R35 GT-R 性能と維持費 4WD/6AT 4人 793万円 2007年式

このページでは、日産自動車の2ドア・4人乗りクーペ、初代のCBA-R35型GT-R Black-Edition【2007/12モデル・480PS/60.0kgm・4WD/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

R35 GT-R
販売期間:2007/12 -

画像は日産自動車より引用
http://www.nissan.co.jp/
投稿:|更新:

ボディサイズが全長4655mm×全幅1895mm×全高1370mm、排気量は3799ccであることから、大雑把に分類すると3.8リットルクラス(3800cc、自動車税は4.0L以下を適用)に属し、全長、全高は5ナンバー枠ながら全幅が1.7mを超え、排気量も2000ccを超えていることにより3ナンバー登録になります。比較的コンパクトなボディに大きめなエンジンの組み合わせは世界戦略車(グローバルカー)やちょっとした高級車に良くあるパターンです。
参考:450PS~500PSの自動車 一覧

駆動方式には車両に備わる全てのタイヤを駆動する、いわゆる四輪駆動(All Wheel Drive・AWD・Four Wheel Drive・4WDとも)を採用しています。真っ直ぐ進むことに掛けては右に出る者なしとされ、大雨、強風、泥濘、降雪、凍結など天変地異による悪天候下や悪路にて無類の強さを発揮する安心の駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4655mmであるこの車の場合は「アッパーミディアム」(Upper-Medium:4650mm超-4900mm以下・Eセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。

R35型 GT-R [3799cc/480PS 4WD/6AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

初代GT-Rの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2019/10
R35型
[Pure-edition 2020]
3.8L-TB・4WD/6AT・1063.2万円
570PS・65.0kgm・7.8km/L
570PS
65.0kgm
7.8km/L
2016/07
R35型
[Pure-edition 2017]
3.8L-TB・4WD/6AT・996.1万円
570PS・65.0kgm・8.8km/L
570PS
65.0kgm
8.8km/L
2011/11
R35型
[Egoist-2012model]
3.8L-TB・4WD/6AT・1500.0万円
550PS・64.5kgm・8.7km/L
550PS
64.5kgm
8.7km/L
初代 GT-R 型式一覧 R35系まとめ 2007-【全9車種】

R35 GT-Rの主要諸元と大きさ比較

主要諸元
メーカー 日産自動車
車名&
グレード
GT-R
Black-Edition
その他 -
お値段 7927500円
車両型式 CBA-R35
駆動方式
変速機
4WD・四輪駆動(AWD)
6速AT・6速オートマ車
ドア/定員 2ドア・4名乗車
ホイールベース 2780mm
トレッド 1590mm/1600mm
WB/TR比 1.743
最小半径 5.7m
最低高 110mm
タイヤ 前輪:255/40R20
後輪:285/35R20
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
車両重量 1740kg

※WB/TR比はホイールベーストレッド比の略。値が大きいほど直進安定性に優れ、小さいほど旋回性能が高くなりやすい。全ての車種の平均値は1.773。

GT-Rと各規格の大きさ比較
規格名 規格寸法 増減
GT-R
車体寸法
全長 4655mm -
全幅 1895mm -
全高 1370mm -
大きさ 12.09m3 -
軽自動車
新規格
全長 3400mm以下 +1255mm
全幅 1480mm以下 +415mm
全高平均 1640mm -270mm
大きさ平均 8.13m3 +3.96m3
小型車規格
5ナンバー車
全長 4700mm以下 -45mm
全幅 1700mm以下 +195mm
全高平均 1496mm -126mm
大きさ平均 10.47m3 +1.62m3
普通車平均
3ナンバー車
全長平均 4643mm +12mm
全幅平均 1815mm +80mm
全高平均 1518mm -148mm
大きさ平均 12.84m3 -0.75m3

※上記グラフは100のラインを上回れば平均値以上、下回れば平均値以下を表す。グラフの伸びが大きいほど各規格の車両に対して相対的に車体が長い・広い・高い。※普通乗用車(3ナンバー車)の条件は全長4700mm超または全幅1700mm超または全高2000mm超と上限値が曖昧なため、ここでは普通乗用車に属する全ての車種の平均値との比較。※軽自動車・小型乗用車の全高はいずれも2000mm以下。ただし、ここでは各規格に属する車種の全高の平均値との比較。


