N61W RVR 性能と維持費 FF/4AT 4人 176万円 2000年式

このページでは、三菱自動車の4ドア・4人乗りSUV、2代目のGF-N61W型RVR X【2000/12モデル・140PS/18.5kgm・FF/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

N61W RVR
販売期間:1997/11 - 2003/01

画像は三菱自動車より引用
http://www.mitsubishi-motors.co.jp/
投稿:|更新:

ボディサイズが全長4300mm×全幅1695mm×全高1650mm、排気量は1834ccであることから、大雑把に分類すると1.9リットルクラス(1900cc、自動車税は2.0L以下を適用)に属した、いわゆる5ナンバークラスの車です。とにかく排気量を増やして、とにかくボディを大きく、特に全幅を広げれば良いんだという風潮が蔓延る現代においては大変貴重な車となっています。
参考:100PS~150PSの自動車 一覧

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、前輪のみを駆動する、フロントエンジン・フロントドライブ方式(FF・FWD・前輪駆動とも)を採用しています。この方式はエンジンと駆動系(ミッション、デフ等)の収納がエンジンルーム内で完結するので、軽量コンパクトかつ低コスト化が実現でき、室内を広く作りやすい(エンジンが横置きの場合)ほか、後輪駆動車に比べて直進安定性に優れることが主な特長です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4300mmであるこの車の場合は「ロア ミディアム」(Lower-Medium:3850mm超-4300mm以下・Cセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。

N61W型 RVR [1834cc/140PS FF/4AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

2代目RVRの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2000/12
N74WG型
[Sport-Gear Aero]
2.4L-NA・4WD/4AT・229.8万円
165PS・23.5kgm・11.2km/L
165PS
23.5kgm
11.2km/L
2000/12
N73WG型
[Sport-Gear X3]
2.0L-TB・4WD/4AT・258.0万円
230PS・35.0kgm・9.4km/L
230PS
35.0kgm
9.4km/L
2000/12
N71W型
[X]
1.8L-NA・4WD/4AT・199.5万円
140PS・18.5kgm・13.0km/L
140PS
18.5kgm
13.0km/L
2代目RVRの車両型式・グレード一覧【全6車種】
RVRの新型モデル
3代目 GA4W型RVR
GA4W型RVRは2010/02に登場した3代目モデル。参考車両の「G」は全長4295mm、全幅1770mm、全高1615mmの車体に、139PS/17.5kgmを発生する4J10型1798ccエンジンを搭載。

RVRの旧型モデル
初代 N23WG型RVR
N23WG型RVRは1991/02に登場した初代モデル。参考車両の「Hyper-Sport-Gear R」は全長4440mm、全幅1740mm、全高1740mmの車体に、250PS/31.5kgmを発生する4G63型1997ccエンジンを搭載。


N61W RVRの主要諸元と大きさ比較

主要諸元
メーカー 三菱自動車
車名&
グレード
RVR
X
その他 -
お値段 1760000円
車両型式 GF-N61W
駆動方式
変速機
FF・前輪駆動(FWD,2WD)
4速AT・4速オートマ車
ドア/定員 4ドア・4名乗車
ホイールベース 2550mm
トレッド 1460mm/1465mm
WB/TR比 1.743
最小半径 5.2m
最低高 160mm
タイヤ 前輪:205/65R15
後輪:205/65R15
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ドラム
車両重量 1380kg

※WB/TR比はホイールベーストレッド比の略。値が大きいほど直進安定性に優れ、小さいほど旋回性能が高くなりやすい。全ての車種の平均値は1.773。

RVRと各規格の大きさ比較
規格名 規格寸法 増減
RVR
車体寸法
全長 4300mm -
全幅 1695mm -
全高 1650mm -
大きさ 12.03m3 -
軽自動車
新規格
全長 3400mm以下 +900mm
全幅 1480mm以下 +215mm
全高平均 1640mm +10mm
大きさ平均 8.13m3 +3.90m3
小型車規格
5ナンバー車
全長 4700mm以下 -400mm
全幅 1700mm以下 -5mm
全高平均 1496mm +154mm
大きさ平均 10.48m3 +1.55m3
普通車平均
3ナンバー車
全長平均 4643mm -343mm
全幅平均 1815mm -120mm
全高平均 1518mm +132mm
大きさ平均 12.84m3 -0.81m3

