NA1 NSX 性能と維持費 MR/5MT 2人 831万円 1995年式

このページでは、本田技研工業の2ドア・2人乗りクーペ、初代のE-NA1型NSX NSX【1995/03モデル・280PS/30.0kgm・MR/MT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

NA1 NSX
販売期間:1990/09 - 2005/12

画像は本田技研工業より引用
http://www.honda.co.jp/
投稿:|更新:

ボディサイズが全長4430mm×全幅1810mm×全高1170mm、排気量は2977ccであることから、大雑把に分類すると3.0リットルクラス(3000cc、自動車税は3.0L以下を適用)に属し、全長、全高は5ナンバー枠ながら全幅が1.7mを超え、排気量も2000ccを超えていることにより3ナンバー登録になります。比較的コンパクトなボディに大きめなエンジンの組み合わせは世界戦略車(グローバルカー)やちょっとした高級車に良くあるパターンです。
参考:280馬力の国産車 一覧

駆動方式にはエンジンを車体の中央(運転席より後、後輪よりは前)に搭載し、後輪のみを駆動する、ミッドシップエンジン・リヤドライブ方式(MR)を採用しています。エンジンやミッションといった重量物が車体の中心近くにあるため切れ味鋭いハンドリングを実現するとされ、生粋のスポーツカー、スーパーカーの代名詞的な駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4430mmであるこの車の場合は「ミディアム」(Medium:4300mm超-4650mm以下・Dセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。

NA1型 NSX [2977cc/280PS MR/5MT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

初代NSXの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2004/04
NA2型
[type-R]
3.2L-NA・MR/6MT・1255.5万円
280PS・31.0kgm・8.6km/L
280PS
31.0kgm
8.6km/L
2004/04
NA2型
[type-S]
3.2L-NA・MR/6MT・1087.5万円
280PS・31.0kgm・9.0km/L
280PS
31.0kgm
9.0km/L
2004/04
NA1型
[NSX]
3.0L-NA・MR/4AT・987.7万円
265PS・30.0kgm・8.4km/L
265PS
30.0kgm
8.4km/L
初代 NSX 型式一覧 NA1/NA2系まとめ 1990-2005【全10車種】
NSXの新型モデル
2代目 NC1型NSX
NC1型NSXは2016/08に登場した2代目モデル。参考車両の「type-S」は全長4535mm、全幅1940mm、全高1215mmの車体に、529PS/61.2kgmを発生するJNC型3492ccエンジンを搭載。


NA1 NSXの主要諸元と大きさ比較

主要諸元
メーカー 本田技研工業
車名&
グレード
NSX
NSX
その他 -
お値段 8307000円
車両型式 E-NA1
駆動方式
変速機
MR・後輪駆動(RWD,2WD)
5速MT・5速マニュアル車
ドア/定員 2ドア・2名乗車
ホイールベース 2530mm
トレッド 1510mm/1530mm
WB/TR比 1.664
最小半径 5.8m
最低高 135mm
タイヤ 前輪:205/50R15
後輪:225/50R16
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
車両重量 1350kg

※WB/TR比はホイールベーストレッド比の略。値が大きいほど直進安定性に優れ、小さいほど旋回性能が高くなりやすい。全ての車種の平均値は1.773。

NSXと各規格の大きさ比較
規格名 規格寸法 増減
NSX
車体寸法
全長 4430mm -
全幅 1810mm -
全高 1170mm -
大きさ 9.38m3 -
軽自動車
新規格
全長 3400mm以下 +1030mm
全幅 1480mm以下 +330mm
全高平均 1640mm -470mm
大きさ平均 8.13m3 +1.25m3
小型車規格
5ナンバー車
全長 4700mm以下 -270mm
全幅 1700mm以下 +110mm
全高平均 1496mm -326mm
大きさ平均 10.47m3 -1.09m3
普通車平均
3ナンバー車
全長平均 4643mm -213mm
全幅平均 1815mm -5mm
全高平均 1518mm -348mm
大きさ平均 12.84m3 -3.46m3

