J102G テリオス 性能と維持費 4WD/4AT 5人 182万円 2004年式

このページでは、ダイハツ工業の5ドア・5人乗りSUV、初代のTA-J102G型テリオス Turbo AeroDown K3型【2004/04モデル・140PS/18.0kgm・4WD/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

J102G テリオス
販売期間:1997/04 - 2005/11

画像はダイハツ工業より引用
http://www.daihatsu.co.jp/
投稿:|更新:

ボディサイズが全長3815mm×全幅1555mm×全高1740mm、排気量は1297ccであることから、大雑把に分類すると1.3リットルクラス(1300cc、自動車税は1.5L以下を適用)に属した、いわゆる5ナンバークラスの車です。とにかく排気量を増やして、とにかくボディを大きく、特に全幅を広げれば良いんだという風潮が蔓延る現代においては大変貴重な車となっています。
参考:100PS~150PSの自動車 一覧

駆動方式には車両に備わる全てのタイヤを駆動する、いわゆる四輪駆動(All Wheel Drive・AWD・Four Wheel Drive・4WDとも)を採用しています。真っ直ぐ進むことに掛けては右に出る者なしとされ、大雨、強風、泥濘、降雪、凍結など天変地異による悪天候下や悪路にて無類の強さを発揮する安心の駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が3815mmであるこの車の場合は「スモール」(Small:3500mm超-3850mm以下・Bセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。

J102G型 テリオス [1297cc/140PS 4WD/4AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

初代テリオスの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2004/04
J102G型
[CL K3型]
1.3L-NA・4WD/5MT・138.6万円
90PS・12.5kgm・15.4km/L
90PS
12.5kgm
15.4km/L
2004/04
J102G型
[CL K3型]
1.3L-NA・4WD/4AT・150.2万円
90PS・12.5kgm・13.8km/L
90PS
12.5kgm
13.8km/L
2004/04
J122G型
[CL K3型]
1.3L-NA・FR/5MT・126.0万円
90PS・12.5kgm・16.4km/L
90PS
12.5kgm
16.4km/L
初代 テリオス 型式一覧 J100系まとめ 1997-2012【全13車種】

J102G テリオスの主要諸元と大きさ比較

主要諸元
メーカー ダイハツ工業
車名&
グレード
テリオス
Turbo AeroDown K3型
その他 ターボ エアロダウンカスタム
お値段 1816500円
車両型式 TA-J102G
駆動方式
変速機
4WD・四輪駆動(AWD)
4速AT・4速オートマ車
ドア/定員 5ドア・5名乗車
ホイールベース 2420mm
トレッド 1305mm/1310mm
WB/TR比 1.850
最小半径 4.7m
最低高 175mm
タイヤ 前輪:205/70R15
後輪:205/70R15
ブレーキ 前:ディスク
後:ドラム
車両重量 1090kg

※WB/TR比はホイールベーストレッド比の略。値が大きいほど直進安定性に優れ、小さいほど旋回性能が高くなりやすい。全ての車種の平均値は1.773。

テリオスと各規格の大きさ比較
規格名 規格寸法 増減
テリオス
車体寸法
全長 3815mm -
全幅 1555mm -
全高 1740mm -
大きさ 10.32m3 -
軽自動車
新規格
全長 3400mm以下 +415mm
全幅 1480mm以下 +75mm
全高平均 1640mm +100mm
大きさ平均 8.13m3 +2.19m3
小型車規格
5ナンバー車
全長 4700mm以下 -885mm
全幅 1700mm以下 -145mm
全高平均 1496mm +244mm
大きさ平均 10.48m3 -0.16m3
普通車平均
3ナンバー車
全長平均 4643mm -828mm
全幅平均 1815mm -260mm
全高平均 1518mm +222mm
大きさ平均 12.84m3 -2.52m3