※上記グラフは100のラインを上回れば平均値以上、下回れば平均値以下を表す。グラフの伸びが大きいほど各規格の車両に対して相対的に車体が長い・広い・高い。※普通乗用車(3ナンバー車)の条件は全長4700mm超または全幅1700mm超または全高2000mm超と上限値が曖昧なため、ここでは普通乗用車に属する全ての車種の平均値との比較。※軽自動車・小型乗用車の全高はいずれも2000mm以下。ただし、ここでは各規格に属する車種の全高の平均値との比較。


N61W RVRの室内広さを各規格の車両と比較

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

RVRの室内広さを各規格の車両と比較
規格名 規格寸法 増減
RVR
室内広さ
室内長 2245mm -
室内幅 1490mm -
室内高 1210mm -
車内広さ 4048L -
軽自動車
新規格
室内長平均 1908mm +337mm
室内幅平均 1280mm +210mm
室内高平均 1283mm -73mm
車内広さ平均 3171L +877L
小型車規格
5ナンバー車
室内長平均 1913mm +332mm
室内幅平均 1404mm +86mm
室内高平均 1196mm +14mm
車内広さ平均 3253L +795L
普通車平均
3ナンバー車
室内長平均 2050mm +195mm
室内幅平均 1483mm +7mm
室内高平均 1195mm +15mm
車内広さ平均 3698L +350L

※上記グラフは100のラインを上回れば平均値以上、下回れば平均値以下を表す。グラフの伸びが大きいほど各規格の車両に対して相対的に室内が長い・広い・高い。

人間様の占有スペースと容積効率
室内長×室内幅×室内高 4.048m³
1人あたりのスペース 1.012m³
室内長/全長 52.2%
室内幅/全幅 87.9%
室内高/全高 73.3%
室内容積/車両体積 33.7%

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は4.048m³です。この車の乗車定員は4人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約1.012m³のスペースが割り当てられることになります。

続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は52.2%、同じく室内幅と全幅の比率は87.9%、同じく室内高と全高の比率は73.3%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は33.7%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車 室内幅が広い車 室内高が高い車 車内の空間が広い車
室内長が長い車
室内幅が広い車
室内高が高い車
車内の空間が広い車


RVRでの車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.505m
期待される荷室の幅 1.390m
対角線の長さ 2.049m
期待される荷室の面積 2.092m²

縦方向の長さが1.505m(対角線では2.049m)となれば、一般的な身長ならそれなりの車中泊を楽しむことができそうです。

車の中で足を伸ばして優雅に寝られる悦びを味わうために最低限必要な長さを備えた、車中泊のスタンダードと呼ぶに相応しい性能を有しています。

一見すると車中泊が可能そうに見えるハッチバックやワゴン、SUVであってもリアシートが前に倒れなかったり、倒れても中途半端であったり、凝った足回りのせいで室内に巨大な出っ張りがあったりで、なかなか思うようにはいきませんが、大抵のケースでは知恵と工夫で何とかなるはずです。

車中泊にあると嬉しいアイテム


N61W RVRの税金・年間維持費シミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税45400円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税18900円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額5500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、2000/12モデルのRVRを25年落ちの中古で38.7万円にて購入し、頭金なしで1年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    RVRの2000/12モデルの場合、2025年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の20%である35.2万円に諸経費として3.5万円を足した38.7万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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2000年式を25年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税 2000cc以下 13年経過 45400円
自動車重量税
1年分
1.5トン以下 18年経過 18900円
自賠責保険料
(1年換算)
自家用乗用車 8825円
燃料代
年間1万㎞
1万㎞÷11.9㎞/L×195円/L 163870円
オイル交換
5000km毎
1回4500円×2回 9000円
タイヤ交換
5年5万km毎
1本10000円×4本÷5年 8000円
任意保険料
月額5500円
月額5500円×12ヶ月 66000円
ローン完済後の年間維持費 320000円
名目 区分 金額
車のローン額
1年分
月額32270円×12ヶ月 387240円
ローン返済中の年間維持費 707300円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 58500円
  • 初度登録から13年以上経過車の場合、「2000cc以下で13年経過」クラスの自動車税は45400円、「1.5トン以下で18年経過」クラスの自動車重量税は18900円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに4500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本10000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額5500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした58500円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

