LJL ディスカバリー 性能と維持費 4WD/4AT 5人 339万円 1999年式

このページでは、ランドローバーの5ドア・5人乗りSUV、初代のKD-LJL型ディスカバリー Tdi-S 5人乗り【1999/03モデル・120PS/27.0kgm・4WD/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

LJL ディスカバリー
販売期間:1991/10 - 1999/06

画像はランドローバーより引用
http://www.landrover.co.jp/
投稿:|更新:

ボディサイズが全長4485mm×全幅1800mm×全高1920mm、排気量は2490ccであることから、大雑把に分類すると2.5リットルクラス(2500cc、自動車税は2.5L以下を適用)に属し、全長、全高は5ナンバー枠ながら全幅が1.7mを超え、排気量も2000ccを超えていることにより3ナンバー登録になります。比較的コンパクトなボディに大きめなエンジンの組み合わせは世界戦略車(グローバルカー)やちょっとした高級車に良くあるパターンです。
参考:100PS~150PSの自動車 一覧

駆動方式には車両に備わる全てのタイヤを駆動する、いわゆる四輪駆動(All Wheel Drive・AWD・Four Wheel Drive・4WDとも)を採用しています。真っ直ぐ進むことに掛けては右に出る者なしとされ、大雨、強風、泥濘、降雪、凍結など天変地異による悪天候下や悪路にて無類の強さを発揮する安心の駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4485mmであるこの車の場合は「ミディアム」(Medium:4300mm超-4650mm以下・Dセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。

LJL型 ディスカバリー [2490cc/120PS 4WD/4AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

初代ディスカバリーの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
1999/03
LJR型
[V8i-ES 7人乗り]
3.9L-NA・4WD/4AT・429.0万円
180PS・31.8kgm・5.4km/L
180PS
31.8kgm
5.4km/L
ディスカバリーの新型モデル
2代目 LT94A型ディスカバリー
LT94A型ディスカバリーは2000/11に登場した2代目モデル。参考車両の「HSE」は全長4720mm、全幅1890mm、全高1940mmの車体に、185PS/34.7kgmを発生する94D型3947ccエンジンを搭載。


LJL ディスカバリーの主要諸元と大きさ比較

主要諸元
メーカー ランドローバー
車名&
グレード
ディスカバリー
Tdi-S 5人乗り
その他 Tdi カウンティ ラング LJ13L LJ12L 7人乗りあり
お値段 3390000円
車両型式 KD-LJL
駆動方式
変速機
4WD・四輪駆動(AWD)
4速AT・4速オートマ車
ドア/定員 5ドア・5名乗車
ホイールベース 2540mm
トレッド 1485mm/1485mm
WB/TR比 1.710
タイヤ 前輪:205/80R16
後輪:205/80R16
ブレーキ 前:ディスク
後:ディスク
車両重量 2030kg

※WB/TR比はホイールベーストレッド比の略。値が大きいほど直進安定性に優れ、小さいほど旋回性能が高くなりやすい。全ての車種の平均値は1.773。

ディスカバリーと各規格の大きさ比較
規格名 規格寸法 増減
ディスカバリー
車体寸法
全長 4485mm -
全幅 1800mm -
全高 1920mm -
大きさ 15.50m3 -
軽自動車
新規格
全長 3400mm以下 +1085mm
全幅 1480mm以下 +320mm
全高平均 1640mm +280mm
大きさ平均 8.13m3 +7.37m3
小型車規格
5ナンバー車
全長 4700mm以下 -215mm
全幅 1700mm以下 +100mm
全高平均 1496mm +424mm
大きさ平均 10.47m3 +5.03m3
普通車平均
3ナンバー車
全長平均 4643mm -158mm
全幅平均 1815mm -15mm
全高平均 1518mm +402mm
大きさ平均 12.84m3 +2.66m3

