639350:Vクラスの性能と維持費 FR/5AT 7人 637万円 2011年式

このページでは、メルセデスベンツの5ドア・7人乗りミニバン、2代目のABA-639350型Vクラス V350 Ambiente-Long W639【2011/01モデル・258PS/34.7kgm・FR/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

639350 Vクラス
販売期間:1998/06 - 2015/10

画像はメルセデスベンツより引用
http://www.mercedes-benz.co.jp/
投稿:2011/12/21|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長5015mm×全幅1910mm×全高1930mm、排気量は3497ccであることから、大雑把に分類すると3.5リットルクラス(3500cc、自動車税は3.5L以下を適用)に属し、全長、全幅、排気量ともに5ナンバー枠を超えていることにより完全無欠の3ナンバー登録車です。いわゆる【高級車】にカテゴライズされます。
参考:250PS~300PSの自動車 一覧

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、後輪のみを駆動する、フロントエンジン・リヤドライブ方式(後輪駆動・FR・RWDとも)を採用しています。前輪は操舵、後輪は駆動と役割分担が異なることから優れたハンドリングを得られるとされ、運転の質を求める人々から絶大なる支持を集めます。高級車の代名詞的な駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が5015mmであるこの車の場合は「ラグジュアリー」(Luxury:4900mm超・Fセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


639350型 Vクラス [3497cc/258PS FR/5AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

2代目Vクラスの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2011/01
639350C型
[V350-Trend W639]
3.5L-NA・FR/5AT・449.0万円
258PS・34.7kgm・7.4km/L
258PS
34.7kgm
7.4km/L
2011/01
639350型
[V350-Ambiente W639]
3.5L-NA・FR/5AT・617.0万円
258PS・34.7kgm・7.4km/L
258PS
34.7kgm
7.4km/L
2006/11
639811型
[V350 Ambiente-Long W639]
3.7L-NA・FR/5AT・599.0万円
231PS・35.2kgm・7.1km/L
231PS
35.2kgm
7.1km/L
2代目Vクラスの車両型式・グレード一覧【全5車種】
Vクラスの新型モデル
3代目 447815型Vクラス
447815型Vクラスは2015/10に登場した3代目モデル。参考車両の「V220d Avantgarde Extra-Long W447」は全長5380mm、全幅1930mm、全高1880mmの車体に、163PS/38.7kgmを発生するOM651型2142ccエンジンを搭載。

Vクラスの旧型モデル
初代 638280型Vクラス
638280型Vクラスは1998/06に登場した初代モデル。参考車両の「V280 W638」は全長4670mm、全幅1890mm、全高1890mmの車体に、174PS/24.2kgmを発生するM1040型2791ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー メルセデスベンツ
車名&
グレード
Vクラス
V350 Ambiente-Long W639
その他 V350 アンビエンテ ロング
お値段 6370000円
車両型式 ABA-639350
駆動方式
変速機
FR・後輪駆動(RWD,2WD)
5速AT・5速オートマ車
ドア/定員 5ドア/7名乗車
車体寸法 長5015×幅1910×高1930mm
軸距&
輪距
3200mm
前1640mm/後1640mm
最小半径 5.4m
タイヤ 前輪:225/55R17
後輪:225/55R17
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ディスク
車両重量 2230kg
エンジン諸元
原動機型式 M272
気筒配列 V型6気筒
排気量3497cc
圧縮比10.7
吸気方式 自然吸気(NA・ノンターボ)
最高出力 258PS[190kW]/5900rpm
最大トルク 34.7kgm[340Nm]/2500-5000rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
10・15燃費 7.4km/L(17.4mpg)
100km燃費 13.5L/100km
M272型エンジンの諸元と性能まとめ
V型6気筒とは‥シリンダをV字型に交互で6個配置する方式。中排気量のスタンダード。
V型6気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税66700円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税28500円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額7000円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、2011/01モデルのVクラスを13年落ちの中古で280.3万円にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    Vクラスの2011/01モデルの場合、2024年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の40%である254.8万円に諸経費として25.5万円を足した280.3万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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2011年式を13年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 3500cc以下 13年経過 66700円
自動車重量税(1年分) 2.5トン以下 13年-17年経過 28500円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
燃料代(年間1万km) 10000km÷6.3km/L×185円/L 293650円
オイル交換(5000km毎) 1回6000円×2回 12000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本15000円×4本÷5年 12000円
任意保険料(月額7000円) 月額7000円×12ヶ月 84000円
ローン完済後の年間維持費 505700円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額46710円×12ヶ月 560520円
ローン返済中の年間維持費 1066200円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 77700円
名目 金額
自動車税(1年分) 66700円
自動車重量税(1年分) 28500円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
293650円
(205560円)
(146830円)
(88100円)
オイル交換(5000km毎) 12000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 12000円
任意保険料(月額7000円) 84000円
ローン完済後の年間維持費 505700円
名目 金額
車のローン額(1年分) 560520円
ローン返済中の年間維持費 1066200円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
77700円
  • 初度登録から13年以上経過車の場合、「3500cc以下で13年経過」クラスの自動車税は66700円、「2.5トン以下で13年-17年経過」クラスの自動車重量税は28500円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに6000円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本15000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額7000円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした77700円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