※上記グラフは100のラインを上回れば平均値以上、下回れば平均値以下を表す。グラフの伸びが大きいほど各規格の車両に対して相対的に車体が長い・広い・高い。※普通乗用車(3ナンバー車)の条件は全長4700mm超または全幅1700mm超または全高2000mm超と上限値が曖昧なため、ここでは普通乗用車に属する全ての車種の平均値との比較。※軽自動車・小型乗用車の全高はいずれも2000mm以下。ただし、ここでは各規格に属する車種の全高の平均値との比較。


NA1 NSXの室内広さを各規格の車両と比較

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

NSXの室内広さを各規格の車両と比較
規格名 規格寸法 増減
NSX
室内広さ
室内長 970mm -
室内幅 1460mm -
室内高 980mm -
車内広さ 1388L -
軽自動車
新規格
室内長平均 1908mm -938mm
室内幅平均 1280mm +180mm
室内高平均 1283mm -303mm
車内広さ平均 3171L -1783L
小型車規格
5ナンバー車
室内長平均 1913mm -943mm
室内幅平均 1403mm +57mm
室内高平均 1195mm -215mm
車内広さ平均 3251L -1863L
普通車平均
3ナンバー車
室内長平均 2050mm -1080mm
室内幅平均 1483mm -23mm
室内高平均 1195mm -215mm
車内広さ平均 3698L -2310L

※上記グラフは100のラインを上回れば平均値以上、下回れば平均値以下を表す。グラフの伸びが大きいほど各規格の車両に対して相対的に室内が長い・広い・高い。

人間様の占有スペースと容積効率
室内長×室内幅×室内高 1.388m³
1人あたりのスペース 0.694m³
室内長/全長 21.9%
室内幅/全幅 80.7%
室内高/全高 83.8%
室内容積/車両体積 14.8%

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は1.388m³です。この車の乗車定員は2人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.694m³のスペースが割り当てられることになります。

続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は21.9%、同じく室内幅と全幅の比率は80.7%、同じく室内高と全高の比率は83.8%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は14.8%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車 室内幅が広い車 室内高が高い車 車内の空間が広い車
室内長が長い車
室内幅が広い車
室内高が高い車
車内の空間が広い車


NA1 NSXの税金・年間維持費シミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税58600円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税18900円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額6500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、1995/03モデルのNSXを30年落ちの中古で182.7万円にて購入し、頭金なしで4年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    NSXの1995/03モデルの場合、2025年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の20%である166.14万円に諸経費として16.6万円を足した182.7万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
  • 【PR】自動車保険は比較で安くなる!

1995年式を30年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税 3000cc以下 13年経過 58600円
自動車重量税
1年分
1.5トン以下 18年経過 18900円
自賠責保険料
(1年換算)
自家用乗用車 8825円
燃料代
年間1万㎞
1万㎞÷7.6㎞/L×195円/L 256580円
オイル交換
5000km毎
1回5500円×2回 11000円
タイヤ交換
5年5万km毎
1本12000円×4本÷5年 9600円
任意保険料
月額6500円
月額6500円×12ヶ月 78000円
ローン完済後の年間維持費 441600円
名目 区分 金額
車のローン額
1年分
月額38070円×12ヶ月 456840円
ローン返済中の年間維持費 898400円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 58500円
  • 初度登録から13年以上経過車の場合、「3000cc以下で13年経過」クラスの自動車税は58600円、「1.5トン以下で18年経過」クラスの自動車重量税は18900円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに5500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本12000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額6500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした58500円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

このあたりのクラスから理想と現実の違い、つまり「乗りたい車」と「乗ることができる車」は違うことを思い知らされます。うっかり手を出せば「いっ…維持費が高すぎて息ができん!フーッ!フーッ!」と目を白黒させることになりかねません。

さて、NSX【NSX】の場合、維持費の月額は36800円になります。金銭的にシビアな人からは「車なんてどれもタイヤが4つあるだけなのに、なんでこんなにお金の掛かる車に乗ってるんだ…修行か…」と奇異の目で見られていることでしょう。でも良いんです。愛さえあれば。

NSXの維持費は高い?安い?