※上記グラフは100のラインを上回れば平均値以上、下回れば平均値以下を表す。グラフの伸びが大きいほど各規格の車両に対して相対的に車体が長い・広い・高い。※普通乗用車(3ナンバー車)の条件は全長4700mm超または全幅1700mm超または全高2000mm超と上限値が曖昧なため、ここでは普通乗用車に属する全ての車種の平均値との比較。※軽自動車・小型乗用車の全高はいずれも2000mm以下。ただし、ここでは各規格に属する車種の全高の平均値との比較。


LJL ディスカバリーの室内広さを各規格の車両と比較

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

ディスカバリーの室内広さを各規格の車両と比較
規格名 規格寸法 増減
ディスカバリー
室内広さ
室内長 1810mm -
室内幅 1550mm -
室内高 1280mm -
車内広さ 3591L -
軽自動車
新規格
室内長平均 1908mm -98mm
室内幅平均 1280mm +270mm
室内高平均 1283mm -3mm
車内広さ平均 3171L +420L
小型車規格
5ナンバー車
室内長平均 1913mm -103mm
室内幅平均 1403mm +147mm
室内高平均 1195mm +85mm
車内広さ平均 3251L +340L
普通車平均
3ナンバー車
室内長平均 2049mm -239mm
室内幅平均 1483mm +67mm
室内高平均 1195mm +85mm
車内広さ平均 3697L -106L

※上記グラフは100のラインを上回れば平均値以上、下回れば平均値以下を表す。グラフの伸びが大きいほど各規格の車両に対して相対的に室内が長い・広い・高い。

人間様の占有スペースと容積効率
室内長×室内幅×室内高 3.591m³
1人あたりのスペース 0.718m³
室内長/全長 40.4%
室内幅/全幅 86.1%
室内高/全高 66.7%
室内容積/車両体積 23.2%

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は3.591m³です。この車の乗車定員は5人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.718m³のスペースが割り当てられることになります。

続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は40.4%、同じく室内幅と全幅の比率は86.1%、同じく室内高と全高の比率は66.7%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は23.2%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車 室内幅が広い車 室内高が高い車 車内の空間が広い車
室内長が長い車
室内幅が広い車
室内高が高い車
車内の空間が広い車


ディスカバリーでの車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.570m
期待される荷室の幅 1.450m
対角線の長さ 2.137m
期待される荷室の面積 2.276m²

縦方向の長さが1.570m(対角線では2.137m)となれば、一般的な身長ならそれなりの車中泊を楽しむことができそうです。

車の中で足を伸ばして優雅に寝られる悦びを味わうために最低限必要な長さを備えた、車中泊のスタンダードと呼ぶに相応しい性能を有しています。

一見すると車中泊が可能そうに見えるハッチバックやワゴン、SUVであってもリアシートが前に倒れなかったり、倒れても中途半端であったり、凝った足回りのせいで室内に巨大な出っ張りがあったりで、なかなか思うようにはいきませんが、大抵のケースでは知恵と工夫で何とかなるはずです。

車中泊にあると嬉しいアイテム


LJL ディスカバリーの税金・年間維持費シミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税51700円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税31500円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かる軽油代月額6000円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、1999/03モデルのディスカバリーを26年落ちの中古で74.6万円にて購入し、頭金なしで2年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    ディスカバリーの1999/03モデルの場合、2025年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の20%である67.8万円に諸経費として6.8万円を足した74.6万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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1999年式を26年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税 2500cc以下 11年経過 51700円
自動車重量税
1年分
2.5トン以下 18年経過 31500円
自賠責保険料
(1年換算)
自家用乗用車 8825円
燃料代
年間1万㎞
1万㎞÷6.2㎞/L×165円/L 266130円
オイル交換
5000km毎
1回6000円×2回 12000円
タイヤ交換
5年5万km毎
1本12000円×4本÷5年 9600円
任意保険料
月額6000円
月額6000円×12ヶ月 72000円
ローン完済後の年間維持費 451800円
名目 区分 金額
車のローン額
1年分
月額31080円×12ヶ月 372960円
ローン返済中の年間維持費 824800円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 83700円
  • 初度登録から13年以上経過車の場合、「2500cc以下で11年経過」クラスの自動車税は51700円、「2.5トン以下で18年経過」クラスの自動車重量税は31500円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに6000円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本12000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額6000円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 10・15モード燃費、JC08モード燃費、WLTCモード燃費いずれもデータがないので10.0km/Lを仮の燃費として代入。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした83700円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