年間の維持費が50万円を超えてくると、これはもうこの車そのものが趣味の世界です。もしくは、これだけの維持費が掛かる車を所有していることに喜びを感じ、ある種のカタルシスを感じているかもしれません。

名にし負うVクラスともなれば、その維持費は月額でさえ42200円(ローン完済前は88900円)という破格の金額。とてもじゃないが頭金0円!一世一代のフルローン!で乗るような車ではありません。どうしても乗りたい言うなら、清水の舞台から飛び降りる覚悟でご近所をノロノロ運転して満足するか、盆栽としてガレージに飾っておくならまあ、あるいは…

Vクラスの維持費は高い?安い?

「Vクラスの年間維持費は505700円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「3500ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてVクラスの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いCX-60271400円-234300円
ディグニティ310600円-195100円
Eクラス セダン351800円-153900円
IS387200円-118500円
基準3500ccクラス平均425800円-79900円
911 クーペ502500円-3200円
Vクラスの維持費505700円
カマロ クーペ553300円+47600円
高い5シリーズ セダン736000円+230300円

Vクラスの年間維持費を、3500ccクラスで最も維持費が安いCX-60と比較して234300円高く、最も高い5シリーズ セダンと比較して230300円安く、3500ccクラスの平均維持費との比較では79900円高くなっています。

最低額のCX-60と最高額の5シリーズ セダンは極端な例としても、3500ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、Vクラスの維持費は まあまあ高い! と言えそうです。

年間維持費が安い 3500ccクラスの車 ランキング

Vクラスを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟%年収月給手取り
10%660万円55万円43万円
15%440万円37万円29万円
20%330万円28万円22万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は660万円(総支給額55万円/月、手取り43万円/月)、ここから月額維持費4.2万円を支払うと残りは38.8万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は440万円(総支給額37万円/月、手取り29万円/月)、4.2万円を支払うと残りは24.8万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が330万円(総支給額28万円/月、手取り22万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。4.2万円を引くと残りは17.8万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代30万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり185円を基準として、-50円となる135円から、+50円となる235円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費6.3km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
135円/L
214300円
[-79350円]
-25円
160円/L
253990円
[-39660円]
-10円
175円/L
277800円
[-15850円]
185円/L293650円
[0円]
+10円
195円/L
309550円
[+15900円]
+25円
210円/L
333360円
[+39710円]
+50円
235円/L
373040円
[+79390円]

燃費6.3km/Lの639350型 Vクラスで10000km走行するのに必要な燃料は1587.4L、1リットルあたり185円としたときの燃料代は293650円になります。

参考までに、Vクラスの燃料タンクは75リットルですので、1587.4Lの給油回数は22回、1回あたりの燃料代は約13350円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては15900円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると39710円、50円も違ってくると79390円にもなります。