※上記グラフは100のラインを上回れば平均値以上、下回れば平均値以下を表す。グラフの伸びが大きいほど各規格の車両に対して相対的に車体が長い・広い・高い。※普通乗用車(3ナンバー車)の条件は全長4700mm超または全幅1700mm超または全高2000mm超と上限値が曖昧なため、ここでは普通乗用車に属する全ての車種の平均値との比較。※軽自動車・小型乗用車の全高はいずれも2000mm以下。ただし、ここでは各規格に属する車種の全高の平均値との比較。


J102G テリオスの室内広さを各規格の車両と比較

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

テリオスの室内広さを各規格の車両と比較
規格名 規格寸法 増減
テリオス
室内広さ
室内長 1655mm -
室内幅 1220mm -
室内高 1155mm -
車内広さ 2332L -
軽自動車
新規格
室内長平均 1908mm -253mm
室内幅平均 1280mm -60mm
室内高平均 1283mm -128mm
車内広さ平均 3171L -839L
小型車規格
5ナンバー車
室内長平均 1913mm -258mm
室内幅平均 1404mm -184mm
室内高平均 1196mm -41mm
車内広さ平均 3253L -921L
普通車平均
3ナンバー車
室内長平均 2050mm -395mm
室内幅平均 1483mm -263mm
室内高平均 1195mm -40mm
車内広さ平均 3698L -1366L

※上記グラフは100のラインを上回れば平均値以上、下回れば平均値以下を表す。グラフの伸びが大きいほど各規格の車両に対して相対的に室内が長い・広い・高い。

人間様の占有スペースと容積効率
室内長×室内幅×室内高 2.332m³
1人あたりのスペース 0.466m³
室内長/全長 43.4%
室内幅/全幅 78.5%
室内高/全高 66.4%
室内容積/車両体積 22.6%

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は2.332m³です。この車の乗車定員は5人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.466m³のスペースに閉じ込められることになります。大柄な体格だとさすがに狭苦しく感じるかもしれません。

続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は43.4%、同じく室内幅と全幅の比率は78.5%、同じく室内高と全高の比率は66.4%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は22.6%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車 室内幅が広い車 室内高が高い車 車内の空間が広い車
室内長が長い車
室内幅が広い車
室内高が高い車
車内の空間が広い車


テリオスでの車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.335m
期待される荷室の幅 1.120m
対角線の長さ 1.743m
期待される荷室の面積 1.495m²

縦方向の長さが1.335m(対角線では1.743m)しかないとなると、これはもう常識的に考えてかなり厳しい車中泊を強いられます。運転席あるいは助手席を後ろに倒して寝たほうがまだマシかもしれません。

俗に言う体育座りの体勢で横になれば寝られないこともないでしょうが、寝れども寝れども疲れは取れない上に猛烈な腰痛で目を覚ましかねず、実に爽やかな笑顔で「もう二度と車中泊なんてしないよ!」と後日談を語ることになりかねません。

一見すると車中泊が可能そうに見えるハッチバックやワゴン、SUVであってもリアシートが前に倒れなかったり、倒れても中途半端であったり、凝った足回りのせいで室内に巨大な出っ張りがあったりで、なかなか思うようにはいきませんが、大抵のケースでは知恵と工夫で何とかなるはずです。

車中泊にあると嬉しいアイテム


J102G テリオスの税金・年間維持費シミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税39600円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税18900円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額5000円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、2004/04モデルのテリオスを21年落ちの中古で39.9万円にて購入し、頭金なしで1年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    テリオスの2004/04モデルの場合、2025年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の20%である36.33万円に諸経費として3.6万円を足した39.9万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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2004年式を21年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税 1500cc以下 13年経過 39600円
自動車重量税
1年分
1.5トン以下 18年経過 18900円
自賠責保険料
(1年換算)
自家用乗用車 8825円
燃料代
年間1万㎞
1万㎞÷10.9㎞/L×185円/L 169720円
オイル交換
5000km毎
1回4500円×2回 9000円
タイヤ交換
5年5万km毎
1本10000円×4本÷5年 8000円
任意保険料
月額5000円
月額5000円×12ヶ月 60000円
ローン完済後の年間維持費 314100円
名目 区分 金額
車のローン額
1年分
月額33300円×12ヶ月 399600円
ローン返済中の年間維持費 713700円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 58500円
  • 初度登録から13年以上経過車の場合、「1500cc以下で13年経過」クラスの自動車税は39600円、「1.5トン以下で18年経過」クラスの自動車重量税は18900円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに4500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本10000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額5000円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした58500円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

