円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

お財布に厚みが増した勢いで少し色気を出して愛車にステータス性を求めるなら、月換算23900円くらいの出費は覚悟しましょう。なあに大丈夫、愛車のためです。

口癖のように「もうちょっと維持費が安ければねえ…?」なんて呟くその姿は自慢げなようであり、しかし哀愁を帯びているようでもあり、傍からすれば対応に困ります。より維持費の安い新車を買うほどではない…ないが…考えずにもいられない、そんなクラスです。全体から見るとこの辺りから面白味のある車が増えてきます。

シャランの維持費は高い?安い?

「シャランの年間維持費は286000円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「1500ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてシャランの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いヤリス173300円-112700円
ジェイド210700円-75300円
フリード ハイブリッド224600円-61400円
スイフト スポーツ250200円-35800円
基準1500ccクラス平均251400円-34600円
ステップワゴン スパーダ259700円-26300円
コルト Ralliart-R281600円-4400円
シャランの維持費286000円
ゴルフ トゥーラン321300円+35300円
高いウーノ367800円+81800円

シャランの年間維持費を、1500ccクラスで最も維持費が安いヤリスと比較して112700円高く、最も高いウーノと比較して81800円安く、1500ccクラスの平均維持費との比較では34600円高くなっています。

最低額のヤリスと最高額のウーノは極端な例としても、1500ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、シャランの維持費は まあまあ高い! と言えそうです。

年間維持費が安い 1500ccクラスの車 ランキング

シャランを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟%年収月給手取り
10%370万円31万円24万円
15%250万円21万円17万円
20%190万円16万円13万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は370万円(総支給額31万円/月、手取り24万円/月)、ここから月額維持費2.4万円を支払うと残りは21.6万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は250万円(総支給額21万円/月、手取り17万円/月)、2.4万円を支払うと残りは14.6万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が190万円(総支給額16万円/月、手取り13万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。2.4万円を引くと残りは10.6万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代16万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり185円を基準として、-50円となる135円から、+50円となる235円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費12.2km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
135円/L
110660円
[-40980円]
-25円
160円/L
131160円
[-20480円]
-10円
175円/L
143450円
[-8190円]
185円/L151640円
[0円]
+10円
195円/L
159850円
[+8210円]
+25円
210円/L
172140円
[+20500円]
+50円
235円/L
192630円
[+40990円]

燃費12.2km/Lの7NDJK型 シャランで10000km走行するのに必要な燃料は819.7L、1リットルあたり185円としたときの燃料代は151640円になります。

参考までに、シャランの燃料タンクは73リットルですので、819.7Lの給油回数は12回、1回あたりの燃料代は約12640円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては8210円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると20500円、50円も違ってくると40990円にもなります。

これを7NDJK型 シャランの年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり185円の場合を286000円としたとき、135円/Lに値下がりすれば245020円(85.7%)に、235円/Lに値上がりすれば326990円(114.3%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(30500円)なり重量税(16400円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 30500円 19%
自動車重量税 1年分 16400円 10%
自賠責保険料 1年分 8825円 6%
燃料代 3000km分 45490円 28%
オイル交換 年1回 4500円 3%
タイヤ交換 6年毎 6400円 4%
任意保険料 80% 48000円 30%
合計
[1万kmとの差額]
160200円
-125800円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 30500円 16%
自動車重量税 1年分 16400円 8%
自賠責保険料 1年分 8825円 5%
燃料代 5000km分 75820円 39%
オイル交換 年1回 4500円 2%
タイヤ交換 6年毎 6400円 3%
任意保険料 85% 51000円 27%
合計
[1万kmとの差額]
193500円
-92500円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 30500円 13%
自動車重量税 1年分 16400円 7%
自賠責保険料 1年分 8825円 4%
燃料代 7000km分 106150円 46%
オイル交換 年1回 6300円 3%
タイヤ交換 6年毎 6400円 3%
任意保険料 90% 54000円 24%
合計
[1万kmとの差額]
228600円
-57400円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料60000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて125800円安い160200円に、5000km走行では92500円安い193500円に、7000km走行では57400円安い228600円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 30500円 8%
自動車重量税 1年分 16400円 4%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 15000km分 227460円 59%
オイル交換 年3回 27000円 7%
タイヤ交換 2.7年毎 14400円 4%
任意保険料 100% 60000円 16%
合計
[1万kmとの差額]
384600円
+98600円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 30500円 6%
自動車重量税 1年分 16400円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 20000km分 303280円 64%
オイル交換 年4回 36000円 8%
タイヤ交換 2年毎 19200円 4%
任意保険料 100% 60000円 13%
合計
[1万kmとの差額]
474300円
+188300円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
輸入車・外車の小型車&普通車編
1500cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
7人乗りミニバン編

