EP91 スターレット リミックスの性能と維持費 FF/3AT 119万円

このページでは、トヨタ自動車の5ドア・5人乗りSUV、5代目のE-EP91型スターレット リミックス Remix【1998/10モデル・85PS/12.0kgm・FF/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

EP91 スターレット リミックス
販売期間:1996/01 - 1999/07

画像はトヨタ自動車より引用
http://toyota.jp/
投稿:2016/04/04|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長3935mm×全幅1655mm×全高1450mm、排気量は1331ccであることから、大雑把に分類すると1.4リットルクラス(1400cc、自動車税は1.5L以下を適用)に属した、いわゆる5ナンバークラスの車です。とにかく排気量を増やして、とにかくボディを大きく、特に全幅を広げれば良いんだという風潮が蔓延る現代においては大変貴重な車となっています。

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、前輪のみを駆動する、フロントエンジン・フロントドライブ方式(FF・FWD・前輪駆動とも)を採用しています。この方式はエンジンと駆動系(ミッション、デフ等)の収納がエンジンルーム内で完結するので、軽量コンパクトかつ低コスト化が実現でき、室内を広く作りやすい(エンジンが横置きの場合)ほか、後輪駆動車に比べて直進安定性に優れることが主な特長です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が3935mmであるこの車の場合は「ロア ミディアム」(Lower-Medium:3850mm超-4300mm以下・Cセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


EP91型 スターレット リミックス [1331cc/85PS FF/3AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

5代目スターレット リミックスの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
1998/10
EP91型
[Remix]
1.3L-NA・FF/4MT・111.1万円
85PS・12.0kgm・19.8km/L
85PS
12.0kgm
19.8km/L
1998/10
EP95型
[Remix]
1.3L-NA・4WD/5MT・132.5万円
82PS・11.8kgm・16.2km/L
82PS
11.8kgm
16.2km/L
1998/10
EP95型
[Remix]
1.3L-NA・4WD/4AT・140.6万円
82PS・11.8kgm・14.2km/L
82PS
11.8kgm
14.2km/L
5代目 スターレット 型式一覧 P90系まとめ 1996-1999【全14車種】
スターレット リミックスの旧型モデル
4代目 EP82型スターレット GT
EP82型スターレット GTは1989/12に登場した4代目モデル。参考車両の「GT」は全長3805mm、全幅1620mm、全高1380mmの車体に、135PS/16.0kgmを発生する4E型1331ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー トヨタ自動車
車名&
グレード
スターレット リミックス
Remix
その他 リミックス 最低地上高を上げてRV仕立てにした派生車種
お値段 1185000円
車両型式 E-EP91
駆動方式
変速機
FF・前輪駆動(FWD,2WD)
3速AT・3速オートマ車
ドア/定員 5ドア/5名乗車
車体寸法 長3935×幅1655×高1450mm
室内寸法 長1705×幅1375×高1180mm
軸距&
輪距
2300mm
前1395mm/後1405mm
最小半径 4.6m
最低高 160mm
タイヤ 前輪:165/70R13
後輪:165/70R13
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ドラム
車両重量 950kg
エンジン諸元
原動機型式 4E-FE
気筒配列 直列4気筒
排気量1331cc
圧縮比9.6
吸気方式 自然吸気(NA・ノンターボ)
最高出力 85PS[62kW]/5500rpm
最大トルク 12.0kgm[118Nm]/4400rpm
使用燃料 レギュラーガソリン
10・15燃費 16.4km/L(38.6mpg)
100km燃費 6.1L/100km
4E-FE型エンジンの諸元と性能まとめ
直列4気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に4個配置する方式。小排気量から2.5Lあたりまでをカバー。
直列4気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税39600円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税12600円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額5000円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、1998/10モデルのスターレット リミックスを26年落ちの中古で26.1万円にて購入し、頭金なしで1年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    スターレット リミックスの1998/10モデルの場合、2024年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の20%である23.7万円に諸経費として2.4万円を足した26.1万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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1998年式を26年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 1500cc以下 13年経過 39600円
自動車重量税(1年分) 1.0トン以下 18年経過 12600円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
燃料代(年間1万km) 10000km÷13.9km/L×180円/L 129500円
オイル交換(5000km毎) 1回4000円×2回 8000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本6000円×4本÷5年 4800円
任意保険料(月額5000円) 月額5000円×12ヶ月 60000円
ローン完済後の年間維持費 263400円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額21730円×12ヶ月 260760円
ローン返済中の年間維持費 524100円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 45900円
名目 金額
自動車税(1年分) 39600円
自動車重量税(1年分) 12600円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
129500円
(90650円)
(64750円)
(38850円)
オイル交換(5000km毎) 8000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 4800円
任意保険料(月額5000円) 60000円
ローン完済後の年間維持費 263400円
名目 金額
車のローン額(1年分) 260760円
ローン返済中の年間維持費 524100円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
45900円
  • 初度登録から13年以上経過車の場合、「1500cc以下で13年経過」クラスの自動車税は39600円、「1.0トン以下で18年経過」クラスの自動車重量税は12600円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに4000円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本6000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額5000円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした45900円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