R35 GT-Rの室内広さを各規格の車両と比較

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

GT-Rの室内広さを各規格の車両と比較
規格名 規格寸法 増減
GT-R
室内広さ
室内長 1750mm -
室内幅 1475mm -
室内高 1095mm -
車内広さ 2827L -
軽自動車
新規格
室内長平均 1908mm -158mm
室内幅平均 1280mm +195mm
室内高平均 1283mm -188mm
車内広さ平均 3171L -344L
小型車規格
5ナンバー車
室内長平均 1913mm -163mm
室内幅平均 1403mm +72mm
室内高平均 1195mm -100mm
車内広さ平均 3251L -424L
普通車平均
3ナンバー車
室内長平均 2049mm -299mm
室内幅平均 1483mm -8mm
室内高平均 1195mm -100mm
車内広さ平均 3697L -870L

※上記グラフは100のラインを上回れば平均値以上、下回れば平均値以下を表す。グラフの伸びが大きいほど各規格の車両に対して相対的に室内が長い・広い・高い。

人間様の占有スペースと容積効率
室内長×室内幅×室内高 2.826m³
1人あたりのスペース 0.707m³
室内長/全長 37.6%
室内幅/全幅 77.8%
室内高/全高 79.9%
室内容積/車両体積 23.4%

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は2.826m³です。この車の乗車定員は4人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.707m³のスペースが割り当てられることになります。

続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は37.6%、同じく室内幅と全幅の比率は77.8%、同じく室内高と全高の比率は79.9%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は23.4%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車 室内幅が広い車 室内高が高い車 車内の空間が広い車
室内長が長い車
室内幅が広い車
室内高が高い車
車内の空間が広い車


GT-Rでの車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.629m
期待される荷室の幅 1.375m
対角線の長さ 2.132m
期待される荷室の面積 2.240m²

縦方向の長さが1.629m(対角線では2.132m)ともなると、もはや車の中で生活しても良いんじゃないかと錯覚しかねないほど快適な睡眠が約束されます。

日頃の行いが悪いとか、人様には言えないことをやらかしたとか、誰の顔も見たくないなどの訳アリで家に帰れず、やむなく車中泊をしてみたが最期、あまりの気楽さに心を奪われ流浪の民となりかねません。

セダンやクーペであっても後部座席の背もたれを取り外してトランクルームと貫通させて荷室長を確保すれば良いだけの話です。たまに背もたれを取り外してもトランクルームと繋がっていなかったり、頑強な補強バーが入っていて邪魔されることもありますが、恐らく稀なケースです。

車中泊にあると嬉しいアイテム


R35 GT-Rの税金・年間維持費シミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税76400円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税25200円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額7500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、GT-Rの新車を911.6万円(諸費用として118.9万円を加算)にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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新車で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税 4000cc以下 13年経過 76400円
自動車重量税
1年分
2.0トン以下 18年経過 25200円
自賠責保険料
(1年換算)
自家用乗用車 8825円
燃料代
年間1万㎞
1万㎞÷7.0㎞/L×195円/L 278570円
オイル交換
5000km毎
1回8000円×2回 16000円
タイヤ交換
5年5万km毎
1本24000円×4本÷5年 19200円
任意保険料
月額7500円
月額7500円×12ヶ月 90000円
ローン完済後の年間維持費 514200円
名目 区分 金額
車のローン額
1年分
月額151940円×12ヶ月 1823280円
ローン返済中の年間維持費 2337500円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 71100円
  • 初度登録から13年以上経過車の場合、「4000cc以下で13年経過」クラスの自動車税は76400円、「2.0トン以下で18年経過」クラスの自動車重量税は25200円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに8000円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本24000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額7500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした71100円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

年間の維持費が50万円を超えてくると、これはもうこの車そのものが趣味の世界です。もしくは、これだけの維持費が掛かる車を所有していることに喜びを感じ、ある種のカタルシスを感じているかもしれません。

名にし負うGT-Rともなれば、その維持費は月額でさえ42900円(ローン完済前は194800円)という破格の金額。とてもじゃないが頭金0円!一世一代のフルローン!で乗るような車ではありません。どうしても乗りたい言うなら、清水の舞台から飛び降りる覚悟でご近所をノロノロ運転して満足するか、盆栽としてガレージに飾っておくならまあ、あるいは…

GT-Rの維持費は高い?安い?

