P24YH01:2008の性能と維持費 FF/8AT 5人 446万円 2023年式

このページでは、プジョーの5ドア・5人乗りSUV、2代目の3DA-P24YH01型2008 GT BlueHDi【2023/10モデル・131PS/30.6kgm・FF/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

P24YH01 2008
販売期間:2020/09 - 現行車

画像はプジョーより引用
http://www.peugeot.co.jp/
投稿日:2024/03/27

ボディサイズが全長4305mm×全幅1770mm×全高1550mm、排気量は1498ccであることから、大雑把に分類すると1.5リットルクラス(1500cc、自動車税は1.5L以下を適用)に属し、全長、全高、排気量は5ナンバー枠ながら全幅が1.7mを超えていることにより3ナンバー登録になります。この手のタイプはいわゆる世界戦略車(グローバルカー)に多くあるようです。
参考:100PS~150PSの自動車 一覧

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、前輪のみを駆動する、フロントエンジン・フロントドライブ方式(FF・FWD・前輪駆動とも)を採用しています。この方式はエンジンと駆動系(ミッション、デフ等)の収納がエンジンルーム内で完結するので、軽量コンパクトかつ低コスト化が実現でき、室内を広く作りやすい(エンジンが横置きの場合)ほか、後輪駆動車に比べて直進安定性に優れることが主な特長です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4305mmであるこの車の場合は「ミディアム」(Medium:4300mm超-4650mm以下・Dセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


P24YH01型 2008 [1498cc/131PS FF/8AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

2代目2008の類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2023/10
P24HN05型
[GT]
1.2L-TB・FF/8AT・419.8万円
131PS・23.5kgm・17.1km/L
131PS
23.5kgm
17.1km/L
2020/09
P24HN05型
[Allure]
1.2L-TB・FF/8AT・299.0万円
131PS・23.5kgm・17.1km/L
131PS
23.5kgm
17.1km/L
2代目2008の車両型式・グレード一覧【全4車種】
2008の旧型モデル
初代 A94HN01型2008
A94HN01型2008は2014/02に登場した初代モデル。参考車両の「CrossCity」は全長4160mm、全幅1740mm、全高1570mmの車体に、110PS/20.9kgmを発生する1199ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー プジョー
車名&
グレード
2008
GT BlueHDi
その他 -
お値段 4454000円
車両型式 3DA-P24YH01
駆動方式
変速機
FF・前輪駆動(FWD,2WD)
8速AT・8速オートマ車
ドア/定員 5ドア/5名乗車
車体寸法 長4305×幅1770×高1550mm
軸距&
輪距
2610mm
前1550mm/後1550mm
最小半径 5.4m
最低高 205mm
タイヤ 前輪:215/60R17
後輪:215/60R17
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ディスク
車両重量 1350kg
エンジン諸元
原動機型式 不明
気筒配列 直列4気筒
排気量1498cc
圧縮比16.4
吸気方式 ターボ
最高出力 131PS[96kW]/3750rpm
最大トルク 30.6kgm[300Nm]/1750rpm
使用燃料 軽油(ディーゼル燃料)
WLTC燃費 20.8km/L(48.9mpg)
JC08燃費 22.3km/L(52.5mpg)
100km燃費 4.8L/100km

直列4気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に4個配置する方式。小排気量から2.5Lあたりまでをカバー。
直列4気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税30500円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税12300円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かる軽油代月額5000円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、2008の新車を512.2万円(諸費用として66.8万円を加算)にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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新車で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 1500cc以下 11年未満 30500円
自動車重量税(1年分) 1.5トン以下 13年未満 12300円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
燃料代(年間1万km) 10000km÷20.8km/L×155円/L 74520円
オイル交換(5000km毎) 1回4500円×2回 9000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本15000円×4本÷5年 12000円
任意保険料(月額5000円) 月額5000円×12ヶ月 60000円
ローン完済後の年間維持費 207200円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額85370円×12ヶ月 1024440円
ローン返済中の年間維持費 1231600円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 45300円
名目 金額
自動車税(1年分) 30500円
自動車重量税(1年分) 12300円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
74520円
(52160円)
(37260円)
(22360円)
オイル交換(5000km毎) 9000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 12000円
任意保険料(月額5000円) 60000円
ローン完済後の年間維持費 207200円
名目 金額
車のローン額(1年分) 1024440円
ローン返済中の年間維持費 1231600円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
45300円
  • 初度登録から1年経過車の場合、「1500cc以下で11年未満」クラスの自動車税は30500円、「1.5トン以下で13年未満」クラスの自動車重量税は12300円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに4500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本15000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額5000円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした45300円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

