AA44S カルタス 性能と維持費 FF/5MT 5人 70万円 1996年式

このページでは、スズキ株式会社の3ドア・5人乗りハッチバック、2代目のE-AA44S型カルタス 1000F【1996/02モデル・58PS/8.0kgm・FF/MT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

AA44S カルタス
販売期間:1988/09 - 1999/08

画像はスズキ株式会社より引用
http://www.suzuki.co.jp/
投稿:|更新:

ボディサイズが全長3745mm×全幅1575mm×全高1350mm、排気量は993ccであることから、大雑把に分類すると1.0リットルクラス(1000cc、自動車税は1.0L以下を適用)に属した、いわゆる5ナンバークラスの車です。とにかく排気量を増やして、とにかくボディを大きく、特に全幅を広げれば良いんだという風潮が蔓延る現代においては大変貴重な車となっています。

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、前輪のみを駆動する、フロントエンジン・フロントドライブ方式(FF・FWD・前輪駆動とも)を採用しています。この方式はエンジンと駆動系(ミッション、デフ等)の収納がエンジンルーム内で完結するので、軽量コンパクトかつ低コスト化が実現でき、室内を広く作りやすい(エンジンが横置きの場合)ほか、後輪駆動車に比べて直進安定性に優れることが主な特長です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が3745mmであるこの車の場合は「スモール」(Small:3500mm超-3850mm以下・Bセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。

AA44S型 カルタス [993cc/58PS FF/5MT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

2代目カルタスの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
1996/02
AA44S型
[1000F]
1.0L-NA・FF/3AT・76.3万円
58PS・8.0kgm・15.2km/L
58PS
8.0kgm
15.2km/L
1996/02
AB34S型
[1300G]
1.3L-NA・FF/5MT・105.0万円
82PS・10.6kgm・17.0km/L
82PS
10.6kgm
17.0km/L
1996/02
AB34S型
[1300G]
1.3L-NA・FF/3AT・109.9万円
82PS・10.6kgm・14.0km/L
82PS
10.6kgm
14.0km/L
2代目 カルタス 型式一覧 A#14S/A#34S/AA44S/A#64S系まとめ【全16車種】
カルタスの新型モデル
3代目 GB31S型カルタス クレセント
GB31S型カルタス クレセントは1995/01に登場した3代目モデル。参考車両の「CS-4」は全長3870mm、全幅1690mm、全高1395mmの車体に、115PS/14.9kgmを発生するG16A型1590ccエンジンを搭載。

カルタスの旧型モデル
初代 AA33S型カルタス GT-i
AA33S型カルタス GT-iは1983/10に登場した初代モデル。参考車両の「GT-i」は全長3670mm、全幅1545mm、全高1350mmの車体に、97PS/11.2kgmを発生するG13B型1298ccエンジンを搭載。


AA44S カルタスの主要諸元と大きさ比較

主要諸元
メーカー スズキ株式会社
車名&
グレード
カルタス
1000F
その他 1000G, 1000-Ellesse, U, Eleny S, Eleny Limited-Version, AB44S
お値段 698000円
車両型式 E-AA44S
駆動方式
変速機
FF・前輪駆動(FWD,2WD)
5速MT・5速マニュアル車
ドア/定員 3ドア・5名乗車
ホイールベース 2265mm
トレッド 1365mm/1340mm
WB/TR比 1.674
最小半径 4.6m
最低高 160mm
タイヤ 前輪:155/70R13
後輪:155/70R13
ブレーキ 前:ディスク
後:ドラム
車両重量 760kg

※WB/TR比はホイールベーストレッド比の略。値が大きいほど直進安定性に優れ、小さいほど旋回性能が高くなりやすい。全ての車種の平均値は1.773。

カルタスと各規格の大きさ比較
規格名 規格寸法 増減
カルタス
車体寸法
全長 3745mm -
全幅 1575mm -
全高 1350mm -
大きさ 7.96m3 -
軽自動車
新規格
全長 3400mm以下 +345mm
全幅 1480mm以下 +95mm
全高平均 1640mm -290mm
大きさ平均 8.13m3 -0.17m3
小型車規格
5ナンバー車
全長 4700mm以下 -955mm
全幅 1700mm以下 -125mm
全高平均 1496mm -146mm
大きさ平均 10.48m3 -2.52m3
普通車平均
3ナンバー車
全長平均 4643mm -898mm
全幅平均 1815mm -240mm
全高平均 1518mm -168mm
大きさ平均 12.84m3 -4.88m3