お財布に厚みが増した勢いで少し色気を出して愛車にステータス性を求めるなら、月換算22000円くらいの出費は覚悟しましょう。なあに大丈夫、愛車のためです。

口癖のように「もうちょっと維持費が安ければねえ…?」なんて呟くその姿は自慢げなようであり、しかし哀愁を帯びているようでもあり、傍からすれば対応に困ります。より維持費の安い新車を買うほどではない…ないが…考えずにもいられない、そんなクラスです。全体から見るとこの辺りから面白味のある車が増えてきます。

スターレット リミックスの維持費は高い?安い?

「スターレット リミックスの年間維持費は263400円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「1500ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてスターレット リミックスの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いアクア175000円-88400円
ジェイド215000円-48400円
フリード ハイブリッド227000円-36400円
ジムニー シエラ251700円-11700円
基準1500ccクラス平均255200円-8200円
スイフト スポーツ256800円-6600円
スターレット リミックスの維持費263400円
コルト Ralliart-R289200円+25800円
ゴルフ トゥーラン330800円+67400円
高いウーノ374600円+111200円

スターレット リミックスの年間維持費を、1500ccクラスで最も維持費が安いアクアと比較して88400円高く、最も高いウーノと比較して111200円安く、1500ccクラスの平均維持費との比較では8200円高くなっています。

最低額のアクアと最高額のウーノは極端な例としても、1500ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、スターレット リミックスの維持費は ちょっと高い! と言えそうです。

年間維持費が安い 1500ccクラスの車 ランキング

スターレット リミックスを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟%年収月給手取り
10%340万円29万円23万円
15%230万円20万円16万円
20%170万円15万円12万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は340万円(総支給額29万円/月、手取り23万円/月)、ここから月額維持費2.2万円を支払うと残りは20.8万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は230万円(総支給額20万円/月、手取り16万円/月)、2.2万円を支払うと残りは13.8万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が170万円(総支給額15万円/月、手取り12万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。2.2万円を引くと残りは9.8万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代13万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、レギュラーガソリン1リットルあたり180円を基準として、-50円となる130円から、+50円となる230円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費13.9km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
130円/L
93540円
[-35960円]
-25円
155円/L
111530円
[-17970円]
-10円
170円/L
122320円
[-7180円]
180円/L129500円
[0円]
+10円
190円/L
136710円
[+7210円]
+25円
205円/L
147500円
[+18000円]
+50円
230円/L
165490円
[+35990円]

燃費13.9km/LのEP91型 スターレット リミックスで10000km走行するのに必要な燃料は719.5L、1リットルあたり180円としたときの燃料代は129500円になります。

参考までに、スターレット リミックスの燃料タンクは45リットルですので、719.5Lの給油回数は16回、1回あたりの燃料代は約8100円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては7210円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると18000円、50円も違ってくると35990円にもなります。