お財布に厚みが増した勢いで少し色気を出して愛車にステータス性を求めるなら、月換算26700円くらいの出費は覚悟しましょう。なあに大丈夫、愛車のためです。

口癖のように「もうちょっと維持費が安ければねえ…?」なんて呟くその姿は自慢げなようであり、しかし哀愁を帯びているようでもあり、傍からすれば対応に困ります。より維持費の安い新車を買うほどではない…ないが…考えずにもいられない、そんなクラスです。全体から見るとこの辺りから面白味のある車が増えてきます。

RVRの維持費は高い?安い?

「RVRの年間維持費は320000円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「2000ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてRVRの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いプリウス192500円-127500円
ヴォクシー ハイブリッド231500円-88500円
ウィッシュ289100円-30900円
スイフト スポーツ292900円-27100円
RVRの維持費320000円
基準2000ccクラス平均324800円+4800円
アコード355200円+35200円
WRX STI376200円+56200円
エクスプローラー442300円+122300円
高いBX502800円+182800円

RVRの年間維持費を、2000ccクラスで最も維持費が安いプリウスと比較して127500円高く、最も高いBXと比較して182800円安く、2000ccクラスの平均維持費との比較では4800円安くなっています。

最低額のプリウスと最高額のBXは極端な例としても、2000ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、RVRの維持費は ちょっと安い! と言えそうです。

年間維持費が安い 2000ccクラスの車 ランキング

RVRを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟の%年収月給手取り
10%420万円35万円27万円
15%280万円24万円19万円
20%210万円18万円14万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は420万円(総支給額35万円/月、手取り27万円/月)、ここから月額維持費2.7万円を支払うと残りは24.3万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は280万円(総支給額24万円/月、手取り19万円/月)、2.7万円を支払うと残りは16.3万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が210万円(総支給額18万円/月、手取り14万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。2.7万円を引くと残りは11.3万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代17万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり195円を基準として、-50円となる145円から、+50円となる245円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費11.9km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代差額
145円/L 121860円 -42010円
170円/L 142870円 -21000円
185円/L 155480円 -8390円
195円/L 163870円 -
205円/L 172290円 +8420円
220円/L 184890円 +21020円
245円/L 205900円 +42030円

燃費11.9km/LのN61W型 RVRで10000km走行するのに必要な燃料は840.4L、1リットルあたり195円としたときの燃料代は163870円になります。

参考までに、RVRの燃料タンクは63リットルですので、840.4Lの給油回数は14回、1回あたりの燃料代は約11710円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては8420円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると21020円、50円も違ってくると42030円にもなります。

これをN61W型 RVRの年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり195円の場合を320000円としたとき、145円/Lに値下がりすれば277990円(86.9%)に、245円/Lに値上がりすれば362030円(113.1%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(45400円)なり重量税(18900円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

1年分の自動車税・重量税・自賠責保険料
名目 金額
自動車税 45400円
自動車重量税 1年分 18900円
自賠責保険料 1年分 8825円
合計 73125円

※現在の税制では、自動車税、自動車重量税、自賠責保険料は走行距離に関係なく税額・保険料は一律。走行距離税が新設された場合は大幅に変わる可能性あり。


維持費名目 3000km 5000km 7000km
燃料代 49160円 81940円 114710円
オイル交換 4500円 4500円 6300円
タイヤ交換 5330円 5330円 5330円
任意保険料 52800円 56160円 59400円
税金 自賠責 一律 73125円
合計 185000円 221100円 258900円
1万km差額 -135000円 -98900円 -61100円

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで50000km程度持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料66000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて135000円安い185000円に、5000km走行では98900円安い221100円に、7000km走行では61100円安い258900円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は15000kmは1.1倍、20000kmは1.2倍としたのがこちらです。

