UV56R プロシード マービーの性能と維持費 4WD/4AT 250万円

このページでは、マツダ株式会社の5ドア・7人乗りSUV、3代目のE-UV56R型プロシード マービー BaseGrade【1996/03モデル・120PS/20.1kgm・PT4WD/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

UV56R プロシード マービー
販売期間:1991/01 - 1999/01

画像はマツダ株式会社より引用
http://www.mazda.co.jp/
投稿:2011/10/27|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長4950mm×全幅1810mm×全高1800mm、排気量は2494ccであることから、大雑把に分類すると2.5リットルクラス(2500cc、自動車税は2.5L以下を適用)に属し、全長、全幅、排気量ともに5ナンバー枠を超えていることにより完全無欠の3ナンバー登録車です。いわゆる【高級車】にカテゴライズされます。
参考:100PS~150PSの自動車 一覧

駆動方式には車両に備わる全てのタイヤを駆動する、いわゆる四輪駆動(All Wheel Drive・AWD・Four Wheel Drive・4WDとも)を採用しています。真っ直ぐ進むことに掛けては右に出る者なしとされ、大雨、強風、泥濘、降雪、凍結など天変地異による悪天候下や悪路にて無類の強さを発揮する安心の駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4950mmであるこの車の場合は「ラグジュアリー」(Luxury:4900mm超・Fセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


UV56R型 プロシード マービー [2494cc/120PS PT4WD/4AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

3代目プロシード マービーの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
1996/03
UVL6R型
[BaseGrade]
2.5L-TB・4WD/5MT・261.7万円
125PS・30.0kgm・-
125PS
30.0kgm
-
1996/03
UV56R型
[BaseGrade]
2.5L-NA・4WD/5MT・240.8万円
120PS・20.1kgm・8.7km/L
120PS
20.1kgm
8.7km/L
1996/03
UVL6R型
[BaseGrade]
2.5L-TB・4WD/4AT・270.7万円
125PS・30.0kgm・-
125PS
30.0kgm
-
3代目プロシード マービーの車両型式・グレード一覧【全6車種】

主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー マツダ株式会社
車名&
グレード
プロシード マービー
BaseGrade
その他 ベースグレード, Sパック
お値段 2498000円
車両型式 E-UV56R
駆動方式
変速機
パートタイム4WD・四輪駆動(AWD)
4速AT・4速オートマ車
ドア/定員 5ドア/7名乗車
車体寸法 長4950×幅1810×高1800mm
室内寸法 長2730×幅1400×高1165mm
軸距&
輪距
3000mm
前1480mm/後1470mm
最小半径 6.0m
タイヤ 前輪:265/70R15
後輪:265/70R15
ブレーキ 前:ディスク
後:ドラム
車両重量 1720kg
エンジン諸元
原動機型式 G5-E
気筒配列 直列4気筒
排気量2494cc
圧縮比8.4
吸気方式 自然吸気(NA・ノンターボ)
最高出力 120PS[88kW]/4500rpm
最大トルク 20.1kgm[197Nm]/4000rpm
使用燃料 レギュラーガソリン
10・15燃費 7.7km/L(18.1mpg)
100km燃費 13.0L/100km
G5-E型エンジンの諸元と性能まとめ
直列4気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に4個配置する方式。小排気量から2.5Lあたりまでをカバー。
直列4気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税51700円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税25200円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額6000円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、1996/03モデルのプロシード マービーを28年落ちの中古で55.0万円にて購入し、頭金なしで1年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    プロシード マービーの1996/03モデルの場合、2024年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の20%である49.96万円に諸経費として5.0万円を足した55.0万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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1996年式を28年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 2500cc以下 13年経過 51700円
自動車重量税(1年分) 2.0トン以下 18年経過 25200円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
燃料代(年間1万km) 10000km÷6.5km/L×180円/L 276920円
オイル交換(5000km毎) 1回5000円×2回 10000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本10000円×4本÷5年 8000円
任意保険料(月額6000円) 月額6000円×12ヶ月 72000円
ローン完済後の年間維持費 452700円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額45800円×12ヶ月 549600円
ローン返済中の年間維持費 1002300円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 71100円
名目 金額
自動車税(1年分) 51700円
自動車重量税(1年分) 25200円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
276920円
(193840円)
(138460円)
(83080円)
オイル交換(5000km毎) 10000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 8000円
任意保険料(月額6000円) 72000円
ローン完済後の年間維持費 452700円
名目 金額
車のローン額(1年分) 549600円
ローン返済中の年間維持費 1002300円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
71100円
  • 初度登録から13年以上経過車の場合、「2500cc以下で13年経過」クラスの自動車税は51700円、「2.0トン以下で18年経過」クラスの自動車重量税は25200円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに5000円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本10000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額6000円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした71100円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