このあたりのクラスから理想と現実の違い、つまり「乗りたい車」と「乗ることができる車」は違うことを思い知らされます。うっかり手を出せば「いっ…維持費が高すぎて息ができん!フーッ!フーッ!」と目を白黒させることになりかねません。

さて、ディスカバリー【Tdi-S 5人乗り】の場合、維持費の月額は37700円になります。金銭的にシビアな人からは「車なんてどれもタイヤが4つあるだけなのに、なんでこんなにお金の掛かる車に乗ってるんだ…修行か…」と奇異の目で見られていることでしょう。でも良いんです。愛さえあれば。

ディスカバリーの維持費は高い?安い?

「ディスカバリーの年間維持費は451800円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「2500ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてディスカバリーの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いカムリ221400円-230400円
CX-5283000円-168800円
レガシィ アウトバック300300円-151500円
スカイライン364900円-86900円
基準2500ccクラス平均370100円-81700円
マツダスピード アテンザ393900円-57900円
MPV405900円-45900円
ディスカバリーの維持費451800円
スープラ454000円+2200円
高い5シリーズ セダン506300円+54500円

ディスカバリーの年間維持費を、2500ccクラスで最も維持費が安いカムリと比較して230400円高く、最も高い5シリーズ セダンと比較して54500円安く、2500ccクラスの平均維持費との比較では81700円高くなっています。

最低額のカムリと最高額の5シリーズ セダンは極端な例としても、2500ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、ディスカバリーの維持費は かなり高い! と言えそうです。

年間維持費が安い 2500ccクラスの車 ランキング

ディスカバリーを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟の%年収月給手取り
10%590万円50万円39万円
15%390万円33万円26万円
20%290万円25万円20万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は590万円(総支給額50万円/月、手取り39万円/月)、ここから月額維持費3.8万円を支払うと残りは35.2万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は390万円(総支給額33万円/月、手取り26万円/月)、3.8万円を支払うと残りは22.2万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が290万円(総支給額25万円/月、手取り20万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。3.8万円を引くと残りは16.2万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代27万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、軽油(ディーゼル燃料)1リットルあたり165円を基準として、-50円となる115円から、+50円となる215円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費6.2km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代差額
115円/L 185500円 -80630円
140円/L 225820円 -40310円
155円/L 250020円 -16110円
165円/L 266130円 -
175円/L 282280円 +16150円
190円/L 306470円 +40340円
215円/L 346800円 +80670円

燃費6.2km/LのLJL型 ディスカバリーで10000km走行するのに必要な燃料は1613L、1リットルあたり165円としたときの燃料代は266130円になります。

参考までに、ディスカバリーの燃料タンクは81リットルですので、1613Lの給油回数は20回、1回あたりの燃料代は約13310円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては16150円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると40340円、50円も違ってくると80670円にもなります。

これをLJL型 ディスカバリーの年間維持費に当てはめてみますと、軽油(ディーゼル燃料)1リットルあたり165円の場合を451800円としたとき、115円/Lに値下がりすれば371170円(82.2%)に、215円/Lに値上がりすれば532470円(117.9%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(51700円)なり重量税(31500円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなれば軽油代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

1年分の自動車税・重量税・自賠責保険料
名目 金額
自動車税 51700円
自動車重量税 1年分 31500円
自賠責保険料 1年分 8825円
合計 92025円

※現在の税制では、自動車税、自動車重量税、自賠責保険料は走行距離に関係なく税額・保険料は一律。走行距離税が新設された場合は大幅に変わる可能性あり。


維持費名目 3000km 5000km 7000km
燃料代 79840円 133070円 186290円
オイル交換 6000円 6000円 8400円
タイヤ交換 6400円 6400円 6400円
任意保険料 57600円 61200円 64800円
税金 自賠責 一律 92025円
合計 241900円 298700円 358000円
1万km差額 -209900円 -153100円 -93800円

