KG5P:CX-8の性能と維持費 FF/6AT 7人 460万円 2021年式

このページでは、マツダ株式会社の5ドア・7人乗りSUV、初代の5BA-KG5P型CX-8 25T Exclusive-Mode【2021/02モデル・230PS/42.8kgm・FF/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

KG5P CX-8
販売期間:2017/12 -

画像はマツダ株式会社より引用
http://www.mazda.co.jp/
投稿:2022/05/14|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長4900mm×全幅1840mm×全高1730mm、排気量は2488ccであることから、大雑把に分類すると2.5リットルクラス(2500cc、自動車税は2.5L以下を適用)に属し、全長、全幅、排気量ともに5ナンバー枠を超えていることにより完全無欠の3ナンバー登録車です。いわゆる【高級車】にカテゴライズされます。
参考:200PS~250PSの自動車 一覧

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、前輪のみを駆動する、フロントエンジン・フロントドライブ方式(FF・FWD・前輪駆動とも)を採用しています。この方式はエンジンと駆動系(ミッション、デフ等)の収納がエンジンルーム内で完結するので、軽量コンパクトかつ低コスト化が実現でき、室内を広く作りやすい(エンジンが横置きの場合)ほか、後輪駆動車に比べて直進安定性に優れることが主な特長です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4900mmであるこの車の場合は「アッパーミディアム」(Upper-Medium:4650mm超-4900mm以下・Eセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


KG5P型 CX-8 [2488cc/230PS FF/6AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

初代CX-8の類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2021/02
KG5P型
[25S L-package]
2.5L-NA・4WD/6AT・400.0万円
190PS・25.7kgm・12.2km/L
190PS
25.7kgm
12.2km/L
2020/12
KG2P型
[XD]
2.2L-TB・FF/6AT・337.7万円
200PS・45.9kgm・15.8km/L
200PS
45.9kgm
15.8km/L
2020/12
KG2P型
[XD]
2.2L-TB・4WD/6AT・361.4万円
200PS・45.9kgm・15.4km/L
200PS
45.9kgm
15.4km/L
初代CX-8の車両型式・グレード一覧【全8車種】

主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー マツダ株式会社
車名&
グレード
CX-8
25T Exclusive-Mode
その他 25Tエクスクルーシブモード | 6人乗りモデルあり
お値段 4598000円
車両型式 5BA-KG5P
駆動方式
変速機
FF・前輪駆動(FWD,2WD)
6速AT・6速オートマ車
ドア/定員 5ドア/7名乗車
車体寸法 長4900×幅1840×高1730mm
室内寸法 長2690×幅1540×高1250mm
軸距&
輪距
2930mm
前1595mm/後1600mm
最小半径 5.8m
最低高 200mm
タイヤ 前輪:225/55R19
後輪:225/55R19
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ディスク
車両重量 1830kg
エンジン諸元
原動機型式 PY-VPTS
気筒配列 直列4気筒
排気量2488cc
圧縮比10.5
吸気方式 ターボ
最高出力 230PS[169kW]/4250rpm
最大トルク 42.8kgm[420Nm]/2000rpm
使用燃料 レギュラーガソリン
WLTC燃費 12.0km/L(28.2mpg)
JC08燃費 12.4km/L(29.2mpg)
100km燃費 8.3L/100km
PY-VPTS型エンジンの諸元と性能まとめ
直列4気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に4個配置する方式。小排気量から2.5Lあたりまでをカバー。
直列4気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税43500円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税16400円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額6000円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、CX-8の新車を528.8万円(諸費用として69.0万円を加算)にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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新車で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 2500cc以下 13年未満 43500円
自動車重量税(1年分) 2.0トン以下 13年未満 16400円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
燃料代(年間1万km) 10000km÷12.0km/L×175円/L 145830円
オイル交換(5000km毎) 1回6000円×2回 12000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本21000円×4本÷5年 16800円
任意保険料(月額6000円) 月額6000円×12ヶ月 72000円
ローン完済後の年間維持費 315400円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額88130円×12ヶ月 1057560円
ローン返済中の年間維持費 1373000円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 53500円
名目 金額
自動車税(1年分) 43500円
自動車重量税(1年分) 16400円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
145830円
(102080円)
(72920円)
(43750円)
オイル交換(5000km毎) 12000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 16800円
任意保険料(月額6000円) 72000円
ローン完済後の年間維持費 315400円
名目 金額
車のローン額(1年分) 1057560円
ローン返済中の年間維持費 1373000円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
53500円
  • 初度登録から3年経過車の場合、「2500cc以下で13年未満」クラスの自動車税は43500円、「2.0トン以下で13年未満」クラスの自動車重量税は16400円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに6000円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本21000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額6000円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした53500円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

