XN12A ミニの性能と維持費 FF/4AT 4人乗り 210万円 1997年式

このページでは、ローバーの2ドア・4人乗りハッチバック、初代のE-XN12A型ミニ Cooper【1997/04モデル・53PS/9.3kgm・FF/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

XN12A ミニ
販売期間:1959 - 2001/10

画像はローバーより引用

投稿:2012/05/13|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長3075mm×全幅1440mm×全高1330mm、排気量は1271ccであることから、大雑把に分類すると1.3リットルクラス(1300cc、自動車税は1.5L以下を適用)に属した、いわゆる5ナンバークラスの車です。とにかく排気量を増やして、とにかくボディを大きく、特に全幅を広げれば良いんだという風潮が蔓延る現代においては大変貴重な車となっています。

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、前輪のみを駆動する、フロントエンジン・フロントドライブ方式(FF・FWD・前輪駆動とも)を採用しています。この方式はエンジンと駆動系(ミッション、デフ等)の収納がエンジンルーム内で完結するので、軽量コンパクトかつ低コスト化が実現でき、室内を広く作りやすい(エンジンが横置きの場合)ほか、後輪駆動車に比べて直進安定性に優れることが主な特長です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が3075mmであるこの車の場合は「ミニ」(Mini:3500mm以下・Aセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


XN12A型 ミニ [1271cc/53PS FF/4AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

初代ミニの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
1997/04
XN12A型
[Cooper]
1.3L-NA・FF/4MT・198.9万円
62PS・9.6kgm・14.5km/L
62PS
9.6kgm
14.5km/L
1991/06
99X型
[Mayfair]
1.0L-NA・FF/4MT・159.0万円
42PS・6.8kgm・11.2km/L
42PS
6.8kgm
11.2km/L
1991/06
XL12T型
[ERA-Turbo]
1.3L-TB・FF/4MT・359.0万円
95PS・12.0kgm・11.0km/L
95PS
12.0kgm
11.0km/L
初代ミニの車両型式・グレード一覧【全18車種】
ミニの新型モデル
2代目 MFJCW型ミニ
MFJCW型ミニは2007/02に登場した2代目モデル。参考車両の「John Cooper Works R56」は全長3715mm、全幅1685mm、全高1430mmの車体に、211PS/26.5kgmを発生する1598ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー ローバー
車名&
グレード
ミニ
Cooper
その他 クーパー メイファ ケンジントン ポールスミス BBSCリミテッド 1.3i タータン
お値段 2099000円
車両型式 E-XN12A
駆動方式
変速機
FF・前輪駆動(FWD,2WD)
4速AT・4速オートマ車
ドア/定員 2ドア/4名乗車
車体寸法 長3075×幅1440×高1330mm
室内寸法 長1640×幅1155×高1120mm
軸距&
輪距
2035mm
前1235mm/後1200mm
最小半径 4.3m
タイヤ 前輪:145/70R12
後輪:145/70R12
ブレーキ 前:ディスク
後:ドラム
車両重量 740kg
エンジン諸元
原動機型式 12A
気筒配列 直列4気筒
排気量1271cc
圧縮比9.4
吸気方式 自然吸気(NA・ノンターボ)
最高出力 53PS[39kW]/5000rpm
最大トルク 9.3kgm[91Nm]/2600rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
10・15燃費 9.7km/L(22.8mpg)
100km燃費 10.3L/100km
12A型エンジンの諸元と性能まとめ
直列4気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に4個配置する方式。小排気量から2.5Lあたりまでをカバー。
直列4気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税39600円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税12600円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額5000円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、1997/04モデルのミニを27年落ちの中古で46.2万円にて購入し、頭金なしで1年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    ミニの1997/04モデルの場合、2024年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の20%である41.98万円に諸経費として4.2万円を足した46.2万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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1997年式を27年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 1500cc以下 13年経過 39600円
自動車重量税(1年分) 1.0トン以下 18年経過 12600円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
燃料代(年間1万km) 10000km÷8.2km/L×185円/L 225610円
オイル交換(5000km毎) 1回4000円×2回 8000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本4000円×4本÷5年 3200円
任意保険料(月額5000円) 月額5000円×12ヶ月 60000円
ローン完済後の年間維持費 357900円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額38480円×12ヶ月 461760円
ローン返済中の年間維持費 819600円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 45900円
名目 金額
自動車税(1年分) 39600円
自動車重量税(1年分) 12600円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
225610円
(157930円)
(112810円)
(67680円)
オイル交換(5000km毎) 8000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 3200円
任意保険料(月額5000円) 60000円
ローン完済後の年間維持費 357900円
名目 金額
車のローン額(1年分) 461760円
ローン返済中の年間維持費 819600円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
45900円
  • 初度登録から13年以上経過車の場合、「1500cc以下で13年経過」クラスの自動車税は39600円、「1.0トン以下で18年経過」クラスの自動車重量税は12600円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに4000円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本4000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額5000円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした45900円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