維持費名目 10000km 15000km 20000km
燃料代 163870円 245810円 327740円
オイル交換 9000円 13500円 18000円
タイヤ交換 8000円 9600円 12800円
任意保険料 66000円 72600円 79200円
税金 自賠責 一律 73125円
合計 320000円 414700円 510900円
1万km差額 - +94700円 +190900円

走行距離と維持費の変化

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
三菱の小型車&普通車編
2000cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
5人乗りSUV・RV編

RVRの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
10・15モード燃費 14.0km/L
燃料タンク容量 63L
航続距離(カタログ燃費) 882.0km
航続距離(80%燃費) 705.6km
満タンプライス 12285円
1km走行コスト 13.93円/km
1万円でどこまで行ける? 717.9km
東京から882.0kmの範囲

10・15モード燃費が14.0km/L、燃料タンク容量63リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は882.0kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(12.6km/L)とすると航続距離は793.8km、80%(11.2km/L)だと705.6km、70%(9.8km/L)では617.4kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から63リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり195円では12285円、上で計算した航続距離を踏まえると882.0km(80%燃費時705.6km)を走行するのに12285円かかる計算です。

燃費を11.9km/Lとしたときの1km走行コストは13.93円、10万km走行したときの燃料代は139.3万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら13.9万円/年、7年10万kmなら19.9万円/年、5年10万kmなら27.9万円/年、3年10万kmなら46.4万円/年となります。

ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば717.9km(往復なら片道359.0km)、カタログ値の80%なら574.4km(片道287.2km)離れたところまで行くことができます。

N61W RVRのエンジン諸元とカタログデータ

4G93型エンジン簡易性能曲線図
エンジン諸元
原動機型式 4G93
気筒配列 直列4気筒
排気量1834cc
圧縮比 12.0
吸気方式 自然吸気(NA・ノンターボ)
最高出力 140PS[103kW]/6000rpm
最大トルク 18.5kgm[181Nm]/3750rpm
パワーバンド 3750-6000rpm, 帯域37.5%
使用燃料 ハイオクガソリン
10・15燃費14.0km/L(32.9mpg)
100km燃費7.1L/100km
最高出力・最大トルク 各回転数での出力
3750rpm 97PS/18.5kgm
6000rpm 140PS/16.7kgm
4G93型NAエンジン諸元と性能
直列4気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に4個配置する方式。小排気量から2.5Lあたりまでをカバー。
直列4気筒の最高出力ランキング

まずおさらいとして、搭載している4G93型1834cc、直列4気筒の自然吸気エンジンは6000回転時に最高出力140馬力を、3750回転時に最大トルク18.5kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、最大トルクの発生回転数が若干高めにあるこのエンジンは、普段使いでも不足を感じることなく、それでいて高い回転数を維持すればスポーティな走行も楽しめるバランスの良さが魅力です。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なります。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する3750rpmから最高出力が発生する6000rpmまで」の2250rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は37.5%となります。※簡易エンジン性能曲線図オレンジ色の帯域。

最高出力ランキング リスト
2000cc以下クラス編
三菱の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
2000cc以下クラス編
三菱の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ9.857kg/PS(1380kg/140PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ9.857kg/PS
車体+1人10.250kg/PS
車体+4人11.429kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg10.286kg/PS
車体+70kg10.357kg/PS
車体+80kg10.429kg/PS
車体+90kg10.500kg/PS
車体+100kg10.571kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは10.250kg/PS(1435kg/140PS)となり、数値としては0.393kg、比率にすると4.0%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの4人が搭乗した場合、車両重量に220kgがプラスされてパワーウェイトレシオは11.429kg/PS(1600kg/140PS)となり、数値としては1.572kg、比率にすると15.9%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

N61W RVRのライバル候補車たち

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ10.250kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