「GT-Rの年間維持費は514200円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「4000ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてGT-Rの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いラングラー409100円-105100円
フェアレディZ454700円-59500円
スカイライン クーペ471600円-42600円
FJクルーザー483600円-30600円
基準4000ccクラス平均506700円-7500円
GT-Rの維持費514200円
Gクラス 4x4522600円+8400円
チェロキー584200円+70000円
ディスカバリー653300円+139100円
高いランドクルーザー80748100円+233900円

GT-Rの年間維持費を、4000ccクラスで最も維持費が安いラングラーと比較して105100円高く、最も高いランドクルーザー80と比較して233900円安く、4000ccクラスの平均維持費との比較では7500円高くなっています。

最低額のラングラーと最高額のランドクルーザー80は極端な例としても、4000ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、GT-Rの維持費は ちょっと高い! と言えそうです。

年間維持費が安い 4000ccクラスの車 ランキング

GT-Rを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟の%年収月給手取り
10%670万円56万円44万円
15%450万円38万円30万円
20%330万円28万円22万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は670万円(総支給額56万円/月、手取り44万円/月)、ここから月額維持費4.3万円を支払うと残りは39.7万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は450万円(総支給額38万円/月、手取り30万円/月)、4.3万円を支払うと残りは25.7万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が330万円(総支給額28万円/月、手取り22万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。4.3万円を引くと残りは17.7万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代28万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり195円を基準として、-50円となる145円から、+50円となる245円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費7.0km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代差額
145円/L 207150円 -71420円
170円/L 242870円 -35700円
185円/L 264300円 -14270円
195円/L 278570円 -
205円/L 292870円 +14300円
220円/L 314300円 +35730円
245円/L 350010円 +71440円

燃費7.0km/LのR35型 GT-Rで10000km走行するのに必要な燃料は1428.6L、1リットルあたり195円としたときの燃料代は278570円になります。

参考までに、GT-Rの燃料タンクは71リットルですので、1428.6Lの給油回数は21回、1回あたりの燃料代は約13270円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては14300円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると35730円、50円も違ってくると71440円にもなります。

これをR35型 GT-Rの年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり195円の場合を514200円としたとき、145円/Lに値下がりすれば442780円(86.1%)に、245円/Lに値上がりすれば585640円(113.9%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(76400円)なり重量税(25200円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

1年分の自動車税・重量税・自賠責保険料
名目 金額
自動車税 76400円
自動車重量税 1年分 25200円
自賠責保険料 1年分 8825円
合計 110425円

※現在の税制では、自動車税、自動車重量税、自賠責保険料は走行距離に関係なく税額・保険料は一律。走行距離税が新設された場合は大幅に変わる可能性あり。


維持費名目 3000km 5000km 7000km
燃料代 83570円 139290円 195000円
オイル交換 8000円 8000円 11200円
タイヤ交換 12800円 12800円 12800円
任意保険料 72000円 76560円 81000円
税金 自賠責 一律 110425円
合計 286800円 347100円 410500円
1万km差額 -227400円 -167100円 -103700円

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで50000km程度持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料90000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて227400円安い286800円に、5000km走行では167100円安い347100円に、7000km走行では103700円安い410500円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は15000kmは1.1倍、20000kmは1.2倍としたのがこちらです。

維持費名目 10000km 15000km 20000km
燃料代 278570円 417860円 557140円
オイル交換 16000円 24000円 32000円
タイヤ交換 19200円 23040円 30720円
任意保険料 90000円 99000円 108000円
税金 自賠責 一律 110425円
合計 514200円 674400円 838300円
1万km差額 - +160200円 +324100円