「NSXの年間維持費は441600円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「3000ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてNSXの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いハイエース バン274670円-166930円
スープラ343900円-97700円
スカイライン379100円-62500円
ハイエース ワゴン387600円-54000円
基準3000ccクラス平均414000円-27600円
NSXの維持費441600円
アリスト453300円+11700円
スカイライン GT-R480700円+39100円
X5519600円+78000円
高いXM ワゴン623000円+181400円

NSXの年間維持費を、3000ccクラスで最も維持費が安いハイエース バンと比較して166930円高く、最も高いXM ワゴンと比較して181400円安く、3000ccクラスの平均維持費との比較では27600円高くなっています。

最低額のハイエース バンと最高額のXM ワゴンは極端な例としても、3000ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、NSXの維持費は ちょっと高い! と言えそうです。

年間維持費が安い 3000ccクラスの車 ランキング

NSXを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟の%年収月給手取り
10%570万円48万円37万円
15%380万円32万円25万円
20%290万円25万円20万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は570万円(総支給額48万円/月、手取り37万円/月)、ここから月額維持費3.7万円を支払うと残りは33.3万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は380万円(総支給額32万円/月、手取り25万円/月)、3.7万円を支払うと残りは21.3万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が290万円(総支給額25万円/月、手取り20万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。3.7万円を引くと残りは16.3万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代26万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり195円を基準として、-50円となる145円から、+50円となる245円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費7.6km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代差額
145円/L 190800円 -65780円
170円/L 223690円 -32890円
185円/L 243430円 -13150円
195円/L 256580円 -
205円/L 269740円 +13160円
220円/L 289480円 +32900円
245円/L 322380円 +65800円

燃費7.6km/LのNA1型 NSXで10000km走行するのに必要な燃料は1315.8L、1リットルあたり195円としたときの燃料代は256580円になります。

参考までに、NSXの燃料タンクは70リットルですので、1315.8Lの給油回数は19回、1回あたりの燃料代は約13510円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては13160円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると32900円、50円も違ってくると65800円にもなります。

これをNA1型 NSXの年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり195円の場合を441600円としたとき、145円/Lに値下がりすれば375820円(85.1%)に、245円/Lに値上がりすれば507400円(114.9%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(58600円)なり重量税(18900円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

税金の安さは折り紙付き!
バン・トラックの人気車種ランキング!


低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

1年分の自動車税・重量税・自賠責保険料
名目 金額
自動車税 58600円
自動車重量税 1年分 18900円
自賠責保険料 1年分 8825円
合計 86325円

※現在の税制では、自動車税、自動車重量税、自賠責保険料は走行距離に関係なく税額・保険料は一律。走行距離税が新設された場合は大幅に変わる可能性あり。


維持費名目 3000km 5000km 7000km
燃料代 76970円 128290円 179610円
オイル交換 5500円 5500円 7700円
タイヤ交換 6400円 6400円 6400円
任意保険料 62400円 66360円 70200円
税金 自賠責 一律 86325円
合計 237600円 292900円 350300円
1万km差額 -204000円 -148700円 -91300円

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで50000km程度持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料78000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて204000円安い237600円に、5000km走行では148700円安い292900円に、7000km走行では91300円安い350300円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は15000kmは1.1倍、20000kmは1.2倍としたのがこちらです。

維持費名目 10000km 15000km 20000km
燃料代 256580円 384870円 513160円
オイル交換 11000円 16500円 22000円
タイヤ交換 9600円 11520円 15360円
任意保険料 78000円 85800円 93600円
税金 自賠責 一律 86325円
合計 441600円 585100円 730500円
1万km差額 - +143500円 +288900円