愛すべきライバル車種
Page Link車名 PWR+55kg

-
RVR
10.250kg/PS
140PS・1.9L-NA
車体のみPWR 9.857
1435kg
+4.0%

車種詳細
フィット ハイブリッド
10.318kg/PS
110PS・1.5L-NA
車体のみPWR 9.818
1135kg
+5.1%

車種詳細
スイフト
10.165kg/PS
91PS・1.3L-NA
車体のみPWR 9.560
925kg
+6.3%

車種詳細
エクストレイル
10.170kg/PS
147PS・2.0L-NA
車体のみPWR 9.796
1495kg
+3.8%

車種詳細
クロスビー
10.253kg/PS
99PS・1.0L-TB
車体のみPWR 9.697
1015kg
+5.7%

車種詳細
プレマシー
10.232kg/PS
151PS・2.0L-NA
車体のみPWR 9.868
1545kg
+3.7%


10.147kg/PSから10.353kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、ホンダの5人乗りハッチバック・GP5型 フィット ハイブリッド、スズキの5人乗りハッチバック・ZC83S型 スイフト、日産の5人乗りSUV・T32型 エクストレイル、スズキの5人乗りSUV・MN71S型 クロスビー、マツダの7人乗りミニバン・CWFFW型 プレマシーという顔ぶれが並びました。

最高出力が高いからといって、車両重量が重ければパワーウェイトレシオの数値は似たようなものになったりします。「空車状態のPWRの違いが、戦力の決定的差ではないということを…教えてやる!」といったところでしょうか。

こうなると、思いもよらぬ車種の登場に「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごも生じることもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

N61W型 RVR [X]のライバル車種|10.250kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は101.4PS/tとなっています。


RVRがバイクと競争するなら…?


車種詳細
グラストラッカー ビッグボーイ|249cc
10.211kg/PS
194kg/19.0PS/2.10kgm
[車体のみPWR:7.316]
1速ギヤ速度:38.4km/h
最小TWR:0.900
2000/12

-
RVR|1834cc
10.250kg/PS
1435kg/140PS/18.5kgm
[車体のみPWR:9.857]
1速ギヤ速度:63.8km/h
最小TWR:2.104

車種詳細
マローダー250|249cc
10.250kg/PS
205kg/20.0PS/2.10kgm
[車体のみPWR:7.500]
1速ギヤ速度:37.3km/h
最小TWR:0.942

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではRVRとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

NJ4DA グラストラッカー ビッグボーイと競争してみる

まずRVRより少しPWRが低いバイクとして、スズキのグラストラッカー ビッグボーイが挙げられます。PWRの10.211kg/PSは車両重量139kgにライダーの体重55kgを加えた194kgを、最高出力19.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はグラストラッカー ビッグボーイに25.4km/h勝り、1速TWRは1.204kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

NJ48A マローダー250と競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、スズキのマローダー250が挙げられます。PWRの10.250kg/PSは車両重量150kg+55kgの205kgを、最高出力20.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は26.5km/h勝り、1速TWRは1.162kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.743
平均ピストンスピード 17.80m/s
トルクウェイトレシオ 74.59kg/kgm
1馬力あたりのお値段 12571円
排気量1Lあたり馬力 76.34PS/L
排気量1Lあたりトルク 10.09kgm/L
1気筒あたりの馬力 35.0PS
1気筒あたりのトルク 4.6kgm
パワーバンド比率 37.5%
燃費×馬力 1666.0pt
各種ランキング
SUV・RV・クロカンのPWR
1.8~2.0LのNA車 PWR

トルクウェイトレシオは74.59kg/kgm(1380kg/18.5kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が1760000円、最高出力が140馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は12571円、逆に1万円あたりでは0.80馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は95135円、1万円あたりでは0.11kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
三菱編
2000cc以下の車編
5人乗りSUV編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は76.34PS/L、トルクは10.09kgm/L、1気筒あたりの馬力は35.0馬力、トルクは4.6kgmとなり、このエンジンが140馬力を6000回転で発生させているときの平均ピストンスピードは17.80m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が89.0mmである4G93型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6740回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.743になります。全ての車種の平均値である1.773を基準にざっくりと分類すると、走ってよし、曲がってよしで至れり尽くせりのオールラウンダーであると言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が11.90km/L、最高出力が140PSであるこの車の獲得ポイントは1666.0ptになります。
戯れに車両重量1380kgを100kg単位にした13.8で割ってみたところ、その数値は120.72ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