これを639350型 Vクラスの年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり185円の場合を505700円としたとき、135円/Lに値下がりすれば426350円(84.3%)に、235円/Lに値上がりすれば585090円(115.7%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(66700円)なり重量税(28500円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 66700円 24%
自動車重量税 1年分 28500円 10%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 3000km分 88100円 32%
オイル交換 年1回 6000円 2%
タイヤ交換 6年毎 8000円 3%
任意保険料 80% 67200円 26%
合計
[1万kmとの差額]
273400円
-232300円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 66700円 20%
自動車重量税 1年分 28500円 8%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 5000km分 146830円 44%
オイル交換 年1回 6000円 2%
タイヤ交換 6年毎 8000円 2%
任意保険料 85% 71400円 21%
合計
[1万kmとの差額]
336300円
-169400円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 66700円 17%
自動車重量税 1年分 28500円 7%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 7000km分 205560円 51%
オイル交換 年1回 8400円 2%
タイヤ交換 6年毎 8000円 2%
任意保険料 90% 75600円 19%
合計
[1万kmとの差額]
401600円
-104100円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料84000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて232300円安い273400円に、5000km走行では169400円安い336300円に、7000km走行では104100円安い401600円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 66700円 10%
自動車重量税 1年分 28500円 4%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 15000km分 440480円 65%
オイル交換 年3回 36000円 5%
タイヤ交換 2.7年毎 18000円 3%
任意保険料 100% 84000円 12%
合計
[1万kmとの差額]
682600円
+176900円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 66700円 8%
自動車重量税 1年分 28500円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 20000km分 587300円 69%
オイル交換 年4回 48000円 6%
タイヤ交換 2年毎 24000円 3%
任意保険料 100% 84000円 10%
合計
[1万kmとの差額]
847400円
+341700円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
輸入車・外車の小型車&普通車編
3500cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
7人乗りミニバン編

Vクラスの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
10・15モード燃費 7.4km/L
燃料タンク容量 75L
航続距離(カタログ燃費) 555.0km
航続距離(80%燃費) 442.5km
満タンプライス 13875円
1km走行コスト 25.00円
1万円でどこまで行ける? 400.0km

10・15モード燃費が7.4km/L、燃料タンク容量75リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は555.0kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(6.7km/L)とすると航続距離は502.5km、80%(5.9km/L)だと442.5km、70%(5.2km/L)では390.0kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から75リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり185円では13875円、上で計算した航続距離を踏まえると555.0km(80%燃費時442.5km)を走行するのに13875円かかる計算です。

燃費を6.3km/Lとしたときの1km走行コストは25.00円、10万km走行したときの燃料代は250.0万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら25.0万円/年、7年10万kmなら35.7万円/年、5年10万kmなら50.0万円/年、3年10万kmなら83.3万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば400.0km(往復なら片道200.0km)、カタログ値の80%なら320.0km(片道160.0km)離れたところまで行くことができます。

カタログデータから見えてくる要素

M272型エンジン簡易性能曲線図
各回転域での馬力
2500回転時の馬力 121PS
5000回転時の馬力 242PS
5900回転時の馬力 258PS
各回転域でのトルク
2500回転時のトルク 34.7kgm
5000回転時のトルク 34.7kgm
5900回転時のトルク 31.3kgm
M272型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載しているM272型3497cc、V型6気筒の自然吸気エンジンは5900回転時に最高出力258馬力を、2500-5000回転時に最大トルク34.7kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、低めの回転数から中間域にトルクのピークがあるこのエンジンは、街中での普段使いに心地よく、高回転もそれなりでバランスの取れたタイプです。多くの乗用車がこの特性に当て嵌まるのではないかと思います。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する2500rpmから最高出力が発生する5900rpmまで」の3400rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は57.6%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
3500cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
3500cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ8.643kg/PS(2230kg/258PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ8.643kg/PS
車体+1人8.857kg/PS
車体+7人10.136kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg8.876kg/PS
車体+70kg8.915kg/PS
車体+80kg8.953kg/PS
車体+90kg8.992kg/PS
車体+100kg9.031kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは8.857kg/PS(2285kg/258PS)となり、数値としては0.214kg、比率にすると2.5%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの7人が搭乗した場合、車両重量に385kgがプラスされてパワーウェイトレシオは10.136kg/PS(2615kg/258PS)となり、数値としては1.493kg、比率にすると17.3%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