2008【GT BlueHDi】の場合、維持費の月額は17300円です。これは今にも壊れそうな格安車、あるいは維持費の安さに全てを懸けたコスパ重視のスペシャルマシンから少しステップアップしたクラスになります。

「廉価車にしか乗れなかった自分が、ついにこれだけの維持費が掛かる車を所有できるようになったのだ、新しい自分になれたのだ。あの頃のアタシ、サヨナラ…」とかいう謎のカタルシスに浸りつつ、はるか高みで微笑む理想の自分に近付けるよう自分磨きに邁進しましょう。車としての維持費は安いほうで使い勝手も申し分のない、バランスの取れたクラスです。

2008の維持費は高い?安い?

「2008の年間維持費は207200円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「1500ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたして2008の維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いヤリス173300円-33900円
2008の維持費207200円
ジェイド210700円+3500円
フリード ハイブリッド224600円+17400円
スイフト スポーツ250200円+43000円
基準1500ccクラス平均251400円+44200円
ステップワゴン スパーダ259700円+52500円
コルト Ralliart-R281600円+74400円
ゴルフ トゥーラン321300円+114100円
高いウーノ367800円+160600円

2008の年間維持費を、1500ccクラスで最も維持費が安いヤリスと比較して33900円高く、最も高いウーノと比較して160600円安く、1500ccクラスの平均維持費との比較では44200円安くなっています。

最低額のヤリスと最高額のウーノは極端な例としても、1500ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、2008の維持費は かなり安い! と言えそうです。

年間維持費が安い 1500ccクラスの車 ランキング

2008を維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟%年収月給手取り
10%270万円23万円18万円
15%180万円15万円12万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は270万円(総支給額23万円/月、手取り18万円/月)、ここから月額維持費1.7万円を支払うと残りは16.3万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は180万円(総支給額15万円/月、手取り12万円/月)、1.7万円を支払うと残りは10.3万円になります。

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、軽油(ディーゼル燃料)1リットルあたり155円を基準として、-50円となる105円から、+50円となる205円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費20.8km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
105円/L
50490円
[-24030円]
-25円
130円/L
62510円
[-12010円]
-10円
145円/L
69720円
[-4800円]
155円/L74520円
[0円]
+10円
165円/L
79340円
[+4820円]
+25円
180円/L
86550円
[+12030円]
+50円
205円/L
98570円
[+24050円]

燃費20.8km/LのP24YH01型 2008で10000km走行するのに必要な燃料は480.8L、1リットルあたり155円としたときの燃料代は74520円になります。

参考までに、2008の燃料タンクは41リットルですので、480.8Lの給油回数は12回、1回あたりの燃料代は約6210円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては4820円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると12030円、50円も違ってくると24050円にもなります。