お財布に厚みが増した勢いで少し色気を出して愛車にステータス性を求めるなら、月換算26300円くらいの出費は覚悟しましょう。なあに大丈夫、愛車のためです。

口癖のように「もうちょっと維持費が安ければねえ…?」なんて呟くその姿は自慢げなようであり、しかし哀愁を帯びているようでもあり、傍からすれば対応に困ります。より維持費の安い新車を買うほどではない…ないが…考えずにもいられない、そんなクラスです。全体から見るとこの辺りから面白味のある車が増えてきます。

CX-8の維持費は高い?安い?

「CX-8の年間維持費は315400円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「2500ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてCX-8の維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いカムリ216500円-98900円
トライトン276340円-39060円
LM307000円-8400円
CX-8の維持費315400円
RS Q3 スポーツバック345100円+29700円
基準2500ccクラス平均354400円+39000円
キャラバン ワゴン367700円+52300円
インプレッサ WRX387800円+72400円
キャラバン コーチ419800円+104400円
高い5シリーズ セダン480900円+165500円

CX-8の年間維持費を、2500ccクラスで最も維持費が安いカムリと比較して98900円高く、最も高い5シリーズ セダンと比較して165500円安く、2500ccクラスの平均維持費との比較では39000円安くなっています。

最低額のカムリと最高額の5シリーズ セダンは極端な例としても、2500ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、CX-8の維持費は まあまあ安い! と言えそうです。

年間維持費が安い 2500ccクラスの車 ランキング

CX-8を維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟%年収月給手取り
10%410万円35万円27万円
15%270万円23万円18万円
20%210万円18万円14万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は410万円(総支給額35万円/月、手取り27万円/月)、ここから月額維持費2.6万円を支払うと残りは24.4万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は270万円(総支給額23万円/月、手取り18万円/月)、2.6万円を支払うと残りは15.4万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が210万円(総支給額18万円/月、手取り14万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。2.6万円を引くと残りは11.4万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代15万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、レギュラーガソリン1リットルあたり175円を基準として、-50円となる125円から、+50円となる225円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費12.0km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
125円/L
104180円
[-41650円]
-25円
150円/L
125010円
[-20820円]
-10円
165円/L
137520円
[-8310円]
175円/L145830円
[0円]
+10円
185円/L
154180円
[+8350円]
+25円
200円/L
166680円
[+20850円]
+50円
225円/L
187520円
[+41690円]

燃費12.0km/LのKG5P型 CX-8で10000km走行するのに必要な燃料は833.4L、1リットルあたり175円としたときの燃料代は145830円になります。

参考までに、CX-8の燃料タンクは72リットルですので、833.4Lの給油回数は12回、1回あたりの燃料代は約12160円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては8350円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると20850円、50円も違ってくると41690円にもなります。