【WLTC特典】市街地・郊外・高速道路の走行比率が変わると?

ひとくちにWLTCモード燃費と言いましても、信号や渋滞があるノロノロ道路の走行を想定した市街地モード(9.2km/L)、信号や渋滞が少ないスイスイ道路の走行を想定した郊外モード(12.3km/L)、高速道路の走行を想定した高速道路モード(14.0km/L)という3つの走行パターンを内包してありまして、これらを「平均的な使用時間配分」なるもので構成したのがWLTCモード燃費(12.2km/L)ということになります。

ここでは年間走行距離を10000kmとして市街地、郊外、高速道路の走行比率を変えてみたとき、WLTCモード燃費でのガソリン代151640円からどのように変化するかを見ていきたいと思います。

  • 1リットル185円として計算。
  • []内は低燃費タイヤ装着(エコタイヤ)で燃費が3%向上すると仮定した場合のガソリン代。
    たった3%のようですが、もともとの燃費が…なため、お財布には劇的な効果があります。
参考:燃費が3%向上すると…?
市街地9.2km/L → 9.5km/L
郊外12.3km/L → 12.7km/L
高速道路14.0km/L → 14.4km/L

●例1:都市部にお住まい

まず最初に、市街地の住まいを想定して、走行の大半を市街地(90%)、たまに郊外へお買い物(5%)、稀に高速道路に乗ってどこか遠くへ…(5%)という場合で見てみます。

市街地90%・郊外5%・高速5%
市街地9000km180990円
[175270円]
郊外500km7530円
[7290円]
高速道路500km6600円
[6420円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
195120円
+43480円
9.5km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
188980円
-6140円
9.8km/L
  • 市街地走行のガソリン代
    市街地の走行を9000kmとするとき、市街地モード燃費が9.2km/Lではガソリン978.3Lを消費して、ガソリン代は180990円になります。
  • 郊外走行のガソリン代
    郊外の走行を500kmとするとき、郊外モード燃費が12.3km/Lではガソリン40.7Lを消費して、ガソリン代は7530円になります。
  • 高速道路走行のガソリン代
    高速道路の走行を500kmとするとき、高速道路モード燃費が14.0km/Lではガソリン35.7Lを消費して、ガソリン代は6600円になります。

このパターンでは使用した燃料量が1054.7L、かかったガソリン代が195120円となり、平均燃費は9.5km/L(-2.7km/L)、WLTCモード燃費とのガソリン代の差は+43480円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着で燃費が3%アップするとして、同じ条件で走行するとガソリン代は188980円となり、6140円安くなります。車検2回ごとにタイヤ交換するとき、寿命までの5年間で30700円の経費削減になる計算です。純正タイヤとエコタイヤの差額がこれ以上ならお得、以下なら…?