走行距離と維持費の変化

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
ホンダの小型車&普通車編
3000cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
2ドア・クーペ編

NSXの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
10・15モード燃費 9.0km/L
燃料タンク容量 70L
航続距離(カタログ燃費) 630.0km
航続距離(80%燃費) 504.0km
満タンプライス 13650円
1km走行コスト 21.67円/km
1万円でどこまで行ける? 461.5km
東京から630.0kmの範囲

10・15モード燃費が9.0km/L、燃料タンク容量70リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は630.0kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(8.1km/L)とすると航続距離は567.0km、80%(7.2km/L)だと504.0km、70%(6.3km/L)では441.0kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から70リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり195円では13650円、上で計算した航続距離を踏まえると630.0km(80%燃費時504.0km)を走行するのに13650円かかる計算です。

燃費を7.6km/Lとしたときの1km走行コストは21.67円、10万km走行したときの燃料代は216.7万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら21.7万円/年、7年10万kmなら31.0万円/年、5年10万kmなら43.3万円/年、3年10万kmなら72.2万円/年となります。

ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば461.5km(往復なら片道230.8km)、カタログ値の80%なら369.2km(片道184.6km)離れたところまで行くことができます。

NA1 NSXのエンジン諸元とカタログデータ

C30A型エンジン簡易性能曲線図
エンジン諸元
原動機型式 C30A
気筒配列 V型6気筒
排気量2977cc
圧縮比 10.2
吸気方式 自然吸気(NA・ノンターボ)
最高出力 280PS[206kW]/7300rpm
最大トルク 30.0kgm[294Nm]/5400rpm
パワーバンド 5400-7300rpm, 帯域26.0%
使用燃料 ハイオクガソリン
10・15燃費9.0km/L(21.2mpg)
100km燃費11.1L/100km
最高出力・最大トルク 各回転数での出力
5400rpm 226PS/30.0kgm
7300rpm 280PS/27.5kgm
C30A型エンジンの諸元と性能まとめ
V型6気筒とは‥シリンダをV字型に交互で6個配置する方式。中排気量のスタンダード。
V型6気筒の最高出力ランキング

まずおさらいとして、搭載しているC30A型2977cc、V型6気筒の自然吸気エンジンは7300回転時に最高出力280馬力を、5400回転時に最大トルク30.0kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、最大トルクと最高出力の発生回転数が程よく近いこのエンジンは、高めの回転数が得意なタイプのエンジンです。日常での使い勝手をある程度は確保しつつ、高回転のパワー感もしっかり伴う雰囲気の良さが自慢です。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なります。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する5400rpmから最高出力が発生する7300rpmまで」の1900rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は26.0%となります。※簡易エンジン性能曲線図オレンジ色の帯域。

最高出力ランキング リスト
3000cc以下クラス編
ホンダの小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
3000cc以下クラス編
ホンダの小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ4.821kg/PS(1350kg/280PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ4.821kg/PS
車体+1人5.018kg/PS
車体+2人5.214kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg5.036kg/PS
車体+70kg5.071kg/PS
車体+80kg5.107kg/PS
車体+90kg5.143kg/PS
車体+100kg5.179kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは5.018kg/PS(1405kg/280PS)となり、数値としては0.197kg、比率にすると4.1%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの2人が搭乗した場合、車両重量に110kgがプラスされてパワーウェイトレシオは5.214kg/PS(1460kg/280PS)となり、数値としては0.393kg、比率にすると8.2%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

NA1 NSXのライバル候補車たち

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ5.018kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