このあたりのクラスから理想と現実の違い、つまり「乗りたい車」と「乗ることができる車」は違うことを思い知らされます。うっかり手を出せば「いっ…維持費が高すぎて息ができん!フーッ!フーッ!」と目を白黒させることになりかねません。

さて、プロシード マービー【BaseGrade】の場合、維持費の月額は37800円になります。金銭的にシビアな人からは「車なんてどれもタイヤが4つあるだけなのに、なんでこんなにお金の掛かる車に乗ってるんだ…修行か…」と奇異の目で見られていることでしょう。でも良いんです。愛さえあれば。

プロシード マービーの維持費は高い?安い?

「プロシード マービーの年間維持費は452700円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「2500ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてプロシード マービーの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いカムリ216500円-236200円
トライトン276340円-176360円
LM307000円-145700円
RS Q3 スポーツバック345100円-107600円
基準2500ccクラス平均354400円-98300円
キャラバン ワゴン367700円-85000円
インプレッサ WRX387800円-64900円
キャラバン コーチ419800円-32900円
プロシード マービーの維持費452700円
高い5シリーズ セダン480900円+28200円

プロシード マービーの年間維持費を、2500ccクラスで最も維持費が安いカムリと比較して236200円高く、最も高い5シリーズ セダンと比較して28200円安く、2500ccクラスの平均維持費との比較では98300円高くなっています。

最低額のカムリと最高額の5シリーズ セダンは極端な例としても、2500ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、プロシード マービーの維持費は ものすごく高い! と言えそうです。

年間維持費が安い 2500ccクラスの車 ランキング

プロシード マービーを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟%年収月給手取り
10%590万円50万円39万円
15%390万円33万円26万円
20%290万円25万円20万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は590万円(総支給額50万円/月、手取り39万円/月)、ここから月額維持費3.8万円を支払うと残りは35.2万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は390万円(総支給額33万円/月、手取り26万円/月)、3.8万円を支払うと残りは22.2万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が290万円(総支給額25万円/月、手取り20万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。3.8万円を引くと残りは16.2万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代28万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、レギュラーガソリン1リットルあたり180円を基準として、-50円となる130円から、+50円となる230円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費6.5km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
130円/L
200010円
[-76910円]
-25円
155円/L
238470円
[-38450円]
-10円
170円/L
261550円
[-15370円]
180円/L276920円
[0円]
+10円
190円/L
292320円
[+15400円]
+25円
205円/L
315400円
[+38480円]
+50円
230円/L
353860円
[+76940円]

燃費6.5km/LのUV56R型 プロシード マービーで10000km走行するのに必要な燃料は1538.5L、1リットルあたり180円としたときの燃料代は276920円になります。

参考までに、プロシード マービーの燃料タンクは70リットルですので、1538.5Lの給油回数は22回、1回あたりの燃料代は約12590円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては15400円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると38480円、50円も違ってくると76940円にもなります。