これをKG5P型 CX-8の年間維持費に当てはめてみますと、レギュラーガソリン1リットルあたり175円の場合を315400円としたとき、125円/Lに値下がりすれば273750円(86.8%)に、225円/Lに値上がりすれば357090円(113.2%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(43500円)なり重量税(16400円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 43500円 23%
自動車重量税 1年分 16400円 9%
自賠責保険料 1年分 8825円 5%
燃料代 3000km分 43750円 23%
オイル交換 年1回 6000円 3%
タイヤ交換 6年毎 11200円 6%
任意保険料 80% 57600円 31%
合計
[1万kmとの差額]
187300円
-128100円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 43500円 20%
自動車重量税 1年分 16400円 7%
自賠責保険料 1年分 8825円 4%
燃料代 5000km分 72920円 33%
オイル交換 年1回 6000円 3%
タイヤ交換 6年毎 11200円 5%
任意保険料 85% 61200円 28%
合計
[1万kmとの差額]
220100円
-95300円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 43500円 17%
自動車重量税 1年分 16400円 6%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 7000km分 102080円 40%
オイル交換 年1回 8400円 3%
タイヤ交換 6年毎 11200円 4%
任意保険料 90% 64800円 27%
合計
[1万kmとの差額]
255300円
-60100円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料72000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて128100円安い187300円に、5000km走行では95300円安い220100円に、7000km走行では60100円安い255300円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 43500円 10%
自動車重量税 1年分 16400円 4%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 15000km分 218750円 52%
オイル交換 年3回 36000円 9%
タイヤ交換 2.7年毎 25200円 6%
任意保険料 100% 72000円 17%
合計
[1万kmとの差額]
420700円
+105300円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 43500円 8%
自動車重量税 1年分 16400円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 20000km分 291660円 57%
オイル交換 年4回 48000円 9%
タイヤ交換 2年毎 33600円 7%
任意保険料 100% 72000円 14%
合計
[1万kmとの差額]
514000円
+198600円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
マツダの小型車&普通車編
2500cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
7人乗りSUV・RV編

【WLTC特典】市街地・郊外・高速道路の走行比率が変わると?

ひとくちにWLTCモード燃費と言いましても、信号や渋滞があるノロノロ道路の走行を想定した市街地モード(9.1km/L)、信号や渋滞が少ないスイスイ道路の走行を想定した郊外モード(12.2km/L)、高速道路の走行を想定した高速道路モード(13.8km/L)という3つの走行パターンを内包してありまして、これらを「平均的な使用時間配分」なるもので構成したのがWLTCモード燃費(12.0km/L)ということになります。

ここでは年間走行距離を10000kmとして市街地、郊外、高速道路の走行比率を変えてみたとき、WLTCモード燃費でのガソリン代145830円からどのように変化するかを見ていきたいと思います。

  • 1リットル175円として計算。
  • []内は低燃費タイヤ装着(エコタイヤ)で燃費が3%向上すると仮定した場合のガソリン代。
    たった3%のようですが、もともとの燃費が…なため、お財布には劇的な効果があります。
参考:燃費が3%向上すると…?
市街地9.1km/L → 9.4km/L
郊外12.2km/L → 12.6km/L
高速道路13.8km/L → 14.2km/L

●例1:都市部にお住まい

まず最初に、市街地の住まいを想定して、走行の大半を市街地(90%)、たまに郊外へお買い物(5%)、稀に高速道路に乗ってどこか遠くへ…(5%)という場合で見てみます。

市街地90%・郊外5%・高速5%
市街地9000km173080円
[167550円]
郊外500km7180円
[6950円]
高速道路500km6340円
[6160円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
186600円
+40770円
9.4km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
180660円
-5940円
9.7km/L
  • 市街地走行のガソリン代
    市街地の走行を9000kmとするとき、市街地モード燃費が9.1km/Lではガソリン989.0Lを消費して、ガソリン代は173080円になります。
  • 郊外走行のガソリン代
    郊外の走行を500kmとするとき、郊外モード燃費が12.2km/Lではガソリン41.0Lを消費して、ガソリン代は7180円になります。
  • 高速道路走行のガソリン代
    高速道路の走行を500kmとするとき、高速道路モード燃費が13.8km/Lではガソリン36.2Lを消費して、ガソリン代は6340円になります。

このパターンでは使用した燃料量が1066.2L、かかったガソリン代が186600円となり、平均燃費は9.4km/L(-2.6km/L)、WLTCモード燃費とのガソリン代の差は+40770円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着で燃費が3%アップするとして、同じ条件で走行するとガソリン代は180660円となり、5940円安くなります。車検2回ごとにタイヤ交換するとき、寿命までの5年間で29700円の経費削減になる計算です。純正タイヤとエコタイヤの差額がこれ以上ならお得、以下なら…?

