XKU280K クイックデリバリー200の性能と維持費 FR/5MT 555万円

このページでは、トヨタ自動車の3ドア・2人乗りキャブバン、3代目のBJG-XKU280K型クイックデリバリー200 QD200 BaseGrade【2008/09モデル・136PS/36.0kgm・FR/MT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

XKU280K クイックデリバリー200
販売期間:1999/05 - 2011/07

画像はトヨタ自動車より引用
http://toyota.jp/
投稿日:2023/11/07

ボディサイズが全長5140mm×全幅1785mm×全高2650mm、排気量は4009ccであることから、排気量でざっくりと分ける乗用車的な分類をすると4.1リットルクラスに属しています。

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、後輪のみを駆動する、フロントエンジン・リヤドライブ方式(後輪駆動・FR・RWDとも)を採用しています。前輪は操舵、後輪は駆動と役割分担が異なることから優れたハンドリングを得られるとされ、運転の質を求める人々から絶大なる支持を集めます。高級車の代名詞的な駆動方式です。

貨物車の区分としては、乗車定員が2名、最大積載量が1950kg、車両総重量が4800kg、エンジンの排気量が4009ccであることから、1ナンバーの普通貨物車(普通・大型トラック)に分類され、自動車税は2トン以下のクラス、重量税は車両総重量5トン以下のクラスに該当します。

クイックデリバリー200 貨物車としての性能

さて、貨物車(商用車とも)には貨物車の流儀というものがありまして、「荷物が主、人は従」という絶対的な主従関係が存在しています。もしこの関係が崩れると途端に「乗用車」という道楽品、贅沢品として扱われ、行く先には重い重い税負担が待ち構えます。

貨物室の寸法
荷室長2800mm
荷室幅1640mm
荷室高1800mm
荷室容積8265.6L
荷室床面地上高770mm
最大積載量1950kg
荷室が広い貨物車ランキング

貨物車には乗用車で言うところの「室内長・室内幅・室内高」の代わりに「荷室長・荷室幅・荷室高」というものがあり、室内長幅高が乗客のスペースを示すのに対し、荷室長幅高は荷物を載せられるスペースを示しています。

表中の荷室容積8265.6Lとは、荷室長2800mm×荷室幅1640mm×荷室高1800mmの数値を掛けたもので、荷室床面地上高770mmは読んで字のごとく地面から荷物を載せる床面までの高さを示したものです。

最大積載量1950kgもまた同様で、「クイックデリバリー200には1950kgを超える荷物を載せてはいけません!」と定めてあるものです。これは「車両総重量」と密接に関係しており、この重量を基準に重量税が確定します。乗用車の重量税は乗員数や荷物を考慮しない「車両重量」で決まりますが、貨物車は「車両総重量」で決まる点が異なります。


XKU280K型 クイックデリバリー200 [4009cc/136PS FR/5MT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