このあたりのクラスから理想と現実の違い、つまり「乗りたい車」と「乗ることができる車」は違うことを思い知らされます。うっかり手を出せば「いっ…維持費が高すぎて息ができん!フーッ!フーッ!」と目を白黒させることになりかねません。

さて、ミニ【Cooper】の場合、維持費の月額は29900円になります。金銭的にシビアな人からは「車なんてどれもタイヤが4つあるだけなのに、なんでこんなにお金の掛かる車に乗ってるんだ…修行か…」と奇異の目で見られていることでしょう。でも良いんです。愛さえあれば。

ミニの維持費は高い?安い?

「ミニの年間維持費は357900円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「1500ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてミニの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いヤリス173300円-184600円
ジェイド210700円-147200円
フリード ハイブリッド224600円-133300円
スイフト スポーツ250200円-107700円
基準1500ccクラス平均251400円-106500円
ステップワゴン スパーダ259700円-98200円
コルト Ralliart-R281600円-76300円
ゴルフ トゥーラン321300円-36600円
ミニの維持費357900円
高いウーノ367800円+9900円

ミニの年間維持費を、1500ccクラスで最も維持費が安いヤリスと比較して184600円高く、最も高いウーノと比較して9900円安く、1500ccクラスの平均維持費との比較では106500円高くなっています。

最低額のヤリスと最高額のウーノは極端な例としても、1500ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、ミニの維持費は ものすごく高い! と言えそうです。

年間維持費が安い 1500ccクラスの車 ランキング

ミニを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟%年収月給手取り
10%470万円40万円31万円
15%310万円26万円20万円
20%230万円20万円16万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は470万円(総支給額40万円/月、手取り31万円/月)、ここから月額維持費3.0万円を支払うと残りは28.0万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は310万円(総支給額26万円/月、手取り20万円/月)、3.0万円を支払うと残りは17.0万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が230万円(総支給額20万円/月、手取り16万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。3.0万円を引くと残りは13.0万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代23万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり185円を基準として、-50円となる135円から、+50円となる235円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費8.2km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
135円/L
164650円
[-60960円]
-25円
160円/L
195140円
[-30470円]
-10円
175円/L
213430円
[-12180円]
185円/L225610円
[0円]
+10円
195円/L
237830円
[+12220円]
+25円
210円/L
256120円
[+30510円]
+50円
235円/L
286610円
[+61000円]

燃費8.2km/LのXN12A型 ミニで10000km走行するのに必要な燃料は1219.6L、1リットルあたり185円としたときの燃料代は225610円になります。

参考までに、ミニの燃料タンクは34リットルですので、1219.6Lの給油回数は36回、1回あたりの燃料代は約6270円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては12220円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると30510円、50円も違ってくると61000円にもなります。