●例2:市街地と郊外を行き来

次に、とにかく市街地と郊外を行ったり来たりする条件を想定して、市街地の走行を50%、郊外の走行を50%、高速道路は走行しない場合を見てみます。

市街地50%・郊外50%・高速0%
市街地5000km100550円
[97370円]
郊外5000km75200円
[72830円]
高速道路0km0円
[0円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
175750円
+24110円
10.5km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
170200円
-5550円
10.9km/L
  • 市街地走行のガソリン代
    市街地の走行を5000kmとするとき、市街地モード燃費が9.2km/Lでは543.5Lを消費して、ガソリン代は100550円になります。
  • 郊外走行のガソリン代
    郊外の走行を5000kmとするとき、郊外モード燃費が12.3km/Lでは406.5Lを消費して、ガソリン代は75200円になります。

このパターンでは使用した燃料量が950.0L、かかったガソリン代が175750円となり、平均燃費は10.5km/L(-1.7km/L)、WLTCモード燃費とのガソリン代の差は+24110円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着ではガソリン代が170200円となり、1年間で5550円、5年間で27750円の経費削減になる計算です。

●例3:市街地・郊外・高速道路をMix

続いて、都市部に住んでいて郊外の職場へ通勤、あるいは郊外に住んでいて都市部の職場へ通勤、高速利用もバッチリ!という感じでシミュレーションしてみます。

市街地33.3%・郊外33.4%・高速33.3%
市街地3330km66970円
[64840円]
郊外3340km50230円
[48660円]
高速道路3330km44010円
[42770円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
161210円
+9570円
11.5km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
156270円
-4940円
11.8km/L
  • 市街地走行のガソリン代
    市街地の走行を3330kmとするとき、市街地モード燃費が9.2km/Lでは362.0Lを消費して、ガソリン代は66970円になります。
  • 郊外走行のガソリン代
    郊外の走行を3340kmとするとき、郊外モード燃費が12.3km/Lでは271.5Lを消費して、ガソリン代は50230円になります。
  • 高速道路走行のガソリン代
    高速道路の走行を3330kmとするとき、高速道路モード燃費が14.0km/Lでは237.9Lを消費して、ガソリン代は44010円になります。

このパターンでは使用した燃料量が871.4L、かかったガソリン代が161210円となり、平均燃費は11.5km/L(-0.7km/L)、WLTCモード燃費とのガソリン代の差は+9570円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着ではガソリン代が156270円となり、1年間で4940円、5年間で24700円の経費削減になる計算です。

●例4:農村部にお住まい

最後に、びっくりするほど田舎な住まいを想定して、市街地の走行を5%、郊外の走行を90%、高速道路の走行を5%とした場合を見てみます。

市街地5%・郊外90%・高速5%
市街地500km10050円
[9730円]
郊外9000km135360円
[131110円]
高速道路500km6600円
[6420円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
152010円
+370円
12.2km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
147260円
-4750円
12.6km/L
  • 市街地走行のガソリン代
    市街地の走行を500kmとするとき、市街地モード燃費が9.2km/Lでは54.3Lを消費して、ガソリン代は10050円になります。
  • 郊外走行のガソリン代
    郊外の走行を9000kmとするとき、郊外モード燃費が12.3km/Lでは731.7Lを消費して、ガソリン代は135360円になります。
  • 高速道路走行のガソリン代
    高速道路の走行を500kmとするとき、高速道路モード燃費が14.0km/Lでは35.7Lを消費して、ガソリン代は6600円になります。

このパターンでは使用した燃料量が821.7L、かかったガソリン代が152010円となり、平均燃費は12.2km/L(0.0km/L)、WLTCモード燃費とのガソリン代の差は+370円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着ではガソリン代が147260円となり、1年間で4750円、5年間で23750円の経費削減になる計算です。

以上、極端な条件でのシミュレーションではありますが、走行シチュエーションによって平均燃費は変わり(9.5km/L・10.5km/L・11.5km/L・12.2km/L)、ガソリン代のほうもなかなかな違い(195120円・175750円・161210円・152010円)が出てくることがわかります。