これをP24YH01型 2008の年間維持費に当てはめてみますと、軽油(ディーゼル燃料)1リットルあたり155円の場合を207200円としたとき、105円/Lに値下がりすれば183170円(88.4%)に、205円/Lに値上がりすれば231250円(111.6%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(30500円)なり重量税(12300円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなれば軽油代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 30500円 23%
自動車重量税 1年分 12300円 9%
自賠責保険料 1年分 8825円 7%
燃料代 3000km分 22360円 17%
オイル交換 年1回 4500円 3%
タイヤ交換 6年毎 8000円 6%
任意保険料 80% 48000円 35%
合計
[1万kmとの差額]
134500円
-72700円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 30500円 20%
自動車重量税 1年分 12300円 8%
自賠責保険料 1年分 8825円 6%
燃料代 5000km分 37260円 24%
オイル交換 年1回 4500円 3%
タイヤ交換 6年毎 8000円 5%
任意保険料 85% 51000円 34%
合計
[1万kmとの差額]
152400円
-54800円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 30500円 18%
自動車重量税 1年分 12300円 7%
自賠責保険料 1年分 8825円 5%
燃料代 7000km分 52160円 30%
オイル交換 年1回 6300円 4%
タイヤ交換 6年毎 8000円 5%
任意保険料 90% 54000円 31%
合計
[1万kmとの差額]
172100円
-35100円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、軽油代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料60000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて72700円安い134500円に、5000km走行では54800円安い152400円に、7000km走行では35100円安い172100円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。軽油代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 30500円 11%
自動車重量税 1年分 12300円 5%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 15000km分 111780円 42%
オイル交換 年3回 27000円 10%
タイヤ交換 2.7年毎 18000円 7%
任意保険料 100% 60000円 22%
合計
[1万kmとの差額]
268500円
+61300円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 30500円 10%
自動車重量税 1年分 12300円 4%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 20000km分 149040円 46%
オイル交換 年4回 36000円 11%
タイヤ交換 2年毎 24000円 7%
任意保険料 100% 60000円 19%
合計
[1万kmとの差額]
320700円
+113500円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
輸入車・外車の小型車&普通車編
1500cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
5人乗りSUV・RV編

【WLTC特典】市街地・郊外・高速道路の走行比率が変わると?

ひとくちにWLTCモード燃費と言いましても、信号や渋滞があるノロノロ道路の走行を想定した市街地モード(16.8km/L)、信号や渋滞が少ないスイスイ道路の走行を想定した郊外モード(20.2km/L)、高速道路の走行を想定した高速道路モード(23.6km/L)という3つの走行パターンを内包してありまして、これらを「平均的な使用時間配分」なるもので構成したのがWLTCモード燃費(20.8km/L)ということになります。

ここでは年間走行距離を10000kmとして市街地、郊外、高速道路の走行比率を変えてみたとき、WLTCモード燃費での軽油代74520円からどのように変化するかを見ていきたいと思います。

  • 1リットル155円として計算。
  • []内は低燃費タイヤ装着(エコタイヤ)で燃費が3%向上すると仮定した場合の軽油代。
    「差額で元が取れるかな?どうかな?」という、なかなかに絶妙なラインです。
参考:燃費が3%向上すると…?
市街地16.8km/L → 17.3km/L
郊外20.2km/L → 20.8km/L
高速道路23.6km/L → 24.3km/L

●例1:都市部にお住まい

まず最初に、市街地の住まいを想定して、走行の大半を市街地(90%)、たまに郊外へお買い物(5%)、稀に高速道路に乗ってどこか遠くへ…(5%)という場合で見てみます。

市街地90%・郊外5%・高速5%
市街地9000km83030円
[80630円]
郊外500km3840円
[3720円]
高速道路500km3290円
[3190円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
90160円
+15640円
17.2km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
87540円
-2620円
17.7km/L
  • 市街地走行の軽油代
    市街地の走行を9000kmとするとき、市街地モード燃費が16.8km/Lでは軽油535.7Lを消費して、軽油代は83030円になります。
  • 郊外走行の軽油代
    郊外の走行を500kmとするとき、郊外モード燃費が20.2km/Lでは軽油24.8Lを消費して、軽油代は3840円になります。
  • 高速道路走行の軽油代
    高速道路の走行を500kmとするとき、高速道路モード燃費が23.6km/Lでは軽油21.2Lを消費して、軽油代は3290円になります。

このパターンでは使用した燃料量が581.7L、かかった軽油代が90160円となり、平均燃費は17.2km/L(-3.6km/L)、WLTCモード燃費との軽油代の差は+15640円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着で燃費が3%アップするとして、同じ条件で走行すると軽油代は87540円となり、2620円安くなります。車検2回ごとにタイヤ交換するとき、寿命までの5年間で13100円の経費削減になる計算です。純正タイヤとエコタイヤの差額がこれ以上ならお得、以下なら…?