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、軽油代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで50000km程度持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料72000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて209900円安い241900円に、5000km走行では153100円安い298700円に、7000km走行では93800円安い358000円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。軽油代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は15000kmは1.1倍、20000kmは1.2倍としたのがこちらです。

維持費名目 10000km 15000km 20000km
燃料代 266130円 399200円 532260円
オイル交換 12000円 18000円 24000円
タイヤ交換 9600円 11520円 15360円
任意保険料 72000円 79200円 86400円
税金 自賠責 一律 92025円
合計 451800円 600000円 750100円
1万km差額 - +148200円 +298300円

走行距離と維持費の変化

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
輸入車・外車の小型車&普通車編
2500cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
5人乗りSUV・RV編

ディスカバリーの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
暫定基準燃費 6.2km/L
燃料タンク容量 81L
航続距離(カタログ燃費) 502.2km
航続距離(80%燃費) 405.0km
満タンプライス 13365円
1km走行コスト 26.61円/km
1万円でどこまで行ける?
東京から502.2kmの範囲

10・15モード燃費、JC08モード燃費、WLTPモード燃費ともにデータがないので6.2km/Lを仮の燃費とすると、、燃料タンク容量81リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は502.2kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(5.6km/L)とすると航続距離は453.6km、80%(5.0km/L)だと405.0km、70%(4.3km/L)では348.3kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から81リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、軽油(ディーゼル燃料)を1リットルあたり165円では13365円、上で計算した航続距離を踏まえると502.2km(80%燃費時405.0km)を走行するのに13365円かかる計算です。

燃費を6.2km/Lとしたときの1km走行コストは26.61円、10万km走行したときの燃料代は万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら万円/年、7年10万kmなら万円/年、5年10万kmなら万円/年、3年10万kmなら万円/年となります。

LJL ディスカバリーのエンジン諸元とカタログデータ

L型エンジン簡易性能曲線図
エンジン諸元
原動機型式 L
気筒配列 直列4気筒
排気量2490cc
圧縮比 19.3
吸気方式 ターボ
最高出力 120PS[88kW]/4000rpm
最大トルク 27.0kgm[265Nm]/1800rpm
パワーバンド 1800-4000rpm, 帯域55.0%
使用燃料 軽油(ディーゼル燃料)
最高出力・最大トルク 各回転数での出力
1800rpm 68PS/27.0kgm
4000rpm 120PS/21.5kgm
L型エンジンの諸元と性能まとめ
直列4気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に4個配置する方式。小排気量から2.5Lあたりまでをカバー。
直列4気筒の最高出力ランキング

まずおさらいとして、搭載しているL型2490cc、直列4気筒のターボエンジンは4000回転時に最高出力120馬力を、1800回転時に最大トルク27.0kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、低めの回転数から中間域にトルクのピークがあるこのエンジンは、街中での普段使いに心地よく、高回転もそれなりでバランスの取れたタイプです。多くの乗用車がこの特性に当て嵌まるのではないかと思います。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なります。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する1800rpmから最高出力が発生する4000rpmまで」の2200rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は55.0%となります。※簡易エンジン性能曲線図オレンジ色の帯域。

最高出力ランキング リスト
2500cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
2500cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ16.917kg/PS(2030kg/120PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ16.917kg/PS
車体+1人17.375kg/PS
車体+5人19.208kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg17.417kg/PS
車体+70kg17.500kg/PS
車体+80kg17.583kg/PS
車体+90kg17.667kg/PS
車体+100kg17.750kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは17.375kg/PS(2085kg/120PS)となり、数値としては0.458kg、比率にすると2.7%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは19.208kg/PS(2305kg/120PS)となり、数値としては2.291kg、比率にすると13.5%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

LJL ディスカバリーのライバル候補車たち

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ17.375kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

