HH5 アクティ バンの性能と維持費 MR/3AT 4人 123万円 2015年式

このページでは、本田技研工業の5ドア・4人乗り軽キャブバン、3代目のEBD-HH5型アクティ バン SDX【2015/03モデル・45PS/6.0kgm・MR/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

HH5 アクティ バン
販売期間:1999/06 - 2018/07

画像は本田技研工業より引用
http://www.honda.co.jp/
投稿:2022/11/27|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長3395mm×全幅1475mm×全高1880mm、排気量は656ccであることから、排気量でざっくりと分ける乗用車的な分類をすると軽自動車クラスに属しています。

駆動方式にはエンジンを車体の中央(運転席より後、後輪よりは前)に搭載し、後輪のみを駆動する、ミッドシップエンジン・リヤドライブ方式(MR)を採用しています。エンジンやミッションといった重量物が車体の中心近くにあるため切れ味鋭いハンドリングを実現するとされ、生粋のスポーツカー、スーパーカーの代名詞的な駆動方式です。

貨物車の区分としては、乗車定員が4名、最大積載量が350kg、車両総重量が1430kg、エンジンの排気量が656ccであることから、4ナンバーの軽貨物車(軽トラック・軽バン)に分類され、自動車税は軽貨物車のクラス、重量税は軽貨物車のクラスに該当します。

アクティ バン 貨物車としての性能

さて、貨物車(商用車とも)には貨物車の流儀というものがありまして、「荷物が主、人は従」という絶対的な主従関係が存在しています。もしこの関係が崩れると途端に「乗用車」という道楽品、贅沢品として扱われ、行く先には重い重い税負担が待ち構えます。

貨物室の寸法
荷室長1725mm
荷室幅1240mm
荷室高1200mm
荷室容積2566.8L
荷室床面地上高665mm
最大積載量350kg
荷室が広い貨物車ランキング

貨物車には乗用車で言うところの「室内長・室内幅・室内高」の代わりに「荷室長・荷室幅・荷室高」というものがあり、室内長幅高が乗客のスペースを示すのに対し、荷室長幅高は荷物を載せられるスペースを示しています。

表中の荷室容積2566.8Lとは、荷室長1725mm×荷室幅1240mm×荷室高1200mmの数値を掛けたもので、荷室床面地上高665mmは読んで字のごとく地面から荷物を載せる床面までの高さを示したものです。

最大積載量350kgもまた同様で、「アクティ バンには350kgを超える荷物を載せてはいけません!」と定めてあるものです。これは「車両総重量」と密接に関係しており、この重量を基準に重量税が確定します。乗用車の重量税は乗員数や荷物を考慮しない「車両重量」で決まりますが、貨物車は「車両総重量」で決まる点が異なります。


HH5型 アクティ バン [656cc/45PS MR/3AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