これをXN12A型 ミニの年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり185円の場合を357900円としたとき、135円/Lに値下がりすれば296940円(83.0%)に、235円/Lに値上がりすれば418900円(117.0%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(39600円)なり重量税(12600円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 39600円 22%
自動車重量税 1年分 12600円 7%
自賠責保険料 1年分 8825円 5%
燃料代 3000km分 67680円 37%
オイル交換 年1回 4000円 2%
タイヤ交換 6年毎 2130円 1%
任意保険料 80% 48000円 26%
合計
[1万kmとの差額]
182900円
-175000円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 39600円 17%
自動車重量税 1年分 12600円 5%
自賠責保険料 1年分 8825円 4%
燃料代 5000km分 112810円 49%
オイル交換 年1回 4000円 2%
タイヤ交換 6年毎 2130円 1%
任意保険料 85% 51000円 22%
合計
[1万kmとの差額]
231000円
-126900円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 39600円 14%
自動車重量税 1年分 12600円 4%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 7000km分 157930円 56%
オイル交換 年1回 5600円 2%
タイヤ交換 6年毎 2130円 1%
任意保険料 90% 54000円 20%
合計
[1万kmとの差額]
280700円
-77200円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料60000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて175000円安い182900円に、5000km走行では126900円安い231000円に、7000km走行では77200円安い280700円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 39600円 8%
自動車重量税 1年分 12600円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 15000km分 338420円 69%
オイル交換 年3回 24000円 5%
タイヤ交換 2.7年毎 4800円 1%
任意保険料 100% 60000円 12%
合計
[1万kmとの差額]
488300円
+130400円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 39600円 6%
自動車重量税 1年分 12600円 2%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 20000km分 451220円 74%
オイル交換 年4回 32000円 5%
タイヤ交換 2年毎 6400円 1%
任意保険料 100% 60000円 11%
合計
[1万kmとの差額]
610700円
+252800円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
輸入車・外車の小型車&普通車編
1500cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
ハッチバック編

ミニの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
10・15モード燃費 9.7km/L
燃料タンク容量 34L
航続距離(カタログ燃費) 329.8km
航続距離(80%燃費) 265.2km
満タンプライス 6290円
1km走行コスト 19.07円
1万円でどこまで行ける? 524.3km

10・15モード燃費が9.7km/L、燃料タンク容量34リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は329.8kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(8.7km/L)とすると航続距離は295.8km、80%(7.8km/L)だと265.2km、70%(6.8km/L)では231.2kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から34リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり185円では6290円、上で計算した航続距離を踏まえると329.8km(80%燃費時265.2km)を走行するのに6290円かかる計算です。

燃費を8.2km/Lとしたときの1km走行コストは19.07円、10万km走行したときの燃料代は190.7万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら19.1万円/年、7年10万kmなら27.2万円/年、5年10万kmなら38.1万円/年、3年10万kmなら63.6万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば524.3km(往復なら片道262.2km)、カタログ値の80%なら419.5km(片道209.7km)離れたところまで行くことができます。

カタログデータから見えてくる要素

12A型エンジン簡易性能曲線図
各回転域での馬力
2600回転時の馬力 34PS
5000回転時の馬力 53PS
各回転域でのトルク
2600回転時のトルク 9.3kgm
5000回転時のトルク 7.6kgm
12A型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載している12A型1271cc、直列4気筒の自然吸気エンジンは5000回転時に最高出力53馬力を、2600回転時に最大トルク9.3kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、低めの回転数から中間域にトルクのピークがあるこのエンジンは、街中での普段使いに心地よく、高回転もそれなりでバランスの取れたタイプです。多くの乗用車がこの特性に当て嵌まるのではないかと思います。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する2600rpmから最高出力が発生する5000rpmまで」の2400rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は48.0%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
1500cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
1500cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ13.962kg/PS(740kg/53PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ13.962kg/PS
車体+1人15.000kg/PS
車体+4人18.113kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg15.094kg/PS
車体+70kg15.283kg/PS
車体+80kg15.472kg/PS
車体+90kg15.660kg/PS
車体+100kg15.849kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは15.000kg/PS(795kg/53PS)となり、数値としては1.038kg、比率にすると7.4%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの4人が搭乗した場合、車両重量に220kgがプラスされてパワーウェイトレシオは18.113kg/PS(960kg/53PS)となり、数値としては4.151kg、比率にすると29.7%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