市街地・郊外・高速道路の満タン航続距離

各モード燃費と航続距離
燃料タンク容量 73リットル
WLTCモード燃費
12.2km/L
890.6km
市街地燃費
9.2km/L
671.6km
[-219.0km]
郊外燃費
12.3km/L
897.9km
[+7.3km]
高速道路燃費
14.0km/L
1022.0km
[+131.4km]
満タン給油価格 13505円
1km走行コスト 15.16円
1万円走行距離 659.5km

WLTCモード燃費が12.2km/L、燃料タンク容量73リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は890.6kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(11.0km/L)とすると航続距離は803.0km、80%(9.8km/L)だと715.4km、70%(8.5km/L)では620.5kmになります。

WLTCモード燃費には市街地モード・郊外モード・高速道路モードという3つの走行パターンが内包されておりますので、参考までにそれぞれのモード燃費で燃料タンクが空になるまで走行した場合の満タン航続距離を計算してみます。

燃料タンクの容量を73Lとしたとき、市街地モード燃費9.2km/Lでの航続距離は671.6km(-219.0km)、郊外モード燃費12.3km/Lでの航続距離は897.9km(+7.3km)、高速道路モード燃費14.0km/Lでの航続距離は1022.0km(+131.4km)となります。

ある特定のシチュエーションのみを、燃料タンクが空になるまで走行することはなかなかありませんが、「その気になればこのくらいの距離を走れちゃうんだぜ!」という参考データだけは持っておくと、次回の給油回数削減チャレンジでギリギリのラインを狙っていくのに役立つ、かもしれません。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から73リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり185円では13505円、上で計算した航続距離を踏まえると890.6km(80%燃費時715.4km)を走行するのに13505円かかる計算です。

燃費を12.2km/Lとしたときの1km走行コストは15.16円、10万km走行したときの燃料代は151.6万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら15.2万円/年、7年10万kmなら21.7万円/年、5年10万kmなら30.3万円/年、3年10万kmなら50.5万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば659.5km(往復なら片道329.7km)、カタログ値の80%なら527.6km(片道263.8km)離れたところまで行くことができます。

カタログデータから見えてくる要素

DJK型エンジン簡易性能曲線図
各回転域での馬力
1500回転時の馬力 53PS
3500回転時の馬力 125PS
5000回転時の馬力 150PS
6000回転時の馬力 150PS
各回転域でのトルク
1500回転時のトルク 25.5kgm
3500回転時のトルク 25.5kgm
5000回転時のトルク 21.5kgm
6000回転時のトルク 17.9kgm
DJK型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載しているDJK型1394cc、直列4気筒のターボエンジンは5000-6000回転時に最高出力150馬力を、1500-3500回転時に最大トルク25.5kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、アイドリングとそれほど変わらないような回転数から最大トルクが発生するこのエンジンは、坂道発進も平気の平左、MT車でもエンスト知らず、扱いやすさにかけては右に出るものがありません。ディーゼル車やダウンサイジングターボに多くあります。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する1500rpmから最高出力が発生する6000rpmまで」の4500rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は75.0%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
1500cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
1500cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ12.000kg/PS(1800kg/150PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ12.000kg/PS
車体+1人12.367kg/PS
車体+7人14.567kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg12.400kg/PS
車体+70kg12.467kg/PS
車体+80kg12.533kg/PS
車体+90kg12.600kg/PS
車体+100kg12.667kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは12.367kg/PS(1855kg/150PS)となり、数値としては0.367kg、比率にすると3.1%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの7人が搭乗した場合、車両重量に385kgがプラスされてパワーウェイトレシオは14.567kg/PS(2185kg/150PS)となり、数値としては2.567kg、比率にすると21.4%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