これをEP91型 スターレット リミックスの年間維持費に当てはめてみますと、レギュラーガソリン1リットルあたり180円の場合を263400円としたとき、130円/Lに値下がりすれば227440円(86.3%)に、230円/Lに値上がりすれば299390円(113.7%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(39600円)なり重量税(12600円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 39600円 26%
自動車重量税 1年分 12600円 8%
自賠責保険料 1年分 8825円 6%
燃料代 3000km分 38850円 25%
オイル交換 年1回 4000円 3%
タイヤ交換 6年毎 3200円 2%
任意保険料 80% 48000円 30%
合計
[1万kmとの差額]
155100円
-108300円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 39600円 22%
自動車重量税 1年分 12600円 7%
自賠責保険料 1年分 8825円 5%
燃料代 5000km分 64750円 35%
オイル交換 年1回 4000円 2%
タイヤ交換 6年毎 3200円 2%
任意保険料 85% 51000円 27%
合計
[1万kmとの差額]
184000円
-79400円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 39600円 18%
自動車重量税 1年分 12600円 6%
自賠責保険料 1年分 8825円 4%
燃料代 7000km分 90650円 42%
オイル交換 年1回 5600円 3%
タイヤ交換 6年毎 3200円 1%
任意保険料 90% 54000円 26%
合計
[1万kmとの差額]
214500円
-48900円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料60000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて108300円安い155100円に、5000km走行では79400円安い184000円に、7000km走行では48900円安い214500円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 39600円 11%
自動車重量税 1年分 12600円 4%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 15000km分 194250円 56%
オイル交換 年3回 24000円 7%
タイヤ交換 2.7年毎 7200円 2%
任意保険料 100% 60000円 17%
合計
[1万kmとの差額]
346500円
+83100円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 39600円 9%
自動車重量税 1年分 12600円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 20000km分 259000円 61%
オイル交換 年4回 32000円 8%
タイヤ交換 2年毎 9600円 2%
任意保険料 100% 60000円 15%
合計
[1万kmとの差額]
421700円
+158300円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
トヨタの小型車&普通車編
1500cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
5人乗りSUV・RV編

スターレット リミックスの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
10・15モード燃費 16.4km/L
燃料タンク容量 45L
航続距離(カタログ燃費) 738.0km
航続距離(80%燃費) 589.5km
満タンプライス 8100円
1km走行コスト 10.98円
1万円でどこまで行ける? 911.1km

10・15モード燃費が16.4km/L、燃料タンク容量45リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は738.0kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(14.8km/L)とすると航続距離は666.0km、80%(13.1km/L)だと589.5km、70%(11.5km/L)では517.5kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から45リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、レギュラーガソリンを1リットルあたり180円では8100円、上で計算した航続距離を踏まえると738.0km(80%燃費時589.5km)を走行するのに8100円かかる計算です。

燃費を13.9km/Lとしたときの1km走行コストは10.98円、10万km走行したときの燃料代は109.8万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら11.0万円/年、7年10万kmなら15.7万円/年、5年10万kmなら22.0万円/年、3年10万kmなら36.6万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば911.1km(往復なら片道455.6km)、カタログ値の80%なら728.9km(片道364.4km)離れたところまで行くことができます。

カタログデータから見えてくる要素

4E-FE型エンジン簡易性能曲線図
各回転域での馬力
4400回転時の馬力 74PS
5500回転時の馬力 85PS
各回転域でのトルク
4400回転時のトルク 12.0kgm
5500回転時のトルク 11.1kgm
4E-FE型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載している4E型1331cc、直列4気筒の自然吸気エンジンは5500回転時に最高出力85馬力を、4400回転時に最大トルク12.0kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、最大トルクと最高出力の発生回転数がとても近いこのエンジンは、高い回転数まで回すことで力を発揮するタイプのエンジンです。回転に伴って高まるパワー感は得も言われぬ感動を与えてくれることでしょう。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する4400rpmから最高出力が発生する5500rpmまで」の1100rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は20.0%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
1500cc以下クラス編
トヨタの小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
1500cc以下クラス編
トヨタの小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ11.176kg/PS(950kg/85PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ11.176kg/PS
車体+1人11.824kg/PS
車体+5人14.412kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg11.882kg/PS
車体+70kg12.000kg/PS
車体+80kg12.118kg/PS
車体+90kg12.235kg/PS
車体+100kg12.353kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは11.824kg/PS(1005kg/85PS)となり、数値としては0.648kg、比率にすると5.8%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは14.412kg/PS(1225kg/85PS)となり、数値としては3.236kg、比率にすると29.0%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