愛すべきライバル車種
Page Link車名 PWR+55kg

-
NSX
5.018kg/PS
280PS・3.0L-NA
車体のみPWR 4.821
1405kg
+4.1%

車種詳細
WRX STI
4.984kg/PS
308PS・2.0L-TB
車体のみPWR 4.805
1535kg
+3.7%

車種詳細
シルビア
5.180kg/PS
250PS・2.0L-TB
車体のみPWR 4.960
1295kg
+4.4%

車種詳細
インプレッサ WRX
5.150kg/PS
300PS・2.5L-TB
車体のみPWR 4.967
1545kg
+3.7%

車種詳細
マークX GRMN
5.000kg/PS
321PS・3.5L-NA
車体のみPWR 4.829
1605kg
+3.5%

車種詳細
フェアレディZ
4.936kg/PS
313PS・3.5L-NA
車体のみPWR 4.760
1545kg
+3.7%


4.817kg/PSから5.219kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、スバルの5人乗りセダン・VAB型 WRX STI、日産の4人乗りクーペ・S15型 シルビア、スバルの5人乗りハッチバック・GRF型 インプレッサ WRX、トヨタの5人乗りセダン・GRX133型 マークX GRMN、日産の2人乗りクーペ・Z33型 フェアレディZという顔ぶれが並びました。

最高出力が高いからといって、車両重量が重ければパワーウェイトレシオの数値は似たようなものになったりします。「空車状態のPWRの違いが、戦力の決定的差ではないということを…教えてやる!」といったところでしょうか。

こうなると、思いもよらぬ車種の登場に「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごも生じることもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

NA1型 NSX [NSX]のライバル車種|5.018kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は207.4PS/tとなっています。


NSXがバイクと競争するなら…?


車種詳細
X-ADV|745cc
5.017kg/PS
291kg/58.0PS/7.00kgm
[車体のみPWR:4.069]
1速ギヤ速度:63.7km/h
最小TWR:0.844
1995/03

-
NSX|2977cc
5.018kg/PS
1405kg/280PS/30.0kgm
[車体のみPWR:4.821]
1速ギヤ速度:69.6km/h
最小TWR:1.138

車種詳細
NC750S|745cc
5.019kg/PS
271kg/54.4PS/6.93kgm
[車体のみPWR:4.000]
1速ギヤ速度:59.7km/h
最小TWR:0.794

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではNSXとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

RH10 X-ADVと競争してみる

まずNSXより少しPWRが低いバイクとして、ホンダのX-ADVが挙げられます。PWRの5.017kg/PSは車両重量236kgにライダーの体重55kgを加えた291kgを、最高出力58.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はX-ADVに5.9km/h勝り、1速TWRは0.294kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

RC88 NC750Sと競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、ホンダのNC750Sが挙げられます。PWRの5.019kg/PSは車両重量216kg+55kgの271kgを、最高出力54.4PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は9.9km/h勝り、1速TWRは0.344kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.664
平均ピストンスピード 18.98m/s
トルクウェイトレシオ 45.00kg/kgm
1馬力あたりのお値段 29668円
排気量1Lあたり馬力 94.05PS/L
排気量1Lあたりトルク 10.08kgm/L
1気筒あたりの馬力 46.7PS
1気筒あたりのトルク 5.0kgm
パワーバンド比率 26.0%
燃費×馬力 2142.0pt
各種ランキング
クーペのPWR
2.5~3.0LのNA車 PWR

トルクウェイトレシオは45.00kg/kgm(1350kg/30.0kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が8307000円、最高出力が280馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は29668円、逆に1万円あたりでは0.34馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は276900円、1万円あたりでは0.04kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
ホンダ編
3000cc以下の車編
クーペ編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は94.05PS/L、トルクは10.08kgm/L、1気筒あたりの馬力は46.7馬力、トルクは5.0kgmとなり、このエンジンが280馬力を7300回転で発生させているときの平均ピストンスピードは18.98m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が78.0mmであるC30A型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は7690回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.664になります。全ての車種の平均値である1.773を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと小回りを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が7.65km/L、最高出力が280PSであるこの車の獲得ポイントは2142.0ptになります。
戯れに車両重量1350kgを100kg単位にした13.5で割ってみたところ、その数値は158.67ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