走行距離と維持費の変化

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
日産の小型車&普通車編
4000cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
2ドア・クーペ編

GT-Rの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
10・15モード燃費 8.2km/L
燃料タンク容量 71L
航続距離(カタログ燃費) 582.2km
航続距離(80%燃費) 468.6km
満タンプライス 13845円
1km走行コスト 23.78円/km
1万円でどこまで行ける? 420.5km
東京から582.2kmの範囲

10・15モード燃費が8.2km/L、燃料タンク容量71リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は582.2kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(7.4km/L)とすると航続距離は525.4km、80%(6.6km/L)だと468.6km、70%(5.7km/L)では404.7kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から71リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり195円では13845円、上で計算した航続距離を踏まえると582.2km(80%燃費時468.6km)を走行するのに13845円かかる計算です。

燃費を7.0km/Lとしたときの1km走行コストは23.78円、10万km走行したときの燃料代は237.8万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら23.8万円/年、7年10万kmなら34.0万円/年、5年10万kmなら47.6万円/年、3年10万kmなら79.3万円/年となります。

ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば420.5km(往復なら片道210.3km)、カタログ値の80%なら336.4km(片道168.2km)離れたところまで行くことができます。

R35 GT-Rのエンジン諸元とカタログデータ

VR38DETT型エンジン簡易性能曲線図
エンジン諸元
原動機型式 VR38DETT
気筒配列 V型6気筒
排気量3799cc
圧縮比 9.0
吸気方式 ツインターボ
最高出力 480PS[353kW]/6400rpm
最大トルク 60.0kgm[588Nm]/3200-5200rpm
パワーバンド 3200-6400rpm, 帯域50.0%
使用燃料 ハイオクガソリン
10・15燃費8.2km/L(19.3mpg)
100km燃費12.2L/100km
最高出力・最大トルク 各回転数での出力
3200rpm 268PS/60.0kgm
5200rpm436PS/60.0kgm
6400rpm 480PS/53.7kgm
VR38DETT型エンジンの諸元と性能まとめ
V型6気筒とは‥シリンダをV字型に交互で6個配置する方式。中排気量のスタンダード。
V型6気筒の最高出力ランキング

まずおさらいとして、搭載しているVR38型3799cc、V型6気筒のツインターボエンジンは6400回転時に最高出力480馬力を、3200-5200回転時に最大トルク60.0kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、低めの回転数から中間域にトルクのピークがあるこのエンジンは、街中での普段使いに心地よく、高回転もそれなりでバランスの取れたタイプです。多くの乗用車がこの特性に当て嵌まるのではないかと思います。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なります。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する3200rpmから最高出力が発生する6400rpmまで」の3200rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は50.0%となります。※簡易エンジン性能曲線図オレンジ色の帯域。

最高出力ランキング リスト
4000cc以下クラス編
日産の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
4000cc以下クラス編
日産の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ3.625kg/PS(1740kg/480PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ3.625kg/PS
車体+1人3.740kg/PS
車体+4人4.083kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg3.750kg/PS
車体+70kg3.771kg/PS
車体+80kg3.792kg/PS
車体+90kg3.812kg/PS
車体+100kg3.833kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは3.740kg/PS(1795kg/480PS)となり、数値としては0.115kg、比率にすると3.2%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの4人が搭乗した場合、車両重量に220kgがプラスされてパワーウェイトレシオは4.083kg/PS(1960kg/480PS)となり、数値としては0.458kg、比率にすると12.6%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

R35 GT-Rのライバル候補車たち

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ3.740kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