●例2:市街地と郊外を行き来

次に、とにかく市街地と郊外を行ったり来たりする条件を想定して、市街地の走行を50%、郊外の走行を50%、高速道路は走行しない場合を見てみます。

市街地50%・郊外50%・高速0%
市街地5000km96160円
[93080円]
郊外5000km71720円
[69440円]
高速道路0km0円
[0円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
167880円
+22050円
10.4km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
162520円
-5360円
10.8km/L
  • 市街地走行のガソリン代
    市街地の走行を5000kmとするとき、市街地モード燃費が9.1km/Lでは549.5Lを消費して、ガソリン代は96160円になります。
  • 郊外走行のガソリン代
    郊外の走行を5000kmとするとき、郊外モード燃費が12.2km/Lでは409.8Lを消費して、ガソリン代は71720円になります。

このパターンでは使用した燃料量が959.3L、かかったガソリン代が167880円となり、平均燃費は10.4km/L(-1.6km/L)、WLTCモード燃費とのガソリン代の差は+22050円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着ではガソリン代が162520円となり、1年間で5360円、5年間で26800円の経費削減になる計算です。

●例3:市街地・郊外・高速道路をMix

続いて、都市部に住んでいて郊外の職場へ通勤、あるいは郊外に住んでいて都市部の職場へ通勤、高速利用もバッチリ!という感じでシミュレーションしてみます。

市街地33.3%・郊外33.4%・高速33.3%
市街地3330km64030円
[62000円]
郊外3340km47920円
[46390円]
高速道路3330km42230円
[41040円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
154180円
+8350円
11.4km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
149430円
-4750円
11.7km/L
  • 市街地走行のガソリン代
    市街地の走行を3330kmとするとき、市街地モード燃費が9.1km/Lでは365.9Lを消費して、ガソリン代は64030円になります。
  • 郊外走行のガソリン代
    郊外の走行を3340kmとするとき、郊外モード燃費が12.2km/Lでは273.8Lを消費して、ガソリン代は47920円になります。
  • 高速道路走行のガソリン代
    高速道路の走行を3330kmとするとき、高速道路モード燃費が13.8km/Lでは241.3Lを消費して、ガソリン代は42230円になります。

このパターンでは使用した燃料量が881.0L、かかったガソリン代が154180円となり、平均燃費は11.4km/L(-0.6km/L)、WLTCモード燃費とのガソリン代の差は+8350円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着ではガソリン代が149430円となり、1年間で4750円、5年間で23750円の経費削減になる計算です。

●例4:農村部にお住まい

最後に、びっくりするほど田舎な住まいを想定して、市街地の走行を5%、郊外の走行を90%、高速道路の走行を5%とした場合を見てみます。

市街地5%・郊外90%・高速5%
市街地500km9610円
[9310円]
郊外9000km129100円
[125000円]
高速道路500km6340円
[6160円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
145050円
-780円
12.1km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
140470円
-4580円
12.5km/L
  • 市街地走行のガソリン代
    市街地の走行を500kmとするとき、市街地モード燃費が9.1km/Lでは54.9Lを消費して、ガソリン代は9610円になります。
  • 郊外走行のガソリン代
    郊外の走行を9000kmとするとき、郊外モード燃費が12.2km/Lでは737.7Lを消費して、ガソリン代は129100円になります。
  • 高速道路走行のガソリン代
    高速道路の走行を500kmとするとき、高速道路モード燃費が13.8km/Lでは36.2Lを消費して、ガソリン代は6340円になります。

このパターンでは使用した燃料量が828.8L、かかったガソリン代が145050円となり、平均燃費は12.1km/L(+0.1km/L)、WLTCモード燃費とのガソリン代の差は-780円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着ではガソリン代が140470円となり、1年間で4580円、5年間で22900円の経費削減になる計算です。