これをUV56R型 プロシード マービーの年間維持費に当てはめてみますと、レギュラーガソリン1リットルあたり180円の場合を452700円としたとき、130円/Lに値下がりすれば375790円(83.0%)に、230円/Lに値上がりすれば529640円(117.0%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(51700円)なり重量税(25200円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 51700円 22%
自動車重量税 1年分 25200円 11%
自賠責保険料 1年分 8825円 4%
燃料代 3000km分 83080円 35%
オイル交換 年1回 5000円 2%
タイヤ交換 6年毎 5330円 2%
任意保険料 80% 57600円 24%
合計
[1万kmとの差額]
236800円
-215900円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 51700円 17%
自動車重量税 1年分 25200円 9%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 5000km分 138460円 47%
オイル交換 年1回 5000円 2%
タイヤ交換 6年毎 5330円 2%
任意保険料 85% 61200円 20%
合計
[1万kmとの差額]
295800円
-156900円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 51700円 14%
自動車重量税 1年分 25200円 7%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 7000km分 193840円 54%
オイル交換 年1回 7000円 2%
タイヤ交換 6年毎 5330円 1%
任意保険料 90% 64800円 20%
合計
[1万kmとの差額]
356700円
-96000円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料72000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて215900円安い236800円に、5000km走行では156900円安い295800円に、7000km走行では96000円安い356700円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 51700円 8%
自動車重量税 1年分 25200円 4%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 15000km分 415380円 68%
オイル交換 年3回 30000円 5%
タイヤ交換 2.7年毎 12000円 2%
任意保険料 100% 72000円 12%
合計
[1万kmとの差額]
615200円
+162500円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 51700円 7%
自動車重量税 1年分 25200円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 20000km分 553840円 72%
オイル交換 年4回 40000円 5%
タイヤ交換 2年毎 16000円 2%
任意保険料 100% 72000円 10%
合計
[1万kmとの差額]
767600円
+314900円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
マツダの小型車&普通車編
2500cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
7人乗りSUV・RV編

プロシード マービーの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
10・15モード燃費 7.7km/L
燃料タンク容量 70L
航続距離(カタログ燃費) 539.0km
航続距離(80%燃費) 434.0km
満タンプライス 12600円
1km走行コスト 23.38円
1万円でどこまで行ける? 427.8km

10・15モード燃費が7.7km/L、燃料タンク容量70リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は539.0kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(6.9km/L)とすると航続距離は483.0km、80%(6.2km/L)だと434.0km、70%(5.4km/L)では378.0kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から70リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、レギュラーガソリンを1リットルあたり180円では12600円、上で計算した航続距離を踏まえると539.0km(80%燃費時434.0km)を走行するのに12600円かかる計算です。

燃費を6.5km/Lとしたときの1km走行コストは23.38円、10万km走行したときの燃料代は233.8万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら23.4万円/年、7年10万kmなら33.4万円/年、5年10万kmなら46.8万円/年、3年10万kmなら77.9万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば427.8km(往復なら片道213.9km)、カタログ値の80%なら342.2km(片道171.1km)離れたところまで行くことができます。

カタログデータから見えてくる要素

G5-E型エンジン簡易性能曲線図
各回転域での馬力
4000回転時の馬力 112PS
4500回転時の馬力 120PS
各回転域でのトルク
4000回転時のトルク 20.1kgm
4500回転時のトルク 19.1kgm
G5-E型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載しているG5型2494cc、直列4気筒の自然吸気エンジンは4500回転時に最高出力120馬力を、4000回転時に最大トルク20.1kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、最大トルクと最高出力の発生回転数がとても近いこのエンジンは、高い回転数まで回すことで力を発揮するタイプのエンジンです。回転に伴って高まるパワー感は得も言われぬ感動を与えてくれることでしょう。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する4000rpmから最高出力が発生する4500rpmまで」の500rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は11.1%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
2500cc以下クラス編
マツダの小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
2500cc以下クラス編
マツダの小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ14.333kg/PS(1720kg/120PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ14.333kg/PS
車体+1人14.792kg/PS
車体+7人17.542kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg14.833kg/PS
車体+70kg14.917kg/PS
車体+80kg15.000kg/PS
車体+90kg15.083kg/PS
車体+100kg15.167kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは14.792kg/PS(1775kg/120PS)となり、数値としては0.459kg、比率にすると3.2%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの7人が搭乗した場合、車両重量に385kgがプラスされてパワーウェイトレシオは17.542kg/PS(2105kg/120PS)となり、数値としては3.209kg、比率にすると22.4%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