●例2:市街地と郊外を行き来

次に、とにかく市街地と郊外を行ったり来たりする条件を想定して、市街地の走行を50%、郊外の走行を50%、高速道路は走行しない場合を見てみます。

市街地50%・郊外50%・高速0%
市街地5000km46130円
[44800円]
郊外5000km38360円
[37260円]
高速道路0km0円
[0円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
84490円
+9970円
18.3km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
82060円
-2430円
18.9km/L
  • 市街地走行の軽油代
    市街地の走行を5000kmとするとき、市街地モード燃費が16.8km/Lでは297.6Lを消費して、軽油代は46130円になります。
  • 郊外走行の軽油代
    郊外の走行を5000kmとするとき、郊外モード燃費が20.2km/Lでは247.5Lを消費して、軽油代は38360円になります。

このパターンでは使用した燃料量が545.1L、かかった軽油代が84490円となり、平均燃費は18.3km/L(-2.5km/L)、WLTCモード燃費との軽油代の差は+9970円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着では軽油代が82060円となり、1年間で2430円、5年間で12150円の経費削減になる計算です。

●例3:市街地・郊外・高速道路をMix

続いて、都市部に住んでいて郊外の職場へ通勤、あるいは郊外に住んでいて都市部の職場へ通勤、高速利用もバッチリ!という感じでシミュレーションしてみます。

市街地33.3%・郊外33.4%・高速33.3%
市街地3330km30720円
[29840円]
郊外3340km25620円
[24890円]
高速道路3330km21870円
[21240円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
78210円
+3690円
19.8km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
75970円
-2240円
20.4km/L
  • 市街地走行の軽油代
    市街地の走行を3330kmとするとき、市街地モード燃費が16.8km/Lでは198.2Lを消費して、軽油代は30720円になります。
  • 郊外走行の軽油代
    郊外の走行を3340kmとするとき、郊外モード燃費が20.2km/Lでは165.3Lを消費して、軽油代は25620円になります。
  • 高速道路走行の軽油代
    高速道路の走行を3330kmとするとき、高速道路モード燃費が23.6km/Lでは141.1Lを消費して、軽油代は21870円になります。

このパターンでは使用した燃料量が504.6L、かかった軽油代が78210円となり、平均燃費は19.8km/L(-1.0km/L)、WLTCモード燃費との軽油代の差は+3690円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着では軽油代が75970円となり、1年間で2240円、5年間で11200円の経費削減になる計算です。

●例4:農村部にお住まい

最後に、びっくりするほど田舎な住まいを想定して、市街地の走行を5%、郊外の走行を90%、高速道路の走行を5%とした場合を見てみます。

市街地5%・郊外90%・高速5%
市街地500km4620円
[4480円]
郊外9000km69050円
[67070円]
高速道路500km3290円
[3190円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
76960円
+2440円
20.1km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
74740円
-2220円
20.7km/L
  • 市街地走行の軽油代
    市街地の走行を500kmとするとき、市街地モード燃費が16.8km/Lでは29.8Lを消費して、軽油代は4620円になります。
  • 郊外走行の軽油代
    郊外の走行を9000kmとするとき、郊外モード燃費が20.2km/Lでは445.5Lを消費して、軽油代は69050円になります。
  • 高速道路走行の軽油代
    高速道路の走行を500kmとするとき、高速道路モード燃費が23.6km/Lでは21.2Lを消費して、軽油代は3290円になります。

このパターンでは使用した燃料量が496.5L、かかった軽油代が76960円となり、平均燃費は20.1km/L(-0.7km/L)、WLTCモード燃費との軽油代の差は+2440円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着では軽油代が74740円となり、1年間で2220円、5年間で11100円の経費削減になる計算です。

以上、極端な条件でのシミュレーションではありますが、走行シチュエーションによって平均燃費は変わり(17.2km/L・18.3km/L・19.8km/L・20.1km/L)、軽油代のほうもなかなかな違い(90160円・84490円・78210円・76960円)が出てくることがわかります。