以上、極端な条件でのシミュレーションではありますが、走行シチュエーションによって平均燃費は変わり(9.4km/L・10.4km/L・11.4km/L・12.1km/L)、ガソリン代のほうもなかなかな違い(186600円・167880円・154180円・145050円)が出てくることがわかります。


市街地・郊外・高速道路の満タン航続距離

各モード燃費と航続距離
燃料タンク容量 72リットル
WLTCモード燃費
12.0km/L
864.0km
市街地燃費
9.1km/L
655.2km
[-208.8km]
郊外燃費
12.2km/L
878.4km
[+14.4km]
高速道路燃費
13.8km/L
993.6km
[+129.6km]
満タン給油価格 12600円
1km走行コスト 14.58円
1万円走行距離 685.7km

WLTCモード燃費が12.0km/L、燃料タンク容量72リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は864.0kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(10.8km/L)とすると航続距離は777.6km、80%(9.6km/L)だと691.2km、70%(8.4km/L)では604.8kmになります。

WLTCモード燃費には市街地モード・郊外モード・高速道路モードという3つの走行パターンが内包されておりますので、参考までにそれぞれのモード燃費で燃料タンクが空になるまで走行した場合の満タン航続距離を計算してみます。

燃料タンクの容量を72Lとしたとき、市街地モード燃費9.1km/Lでの航続距離は655.2km(-208.8km)、郊外モード燃費12.2km/Lでの航続距離は878.4km(+14.4km)、高速道路モード燃費13.8km/Lでの航続距離は993.6km(+129.6km)となります。

ある特定のシチュエーションのみを、燃料タンクが空になるまで走行することはなかなかありませんが、「その気になればこのくらいの距離を走れちゃうんだぜ!」という参考データだけは持っておくと、次回の給油回数削減チャレンジでギリギリのラインを狙っていくのに役立つ、かもしれません。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から72リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、レギュラーガソリンを1リットルあたり175円では12600円、上で計算した航続距離を踏まえると864.0km(80%燃費時691.2km)を走行するのに12600円かかる計算です。

燃費を12.0km/Lとしたときの1km走行コストは14.58円、10万km走行したときの燃料代は145.8万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら14.6万円/年、7年10万kmなら20.8万円/年、5年10万kmなら29.2万円/年、3年10万kmなら48.6万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば685.7km(往復なら片道342.9km)、カタログ値の80%なら548.6km(片道274.3km)離れたところまで行くことができます。

カタログデータから見えてくる要素

PY-VPTS型エンジン簡易性能曲線図
各回転域での馬力
2000回転時の馬力 120PS
4250回転時の馬力 230PS
各回転域でのトルク
2000回転時のトルク 42.8kgm
4250回転時のトルク 38.8kgm
PY-VPTS型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載しているPY型2488cc、直列4気筒のターボエンジンは4250回転時に最高出力230馬力を、2000回転時に最大トルク42.8kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、低めの回転数から中間域にトルクのピークがあるこのエンジンは、街中での普段使いに心地よく、高回転もそれなりでバランスの取れたタイプです。多くの乗用車がこの特性に当て嵌まるのではないかと思います。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する2000rpmから最高出力が発生する4250rpmまで」の2250rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は52.9%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
2500cc以下クラス編
マツダの小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
2500cc以下クラス編
マツダの小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ7.957kg/PS(1830kg/230PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ7.957kg/PS
車体+1人8.196kg/PS
車体+7人9.630kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg8.217kg/PS
車体+70kg8.261kg/PS
車体+80kg8.304kg/PS
車体+90kg8.348kg/PS
車体+100kg8.391kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは8.196kg/PS(1885kg/230PS)となり、数値としては0.239kg、比率にすると3.0%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの7人が搭乗した場合、車両重量に385kgがプラスされてパワーウェイトレシオは9.630kg/PS(2215kg/230PS)となり、数値としては1.673kg、比率にすると21.0%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