※上記グラフは100のラインを上回れば平均値以上、下回れば平均値以下を表す。グラフの伸びが大きいほど各規格の車両に対して相対的に車体が長い・広い・高い。※普通乗用車(3ナンバー車)の条件は全長4700mm超または全幅1700mm超または全高2000mm超と上限値が曖昧なため、ここでは普通乗用車に属する全ての車種の平均値との比較。※軽自動車・小型乗用車の全高はいずれも2000mm以下。ただし、ここでは各規格に属する車種の全高の平均値との比較。


AA44S カルタスの室内広さを各規格の車両と比較

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

カルタスの室内広さを各規格の車両と比較
規格名 規格寸法 増減
カルタス
室内広さ
室内長 1645mm -
室内幅 1300mm -
室内高 1110mm -
車内広さ 2374L -
軽自動車
新規格
室内長平均 1908mm -263mm
室内幅平均 1280mm +20mm
室内高平均 1283mm -173mm
車内広さ平均 3171L -797L
小型車規格
5ナンバー車
室内長平均 1913mm -268mm
室内幅平均 1404mm -104mm
室内高平均 1196mm -86mm
車内広さ平均 3253L -879L
普通車平均
3ナンバー車
室内長平均 2050mm -405mm
室内幅平均 1483mm -183mm
室内高平均 1195mm -85mm
車内広さ平均 3698L -1324L

※上記グラフは100のラインを上回れば平均値以上、下回れば平均値以下を表す。グラフの伸びが大きいほど各規格の車両に対して相対的に室内が長い・広い・高い。

人間様の占有スペースと容積効率
室内長×室内幅×室内高 2.374m³
1人あたりのスペース 0.475m³
室内長/全長 43.9%
室内幅/全幅 82.5%
室内高/全高 82.2%
室内容積/車両体積 29.8%

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は2.374m³です。この車の乗車定員は5人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.475m³のスペースに閉じ込められることになります。大柄な体格だとさすがに狭苦しく感じるかもしれません。

続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は43.9%、同じく室内幅と全幅の比率は82.5%、同じく室内高と全高の比率は82.2%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は29.8%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車 室内幅が広い車 室内高が高い車 車内の空間が広い車
室内長が長い車
室内幅が広い車
室内高が高い車
車内の空間が広い車


カルタスでの車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.311m
期待される荷室の幅 1.200m
対角線の長さ 1.777m
期待される荷室の面積 1.573m²

縦方向の長さが1.311m(対角線では1.777m)しかないとなると、これはもう常識的に考えてかなり厳しい車中泊を強いられます。運転席あるいは助手席を後ろに倒して寝たほうがまだマシかもしれません。

俗に言う体育座りの体勢で横になれば寝られないこともないでしょうが、寝れども寝れども疲れは取れない上に猛烈な腰痛で目を覚ましかねず、実に爽やかな笑顔で「もう二度と車中泊なんてしないよ!」と後日談を語ることになりかねません。

一見すると車中泊が可能そうに見えるハッチバックやワゴン、SUVであってもリアシートが前に倒れなかったり、倒れても中途半端であったり、凝った足回りのせいで室内に巨大な出っ張りがあったりで、なかなか思うようにはいきませんが、大抵のケースでは知恵と工夫で何とかなるはずです。