市街地・郊外・高速道路の満タン航続距離

各モード燃費と航続距離
燃料タンク容量 41リットル
WLTCモード燃費
20.8km/L
852.8km
市街地燃費
16.8km/L
688.8km
[-164.0km]
郊外燃費
20.2km/L
828.2km
[-24.6km]
高速道路燃費
23.6km/L
967.6km
[+114.8km]
満タン給油価格 6355円
1km走行コスト 7.45円
1万円走行距離 1341.9km

WLTCモード燃費が20.8km/L、燃料タンク容量41リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は852.8kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(18.7km/L)とすると航続距離は766.7km、80%(16.6km/L)だと680.6km、70%(14.6km/L)では598.6kmになります。

WLTCモード燃費には市街地モード・郊外モード・高速道路モードという3つの走行パターンが内包されておりますので、参考までにそれぞれのモード燃費で燃料タンクが空になるまで走行した場合の満タン航続距離を計算してみます。

燃料タンクの容量を41Lとしたとき、市街地モード燃費16.8km/Lでの航続距離は688.8km(-164.0km)、郊外モード燃費20.2km/Lでの航続距離は828.2km(-24.6km)、高速道路モード燃費23.6km/Lでの航続距離は967.6km(+114.8km)となります。

ある特定のシチュエーションのみを、燃料タンクが空になるまで走行することはなかなかありませんが、「その気になればこのくらいの距離を走れちゃうんだぜ!」という参考データだけは持っておくと、次回の給油回数削減チャレンジでギリギリのラインを狙っていくのに役立つ、かもしれません。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から41リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、軽油(ディーゼル燃料)を1リットルあたり155円では6355円、上で計算した航続距離を踏まえると852.8km(80%燃費時680.6km)を走行するのに6355円かかる計算です。

燃費を20.8km/Lとしたときの1km走行コストは7.45円、10万km走行したときの燃料代は74.5万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら7.5万円/年、7年10万kmなら10.6万円/年、5年10万kmなら14.9万円/年、3年10万kmなら24.8万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば1341.9km(往復なら片道671.0km)、カタログ値の80%なら1073.5km(片道536.8km)離れたところまで行くことができます。

カタログデータから見えてくる要素

簡易エンジン性能曲線図
各回転域での馬力
1750回転時の馬力 75PS
3750回転時の馬力 131PS
各回転域でのトルク
1750回転時のトルク 30.6kgm
3750回転時のトルク 25.0kgm

まずおさらいとして、搭載している直列4気筒、1498ccのターボエンジンは3750回転時に最高出力131馬力を、1750回転時に最大トルク30.6kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、低めの回転数から中間域にトルクのピークがあるこのエンジンは、街中での普段使いに心地よく、高回転もそれなりでバランスの取れたタイプです。多くの乗用車がこの特性に当て嵌まるのではないかと思います。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する1750rpmから最高出力が発生する3750rpmまで」の2000rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は53.3%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
1500cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
1500cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ10.305kg/PS(1350kg/131PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ10.305kg/PS
車体+1人10.725kg/PS
車体+5人12.405kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg10.763kg/PS
車体+70kg10.840kg/PS
車体+80kg10.916kg/PS
車体+90kg10.992kg/PS
車体+100kg11.069kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは10.725kg/PS(1405kg/131PS)となり、数値としては0.420kg、比率にすると4.1%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは12.405kg/PS(1625kg/131PS)となり、数値としては2.100kg、比率にすると20.4%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

P24YH01 2008のライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2023/10

-
2008
10.725kg/PS
1405kg/131PS|1.5L-TB
[車体のみPWR:10.305]
2014/09

車種詳細
デミオ
10.810kg/PS
1135kg/105PS|1.5L-TB
車体のみPWR:10.286
2017/12

車種詳細
クロスビー
10.657kg/PS
1055kg/99PS|1.0L-TB
車体のみPWR:10.101
2016/09

車種詳細
フリード
10.802kg/PS
1415kg/131PS|1.5L-NA
車体のみPWR:10.382
2016/02

車種詳細
イグニス
10.714kg/PS
975kg/91PS|1.3L-NA
車体のみPWR:10.110
2013/12

車種詳細
ハリアー
10.695kg/PS
1615kg/151PS|2.0L-NA
車体のみPWR:10.331

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ10.725kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