7NDJK シャランのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2022/04

-
シャラン
12.367kg/PS
1855kg/150PS|1.4L-TB
[車体のみPWR:12.000]
2015/02

車種詳細
CX-3
12.333kg/PS
1295kg/105PS|1.5L-TB
車体のみPWR:11.810
2019/05

車種詳細
MAZDA3 ファストバック
12.387kg/PS
1375kg/111PS|1.5L-NA
車体のみPWR:11.892
2008/05

車種詳細
キューブ キュービック
12.248kg/PS
1335kg/109PS|1.5L-NA
車体のみPWR:11.743
2009/08

車種詳細
ヴィッツ
12.356kg/PS
1075kg/87PS|1.3L-NA
車体のみPWR:11.724
2015/05

車種詳細
シャトル
12.318kg/PS
1355kg/110PS|1.5L-NA
車体のみPWR:11.818

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ12.367kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

12.243kg/PSから12.491kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、マツダの5人乗りSUV「DK5FW型 CX-3」、マツダの5人乗りハッチバック「BP5P型 MAZDA3 ファストバック」、日産の7人乗りミニバン「YGNZ11型 キューブ キュービック」、トヨタの5人乗りハッチバック「SCP90型 ヴィッツ」、ホンダの5人乗りワゴン「GP8型 シャトル」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

7NDJK型 シャラン [TDI Comfortline]のライバル車種|12.367kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は83.3PS/tとなっています。


シャランがバイクと競争するなら…?


車種詳細
CB125R|124cc
12.333kg/PS
185kg/15.0PS/1.20kgm
[車体のみPWR:8.667]
1速ギヤ速度:35.9km/h
最小TWR:1.030
2022/04

-
シャラン|1394cc
12.367kg/PS
1855kg/150PS/25.5kgm
[車体のみPWR:12.000]
1速ギヤ速度:45.2km/h
最小TWR:1.411

車種詳細
GSX-S125|124cc
12.533kg/PS
188kg/15.0PS/1.10kgm
[車体のみPWR:8.867]
1速ギヤ速度:37.5km/h
最小TWR:1.203

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではシャランとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

JC91 CB125Rと競争してみる

まずシャランより少しPWRが低いバイクとして、ホンダのCB125Rが挙げられます。PWRの12.333kg/PSは車両重量130kgにライダーの体重55kgを加えた185kgを、最高出力15.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はCB125Rに9.3km/h勝り、1速TWRは0.381kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

DL32B GSX-S125と競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、スズキのGSX-S125が挙げられます。PWRの12.533kg/PSは車両重量133kg+55kgの188kgを、最高出力15.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は7.7km/h勝り、1速TWRは0.208kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.833
平均ピストンスピード 16.00m/s
トルクウェイトレシオ 70.59kg/kgm
1馬力あたりのお値段 29413円
排気量1Lあたり馬力 107.60PS/L
排気量1Lあたりトルク 18.29kgm/L
1気筒あたりの馬力 37.5PS
1気筒あたりのトルク 6.4kgm
パワーバンド比率 75.0%
燃費×馬力 1830.0pt
各種ランキング
ミニバン・1BOXのPWR
1.3~1.5L以下のPWR

トルクウェイトレシオは70.59kg/kgm(1800kg/25.5kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が4412000円、最高出力が150馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は29413円、逆に1万円あたりでは0.34馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は173020円、1万円あたりでは0.06kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
1500cc以下の車編
7人乗りミニバン編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は107.60PS/L、トルクは18.29kgm/L、1気筒あたりの馬力は37.5馬力、トルクは6.4kgmとなり、このエンジンが150馬力を6000回転で発生させているときの平均ピストンスピードは16.00m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が80.0mmであるDJK型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は7500回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.833になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと真っ直ぐ進むことを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が12.2km/L、最高出力が150PSであるこの車の獲得ポイントは1830.0ptになります。
戯れに車両重量1800kgを100kg単位にした18.0で割ってみたところ、その数値は101.67ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)



シャランでの車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.699m
期待される荷室の幅 1.510m
対角線の長さ 2.273m
期待される荷室の面積 2.565m²