UV56R プロシード マービーのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
1996/03

-
プロシード マービー
14.792kg/PS
1775kg/120PS|2.5L-NA
[車体のみPWR:14.333]
2011/12

車種詳細
アクア
14.932kg/PS
1105kg/74PS|1.5L-NA
車体のみPWR:14.189
2009/08

車種詳細
ヴィッツ
14.718kg/PS
1045kg/71PS|1.0L-NA
車体のみPWR:13.944
2005/02

車種詳細
ツイン
14.886kg/PS
655kg/44PS|0.7L-NA
車体のみPWR:13.636
2013/06

車種詳細
デイズ ハイウェイスター
14.922kg/PS
955kg/64PS|0.7L-TB
車体のみPWR:14.062
2011/01

車種詳細
CT
14.697kg/PS
1455kg/99PS|1.8L-NA
車体のみPWR:14.141

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ14.792kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

14.644kg/PSから14.940kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、トヨタの5人乗りハッチバック「NHP10型 アクア」、トヨタの5人乗りハッチバック「KSP90型 ヴィッツ」、スズキの2人乗り軽ハッチバック「EC22S型 ツイン」、日産の4人乗り軽ミニバン「B21W型 デイズ ハイウェイスター」、レクサスの5人乗りハッチバック「ZWA10型 CT」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

UV56R型 プロシード マービー [BaseGrade]のライバル車種|14.792kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は69.8PS/tとなっています。


プロシード マービーがバイクと競争するなら…?


車種詳細
XLR125R|124cc
14.750kg/PS
177kg/12.0PS/1.00kgm
[車体のみPWR:10.167]
1速ギヤ速度:33.5km/h
最小TWR:1.204
1996/03

-
プロシード マービー|2494cc
14.792kg/PS
1775kg/120PS/20.1kgm
[車体のみPWR:14.333]
1速ギヤ速度:50.6km/h
最小TWR:2.554

車種詳細
グランドアクシス100|101cc
14.800kg/PS
148kg/10.0PS/1.10kgm
[車体のみPWR:9.300]
1速ギヤ速度:29.4km/h
最小TWR:0.943

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではプロシード マービーとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

JD16 XLR125Rと競争してみる

まずプロシード マービーより少しPWRが低いバイクとして、ホンダのXLR125Rが挙げられます。PWRの14.750kg/PSは車両重量122kgにライダーの体重55kgを加えた177kgを、最高出力12.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はXLR125Rに17.1km/h勝り、1速TWRは1.350kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

SB01J グランドアクシス100と競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、ヤマハのグランドアクシス100が挙げられます。PWRの14.800kg/PSは車両重量93kg+55kgの148kgを、最高出力10.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は21.2km/h勝り、1速TWRは1.611kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 2.034
平均ピストンスピード 14.07m/s
トルクウェイトレシオ 85.57kg/kgm
1馬力あたりのお値段 20817円
排気量1Lあたり馬力 48.12PS/L
排気量1Lあたりトルク 8.06kgm/L
1気筒あたりの馬力 30.0PS
1気筒あたりのトルク 5.0kgm
パワーバンド比率 11.1%
燃費×馬力 784.8pt
各種ランキング
SUV・RV・クロカンのPWR
2.0~2.5LのNA車 PWR