10.618kg/PSから10.832kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、マツダの5人乗りハッチバック「DJ5FS型 デミオ」、スズキの5人乗りSUV「MN71S型 クロスビー」、ホンダの7人乗りミニバン「GB5型 フリード」、スズキの5人乗りSUV「FF21S型 イグニス」、トヨタの5人乗りSUV「ZSU60W型 ハリアー」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

P24YH01型 2008 [GT BlueHDi]のライバル車種|10.725kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は97.0PS/tとなっています。


2008がバイクと競争するなら…?


車種詳細
マジェスティ250|249cc
10.667kg/PS
224kg/21.0PS/2.40kgm
[車体のみPWR:8.048]
1速ギヤ速度:37.8km/h
最小TWR:1.085
2023/10

-
2008|1498cc
10.725kg/PS
1405kg/131PS/30.6kgm
[車体のみPWR:10.305]
1速ギヤ速度:29.8km/h
最小TWR:0.929

車種詳細
スカイウェイブ250|249cc
10.739kg/PS
247kg/23.0PS/2.50kgm
[車体のみPWR:8.348]
1速ギヤ速度:37.1km/h
最小TWR:1.008

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここでは2008とパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

SG01J マジェスティ250と競争してみる

まず2008より少しPWRが低いバイクとして、ヤマハのマジェスティ250が挙げられます。PWRの10.667kg/PSは車両重量169kgにライダーの体重55kgを加えた224kgを、最高出力21.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はマジェスティ250に8.0km/h劣り、1速TWRは0.156kg勝る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

CJ43A スカイウェイブ250と競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、スズキのスカイウェイブ250が挙げられます。PWRの10.739kg/PSは車両重量192kg+55kgの247kgを、最高出力23.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は7.3km/h劣り、1速TWRは0.079kg勝る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.684
平均ピストンスピード 10.60m/s
トルクウェイトレシオ 44.12kg/kgm
1馬力あたりのお値段 34000円
排気量1Lあたり馬力 87.45PS/L
排気量1Lあたりトルク 20.43kgm/L
1気筒あたりの馬力 32.8PS
1気筒あたりのトルク 7.7kgm
パワーバンド比率 53.3%
燃費×馬力 2724.8pt
各種ランキング
SUV・RV・クロカンのPWR
1.3~1.5L以下のPWR

トルクウェイトレシオは44.12kg/kgm(1350kg/30.6kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が4454000円、最高出力が131馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は34000円、逆に1万円あたりでは0.29馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は145556円、1万円あたりでは0.07kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
1500cc以下の車編
5人乗りSUV編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は87.45PS/L、トルクは20.43kgm/L、1気筒あたりの馬力は32.8馬力、トルクは7.7kgmとなり、このエンジンが131馬力を3750回転で発生させているときの平均ピストンスピードは10.60m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.684になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと小回りを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が20.8km/L、最高出力が131PSであるこの車の獲得ポイントは2724.8ptになります。
戯れに車両重量1350kgを100kg単位にした13.5で割ってみたところ、その数値は201.84ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)



2008での車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.507m
期待される荷室の幅 1.370m
対角線の長さ 2.037m
期待される荷室の面積 2.065m²

縦方向の長さが1.507m(対角線では2.037m)となれば、一般的な身長ならそれなりの車中泊を楽しむことができそうです。

車の中で足を伸ばして優雅に寝られる悦びを味わうために最低限必要な長さを備えた、車中泊のスタンダードと呼ぶに相応しい性能を有しています。

一見すると車中泊が可能そうに見えるハッチバックやワゴン、SUVであってもリアシートが前に倒れなかったり、倒れても中途半端であったり、凝った足回りのせいで室内に巨大な出っ張りがあったりで、なかなか思うようにはいきませんが、大抵のケースでは知恵と工夫で何とかなるはずです。