3代目アクティ バンの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2015/03
HH5型
[SDX]
0.66L-NA・MR/5MT・115.0万円
45PS・6.0kgm・17.6km/L
45PS
6.0kgm
17.6km/L
2015/03
HH6型
[SDX]
0.66L-NA・4WD/4AT・135.5万円
52PS・6.3kgm・14.8km/L
52PS
6.3kgm
14.8km/L
2015/03
HH6型
[SDX]
0.66L-NA・4WD/5MT・128.0万円
45PS・6.0kgm・16.8km/L
45PS
6.0kgm
16.8km/L
3代目アクティ バンの車両型式・グレード一覧【全4車種】
アクティ バンの新型モデル
4代目 HA9型アクティ トラック
HA9型アクティ トラックは2009/12に登場した4代目モデル。参考車両の「SDX」は全長3395mm、全幅1475mm、全高1745mmの車体に、45PS/6.0kgmを発生するE07Z型656ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー 本田技研工業
車名&
グレード
アクティ バン
SDX
その他 -
お値段 1225600円
車両型式 EBD-HH5
駆動方式
変速機
MR・後輪駆動(RWD,2WD)
3速AT・3速オートマ車
ドア/定員 5ドア/4名乗車
車体寸法 長3395×幅1475×高1880mm
軸距&
輪距
2420mm
前1295mm/後1310mm
最小半径 4.5m
最低高 190mm
タイヤ 前輪:145/80R12
後輪:145/80R12
ブレーキ 前:ディスク
後:ドラム
車両重量 960kg
エンジン諸元
原動機型式 E07Z
気筒配列 直列3気筒
排気量656cc
圧縮比10.5
吸気方式 自然吸気(NA・ノンターボ)
最高出力 45PS[33kW]/5500rpm
最大トルク 6.0kgm[59Nm]/5000rpm
使用燃料 レギュラーガソリン
JC08燃費 15.6km/L(36.7mpg)
100km燃費 6.4L/100km
E07Z型NAエンジン諸元と性能
直列3気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に3個配置する方式。小排気量のスタンダード。
直列3気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税(5000円)、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税(6600円/年)と自賠責保険料(12850円/年)、年間1万km走行した際に掛かる燃料代月額4000円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、2015/03モデルのアクティ バンを9年落ちの中古で80.9万円にて購入し、頭金なしで2年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    アクティ バンの2015/03モデルの場合、2024年現在では9年が経過しているため、新車価格の60%である73.536万円に諸経費として7.4万円を足した80.9万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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2015年式を9年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 軽貨物車 13年未満 5000円
自動車重量税(1年分) 2トン以下 13年未満 6600円
自賠責保険料(1年分) 軽貨物車 12850円
燃料代(年間1万km) 10000km÷14.5×175円/L 120690円
オイル交換(5000km毎) 1回3000円×2回 6000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本4000円×4本÷5年 3200円
任意保険料(月額4000円) 月額4000円×12ヶ月 48000円
ローン完済後の年間維持費 202340円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額33700円×12ヶ月 404400円
ローン返済中の年間維持費 606740円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 22450円
名目 金額
自動車税(1年分) 5000円
自動車重量税(1年分) 6600円
自賠責保険料(1年分) 12850円
燃料代(年間1万km) 120690円
オイル交換(5000km毎) 6000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 3200円
任意保険料(月額4000円) 48000円
ローン完済後の年間維持費 202340円
名目 金額
車のローン額(1年分) 404400円
ローン返済中の年間維持費 606740円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
22450円
  • 初度登録から9年経過車の場合、自動車税の区分は「軽貨物車の13年未満」で税額は5000円、重量税の区分は「車両総重量2トン以下の13年未満」で税額は3300円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに3000円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本4000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額4000円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増→15%増)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 車検時には上記の目安金額22450円の他に法定12ヶ月点検に関連する費用が必要です。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。

アクティ バン【SDX】の場合、維持費の月額は16900円です。これは今にも壊れそうな格安車、あるいは維持費の安さに全てを懸けたコスパ重視のスペシャルマシンから少しステップアップしたクラスになります。

「廉価車にしか乗れなかった自分が、ついにこれだけの維持費が掛かる車を所有できるようになったのだ、新しい自分になれたのだ。あの頃のアタシ、サヨナラ…」とかいう謎のカタルシスに浸りつつ、はるか高みで微笑む理想の自分に近付けるよう自分磨きに邁進しましょう。車としての維持費は安いほうで使い勝手も申し分のない、バランスの取れたクラスです。

アクティ バンを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟%年収月給手取り
10%260万円22万円17万円
15%180万円15万円12万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は260万円(総支給額22万円/月、手取り17万円/月)、ここから月額維持費1.7万円を支払うと残りは15.3万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は180万円(総支給額15万円/月、手取り12万円/月)、1.7万円を支払うと残りは10.3万円になります。

アクティ バンの維持費は高い?安い?