愛すべきライバル車種
Page Link車名 PWR+55kg

-
ディスカバリー
17.375kg/PS
120PS・2.5L-TB
車体のみPWR 16.917
2085kg
+2.7%

車種詳細
ミニ
17.500kg/PS
42PS・1.0L-NA
車体のみPWR 16.190
735kg
+8.1%

車種詳細
ウェイク
17.422kg/PS
64PS・0.7L-TB
車体のみPWR 16.562
1115kg
+5.2%

車種詳細
スペーシア
17.212kg/PS
52PS・0.7L-NA
車体のみPWR 16.154
895kg
+6.5%

車種詳細
ディアス ワゴン
17.500kg/PS
58PS・0.7L-SC
車体のみPWR 16.552
1015kg
+5.7%

車種詳細
ピクシス ジョイ
17.212kg/PS
52PS・0.7L-NA
車体のみPWR 16.154
895kg
+6.5%


17.201kg/PSから17.549kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、ローバーの4人乗りハッチバック・99X型 ミニ、ダイハツの4人乗り軽ミニバン・LA710S型 ウェイク、スズキの4人乗り軽ミニバン・MK32S型 スペーシア、スバルの4人乗り軽1BOX・TW1型 ディアス ワゴン、トヨタの4人乗り軽SUV・LA250A型 ピクシス ジョイという顔ぶれが並びました。

最高出力が高いからといって、車両重量が重ければパワーウェイトレシオの数値は似たようなものになったりします。「空車状態のPWRの違いが、戦力の決定的差ではないということを…教えてやる!」といったところでしょうか。

こうなると、思いもよらぬ車種の登場に「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごも生じることもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

LJL型 ディスカバリー [Tdi-S 5人乗り]のライバル車種|17.375kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は59.1PS/tとなっています。


ディスカバリーがバイクと競争するなら…?


車種詳細
モンキー125|124cc
17.021kg/PS
160kg/9.4PS/1.10kgm
[車体のみPWR:11.170]
1速ギヤ速度:35.7km/h
最小TWR:1.290
1999/03

-
ディスカバリー|2490cc
17.375kg/PS
2085kg/120PS/27.0kgm
[車体のみPWR:16.917]
1速ギヤ速度:52.0km/h
最小TWR:2.592

車種詳細
KSR PRO|111cc
17.442kg/PS
150kg/8.6PS/0.88kgm
[車体のみPWR:11.047]
1速ギヤ速度:32.3km/h
最小TWR:1.156

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではディスカバリーとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

JB02 モンキー125と競争してみる

まずディスカバリーより少しPWRが低いバイクとして、ホンダのモンキー125が挙げられます。PWRの17.021kg/PSは車両重量105kgにライダーの体重55kgを加えた160kgを、最高出力9.4PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はモンキー125に16.3km/h勝り、1速TWRは1.302kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

KL110EEF KSR PROと競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、カワサキのKSR PROが挙げられます。PWRの17.442kg/PSは車両重量95kg+55kgの150kgを、最高出力8.6PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は19.7km/h勝り、1速TWRは1.436kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.710
平均ピストンスピード 12.93m/s
トルクウェイトレシオ 75.19kg/kgm
1馬力あたりのお値段 28250円
排気量1Lあたり馬力 48.19PS/L
排気量1Lあたりトルク 10.84kgm/L
1気筒あたりの馬力 30.0PS
1気筒あたりのトルク 6.8kgm
パワーバンド比率 55.0%
燃費×馬力 No data
各種ランキング
SUV・RV・クロカンのPWR
2.0~2.5Lターボ車のPWR

トルクウェイトレシオは75.19kg/kgm(2030kg/27.0kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が3390000円、最高出力が120馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は28250円、逆に1万円あたりでは0.35馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は125556円、1万円あたりでは0.08kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
2500cc以下の車編
5人乗りSUV編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は48.19PS/L、トルクは10.84kgm/L、1気筒あたりの馬力は30.0馬力、トルクは6.8kgmとなり、このエンジンが120馬力を4000回転で発生させているときの平均ピストンスピードは12.93m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.710になります。全ての車種の平均値である1.773を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと小回りを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

