R231:SLクラスの性能と維持費 FR/7AT 2人 1560万円 2012年式

このページでは、メルセデスベンツの2ドア・2人乗りオープンカー、6代目のR231型SLクラス SL550 Blue-Efficiency R231【2012/03モデル・435PS/71.4kgm・FR/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

R231 SLクラス
販売期間:2012/03 - 2021/05

画像はメルセデスベンツより引用
http://www.mercedes-benz.co.jp/
投稿:2012/04/05|更新:2019/09/26

ボディサイズが全長4612mm×全幅1877mm×全高1315mm、排気量は4663ccであることから、大雑把に分類すると4.7リットルクラス(4700cc、自動車税は6.0L以下を適用)に属し、全長、全高は5ナンバー枠ながら全幅が1.7mを超え、排気量も2000ccを超えていることにより3ナンバー登録になります。比較的コンパクトなボディに大きめなエンジンの組み合わせは世界戦略車(グローバルカー)やちょっとした高級車に良くあるパターンです。

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、後輪のみを駆動する、フロントエンジン・リヤドライブ方式(後輪駆動・FR・RWDとも)を採用しています。前輪は操舵、後輪は駆動と役割分担が異なることから優れたハンドリングを得られるとされ、運転の質を求める人々から絶大なる支持を集めます。高級車の代名詞的な駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4612mmであるこの車の場合は「ミディアム」(Medium:4300mm超-4650mm以下・Dセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


R231型 SLクラス [4663cc/435PS FR/7AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

No Data
タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
No Data
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

6代目SLクラスの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2016/06
231466型
[SL400 R231]
3.0L-TB | FR/9AT
| 1265.0万円
367PS
51.0kgm
11.6km/L
2016/06
231473型
[SL550 R231]
4.7L-TB | FR/9AT
| 1698.0万円
455PS
71.4kgm
9.5km/L
2013/08
231474型
[SL65 AMG R231]
6.0L-TB | FR/7AT
| 3050.0万円
630PS
102.0kgm
-
6代目SLクラスの車両型式・グレード一覧【全6車種】
SLクラスの旧型モデル
5代目 R230型SLクラス
R230型SLクラスは2001/10に登場した5代目モデル。参考車両の「SL65 AMG R230」は全長4600mm、全幅1820mm、全高1300mmの車体に、612PS/102.0kgmを発生するM275981型5980ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー MERCEDES_BENZ
車名&
グレード
SLクラス
SL550 Blue-Efficiency R231
その他 ブルーエフィシェンシー エディション1
お値段 15600000円
車両型式 R231
駆動方式
変速機
FR・後輪駆動(RWD,2WD)
7速AT・7速オートマ車
ドア/定員 2ドア/2名乗車
車体寸法 長4612×幅1877×高1315mm
室内寸法 長1140×幅1490×高1080mm
軸距&
輪距
2585mm
前1610mm/後1635mm
最低高 115mm
タイヤ 前輪:255/40R18
後輪:285/35R18
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
車両重量 1785kg
エンジン諸元
原動機型式 M278
気筒配列 V型8気筒
排気量4663cc
圧縮比10.5
吸気方式 ツインターボ
最高出力 435PS[320kW]/5250rpm
最大トルク 71.4kgm[700Nm]/1800-3500rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
M278型エンジンの諸元と性能まとめ
V型8気筒とは‥シリンダをV字型に交互で8個配置する方式。中?大排気量のスタンダード。
V型8気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税88000円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税16400円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額8500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、2012/03モデルのSLクラスを12年落ちの中古で772.2万円にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    SLクラスの2012/03モデルの場合、2024年現在では12年が経過しているため、新車価格の45%である702万円に諸経費として70.2万円を足した772.2万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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2012年式を12年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 6000cc以下 13年未満 88000円
自動車重量税(1年分) 2.0トン以下 13年未満 16400円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
10000km÷6.7km/L×180円/L
7000km÷6.7km/L×180円/L
5000km÷6.7km/L×180円/L
3000km÷6.7km/L×180円/L
268660円
(188060円)
(134330円)
(80600円)
オイル交換(5000km毎) 1回9500円×2回 19000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本18000円×4本÷5年 14400円
任意保険料(月額8500円) 月額8500円×12ヶ月 102000円
ローン完済後の年間維持費 517300円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額128700円×12ヶ月 1544400円
ローン返済中の年間維持費 2061700円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分+検査手数料等3000円程度 53500円
名目 金額
自動車税(1年分) 88000円
自動車重量税(1年分) 16400円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
268660円
(188060円)
(134330円)
(80600円)
オイル交換(5000km毎) 19000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 14400円
任意保険料(月額8500円) 102000円
ローン完済後の年間維持費 517300円
名目 金額
車のローン額(1年分) 1544400円
ローン返済中の年間維持費 2061700円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
53500円
  • 初度登録から12年経過車の場合、「6000cc以下で13年未満」クラスの自動車税は88000円、「2.0トン以下で13年未満」クラスの自動車重量税は16400円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに9500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本18000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額8500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 10・15モード燃費、JC08モード燃費、WLTCモード燃費いずれもデータがないので10.0km/Lを仮の燃費として代入。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした53500円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