車中泊にあると嬉しいアイテム

ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合3750rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした4250回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 4250rpm|タイヤサイズ 215/60R17|タイヤ直径 69.0cm|円周長 216.8cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
4250rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 5.070 16.38 -
-
34km/h 12590rpm 1452.9kgm
2速 2.971 9.60 0.586 1-2/
2490rpm
58km/h 7380rpm 851.4kgm
3速 1.950 6.30 0.656 2-3/
2790rpm
88km/h 4840rpm 558.8kgm
4速 1.469 4.75 0.753 3-4/
3200rpm
116km/h 3650rpm 421.0kgm
5速 1.230 3.97 0.837 4-5/
3560rpm
139km/h 3060rpm 352.5kgm
6速 1.000 3.23 0.813 5-6/
3460rpm
171km/h 2480rpm 286.6kgm
7速 0.808 2.61 0.808 6-7/
3430rpm
212km/h 2010rpm 231.6kgm
8速 0.672 2.17 0.832 7-8/
3540rpm
255km/h 1670rpm 192.6kgm
Final 3.231 レシオカバレッジ(変速比幅)7.545

  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数1750rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.231)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(30.6kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.231)÷タイヤの有効半径(0.345m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は8速ギヤの255km(3750rpmでは224.7km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが1750回転で最大トルク30.6kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば44.12kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(10.305kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと1452.9kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1350kg)を1速ギヤの最大駆動力(1452.9kgm)で割ってみると0.929kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する3750回転でのトルク(25.0kgm)からTWRを算出すると1.137kg/kgmとなり、1750-3750回転の回転域では0.929-1.137kg/kgmの間で推移することがわかります。


おまけ:3750rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

P24YH01型2008に搭載された1498ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する3750rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

3750rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ30km/h-
2速ギヤ51km/h2200rpm
3速ギヤ77km/h2460rpm
4速ギヤ103km/h2820rpm
5速ギヤ123km/h3140rpm
6速ギヤ151km/h3050rpm
7速ギヤ187km/h3030rpm
8速ギヤ225km/h3120rpm

まず1速ギヤで3750rpmまで引っ張ると30km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は3750rpmから2200rpmまで落ち、そこから3750rpmまで加速を続けると速度は51km/h(+21km/h)になります。

3速ギヤでは2460rpmまで落ちて3750rpmで77km/h(+26km/h)に、4速ギヤでは2820rpmまで落ちて3750rpmで103km/h(+26km/h)に、5速ギヤでは3140rpmまで落ちて3750rpmで123km/h(+20km/h)になります。

続いて6速ギヤでは3050rpmまで落ちて3750rpmで151km/h(+28km/h)に、7速ギヤでは3030rpmまで落ちて3750rpmで187km/h(+36km/h)に、8速ギヤでは3120rpmまで落ちて3750rpmで225km/h(+38km/h)という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 5040 7560 10070 12590 15110 17630 22670
2速 2950 4430 5900 7380 8860 10330 13280
3速 1940 2910 3870 4840 5810 6780 8720
4速 1460 2190 2920 3650 4380 5110 6570
5速 1220 1830 2440 3060 3670 4280 5500
6速 990 1490 1990 2480 2980 3480 4470
7速 800 1200 1610 2010 2410 2810 3610
8速 670 1000 1340 1670 2000 2340 3000
※赤い数字は暫定レブリミット(4250rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.672)を選択して時速100kmにて走行すると1670回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1000回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1170回転、一般的な高速道路の80km/hでは1340回転、100km/hでは1670回転、制限速度が120km/hになると2000回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは3000回転まで回ります。