3代目クイックデリバリー200の類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2000/01
BU280K型
[QD200 A仕様]
3.7L-NA・FR/5MT・325.1万円
101PS・25.0kgm・-
101PS
25.0kgm
-
クイックデリバリー200の旧型モデル
2代目 LH82K型クイックデリバリー100
LH82K型クイックデリバリー100は1985/12に登場した2代目モデル。参考車両の「QD100 A仕様」は全長4475mm、全幅1690mm、全高2525mmの車体に、91PS/19.5kgmを発生する5L型2985ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー トヨタ自動車
車名&
グレード
クイックデリバリー200
QD200 BaseGrade
その他 -
お値段 5546100円
車両型式 BJG-XKU280K
駆動方式
変速機
FR・後輪駆動(RWD,2WD)
5速MT・5速マニュアル車
ドア/定員 3ドア/2名乗車
車体寸法 長5140×幅1785×高2650mm
軸距&
輪距
2525mm
前1405mm/後1255mm
最小半径 4.7m
最低高 120mm
タイヤ 前輪:195/75R15
後輪:185/65R15
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ドラム
車両重量 2740kg
エンジン諸元
原動機型式 N04C-TN
気筒配列 直列4気筒
排気量4009cc
圧縮比18.0
吸気方式 ターボ
最高出力 136PS[100kW]/3000rpm
最大トルク 36.0kgm[353Nm]/1600rpm
使用燃料 軽油(ディーゼル燃料)
10・15燃費 10.6km/L(24.9mpg)
100km燃費 9.4L/100km
N04C-TN型エンジンの諸元と性能まとめ
直列4気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に4個配置する方式。小排気量から2.5Lあたりまでをカバー。
直列4気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税(12600円)、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税(31500円/年)と自賠責保険料(16900円/年)、年間1万km走行した際に掛かる燃料代月額8000円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、2008/09モデルのクイックデリバリー200を16年落ちの中古で152.6万円にて購入し、頭金なしで3年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    クイックデリバリー200の2008/09モデルの場合、2024年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の25%である138.6525万円に諸経費として13.9万円を足した152.6万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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2008年式を16年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 2トン以下 11年経過で増税 12600円
自動車重量税(1年分) 5トン以下 13年-17年経過で増税 31500円
自賠責保険料(1年分) 普通貨物車 16900円
燃料代(年間1万km) 10000km÷9.0km/L×155円/L 172220円
オイル交換(5000km毎) 1回8500円×2回 17000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本10000円×4本÷5年 8000円
任意保険料(月額8000円) 月額8000円×12ヶ月 96000円
ローン完済後の年間維持費 354220円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額42370円×12ヶ月 508440円
ローン返済中の年間維持費 862660円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 51400円
名目 金額
自動車税(1年分) 12600円
自動車重量税(1年分) 31500円
自賠責保険料(1年分) 16900円
燃料代(年間1万km) 172220円
オイル交換(5000km毎) 17000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 8000円
任意保険料(月額8000円) 96000円
ローン完済後の年間維持費 354220円
名目 金額
車のローン額(1年分) 508440円
ローン返済中の年間維持費 862660円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
51400円
  • 初度登録から13年以上経過車の場合、自動車税の区分は「1トン超2トン以下の11年経過で増税」で税額は12600円、重量税の区分は「車両総重量5トン以下の13年-17年経過で増税」で税額は34200円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに8500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本10000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額8000円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増→15%増)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 車検時には上記の目安金額51400円の他に法定12ヶ月点検に関連する費用が必要です。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。

お財布に厚みが増した勢いで少し色気を出して愛車にステータス性を求めるなら、月換算29600円くらいの出費は覚悟しましょう。なあに大丈夫、愛車のためです。

口癖のように「もうちょっと維持費が安ければねえ…?」なんて呟くその姿は自慢げなようであり、しかし哀愁を帯びているようでもあり、傍からすれば対応に困ります。より維持費の安い新車を買うほどではない…ないが…考えずにもいられない、そんなクラスです。全体から見るとこの辺りから面白味のある車が増えてきます。

クイックデリバリー200を維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟%年収月給手取り
10%460万円39万円30万円
15%310万円26万円20万円
20%230万円20万円16万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は460万円(総支給額39万円/月、手取り30万円/月)、ここから月額維持費3.0万円を支払うと残りは27.0万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は310万円(総支給額26万円/月、手取り20万円/月)、3.0万円を支払うと残りは17.0万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が230万円(総支給額20万円/月、手取り16万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。3.0万円を引くと残りは13.0万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代18万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

クイックデリバリー200の維持費は高い?安い?

「クイックデリバリー200の年間維持費は354220円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「4500ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてクイックデリバリー200の維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いクイックデリバリー200348670円-5550円
クイックデリバリー200の維持費354220円
7シリーズ433500円+79280円
M8 グランクーペ437500円+83280円
セルシオ483200円+128980円
基準4500ccクラス平均526100円+171880円
XJ562100円+207880円
S6 セダン596900円+242680円
レンジローバー ヴォーグ610700円+256480円
高いサファリ672900円+318680円

クイックデリバリー200の年間維持費を、4500ccクラスで最も維持費が安いクイックデリバリー200と比較して5550円高く、最も高いサファリと比較して318680円安く、4500ccクラスの平均維持費との比較では171880円安くなっています。