NA1 NSXのギヤ比と回転数・速度のステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合7300rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした7800回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 7800rpm|タイヤサイズ 225/50R16|タイヤ直径 63.1cm|円周長 198.2cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
7800rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 3.071 12.47 - - 74km/h 10490rpm 1186.2kgm
2速 1.952 7.93 0.636 1-2/
4960rpm
117km/h 6670rpm 753.9kgm
3速 1.400 5.69 0.717 2-3/
5590rpm
163km/h 4780rpm 540.7kgm
4速 1.033 4.20 0.738 3-4/
5760rpm
221km/h 3530rpm 399.0kgm
5速 0.771 3.13 0.746 4-5/
5820rpm
296km/h 2630rpm 297.8kgm
Final4.062レシオカバレッジ(変速比幅)3.983
  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数5400rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.062)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(30.0kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.062)÷タイヤの有効半径(0.3155m)で算出。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は5速ギヤの296km(7300rpmでは277.2km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが5400回転で最大トルク30.0kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば45.00kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(4.821kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと1186.2kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1350kg)を1速ギヤの最大駆動力(1186.2kgm)で割ってみると1.138kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する7300回転でのトルク(27.5kgm)からTWRを算出すると1.242kg/kgmとなり、5400-7300回転の回転域では1.138-1.242kg/kgmの間で推移することがわかります。


7300rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

NA1型NSXに搭載されたC30A型2977ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する7300rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

7300rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ70km/h-
2速ギヤ109km/h4640rpm
3速ギヤ153km/h5230rpm
4速ギヤ207km/h5390rpm
5速ギヤ277km/h5450rpm

まず1速ギヤで7300rpmまで引っ張ると70km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は7300rpmから4640rpmまで落ち、そこから7300rpmまで加速を続けると速度は109km/h(+39km/h)になります。

3速ギヤでは5230rpmまで落ちて7300rpmで153km/h(+44km/h)に、4速ギヤでは5390rpmまで落ちて7300rpmで207km/h(+54km/h)に、5速ギヤでは5450rpmまで落ちて7300rpmで277km/h(+70km/h)という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4200 6290 8390 10490 12590 14690 18880
2速 2670 4000 5330 6670 8000 9330 12000
3速 1910 2870 3830 4780 5740 6690 8610
4速 1410 2120 2820 3530 4230 4940 6350
5速 1050 1580 2110 2630 3160 3690 4740
※赤い数字は暫定レブリミット(7800rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.771)を選択して時速100kmにて走行すると2630回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1580回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1840回転、一般的な高速道路の80km/hでは2110回転、100km/hでは2630回転、制限速度が120km/hになると3160回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは4740回転まで回ります。

一般的な自動車であれば時速100kmでの巡航回転数は2500回転付近に落ち着くようですが、その中でも若干高めの回転数となっています。標準的なギヤ比の範囲内ながらも静粛性や燃費よりも加速に重きを置いた設定なので、高速道路やバイパスを走行するとき、ふと「もう1段上のギヤがあったらなあ‥」と呟くことがあるかもしれません。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 10 19 29 38 48 57 67 76
2速 15 30 45 60 75 90 105 120
3速 21 42 63 84 105 125 146 167
4速 28 57 85 113 142 170 198 227
5速 38 76 114 152 190 228 266 304

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(7800回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの225/50R16と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 225/50R16 | 直径 631mm