お財布に厚みが増した勢いで少し色気を出して愛車にステータス性を求めるなら、月換算26200円くらいの出費は覚悟しましょう。なあに大丈夫、愛車のためです。

口癖のように「もうちょっと維持費が安ければねえ…?」なんて呟くその姿は自慢げなようであり、しかし哀愁を帯びているようでもあり、傍からすれば対応に困ります。より維持費の安い新車を買うほどではない…ないが…考えずにもいられない、そんなクラスです。全体から見るとこの辺りから面白味のある車が増えてきます。

テリオスの維持費は高い?安い?

「テリオスの年間維持費は314100円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「1500ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてテリオスの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いヤリス HV177500円-136600円
ジェイド217100円-97000円
フリード ハイブリッド232000円-82100円
スイフト スポーツ260000円-54100円
基準1500ccクラス平均261300円-52800円
ステップワゴン スパーダ270100円-44000円
アバルト595304800円-9300円
テリオスの維持費314100円
ゴルフ トゥーラン335600円+21500円
高いウーノ388300円+74200円

テリオスの年間維持費を、1500ccクラスで最も維持費が安いヤリス HVと比較して136600円高く、最も高いウーノと比較して74200円安く、1500ccクラスの平均維持費との比較では52800円高くなっています。

最低額のヤリス HVと最高額のウーノは極端な例としても、1500ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、テリオスの維持費は まあまあ高い! と言えそうです。

年間維持費が安い 1500ccクラスの車 ランキング

テリオスを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟の%年収月給手取り
10%410万円35万円27万円
15%270万円23万円18万円
20%200万円17万円14万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は410万円(総支給額35万円/月、手取り27万円/月)、ここから月額維持費2.6万円を支払うと残りは24.4万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は270万円(総支給額23万円/月、手取り18万円/月)、2.6万円を支払うと残りは15.4万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が200万円(総支給額17万円/月、手取り14万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。2.6万円を引くと残りは11.4万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代17万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、レギュラーガソリン1リットルあたり185円を基準として、-50円となる135円から、+50円となる235円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費10.9km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代差額
135円/L 123870円 -45850円
160円/L 146800円 -22920円
175円/L 160570円 -9150円
185円/L 169720円 -
195円/L 178920円 +9200円
210円/L 192680円 +22960円
235円/L 215620円 +45900円

燃費10.9km/LのJ102G型 テリオスで10000km走行するのに必要な燃料は917.5L、1リットルあたり185円としたときの燃料代は169720円になります。

参考までに、テリオスの燃料タンクは46リットルですので、917.5Lの給油回数は20回、1回あたりの燃料代は約8490円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては9200円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると22960円、50円も違ってくると45900円にもなります。

これをJ102G型 テリオスの年間維持費に当てはめてみますと、レギュラーガソリン1リットルあたり185円の場合を314100円としたとき、135円/Lに値下がりすれば268250円(85.4%)に、235円/Lに値上がりすれば360000円(114.6%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(39600円)なり重量税(18900円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

1年分の自動車税・重量税・自賠責保険料
名目 金額
自動車税 39600円
自動車重量税 1年分 18900円
自賠責保険料 1年分 8825円
合計 67325円

※現在の税制では、自動車税、自動車重量税、自賠責保険料は走行距離に関係なく税額・保険料は一律。走行距離税が新設された場合は大幅に変わる可能性あり。


維持費名目 3000km 5000km 7000km
燃料代 50920円 84860円 118800円
オイル交換 4500円 4500円 6300円
タイヤ交換 5330円 5330円 5330円
任意保険料 48000円 51000円 54000円
税金 自賠責 一律 67325円
合計 176100円 213100円 251800円
1万km差額 -138000円 -101000円 -62300円