これほどまでに時速100kmでの巡航回転数が低ければ、(パワーさえ足りていれば)高速道路では向かうところ敵なしです。エンジンノイズによる疲れとは無縁の世界、ただひたすらに回り続けるエンジンのなんと頼もしいことでしょう。これに合わせてタイヤのロードノイズ、風きり音すらも完璧に抑え込まれていたならば、これはもはや完全無欠の高級車です。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 8 16 24 32 40 48 56 64
2速 14 27 41 54 68 81 95 108
3速 21 41 62 83 103 124 145 165
4速 27 55 82 110 137 164 192 219
5速 33 65 98 131 164 196 229 262
6速 40 81 121 161 201 242 282 322
7速 50 100 149 199 249 299 349 399
8速 60 120 180 240 300 359 419 479

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(4250回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの215/60R17と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 215/60R17 | 直径 690mm

-20mm
幅195mm
-10mm
幅205mm
変更なし
幅215mm
+10mm
幅225mm
+20mm
幅235mm
-5%
55
扁平
195/55R17
37.5km/h
直径647mm
径差-43mm
205/55R17
38.1km/h
直径658mm
径差-32mm
215/55R17
38.8km/h
直径669mm
径差-21mm
225/55R17
39.4km/h
直径680mm
径差-10mm
235/55R17
40.1km/h
直径691mm
径差+1mm
0%
60
扁平
195/60R17
38.6km/h
直径666mm
径差-24mm
205/60R17
39.3km/h
直径678mm
径差-12mm
215/60R17
40.0km/h
690mm
0mm
225/60R17
40.7km/h
直径702mm
径差+12mm
235/60R17
41.4km/h
直径714mm
径差+24mm
+5%
65
扁平
195/65R17
39.8km/h
直径686mm
径差-4mm
205/65R17
40.5km/h
直径699mm
径差+9mm
215/65R17
41.3km/h
直径712mm
径差+22mm
225/65R17
42.0km/h
直径725mm
径差+35mm
235/65R17
42.8km/h
直径738mm
径差+48mm
+10%
70
扁平
195/70R17
40.9km/h
直径705mm
径差+15mm
205/70R17
41.7km/h
直径719mm
径差+29mm
215/70R17
42.5km/h
直径733mm
径差+43mm
225/70R17
43.3km/h
直径747mm
径差+57mm
235/70R17
44.1km/h
直径761mm
径差+71mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、195/60R17、195/65R17 、205/55R17、205/60R17 、215/55R17 、225/55R17 あたりのタイヤがおすすめです。

215/60R17のタイヤ幅を195mmから245mmまで、扁平率を45%から75%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、215/60R17の適応サイズと性能の変化 [P24YH01型2008編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】215/60R17のタイヤ銘柄と通販価格

P24YH01型2008[1.5Lターボ FF/8AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト10.305kg/ps48.53
1速ギヤ加速性能0.929kg/kgm63.82
1L換算馬力87.45ps/L44.30
1L換算トルク20.43kgm/L63.94
WB/TR比1.68459.18
ワイド&ロー指数0.87651.21
前面の面積2.744m²46.73
最低地上高205mm29.47
スポーツ性能部門の得点407.18

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
WLTC燃費20.8km/L59.43
年間維持費207200円60.94
100kmh回転数1670rpm60.88
航続距離852.8km58.06
車の大きさ11.811m³51.41
室内の広さ(仮) 2.142m³37.86
最小回転半径5.4m45.31
馬力単価34000円33.64
ユーティリティ部門の得点407.53

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した P24YH01型2008[1.5Lターボ FF/8AT] の総合得点は 814.71 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したP24YH01型2008(FF/8AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全ての5人乗SUV」、「1500ccの5人乗SUV」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

2008の歴代モデル

2代目 P24HN05型 2008
P24HN05 2008は2020/09に登場した2代目モデル。参考車両の「Allure」は全長4305mm、全幅1770mm、全高1550mmの車体に、131PS/23.5kgmを発生する1199ccエンジンを搭載した5人乗りSUV。

初代 A94HM01型 2008
A94HM01 2008は2014/02に登場した初代モデル。参考車両の「Premium」は全長4160mm、全幅1740mm、全高1550mmの車体に、82PS/12.0kgmを発生する1199ccエンジンを搭載した5人乗りSUV。