98720 ケイマンの性能と維持費 MR/5MT 2人 633万円 2007年式

このページでは、ポルシェの3ドア・2人乗りクーペ、初代のABA-98720型ケイマン Cayman【2007/08モデル・245PS/27.8kgm・MR/MT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

98720 ケイマン
販売期間:2005/08 - 2012/12

画像はポルシェより引用
http://www.porsche.com/japan/jp/
投稿:2012/01/23|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長4341mm×全幅1801mm×全高1305mm、排気量は2687ccであることから、大雑把に分類すると2.7リットルクラス(2700cc、自動車税は3.0L以下を適用)に属し、全長、全高は5ナンバー枠ながら全幅が1.7mを超え、排気量も2000ccを超えていることにより3ナンバー登録になります。比較的コンパクトなボディに大きめなエンジンの組み合わせは世界戦略車(グローバルカー)やちょっとした高級車に良くあるパターンです。
参考:200PS~250PSの自動車 一覧

駆動方式にはエンジンを車体の中央(運転席より後、後輪よりは前)に搭載し、後輪のみを駆動する、ミッドシップエンジン・リヤドライブ方式(MR)を採用しています。エンジンやミッションといった重量物が車体の中心近くにあるため切れ味鋭いハンドリングを実現するとされ、生粋のスポーツカー、スーパーカーの代名詞的な駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4341mmであるこの車の場合は「ミディアム」(Medium:4300mm超-4650mm以下・Dセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


98720型 ケイマン [2687cc/245PS MR/5MT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

No Data
タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
No Data
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

初代ケイマンの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2011/06
987MA121型
[Cayman-S]
3.4L-NA・MR/7AT・801.0万円
320PS・37.7kgm・-
320PS
37.7kgm
-
2011/06
987MA121型
[Cayman-S]
3.4L-NA・MR/6MT・754.0万円
320PS・37.7kgm・-
320PS
37.7kgm
-
2011/06
987MA120型
[Cayman]
2.9L-NA・MR/7AT・651.0万円
265PS・30.6kgm・-
265PS
30.6kgm
-
初代 ケイマン 型式一覧 987系まとめ 2005-2012【全10車種】
ケイマンの新型モデル
2代目 981型ケイマン
981型ケイマンは2012/12に登場した2代目モデル。参考車両の「GTS」は全長4404mm、全幅1801mm、全高1284mmの車体に、340PS/38.7kgmを発生する3436ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー ポルシェ
車名&
グレード
ケイマン
Cayman
その他 987
お値段 6330000円
車両型式 ABA-98720
駆動方式
変速機
MR・後輪駆動(RWD,2WD)
5速MT・5速マニュアル車
ドア/定員 3ドア/2名乗車
車体寸法 長4341×幅1801×高1305mm
軸距&
輪距
2415mm
前1490mm/後1535mm
最小半径 5.2m
タイヤ 前輪:205/55R17
後輪:235/50R17
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
車両重量 1360kg
エンジン諸元
原動機型式 不明
気筒配列 水平対向6気筒
排気量2687cc
圧縮比11.3
吸気方式 自然吸気(NA・ノンターボ)
最高出力 245PS[180kW]/6500rpm
最大トルク 27.8kgm[273Nm]/4600-6000rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
10・15燃費 9.6km/L(22.6mpg)
100km燃費 10.4L/100km