KG5P CX-8のライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2021/02

-
CX-8
8.196kg/PS
1885kg/230PS|2.5L-TB
[車体のみPWR:7.957]
2012/01

車種詳細
スイフト スポーツ
8.272kg/PS
1125kg/136PS|1.6L-NA
車体のみPWR:7.868
2014/10

車種詳細
ノート
8.107kg/PS
1135kg/140PS|1.6L-NA
車体のみPWR:7.714
2011/02

車種詳細
アコード ツアラー
8.083kg/PS
1665kg/206PS|2.4L-NA
車体のみPWR:7.816
2010/07

車種詳細
ティアナ
8.351kg/PS
1545kg/185PS|2.5L-NA
車体のみPWR:8.054
2013/02

車種詳細
V40
8.250kg/PS
1485kg/180PS|1.6L-TB
車体のみPWR:7.944

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ8.196kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

8.032kg/PSから8.360kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、スズキの5人乗りハッチバック「ZC32S型 スイフト スポーツ」、日産の5人乗りハッチバック「E12改型 ノート」、ホンダの5人乗りワゴン「CW2型 アコード ツアラー」、日産の5人乗りセダン「J32型 ティアナ」、ボルボの5人乗りハッチバック「MB4164T型 V40」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

KG5P型 CX-8 [25T Exclusive-Mode]のライバル車種|8.196kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は125.7PS/tとなっています。


CX-8がバイクと競争するなら…?


車種詳細
ジクサー SF250|249cc
8.192kg/PS
213kg/26.0PS/2.20kgm
[車体のみPWR:6.077]
1速ギヤ速度:43.7km/h
最小TWR:0.930
2021/02

-
CX-8|2488cc
8.196kg/PS
1885kg/230PS/42.8kgm
[車体のみPWR:7.957]
1速ギヤ速度:38.0km/h
最小TWR:1.015

車種詳細
イントルーダー400|399cc
8.212kg/PS
271kg/33.0PS/3.30kgm
[車体のみPWR:6.545]
1速ギヤ速度:52.3km/h
最小TWR:1.211

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではCX-8とパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

ED22B ジクサー SF250と競争してみる

まずCX-8より少しPWRが低いバイクとして、スズキのジクサー SF250が挙げられます。PWRの8.192kg/PSは車両重量158kgにライダーの体重55kgを加えた213kgを、最高出力26.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はジクサー SF250に5.7km/h劣り、1速TWRは0.085kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

VK51A イントルーダー400と競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、スズキのイントルーダー400が挙げられます。PWRの8.212kg/PSは車両重量216kg+55kgの271kgを、最高出力33.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は14.3km/h劣り、1速TWRは0.196kg勝る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.834
平均ピストンスピード 14.17m/s
トルクウェイトレシオ 42.76kg/kgm
1馬力あたりのお値段 19991円
排気量1Lあたり馬力 92.44PS/L
排気量1Lあたりトルク 17.20kgm/L
1気筒あたりの馬力 57.5PS
1気筒あたりのトルク 10.7kgm
パワーバンド比率 52.9%
燃費×馬力 2760.0pt
各種ランキング
SUV・RV・クロカンのPWR
2.0~2.5Lターボ車のPWR

トルクウェイトレシオは42.76kg/kgm(1830kg/42.8kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が4598000円、最高出力が230馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は19991円、逆に1万円あたりでは0.50馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は107430円、1万円あたりでは0.09kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
マツダ編
2500cc以下の車編
7人乗りSUV編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は92.44PS/L、トルクは17.20kgm/L、1気筒あたりの馬力は57.5馬力、トルクは10.7kgmとなり、このエンジンが230馬力を4250回転で発生させているときの平均ピストンスピードは14.17m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が100.0mmであるPY型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6000回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.834になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと真っ直ぐ進むことを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が12.0km/L、最高出力が230PSであるこの車の獲得ポイントは2760.0ptになります。
戯れに車両重量1830kgを100kg単位にした18.3で割ってみたところ、その数値は150.82ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


