WGY60 サファリの性能と維持費 4WD/5MT 7人 326万円 1991年式

このページでは、日産自動車の5ドア・7人乗りSUV、2代目のE-WGY60型サファリ Extra HR GranRoad【1991/10モデル・175PS/32.6kgm・PT4WD/MT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

WGY60 サファリ
販売期間:1987/10 - 1997/10

画像は日産自動車より引用
http://www.nissan.co.jp/
投稿:2022/10/16|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長4845mm×全幅1930mm×全高1985mm、排気量は4169ccであることから、大雑把に分類すると4.2リットルクラス(4200cc、自動車税は4.5L以下を適用)に属し、全長、全幅、排気量ともに5ナンバー枠を超えていることにより完全無欠の3ナンバー登録車です。いわゆる【高級車】にカテゴライズされます。
参考:150PS~200PSの自動車 一覧

駆動方式には車両に備わる全てのタイヤを駆動する、いわゆる四輪駆動(All Wheel Drive・AWD・Four Wheel Drive・4WDとも)を採用しています。真っ直ぐ進むことに掛けては右に出る者なしとされ、大雨、強風、泥濘、降雪、凍結など天変地異による悪天候下や悪路にて無類の強さを発揮する安心の駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4845mmであるこの車の場合は「アッパーミディアム」(Upper-Medium:4650mm超-4900mm以下・Eセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


WGY60型 サファリ [4169cc/175PS PT4WD/5MT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

2代目サファリの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
1995/08
WRGY60型
[Extra ハイルーフ]
4.2L-TB・4WD/4AT・331.3万円
145PS・33.7kgm・-
145PS
33.7kgm
-
1995/08
WYY60型
[Spirit 2D type-I]
2.8L-TB・4WD/5MT・260.1万円
125PS・26.0kgm・-
125PS
26.0kgm
-
1995/08
WRGY60型
[Extra NR Kings-Road]
4.2L-TB・4WD/4AT・395.8万円
145PS・33.7kgm・-
145PS
33.7kgm
-
2代目 サファリ 型式一覧 Y60系まとめ 1987-1997【全12車種】
サファリの新型モデル
3代目 WFGY61型サファリ
WFGY61型サファリは1997/10に登場した3代目モデル。参考車両の「Granroad 7人乗り」は全長5050mm、全幅1940mm、全高1865mmの車体に、245PS/40.8kgmを発生するTB48型4758ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー 日産自動車
車名&
グレード
サファリ
Extra HR GranRoad
その他 エクストラ ハイルーフ グランロード | 副変速機のギヤ比は1.000として計算
お値段 3255000円
車両型式 E-WGY60
駆動方式
変速機
パートタイム4WD・四輪駆動(AWD)
5速MT・5速マニュアル車
ドア/定員 5ドア/7名乗車
車体寸法 長4845×幅1930×高1985mm
室内寸法 長2490×幅1445×高1360mm
軸距&
輪距
2970mm
前1580mm/後1585mm
最小半径 6.7m
最低高 215mm
タイヤ 前輪:265/70R16
後輪:265/70R16
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
車両重量 2120kg
エンジン諸元
原動機型式 TB42E
気筒配列 直列6気筒
排気量4169cc
圧縮比8.5
吸気方式 自然吸気(NA・ノンターボ)
最高出力 175PS[129kW]/4200rpm
最大トルク 32.6kgm[320Nm]/3200rpm
使用燃料 レギュラーガソリン
10・15燃費 5.2km/L(12.2mpg)
100km燃費 19.2L/100km
TB42E型エンジンの諸元と性能まとめ
直列6気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に6個配置する方式。理論上では完全バランスなれど今や絶滅危惧種。
直列6気筒エンジンを搭載する車種の一覧
直列6気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税87900円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税31500円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額8000円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、1991/10モデルのサファリを33年落ちの中古で71.6万円にて購入し、頭金なしで2年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    サファリの1991/10モデルの場合、2024年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の20%である65.1万円に諸経費として6.5万円を足した71.6万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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1991年式を33年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 4500cc以下 13年経過 87900円
自動車重量税(1年分) 2.5トン以下 18年経過 31500円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
燃料代(年間1万km) 10000km÷4.4km/L×175円/L 397730円
オイル交換(5000km毎) 1回7000円×2回 14000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本12000円×4本÷5年 9600円
任意保険料(月額8000円) 月額8000円×12ヶ月 96000円
ローン完済後の年間維持費 645600円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額29840円×12ヶ月 358080円
ローン返済中の年間維持費 1003700円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 83700円
名目 金額
自動車税(1年分) 87900円
自動車重量税(1年分) 31500円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
397730円
(278410円)
(198870円)
(119320円)
オイル交換(5000km毎) 14000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 9600円
任意保険料(月額8000円) 96000円
ローン完済後の年間維持費 645600円
名目 金額
車のローン額(1年分) 358080円
ローン返済中の年間維持費 1003700円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
83700円
  • 初度登録から13年以上経過車の場合、「4500cc以下で13年経過」クラスの自動車税は87900円、「2.5トン以下で18年経過」クラスの自動車重量税は31500円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに7000円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本12000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額8000円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした83700円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