639350 Vクラスのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2011/01

-
Vクラス
8.857kg/PS
2285kg/258PS|3.5L-NA
[車体のみPWR:8.643]
2018/11

車種詳細
UX
8.764kg/PS
1525kg/174PS|2.0L-NA
車体のみPWR:8.448
2015/07

車種詳細
ゴルフ オールトラック
8.861kg/PS
1595kg/180PS|1.8L-TB
車体のみPWR:8.556
2011/02

車種詳細
ナビゲーター
8.869kg/PS
2785kg/314PS|5.5L-NA
車体のみPWR:8.694
2014/02

車種詳細
ティアナ
8.757kg/PS
1515kg/173PS|2.5L-NA
車体のみPWR:8.439
2007/09

車種詳細
ランドクルーザー200
8.733kg/PS
2515kg/288PS|4.7L-NA
車体のみPWR:8.542

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ8.857kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

8.680kg/PSから9.034kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、レクサスの5人乗りSUV「MZAA10型 UX」、フォルクスワーゲンの5人乗りSUV「AUCJSF型 ゴルフ オールトラック」、リンカーンの8人乗りSUV「謎型 ナビゲーター」、日産の5人乗りセダン「L33型 ティアナ」、トヨタの8人乗りSUV「UZJ200W型 ランドクルーザー200」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

639350型 Vクラス [V350 Ambiente-Long W639]のライバル車種|8.857kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は115.7PS/tとなっています。


Vクラスがバイクと競争するなら…?


車種詳細
セロー225WE|223cc
8.850kg/PS
177kg/20.0PS/1.90kgm
[車体のみPWR:6.100]
1速ギヤ速度:31.8km/h
最小TWR:0.677
2011/01

-
Vクラス|3497cc
8.857kg/PS
2285kg/258PS/34.7kgm
[車体のみPWR:8.643]
1速ギヤ速度:56.4km/h
最小TWR:1.628

車種詳細
RG125ガンマ|124cc
8.864kg/PS
195kg/22.0PS/1.70kgm
[車体のみPWR:6.364]
1速ギヤ速度:45.4km/h
最小TWR:0.991

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではVクラスとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

DG08J セロー225WEと競争してみる

まずVクラスより少しPWRが低いバイクとして、ヤマハのセロー225WEが挙げられます。PWRの8.850kg/PSは車両重量122kgにライダーの体重55kgを加えた177kgを、最高出力20.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はセロー225WEに24.6km/h勝り、1速TWRは0.951kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

NF13A RG125ガンマと競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、スズキのRG125ガンマが挙げられます。PWRの8.864kg/PSは車両重量140kg+55kgの195kgを、最高出力22.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は11.0km/h勝り、1速TWRは0.637kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.951
平均ピストンスピード 16.91m/s
トルクウェイトレシオ 64.27kg/kgm
1馬力あたりのお値段 24690円
排気量1Lあたり馬力 73.78PS/L
排気量1Lあたりトルク 9.92kgm/L
1気筒あたりの馬力 43.0PS
1気筒あたりのトルク 5.8kgm
パワーバンド比率 57.6%
燃費×馬力 1622.8pt
各種ランキング
ミニバン・1BOXのPWR
3.0~3.5L以下のPWR

トルクウェイトレシオは64.27kg/kgm(2230kg/34.7kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が6370000円、最高出力が258馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は24690円、逆に1万円あたりでは0.41馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は183573円、1万円あたりでは0.05kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
3500cc以下の車編
7人乗りミニバン編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は73.78PS/L、トルクは9.92kgm/L、1気筒あたりの馬力は43.0馬力、トルクは5.8kgmとなり、このエンジンが258馬力を5900回転で発生させているときの平均ピストンスピードは16.91m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が86.0mmであるM272型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6980回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.951になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、小回りよりも真っ直ぐ進むことを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が6.29km/L、最高出力が258PSであるこの車の獲得ポイントは1622.8ptになります。
戯れに車両重量2230kgを100kg単位にした22.3で割ってみたところ、その数値は72.77ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)