-20mm
幅205mm
-10mm
幅215mm
変更なし
幅225mm
+10mm
幅235mm
+20mm
幅245mm
45 205/45R16
37.5km/h
径 591mm
差 -40mm
215/45R16
38.0km/h
径 600mm
差 -31mm
225/45R16
38.6km/h
径 609mm
差 -22mm
235/45R16
39.2km/h
径 618mm
差 -13mm
245/45R16
39.7km/h
径 627mm
差 -4mm
50 205/50R16
38.7km/h
径 611mm
差 -20mm
215/50R16
39.4km/h
径 621mm
差 -10mm
225/50R16
40.0km/h
631mm
0mm
235/50R16
40.6km/h
径 641mm
差 +10mm
245/50R16
41.3km/h
径 651mm
差 +20mm
55 205/55R16
40.1km/h
径 632mm
差 +1mm
215/55R16
40.8km/h
径 643mm
差 +12mm
225/55R16
41.5km/h
径 654mm
差 +23mm
235/55R16
42.2km/h
径 665mm
差 +34mm
245/55R16
42.9km/h
径 676mm
差 +45mm
60 205/60R16
41.3km/h
径 652mm
差 +21mm
215/60R16
42.1km/h
径 664mm
差 +33mm
225/60R16
42.9km/h
径 676mm
差 +45mm
235/60R16
43.6km/h
径 688mm
差 +57mm
245/60R16
44.4km/h
径 700mm
差 +69mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、205/50R16 、215/45R16、215/50R16 、225/45R16 、235/45R16 、245/45R16あたりのタイヤがおすすめです。

225/50R16のタイヤ幅を205mmから255mmまで、扁平率を35%から65%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、225/50R16の適応サイズと性能の変化 [NA1型NSX編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】225/50R16のタイヤ銘柄と通販価格

NA1型 NSX 3.0L-NA MR/5MTの通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を比較してみます。

運動性能部門 10項目
評価項目全車種平均数値得点評価
PWR9.79㎏/PS4.82㎏/PS63.5ptA
最高回転数5880rpm7300rpm67.5ptA
1速ギヤ
加速性能
1.58㎏/㎏m1.14㎏/㎏m59.2ptB
1速ギヤ
最高速
51.1㎞/h69.6㎞/h67.0ptA
1リットル
換算馬力
73.10PS/L94.05PS/L66.5ptA
1リットル
換算トルク
9.47㎏m/L10.08㎏m/L57.4ptB
WB/TR比1.7731.66461.1ptB
ワイド&
ロー指数
0.8940.64667.8ptA
前面の面積2.631m22.118m264.3ptA
最低地上高154.5mm135mm57.9ptB
スポーツ性能部門の得点622.6pt
総合評価S

※PWR(パワーウェイトレシオ)・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比(旋回性能重視)・ワイド&ロー指数(見た目のかっこよさ)・前面の面積(≒前方投影面積・空気抵抗)・最低地上高については数値が小さいほど高得点。最高回転数・1速ギヤ最高速・1リットル換算馬力・1リットル換算トルクについては数値が大きいほど高得点。

ユーティリティ部門 10項目
評価項目全車種平均数値得点評価
年間維持費340674円441600円41.2ptD
10-15燃費13.0km/L9.0km/L41.2ptD
100km/h
回転数
2489rpm2630rpm48.1ptC
航続距離644.1km535.5km43.7ptD
車の大きさ11.468m39.381m358.2ptB
車内の広さ3431.7L1387.9L30.0ptE
乗車定員4.8人2人26.7ptF
1人あたり
車内広さ
691.9L693.9L50.2ptC
車内床面積2.793m21.416m230.3ptE
最小回転
半径
5.18m5.8m37.3ptE
ユーティリティ部門の得点406.9pt
総合評価F

※10-15燃費・航続距離(燃費×燃料タンク容量)・室内の広さ(室内長×室内幅×室内高)・乗車定員・1人あたりの車内の広さは数値が大きいほど高得点、新車価格・年間維持費・100km/h回転数・車の大きさ(全長×全幅×全高)・最小回転半径は数値が小さいほど高得点。

結果発表!
部門 全10714車種中 RANK
運動性能 622.6pt 58位 S
運動性能部門 ランキング
ユーティリティ 406.9pt 10599位 F
ユーティリティ部門 ランキング
総合得点 1029.5pt 2412位 B
総合得点ランキング