「アクティ バンの年間維持費は202340円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「軽自動車クラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてアクティ バンの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いアルト132600円-69740円
タント カスタム158200円-44140円
ピクシス メガ163500円-38840円
S660176300円-26040円
基準軽自動車クラス平均185000円-17340円
アルト ラパン196600円-5740円
アクティ バンの維持費202340円
エブリイ ワゴン213000円+10660円
コペン217800円+15460円
高いジムニー247900円+45560円

アクティ バンの年間維持費を、軽自動車クラスで最も維持費が安いアルトと比較して69740円高く、最も高いジムニーと比較して45560円安く、軽自動車クラスの平均維持費との比較では17340円高くなっています。

最低額のアルトと最高額のジムニーは極端な例としても、軽自動車クラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、アクティ バンの維持費は まあまあ高い! と言えそうです。

年間維持費が安い 軽自動車 ランキング

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、レギュラーガソリン1リットルあたり175円を基準として、-50円となる125円から、+50円となる225円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費14.5km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
125円/L
86220円
[-34470円]
-25円
150円/L
103460円
[-17230円]
-10円
165円/L
113810円
[-6880円]
175円/L120690円
[0円]
+10円
185円/L
127600円
[+6910円]
+25円
200円/L
137940円
[+17250円]
+50円
225円/L
155190円
[+34500円]

燃費14.5km/LのHH5型 アクティ バンで10000km走行するのに必要な燃料は689.7L、1リットルあたり175円としたときの燃料代は120690円になります。

参考までに、アクティ バンの燃料タンクは37リットルですので、689.7Lの給油回数は19回、1回あたりの燃料代は約6360円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては6910円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると17250円、50円も違ってくると34500円にもなります。

これをHH5型 アクティ バンの年間維持費に当てはめてみますと、レギュラーガソリン1リットルあたり175円の場合を202340円としたとき、125円/Lに値下がりすれば167870円(83.0%)に、225円/Lに値上がりすれば236840円(117.1%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(5000円)なり重量税(6600円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなれば燃料代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 5000円 5%
自動車重量税 1年分 6600円 6%
自賠責保険料 1年分 12850円 12%
燃料代 3000km分 36210円 35%
オイル交換 年1回 3000円 3%
タイヤ交換 6年毎 2130円 2%
任意保険料 80% 38400円 37%
合計
[1万kmとの差額]
104190円
-98150円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 5000円 4%
自動車重量税 1年分 6600円 5%
自賠責保険料 1年分 12850円 10%
燃料代 5000km分 60350円 46%
オイル交換 年1回 3000円 2%
タイヤ交換 6年毎 2130円 2%
任意保険料 85% 40800円 31%
合計
[1万kmとの差額]
130730円
-71610円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 5000円 3%
自動車重量税 1年分 6600円 4%
自賠責保険料 1年分 12850円 8%
燃料代 7000km分 84480円 53%
オイル交換 年1回 4200円 3%
タイヤ交換 6年毎 2130円 1%
任意保険料 90% 43200円 28%
合計
[1万kmとの差額]
158460円
-43880円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、燃料代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料48000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて98150円安い104190円に、5000km走行では71610円安い130730円に、7000km走行では43880円安い158460円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。燃料代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 5000円 2%
自動車重量税 1年分 6600円 2%
自賠責保険料 1年分 12850円 5%
燃料代 15000km分 181040円 66%
オイル交換 年3回 18000円 7%
タイヤ交換 2.7年毎 4800円 2%
任意保険料 100% 48000円 16%
合計
[1万kmとの差額]
276290円
+73950円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 5000円 1%
自動車重量税 1年分 6600円 2%
自賠責保険料 1年分 12850円 4%
燃料代 20000km分 241380円 70%
オイル交換 年4回 24000円 7%
タイヤ交換 2年毎 6400円 2%
任意保険料 100% 48000円 14%
合計
[1万kmとの差額]
344230円
+141890円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
ホンダの軽自動車編
軽自動車クラス編
軽自動車の新車編
-

アクティ バンの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
JC08モード燃費 15.6km/L
燃料タンク容量 37L
航続距離(カタログ燃費) 577.2km
航続距離(80%燃費) 462.5km
満タンプライス 6475円
1km走行コスト 11.22円
1万円でどこまで行ける? 891.4km
車両価格/航続距離 2123円/km