愛すべきライバル車種
Page Link車名 PWR+55kg

-
GT-R
3.740kg/PS
480PS・3.8L-TT
車体のみPWR 3.625
1795kg
+3.2%

車種詳細
RC-F
3.847kg/PS
477PS・5.0L-NA
車体のみPWR 3.732
1835kg
+3.1%

車種詳細
IS-F
4.058kg/PS
430PS・5.0L-NA
車体のみPWR 3.930
1745kg
+3.3%

車種詳細
GS-F
3.952kg/PS
477PS・5.0L-NA
車体のみPWR 3.836
1885kg
+3.0%

車種詳細
マスタング
4.073kg/PS
426PS・5.0L-NA
車体のみPWR 3.944
1735kg
+3.3%

車種詳細
NSX
3.619kg/PS
507PS・3.5L-TT
車体のみPWR 3.511
1835kg
+3.1%


3.366kg/PSから4.114kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、レクサスの4人乗りクーペ・USC10型 RC-F、レクサスの4人乗りセダン・USE20型 IS-F、レクサスの5人乗りセダン・URL10型 GS-F、フォードの4人乗りクーペ・謎型 マスタング、ホンダの2人乗りクーペ・NC1型 NSXという顔ぶれが並びました。

最高出力が高いからといって、車両重量が重ければパワーウェイトレシオの数値は似たようなものになったりします。「空車状態のPWRの違いが、戦力の決定的差ではないということを…教えてやる!」といったところでしょうか。

こうなると、思いもよらぬ車種の登場に「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごも生じることもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

R35型 GT-R [Black-Edition]のライバル車種|3.740kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は275.9PS/tとなっています。


GT-Rがバイクと競争するなら…?


車種詳細
ゼファー1100|1062cc
3.721kg/PS
320kg/86.0PS/8.50kgm
[車体のみPWR:3.081]
1速ギヤ速度:99.7km/h
最小TWR:1.099
2007/12

-
GT-R|3799cc
3.740kg/PS
1795kg/480PS/60.0kgm
[車体のみPWR:3.625]
1速ギヤ速度:56.9km/h
最小TWR:0.684

車種詳細
ナイトホーク750|747cc
3.773kg/PS
283kg/75.1PS/6.50kgm
[車体のみPWR:3.040]
1速ギヤ速度:74.4km/h
最小TWR:0.814

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではGT-Rとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

ZRT10A ゼファー1100と競争してみる

まずGT-Rより少しPWRが低いバイクとして、カワサキのゼファー1100が挙げられます。PWRの3.721kg/PSは車両重量265kgにライダーの体重55kgを加えた320kgを、最高出力86.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はゼファー1100に42.8km/h劣り、1速TWRは0.415kg勝る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

RC39 ナイトホーク750と競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、ホンダのナイトホーク750が挙げられます。PWRの3.773kg/PSは車両重量228kg+55kgの283kgを、最高出力75.1PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は17.5km/h劣り、1速TWRは0.130kg勝る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.743
平均ピストンスピード 18.86m/s
トルクウェイトレシオ 29.00kg/kgm
1馬力あたりのお値段 16516円
排気量1Lあたり馬力 126.35PS/L
排気量1Lあたりトルク 15.79kgm/L
1気筒あたりの馬力 80.0PS
1気筒あたりのトルク 10.0kgm
パワーバンド比率 50.0%
燃費×馬力 3345.6pt
各種ランキング
クーペのPWR
3.5~4.0L以下のPWR

トルクウェイトレシオは29.00kg/kgm(1740kg/60.0kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が7927500円、最高出力が480馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は16516円、逆に1万円あたりでは0.61馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は132125円、1万円あたりでは0.08kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
日産編
4000cc以下の車編
クーペ編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は126.35PS/L、トルクは15.79kgm/L、1気筒あたりの馬力は80.0馬力、トルクは10.0kgmとなり、このエンジンが480馬力を6400回転で発生させているときの平均ピストンスピードは18.86m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が88.4mmであるVR38型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6790回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.743になります。全ての車種の平均値である1.773を基準にざっくりと分類すると、走ってよし、曲がってよしで至れり尽くせりのオールラウンダーであると言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が6.97km/L、最高出力が480PSであるこの車の獲得ポイントは3345.6ptになります。
戯れに車両重量1740kgを100kg単位にした17.4で割ってみたところ、その数値は192.28ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