Vクラスでの車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.755m
期待される荷室の幅 1.510m
対角線の長さ 2.315m
期待される荷室の面積 2.650m²

縦方向の長さが1.755m(対角線では2.315m)などという破格のクラスになると、これはもう四の五の言わず車に住むべきです。

これだけの車を所持できる素養は持ち得ているのですから、細かいことは気にせずあらゆる支配からの卒業を宣言し、信じられぬ大人との争いに終止符を打ちましょう。

多くのミニバンや1BOXは室内長の寸法が大きいことから車中泊への期待が高まりますが、2列目、3列目シートの収納がイマイチの場合は車中泊の難易度がセダンよりも跳ね上がりかねません。その場合はシートを前ではなく後に倒してのフルフラットの可否が鍵を握ります。

車中泊にあると嬉しいアイテム

ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合5900rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした6400回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 6400rpm|タイヤサイズ 225/55R17|タイヤ直径 67.9cm|円周長 213.3cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
6400rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 3.595 13.40 -
-
61km/h 10470rpm 1369.5kgm
2速 2.186 8.15 0.608 1-2/
3890rpm
101km/h 6370rpm 832.7kgm
3速 1.405 5.24 0.643 2-3/
4120rpm
156km/h 4090rpm 535.2kgm
4速 1.000 3.73 0.712 3-4/
4560rpm
220km/h 2910rpm 380.9kgm
5速 0.831 3.10 0.831 4-5/
5320rpm
264km/h 2420rpm 316.6kgm
Final 3.727 レシオカバレッジ(変速比幅)4.326

  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数2500-5000rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.727)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(34.7kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.727)÷タイヤの有効半径(0.3395m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は5速ギヤの264km(5900rpmでは243.8km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが2500-5000回転で最大トルク34.7kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば64.27kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(8.643kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと1369.5kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(2230kg)を1速ギヤの最大駆動力(1369.5kgm)で割ってみると1.628kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する5900回転でのトルク(31.3kgm)からTWRを算出すると1.805kg/kgmとなり、2500-5900回転の回転域では1.628-1.805kg/kgmの間で推移することがわかります。


おまけ:5900rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

639350型Vクラスに搭載されたM272型3497ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する5900rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

5900rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ56km/h-
2速ギヤ93km/h3590rpm
3速ギヤ144km/h3790rpm
4速ギヤ203km/h4200rpm
5速ギヤ244km/h4900rpm

まず1速ギヤで5900rpmまで引っ張ると56km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は5900rpmから3590rpmまで落ち、そこから5900rpmまで加速を続けると速度は93km/h(+37km/h)になります。

3速ギヤでは3790rpmまで落ちて5900rpmで144km/h(+51km/h)に、4速ギヤでは4200rpmまで落ちて5900rpmで203km/h(+59km/h)に、5速ギヤでは4900rpmまで落ちて5900rpmで244km/h(+41km/h)という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4190 6280 8380 10470 12560 14660 18840
2速 2550 3820 5090 6370 7640 8910 11460
3速 1640 2450 3270 4090 4910 5730 7360
4速 1160 1750 2330 2910 3490 4080 5240
5速 970 1450 1940 2420 2900 3390 4360
※赤い数字は暫定レブリミット(6400rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.831)を選択して時速100kmにて走行すると2420回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1450回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1690回転、一般的な高速道路の80km/hでは1940回転、100km/hでは2420回転、制限速度が120km/hになると2900回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは4360回転まで回ります。

一般的な自動車であれば時速100kmでの巡航回転数は2500回転付近に落ち着くようですが、その中でも若干低めの回転数となっています。標準的なギヤ比の範囲内ながらも加速よりも静粛性や燃費に重きを置いた設定なので、急な坂道や長く続く坂道では積極的にギヤを1段下げる操作が必要になるかもしれません。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 10 19 29 38 48 57 67 76
2速 16 31 47 63 79 94 110 126
3速 24 49 73 98 122 147 171 196
4速 34 69 103 137 172 206 240 275
5速 41 83 124 165 207 248 289 331