LJL ディスカバリーのギヤ比と回転数・速度のステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合4000rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした4500回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 4500rpm|タイヤサイズ 205/80R16|タイヤ直径 73.4cm|円周長 230.6cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
4500rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 2.479 10.65 - - 58km/h 7700rpm 783.3kgm
2速 1.479 6.35 0.597 1-2/
2690rpm
98km/h 4590rpm 467.4kgm
3速 1.000 4.30 0.676 2-3/
3040rpm
145km/h 3100rpm 316.0kgm
4速 0.728 3.13 0.728 3-4/
3280rpm
199km/h 2260rpm 230.0kgm
Final3.538レシオカバレッジ(変速比幅)3.405
  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数1800rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.538)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(27.0kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.538)÷タイヤの有効半径(0.367m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は4速ギヤの199km(4000rpmでは177.0km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが1800回転で最大トルク27.0kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば75.19kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(16.917kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと783.3kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(2030kg)を1速ギヤの最大駆動力(783.3kgm)で割ってみると2.592kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する4000回転でのトルク(21.5kgm)からTWRを算出すると3.254kg/kgmとなり、1800-4000回転の回転域では2.592-3.254kg/kgmの間で推移することがわかります。


4000rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

LJL型ディスカバリーに搭載されたL型2490ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する4000rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

4000rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ52km/h-
2速ギヤ87km/h2390rpm
3速ギヤ129km/h2700rpm
4速ギヤ177km/h2910rpm

まず1速ギヤで4000rpmまで引っ張ると52km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は4000rpmから2390rpmまで落ち、そこから4000rpmまで加速を続けると速度は87km/h(+35km/h)になります。

3速ギヤでは2700rpmまで落ちて4000rpmで129km/h(+42km/h)に、4速ギヤでは2910rpmまで落ちて4000rpmで177km/h(+48km/h)という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 3080 4620 6160 7700 9230 10770 13850
2速 1840 2750 3670 4590 5510 6430 8260
3速 1240 1860 2480 3100 3730 4350 5590
4速 900 1360 1810 2260 2710 3160 4070
※赤い数字は暫定レブリミット(4500rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.728)を選択して時速100kmにて走行すると2260回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1360回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1580回転、一般的な高速道路の80km/hでは1810回転、100km/hでは2260回転、制限速度が120km/hになると2710回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは4070回転まで回ります。

一般的な自動車であれば時速100kmでの巡航回転数は2500回転付近に落ち着くようですが、その中でも若干低めの回転数となっています。標準的なギヤ比の範囲内ながらも加速よりも静粛性や燃費に重きを置いた設定なので、急な坂道や長く続く坂道では積極的にギヤを1段下げる操作が必要になるかもしれません。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 13 26 39 52 65 78 91 104
2速 22 44 65 87 109 131 152 174
3速 32 64 97 129 161 193 225 258
4速 44 88 133 177 221 265 310 354

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(4500回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの205/80R16と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 205/80R16 | 直径 734mm

-20mm
幅185mm
-10mm
幅195mm
変更なし
幅205mm
+10mm
幅215mm
+20mm
幅225mm
75 185/75R16
37.3km/h
径 684mm
差 -50mm
195/75R16
38.1km/h
径 699mm
差 -35mm
205/75R16
38.9km/h
径 714mm
差 -20mm
215/75R16
39.7km/h
径 729mm
差 -5mm
225/75R16
40.5km/h
径 744mm
差 +10mm
80 185/80R16
38.3km/h
径 702mm
差 -32mm
195/80R16
39.1km/h
径 718mm
差 -16mm
205/80R16
40.0km/h
734mm
0mm
215/80R16
40.9km/h
径 750mm
差 +16mm
225/80R16
41.7km/h
径 766mm
差 +32mm
85 185/85R16
39.3km/h
径 721mm
差 -13mm
195/85R16
40.2km/h
径 738mm
差 +4mm
205/85R16
41.1km/h
径 755mm
差 +21mm
215/85R16
42.1km/h
径 772mm
差 +38mm
225/85R16
43.0km/h
径 789mm
差 +55mm
90 185/90R16
40.3km/h
径 739mm
差 +5mm
195/90R16
41.3km/h
径 757mm
差 +23mm
205/90R16
42.2km/h
径 775mm
差 +41mm
215/90R16
43.2km/h
径 793mm
差 +59mm
225/90R16
44.2km/h
径 811mm
差 +77mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、185/80R16、185/85R16 、195/75R16、195/80R16 、205/75R16 、215/75R16 あたりのタイヤがおすすめです。