N61W RVRのギヤ比と回転数・速度のステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合6000rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした6500回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 6500rpm|タイヤサイズ 205/65R15|タイヤ直径 64.8cm|円周長 203.6cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
6500rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 2.842 11.49 - - 69km/h 9400rpm 655.9kgm
2速 1.529 6.18 0.538 1-2/
3500rpm
128km/h 5060rpm 352.9kgm
3速 1.000 4.04 0.654 2-3/
4250rpm
196km/h 3310rpm 230.8kgm
4速 0.712 2.88 0.712 3-4/
4630rpm
276km/h 2360rpm 164.3kgm
Final4.042レシオカバレッジ(変速比幅)3.992
  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数3750rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.042)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(18.5kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.042)÷タイヤの有効半径(0.324m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は4速ギヤの276km(6000rpmでは254.7km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが3750回転で最大トルク18.5kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば74.59kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(9.857kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと655.9kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1380kg)を1速ギヤの最大駆動力(655.9kgm)で割ってみると2.104kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する6000回転でのトルク(16.7kgm)からTWRを算出すると2.331kg/kgmとなり、3750-6000回転の回転域では2.104-2.331kg/kgmの間で推移することがわかります。


6000rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

N61W型RVRに搭載された4G93型1834ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する6000rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

6000rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ64km/h-
2速ギヤ119km/h3230rpm
3速ギヤ181km/h3920rpm
4速ギヤ255km/h4270rpm

まず1速ギヤで6000rpmまで引っ張ると64km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は6000rpmから3230rpmまで落ち、そこから6000rpmまで加速を続けると速度は119km/h(+55km/h)になります。

3速ギヤでは3920rpmまで落ちて6000rpmで181km/h(+62km/h)に、4速ギヤでは4270rpmまで落ちて6000rpmで255km/h(+74km/h)という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 3760 5640 7520 9400 11280 13160 16930
2速 2020 3040 4050 5060 6070 7080 9110
3速 1320 1990 2650 3310 3970 4630 5960
4速 940 1410 1880 2360 2830 3300 4240
※赤い数字は暫定レブリミット(6500rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.712)を選択して時速100kmにて走行すると2360回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1410回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1650回転、一般的な高速道路の80km/hでは1880回転、100km/hでは2360回転、制限速度が120km/hになると2830回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは4240回転まで回ります。

一般的な自動車であれば時速100kmでの巡航回転数は2500回転付近に落ち着くようですが、その中でも若干低めの回転数となっています。標準的なギヤ比の範囲内ながらも加速よりも静粛性や燃費に重きを置いた設定なので、急な坂道や長く続く坂道では積極的にギヤを1段下げる操作が必要になるかもしれません。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 11 21 32 43 53 64 74 85
2速 20 40 59 79 99 119 138 158
3速 30 60 91 121 151 181 212 242
4速 42 85 127 170 212 255 297 340

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(6500回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの205/65R15と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 205/65R15 | 直径 648mm

-20mm
幅185mm
-10mm
幅195mm
変更なし
幅205mm
+10mm
幅215mm
+20mm
幅225mm
60 185/60R15
37.2km/h
径 603mm
差 -45mm
195/60R15
38.0km/h
径 615mm
差 -33mm
205/60R15
38.7km/h
径 627mm
差 -21mm
215/60R15
39.4km/h
径 639mm
差 -9mm
225/60R15
40.2km/h
径 651mm
差 +3mm
65 185/65R15
38.4km/h
径 622mm
差 -26mm
195/65R15
39.2km/h
径 635mm
差 -13mm
205/65R15
40.0km/h
648mm
0mm
215/65R15
40.8km/h
径 661mm
差 +13mm
225/65R15
41.6km/h
径 674mm
差 +26mm
70 185/70R15
39.5km/h
径 640mm
差 -8mm
195/70R15
40.4km/h
径 654mm
差 +6mm
205/70R15
41.2km/h
径 668mm
差 +20mm
215/70R15
42.1km/h
径 682mm
差 +34mm
225/70R15
43.0km/h
径 696mm
差 +48mm
75 185/75R15
40.7km/h
径 659mm
差 +11mm
195/75R15
41.6km/h
径 674mm
差 +26mm
205/75R15
42.5km/h
径 689mm
差 +41mm
215/75R15
43.5km/h
径 704mm
差 +56mm
225/75R15
44.4km/h
径 719mm
差 +71mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、185/65R15、185/70R15 、195/65R15 、205/60R15 、215/60R15 あたりのタイヤがおすすめです。