トルクウェイトレシオは85.57kg/kgm(1720kg/20.1kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が2498000円、最高出力が120馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は20817円、逆に1万円あたりでは0.48馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は124279円、1万円あたりでは0.08kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
マツダ編
2500cc以下の車編
7人乗りSUV編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は48.12PS/L、トルクは8.06kgm/L、1気筒あたりの馬力は30.0馬力、トルクは5.0kgmとなり、このエンジンが120馬力を4500回転で発生させているときの平均ピストンスピードは14.07m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が93.8mmであるG5型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6400回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は2.034になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、小回りよりも真っ直ぐ進むことを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が6.54km/L、最高出力が120PSであるこの車の獲得ポイントは784.8ptになります。
戯れに車両重量1720kgを100kg単位にした17.2で割ってみたところ、その数値は45.63ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


人間様の占有スペース

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

人間様の占有スペース
室内長×室内幅×室内高 4.453m³
1人あたりのスペース 0.636m³
室内長/全長 55.2%
室内幅/全幅 77.3%
室内高/全高 64.7%
室内容積/車両体積 27.6%

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は4.453m³です。この車の乗車定員は7人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.636m³のスペースが割り当てられることになります。続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は55.2%、同じく室内幅と全幅の比率は77.3%、同じく室内高と全高の比率は64.7%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は27.6%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車 室内幅が広い車 室内高が高い車 車内の空間が広い車
室内長が長い車
室内幅が広い車
室内高が高い車
車内の空間が広い車


プロシード マービーでの車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.732m
期待される荷室の幅 1.300m
対角線の長さ 2.166m
期待される荷室の面積 2.252m²

縦方向の長さが1.732m(対角線では2.166m)などという破格のクラスになると、これはもう四の五の言わず車に住むべきです。

これだけの車を所持できる素養は持ち得ているのですから、細かいことは気にせずあらゆる支配からの卒業を宣言し、信じられぬ大人との争いに終止符を打ちましょう。

一見すると車中泊が可能そうに見えるハッチバックやワゴン、SUVであってもリアシートが前に倒れなかったり、倒れても中途半端であったり、凝った足回りのせいで室内に巨大な出っ張りがあったりで、なかなか思うようにはいきませんが、大抵のケースでは知恵と工夫で何とかなるはずです。

車中泊にあると嬉しいアイテム

ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合4500rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした5000回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 5000rpm|タイヤサイズ 265/70R15|タイヤ直径 75.2cm|円周長 236.2cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
5000rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 2.785 12.60 -
-
56km/h 8890rpm 673.5kgm
2速 1.545 6.99 0.555 1-2/
2780rpm
101km/h 4930rpm 373.6kgm
3速 1.000 4.52 0.647 2-3/
3240rpm
157km/h 3190rpm 241.8kgm
4速 0.694 3.14 0.694 3-4/
3470rpm
226km/h 2220rpm 167.8kgm
Final 4.524 レシオカバレッジ(変速比幅)4.013

  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数4000rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.524)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(20.1kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.524)÷タイヤの有効半径(0.376m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。
  • 副変速機のギヤ比が不明のものはHi側に1.000を代入しているので、実際の回転数とは大きく異なる場合があります。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は4速ギヤの226km(4500rpmでは203.1km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが4000回転で最大トルク20.1kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば85.57kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(14.333kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと673.5kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1720kg)を1速ギヤの最大駆動力(673.5kgm)で割ってみると2.554kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する4500回転でのトルク(19.1kgm)からTWRを算出すると2.688kg/kgmとなり、4000-4500回転の回転域では2.554-2.688kg/kgmの間で推移することがわかります。


おまけ:4500rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

UV56R型プロシード マービーに搭載されたG5型2494ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する4500rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

4500rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ51km/h-
2速ギヤ91km/h2500rpm
3速ギヤ141km/h2910rpm
4速ギヤ203km/h3120rpm

まず1速ギヤで4500rpmまで引っ張ると51km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は4500rpmから2500rpmまで落ち、そこから4500rpmまで加速を続けると速度は91km/h(+40km/h)になります。