車中泊にあると嬉しいアイテム


AA44S カルタスの税金・年間維持費シミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税33900円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税12600円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額4500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、1996/02モデルのカルタスを29年落ちの中古で15.4万円にて購入し、頭金なしで1年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    カルタスの1996/02モデルの場合、2025年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の20%である13.96万円に諸経費として1.4万円を足した15.4万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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1996年式を29年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税 1000cc以下 13年経過 33900円
自動車重量税
1年分
1.0トン以下 18年経過 12600円
自賠責保険料
(1年換算)
自家用乗用車 8825円
燃料代
年間1万㎞
1万㎞÷15.5㎞/L×185円/L 119350円
オイル交換
5000km毎
1回3500円×2回 7000円
タイヤ交換
5年5万km毎
1本6000円×4本÷5年 4800円
任意保険料
月額4500円
月額4500円×12ヶ月 54000円
ローン完済後の年間維持費 240500円
名目 区分 金額
車のローン額
1年分
月額12800円×12ヶ月 153600円
ローン返済中の年間維持費 394100円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 45900円
  • 初度登録から13年以上経過車の場合、「1000cc以下で13年経過」クラスの自動車税は33900円、「1.0トン以下で18年経過」クラスの自動車重量税は12600円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに3500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本6000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額4500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした45900円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

カルタス【1000F】の場合、維持費の月額は20100円です。これは今にも壊れそうな格安車、あるいは維持費の安さに全てを懸けたコスパ重視のスペシャルマシンから少しステップアップしたクラスになります。

「廉価車にしか乗れなかった自分が、ついにこれだけの維持費が掛かる車を所有できるようになったのだ、新しい自分になれたのだ。あの頃のアタシ、サヨナラ…」とかいう謎のカタルシスに浸りつつ、はるか高みで微笑む理想の自分に近付けるよう自分磨きに邁進しましょう。車としての維持費は安いほうで使い勝手も申し分のない、バランスの取れたクラスです。

カルタスの維持費は高い?安い?

「カルタスの年間維持費は240500円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「1000ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてカルタスの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いインサイト183200円-57300円
500S199600円-40900円
クロスビー214500円-26000円
バレーノ223000円-17500円
基準1000ccクラス平均230900円-9600円
フィエスタ240500円0円
カルタスの維持費240500円
ストーリア X4259200円+18700円
ブーン X4281000円+40500円
高いミニ316500円+76000円

カルタスの年間維持費を、1000ccクラスで最も維持費が安いインサイトと比較して57300円高く、最も高いミニと比較して76000円安く、1000ccクラスの平均維持費との比較では9600円高くなっています。

最低額のインサイトと最高額のミニは極端な例としても、1000ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、カルタスの維持費は ちょっと高い! と言えそうです。

年間維持費が安い 1000ccクラスの車 ランキング

カルタスを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟の%年収月給手取り
10%310万円26万円20万円
15%210万円18万円14万円
20%160万円14万円11万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は310万円(総支給額26万円/月、手取り20万円/月)、ここから月額維持費2.0万円を支払うと残りは18.0万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は210万円(総支給額18万円/月、手取り14万円/月)、2.0万円を支払うと残りは12.0万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が160万円(総支給額14万円/月、手取り11万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。2.0万円を引くと残りは9.0万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代12万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、レギュラーガソリン1リットルあたり185円を基準として、-50円となる135円から、+50円となる235円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費15.5km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代差額
135円/L 87110円 -32240円
160円/L 103240円 -16110円
175円/L 112920円 -6430円
185円/L 119350円 -
195円/L 125820円 +6470円
210円/L 135500円 +16150円
235円/L 151630円 +32280円

燃費15.5km/LのAA44S型 カルタスで10000km走行するのに必要な燃料は645.2L、1リットルあたり185円としたときの燃料代は119350円になります。

参考までに、カルタスの燃料タンクは40リットルですので、645.2Lの給油回数は17回、1回あたりの燃料代は約7030円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては6470円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると16150円、50円も違ってくると32280円にもなります。

これをAA44S型 カルタスの年間維持費に当てはめてみますと、レギュラーガソリン1リットルあたり185円の場合を240500円としたとき、135円/Lに値下がりすれば208260円(86.6%)に、235円/Lに値上がりすれば272780円(113.4%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(33900円)なり重量税(12600円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

1年分の自動車税・重量税・自賠責保険料
名目 金額
自動車税 33900円
自動車重量税 1年分 12600円
自賠責保険料 1年分 8825円
合計 55325円