XN12A ミニのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
1997/04

-
ミニ
15.000kg/PS
795kg/53PS|1.3L-NA
[車体のみPWR:13.962]
2011/12

車種詳細
アクア
14.932kg/PS
1105kg/74PS|1.5L-NA
車体のみPWR:14.189
2005/02

車種詳細
ツイン
14.886kg/PS
655kg/44PS|0.7L-NA
車体のみPWR:13.636
2013/08

車種詳細
ミラ イース
15.096kg/PS
785kg/52PS|0.7L-NA
車体のみPWR:14.038
2013/06

車種詳細
デイズ ハイウェイスター
14.922kg/PS
955kg/64PS|0.7L-TB
車体のみPWR:14.062
1997/05

車種詳細
ジムニー
14.922kg/PS
955kg/64PS|0.7L-TB
車体のみPWR:14.062

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ15.000kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

14.850kg/PSから15.150kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、トヨタの5人乗りハッチバック「NHP10型 アクア」、スズキの2人乗り軽ハッチバック「EC22S型 ツイン」、ダイハツの4人乗り軽ハッチバック「LA300S型 ミラ イース」、日産の4人乗り軽ミニバン「B21W型 デイズ ハイウェイスター」、スズキの4人乗り軽SUV「JA22W型 ジムニー」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

XN12A型 ミニ [Cooper]のライバル車種|15.000kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は71.6PS/tとなっています。


ミニがバイクと競争するなら…?


車種詳細
グランドアクシス100|101cc
14.800kg/PS
148kg/10.0PS/1.10kgm
[車体のみPWR:9.300]
1速ギヤ速度:29.4km/h
最小TWR:0.943
1997/04

-
ミニ|1271cc
15.000kg/PS
795kg/53PS/9.3kgm
[車体のみPWR:13.962]
1速ギヤ速度:56.1km/h
最小TWR:2.367

車種詳細
グランドアクシス100|101cc
15.000kg/PS
150kg/10.0PS/1.10kgm
[車体のみPWR:9.500]
1速ギヤ速度:29.2km/h
最小TWR:0.957

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではミニとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

SB01J グランドアクシス100と競争してみる

まずミニより少しPWRが低いバイクとして、ヤマハのグランドアクシス100が挙げられます。PWRの14.800kg/PSは車両重量93kgにライダーの体重55kgを加えた148kgを、最高出力10.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はグランドアクシス100に26.7km/h勝り、1速TWRは1.424kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

SB06J グランドアクシス100と競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、ヤマハのグランドアクシス100が挙げられます。PWRの15.000kg/PSは車両重量95kg+55kgの150kgを、最高出力10.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は26.9km/h勝り、1速TWRは1.410kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.671
平均ピストンスピード 13.53m/s
トルクウェイトレシオ 79.57kg/kgm
1馬力あたりのお値段 39604円
排気量1Lあたり馬力 41.70PS/L
排気量1Lあたりトルク 7.32kgm/L
1気筒あたりの馬力 13.2PS
1気筒あたりのトルク 2.3kgm
パワーバンド比率 48.0%
燃費×馬力 436.7pt
各種ランキング
ハッチバックのPWR
1.0~1.3L以下のPWR

トルクウェイトレシオは79.57kg/kgm(740kg/9.3kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が2099000円、最高出力が53馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は39604円、逆に1万円あたりでは0.25馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は225699円、1万円あたりでは0.04kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
1500cc以下の車編
ハッチバック編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は41.70PS/L、トルクは7.32kgm/L、1気筒あたりの馬力は13.2馬力、トルクは2.3kgmとなり、このエンジンが53馬力を5000回転で発生させているときの平均ピストンスピードは13.53m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が81.2mmである12A型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は7390回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.671になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと小回りを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が8.24km/L、最高出力が53PSであるこの車の獲得ポイントは436.7ptになります。
戯れに車両重量740kgを100kg単位にした7.4で割ってみたところ、その数値は59.02ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


人間様の占有スペース

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

人間様の占有スペース
室内長×室内幅×室内高 2.122m³
1人あたりのスペース 0.530m³
室内長/全長 53.3%
室内幅/全幅 80.2%
室内高/全高 84.2%
室内容積/車両体積 36.0%