天に見放されし生粋のド貧民には考えも及ばぬ世界です。金額を見ただけで気が遠くなります。その維持費は月額でさえ53800円(ローン完済前は83700円)にもなる車を所有する、どうやって…?食うものも食わず、着るものも着ず…?いやあ、そこまでやってもまだまだ、さらに限界まで節制に節制を極めたとしても、それでもなお手の届かぬ未知の領域です。

天に魅入られし大富豪でもなければ、お給金の大半をサファリに吸い取られ泣くハメになりそうですが、ということはつまり、この車のステータス性は抜群であると言えます。

サファリの維持費は高い?安い?

「サファリの年間維持費は645600円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「4500ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてサファリの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いクイックデリバリー200348670円-296930円
7シリーズ433500円-212100円
M8 グランクーペ437500円-208100円
セルシオ483200円-162400円
基準4500ccクラス平均526100円-119500円
XJ562100円-83500円
S6 セダン596900円-48700円
レンジローバー ヴォーグ610700円-34900円
サファリの維持費645600円
高いサファリ672900円+27300円

サファリの年間維持費を、4500ccクラスで最も維持費が安いクイックデリバリー200と比較して296930円高く、最も高いサファリと比較して27300円安く、4500ccクラスの平均維持費との比較では119500円高くなっています。

最低額のクイックデリバリー200と最高額のサファリは極端な例としても、4500ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、サファリの維持費は ものすごく高い! と言えそうです。

年間維持費が安い 4500ccクラスの車 ランキング

サファリを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟%年収月給手取り
10%840万円70万円54万円
15%560万円47万円37万円
20%420万円35万円27万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は840万円(総支給額70万円/月、手取り54万円/月)、ここから月額維持費5.4万円を支払うと残りは48.6万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は560万円(総支給額47万円/月、手取り37万円/月)、5.4万円を支払うと残りは31.6万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が420万円(総支給額35万円/月、手取り27万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。5.4万円を引くと残りは21.6万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代40万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、レギュラーガソリン1リットルあたり175円を基準として、-50円となる125円から、+50円となる225円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費4.4km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
125円/L
284100円
[-113630円]
-25円
150円/L
340920円
[-56810円]
-10円
165円/L
375020円
[-22710円]
175円/L397730円
[0円]
+10円
185円/L
420470円
[+22740円]
+25円
200円/L
454570円
[+56840円]
+50円
225円/L
511390円
[+113660円]

燃費4.4km/LのWGY60型 サファリで10000km走行するのに必要な燃料は2272.8L、1リットルあたり175円としたときの燃料代は397730円になります。

参考までに、サファリの燃料タンクは95リットルですので、2272.8Lの給油回数は24回、1回あたりの燃料代は約16580円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては22740円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると56840円、50円も違ってくると113660円にもなります。