水平対向6気筒とは‥シリンダを左右交互で水平に6個配置する方式。直6より短くV6より背の低い6気筒。
水平対向6気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税58600円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税17100円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額6500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、2007/08モデルのケイマンを17年落ちの中古で139.3万円にて購入し、頭金なしで3年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    ケイマンの2007/08モデルの場合、2024年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の20%である126.6万円に諸経費として12.7万円を足した139.3万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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2007年式を17年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 3000cc以下 13年経過 58600円
自動車重量税(1年分) 1.5トン以下 13年-17年経過 17100円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
燃料代(年間1万km) 10000km÷8.2km/L×190円/L 231710円
オイル交換(5000km毎) 1回5500円×2回 11000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本15000円×4本÷5年 12000円
任意保険料(月額6500円) 月額6500円×12ヶ月 78000円
ローン完済後の年間維持費 417300円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額38680円×12ヶ月 464160円
ローン返済中の年間維持費 881400円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 54900円
名目 金額
自動車税(1年分) 58600円
自動車重量税(1年分) 17100円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
231710円
(162200円)
(115860円)
(69510円)
オイル交換(5000km毎) 11000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 12000円
任意保険料(月額6500円) 78000円
ローン完済後の年間維持費 417300円
名目 金額
車のローン額(1年分) 464160円
ローン返済中の年間維持費 881400円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
54900円
  • 初度登録から13年以上経過車の場合、「3000cc以下で13年経過」クラスの自動車税は58600円、「1.5トン以下で13年-17年経過」クラスの自動車重量税は17100円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに5500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本15000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額6500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした54900円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

このあたりのクラスから理想と現実の違い、つまり「乗りたい車」と「乗ることができる車」は違うことを思い知らされます。うっかり手を出せば「いっ…維持費が高すぎて息ができん!フーッ!フーッ!」と目を白黒させることになりかねません。

さて、ケイマン【Cayman】の場合、維持費の月額は34800円になります。金銭的にシビアな人からは「車なんてどれもタイヤが4つあるだけなのに、なんでこんなにお金の掛かる車に乗ってるんだ…修行か…」と奇異の目で見られていることでしょう。でも良いんです。愛さえあれば。

ケイマンの維持費は高い?安い?

「ケイマンの年間維持費は417300円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「3000ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてケイマンの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いハイエース バン270830円-146470円
GLS331400円-85900円
グランエース347500円-69800円
スカイライン374100円-43200円
基準3000ccクラス平均408000円-9300円
ケイマンの維持費417300円
アリスト446600円+29300円
スカイラインGT-R473400円+56100円
X5511500円+94200円
高いXM ワゴン611900円+194600円

ケイマンの年間維持費を、3000ccクラスで最も維持費が安いハイエース バンと比較して146470円高く、最も高いXM ワゴンと比較して194600円安く、3000ccクラスの平均維持費との比較では9300円高くなっています。

最低額のハイエース バンと最高額のXM ワゴンは極端な例としても、3000ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、ケイマンの維持費は ちょっと高い! と言えそうです。

年間維持費が安い 3000ccクラスの車 ランキング

ケイマンを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟%年収月給手取り
10%540万円45万円35万円
15%360万円30万円24万円
20%270万円23万円18万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は540万円(総支給額45万円/月、手取り35万円/月)、ここから月額維持費3.5万円を支払うと残りは31.5万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は360万円(総支給額30万円/月、手取り24万円/月)、3.5万円を支払うと残りは20.5万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が270万円(総支給額23万円/月、手取り18万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。3.5万円を引くと残りは14.5万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代24万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり190円を基準として、-50円となる140円から、+50円となる240円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費8.2km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
140円/L
170750円
[-60960円]
-25円
165円/L
201240円
[-30470円]
-10円
180円/L
219530円
[-12180円]
190円/L231710円
[0円]
+10円
200円/L
243920円
[+12210円]
+25円
215円/L
262220円
[+30510円]
+50円
240円/L
292710円
[+61000円]

燃費8.2km/Lの98720型 ケイマンで10000km走行するのに必要な燃料は1219.6L、1リットルあたり190円としたときの燃料代は231710円になります。

参考までに、ケイマンの燃料タンクは64リットルですので、1219.6Lの給油回数は20回、1回あたりの燃料代は約11590円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては12210円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると30510円、50円も違ってくると61000円にもなります。