205/80R16のタイヤ幅を185mmから235mmまで、扁平率を65%から95%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、205/80R16の適応サイズと性能の変化 [LJL型ディスカバリー編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】205/80R16のタイヤ銘柄と通販価格

LJL型 ディスカバリー 2.5Lターボ 4WD/4ATの通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を比較してみます。

運動性能部門 10項目
評価項目全車種平均数値得点評価
PWR9.79㎏/PS16.92㎏/PS30.6ptE
最高回転数5880rpm4000rpm26.9ptF
1速ギヤ
加速性能
1.58㎏/㎏m2.59㎏/㎏m31.9ptE
1速ギヤ
最高速
51.1㎞/h52.0㎞/h50.9ptC
1リットル
換算馬力
103.35PS/L48.19PS/L30.1ptE
1リットル
換算トルク
15.98㎏m/L10.84㎏m/L34.1ptE
WB/TR比1.7731.71056.4ptB
ワイド&
ロー指数
0.8941.06737.6ptE
前面の面積2.631m23.456m226.9ptF
最低地上高154.6mm-43.7ptD
スポーツ性能部門の得点365.6pt
総合評価F

※PWR(パワーウェイトレシオ)・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比(旋回性能重視)・ワイド&ロー指数(見た目のかっこよさ)・前面の面積(≒前方投影面積・空気抵抗)・最低地上高については数値が小さいほど高得点。最高回転数・1速ギヤ最高速・1リットル換算馬力・1リットル換算トルクについては数値が大きいほど高得点。

ユーティリティ部門 10項目
評価項目全車種平均数値得点評価
年間維持費340619円451800円40.3ptD
燃費13.0km/L-44.2ptD
100km/h
回転数
2490rpm2260rpm53.0ptC
航続距離644.2km-46.3ptC
車の大きさ11.468m315.500m334.1ptE
車内の広さ3429.0L3591.0L51.6ptC
乗車定員4.8人5人51.7ptC
1人あたり
車内広さ
692.0L718.2L52.2ptC
車内床面積2.793m22.805m250.2ptC
最小回転
半径
5.17m-45.3ptD
ユーティリティ部門の得点468.9pt
総合評価D

※燃費・航続距離(燃費×燃料タンク容量)・室内の広さ(室内長×室内幅×室内高)・乗車定員・1人あたりの車内の広さは数値が大きいほど高得点、新車価格・年間維持費・100km/h回転数・車の大きさ(全長×全幅×全高)・最小回転半径は数値が小さいほど高得点。

結果発表!
部門 全10719車種中 RANK
運動性能 365.6pt 10561位 F
運動性能部門 ランキング
ユーティリティ 468.9pt 7652位 D
ユーティリティ部門 ランキング
総合得点 834.5pt 10550位 F
総合得点ランキング

スポーツ性能部門は365.6点で全10719車種中の10561位、ユーティリティ部門は468.9点で7652位、総合得点は834.5点で10550位となりました。各部門、獲得点数が多い車種から順番に並べたランキングを用意してありますのでご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したLJL型 ディスカバリー(4WD/4AT) の各種スペックを、5人乗SUV2500ccという属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを比較してみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

ディスカバリーの歴代モデル

4代目 LA5N型 ディスカバリー4
LA5N ディスカバリー4は2009/06に登場した4代目モデル。参考車両の「HSE」は全長4850mm、全幅1920mm、全高1890mmの車体に、375PS/52.0kgmを発生する508PN型4999ccエンジンを搭載した7人乗りSUV。

3代目 LA40型 ディスカバリー3
LA40 ディスカバリー3は2005/05に登場した3代目モデル。参考車両の「G4-Challenge」は全長4850mm、全幅1920mm、全高1880mmの車体に、215PS/36.7kgmを発生する406PN型4009ccエンジンを搭載した5人乗りSUV。