205/65R15のタイヤ幅を185mmから235mmまで、扁平率を50%から80%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、205/65R15の適応サイズと性能の変化 [N61W型RVR編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】205/65R15のタイヤ銘柄と通販価格

N61W型 RVR 1.9L-NA FF/4ATの通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を比較してみます。

運動性能部門 10項目
評価項目全車種平均数値得点評価
PWR9.79㎏/PS9.86㎏/PS49.8ptC
最高回転数5880rpm6000rpm51.5ptC
1速ギヤ
加速性能
1.58㎏/㎏m2.10㎏/㎏m38.9ptD
1速ギヤ
最高速
51.1㎞/h63.8㎞/h61.7ptB
1リットル
換算馬力
73.10PS/L76.34PS/L52.6ptC
1リットル
換算トルク
9.47㎏m/L10.09㎏m/L57.6ptB
WB/TR比1.7731.74353.1ptC
ワイド&
ロー指数
0.8940.97344.3ptD
前面の面積2.631m22.797m245.4ptD
最低地上高154.5mm160mm47.8ptC
スポーツ性能部門の得点506.2pt
総合評価C

※PWR(パワーウェイトレシオ)・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比(旋回性能重視)・ワイド&ロー指数(見た目のかっこよさ)・前面の面積(≒前方投影面積・空気抵抗)・最低地上高については数値が小さいほど高得点。最高回転数・1速ギヤ最高速・1リットル換算馬力・1リットル換算トルクについては数値が大きいほど高得点。

ユーティリティ部門 10項目
評価項目全車種平均数値得点評価
年間維持費340696円320000円51.8ptC
10-15燃費13.0km/L14.0km/L52.1ptC
100km/h
回転数
2490rpm2360rpm51.7ptC
航続距離644.1km749.7km56.1ptB
車の大きさ11.468m312.026m347.8ptC
車内の広さ3430.7L4047.5L56.0ptB
乗車定員4.8人4人43.3ptD
1人あたり
車内広さ
691.9L1011.9L76.9ptS
車内床面積2.793m23.345m257.9ptB
最小回転
半径
5.17m5.2m49.4ptC
ユーティリティ部門の得点543.0pt
総合評価A

※10-15燃費・航続距離(燃費×燃料タンク容量)・室内の広さ(室内長×室内幅×室内高)・乗車定員・1人あたりの車内の広さは数値が大きいほど高得点、新車価格・年間維持費・100km/h回転数・車の大きさ(全長×全幅×全高)・最小回転半径は数値が小さいほど高得点。

結果発表!
部門 全10707車種中 RANK
運動性能 506.2pt 4214位 C
運動性能部門 ランキング
ユーティリティ 543.0pt 1368位 A
ユーティリティ部門 ランキング
総合得点 1049.2pt 1111位 B
総合得点ランキング

スポーツ性能部門は506.2点で全10707車種中の4214位、ユーティリティ部門は543.0点で1368位、総合得点は1049.2点で1111位となりました。各部門、獲得点数が多い車種から順番に並べたランキングを用意してありますのでご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したN61W型 RVR(FF/4AT) の各種スペックを、5人乗SUV2000ccという属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを比較してみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

RVRの歴代モデル

3代目 GA4W型 RVR
GA4W RVRは2010/02に登場した3代目モデル。参考車両の「G」は全長4295mm、全幅1770mm、全高1615mmの車体に、139PS/17.5kgmを発生する4J10型1798ccエンジンを搭載した5人乗りSUV。

2代目 N74WG型 RVR
N74WG RVRは1997/11に登場した2代目モデル。参考車両の「Sport-Gear Aero」は全長4320mm、全幅1695mm、全高1660mmの車体に、165PS/23.5kgmを発生する4G64型2350ccエンジンを搭載した4人乗りSUV。

初代 N28WG型 RVR
N28WG RVRは1991/02に登場した初代モデル。参考車両の「Sport-Gear」は全長4460mm、全幅1740mm、全高1730mmの車体に、94PS/20.0kgmを発生する4D68型1998ccエンジンを搭載した4人乗りSUV。


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