※現在の税制では、自動車税、自動車重量税、自賠責保険料は走行距離に関係なく税額・保険料は一律。走行距離税が新設された場合は大幅に変わる可能性あり。


維持費名目 3000km 5000km 7000km
燃料代 35810円 59680円 83550円
オイル交換 3500円 3500円 4900円
タイヤ交換 3200円 3200円 3200円
任意保険料 43200円 45960円 48600円
税金 自賠責 一律 55325円
合計 141100円 167700円 195600円
1万km差額 -99400円 -72800円 -44900円

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで50000km程度持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料54000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて99400円安い141100円に、5000km走行では72800円安い167700円に、7000km走行では44900円安い195600円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は15000kmは1.1倍、20000kmは1.2倍としたのがこちらです。

維持費名目 10000km 15000km 20000km
燃料代 119350円 179030円 238700円
オイル交換 7000円 10500円 14000円
タイヤ交換 4800円 5760円 7680円
任意保険料 54000円 59400円 64800円
税金 自賠責 一律 55325円
合計 240500円 310100円 380600円
1万km差額 - +69600円 +140100円

走行距離と維持費の変化

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
スズキの小型車&普通車編
1000cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
ハッチバック編

カルタスの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
10・15モード燃費 18.2km/L
燃料タンク容量 40L
航続距離(カタログ燃費) 728.0km
航続距離(80%燃費) 584.0km
満タンプライス 7400円
1km走行コスト 10.16円/km
1万円でどこまで行ける? 983.8km
東京から728.0kmの範囲

10・15モード燃費が18.2km/L、燃料タンク容量40リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は728.0kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(16.4km/L)とすると航続距離は656.0km、80%(14.6km/L)だと584.0km、70%(12.7km/L)では508.0kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から40リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、レギュラーガソリンを1リットルあたり185円では7400円、上で計算した航続距離を踏まえると728.0km(80%燃費時584.0km)を走行するのに7400円かかる計算です。

燃費を15.5km/Lとしたときの1km走行コストは10.16円、10万km走行したときの燃料代は101.6万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら10.2万円/年、7年10万kmなら14.5万円/年、5年10万kmなら20.3万円/年、3年10万kmなら33.9万円/年となります。

ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば983.8km(往復なら片道491.9km)、カタログ値の80%なら787.0km(片道393.5km)離れたところまで行くことができます。

AA44S カルタスのエンジン諸元とカタログデータ

G10型エンジン簡易性能曲線図
エンジン諸元
原動機型式 G10
気筒配列 直列3気筒
排気量993cc
圧縮比 9.5
吸気方式 自然吸気(NA・ノンターボ)
最高出力 58PS[43kW]/6000rpm
最大トルク 8.0kgm[78Nm]/3500rpm
パワーバンド 3500-6000rpm, 帯域41.7%
使用燃料 レギュラーガソリン
10・15燃費18.2km/L(42.8mpg)
100km燃費5.5L/100km
最高出力・最大トルク 各回転数での出力
3500rpm 39PS/8.0kgm
6000rpm 58PS/6.9kgm
G10型エンジンの諸元と性能まとめ
直列3気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に3個配置する方式。小排気量のスタンダード。
直列3気筒の最高出力ランキング

まずおさらいとして、搭載しているG10型993cc、直列3気筒の自然吸気エンジンは6000回転時に最高出力58馬力を、3500回転時に最大トルク8.0kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、低めの回転数から中間域にトルクのピークがあるこのエンジンは、街中での普段使いに心地よく、高回転もそれなりでバランスの取れたタイプです。多くの乗用車がこの特性に当て嵌まるのではないかと思います。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なります。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する3500rpmから最高出力が発生する6000rpmまで」の2500rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は41.7%となります。※簡易エンジン性能曲線図オレンジ色の帯域。

最高出力ランキング リスト
1000cc以下クラス編
スズキの小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
1000cc以下クラス編
スズキの小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ13.103kg/PS(760kg/58PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ13.103kg/PS
車体+1人14.052kg/PS
車体+5人17.845kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg14.138kg/PS
車体+70kg14.310kg/PS
車体+80kg14.483kg/PS
車体+90kg14.655kg/PS
車体+100kg14.828kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは14.052kg/PS(815kg/58PS)となり、数値としては0.949kg、比率にすると7.2%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは17.845kg/PS(1035kg/58PS)となり、数値としては4.742kg、比率にすると36.2%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