最低額のクイックデリバリー200と最高額のサファリは極端な例としても、4500ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、クイックデリバリー200の維持費は ものすごく安い! と言えそうです。

年間維持費が安い 4500ccクラスの車 ランキング

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、軽油(ディーゼル燃料)1リットルあたり155円を基準として、-50円となる105円から、+50円となる205円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費9.0km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
105円/L
116680円
[-55540円]
-25円
130円/L
144460円
[-27760円]
-10円
145円/L
161130円
[-11090円]
155円/L172220円
[0円]
+10円
165円/L
183350円
[+11130円]
+25円
180円/L
200020円
[+27800円]
+50円
205円/L
227800円
[+55580円]

燃費9.0km/LのXKU280K型 クイックデリバリー200で10000km走行するのに必要な燃料は1111.2L、1リットルあたり155円としたときの燃料代は172220円になります。

参考までに、クイックデリバリー200の燃料タンクは75リットルですので、1111.2Lの給油回数は15回、1回あたりの燃料代は約11490円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては11130円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると27800円、50円も違ってくると55580円にもなります。

これをXKU280K型 クイックデリバリー200の年間維持費に当てはめてみますと、軽油(ディーゼル燃料)1リットルあたり155円の場合を354220円としたとき、105円/Lに値下がりすれば298680円(84.3%)に、205円/Lに値上がりすれば409800円(115.7%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(12600円)なり重量税(31500円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

税金の安さは折り紙付き!
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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなれば燃料代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 12600円 6%
自動車重量税 1年分 31500円 15%
自賠責保険料 1年分 16900円 8%
燃料代 3000km分 51670円 25%
オイル交換 年1回 8500円 4%
タイヤ交換 6年毎 5330円 3%
任意保険料 80% 76800円 39%
合計
[1万kmとの差額]
203300円
-150920円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 12600円 5%
自動車重量税 1年分 31500円 13%
自賠責保険料 1年分 16900円 7%
燃料代 5000km分 86110円 36%
オイル交換 年1回 8500円 4%
タイヤ交換 6年毎 5330円 2%
任意保険料 85% 81600円 33%
合計
[1万kmとの差額]
242540円
-111680円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 12600円 4%
自動車重量税 1年分 31500円 11%
自賠責保険料 1年分 16900円 6%
燃料代 7000km分 120550円 42%
オイル交換 年1回 11900円 4%
タイヤ交換 6年毎 5330円 2%
任意保険料 90% 86400円 31%
合計
[1万kmとの差額]
285180円
-69040円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、燃料代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料96000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて150920円安い203300円に、5000km走行では111680円安い242540円に、7000km走行では69040円安い285180円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。燃料代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 12600円 3%
自動車重量税 1年分 31500円 7%
自賠責保険料 1年分 16900円 4%
燃料代 15000km分 258330円 54%
オイル交換 年3回 51000円 11%
タイヤ交換 2.7年毎 12000円 3%
任意保険料 100% 96000円 18%
合計
[1万kmとの差額]
478330円
+124110円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 12600円 2%
自動車重量税 1年分 31500円 5%
自賠責保険料 1年分 16900円 3%
燃料代 20000km分 344440円 59%
オイル交換 年4回 68000円 12%
タイヤ交換 2年毎 16000円 3%
任意保険料 100% 96000円 16%
合計
[1万kmとの差額]
585440円
+231220円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
トヨタの小型車&普通車編
4500cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
-

クイックデリバリー200の燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
10・15モード燃費 10.6km/L
燃料タンク容量 75L
航続距離(カタログ燃費) 795.0km
航続距離(80%燃費) 637.5km
満タンプライス 11625円
1km走行コスト 14.62円
1万円でどこまで行ける? 683.9km
車両価格/航続距離 6976円/km

10・15モード燃費が10.6km/L、燃料タンク容量75リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は795.0kmになります。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(9.5km/L)とすると712.5km、80%(8.5km/L)だと637.5km、70%(7.4km/L)では555.0kmという航続距離になります。