JC08モード燃費が15.6km/L、燃料タンク容量37リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は577.2kmになります。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(14.0km/L)とすると518.0km、80%(12.5km/L)だと462.5km、70%(10.9km/L)では403.3kmという航続距離になります。

燃料タンクに1滴の燃料もないスッカラカンの状態から満タンにしたときの金額を計算してみますと、レギュラーガソリンを1リットルあたり175円で37リットルの給油をすると6475円、上で計算した航続距離を踏まえると577.2km(80%燃費時462.5km)を走行するのに6475円かかる計算です。

燃費を14.5km/Lとしたときの1km走行コストは11.22円、10万km走行したときの燃料代は112.2万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら11.2万円/年、7年10万kmなら16.0万円/年、5年10万kmなら22.4万円/年、3年10万kmなら37.4万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば891.4km(往復なら片道445.7km)、カタログ値の80%なら713.1km(片道356.6km)離れたところまで行くことができます。

ちなみに、1回の給油で577.2kmの距離を移動できるHH5型 アクティ バン [SDX]という乗り物を、122.6万円で手に入れたと考えたとき、この車が1km走行するにあたっては「2123円の値打ちがある!」と言える、かもしれません。

カタログデータから見えてくる要素

E07Z型エンジン簡易性能曲線図
各回転域での馬力
5000回転時の馬力 42PS
5500回転時の馬力 45PS
各回転域でのトルク
5000回転時のトルク 6.0kgm
5500回転時のトルク 5.9kgm
E07Z型NAエンジンの性能

まずおさらいとして、搭載しているE07Z型656cc、直列3気筒の自然吸気エンジンは5500回転時に最高出力45馬力を、5000回転時に最大トルク6.0kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、最大トルクと最高出力の発生回転数がとても近いこのエンジンは、高い回転数まで回すことで力を発揮するタイプのエンジンです。回転に伴って高まるパワー感は得も言われぬ感動を与えてくれることでしょう。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する5000rpmから最高出力が発生する5500rpmまで」の500rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は9.1%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
軽自動車クラス編
ホンダの軽自動車編
最大トルク ランキング リスト
軽自動車クラス編
ホンダの軽自動車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ21.333kg/PS(960kg/45PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ21.333kg/PS
車体+1人22.556kg/PS
車体+4人26.222kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg22.667kg/PS
車体+70kg22.889kg/PS
車体+80kg23.111kg/PS
車体+90kg23.333kg/PS
車体+100kg23.556kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは22.556kg/PS(1015kg/45PS)となり、数値としては1.223kg、比率にすると5.7%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの4人が搭乗した場合、車両重量に220kgがプラスされてパワーウェイトレシオは26.222kg/PS(1180kg/45PS)となり、数値としては4.889kg、比率にすると22.9%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

HH5 アクティ バンのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2015/03

-
アクティ バン
22.556kg/PS
1015kg/45PS|0.7L-NA
[車体のみPWR:21.333]
2010/08

車種詳細
バモス
24.111kg/PS
1085kg/45PS|0.7L-NA
車体のみPWR:22.889
2010/08

車種詳細
バモス ホビオ
23.667kg/PS
1065kg/45PS|0.7L-NA
車体のみPWR:22.444
2005/02

車種詳細
ツイン
20.946kg/PS
775kg/37PS|0.7L-NA
車体のみPWR:19.459
2008/12

車種詳細
タウンボックス
22.188kg/PS
1065kg/48PS|0.7L-NA
車体のみPWR:21.042
2014/02

車種詳細
eKスペース
21.122kg/PS
1035kg/49PS|0.7L-NA
車体のみPWR:20.000

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ22.556kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

20.097kg/PSから25.060kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、ホンダの4人乗り軽1BOX「HM2型 バモス」、ホンダの4人乗り軽1BOX「HM4型 バモス ホビオ」、スズキの2人乗り軽ハッチバック「EC22S型 ツイン」、三菱の4人乗り軽1BOX「U62W型 タウンボックス」、三菱の4人乗り軽ミニバン「B11A型 eKスペース」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

HH5型 アクティ バン [SDX]のライバル車種|22.556kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は46.9PS/tとなっています。


アクティ バンがバイクと競争するなら…?