R35 GT-Rのギヤ比と回転数・速度のステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合6400rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした6900回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 6900rpm|タイヤサイズ 285/35R20|タイヤ直径 70.8cm|円周長 222.4cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
6900rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 4.056 15.01 - - 61km/h 11250rpm 2543.6kgm
2速 2.301 8.51 0.567 1-2/
3910rpm
108km/h 6380rpm 1443.0kgm
3速 1.595 5.90 0.693 2-3/
4780rpm
156km/h 4420rpm 1000.3kgm
4速 1.248 4.62 0.782 3-4/
5400rpm
199km/h 3460rpm 782.6kgm
5速 1.001 3.70 0.802 4-5/
5530rpm
249km/h 2780rpm 627.7kgm
6速 0.796 2.95 0.795 5-6/
5490rpm
313km/h 2210rpm 499.2kgm
Final3.700レシオカバレッジ(変速比幅)5.095
  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数3200-5200rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.700)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(60.0kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.700)÷タイヤの有効半径(0.354m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は6速ギヤの313km(6400rpmでは290.0km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが3200-5200回転で最大トルク60.0kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば29.00kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(3.625kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと2543.6kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1740kg)を1速ギヤの最大駆動力(2543.6kgm)で割ってみると0.684kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する6400回転でのトルク(53.7kgm)からTWRを算出すると0.764kg/kgmとなり、3200-6400回転の回転域では0.684-0.764kg/kgmの間で推移することがわかります。


6400rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

R35型GT-Rに搭載されたVR38型3799ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する6400rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

6400rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ57km/h-
2速ギヤ100km/h3630rpm
3速ギヤ145km/h4440rpm
4速ギヤ185km/h5000rpm
5速ギヤ231km/h5130rpm
6速ギヤ290km/h5090rpm

まず1速ギヤで6400rpmまで引っ張ると57km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は6400rpmから3630rpmまで落ち、そこから6400rpmまで加速を続けると速度は100km/h(+43km/h)になります。

3速ギヤでは4440rpmまで落ちて6400rpmで145km/h(+45km/h)に、4速ギヤでは5000rpmまで落ちて6400rpmで185km/h(+40km/h)になります。

続いて5速ギヤでは5130rpmまで落ちて6400rpmで231km/h(+46km/h)に、6速ギヤでは5090rpmまで落ちて6400rpmで290km/h(+59km/h)という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4500 6750 9000 11250 13500 15740 20240
2速 2550 3830 5100 6380 7660 8930 11480
3速 1770 2650 3540 4420 5310 6190 7960
4速 1380 2080 2770 3460 4150 4840 6230
5速 1110 1670 2220 2780 3330 3890 5000
6速 880 1320 1770 2210 2650 3090 3970
※赤い数字は暫定レブリミット(6900rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.796)を選択して時速100kmにて走行すると2210回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1320回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1540回転、一般的な高速道路の80km/hでは1770回転、100km/hでは2210回転、制限速度が120km/hになると2650回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは3970回転まで回ります。

一般的な自動車であれば時速100kmでの巡航回転数は2500回転付近に落ち着くようですが、その中でも若干低めの回転数となっています。標準的なギヤ比の範囲内ながらも加速よりも静粛性や燃費に重きを置いた設定なので、急な坂道や長く続く坂道では積極的にギヤを1段下げる操作が必要になるかもしれません。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 9 18 27 36 44 53 62 71
2速 16 31 47 63 78 94 110 125
3速 23 45 68 90 113 136 158 181
4速 29 58 87 116 144 173 202 231
5速 36 72 108 144 180 216 252 288
6速 45 91 136 181 227 272 317 362

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(6900回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの285/35R20と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 285/35R20 | 直径 708mm