AA44S カルタスのライバル候補車たち

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ14.052kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

愛すべきライバル車種
Page Link車名 PWR+55kg

-
カルタス
14.052kg/PS
58PS・1.0L-NA
車体のみPWR 13.103
815kg
+7.2%

車種詳細
アルト ラパン
13.984kg/PS
64PS・0.7L-TB
車体のみPWR 13.125
895kg
+6.5%

車種詳細
タフト
13.984kg/PS
64PS・0.7L-TB
車体のみPWR 13.125
895kg
+6.5%

車種詳細
ミラ ジーノ
14.052kg/PS
58PS・0.7L-NA
車体のみPWR 13.103
815kg
+7.2%

車種詳細
ムーヴ
14.141kg/PS
64PS・0.7L-TB
車体のみPWR 13.281
905kg
+6.5%

車種詳細
コペン
13.984kg/PS
64PS・0.7L-TB
車体のみPWR 13.125
895kg
+6.5%


13.911kg/PSから14.193kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、スズキの4人乗り軽ハッチバック・HE21S型 アルト ラパン、ダイハツの4人乗り軽SUV・LA900S型 タフト、ダイハツの4人乗り軽ハッチバック・L700S型 ミラ ジーノ、ダイハツの4人乗り軽ミニバン・LA150S型 ムーヴ、ダイハツの2人乗り軽オープンカー・L880K型 コペンという顔ぶれが並びました。

最高出力が高いからといって、車両重量が重ければパワーウェイトレシオの数値は似たようなものになったりします。「空車状態のPWRの違いが、戦力の決定的差ではないということを…教えてやる!」といったところでしょうか。

こうなると、思いもよらぬ車種の登場に「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごも生じることもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

AA44S型 カルタス [1000F]のライバル車種|14.052kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は76.3PS/tとなっています。


カルタスがバイクと競争するなら…?


車種詳細
CB125R|124cc
14.000kg/PS
182kg/13.0PS/1.00kgm
[車体のみPWR:9.769]
1速ギヤ速度:31.8km/h
最小TWR:1.072
1996/02

-
カルタス|993cc
14.052kg/PS
815kg/58PS/8.0kgm
[車体のみPWR:13.103]
1速ギヤ速度:47.3km/h
最小TWR:1.987

車種詳細
KSR-II|79cc
14.200kg/PS
142kg/10.0PS/0.95kgm
[車体のみPWR:8.700]
1速ギヤ速度:27.3km/h
最小TWR:0.828

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではカルタスとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

JC79 CB125Rと競争してみる

まずカルタスより少しPWRが低いバイクとして、ホンダのCB125Rが挙げられます。PWRの14.000kg/PSは車両重量127kgにライダーの体重55kgを加えた182kgを、最高出力13.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はCB125Rに15.5km/h勝り、1速TWRは0.915kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

KMX80B KSR-IIと競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、カワサキのKSR-IIが挙げられます。PWRの14.200kg/PSは車両重量87kg+55kgの142kgを、最高出力10.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は20.0km/h勝り、1速TWRは1.159kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.674
平均ピストンスピード 15.40m/s
トルクウェイトレシオ 95.00kg/kgm
1馬力あたりのお値段 12034円
排気量1Lあたり馬力 58.41PS/L
排気量1Lあたりトルク 8.06kgm/L
1気筒あたりの馬力 19.3PS
1気筒あたりのトルク 2.7kgm
パワーバンド比率 41.7%
燃費×馬力 897.3pt
各種ランキング
ハッチバックのPWR
1.0L以下のPWR

トルクウェイトレシオは95.00kg/kgm(760kg/8.0kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が698000円、最高出力が58馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は12034円、逆に1万円あたりでは0.83馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は87250円、1万円あたりでは0.11kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
スズキ編
1000cc以下の車編
ハッチバック編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は58.41PS/L、トルクは8.06kgm/L、1気筒あたりの馬力は19.3馬力、トルクは2.7kgmとなり、このエンジンが58馬力を6000回転で発生させているときの平均ピストンスピードは15.40m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が77.0mmであるG10型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は7790回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.674になります。全ての車種の平均値である1.773を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと小回りを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が15.47km/L、最高出力が58PSであるこの車の獲得ポイントは897.3ptになります。
戯れに車両重量760kgを100kg単位にした7.6で割ってみたところ、その数値は118.06ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