車種詳細
スペイシー100|102cc
21.972kg/PS
156kg/7.1PS/0.80kgm
[車体のみPWR:14.225]
1速ギヤ速度:23.0km/h
最小TWR:1.027
2015/03

-
アクティ バン|656cc
22.556kg/PS
1015kg/45PS/6.0kgm
[車体のみPWR:21.333]
1速ギヤ速度:33.5km/h
最小TWR:2.587

車種詳細
エイプ100|99cc
22.698kg/PS
143kg/6.3PS/0.67kgm
[車体のみPWR:13.968]
1速ギヤ速度:24.9km/h
最小TWR:1.085

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではアクティ バンとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

JF13 スペイシー100と競争してみる

まずアクティ バンより少しPWRが低いバイクとして、ホンダのスペイシー100が挙げられます。PWRの21.972kg/PSは車両重量101kgにライダーの体重55kgを加えた156kgを、最高出力7.1PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はスペイシー100に10.5km/h勝り、1速TWRは1.560kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

HC13 エイプ100と競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、ホンダのエイプ100が挙げられます。PWRの22.698kg/PSは車両重量88kg+55kgの143kgを、最高出力6.3PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は8.6km/h勝り、1速TWRは1.502kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.857
平均ピストンスピード 11.73m/s
トルクウェイトレシオ 160.00kg/kgm
1馬力あたりのお値段 27236円
排気量1Lあたり馬力 68.60PS/L
排気量1Lあたりトルク 9.15kgm/L
1気筒あたりの馬力 15.0PS
1気筒あたりのトルク 2.0kgm
パワーバンド比率 9.1%
燃費×馬力 653.0pt
各種ランキング
ミニバン・1BOXのPWR
軽自動車のPWR(ターボ)

トルクウェイトレシオは160.00kg/kgm(960kg/6.0kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が1225600円、最高出力が45馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は27236円、逆に1万円あたりでは0.37馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は204267円、1万円あたりでは0.05kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
ホンダ編
軽自動車編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は68.60PS/L、トルクは9.15kgm/L、1気筒あたりの馬力は15.0馬力、トルクは2.0kgmとなり、このエンジンが45馬力を5500回転で発生させているときの平均ピストンスピードは11.73m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が64.0mmであるE07Z型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は9380回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.857になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと真っ直ぐ進むことを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が14.51km/L、最高出力が45PSであるこの車の獲得ポイントは653.0ptになります。
戯れに車両重量960kgを100kg単位にした9.6で割ってみたところ、その数値は68.02ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)



アクティ バンでの車中泊

荷室寸法
荷室長 1.725m
荷室幅 1.240m
荷室高 1.200m
対角線の長さ 2.124m
荷室の床面積 2.139m²
荷室の容積 2.567m³

商用車(貨物車・バン)は乗用車とは違ってカタログに荷室寸法が明記されておりますので、ここではその寸法を使って車中泊の可能性を探ってみます。

貨物車は荷物がたくさん積めてこそ、フルフラットな荷室があってこそという性質を持った車ですから、車中泊の適性は非常に高いものと思われます。

縦方向の長さが1.725m(対角線では2.124m)ともなると、もはや車の中で生活しても良いんじゃないかと錯覚しかねないほど快適な睡眠が約束されます。

日頃の行いが悪いとか、人様には言えないことをやらかしたとか、誰の顔も見たくないなどの訳アリで家に帰れず、やむなく車中泊をしてみたが最期、あまりの気楽さに心を奪われ流浪の民となりかねません。
車中泊にあると嬉しいアイテム