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は2.122m³です。この車の乗車定員は4人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.530m³のスペースが割り当てられることになります。続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は53.3%、同じく室内幅と全幅の比率は80.2%、同じく室内高と全高の比率は84.2%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は36.0%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車 室内幅が広い車 室内高が高い車 車内の空間が広い車
室内長が長い車
室内幅が広い車
室内高が高い車
車内の空間が広い車


ミニでの車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.076m
期待される荷室の幅 1.055m
対角線の長さ 1.507m
期待される荷室の面積 1.135m²

縦方向の長さが1.076m(対角線では1.507m)しかないとなると、これはもう常識的に考えてかなり厳しい車中泊を強いられます。運転席あるいは助手席を後ろに倒して寝たほうがまだマシかもしれません。

俗に言う体育座りの体勢で横になれば寝られないこともないでしょうが、寝れども寝れども疲れは取れない上に猛烈な腰痛で目を覚ましかねず、実に爽やかな笑顔で「もう二度と車中泊なんてしないよ!」と後日談を語ることになりかねません。

一見すると車中泊が可能そうに見えるハッチバックやワゴン、SUVであってもリアシートが前に倒れなかったり、倒れても中途半端であったり、凝った足回りのせいで室内に巨大な出っ張りがあったりで、なかなか思うようにはいきませんが、大抵のケースでは知恵と工夫で何とかなるはずです。

車中泊にあると嬉しいアイテム

ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合5000rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした5500回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 5500rpm|タイヤサイズ 145/70R12|タイヤ直径 50.8cm|円周長 159.6cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
5500rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 2.690 8.54 -
-
62km/h 8920rpm 312.6kgm
2速 1.845 5.86 0.686 1-2/
3770rpm
90km/h 6120rpm 214.4kgm
3速 1.460 4.63 0.791 2-3/
4350rpm
114km/h 4840rpm 169.7kgm
4速 1.000 3.17 0.685 3-4/
3770rpm
166km/h 3310rpm 116.2kgm
Final 3.174 レシオカバレッジ(変速比幅)2.690

  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数2600rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.174)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(9.3kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.174)÷タイヤの有効半径(0.254m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は4速ギヤの166km(5000rpmでは150.9km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが2600回転で最大トルク9.3kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば79.57kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(13.962kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと312.6kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(740kg)を1速ギヤの最大駆動力(312.6kgm)で割ってみると2.367kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する5000回転でのトルク(7.6kgm)からTWRを算出すると2.896kg/kgmとなり、2600-5000回転の回転域では2.367-2.896kg/kgmの間で推移することがわかります。


おまけ:5000rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

XN12A型ミニに搭載された12A型1271ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する5000rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

5000rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ56km/h-
2速ギヤ82km/h3430rpm
3速ギヤ103km/h3960rpm
4速ギヤ151km/h3430rpm

まず1速ギヤで5000rpmまで引っ張ると56km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は5000rpmから3430rpmまで落ち、そこから5000rpmまで加速を続けると速度は82km/h(+26km/h)になります。

3速ギヤでは3960rpmまで落ちて5000rpmで103km/h(+21km/h)に、4速ギヤでは3430rpmまで落ちて5000rpmで151km/h(+48km/h)に、という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 3570 5350 7130 8920 10700 12480 16050
2速 2450 3670 4890 6120 7340 8560 11010
3速 1940 2900 3870 4840 5810 6770 8710
4速 1330 1990 2650 3310 3980 4640 5970
※赤い数字は暫定レブリミット(5500rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(1.000)を選択して時速100kmにて走行すると3310回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1990回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは2320回転、一般的な高速道路の80km/hでは2650回転、100km/hでは3310回転、制限速度が120km/hになると3980回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは5970回転まで回ります。

時速100kmでの巡航回転数が3000回転を超えるようになってくると、ややパワーが心許ないとか、荷物や人を多く乗せる車であるとか、より鋭い加速を得たい場合のギヤ比ではないかと思います。エンジンのレイアウト(直列3気筒とか)によっては独特の振動が生じたりするので不快感を覚えるようになるかもしれません。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 11 22 34 45 56 67 79 90
2速 16 33 49 65 82 98 114 131
3速 21 41 62 83 103 124 145 165
4速 30 60 91 121 151 181 211 241