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで50000km程度持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料60000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて138000円安い176100円に、5000km走行では101000円安い213100円に、7000km走行では62300円安い251800円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は15000kmは1.1倍、20000kmは1.2倍としたのがこちらです。

維持費名目 10000km 15000km 20000km
燃料代 169720円 254580円 339440円
オイル交換 9000円 13500円 18000円
タイヤ交換 8000円 9600円 12800円
任意保険料 60000円 66000円 72000円
税金 自賠責 一律 67325円
合計 314100円 411100円 509600円
1万km差額 - +97000円 +195500円

走行距離と維持費の変化

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
ダイハツの小型車&普通車編
1500cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
5人乗りSUV・RV編

テリオスの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
10・15モード燃費 12.8km/L
燃料タンク容量 46L
航続距離(カタログ燃費) 588.8km
航続距離(80%燃費) 469.2km
満タンプライス 8510円
1km走行コスト 14.45円/km
1万円でどこまで行ける? 691.9km
東京から588.8kmの範囲

10・15モード燃費が12.8km/L、燃料タンク容量46リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は588.8kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(11.5km/L)とすると航続距離は529.0km、80%(10.2km/L)だと469.2km、70%(9.0km/L)では414.0kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から46リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、レギュラーガソリンを1リットルあたり185円では8510円、上で計算した航続距離を踏まえると588.8km(80%燃費時469.2km)を走行するのに8510円かかる計算です。

燃費を10.9km/Lとしたときの1km走行コストは14.45円、10万km走行したときの燃料代は144.5万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら14.4万円/年、7年10万kmなら20.6万円/年、5年10万kmなら28.9万円/年、3年10万kmなら48.2万円/年となります。

ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば691.9km(往復なら片道345.9km)、カタログ値の80%なら553.5km(片道276.8km)離れたところまで行くことができます。

J102G テリオスのエンジン諸元とカタログデータ

K3-VET型エンジン簡易性能曲線図
エンジン諸元
原動機型式 K3-VET
気筒配列 直列4気筒
排気量1297cc
圧縮比 8.5
吸気方式 ターボ
最高出力 140PS[103kW]/6400rpm
最大トルク 18.0kgm[177Nm]/3200rpm
パワーバンド 3200-6400rpm, 帯域50.0%
使用燃料 レギュラーガソリン
10・15燃費12.8km/L(30.1mpg)
100km燃費7.8L/100km
最高出力・最大トルク 各回転数での出力
3200rpm 80PS/18.0kgm
6400rpm 140PS/15.7kgm
K3-VET型エンジンの諸元と性能まとめ
直列4気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に4個配置する方式。小排気量から2.5Lあたりまでをカバー。
直列4気筒の最高出力ランキング

まずおさらいとして、搭載しているK3型1297cc、直列4気筒のターボエンジンは6400回転時に最高出力140馬力を、3200回転時に最大トルク18.0kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、低めの回転数から中間域にトルクのピークがあるこのエンジンは、街中での普段使いに心地よく、高回転もそれなりでバランスの取れたタイプです。多くの乗用車がこの特性に当て嵌まるのではないかと思います。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なります。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する3200rpmから最高出力が発生する6400rpmまで」の3200rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は50.0%となります。※簡易エンジン性能曲線図オレンジ色の帯域。

最高出力ランキング リスト
1500cc以下クラス編
ダイハツの小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
1500cc以下クラス編
ダイハツの小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ7.786kg/PS(1090kg/140PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ7.786kg/PS
車体+1人8.179kg/PS
車体+5人9.750kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg8.214kg/PS
車体+70kg8.286kg/PS
車体+80kg8.357kg/PS
車体+90kg8.429kg/PS
車体+100kg8.500kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは8.179kg/PS(1145kg/140PS)となり、数値としては0.393kg、比率にすると5.0%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは9.750kg/PS(1365kg/140PS)となり、数値としては1.964kg、比率にすると25.2%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