-20mm
幅265mm
-10mm
幅275mm
変更なし
幅285mm
+10mm
幅295mm
+20mm
幅305mm
30 265/30R20
37.7km/h
径 667mm
差 -41mm
275/30R20
38.0km/h
径 673mm
差 -35mm
285/30R20
38.4km/h
径 679mm
差 -29mm
295/30R20
38.7km/h
径 685mm
差 -23mm
305/30R20
39.0km/h
径 691mm
差 -17mm
35 265/35R20
39.2km/h
径 694mm
差 -14mm
275/35R20
39.6km/h
径 701mm
差 -7mm
285/35R20
40.0km/h
708mm
0mm
295/35R20
40.4km/h
径 715mm
差 +7mm
305/35R20
40.8km/h
径 722mm
差 +14mm
40 265/40R20
40.7km/h
径 720mm
差 +12mm
275/40R20
41.1km/h
径 728mm
差 +20mm
285/40R20
41.6km/h
径 736mm
差 +28mm
295/40R20
42.0km/h
径 744mm
差 +36mm
305/40R20
42.5km/h
径 752mm
差 +44mm
45 265/45R20
42.2km/h
径 747mm
差 +39mm
275/45R20
42.7km/h
径 756mm
差 +48mm
285/45R20
43.2km/h
径 765mm
差 +57mm
295/45R20
43.7km/h
径 774mm
差 +66mm
305/45R20
44.2km/h
径 783mm
差 +75mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、265/35R20 、275/30R20、275/35R20 、285/30R20 、295/30R20 、305/30R20あたりのタイヤがおすすめです。

285/35R20のタイヤ幅を265mmから315mmまで、扁平率を20%から50%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、285/35R20の適応サイズと性能の変化 [R35型GT-R編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】285/35R20のタイヤ銘柄と通販価格

R35型 GT-R 3.8L-TT 4WD/6ATの通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を比較してみます。

運動性能部門 10項目
評価項目全車種平均数値得点評価
PWR9.79㎏/PS3.62㎏/PS66.7ptA
最高回転数5880rpm6400rpm56.4ptB
1速ギヤ
加速性能
1.58㎏/㎏m0.68㎏/㎏m66.1ptA
1速ギヤ
最高速
51.1㎞/h56.9㎞/h55.4ptB
1リットル
換算馬力
103.35PS/L126.35PS/L58.3ptB
1リットル
換算トルク
15.98㎏m/L15.79㎏m/L49.4ptC
WB/TR比1.7731.74353.1ptC
ワイド&
ロー指数
0.8940.72362.2ptA
前面の面積2.631m22.596m251.0ptC
最低地上高154.6mm110mm68.1ptA
スポーツ性能部門の得点572.1pt
総合評価A

※PWR(パワーウェイトレシオ)・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比(旋回性能重視)・ワイド&ロー指数(見た目のかっこよさ)・前面の面積(≒前方投影面積・空気抵抗)・最低地上高については数値が小さいほど高得点。最高回転数・1速ギヤ最高速・1リットル換算馬力・1リットル換算トルクについては数値が大きいほど高得点。

ユーティリティ部門 10項目
評価項目全車種平均数値得点評価
年間維持費340601円514200円34.9ptE
10-15燃費13.0km/L8.2km/L39.4ptD
100km/h
回転数
2490rpm2210rpm53.7ptC
航続距離644.3km494.9km41.4ptD
車の大きさ11.468m312.085m347.6ptC
車内の広さ3429.9L2826.5L44.1ptD
乗車定員4.8人4人43.3ptD
1人あたり
車内広さ
692.0L706.6L51.2ptC
車内床面積2.794m22.581m247.0ptC
最小回転
半径
5.17m5.7m39.2ptD
ユーティリティ部門の得点441.8pt
総合評価E

※10-15燃費・航続距離(燃費×燃料タンク容量)・室内の広さ(室内長×室内幅×室内高)・乗車定員・1人あたりの車内の広さは数値が大きいほど高得点、新車価格・年間維持費・100km/h回転数・車の大きさ(全長×全幅×全高)・最小回転半径は数値が小さいほど高得点。

結果発表!
部門 全10723車種中 RANK
運動性能 572.1pt 651位 A
運動性能部門 ランキング
ユーティリティ 441.8pt 9728位 E
ユーティリティ部門 ランキング
総合得点 1013.9pt 3765位 B
総合得点ランキング

スポーツ性能部門は572.1点で全10723車種中の651位、ユーティリティ部門は441.8点で9728位、総合得点は1013.9点で3765位となりました。各部門、獲得点数が多い車種から順番に並べたランキングを用意してありますのでご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したR35型 GT-R(4WD/6AT) の各種スペックを、クーペ4000ccという属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを比較してみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。