アクティ バンのスペース効率

車体の大きさと荷室の広さの比率
全長に対する荷室長の比率
1.725m÷3.395m
50.8%
全幅に対する荷室幅の比率
1.240m÷1.475m
84.1%
全高に対する荷室高の比率
1.200m÷1.880m
63.8%
車体に対する荷室の比率
2.567m³÷9.414m³
27.3%

貨物車は貨物車であるがゆえに、いかに効率よく大量に荷物を載せ、運搬できるかが重視されます。これはかつて、ある自動車メーカーが標榜したMM思想、いわゆる「マン・マキシマム&メカ・ミニマム」の精神を感じさせ、言うなれば「荷室を最大限に、人と機械は最小限に」ってなものです。

というわけで、荷室の各寸法と車体の各寸法の比率がどの程度であるかを見てみます。己の全てを荷室に捧げるバンは快適性に媚を売るそこらの軟弱乗用車とは違い、ペラペラ内装と紙装甲こそがアイデンティティであり、ドアを閉めればバァン!と轟音を響かせて(バンだけに)アピールしてくるほどですから、かなりの数値が期待ができます。

荷室長の比率は荷室長1.725m÷全長3.395mで50.8%、荷室幅の比率は荷室幅1.240m÷全幅1.475mで84.1%、荷室高の比率は荷室高1.200m÷全高1.880mで63.8%、荷室の比率は荷室容積2.567m³÷車体体積9.414m³で27.3%となりました。

荷室幅と荷室高の比率が50%を超えるのは珍しい話ではありませんが、荷室長の50.8%は立派なものです。これぞバン、まさにバン、THE KING OF VANと言えましょう。

ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合5500rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした6000回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 6000rpm|タイヤサイズ 145/80R12|タイヤ直径 53.7cm|円周長 168.7cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
6000rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 2.888 16.61 -
-
37km/h 16410rpm 371.1kgm
2速 1.562 8.98 0.541 1-2/
3250rpm
68km/h 8870rpm 200.7kgm
3速 0.976 5.61 0.625 2-3/
3750rpm
108km/h 5540rpm 125.4kgm
Final 5.750 レシオカバレッジ(変速比幅)2.959

  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数5000rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(5.750)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(6.0kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(5.750)÷タイヤの有効半径(0.2685m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は3速ギヤの108km(5500rpmでは99.2km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが5000回転で最大トルク6.0kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば160.00kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(21.333kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと371.1kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(960kg)を1速ギヤの最大駆動力(371.1kgm)で割ってみると2.587kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する5500回転でのトルク(5.9kgm)からTWRを算出すると2.631kg/kgmとなり、5000-5500回転の回転域では2.587-2.631kg/kgmの間で推移することがわかります。


おまけ:5500rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

HH5型アクティ バンに搭載されたE07Z型656ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する5500rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

5500rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ34km/h-
2速ギヤ62km/h2980rpm
3速ギヤ99km/h3440rpm

まず1速ギヤで5500rpmまで引っ張ると34km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は5500rpmから2980rpmまで落ち、そこから5500rpmまで加速を続けると速度は62km/h(+28km/h)になります。

3速ギヤでは3440rpmまで落ちて5500rpmで99km/h(+37km/h)に、に、という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 6560 9840 13120 16410 19690 22970 29530
2速 3550 5320 7100 8870 10650 12420 15970
3速 2220 3330 4440 5540 6650 7760 9980
※赤い数字は暫定レブリミット(6000rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.976)を選択して時速100kmにて走行すると5540回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは3330回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは3880回転、一般的な高速道路の80km/hでは4440回転、100km/hでは5540回転、制限速度が120km/hになると6650回転、軽自動車の速度リミッターが働く140km/hでは7760回転になります。仮にリミッター解除で180km/hまで出たとすると9980回転まで回ります。