年間の維持費が50万円を超えてくると、これはもうこの車そのものが趣味の世界です。若しくは、これだけの維持費が掛かる車を所有していることに喜びを感じ、意義を見出しているのかもしれません。

名にし負うSLクラスともなると、維持費は月額でさえ43200円(ローン完済前は171900円)という破格の金額になってしまうことを思えば、とてもじゃないけど新車で買って5年のローンを抱えながら乗るような車ではありません。清水の舞台から飛び降りる覚悟でご近所を一周して満足するか、盆栽としてガレージに飾っておくならまあ、あるいは…


燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり180円を基準として、-50円となる130円から、+50円となる230円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費6.7km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
130円/L
194040円
[-74620円]
-25円
155円/L
231360円
[-37300円]
-10円
170円/L
253750円
[-14910円]
180円/L268660円
[0円]
+10円
190円/L
283600円
[+14940円]
+25円
205円/L
305990円
[+37330円]
+50円
230円/L
343300円
[+74640円]

燃費6.7km/LのR231型 SLクラスで10000km走行するのに必要な燃料は1492.6L、1リットルあたり180円としたときの燃料代は268660円になります。

参考までに、SLクラスの燃料タンクは75リットルですので、1492.6Lの給油回数は20回、1回あたりの燃料代は約13440円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては14940円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると37330円、50円も違ってくると74640円にもなります。

これをR231型 SLクラスの年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり180円の場合を517300円としたとき、130円/Lに値下がりすれば442680円(85.6%)に、230円/Lに値上がりすれば591940円(114.4%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(88000円)なり重量税(16400円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 88000円 30%
自動車重量税 1年分 16400円 6%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 3000km分 80600円 27%
オイル交換 年1回 9500円 3%
タイヤ交換 6年毎 9600円 3%
任意保険料 80% 81600円 28%
合計
[1万kmとの差額]
294600円
-222700円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 88000円 25%
自動車重量税 1年分 16400円 5%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 5000km分 134330円 38%
オイル交換 年1回 9500円 3%
タイヤ交換 6年毎 9600円 3%
任意保険料 85% 86760円 24%
合計
[1万kmとの差額]
353500円
-163800円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 88000円 21%
自動車重量税 1年分 16400円 4%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 7000km分 188060円 45%
オイル交換 年1回 13300円 3%
タイヤ交換 6年毎 9600円 2%
任意保険料 90% 91800円 23%
合計
[1万kmとの差額]
416000円
-101300円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料102000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて222700円安い294600円に、5000km走行では163800円安い353500円に、7000km走行では101300円安い416000円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 88000円 13%
自動車重量税 1年分 16400円 2%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 15000km分 402990円 58%
オイル交換 年3回 57000円 8%
タイヤ交換 2.7年毎 21600円 3%
任意保険料 100% 102000円 15%
合計
[1万kmとの差額]
696900円
+179600円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 88000円 10%
自動車重量税 1年分 16400円 2%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 20000km分 537320円 63%
オイル交換 年4回 76000円 9%
タイヤ交換 2年毎 28800円 3%
任意保険料 100% 102000円 12%
合計
[1万kmとの差額]
857400円
+340100円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。



SLクラスの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
暫定基準燃費 6.7km/L
燃料タンク容量 75L
航続距離(カタログ燃費) 502.5km
航続距離(80%燃費) 405.0km
満タンプライス 13500円
1km走行コスト 26.87円

10・15モード燃費、JC08モード燃費、WLTPモード燃費ともにデータがないので6.7km/Lを仮の燃費とすると、、燃料タンク容量75リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は502.5kmになります。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(6.0km/L)とすると450.0km、80%(5.4km/L)だと405.0km、70%(4.7km/L)では352.5kmという航続距離になります。

燃料タンクに1滴の燃料もないスッカラカンの状態から満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり180円で75リットルの給油をすると13500円、上で計算した航続距離を踏まえると502.5km(80%燃費時405.0km)を走行するのに13500円かかる計算です。

燃費を6.7km/Lとしたときの1km走行コストは26.87円、10万km走行したときの燃料代は268.7万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら26.9万円/年、7年10万kmなら38.4万円/年、5年10万kmなら53.7万円/年、3年10万kmなら89.6万円/年となります。