GT-R vs ライバル車種対決


BNR32 スカイライン GT-R vs HNR32 スカイライン クーペ 性能比較
8代目 スカイライン GT-R V-specII(1994年式 BNR32・4WD/5MT・2.6L+ツインターボ・280PS/36.0kgm・4人乗り)と、8代目 スカイライン クーペ GTS-4(1992年式 HNR32・4WD/5MT・2.0L+ターボ・215PS/27.0kgm・5人乗り)を比較。

R35 GT-R 2019 vs BNR34 スカイライン GT-R 2002 性能比較
初代 GT-R Pure-edition 2020(2019年式 R35・4WD/6AT・3.8L+ツインターボ・570PS/65.0kgm・4人乗り)と、10代目 スカイライン GT-R M-spec Nur(2002年式 BNR34・4WD/6MT・2.6L+ツインターボ・280PS/40.0kgm・4人乗り)を比較。

BNR34 スカイライン GT-R vs BNR32 スカイライン GT-R 新旧比較
10代目 スカイライン GT-R M-spec Nur(2002年式 BNR34・4WD/6MT・2.6L+ツインターボ・280PS/40.0kgm・4人乗り)と、8代目 スカイライン GT-R V-specII(1994年式 BNR32・4WD/5MT・2.6L+ツインターボ・280PS/36.0kgm・4人乗り)を比較。

BCNR33 スカイライン GT-R vs BNR32 スカイライン GT-R 新旧比較
9代目 スカイライン GT-R(1997年式 BCNR33・4WD/5MT・2.6L+ツインターボ・280PS/37.5kgm・4人乗り)と、8代目 スカイライン GT-R V-specII(1994年式 BNR32・4WD/5MT・2.6L+ツインターボ・280PS/36.0kgm・4人乗り)を比較。

BNR34 スカイライン GT-R vs WGNC34 ステージア 260RS 性能比較
初代 ステージア 260RS Autech version 260RS(1998年式 WGNC34・4WD/5MT・2.6L+ツインターボ・280PS/37.5kgm・5人乗り)と、10代目 スカイライン GT-R M-spec Nur(2002年式 BNR34・4WD/6MT・2.6L+ツインターボ・280PS/40.0kgm・4人乗り)を比較。

BNR34 スカイライン GT-R vs ENR34 スカイライン クーペ 性能比較
10代目 スカイライン GT-R M-spec Nur(2002年式 BNR34・4WD/6MT・2.6L+ツインターボ・280PS/40.0kgm・4人乗り)と、10代目 スカイライン クーペ 25GT-FOUR(1998年式 ENR34・4WD/5MT・2.5L・200PS/26.0kgm・5人乗り)を比較。

R35 GT-R Nismo 2019 vs LFA10 LFA 2010 性能比較
初代 LFA(2010年式 LFA10・FR/6AT・4.9L・560PS/48.9kgm・2人乗り)と、初代 GT-R Nismo NISMO 2020(2019年式 R35・4WD/6AT・3.8L+ツインターボ・600PS/66.5kgm・4人乗り)を比較。

BNR34 スカイライン GT-R vs BCNR33 スカイライン GT-R 新旧比較
10代目 スカイライン GT-R M-spec Nur(2002年式 BNR34・4WD/6MT・2.6L+ツインターボ・280PS/40.0kgm・4人乗り)と、9代目 スカイライン GT-R(1997年式 BCNR33・4WD/5MT・2.6L+ツインターボ・280PS/37.5kgm・4人乗り)を比較。

BCNR33 スカイライン GT-R vs WGNC34 ステージア 260RS 性能比較
初代 ステージア 260RS Autech version 260RS(1998年式 WGNC34・4WD/5MT・2.6L+ツインターボ・280PS/37.5kgm・5人乗り)と、9代目 スカイライン GT-R(1997年式 BCNR33・4WD/5MT・2.6L+ツインターボ・280PS/37.5kgm・4人乗り)を比較。