燃料タンクに1滴の燃料もないスッカラカンの状態から満タンにしたときの金額を計算してみますと、軽油(ディーゼル燃料)を1リットルあたり155円で75リットルの給油をすると11625円、上で計算した航続距離を踏まえると795.0km(80%燃費時637.5km)を走行するのに11625円かかる計算です。

燃費を9.0km/Lとしたときの1km走行コストは14.62円、10万km走行したときの燃料代は146.2万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら14.6万円/年、7年10万kmなら20.9万円/年、5年10万kmなら29.2万円/年、3年10万kmなら48.7万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば683.9km(往復なら片道341.9km)、カタログ値の80%なら547.1km(片道273.5km)離れたところまで行くことができます。

ちなみに、1回の給油で795.0kmの距離を移動できるXKU280K型 クイックデリバリー200 [QD200 BaseGrade]という乗り物を、554.6万円で手に入れたと考えたとき、この車が1km走行するにあたっては「6976円の値打ちがある!」と言える、かもしれません。

カタログデータから見えてくる要素

N04C-TN型エンジン簡易性能曲線図
各回転域での馬力
1600回転時の馬力 80PS
3000回転時の馬力 136PS
各回転域でのトルク
1600回転時のトルク 36.0kgm
3000回転時のトルク 32.5kgm
N04C-TN型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載しているN04C型4009cc、直列4気筒のターボエンジンは3000回転時に最高出力136馬力を、1600回転時に最大トルク36.0kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、低めの回転数から中間域にトルクのピークがあるこのエンジンは、街中での普段使いに心地よく、高回転もそれなりでバランスの取れたタイプです。多くの乗用車がこの特性に当て嵌まるのではないかと思います。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する1600rpmから最高出力が発生する3000rpmまで」の1400rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は46.7%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
4500cc以下クラス編
トヨタの小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
4500cc以下クラス編
トヨタの小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ20.147kg/PS(2740kg/136PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ20.147kg/PS
車体+1人20.551kg/PS
車体+2人20.956kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg20.588kg/PS
車体+70kg20.662kg/PS
車体+80kg20.735kg/PS
車体+90kg20.809kg/PS
車体+100kg20.882kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは20.551kg/PS(2795kg/136PS)となり、数値としては0.404kg、比率にすると2.0%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの2人が搭乗した場合、車両重量に110kgがプラスされてパワーウェイトレシオは20.956kg/PS(2850kg/136PS)となり、数値としては0.809kg、比率にすると4.0%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

XKU280K クイックデリバリー200のライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2008/09

-
クイックデリバリー200
20.551kg/PS
2795kg/136PS|4.1L-TB
[車体のみPWR:20.147]
2004/04

車種詳細
アトレーワゴン
20.500kg/PS
1025kg/50PS|0.7L-NA
車体のみPWR:19.400
2001/08

車種詳細
ディアス クラシック
20.521kg/PS
985kg/48PS|0.7L-NA
車体のみPWR:19.375
2008/07

車種詳細
ディアス ワゴン
20.729kg/PS
995kg/48PS|0.7L-NA
車体のみPWR:19.583
2004/04

車種詳細
エブリイ ワゴン
20.510kg/PS
1005kg/49PS|0.7L-NA
車体のみPWR:19.388
2002/10

車種詳細
プレオ ネスタ
20.543kg/PS
945kg/46PS|0.7L-NA
車体のみPWR:19.348

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ20.551kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

20.345kg/PSから20.757kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、ダイハツの4人乗り軽1BOX「S230G型 アトレーワゴン」、スバルの4人乗り軽1BOX「TW1型 ディアス クラシック」、スバルの4人乗り軽1BOX「TW1型 ディアス ワゴン」、スズキの4人乗り軽1BOX「DA62W型 エブリイ ワゴン」、スバルの4人乗り軽ミニバン「RA2型 プレオ ネスタ」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

XKU280K型 クイックデリバリー200 [QD200 BaseGrade]のライバル車種|20.551kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は49.6PS/tとなっています。


クイックデリバリー200がバイクと競争するなら…?