縦方向の長さが1.699m(対角線では2.273m)ともなると、もはや車の中で生活しても良いんじゃないかと錯覚しかねないほど快適な睡眠が約束されます。

日頃の行いが悪いとか、人様には言えないことをやらかしたとか、誰の顔も見たくないなどの訳アリで家に帰れず、やむなく車中泊をしてみたが最期、あまりの気楽さに心を奪われ流浪の民となりかねません。

多くのミニバンや1BOXは室内長の寸法が大きいことから車中泊への期待が高まりますが、2列目、3列目シートの収納がイマイチの場合は車中泊の難易度がセダンよりも跳ね上がりかねません。その場合はシートを前ではなく後に倒してのフルフラットの可否が鍵を握ります。

車中泊にあると嬉しいアイテム

ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合5000-6000rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした6500回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 6500rpm|タイヤサイズ 215/60R16|タイヤ直径 66.4cm|円周長 208.6cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
6500rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 3.461 16.61 -
-
49km/h 13270rpm 1276.0kgm
2速 2.050 9.84 0.592 1-2/
3850rpm
83km/h 7860rpm 755.8kgm
3速 1.300 6.24 0.634 2-3/
4120rpm
130km/h 4990rpm 479.3kgm
4速 0.902 4.33 0.694 3-4/
4510rpm
188km/h 3460rpm 332.5kgm
5速 0.686 3.29 0.761 4-5/
4950rpm
247km/h 2630rpm 252.9kgm
6速 0.567 2.72 0.827 5-6/
5380rpm
299km/h 2170rpm 209.0kgm
Final 4.800 レシオカバレッジ(変速比幅)6.104

  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数1500-3500rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.800)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(25.5kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.800)÷タイヤの有効半径(0.332m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は6速ギヤの299km(6000rpmでは275.9km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが1500-3500回転で最大トルク25.5kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば70.59kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(12.000kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと1276.0kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1800kg)を1速ギヤの最大駆動力(1276.0kgm)で割ってみると1.411kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する6000回転でのトルク(17.9kgm)からTWRを算出すると2.010kg/kgmとなり、1500-6000回転の回転域では1.411-2.010kg/kgmの間で推移することがわかります。


おまけ:6000rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

7NDJK型シャランに搭載されたDJK型1394ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する6000rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

6000rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ45km/h-
2速ギヤ76km/h3550rpm
3速ギヤ120km/h3800rpm
4速ギヤ173km/h4160rpm
5速ギヤ228km/h4570rpm
6速ギヤ276km/h4960rpm

まず1速ギヤで6000rpmまで引っ張ると45km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は6000rpmから3550rpmまで落ち、そこから6000rpmまで加速を続けると速度は76km/h(+31km/h)になります。

3速ギヤでは3800rpmまで落ちて6000rpmで120km/h(+44km/h)に、4速ギヤでは4160rpmまで落ちて6000rpmで173km/h(+53km/h)になります。

続いて5速ギヤでは4570rpmまで落ちて6000rpmで228km/h(+55km/h)に、6速ギヤでは4960rpmまで落ちて6000rpmで276km/h(+48km/h)という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 5310 7960 10620 13270 15930 18580 23890
2速 3140 4720 6290 7860 9430 11010 14150
3速 1990 2990 3990 4990 5980 6980 8970
4速 1380 2080 2770 3460 4150 4840 6230
5速 1050 1580 2100 2630 3160 3680 4740
6速 870 1300 1740 2170 2610 3040 3910
※赤い数字は暫定レブリミット(6500rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.567)を選択して時速100kmにて走行すると2170回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1300回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1520回転、一般的な高速道路の80km/hでは1740回転、100km/hでは2170回転、制限速度が120km/hになると2610回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは3910回転まで回ります。