AA44S カルタスのギヤ比と回転数・速度のステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合6000rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした6500回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 6500rpm|タイヤサイズ 155/70R13|タイヤ直径 54.7cm|円周長 171.8cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
6500rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 3.416 13.07 - - 51km/h 12680rpm 382.4kgm
2速 1.894 7.25 0.554 1-2/
3600rpm
92km/h 7030rpm 212.0kgm
3速 1.280 4.90 0.676 2-3/
4390rpm
137km/h 4750rpm 143.3kgm
4速 0.914 3.50 0.714 3-4/
4640rpm
192km/h 3390rpm 102.3kgm
5速 0.757 2.90 0.828 4-5/
5380rpm
231km/h 2810rpm 84.7kgm
Final3.827レシオカバレッジ(変速比幅)4.513
  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数3500rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.827)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(8.0kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.827)÷タイヤの有効半径(0.2735m)で算出。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は5速ギヤの231km(6000rpmでは213.5km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが3500回転で最大トルク8.0kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば95.00kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(13.103kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと382.4kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(760kg)を1速ギヤの最大駆動力(382.4kgm)で割ってみると1.987kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する6000回転でのトルク(6.9kgm)からTWRを算出すると2.304kg/kgmとなり、3500-6000回転の回転域では1.987-2.304kg/kgmの間で推移することがわかります。


6000rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

AA44S型カルタスに搭載されたG10型993ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する6000rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

6000rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ47km/h-
2速ギヤ85km/h3320rpm
3速ギヤ126km/h4060rpm
4速ギヤ177km/h4280rpm
5速ギヤ213km/h4970rpm

まず1速ギヤで6000rpmまで引っ張ると47km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は6000rpmから3320rpmまで落ち、そこから6000rpmまで加速を続けると速度は85km/h(+38km/h)になります。

3速ギヤでは4060rpmまで落ちて6000rpmで126km/h(+41km/h)に、4速ギヤでは4280rpmまで落ちて6000rpmで177km/h(+51km/h)に、5速ギヤでは4970rpmまで落ちて6000rpmで213km/h(+36km/h)という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 5070 7610 10150 12680 15220 17760 22830
2速 2810 4220 5630 7030 8440 9840 12660
3速 1900 2850 3800 4750 5700 6650 8550
4速 1360 2040 2710 3390 4070 4750 6110
5速 1120 1690 2250 2810 3370 3930 5060
※赤い数字は暫定レブリミット(6500rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.757)を選択して時速100kmにて走行すると2810回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1690回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1970回転、一般的な高速道路の80km/hでは2250回転、100km/hでは2810回転、制限速度が120km/hになると3370回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは5060回転まで回ります。

一般的な自動車であれば時速100kmでの巡航回転数は2500回転付近に落ち着くようですが、その中でも若干高めの回転数となっています。標準的なギヤ比の範囲内ながらも静粛性や燃費よりも加速に重きを置いた設定なので、高速道路やバイパスを走行するとき、ふと「もう1段上のギヤがあったらなあ‥」と呟くことがあるかもしれません。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 8 16 24 32 39 47 55 63
2速 14 28 43 57 71 85 100 114
3速 21 42 63 84 105 126 147 168
4速 29 59 88 118 147 177 206 236
5速 36 71 107 142 178 213 249 285

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(6500回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの155/70R13と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 155/70R13 | 直径 547mm