これを98720型 ケイマンの年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり190円の場合を417300円としたとき、140円/Lに値下がりすれば356340円(85.4%)に、240円/Lに値上がりすれば478300円(114.6%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(58600円)なり重量税(17100円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 58600円 25%
自動車重量税 1年分 17100円 7%
自賠責保険料 1年分 8825円 4%
燃料代 3000km分 69510円 30%
オイル交換 年1回 5500円 2%
タイヤ交換 6年毎 8000円 3%
任意保険料 80% 62400円 29%
合計
[1万kmとの差額]
230000円
-187300円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 58600円 21%
自動車重量税 1年分 17100円 6%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 5000km分 115860円 41%
オイル交換 年1回 5500円 2%
タイヤ交換 6年毎 8000円 3%
任意保険料 85% 66360円 24%
合計
[1万kmとの差額]
280300円
-137000円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 58600円 18%
自動車重量税 1年分 17100円 5%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 7000km分 162200円 49%
オイル交換 年1回 7700円 2%
タイヤ交換 6年毎 8000円 2%
任意保険料 90% 70200円 21%
合計
[1万kmとの差額]
332700円
-84600円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料78000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて187300円安い230000円に、5000km走行では137000円安い280300円に、7000km走行では84600円安い332700円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 58600円 10%
自動車重量税 1年分 17100円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 15000km分 347570円 62%
オイル交換 年3回 33000円 6%
タイヤ交換 2.7年毎 18000円 3%
任意保険料 100% 78000円 14%
合計
[1万kmとの差額]
561100円
+143800円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 58600円 8%
自動車重量税 1年分 17100円 2%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 20000km分 463420円 67%
オイル交換 年4回 44000円 6%
タイヤ交換 2年毎 24000円 3%
任意保険料 100% 78000円 13%
合計
[1万kmとの差額]
694000円
+276700円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
輸入車・外車の小型車&普通車編
3000cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
2ドア・クーペ編

ケイマンの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
10・15モード燃費 9.6km/L
燃料タンク容量 64L
航続距離(カタログ燃費) 614.4km
航続距離(80%燃費) 492.8km
満タンプライス 12160円
1km走行コスト 19.79円
1万円でどこまで行ける? 505.3km

10・15モード燃費が9.6km/L、燃料タンク容量64リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は614.4kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(8.6km/L)とすると航続距離は550.4km、80%(7.7km/L)だと492.8km、70%(6.7km/L)では428.8kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から64リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり190円では12160円、上で計算した航続距離を踏まえると614.4km(80%燃費時492.8km)を走行するのに12160円かかる計算です。

燃費を8.2km/Lとしたときの1km走行コストは19.79円、10万km走行したときの燃料代は197.9万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら19.8万円/年、7年10万kmなら28.3万円/年、5年10万kmなら39.6万円/年、3年10万kmなら66.0万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば505.3km(往復なら片道252.6km)、カタログ値の80%なら404.2km(片道202.1km)離れたところまで行くことができます。

カタログデータから見えてくる要素

簡易エンジン性能曲線図
各回転域での馬力
4600回転時の馬力 179PS
6000回転時の馬力 233PS
6500回転時の馬力 245PS
各回転域でのトルク
4600回転時のトルク 27.8kgm
6000回転時のトルク 27.8kgm
6500回転時のトルク 27.0kgm

まずおさらいとして、搭載している水平対向6気筒、2687ccの自然吸気エンジンは6500回転時に最高出力245馬力を、4600-6000回転時に最大トルク27.8kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、最大トルクと最高出力の発生回転数が程よく近いこのエンジンは、高めの回転数が得意なタイプのエンジンです。日常での使い勝手をある程度は確保しつつ、高回転のパワー感もしっかり伴う雰囲気の良さが自慢です。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する4600rpmから最高出力が発生する6500rpmまで」の1900rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は29.2%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
3000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
3000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ5.551kg/PS(1360kg/245PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ5.551kg/PS
車体+1人5.776kg/PS
車体+2人6.000kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg5.796kg/PS
車体+70kg5.837kg/PS
車体+80kg5.878kg/PS
車体+90kg5.918kg/PS
車体+100kg5.959kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは5.776kg/PS(1415kg/245PS)となり、数値としては0.225kg、比率にすると4.1%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの2人が搭乗した場合、車両重量に110kgがプラスされてパワーウェイトレシオは6.000kg/PS(1470kg/245PS)となり、数値としては0.449kg、比率にすると8.1%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