2代目 LT56型 ディスカバリー
LT56 ディスカバリーは2000/11に登場した2代目モデル。参考車両の「V8i-S」は全長4680mm、全幅1890mm、全高1880mmの車体に、185PS/34.7kgmを発生する94D型3947ccエンジンを搭載した5人乗りSUV。

初代 LJR型 ディスカバリー
LJR ディスカバリーは1991/10に登場した初代モデル。参考車両の「V8i-ES 7人乗り」は全長4510mm、全幅1800mm、全高1950mmの車体に、180PS/31.8kgmを発生する36D型3947ccエンジンを搭載した7人乗りSUV。


人気があるSUVの車種比較


LA910S タフト 2023 vs MR52S ハスラー 2020 性能比較
初代 タフト X-Turbo eco-IDLE非装着車(2023年式 LA910S・4WD/CVT・0.66L+ターボ・64PS/10.2kgm・4人乗り)と、2代目 ハスラー Hybrid-G Turbo(2020年式 MR52S・4WD/CVT・0.66L+ターボ・64PS/10.0kgm・4人乗り)を比較。

B38A デリカ ミニ 2023 vs H58A パジェロ ミニ 2010 性能比較
初代 デリカ ミニ T(2023年式 B38A・4WD/CVT・0.66L+ターボ・64PS/10.2kgm・4人乗り)と、2代目 パジェロ ミニ ZR(2010年式 H58A・4WD/5MT・0.66L+ターボ・64PS/9.0kgm・4人乗り)を比較。

CT20 ティグアン TDI 2024 vs SK5 フォレスター SPORT 2020 性能比較
3代目 ティグアン TDI 4MOTION Active(2024年式 CT20・4WD/7AT・2.0L+ターボ・193PS/40.8kgm・5人乗り)と、5代目 フォレスター SPORT(2020年式 SK5・4WD/CVT・1.8L+ターボ・177PS/30.6kgm・5人乗り)を比較。

JC74W ジムニー ノマド 2025 vs J210E ラッシュ 2010 性能比較
4代目 ジムニー ノマド FC(2025年式 JC74W・4WD/5MT・1.5L・102PS/13.3kgm・4人乗り)と、初代 ラッシュ X(2010年式 J210E・4WD/5MT・1.5L・109PS/14.4kgm・5人乗り)を比較。

B38A デリカ ミニ 2023 vs LA660S タント ファンクロス 2023 性能比較
初代 デリカ ミニ T(2023年式 B38A・4WD/CVT・0.66L+ターボ・64PS/10.2kgm・4人乗り)と、4代目 タント ファンクロス FunCross Turbo(2023年式 LA660S・4WD/CVT・0.66L+ターボ・64PS/10.2kgm・4人乗り)を比較。

DG5 WR-V 2024 vs A202A ライズ ハイブリッド 2021 性能比較
初代 WR-V X(2024年式 DG5・FF/CVT・1.5L・118PS/14.5kgm・5人乗り)と、初代 ライズ ハイブリッド G(2021年式 A202A・FF/CVT・1.2L・82PS/10.7kgm・5人乗り)を比較。

V55W パジェロ Evolution 1997 vs V25W パジェロ 1996 性能比較
2代目 パジェロ Evolution(1997年式 V55W・4WD/5MT・3.5L・280PS/35.5kgm・5人乗り)と、2代目 パジェロ Metal-Top Wide ZR-I(1996年式 V25W・4WD/5MT・3.5L・230PS/33.0kgm・5人乗り)を比較。

H57A パジェロ ジュニア 1997 vs H56A パジェロ ミニ 1997 性能比較
初代 パジェロ ジュニア ZR-I(1997年式 H57A・4WD/5MT・1.1L・80PS/10.0kgm・4人乗り)と、初代 パジェロ ミニ Duke-V(1997年式 H56A・4WD/5MT・0.66L+ターボ・64PS/9.9kgm・4人乗り)を比較。