時速100kmでの巡航回転数が4000回転を超えてくるような車は、これはもう加速しか眼中にない純然たる競技車両であるとか、「とにもかくにもパワーがなくて高いギヤ比なんてとんでもない!」という貧相極まるエンジンを搭載しているとか、「時速60km出れば問題ない、だってバンだもの!」などという潔い割り切りをしている車以外にありえません。ここまで来ると「壊れるものなら壊れてみろ!」とエンジンに挑むくらいの覚悟がなければ愛せません。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 6 12 18 24 30 37 43 49
2速 11 23 34 45 56 68 79 90
3速 18 36 54 72 90 108 126 144

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(6000回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの145/80R12と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 145/80R12 | 直径 537mm

-20mm
幅125mm
-10mm
幅135mm
変更なし
幅145mm
+10mm
幅155mm
+20mm
幅165mm
-5%
75
扁平
125/75R12
36.7km/h
直径493mm
径差-44mm
135/75R12
37.8km/h
直径508mm
径差-29mm
145/75R12
39.0km/h
直径523mm
径差-14mm
155/75R12
40.1km/h
直径538mm
径差+1mm
165/75R12
41.2km/h
直径553mm
径差+16mm
0%
80
扁平
125/80R12
37.6km/h
直径505mm
径差-32mm
135/80R12
38.8km/h
直径521mm
径差-16mm
145/80R12
40.0km/h
537mm
0mm
155/80R12
41.2km/h
直径553mm
径差+16mm
165/80R12
42.4km/h
直径569mm
径差+32mm
+5%
85
扁平
125/85R12
38.6km/h
直径518mm
径差-19mm
135/85R12
39.9km/h
直径535mm
径差-2mm
145/85R12
41.1km/h
直径552mm
径差+15mm
155/85R12
42.4km/h
直径569mm
径差+32mm
165/85R12
43.6km/h
直径586mm
径差+49mm
+10%
90
扁平
125/90R12
39.5km/h
直径530mm
径差-7mm
135/90R12
40.8km/h
直径548mm
径差+11mm
145/90R12
42.2km/h
直径566mm
径差+29mm
155/90R12
43.5km/h
直径584mm
径差+47mm
165/90R12
44.8km/h
直径602mm
径差+65mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、125/85R12 、135/80R12、135/85R12 、145/75R12 あたりのタイヤがおすすめです。

145/80R12のタイヤ幅を125mmから175mmまで、扁平率を65%から95%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、145/80R12の適応サイズと性能の変化 [HH5型アクティ バン編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】145/80R12のタイヤ銘柄と通販価格

HH5型アクティ バン[0.66L-NA MR/3AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト21.333kg/ps18.35
1速ギヤ加速性能2.587kg/kgm28.40
1L換算馬力68.60ps/L46.46
1L換算トルク9.15kgm/L46.10
WB/TR比1.85741.34
ワイド&ロー指数1.27522.28
前面の面積2.773m²45.91
最低地上高190mm35.57
スポーツ性能部門の得点284.41

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
JC08燃費15.6km/L46.80
年間維持費202340円61.39
100kmh回転数5540rpm9.81
航続距離577.2km42.10
車の大きさ9.414m³41.92
室内の広さ2.567m³41.90
最小回転半径4.5m63.67
馬力単価27236円42.54
ユーティリティ部門の得点350.13

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した HH5型アクティ バン[0.66L-NA MR/3AT] の総合得点は 634.54 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したHH5型アクティ バン(MR/3AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全ての貨物車」、「軽自動車の貨物車」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

アクティ バンの歴代モデル

4代目 HA8型 アクティ トラック
HA8 アクティ トラックは2009/12に登場した4代目モデル。参考車両の「SDX」は全長3395mm、全幅1475mm、全高1745mmの車体に、45PS/6.0kgmを発生するE07Z型656ccエンジンを搭載した2人乗り軽トラック。

3代目 HH5型 アクティ バン
HH5 アクティ バンは1999/06に登場した3代目モデル。参考車両の「SDX」は全長3395mm、全幅1475mm、全高1880mmの車体に、45PS/6.0kgmを発生するE07Z型656ccエンジンを搭載した4人乗り軽キャブバン。