車種詳細
スーパーカブ110|109cc
20.500kg/PS
164kg/8.0PS/0.87kgm
[車体のみPWR:13.625]
1速ギヤ速度:32.1km/h
最小TWR:1.423
2008/09

-
クイックデリバリー200|4009cc
20.551kg/PS
2795kg/136PS/36.0kgm
[車体のみPWR:20.147]
1速ギヤ速度:17.2km/h
最小TWR:1.159

車種詳細
エイプ100|99cc
20.580kg/PS
142kg/6.9PS/0.71kgm
[車体のみPWR:12.609]
1速ギヤ速度:24.9km/h
最小TWR:1.012

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではクイックデリバリー200とパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

JA42 スーパーカブ110と競争してみる

まずクイックデリバリー200より少しPWRが低いバイクとして、ホンダのスーパーカブ110が挙げられます。PWRの20.500kg/PSは車両重量109kgにライダーの体重55kgを加えた164kgを、最高出力8.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はスーパーカブ110に14.9km/h劣り、1速TWRは0.264kg勝る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

HC07 エイプ100と競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、ホンダのエイプ100が挙げられます。PWRの20.580kg/PSは車両重量87kg+55kgの142kgを、最高出力6.9PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は7.7km/h劣り、1速TWRは0.147kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.898
平均ピストンスピード 11.80m/s
トルクウェイトレシオ 76.11kg/kgm
1馬力あたりのお値段 40780円
排気量1Lあたり馬力 33.92PS/L
排気量1Lあたりトルク 8.98kgm/L
1気筒あたりの馬力 34.0PS
1気筒あたりのトルク 9.0kgm
パワーバンド比率 46.7%
燃費×馬力 1225.4pt
各種ランキング
ミニバン・1BOXのPWR
4.0~4.5L以下のPWR

トルクウェイトレシオは76.11kg/kgm(2740kg/36.0kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が5546100円、最高出力が136馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は40780円、逆に1万円あたりでは0.25馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は154058円、1万円あたりでは0.06kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
トヨタ編
4500cc以下の車編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は33.92PS/L、トルクは8.98kgm/L、1気筒あたりの馬力は34.0馬力、トルクは9.0kgmとなり、このエンジンが136馬力を3000回転で発生させているときの平均ピストンスピードは11.80m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.898になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと真っ直ぐ進むことを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が9.01km/L、最高出力が136PSであるこの車の獲得ポイントは1225.4ptになります。
戯れに車両重量2740kgを100kg単位にした27.4で割ってみたところ、その数値は44.72ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)



クイックデリバリー200での車中泊

荷室寸法
荷室長 2.800m
荷室幅 1.640m
荷室高 1.800m
対角線の長さ 3.245m
荷室の床面積 4.592m²
荷室の容積 8.266m³

商用車(貨物車・バン)は乗用車とは違ってカタログに荷室寸法が明記されておりますので、ここではその寸法を使って車中泊の可能性を探ってみます。

貨物車は荷物がたくさん積めてこそ、フルフラットな荷室があってこそという性質を持った車ですから、車中泊の適性は非常に高いものと思われます。

縦方向の長さが2.800m(対角線では3.245m)などという破格のクラスになると、これはもう四の五の言わず車に住むべきです。

コンパネを1枚そのままポンと置ける長さと幅を持ち得るならば、ベッドを作り、棚を置き、ポータブルな電源を用意すれば立派な移動式住居の完成です。さあ新天地へと旅立ちましょう。
車中泊にあると嬉しいアイテム

クイックデリバリー200のスペース効率

車体の大きさと荷室の広さの比率
全長に対する荷室長の比率
2.800m÷5.140m
54.5%
全幅に対する荷室幅の比率
1.640m÷1.785m
91.9%
全高に対する荷室高の比率
1.800m÷2.650m
67.9%
車体に対する荷室の比率
8.266m³÷24.313m³
34.0%