これをWGY60型 サファリの年間維持費に当てはめてみますと、レギュラーガソリン1リットルあたり175円の場合を645600円としたとき、125円/Lに値下がりすれば531970円(82.4%)に、225円/Lに値上がりすれば759260円(117.6%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(87900円)なり重量税(31500円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 87900円 26%
自動車重量税 1年分 31500円 9%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 3000km分 119320円 35%
オイル交換 年1回 7000円 2%
タイヤ交換 6年毎 6400円 2%
任意保険料 80% 76800円 23%
合計
[1万kmとの差額]
337800円
-307800円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 87900円 21%
自動車重量税 1年分 31500円 7%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 5000km分 198870円 47%
オイル交換 年1回 7000円 2%
タイヤ交換 6年毎 6400円 2%
任意保険料 85% 81600円 19%
合計
[1万kmとの差額]
422100円
-223500円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 87900円 17%
自動車重量税 1年分 31500円 6%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 7000km分 278410円 55%
オイル交換 年1回 9800円 2%
タイヤ交換 6年毎 6400円 1%
任意保険料 90% 86400円 17%
合計
[1万kmとの差額]
509300円
-136300円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料96000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて307800円安い337800円に、5000km走行では223500円安い422100円に、7000km走行では136300円安い509300円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 87900円 10%
自動車重量税 1年分 31500円 4%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 15000km分 596600円 68%
オイル交換 年3回 42000円 5%
タイヤ交換 2.7年毎 14400円 2%
任意保険料 100% 96000円 10%
合計
[1万kmとの差額]
877300円
+231700円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 87900円 8%
自動車重量税 1年分 31500円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 20000km分 795460円 73%
オイル交換 年4回 56000円 5%
タイヤ交換 2年毎 19200円 2%
任意保険料 100% 96000円 8%
合計
[1万kmとの差額]
1094900円
+449300円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
日産の小型車&普通車編
4500cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
7人乗りSUV・RV編

サファリの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
10・15モード燃費 5.2km/L
燃料タンク容量 95L
航続距離(カタログ燃費) 494.0km
航続距離(80%燃費) 399.0km
満タンプライス 16625円
1km走行コスト 33.65円
1万円でどこまで行ける? 297.1km

10・15モード燃費が5.2km/L、燃料タンク容量95リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は494.0kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(4.7km/L)とすると航続距離は446.5km、80%(4.2km/L)だと399.0km、70%(3.6km/L)では342.0kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から95リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、レギュラーガソリンを1リットルあたり175円では16625円、上で計算した航続距離を踏まえると494.0km(80%燃費時399.0km)を走行するのに16625円かかる計算です。

燃費を4.4km/Lとしたときの1km走行コストは33.65円、10万km走行したときの燃料代は336.5万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら33.6万円/年、7年10万kmなら48.1万円/年、5年10万kmなら67.3万円/年、3年10万kmなら112.2万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば297.1km(往復なら片道148.6km)、カタログ値の80%なら237.7km(片道118.9km)離れたところまで行くことができます。

カタログデータから見えてくる要素

TB42E型エンジン簡易性能曲線図
各回転域での馬力
3200回転時の馬力 146PS
4200回転時の馬力 175PS
各回転域でのトルク
3200回転時のトルク 32.6kgm
4200回転時のトルク 29.8kgm
TB42E型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載しているTB42型4169cc、直列6気筒の自然吸気エンジンは4200回転時に最高出力175馬力を、3200回転時に最大トルク32.6kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、最大トルクと最高出力の発生回転数が程よく近いこのエンジンは、高めの回転数が得意なタイプのエンジンです。日常での使い勝手をある程度は確保しつつ、高回転のパワー感もしっかり伴う雰囲気の良さが自慢です。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する3200rpmから最高出力が発生する4200rpmまで」の1000rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は23.8%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
4500cc以下クラス編
日産の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
4500cc以下クラス編
日産の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ12.114kg/PS(2120kg/175PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ12.114kg/PS
車体+1人12.429kg/PS
車体+7人14.314kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg12.457kg/PS
車体+70kg12.514kg/PS
車体+80kg12.571kg/PS
車体+90kg12.629kg/PS
車体+100kg12.686kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは12.429kg/PS(2175kg/175PS)となり、数値としては0.315kg、比率にすると2.6%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの7人が搭乗した場合、車両重量に385kgがプラスされてパワーウェイトレシオは14.314kg/PS(2505kg/175PS)となり、数値としては2.200kg、比率にすると18.2%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