人間様の占有スペース

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

人間様の占有スペース
室内長×室内幅×室内高 5.178m³
1人あたりのスペース 0.740m³
室内長/全長 54.9%
室内幅/全幅 83.7%
室内高/全高 72.3%
室内容積/車両体積 33.2%

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は5.178m³です。この車の乗車定員は7人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.740m³のスペースが割り当てられることになります。続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は54.9%、同じく室内幅と全幅の比率は83.7%、同じく室内高と全高の比率は72.3%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は33.2%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車 室内幅が広い車 室内高が高い車 車内の空間が広い車
室内長が長い車
室内幅が広い車
室内高が高い車
車内の空間が広い車


CX-8での車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.715m
期待される荷室の幅 1.440m
対角線の長さ 2.239m
期待される荷室の面積 2.470m²

縦方向の長さが1.715m(対角線では2.239m)などという破格のクラスになると、これはもう四の五の言わず車に住むべきです。

これだけの車を所持できる素養は持ち得ているのですから、細かいことは気にせずあらゆる支配からの卒業を宣言し、信じられぬ大人との争いに終止符を打ちましょう。

一見すると車中泊が可能そうに見えるハッチバックやワゴン、SUVであってもリアシートが前に倒れなかったり、倒れても中途半端であったり、凝った足回りのせいで室内に巨大な出っ張りがあったりで、なかなか思うようにはいきませんが、大抵のケースでは知恵と工夫で何とかなるはずです。

車中泊にあると嬉しいアイテム

ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合4250rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした4750回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 4750rpm|タイヤサイズ 225/55R19|タイヤ直径 73.0cm|円周長 229.3cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
4750rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 3.487 15.38 -
-
42km/h 11180rpm 1803.6kgm
2速 1.992 8.79 0.571 1-2/
2710rpm
74km/h 6390rpm 1030.3kgm
3速 1.449 6.39 0.727 2-3/
3450rpm
102km/h 4650rpm 749.5kgm
4速 1.000 4.41 0.690 3-4/
3280rpm
148km/h 3210rpm 517.2kgm
5速 0.707 3.12 0.707 4-5/
3360rpm
210km/h 2270rpm 365.7kgm
6速 0.600 2.65 0.849 5-6/
4030rpm
247km/h 1920rpm 310.3kgm
Final 4.411 レシオカバレッジ(変速比幅)5.812

  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数2000rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.411)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(42.8kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.411)÷タイヤの有効半径(0.365m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は6速ギヤの247km(4250rpmでは220.9km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが2000回転で最大トルク42.8kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば42.76kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(7.957kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと1803.6kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1830kg)を1速ギヤの最大駆動力(1803.6kgm)で割ってみると1.015kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する4250回転でのトルク(38.8kgm)からTWRを算出すると1.119kg/kgmとなり、2000-4250回転の回転域では1.015-1.119kg/kgmの間で推移することがわかります。


おまけ:4250rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

KG5P型CX-8に搭載されたPY型2488ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する4250rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

4250rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ38km/h-
2速ギヤ67km/h2430rpm
3速ギヤ91km/h3090rpm
4速ギヤ133km/h2930rpm
5速ギヤ187km/h3000rpm
6速ギヤ221km/h3610rpm

まず1速ギヤで4250rpmまで引っ張ると38km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は4250rpmから2430rpmまで落ち、そこから4250rpmまで加速を続けると速度は67km/h(+29km/h)になります。

3速ギヤでは3090rpmまで落ちて4250rpmで91km/h(+24km/h)に、4速ギヤでは2930rpmまで落ちて4250rpmで133km/h(+42km/h)になります。

続いて5速ギヤでは3000rpmまで落ちて4250rpmで187km/h(+54km/h)に、6速ギヤでは3610rpmまで落ちて4250rpmで221km/h(+34km/h)という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4470 6710 8940 11180 13420 15650 20120
2速 2550 3830 5110 6390 7660 8940 11500
3速 1860 2790 3720 4650 5570 6500 8360
4速 1280 1920 2560 3210 3850 4490 5770
5速 910 1360 1810 2270 2720 3170 4080
6速 770 1150 1540 1920 2310 2690 3460
※赤い数字は暫定レブリミット(4750rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.600)を選択して時速100kmにて走行すると1920回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1150回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1350回転、一般的な高速道路の80km/hでは1540回転、100km/hでは1920回転、制限速度が120km/hになると2310回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは3460回転まで回ります。