カタログデータから見えてくる要素

M278型エンジン簡易性能曲線図
M278型エンジン性能曲線図もどき
各回転域での馬力
1800回転時の馬力 179PS
3500回転時の馬力 349PS
5250回転時の馬力 435PS
各回転域でのトルク
1800回転時のトルク 71.4kgm
3500回転時のトルク 71.4kgm
5250回転時のトルク 59.4kgm
M278型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載しているM278型4663cc、V型8気筒のツインターボエンジンは5250回転時に最高出力435馬力を、1800-3500回転時に最大トルク71.4kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、アイドリングとそれほど変わらないような回転数から最大トルクが発生するこのエンジンは、坂道発進も平気の平左、MT車でもエンスト知らず、扱いやすさにかけては右に出るものがありません。ディーゼル車やダウンサイジングターボに多くあります。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する1800rpmから最高出力が発生する5250rpmまで」の3450rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は65.7%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
5000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
5000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ4.103kg/PS(1785kg/435PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ4.103kg/PS
車体+1人4.230kg/PS
車体+2人4.356kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg4.241kg/PS
車体+70kg4.264kg/PS
車体+80kg4.287kg/PS
車体+90kg4.310kg/PS
車体+100kg4.333kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは4.230kg/PS(1840kg/435PS)となり、数値としては0.127kg、比率にすると3.1%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの2人が搭乗した場合、車両重量に110kgがプラスされてパワーウェイトレシオは4.356kg/PS(1895kg/435PS)となり、数値としては0.253kg、比率にすると6.2%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。


R231 SLクラスのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2012/03

-
SLクラス
4.230kg/PS
1840kg/435PS|4.7L-TT
[車体のみPWR:4.103]
2015/12

車種詳細
Aクラス
4.239kg/PS
1615kg/381PS|2.0L-TB
車体のみPWR:4.094
2013/09

車種詳細
IS-F
4.058kg/PS
1745kg/430PS|5.0L-NA
車体のみPWR:3.930
2002/06

車種詳細
インプレッサWRX
4.328kg/PS
1385kg/320PS|2.0L-TB
車体のみPWR:4.156
2010/11

車種詳細
フェアレディZ
4.437kg/PS
1575kg/355PS|3.7L-NA
車体のみPWR:4.282
2002/11

車種詳細
コルベット クーペ
4.296kg/PS
1525kg/355PS|5.7L-NA
車体のみPWR:4.141

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ4.230kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

4.019kg/PSから4.442kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、メルセデスベンツの5人乗りハッチバック「176052型 Aクラス」、レクサスの4人乗りセダン「USE20型 IS-F」、スバルの5人乗りセダン「GDB型 インプレッサWRX」、日産の2人乗りクーペ「Z34型 フェアレディZ」、シボレーの2人乗りクーペ「CY25E型 コルベット クーペ」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

R231型 SLクラス [SL550 Blue-Efficiency R231]とパワーウェイトレシオが近い車種|4.230kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は243.7PS/tとなっています。


SLクラスがバイクと競争するなら…?


車種詳細
RMX250S|249cc
4.175kg/PS
167kg/40.0PS/4.00kgm
[車体のみPWR:2.800]
2012/03

-
SLクラス|4663cc
4.230kg/PS
1840kg/435PS/71.4kgm
[車体のみPWR:4.103]

車種詳細
ゴールドウイング|1832cc
4.330kg/PS
472kg/109.0PS/16.40kgm
[車体のみPWR:3.826]

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではSLクラスとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

SJ14A RMX250Sと競争してみる

まずSLクラスより少しPWRが低いバイクとして、スズキのRMX250Sが挙げられます。PWRの4.175kg/PSは車両重量112kgにライダーの体重55kgを加えた167kgを、最高出力40.0PSで割ったものです。

SC68 ゴールドウイングと競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、ホンダのゴールドウイングが挙げられます。PWRの4.330kg/PSは車両重量417kg+55kgの472kgを、最高出力109.0PSで割ったもので、(PWRで比較すれば)まさに街角の好敵手と呼べるバイクです。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.593
平均ピストンスピード 15.05m/s
トルクウェイトレシオ 25.00kg/kgm
1馬力あたりのお値段 35862円
排気量1Lあたり馬力 93.29PS/L
排気量1Lあたりトルク 15.31kgm/L
1気筒あたりの馬力 54.4PS
1気筒あたりのトルク 8.9kgm
パワーバンド比率 65.7%
燃費×馬力 No data
各種ランキング
オープンカーのPWR
4.5~5.0L以下のPWR

トルクウェイトレシオは25.00kg/kgm(1785kg/71.4kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が15600000円、最高出力が435馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は35862円、逆に1万円あたりでは0.28馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は218487円、1万円あたりでは0.05kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
5000cc以下の車編
オープンカー編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は93.29PS/L、トルクは15.31kgm/L、1気筒あたりの馬力は54.4馬力、トルクは8.9kgmとなり、このエンジンが435馬力を5250回転で発生させているときの平均ピストンスピードは15.05m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が86.0mmであるM278型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6980回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.593になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、真っ直ぐ進むよりも小回りを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