EP91 スターレット リミックスのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
1998/10

-
スターレット リミックス
11.824kg/PS
1005kg/85PS|1.4L-NA
[車体のみPWR:11.176]
2019/09

車種詳細
カローラ ツーリング
11.853kg/PS
1375kg/116PS|1.2L-TB
車体のみPWR:11.379
2013/06

車種詳細
アコード ハイブリッド
11.713kg/PS
1675kg/143PS|2.0L-NA
車体のみPWR:11.329
2010/11

車種詳細
ラクティス
11.893kg/PS
1225kg/103PS|1.5L-NA
車体のみPWR:11.359
2016/11

車種詳細
ルーミー
11.786kg/PS
1155kg/98PS|1.0L-TB
車体のみPWR:11.224
2008/12

車種詳細
パッソ セッテ
11.881kg/PS
1295kg/109PS|1.5L-NA
車体のみPWR:11.376

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ11.824kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

11.706kg/PSから11.942kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、トヨタの5人乗りワゴン「NRE210W型 カローラ ツーリング」、ホンダの5人乗りセダン「CR6型 アコード ハイブリッド」、トヨタの5人乗りミニバン「NCP125型 ラクティス」、トヨタの5人乗りミニバン「M900A型 ルーミー」、トヨタの7人乗りミニバン「M512E型 パッソ セッテ」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

EP91型 スターレット リミックス [Remix]のライバル車種|11.824kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は89.5PS/tとなっています。


スターレット リミックスがバイクと競争するなら…?


車種詳細
NSR80|79cc
11.750kg/PS
141kg/12.0PS/0.97kgm
[車体のみPWR:7.167]
1速ギヤ速度:29.1km/h
最小TWR:0.685
1998/10

-
スターレット リミックス|1331cc
11.824kg/PS
1005kg/85PS/12.0kgm
[車体のみPWR:11.176]
1速ギヤ速度:64.0km/h
最小TWR:2.443

車種詳細
CB223S|223cc
11.875kg/PS
190kg/16.3PS/1.84kgm
[車体のみPWR:8.438]
1速ギヤ速度:31.7km/h
最小TWR:0.902

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではスターレット リミックスとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

HC06 NSR80と競争してみる

まずスターレット リミックスより少しPWRが低いバイクとして、ホンダのNSR80が挙げられます。PWRの11.750kg/PSは車両重量86kgにライダーの体重55kgを加えた141kgを、最高出力12.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はNSR80に34.9km/h勝り、1速TWRは1.758kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

MC40 CB223Sと競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、ホンダのCB223Sが挙げられます。PWRの11.875kg/PSは車両重量135kg+55kgの190kgを、最高出力16.3PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は32.3km/h勝り、1速TWRは1.541kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.643
平均ピストンスピード 14.19m/s
トルクウェイトレシオ 79.17kg/kgm
1馬力あたりのお値段 13941円
排気量1Lあたり馬力 63.86PS/L
排気量1Lあたりトルク 9.02kgm/L
1気筒あたりの馬力 21.2PS
1気筒あたりのトルク 3.0kgm
パワーバンド比率 20.0%
燃費×馬力 1184.9pt
各種ランキング
SUV・RV・クロカンのPWR
1.3~1.5L以下のPWR

トルクウェイトレシオは79.17kg/kgm(950kg/12.0kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が1185000円、最高出力が85馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は13941円、逆に1万円あたりでは0.72馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は98750円、1万円あたりでは0.10kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
トヨタ編
1500cc以下の車編
5人乗りSUV編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は63.86PS/L、トルクは9.02kgm/L、1気筒あたりの馬力は21.2馬力、トルクは3.0kgmとなり、このエンジンが85馬力を5500回転で発生させているときの平均ピストンスピードは14.19m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が77.4mmである4E型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は7750回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.643になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと小回りを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が13.94km/L、最高出力が85PSであるこの車の獲得ポイントは1184.9ptになります。
戯れに車両重量950kgを100kg単位にした9.5で割ってみたところ、その数値は124.73ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