-20mm
幅135mm
-10mm
幅145mm
変更なし
幅155mm
+10mm
幅165mm
+20mm
幅175mm
65 135/65R13
37.0km/h
径 506mm
差 -41mm
145/65R13
38.0km/h
径 519mm
差 -28mm
155/65R13
38.9km/h
径 532mm
差 -15mm
165/65R13
39.9km/h
径 545mm
差 -2mm
175/65R13
40.8km/h
径 558mm
差 +11mm
70 135/70R13
38.0km/h
径 519mm
差 -28mm
145/70R13
39.0km/h
径 533mm
差 -14mm
155/70R13
40.0km/h
547mm
0mm
165/70R13
41.0km/h
径 561mm
差 +14mm
175/70R13
42.0km/h
径 575mm
差 +28mm
75 135/75R13
39.0km/h
径 533mm
差 -14mm
145/75R13
40.1km/h
径 548mm
差 +1mm
155/75R13
41.2km/h
径 563mm
差 +16mm
165/75R13
42.3km/h
径 578mm
差 +31mm
175/75R13
43.4km/h
径 593mm
差 +46mm
80 135/80R13
39.9km/h
径 546mm
差 -1mm
145/80R13
41.1km/h
径 562mm
差 +15mm
155/80R13
42.3km/h
径 578mm
差 +31mm
165/80R13
43.4km/h
径 594mm
差 +47mm
175/80R13
44.6km/h
径 610mm
差 +63mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、135/75R13 、145/70R13 、155/65R13 、165/65R13 あたりのタイヤがおすすめです。

155/70R13のタイヤ幅を135mmから185mmまで、扁平率を55%から85%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、155/70R13の適応サイズと性能の変化 [AA44S型カルタス編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】155/70R13のタイヤ銘柄と通販価格

AA44S型 カルタス 1.0L-NA FF/5MTの通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を比較してみます。

運動性能部門 10項目
評価項目全車種平均数値得点評価
PWR9.78㎏/PS13.10㎏/PS41.0ptD
最高回転数5881rpm6000rpm51.5ptC
1速ギヤ
加速性能
1.58㎏/㎏m1.99㎏/㎏m41.4ptD
1速ギヤ
最高速
51.1㎞/h47.3㎞/h46.5ptC
1リットル
換算馬力
73.10PS/L58.41PS/L38.4ptD
1リットル
換算トルク
9.47㎏m/L8.06㎏m/L32.8ptE
WB/TR比1.7731.67460.1ptB
ワイド&
ロー指数
0.8940.85752.7ptC
前面の面積2.631m22.126m264.1ptA
最低地上高154.5mm160mm47.8ptC
スポーツ性能部門の得点487.5pt
総合評価C

※PWR(パワーウェイトレシオ)・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比(旋回性能重視)・ワイド&ロー指数(見た目のかっこよさ)・前面の面積(≒前方投影面積・空気抵抗)・最低地上高については数値が小さいほど高得点。最高回転数・1速ギヤ最高速・1リットル換算馬力・1リットル換算トルクについては数値が大きいほど高得点。

ユーティリティ部門 10項目
評価項目全車種平均数値得点評価
年間維持費338761円240500円58.6ptB
10-15燃費13.0km/L18.2km/L61.3ptB
100km/h
回転数
2490rpm2810rpm45.8ptD
航続距離644.0km618.8km48.5ptC
車の大きさ11.467m37.963m363.9ptA
車内の広さ3430.7L2373.7L39.7ptD
乗車定員4.8人5人51.7ptC
1人あたり
車内広さ
691.8L474.7L31.7ptE
車内床面積2.793m22.139m240.7ptD
最小回転
半径
5.17m4.6m61.6ptB
ユーティリティ部門の得点503.5pt
総合評価C

※10-15燃費・航続距離(燃費×燃料タンク容量)・室内の広さ(室内長×室内幅×室内高)・乗車定員・1人あたりの車内の広さは数値が大きいほど高得点、新車価格・年間維持費・100km/h回転数・車の大きさ(全長×全幅×全高)・最小回転半径は数値が小さいほど高得点。

結果発表!
部門 全10704車種中 RANK
運動性能 487.5pt 6293位 C
運動性能部門 ランキング
ユーティリティ 503.5pt 3677位 C
ユーティリティ部門 ランキング
総合得点 991.0pt 5741位 C
総合得点ランキング

スポーツ性能部門は487.5点で全10704車種中の6293位、ユーティリティ部門は503.5点で3677位、総合得点は991.0点で5741位となりました。各部門、獲得点数が多い車種から順番に並べたランキングを用意してありますのでご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したAA44S型 カルタス(FF/5MT) の各種スペックを、ハッチバック1000ccという属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを比較してみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