人間様の占有スペース

人間様の占有スペース
室内長×幅×高 1.83m³
1人あたりのスペース 約0.92m³
室内長/全長 24.7%
室内幅/全幅 79.4%
室内高/全高 82.1%
室内容積/車両体積 16.1%

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は1.83m³です。この車の乗車定員は2人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.92m³のスペースが割り当てられることになります。続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は24.7%、同じく室内幅と全幅の比率は79.4%、同じく室内高と全高の比率は82.1%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は16.1%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車 室内幅が広い車 室内高が高い車 車内の空間が広い車
室内長が長い車
室内幅が広い車
室内高が高い車
車内の空間が広い車


純正装着タイヤの285/35R18と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 285/35R18 | 直径 657mm

-20mm
幅265mm
-10mm
幅275mm
変更なし
幅285mm
+10mm
幅295mm
+20mm
幅305mm
-5%
30
扁平
265/30R18
37.5km/h
直径616mm
径差-41mm
275/30R18
37.9km/h
直径622mm
径差-35mm
285/30R18
38.2km/h
直径628mm
径差-29mm
295/30R18
38.6km/h
直径634mm
径差-23mm
305/30R18
39.0km/h
直径640mm
径差-17mm
0%
35
扁平
265/35R18
39.1km/h
直径643mm
径差-14mm
275/35R18
39.6km/h
直径650mm
径差-7mm
285/35R18
40.0km/h
657mm
0mm
295/35R18
40.4km/h
直径664mm
径差+7mm
305/35R18
40.9km/h
直径671mm
径差+14mm
+5%
40
扁平
265/40R18
40.7km/h
直径669mm
径差+12mm
275/40R18
41.2km/h
直径677mm
径差+20mm
285/40R18
41.7km/h
直径685mm
径差+28mm
295/40R18
42.2km/h
直径693mm
径差+36mm
305/40R18
42.7km/h
直径701mm
径差+44mm
+10%
45
扁平
265/45R18
42.4km/h
直径696mm
径差+39mm
275/45R18
42.9km/h
直径705mm
径差+48mm
285/45R18
43.5km/h
直径714mm
径差+57mm
295/45R18
44.0km/h
直径723mm
径差+66mm
305/45R18
44.6km/h
直径732mm
径差+75mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、265/35R18 、275/35R18 、285/30R18 、295/30R18 、305/30R18あたりのタイヤがおすすめです。

285/35R18のタイヤ幅を265mmから315mmまで、扁平率を20%から50%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、ホイールサイズを18インチからインチダウン、インチアップした場合の一覧表は、純正装着タイヤが285/35R18のとき互換可能なタイヤサイズのページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
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R231型SLクラス[4.7L-TT FR/7AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト4.103kg/ps65.50
1速ギヤ加速性能-39.92
1L換算馬力93.29ps/L46.51
1L換算トルク15.31kgm/L48.19
WB/TR比1.59368.56
ワイド&ロー指数0.70163.89
前面の面積2.468m²54.38
最低地上高115mm66.02
スポーツ性能部門の得点452.97

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
燃費-41.40
年間維持費517300円32.61
100kmh回転数-43.39
航続距離-25.83
車の大きさ11.384m³49.78
室内の広さ1.835m³34.96
最小回転半径-39.21
馬力単価35862円30.97
ユーティリティ部門の得点298.15

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した R231型SLクラス[4.7L-TT FR/7AT] の総合得点は 751.12 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したR231型SLクラス(FR/7AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのオープンカー」、「5000ccのオープンカー」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

SLクラスの歴代モデル

6代目 231474型 SLクラス
231474 SLクラスは2012/03に登場した6代目モデル。参考車両の「SL65 AMG R231」は全長4645mm、全幅1875mm、全高1310mmの車体に、630PS/102.0kgmを発生するM279型5980ccエンジンを搭載した2人乗りオープンカー。

5代目 230475型 SLクラス
230475 SLクラスは2001/10に登場した5代目モデル。参考車両の「SL500 R230」は全長4535mm、全幅1830mm、全高1300mmの車体に、306PS/46.9kgmを発生するM113型4965ccエンジンを搭載した2人乗りオープンカー。

4代目 R129型 SLクラス
R129 SLクラスは1993/10に登場した4代目モデル。参考車両の「SL500-6.0 R129」は全長4550mm、全幅1815mm、全高1300mmの車体に、381PS/59.1kgmを発生する119982型5956ccエンジンを搭載した2人乗りオープンカー。