スポーツ性能部門は622.6点で全10714車種中の58位、ユーティリティ部門は406.9点で10599位、総合得点は1029.5点で2412位となりました。各部門、獲得点数が多い車種から順番に並べたランキングを用意してありますのでご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したNA1型 NSX(MR/5MT) の各種スペックを、クーペ3000ccという属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを比較してみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

NSXの歴代モデル

2代目 NC1型 NSX
NC1 NSXは2016/08に登場した2代目モデル。参考車両の「Sport-Hybrid SH-AWD」は全長4490mm、全幅1940mm、全高1215mmの車体に、507PS/56.1kgmを発生するJNC型3492ccエンジンを搭載した2人乗りクーペ。

初代 NA1型 NSX
NA1 NSXは1990/09に登場した初代モデル。参考車両の「type-T」は全長4430mm、全幅1810mm、全高1170mmの車体に、280PS/30.0kgmを発生するC30A型2977ccエンジンを搭載した2人乗りオープンカー。


人気があるクーペの車種比較


DE3A FTO GPX 1999 vs EK9 シビック タイプR 1998 性能比較
初代 FTO GPX(1999年式 DE3A・FF/5MT・2.0L・200PS/20.4kgm・4人乗り)と、6代目 シビック タイプR type-R(1998年式 EK9・FF/5MT・1.6L・185PS/16.3kgm・4人乗り)を比較。

SW20 MR2 G 1989 vs AW11 MR2 1600G 1984 新旧比較
2代目 MR2 G(1989年式 SW20・MR/5MT・2.0L・165PS/19.5kgm・2人乗り)と、初代 MR2 1600G(1984年式 AW11・MR/5MT・1.6L・130PS/15.2kgm・2人乗り)を比較。

AW11 MR2 1600G SC 1988 vs AW11 MR2 1600G 1984 性能比較
初代 MR2 1600G SC(1988年式 AW11・MR/5MT・1.6L+SC・145PS/19.0kgm・2人乗り)と、初代 MR2 1600G(1984年式 AW11・MR/5MT・1.6L・130PS/15.2kgm・2人乗り)を比較。

ZZW30 MR-S 2005 vs SW20 MR2 GT-S 1997 性能比較
初代 MR-S(2005年式 ZZW30・MR/6MT・1.8L・140PS/17.4kgm・2人乗り)と、2代目 MR2 GT-S(1997年式 SW20・MR/5MT・2.0L+ターボ・245PS/31.0kgm・2人乗り)を比較。

ZZW30 MR-S 2005 vs SW20 MR2 G 1997 性能比較
初代 MR-S(2005年式 ZZW30・MR/6MT・1.8L・140PS/17.4kgm・2人乗り)と、2代目 MR2 G(1997年式 SW20・MR/5MT・2.0L・200PS/21.0kgm・2人乗り)を比較。

DC5 インテグラ タイプR 2004 vs DC5 インテグラ タイプS 2004 性能比較
4代目 インテグラ タイプR type-R(2004年式 DC5・FF/6MT・2.0L・220PS/21.0kgm・4人乗り)と、4代目 インテグラ タイプS type-S(2004年式 DC5・FF/5MT・2.0L・160PS/19.5kgm・4人乗り)を比較。

FL5 シビック タイプR 2022 vs ZC6 BRZ 2016 性能比較
11代目 シビック タイプR type-R(2022年式 FL5・FF/6MT・2.0L+ターボ・330PS/42.8kgm・4人乗り)と、初代 BRZ R Customize(2016年式 ZC6・FR/6MT・2.0L・207PS/21.6kgm・4人乗り)を比較。

ZZT231 セリカ SS-II 2005 vs ST202 セリカ SS-III 1999 新旧比較
7代目 セリカ SS-II(2005年式 ZZT231・FF/6MT・1.8L・190PS/18.4kgm・4人乗り)と、6代目 セリカ SS-III(1999年式 ST202・FF/5MT・2.0L・200PS/21.0kgm・5人乗り)を比較。