貨物車は貨物車であるがゆえに、いかに効率よく大量に荷物を載せ、運搬できるかが重視されます。これはかつて、ある自動車メーカーが標榜したMM思想、いわゆる「マン・マキシマム&メカ・ミニマム」の精神を感じさせ、言うなれば「荷室を最大限に、人と機械は最小限に」ってなものです。

というわけで、荷室の各寸法と車体の各寸法の比率がどの程度であるかを見てみます。己の全てを荷室に捧げるバンは快適性に媚を売るそこらの軟弱乗用車とは違い、ペラペラ内装と紙装甲こそがアイデンティティであり、ドアを閉めればバァン!と轟音を響かせて(バンだけに)アピールしてくるほどですから、かなりの数値が期待ができます。

荷室長の比率は荷室長2.800m÷全長5.140mで54.5%、荷室幅の比率は荷室幅1.640m÷全幅1.785mで91.9%、荷室高の比率は荷室高1.800m÷全高2.650mで67.9%、荷室の比率は荷室容積8.266m³÷車体体積24.313m³で34.0%となりました。

荷室幅と荷室高の比率が50%を超えるのは珍しい話ではありませんが、荷室長の54.5%は立派なものです。これぞバン、まさにバン、THE KING OF VANと言えましょう。

ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合3000rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした3500回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 3500rpm|タイヤサイズ 185/65R15|タイヤ直径 62.2cm|円周長 195.4cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
3500rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 4.981 20.42 -
-
20km/h 17420rpm 2364.0kgm
2速 2.911 11.94 0.584 1-2/
2040rpm
34km/h 10180rpm 1381.6kgm
3速 1.556 6.38 0.535 2-3/
1870rpm
64km/h 5440rpm 738.5kgm
4速 1.000 4.10 0.643 3-4/
2250rpm
100km/h 3500rpm 474.6kgm
5速 0.738 3.03 0.738 4-5/
2580rpm
136km/h 2580rpm 350.3kgm
Final 4.100 レシオカバレッジ(変速比幅)6.749

  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数1600rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.100)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(36.0kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.100)÷タイヤの有効半径(0.311m)で算出。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は5速ギヤの136km(3000rpmでは116.2km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが1600回転で最大トルク36.0kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば76.11kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(20.147kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと2364.0kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(2740kg)を1速ギヤの最大駆動力(2364.0kgm)で割ってみると1.159kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する3000回転でのトルク(32.5kgm)からTWRを算出すると1.284kg/kgmとなり、1600-3000回転の回転域では1.159-1.284kg/kgmの間で推移することがわかります。


おまけ:3000rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

XKU280K型クイックデリバリー200に搭載されたN04C型4009ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する3000rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

3000rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ17km/h-
2速ギヤ29km/h1750rpm
3速ギヤ55km/h1610rpm
4速ギヤ86km/h1930rpm
5速ギヤ116km/h2210rpm

まず1速ギヤで3000rpmまで引っ張ると17km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は3000rpmから1750rpmまで落ち、そこから3000rpmまで加速を続けると速度は29km/h(+12km/h)になります。

3速ギヤでは1610rpmまで落ちて3000rpmで55km/h(+26km/h)に、4速ギヤでは1930rpmまで落ちて3000rpmで86km/h(+31km/h)に、5速ギヤでは2210rpmまで落ちて3000rpmで116km/h(+30km/h)という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 6970 10450 13940 17420 20900 24390 31350
2速 4070 6110 8140 10180 12220 14250 18320
3速 2180 3260 4350 5440 6530 7620 9790
4速 1400 2100 2800 3500 4200 4900 6290
5速 1030 1550 2060 2580 3100 3610 4650
※赤い数字は暫定レブリミット(3500rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.738)を選択して時速100kmにて走行すると2580回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1550回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1810回転、一般的な高速道路の80km/hでは2060回転、100km/hでは2580回転、制限速度が120km/hになると3100回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは4650回転まで回ります。