一般的な自動車であれば時速100kmでの巡航回転数は2500回転付近に落ち着くようですが、その中でも若干低めの回転数となっています。標準的なギヤ比の範囲内ながらも加速よりも静粛性や燃費に重きを置いた設定なので、急な坂道や長く続く坂道では積極的にギヤを1段下げる操作が必要になるかもしれません。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 8 15 23 30 38 45 53 60
2速 13 25 38 51 64 76 89 102
3速 20 40 60 80 100 120 140 160
4速 29 58 87 116 145 173 202 231
5速 38 76 114 152 190 228 266 304
6速 46 92 138 184 230 276 322 368

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(6500回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの215/60R16と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 215/60R16 | 直径 664mm

-20mm
幅195mm
-10mm
幅205mm
変更なし
幅215mm
+10mm
幅225mm
+20mm
幅235mm
-5%
55
扁平
195/55R16
37.4km/h
直径621mm
径差-43mm
205/55R16
38.1km/h
直径632mm
径差-32mm
215/55R16
38.7km/h
直径643mm
径差-21mm
225/55R16
39.4km/h
直径654mm
径差-10mm
235/55R16
40.1km/h
直径665mm
径差+1mm
0%
60
扁平
195/60R16
38.6km/h
直径640mm
径差-24mm
205/60R16
39.3km/h
直径652mm
径差-12mm
215/60R16
40.0km/h
664mm
0mm
225/60R16
40.7km/h
直径676mm
径差+12mm
235/60R16
41.4km/h
直径688mm
径差+24mm
+5%
65
扁平
195/65R16
39.8km/h
直径660mm
径差-4mm
205/65R16
40.5km/h
直径673mm
径差+9mm
215/65R16
41.3km/h
直径686mm
径差+22mm
225/65R16
42.1km/h
直径699mm
径差+35mm
235/65R16
42.9km/h
直径712mm
径差+48mm
+10%
70
扁平
195/70R16
40.9km/h
直径679mm
径差+15mm
205/70R16
41.7km/h
直径693mm
径差+29mm
215/70R16
42.6km/h
直径707mm
径差+43mm
225/70R16
43.4km/h
直径721mm
径差+57mm
235/70R16
44.3km/h
直径735mm
径差+71mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、195/60R16、195/65R16 、205/55R16、205/60R16 、215/55R16 、225/55R16 あたりのタイヤがおすすめです。

215/60R16のタイヤ幅を195mmから245mmまで、扁平率を45%から75%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、215/60R16の適応サイズと性能の変化 [7NDJK型シャラン編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】215/60R16のタイヤ銘柄と通販価格

7NDJK型シャラン[1.4Lターボ FF/6AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト12.000kg/ps43.89
1速ギヤ加速性能1.411kg/kgm53.53
1L換算馬力107.60ps/L51.61
1L換算トルク18.29kgm/L57.30
WB/TR比1.83343.81
ワイド&ロー指数0.91648.31
前面の面積3.342m²29.98
最低地上高-43.72
スポーツ性能部門の得点372.15

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
WLTC燃費12.2km/L41.91
年間維持費286000円53.72
100kmh回転数2170rpm54.28
航続距離890.6km60.25
車の大きさ16.228m³68.91
室内の広さ(仮) 2.943m³45.48
最小回転半径5.8m37.14
馬力単価29413円39.67
ユーティリティ部門の得点401.36

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した 7NDJK型シャラン[1.4Lターボ FF/6AT] の総合得点は 773.51 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介した7NDJK型シャラン(FF/6AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのミニバン」、「1500ccのミニバン」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

シャランの歴代モデル

2代目 7NCZD型 シャラン
7NCZD シャランは2011/02に登場した2代目モデル。参考車両の「TSI TrendLine」は全長4855mm、全幅1910mm、全高1730mmの車体に、150PS/25.5kgmを発生するCZD型1394ccエンジンを搭載した7人乗りミニバン。

初代 7MAAA型 シャラン
7MAAA シャランは1997/05に登場した初代モデル。参考車両の「VR6」は全長4620mm、全幅1810mm、全高1760mmの車体に、174PS/24.0kgmを発生するAAA型2791ccエンジンを搭載した7人乗りミニバン。