98720 ケイマンのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2007/08

-
ケイマン
5.776kg/PS
1415kg/245PS|2.7L-NA
[車体のみPWR:5.551]
2012/11

車種詳細
フォレスター
5.875kg/PS
1645kg/280PS|2.0L-TB
車体のみPWR:5.679
2004/09

車種詳細
インテグラ
5.659kg/PS
1245kg/220PS|2.0L-NA
車体のみPWR:5.409
2005/06

車種詳細
マツダスピード アテンザ
5.938kg/PS
1615kg/272PS|2.3L-TB
車体のみPWR:5.735
2010/06

車種詳細
インプレッサ
5.660kg/PS
1415kg/250PS|2.0L-TB
車体のみPWR:5.440
2009/05

車種詳細
RX-8
5.979kg/PS
1405kg/235PS|1.4L-NA
車体のみPWR:5.745

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ5.776kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

5.545kg/PSから6.007kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、スバルの5人乗りSUV「SJG型 フォレスター」、ホンダの4人乗りクーペ「DC5型 インテグラ」、マツダの5人乗りセダン「GG3P型 マツダスピード アテンザ」、スバルの5人乗りハッチバック「GH8型 インプレッサ」、マツダの4人乗りクーペ「SE3P型 RX-8」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

98720型 ケイマン [Cayman]のライバル車種|5.776kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は180.1PS/tとなっています。


ケイマンがバイクと競争するなら…?


車種詳細
ER-4n|399cc
5.773kg/PS
254kg/44.0PS/3.80kgm
[車体のみPWR:4.523]
2007/08

-
ケイマン|2687cc
5.776kg/PS
1415kg/245PS/27.8kgm
[車体のみPWR:5.551]

車種詳細
イントルーダークラシック800|805cc
5.788kg/PS
301kg/52.0PS/6.90kgm
[車体のみPWR:4.731]

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではケイマンとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

ER400B ER-4nと競争してみる

まずケイマンより少しPWRが低いバイクとして、カワサキのER-4nが挙げられます。PWRの5.773kg/PSは車両重量199kgにライダーの体重55kgを加えた254kgを、最高出力44.0PSで割ったものです。

VS55A イントルーダークラシック800と競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、スズキのイントルーダークラシック800が挙げられます。PWRの5.788kg/PSは車両重量246kg+55kgの301kgを、最高出力52.0PSで割ったもので、(PWRで比較すれば)まさに街角の好敵手と呼べるバイクです。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.596
平均ピストンスピード 16.90m/s
トルクウェイトレシオ 48.92kg/kgm
1馬力あたりのお値段 25837円
排気量1Lあたり馬力 91.18PS/L
排気量1Lあたりトルク 10.35kgm/L
1気筒あたりの馬力 40.8PS
1気筒あたりのトルク 4.6kgm
パワーバンド比率 29.2%
燃費×馬力 1999.2pt
各種ランキング
クーペのPWR
2.5~3.0LのNA車 PWR

トルクウェイトレシオは48.92kg/kgm(1360kg/27.8kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が6330000円、最高出力が245馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は25837円、逆に1万円あたりでは0.39馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は227698円、1万円あたりでは0.04kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
3000cc以下の車編
クーペ編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は91.18PS/L、トルクは10.35kgm/L、1気筒あたりの馬力は40.8馬力、トルクは4.6kgmとなり、このエンジンが245馬力を6500回転で発生させているときの平均ピストンスピードは16.90m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が78.0mmであるこのエンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は7690回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.596になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、真っ直ぐ進むよりも小回りを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が8.16km/L、最高出力が245PSであるこの車の獲得ポイントは1999.2ptになります。
戯れに車両重量1360kgを100kg単位にした13.6で割ってみたところ、その数値は147.00ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