これほどまでに時速100kmでの巡航回転数が低ければ、(パワーさえ足りていれば)高速道路では向かうところ敵なしです。エンジンノイズによる疲れとは無縁の世界、ただひたすらに回り続けるエンジンのなんと頼もしいことでしょう。これに合わせてタイヤのロードノイズ、風きり音すらも完璧に抑え込まれていたならば、これはもはや完全無欠の高級車です。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 9 18 27 36 45 54 63 72
2速 16 31 47 63 78 94 110 125
3速 22 43 65 86 108 129 151 172
4速 31 62 94 125 156 187 218 250
5速 44 88 132 176 221 265 309 353
6速 52 104 156 208 260 312 364 416

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(4750回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの225/55R19と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 225/55R19 | 直径 730mm

-20mm
幅205mm
-10mm
幅215mm
変更なし
幅225mm
+10mm
幅235mm
+20mm
幅245mm
-5%
50
扁平
205/50R19
37.7km/h
直径688mm
径差-42mm
215/50R19
38.2km/h
直径698mm
径差-32mm
225/50R19
38.8km/h
直径708mm
径差-22mm
235/50R19
39.3km/h
直径718mm
径差-12mm
245/50R19
39.9km/h
直径728mm
径差-2mm
0%
55
扁平
205/55R19
38.8km/h
直径709mm
径差-21mm
215/55R19
39.5km/h
直径720mm
径差-10mm
225/55R19
40.0km/h
730mm
0mm
235/55R19
40.7km/h
直径742mm
径差+12mm
245/55R19
41.3km/h
直径753mm
径差+23mm
+5%
60
扁平
205/60R19
39.9km/h
直径729mm
径差-1mm
215/60R19
40.6km/h
直径741mm
径差+11mm
225/60R19
41.3km/h
直径753mm
径差+23mm
235/60R19
41.9km/h
直径765mm
径差+35mm
245/60R19
42.6km/h
直径777mm
径差+47mm
+10%
65
扁平
205/65R19
41.1km/h
直径750mm
径差+20mm
215/65R19
41.8km/h
直径763mm
径差+33mm
225/65R19
42.5km/h
直径776mm
径差+46mm
235/65R19
43.2km/h
直径789mm
径差+59mm
245/65R19
43.9km/h
直径802mm
径差+72mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、205/55R19、205/60R19 、215/50R19、215/55R19 、225/50R19 、235/50R19 、245/50R19あたりのタイヤがおすすめです。

225/55R19のタイヤ幅を205mmから255mmまで、扁平率を40%から70%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、225/55R19の適応サイズと性能の変化 [KG5P型CX-8編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】225/55R19のタイヤ銘柄と通販価格

KG5P型CX-8[2.5Lターボ FF/6AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト7.957kg/ps54.96
1速ギヤ加速性能1.015kg/kgm61.99
1L換算馬力92.44ps/L46.11
1L換算トルク17.20kgm/L53.91
WB/TR比1.83443.71
ワイド&ロー指数0.94046.57
前面の面積3.183m²34.43
最低地上高200mm31.50
スポーツ性能部門の得点373.18

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
WLTC燃費12.0km/L41.51
年間維持費315400円51.03
100kmh回転数1920rpm57.58
航続距離864.0km58.71
車の大きさ15.598m³66.42
室内の広さ5.178m³66.75
最小回転半径5.8m37.14
馬力単価19991円52.06
ユーティリティ部門の得点431.20

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した KG5P型CX-8[2.5Lターボ FF/6AT] の総合得点は 804.38 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したKG5P型CX-8(FF/6AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全ての7人乗SUV」、「2500ccの7人乗SUV」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。