WGY60 サファリのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
1991/10

-
サファリ
12.429kg/PS
2175kg/175PS|4.2L-NA
[車体のみPWR:12.114]
2013/04

車種詳細
500S
12.529kg/PS
1065kg/85PS|0.9L-TB
車体のみPWR:11.882
2015/07

車種詳細
シエンタ
12.523kg/PS
1365kg/109PS|1.5L-NA
車体のみPWR:12.018
2004/10

車種詳細
インサイト
12.500kg/PS
875kg/70PS|1.0L-NA
車体のみPWR:11.714
2015/02

車種詳細
CX-3
12.333kg/PS
1295kg/105PS|1.5L-TB
車体のみPWR:11.810
2019/05

車種詳細
MAZDA3 ファストバック
12.387kg/PS
1375kg/111PS|1.5L-NA
車体のみPWR:11.892

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ12.429kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

12.305kg/PSから12.553kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、フィアットの4人乗りハッチバック「31209型 500S」、トヨタの7人乗りミニバン「NSP170G型 シエンタ」、ホンダの2人乗りクーペ「ZE1型 インサイト」、マツダの5人乗りSUV「DK5FW型 CX-3」、マツダの5人乗りハッチバック「BP5P型 MAZDA3 ファストバック」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

WGY60型 サファリ [Extra HR GranRoad]のライバル車種|12.429kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は82.5PS/tとなっています。


サファリがバイクと競争するなら…?


車種詳細
CB125R|124cc
12.333kg/PS
185kg/15.0PS/1.20kgm
[車体のみPWR:8.667]
1速ギヤ速度:35.9km/h
最小TWR:1.030
1991/10

-
サファリ|4169cc
12.429kg/PS
2175kg/175PS/32.6kgm
[車体のみPWR:12.114]
1速ギヤ速度:35.1km/h
最小TWR:1.442

車種詳細
GSX-S125|124cc
12.533kg/PS
188kg/15.0PS/1.10kgm
[車体のみPWR:8.867]
1速ギヤ速度:37.5km/h
最小TWR:1.203

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではサファリとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

JC91 CB125Rと競争してみる

まずサファリより少しPWRが低いバイクとして、ホンダのCB125Rが挙げられます。PWRの12.333kg/PSは車両重量130kgにライダーの体重55kgを加えた185kgを、最高出力15.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はCB125Rに0.8km/h劣り、1速TWRは0.412kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

DL32B GSX-S125と競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、スズキのGSX-S125が挙げられます。PWRの12.533kg/PSは車両重量133kg+55kgの188kgを、最高出力15.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は2.4km/h劣り、1速TWRは0.239kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.876
平均ピストンスピード 13.44m/s
トルクウェイトレシオ 65.03kg/kgm
1馬力あたりのお値段 18600円
排気量1Lあたり馬力 41.98PS/L
排気量1Lあたりトルク 7.82kgm/L
1気筒あたりの馬力 29.2PS
1気筒あたりのトルク 5.4kgm
パワーバンド比率 23.8%
燃費×馬力 773.5pt
各種ランキング
SUV・RV・クロカンのPWR
4.0~4.5L以下のPWR

トルクウェイトレシオは65.03kg/kgm(2120kg/32.6kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が3255000円、最高出力が175馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は18600円、逆に1万円あたりでは0.54馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は99847円、1万円あたりでは0.10kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
日産編
4500cc以下の車編
7人乗りSUV編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は41.98PS/L、トルクは7.82kgm/L、1気筒あたりの馬力は29.2馬力、トルクは5.4kgmとなり、このエンジンが175馬力を4200回転で発生させているときの平均ピストンスピードは13.44m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が96.0mmであるTB42型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6250回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.876になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと真っ直ぐ進むことを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が4.42km/L、最高出力が175PSであるこの車の獲得ポイントは773.5ptになります。
戯れに車両重量2120kgを100kg単位にした21.2で割ってみたところ、その数値は36.49ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


人間様の占有スペース

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

人間様の占有スペース
室内長×室内幅×室内高 4.893m³
1人あたりのスペース 0.699m³
室内長/全長 51.4%
室内幅/全幅 74.9%
室内高/全高 68.5%
室内容積/車両体積 26.4%