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(6400回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの225/55R17と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 225/55R17 | 直径 679mm

-20mm
幅205mm
-10mm
幅215mm
変更なし
幅225mm
+10mm
幅235mm
+20mm
幅245mm
-5%
50
扁平
205/50R17
37.5km/h
直径637mm
径差-42mm
215/50R17
38.1km/h
直径647mm
径差-32mm
225/50R17
38.7km/h
直径657mm
径差-22mm
235/50R17
39.3km/h
直径667mm
径差-12mm
245/50R17
39.9km/h
直径677mm
径差-2mm
0%
55
扁平
205/55R17
38.8km/h
直径658mm
径差-21mm
215/55R17
39.4km/h
直径669mm
径差-10mm
225/55R17
40.0km/h
679mm
0mm
235/55R17
40.7km/h
直径691mm
径差+12mm
245/55R17
41.4km/h
直径702mm
径差+23mm
+5%
60
扁平
205/60R17
39.9km/h
直径678mm
径差-1mm
215/60R17
40.6km/h
直径690mm
径差+11mm
225/60R17
41.4km/h
直径702mm
径差+23mm
235/60R17
42.1km/h
直径714mm
径差+35mm
245/60R17
42.8km/h
直径726mm
径差+47mm
+10%
65
扁平
205/65R17
41.2km/h
直径699mm
径差+20mm
215/65R17
41.9km/h
直径712mm
径差+33mm
225/65R17
42.7km/h
直径725mm
径差+46mm
235/65R17
43.5km/h
直径738mm
径差+59mm
245/65R17
44.2km/h
直径751mm
径差+72mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、205/55R17、205/60R17 、215/50R17、215/55R17 、225/50R17 、235/50R17 、245/50R17あたりのタイヤがおすすめです。

225/55R17のタイヤ幅を205mmから255mmまで、扁平率を40%から70%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、225/55R17の適応サイズと性能の変化 [639350型Vクラス編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】225/55R17のタイヤ銘柄と通販価格

639350型Vクラス[3.5L-NA FR/5AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト8.643kg/ps53.08
1速ギヤ加速性能1.628kg/kgm48.89
1L換算馬力73.78ps/L50.54
1L換算トルク9.92kgm/L55.49
WB/TR比1.95131.65
ワイド&ロー指数1.01041.49
前面の面積3.686m²20.35
最低地上高-43.72
スポーツ性能部門の得点345.21

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
10-15燃費7.4km/L37.68
年間維持費505700円33.60
100kmh回転数2420rpm50.98
航続距離555.0km40.82
車の大きさ18.487m³77.86
室内の広さ(仮) 3.352m³49.38
最小回転半径5.4m45.31
馬力単価24690円45.88
ユーティリティ部門の得点381.51

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した 639350型Vクラス[3.5L-NA FR/5AT] の総合得点は 726.72 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介した639350型Vクラス(FR/5AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのミニバン」、「3500ccのミニバン」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

Vクラスの歴代モデル

3代目 447815型 Vクラス
447815 Vクラスは2015/10に登場した3代目モデル。参考車両の「V220d Avantgarde Extra-Long W447」は全長5380mm、全幅1930mm、全高1880mmの車体に、163PS/38.7kgmを発生するOM651型2142ccエンジンを搭載した7人乗りミニバン。

2代目 639811型 Vクラス
639811 Vクラスは1998/06に登場した2代目モデル。参考車両の「V350 Ambiente-Long W639」は全長5000mm、全幅1910mm、全高1930mmの車体に、231PS/35.2kgmを発生する112M37型3724ccエンジンを搭載した7人乗りミニバン。

初代 638280型 Vクラス
638280 Vクラスは1998/06に登場した初代モデル。参考車両の「V280 W638」は全長4670mm、全幅1890mm、全高1890mmの車体に、174PS/24.2kgmを発生するM1040型2791ccエンジンを搭載した6人乗りミニバン。