人間様の占有スペース

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

人間様の占有スペース
室内長×室内幅×室内高 2.766m³
1人あたりのスペース 0.553m³
室内長/全長 43.3%
室内幅/全幅 83.1%
室内高/全高 81.4%
室内容積/車両体積 29.3%

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は2.766m³です。この車の乗車定員は5人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.553m³のスペースが割り当てられることになります。続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は43.3%、同じく室内幅と全幅の比率は83.1%、同じく室内高と全高の比率は81.4%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は29.3%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車 室内幅が広い車 室内高が高い車 車内の空間が広い車
室内長が長い車
室内幅が広い車
室内高が高い車
車内の空間が広い車


スターレット リミックスでの車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.377m
期待される荷室の幅 1.275m
対角線の長さ 1.877m
期待される荷室の面積 1.756m²

縦方向の長さが1.377m(対角線では1.877m)しかないとなると、これはもう常識的に考えてかなり厳しい車中泊を強いられます。運転席あるいは助手席を後ろに倒して寝たほうがまだマシかもしれません。

俗に言う体育座りの体勢で横になれば寝られないこともないでしょうが、寝れども寝れども疲れは取れない上に猛烈な腰痛で目を覚ましかねず、実に爽やかな笑顔で「もう二度と車中泊なんてしないよ!」と後日談を語ることになりかねません。

一見すると車中泊が可能そうに見えるハッチバックやワゴン、SUVであってもリアシートが前に倒れなかったり、倒れても中途半端であったり、凝った足回りのせいで室内に巨大な出っ張りがあったりで、なかなか思うようにはいきませんが、大抵のケースでは知恵と工夫で何とかなるはずです。

車中泊にあると嬉しいアイテム

ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合5500rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした6000回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 6000rpm|タイヤサイズ 165/70R13|タイヤ直径 56.1cm|円周長 176.2cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
6000rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 2.810 9.09 -
-
70km/h 8600rpm 388.8kgm
2速 1.549 5.01 0.551 1-2/
3310rpm
127km/h 4740rpm 214.3kgm
3速 1.000 3.23 0.646 2-3/
3880rpm
196km/h 3060rpm 138.4kgm
Final 3.234 レシオカバレッジ(変速比幅)2.810

  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数4400rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.234)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(12.0kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.234)÷タイヤの有効半径(0.2805m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は3速ギヤの196km(5500rpmでは179.8km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが4400回転で最大トルク12.0kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば79.17kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(11.176kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと388.8kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(950kg)を1速ギヤの最大駆動力(388.8kgm)で割ってみると2.443kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する5500回転でのトルク(11.1kgm)からTWRを算出すると2.642kg/kgmとなり、4400-5500回転の回転域では2.443-2.642kg/kgmの間で推移することがわかります。


おまけ:5500rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

EP91型スターレット リミックスに搭載された4E型1331ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する5500rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

5500rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ64km/h-
2速ギヤ116km/h3030rpm
3速ギヤ180km/h3550rpm

まず1速ギヤで5500rpmまで引っ張ると64km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は5500rpmから3030rpmまで落ち、そこから5500rpmまで加速を続けると速度は116km/h(+52km/h)になります。

3速ギヤでは3550rpmまで落ちて5500rpmで180km/h(+64km/h)に、に、という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 3440 5160 6880 8600 10320 12030 15470
2速 1900 2840 3790 4740 5690 6630 8530
3速 1220 1840 2450 3060 3670 4280 5510
※赤い数字は暫定レブリミット(6000rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(1.000)を選択して時速100kmにて走行すると3060回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1840回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは2140回転、一般的な高速道路の80km/hでは2450回転、100km/hでは3060回転、制限速度が120km/hになると3670回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは5510回転まで回ります。