一般的な自動車であれば時速100kmでの巡航回転数は2500回転付近に落ち着くようですが、その中でも若干高めの回転数となっています。標準的なギヤ比の範囲内ながらも静粛性や燃費よりも加速に重きを置いた設定なので、高速道路やバイパスを走行するとき、ふと「もう1段上のギヤがあったらなあ‥」と呟くことがあるかもしれません。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 6 11 17 23 29 34 40 46
2速 10 20 29 39 49 59 69 79
3速 18 37 55 74 92 110 129 147
4速 29 57 86 114 143 172 200 229
5速 39 77 116 155 194 232 271 310

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(3500回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの185/65R15と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 185/65R15 | 直径 622mm

-20mm
幅165mm
-10mm
幅175mm
変更なし
幅185mm
+10mm
幅195mm
+20mm
幅205mm
-5%
60
扁平
165/60R15
37.2km/h
直径579mm
径差-43mm
175/60R15
38.0km/h
直径591mm
径差-31mm
185/60R15
38.8km/h
直径603mm
径差-19mm
195/60R15
39.5km/h
直径615mm
径差-7mm
205/60R15
40.3km/h
直径627mm
径差+5mm
0%
65
扁平
165/65R15
38.3km/h
直径596mm
径差-26mm
175/65R15
39.2km/h
直径609mm
径差-13mm
185/65R15
40.0km/h
622mm
0mm
195/65R15
40.8km/h
直径635mm
径差+13mm
205/65R15
41.7km/h
直径648mm
径差+26mm
+5%
70
扁平
165/70R15
39.4km/h
直径612mm
径差-10mm
175/70R15
40.3km/h
直径626mm
径差+4mm
185/70R15
41.2km/h
直径640mm
径差+18mm
195/70R15
42.1km/h
直径654mm
径差+32mm
205/70R15
43.0km/h
直径668mm
径差+46mm
+10%
75
扁平
165/75R15
40.5km/h
直径629mm
径差+7mm
175/75R15
41.4km/h
直径644mm
径差+22mm
185/75R15
42.4km/h
直径659mm
径差+37mm
195/75R15
43.3km/h
直径674mm
径差+52mm
205/75R15
44.3km/h
直径689mm
径差+67mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、165/65R15、165/70R15 、175/60R15、175/65R15 、185/60R15 、195/60R15 あたりのタイヤがおすすめです。

185/65R15のタイヤ幅を165mmから215mmまで、扁平率を50%から80%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、185/65R15の適応サイズと性能の変化 [XKU280K型クイックデリバリー200編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】185/65R15のタイヤ銘柄と通販価格

XKU280K型クイックデリバリー200[4.1Lターボ FR/5MT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト20.147kg/ps21.60
1速ギヤ加速性能1.159kg/kgm58.91
1L換算馬力33.92ps/L24.88
1L換算トルク8.98kgm/L28.39
WB/TR比1.89837.11
ワイド&ロー指数1.4857.05
前面の面積4.730m²0.01
最低地上高120mm64.02
スポーツ性能部門の得点241.97

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
10-15燃費10.6km/L44.68
年間維持費354220円47.47
100kmh回転数2580rpm48.87
航続距離795.0km54.72
車の大きさ24.313m³100.94
室内の広さ8.266m³96.13
最小回転半径4.7m59.59
馬力単価40780円24.73
ユーティリティ部門の得点477.13

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した XKU280K型クイックデリバリー200[4.1Lターボ FR/5MT] の総合得点は 719.10 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したXKU280K型クイックデリバリー200(FR/5MT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全ての貨物車」、「4500ccの貨物車」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

クイックデリバリー200の歴代モデル

3代目 BU280K型 クイックデリバリー200
BU280K クイックデリバリー200は1999/05に登場した3代目モデル。参考車両の「QD200 A仕様」は全長5140mm、全幅1785mm、全高2620mmの車体に、101PS/25.0kgmを発生する4B型3660ccエンジンを搭載した2人乗りキャブバン。

2代目 LH82K型 クイックデリバリー100
LH82K クイックデリバリー100は1985/12に登場した2代目モデル。参考車両の「QD100 A仕様」は全長4475mm、全幅1690mm、全高2525mmの車体に、91PS/19.5kgmを発生する5L型2985ccエンジンを搭載した2人乗りキャブバン。