カルタスの歴代モデル

3代目 GC41W型 カルタス ワゴン
GC41W カルタス ワゴンは1998/05に登場した3代目モデル。参考車両の「1.8TZ」は全長4375mm、全幅1690mm、全高1460mmの車体に、135PS/16.0kgmを発生するJ18A型1839ccエンジンを搭載した5人乗りワゴン。

2代目 AJ14S型 カルタス エスティーム
AJ14S カルタス エスティームは1989/06に登場した2代目モデル。参考車両の「XG」は全長4075mm、全幅1600mm、全高1380mmの車体に、100PS/13.5kgmを発生するG16A型1590ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

初代 AA33S型 カルタス GT-i
AA33S カルタス GT-iは1983/10に登場した初代モデル。参考車両の「GT-i」は全長3670mm、全幅1545mm、全高1350mmの車体に、97PS/11.2kgmを発生するG13B型1298ccエンジンを搭載した5人乗りハッチバック。


カルタス vs ライバル車種対決


AA34S カルタス GT-iA 1994 vs HT81S スイフト スポーツ 2004 性能比較
初代 スイフト スポーツ Sport(2004年式 HT81S・FF/5MT・1.5L・115PS/14.6kgm・5人乗り)と、2代目 カルタス GT-iA(1994年式 AA34S・FF/5MT・1.3L・115PS/11.2kgm・5人乗り)を比較。


L512S ミラ X4 1997 vs L210S ミラ X4 1991 新旧比較
4代目 ミラ X4(1997年式 L512S・4WD/5MT・0.66L+ターボ・64PS/10.2kgm・4人乗り)と、3代目 ミラ X4(1991年式 L210S・4WD/5MT・0.66L+ターボ・64PS/9.4kgm・4人乗り)を比較。

HE21S アルト ラパン SS 2007 vs HN22S Kei ワークス 2008 性能比較
初代 アルト ラパン SS(2007年式 HE21S・FF/5MT・0.66L+ターボ・64PS/10.8kgm・4人乗り)と、初代 Kei ワークス WORKS(2008年式 HN22S・FF/5MT・0.66L+ターボ・64PS/10.8kgm・4人乗り)を比較。

H31A ミニカ ダンガン 1997 vs H22A ミニカ ダンガンZZ 1992 新旧比較
7代目 ミニカ ダンガン Dangan(1997年式 H31A・FF/5MT・0.66L+ターボ・64PS/9.9kgm・4人乗り)と、6代目 ミニカ ダンガンZZ Dangan-ZZ(1992年式 H22A・FF/5MT・0.66L+ターボ・64PS/9.8kgm・4人乗り)を比較。

EP91 スターレット グランツァV 1997 vs EP82 スターレット GT 1994 新旧比較
5代目 スターレット グランツァV Glanza-V(1997年式 EP91・FF/5MT・1.4L+ターボ・135PS/16.0kgm・5人乗り)と、4代目 スターレット GT(1994年式 EP82・FF/5MT・1.4L+ターボ・135PS/16.0kgm・5人乗り)を比較。

ZZE123 カローラ ランクス 2ZZ 2004 vs ZZT231 セリカ SS-II 2005 性能比較
9代目 カローラ ランクス Z Aero-Tourer(2004年式 ZZE123・FF/6MT・1.8L・190PS/18.4kgm・5人乗り)と、7代目 セリカ SS-II(2005年式 ZZT231・FF/6MT・1.8L・190PS/18.4kgm・4人乗り)を比較。

HN22S Kei ワークス 2008 vs HT81S スイフト スポーツ 2004 性能比較
初代 Kei ワークス WORKS(2008年式 HN22S・FF/5MT・0.66L+ターボ・64PS/10.8kgm・4人乗り)と、初代 スイフト スポーツ Sport(2004年式 HT81S・FF/5MT・1.5L・115PS/14.6kgm・5人乗り)を比較。

K13 マーチ NISMO 2013 vs AK12 マーチ 12SR 2008 新旧比較
4代目 マーチ NISMO Nismo-S(2013年式 K13・FF/5MT・1.5L・116PS/15.9kgm・5人乗り)と、3代目 マーチ 12SR(2008年式 AK12・FF/5MT・1.3L・110PS/13.7kgm・5人乗り)を比較。