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は4.893m³です。この車の乗車定員は7人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.699m³のスペースが割り当てられることになります。続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は51.4%、同じく室内幅と全幅の比率は74.9%、同じく室内高と全高の比率は68.5%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は26.4%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車 室内幅が広い車 室内高が高い車 車内の空間が広い車
室内長が長い車
室内幅が広い車
室内高が高い車
車内の空間が広い車


サファリでの車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.696m
期待される荷室の幅 1.345m
対角線の長さ 2.165m
期待される荷室の面積 2.281m²

縦方向の長さが1.696m(対角線では2.165m)ともなると、もはや車の中で生活しても良いんじゃないかと錯覚しかねないほど快適な睡眠が約束されます。

日頃の行いが悪いとか、人様には言えないことをやらかしたとか、誰の顔も見たくないなどの訳アリで家に帰れず、やむなく車中泊をしてみたが最期、あまりの気楽さに心を奪われ流浪の民となりかねません。

一見すると車中泊が可能そうに見えるハッチバックやワゴン、SUVであってもリアシートが前に倒れなかったり、倒れても中途半端であったり、凝った足回りのせいで室内に巨大な出っ張りがあったりで、なかなか思うようにはいきませんが、大抵のケースでは知恵と工夫で何とかなるはずです。

車中泊にあると嬉しいアイテム

ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合4200rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした4700回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 4700rpm|タイヤサイズ 265/70R16|タイヤ直径 77.7cm|円周長 244.1cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
4700rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 4.262 17.52 -
-
39km/h 11960rpm 1470.2kgm
2速 2.455 10.09 0.576 1-2/
2710rpm
68km/h 6890rpm 846.9kgm
3速 1.422 5.85 0.579 2-3/
2720rpm
118km/h 3990rpm 490.5kgm
4速 1.000 4.11 0.703 3-4/
3300rpm
167km/h 2810rpm 345.0kgm
5速 0.850 3.49 0.850 4-5/
4000rpm
197km/h 2390rpm 293.2kgm
Final 4.111 レシオカバレッジ(変速比幅)5.014

  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数3200rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.111)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(32.6kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.111)÷タイヤの有効半径(0.3885m)で算出。
  • 副変速機のギヤ比が不明のものはHi側に1.000を代入しているので、実際の回転数とは大きく異なる場合があります。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は5速ギヤの197km(4200rpmでは176.0km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが3200回転で最大トルク32.6kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば65.03kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(12.114kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと1470.2kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(2120kg)を1速ギヤの最大駆動力(1470.2kgm)で割ってみると1.442kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する4200回転でのトルク(29.8kgm)からTWRを算出すると1.577kg/kgmとなり、3200-4200回転の回転域では1.442-1.577kg/kgmの間で推移することがわかります。


おまけ:4200rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

WGY60型サファリに搭載されたTB42型4169ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する4200rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

4200rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ35km/h-
2速ギヤ61km/h2420rpm
3速ギヤ105km/h2430rpm
4速ギヤ150km/h2950rpm
5速ギヤ176km/h3570rpm

まず1速ギヤで4200rpmまで引っ張ると35km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は4200rpmから2420rpmまで落ち、そこから4200rpmまで加速を続けると速度は61km/h(+26km/h)になります。

3速ギヤでは2430rpmまで落ちて4200rpmで105km/h(+44km/h)に、4速ギヤでは2950rpmまで落ちて4200rpmで150km/h(+45km/h)に、5速ギヤでは3570rpmまで落ちて4200rpmで176km/h(+26km/h)という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4790 7180 9570 11960 14360 16750 21530
2速 2760 4130 5510 6890 8270 9650 12400
3速 1600 2390 3190 3990 4790 5590 7180
4速 1120 1680 2250 2810 3370 3930 5050
5速 950 1430 1910 2390 2860 3340 4290
※赤い数字は暫定レブリミット(4700rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.850)を選択して時速100kmにて走行すると2390回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1430回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1670回転、一般的な高速道路の80km/hでは1910回転、100km/hでは2390回転、制限速度が120km/hになると2860回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは4290回転まで回ります。