3速ギヤでは2910rpmまで落ちて4500rpmで141km/h(+50km/h)に、4速ギヤでは3120rpmまで落ちて4500rpmで203km/h(+62km/h)に、という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 3560 5330 7110 8890 10670 12450 16000
2速 1970 2960 3950 4930 5920 6900 8880
3速 1280 1920 2550 3190 3830 4470 5750
4速 890 1330 1770 2220 2660 3100 3990
※赤い数字は暫定レブリミット(5000rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.694)を選択して時速100kmにて走行すると2220回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1330回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1550回転、一般的な高速道路の80km/hでは1770回転、100km/hでは2220回転、制限速度が120km/hになると2660回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは3990回転まで回ります。

一般的な自動車であれば時速100kmでの巡航回転数は2500回転付近に落ち着くようですが、その中でも若干低めの回転数となっています。標準的なギヤ比の範囲内ながらも加速よりも静粛性や燃費に重きを置いた設定なので、急な坂道や長く続く坂道では積極的にギヤを1段下げる操作が必要になるかもしれません。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 11 22 34 45 56 67 79 90
2速 20 41 61 81 101 122 142 162
3速 31 63 94 125 157 188 219 251
4速 45 90 135 181 226 271 316 361

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(5000回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの265/70R15と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 265/70R15 | 直径 752mm

-20mm
幅245mm
-10mm
幅255mm
変更なし
幅265mm
+10mm
幅275mm
+20mm
幅285mm
-5%
65
扁平
245/65R15
37.2km/h
直径700mm
径差-52mm
255/65R15
37.9km/h
直径713mm
径差-39mm
265/65R15
38.6km/h
直径726mm
径差-26mm
275/65R15
39.3km/h
直径739mm
径差-13mm
285/65R15
40.0km/h
直径752mm
径差0mm
0%
70
扁平
245/70R15
38.5km/h
直径724mm
径差-28mm
255/70R15
39.3km/h
直径738mm
径差-14mm
265/70R15
40.0km/h
752mm
0mm
275/70R15
40.7km/h
直径766mm
径差+14mm
285/70R15
41.5km/h
直径780mm
径差+28mm
+5%
75
扁平
245/75R15
39.8km/h
直径749mm
径差-3mm
255/75R15
40.6km/h
直径764mm
径差+12mm
265/75R15
41.4km/h
直径779mm
径差+27mm
275/75R15
42.2km/h
直径794mm
径差+42mm
285/75R15
43.0km/h
直径809mm
径差+57mm
+10%
80
扁平
245/80R15
41.1km/h
直径773mm
径差+21mm
255/80R15
42.0km/h
直径789mm
径差+37mm
265/80R15
42.8km/h
直径805mm
径差+53mm
275/80R15
43.7km/h
直径821mm
径差+69mm
285/80R15
44.5km/h
直径837mm
径差+85mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、245/70R15、245/75R15 、255/70R15 、265/65R15 、275/65R15 、285/65R15あたりのタイヤがおすすめです。

265/70R15のタイヤ幅を245mmから295mmまで、扁平率を55%から85%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、265/70R15の適応サイズと性能の変化 [UV56R型プロシード マービー編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】265/70R15のタイヤ銘柄と通販価格

UV56R型プロシード マービー[2.5L-NA PT4WD/4AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト14.333kg/ps37.51
1速ギヤ加速性能2.554kg/kgm29.10
1L換算馬力48.12ps/L30.31
1L換算トルク8.06kgm/L32.80
WB/TR比2.03423.09
ワイド&ロー指数0.99442.65
前面の面積3.258m²32.33
最低地上高-43.72
スポーツ性能部門の得点271.51

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
10-15燃費7.7km/L38.34
年間維持費452700円38.45
100kmh回転数2220rpm53.62
航続距離539.0km39.89
車の大きさ16.127m³68.51
室内の広さ4.453m³59.85
最小回転半径6.0m33.06
馬力単価20817円50.98
ユーティリティ部門の得点382.70

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した UV56R型プロシード マービー[2.5L-NA PT4WD/4AT] の総合得点は 654.21 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したプロシード マービー(PT4WD/4AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全ての7人乗SUV」、「2500ccの7人乗SUV」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。