時速100kmでの巡航回転数が3000回転を超えるようになってくると、ややパワーが心許ないとか、荷物や人を多く乗せる車であるとか、より鋭い加速を得たい場合のギヤ比ではないかと思います。エンジンのレイアウト(直列3気筒とか)によっては独特の振動が生じたりするので不快感を覚えるようになるかもしれません。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 12 23 35 47 58 70 81 93
2速 21 42 63 84 106 127 148 169
3速 33 65 98 131 163 196 229 262

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(6000回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの165/70R13と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 165/70R13 | 直径 561mm

-20mm
幅145mm
-10mm
幅155mm
変更なし
幅165mm
+10mm
幅175mm
+20mm
幅185mm
-5%
65
扁平
145/65R13
37.0km/h
直径519mm
径差-42mm
155/65R13
37.9km/h
直径532mm
径差-29mm
165/65R13
38.9km/h
直径545mm
径差-16mm
175/65R13
39.8km/h
直径558mm
径差-3mm
185/65R13
40.7km/h
直径571mm
径差+10mm
0%
70
扁平
145/70R13
38.0km/h
直径533mm
径差-28mm
155/70R13
39.0km/h
直径547mm
径差-14mm
165/70R13
40.0km/h
561mm
0mm
175/70R13
41.0km/h
直径575mm
径差+14mm
185/70R13
42.0km/h
直径589mm
径差+28mm
+5%
75
扁平
145/75R13
39.1km/h
直径548mm
径差-13mm
155/75R13
40.1km/h
直径563mm
径差+2mm
165/75R13
41.2km/h
直径578mm
径差+17mm
175/75R13
42.3km/h
直径593mm
径差+32mm
185/75R13
43.4km/h
直径608mm
径差+47mm
+10%
80
扁平
145/80R13
40.1km/h
直径562mm
径差+1mm
155/80R13
41.2km/h
直径578mm
径差+17mm
165/80R13
42.4km/h
直径594mm
径差+33mm
175/80R13
43.5km/h
直径610mm
径差+49mm
185/80R13
44.6km/h
直径626mm
径差+65mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、145/70R13、145/75R13 、155/70R13 、165/65R13 、175/65R13 あたりのタイヤがおすすめです。

165/70R13のタイヤ幅を145mmから195mmまで、扁平率を55%から85%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、165/70R13の適応サイズと性能の変化 [EP91型スターレット リミックス編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】165/70R13のタイヤ銘柄と通販価格

EP91型スターレット リミックス[1.4L-NA FF/3AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト11.176kg/ps46.15
1速ギヤ加速性能2.443kg/kgm31.47
1L換算馬力63.86ps/L42.72
1L換算トルク9.02kgm/L44.51
WB/TR比1.64363.40
ワイド&ロー指数0.87651.21
前面の面積2.400m²56.36
最低地上高160mm47.76
スポーツ性能部門の得点383.58

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
10-15燃費16.4km/L57.37
年間維持費263400円55.79
100kmh回転数3060rpm42.53
航続距離738.0km51.42
車の大きさ9.443m³42.03
室内の広さ2.766m³43.80
最小回転半径4.6m61.63
馬力単価13941円60.02
ユーティリティ部門の得点414.59

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した EP91型スターレット リミックス[1.4L-NA FF/3AT] の総合得点は 798.17 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したEP91型スターレット リミックス(FF/3AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全ての5人乗SUV」、「1500ccの5人乗SUV」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

スターレット リミックスの歴代モデル

5代目 NP90型 スターレット
NP90 スターレットは1996/01に登場した5代目モデル。参考車両の「Reflet」は全長3760mm、全幅1625mm、全高1400mmの車体に、55PS/9.1kgmを発生する1N型1453ccエンジンを搭載した5人乗りハッチバック。

4代目 EP82型 スターレット GT
EP82 スターレット GTは1989/12に登場した4代目モデル。参考車両の「GT」は全長3805mm、全幅1620mm、全高1380mmの車体に、135PS/16.0kgmを発生する4E型1331ccエンジンを搭載した5人乗りハッチバック。