一般的な自動車であれば時速100kmでの巡航回転数は2500回転付近に落ち着くようですが、その中でも若干低めの回転数となっています。標準的なギヤ比の範囲内ながらも加速よりも静粛性や燃費に重きを置いた設定なので、急な坂道や長く続く坂道では積極的にギヤを1段下げる操作が必要になるかもしれません。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 8 17 25 33 42 50 59 67
2速 15 29 44 58 73 87 102 116
3速 25 50 75 100 125 150 175 200
4速 36 71 107 143 178 214 249 285
5速 42 84 126 168 210 251 293 335

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(4700回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの265/70R16と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 265/70R16 | 直径 777mm

-20mm
幅245mm
-10mm
幅255mm
変更なし
幅265mm
+10mm
幅275mm
+20mm
幅285mm
-5%
65
扁平
245/65R16
37.3km/h
直径725mm
径差-52mm
255/65R16
38.0km/h
直径738mm
径差-39mm
265/65R16
38.7km/h
直径751mm
径差-26mm
275/65R16
39.3km/h
直径764mm
径差-13mm
285/65R16
40.0km/h
直径777mm
径差0mm
0%
70
扁平
245/70R16
38.6km/h
直径749mm
径差-28mm
255/70R16
39.3km/h
直径763mm
径差-14mm
265/70R16
40.0km/h
777mm
0mm
275/70R16
40.7km/h
直径791mm
径差+14mm
285/70R16
41.4km/h
直径805mm
径差+28mm
+5%
75
扁平
245/75R16
39.8km/h
直径774mm
径差-3mm
255/75R16
40.6km/h
直径789mm
径差+12mm
265/75R16
41.4km/h
直径804mm
径差+27mm
275/75R16
42.2km/h
直径819mm
径差+42mm
285/75R16
42.9km/h
直径834mm
径差+57mm
+10%
80
扁平
245/80R16
41.1km/h
直径798mm
径差+21mm
255/80R16
41.9km/h
直径814mm
径差+37mm
265/80R16
42.7km/h
直径830mm
径差+53mm
275/80R16
43.6km/h
直径846mm
径差+69mm
285/80R16
44.4km/h
直径862mm
径差+85mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、245/70R16、245/75R16 、255/65R16、255/70R16 、265/65R16 、275/65R16 、285/65R16あたりのタイヤがおすすめです。

265/70R16のタイヤ幅を245mmから295mmまで、扁平率を55%から85%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、265/70R16の適応サイズと性能の変化 [WGY60型サファリ編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】265/70R16のタイヤ銘柄と通販価格

WGY60型サファリ[4.2L-NA PT4WD/5MT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト12.114kg/ps43.58
1速ギヤ加速性能1.442kg/kgm52.86
1L換算馬力41.98ps/L25.47
1L換算トルク7.82kgm/L29.88
WB/TR比1.87639.38
ワイド&ロー指数1.02840.19
前面の面積3.831m²16.29
最低地上高215mm25.41
スポーツ性能部門の得点273.06

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
10-15燃費5.2km/L32.87
年間維持費645600円20.78
100kmh回転数2390rpm51.38
航続距離494.0km37.28
車の大きさ18.561m³78.16
室内の広さ4.893m³64.04
最小回転半径6.7m18.78
馬力単価18600円53.89
ユーティリティ部門の得点357.18

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した WGY60型サファリ[4.2L-NA PT4WD/5MT] の総合得点は 630.24 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したWGY60型サファリ(PT4WD/5MT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全ての7人乗SUV」、「4500ccの7人乗SUV」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

サファリの歴代モデル

3代目 WRGY61型 サファリ
WRGY61 サファリは1997/10に登場した3代目モデル。参考車両の「RX 7人乗り」は全長4910mm、全幅1840mm、全高1865mmの車体に、160PS/33.7kgmを発生するTD42型4169ccエンジンを搭載した7人乗りSUV。

2代目 WYY60型 サファリ
WYY60 サファリは1987/10に登場した2代目モデル。参考車両の「Spirit 2D type-I」は全長4275mm、全幅1800mm、全高1820mmの車体に、125PS/26.0kgmを発生するRD28型2825ccエンジンを搭載した5人乗りSUV。