純正装着タイヤの235/50R17と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 235/50R17 | 直径 667mm

-20mm
幅215mm
-10mm
幅225mm
変更なし
幅235mm
+10mm
幅245mm
+20mm
幅255mm
-5%
45
扁平
215/45R17
37.5km/h
直径626mm
径差-41mm
225/45R17
38.1km/h
直径635mm
径差-32mm
235/45R17
38.6km/h
直径644mm
径差-23mm
245/45R17
39.2km/h
直径653mm
径差-14mm
255/45R17
39.7km/h
直径662mm
径差-5mm
0%
50
扁平
215/50R17
38.8km/h
直径647mm
径差-20mm
225/50R17
39.4km/h
直径657mm
径差-10mm
235/50R17
40.0km/h
667mm
0mm
245/50R17
40.6km/h
直径677mm
径差+10mm
255/50R17
41.2km/h
直径687mm
径差+20mm
+5%
55
扁平
215/55R17
40.1km/h
直径669mm
径差+2mm
225/55R17
40.8km/h
直径680mm
径差+13mm
235/55R17
41.4km/h
直径691mm
径差+24mm
245/55R17
42.1km/h
直径702mm
径差+35mm
255/55R17
42.8km/h
直径713mm
径差+46mm
+10%
60
扁平
215/60R17
41.4km/h
直径690mm
径差+23mm
225/60R17
42.1km/h
直径702mm
径差+35mm
235/60R17
42.8km/h
直径714mm
径差+47mm
245/60R17
43.5km/h
直径726mm
径差+59mm
255/60R17
44.3km/h
直径738mm
径差+71mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、215/50R17 、225/45R17、225/50R17 、235/45R17 、245/45R17 、255/45R17あたりのタイヤがおすすめです。

235/50R17のタイヤ幅を215mmから265mmまで、扁平率を35%から65%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、ホイールサイズを17インチからインチダウン、インチアップした場合の一覧表は、純正装着タイヤが235/50R17のとき互換可能なタイヤサイズのページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】235/50R17のタイヤ銘柄と通販価格

98720型ケイマン[2.7L-NA MR/5MT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト5.551kg/ps61.54
1速ギヤ加速性能-39.90
1L換算馬力91.18ps/L64.27
1L換算トルク10.35kgm/L60.73
WB/TR比1.59668.25
ワイド&ロー指数0.72562.16
前面の面積2.350m²57.76
最低地上高-43.72
スポーツ性能部門の得点458.33

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
10-15燃費9.6km/L42.49
年間維持費417300円41.69
100kmh回転数-43.42
航続距離614.4km44.26
車の大きさ10.203m³45.04
室内の広さ(仮) 1.850m³35.08
最小回転半径5.2m49.39
馬力単価25837円44.38
ユーティリティ部門の得点345.75

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した 98720型ケイマン[2.7L-NA MR/5MT] の総合得点は 804.08 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介した98720型ケイマン(MR/5MT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのクーペ」、「3000ccのクーペ」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

ケイマンの歴代モデル

2代目 981型 ケイマン
981 ケイマンは2012/12に登場した2代目モデル。参考車両の「S」は全長4380mm、全幅1801mm、全高1295mmの車体に、325PS/37.7kgmを発生する3436ccエンジンを搭載した2人乗りクーペ。

初代 98721型 ケイマン
98721 ケイマンは2005/08に登場した初代モデル。参考車両の「Cayman-S」は全長4341mm、全幅1801mm、全高1305mmの車体に、295PS/34.7kgmを発生する3387ccエンジンを搭載した2人乗りクーペ。