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(5500回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの145/70R12と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 145/70R12 | 直径 508mm

-20mm
幅125mm
-10mm
幅135mm
変更なし
幅145mm
+10mm
幅155mm
+20mm
幅165mm
-5%
65
扁平
125/65R12
36.9km/h
直径468mm
径差-40mm
135/65R12
37.9km/h
直径481mm
径差-27mm
145/65R12
38.9km/h
直径494mm
径差-14mm
155/65R12
39.9km/h
直径507mm
径差-1mm
165/65R12
40.9km/h
直径520mm
径差+12mm
0%
70
扁平
125/70R12
37.8km/h
直径480mm
径差-28mm
135/70R12
38.9km/h
直径494mm
径差-14mm
145/70R12
40.0km/h
508mm
0mm
155/70R12
41.1km/h
直径522mm
径差+14mm
165/70R12
42.2km/h
直径536mm
径差+28mm
+5%
75
扁平
125/75R12
38.8km/h
直径493mm
径差-15mm
135/75R12
40.0km/h
直径508mm
径差0mm
145/75R12
41.2km/h
直径523mm
径差+15mm
155/75R12
42.4km/h
直径538mm
径差+30mm
165/75R12
43.5km/h
直径553mm
径差+45mm
+10%
80
扁平
125/80R12
39.8km/h
直径505mm
径差-3mm
135/80R12
41.0km/h
直径521mm
径差+13mm
145/80R12
42.3km/h
直径537mm
径差+29mm
155/80R12
43.5km/h
直径553mm
径差+45mm
165/80R12
44.8km/h
直径569mm
径差+61mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、125/75R12 、135/70R12、135/75R12 、145/65R12 、155/65R12 あたりのタイヤがおすすめです。

145/70R12のタイヤ幅を125mmから175mmまで、扁平率を55%から85%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、145/70R12の適応サイズと性能の変化 [XN12A型ミニ編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】145/70R12のタイヤ銘柄と通販価格

XN12A型ミニ[1.3L-NA FF/4AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト13.962kg/ps38.52
1速ギヤ加速性能2.367kg/kgm33.10
1L換算馬力41.70ps/L25.24
1L換算トルク7.32kgm/L23.78
WB/TR比1.67160.52
ワイド&ロー指数0.92447.73
前面の面積1.915m²69.94
最低地上高-43.72
スポーツ性能部門の得点342.55

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
10-15燃費9.7km/L42.71
年間維持費357900円47.14
100kmh回転数3310rpm39.24
航続距離329.8km27.77
車の大きさ5.889m³27.95
室内の広さ2.122m³37.66
最小回転半径4.3m67.76
馬力単価39604円26.27
ユーティリティ部門の得点316.50

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した XN12A型ミニ[1.3L-NA FF/4AT] の総合得点は 659.05 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したXN12A型ミニ(FF/4AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのハッチバック」、「1500ccのハッチバック」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

ミニの歴代モデル

3代目 XS72型 ミニ
XS72 ミニは2014/04に登場した3代目モデル。参考車両の「Cooper-S 5door F55」は全長4015mm、全幅1725mm、全高1445mmの車体に、192PS/28.6kgmを発生する1998ccエンジンを搭載した5人乗りハッチバック。

2代目 ZB20型 ミニ クロスオーバー
ZB20 ミニ クロスオーバーは2007/02に登場した2代目モデル。参考車両の「Cooper-SD R60」は全長4105mm、全幅1790mm、全高1550mmの車体に、143PS/31.1kgmを発生する1995ccエンジンを搭載した5人乗りSUV。

初代 XL12T型 ミニ
XL12T ミニは1959に登場した初代モデル。参考車両の「ERA-Turbo」は全長3080mm、全幅1535mm、全高1335mmの車体に、95PS/12.0kgmを発生する12H型1271ccエンジンを搭載した4人乗りハッチバック。