J102G テリオスのライバル候補車たち

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ8.179kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

愛すべきライバル車種
Page Link車名 PWR+55kg

-
テリオス
8.179kg/PS
140PS・1.3L-TB
車体のみPWR 7.786
1145kg
+5.0%

車種詳細
スイフト スポーツ
8.272kg/PS
136PS・1.6L-NA
車体のみPWR 7.868
1125kg
+5.1%

車種詳細
ノート
8.107kg/PS
140PS・1.6L-NA
車体のみPWR 7.714
1135kg
+5.1%

車種詳細
アコード ツアラー
8.083kg/PS
206PS・2.4L-NA
車体のみPWR 7.816
1665kg
+3.4%

車種詳細
V40
8.250kg/PS
180PS・1.6L-TB
車体のみPWR 7.944
1485kg
+3.8%

車種詳細
IS
8.302kg/PS
215PS・2.5L-NA
車体のみPWR 8.047
1785kg
+3.2%


8.015kg/PSから8.343kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、スズキの5人乗りハッチバック・ZC32S型 スイフト スポーツ、日産の5人乗りハッチバック・E12改型 ノート、ホンダの5人乗りワゴン・CW2型 アコード ツアラー、ボルボの5人乗りハッチバック・MB4164T型 V40、レクサスの4人乗りオープンカー・GSE20型 ISという顔ぶれが並びました。

最高出力が高いからといって、車両重量が重ければパワーウェイトレシオの数値は似たようなものになったりします。「空車状態のPWRの違いが、戦力の決定的差ではないということを…教えてやる!」といったところでしょうか。

こうなると、思いもよらぬ車種の登場に「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごも生じることもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

J102G型 テリオス [Turbo AeroDown K3型]のライバル車種|8.179kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は128.4PS/tとなっています。


テリオスがバイクと競争するなら…?


車種詳細
DトラッカーX|249cc
8.125kg/PS
195kg/24.0PS/2.10kgm
[車体のみPWR:5.833]
1速ギヤ速度:44.5km/h
最小TWR:0.875
2004/04

-
テリオス|1297cc
8.179kg/PS
1145kg/140PS/18.0kgm
[車体のみPWR:7.786]
1速ギヤ速度:57.6km/h
最小TWR:1.446

車種詳細
ジクサー SF250|249cc
8.192kg/PS
213kg/26.0PS/2.20kgm
[車体のみPWR:6.077]
1速ギヤ速度:43.7km/h
最小TWR:0.930

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではテリオスとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

LX250V DトラッカーXと競争してみる

まずテリオスより少しPWRが低いバイクとして、カワサキのDトラッカーXが挙げられます。PWRの8.125kg/PSは車両重量140kgにライダーの体重55kgを加えた195kgを、最高出力24.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はDトラッカーXに13.1km/h勝り、1速TWRは0.571kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

ED22B ジクサー SF250と競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、スズキのジクサー SF250が挙げられます。PWRの8.192kg/PSは車両重量158kg+55kgの213kgを、最高出力26.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は13.9km/h勝り、1速TWRは0.516kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.850
平均ピストンスピード 17.00m/s
トルクウェイトレシオ 60.56kg/kgm
1馬力あたりのお値段 12975円
排気量1Lあたり馬力 107.94PS/L
排気量1Lあたりトルク 13.88kgm/L
1気筒あたりの馬力 35.0PS
1気筒あたりのトルク 4.5kgm
パワーバンド比率 50.0%
燃費×馬力 1523.2pt
各種ランキング
SUV・RV・クロカンのPWR
1.0~1.3L以下のPWR

トルクウェイトレシオは60.56kg/kgm(1090kg/18.0kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が1816500円、最高出力が140馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は12975円、逆に1万円あたりでは0.77馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は100917円、1万円あたりでは0.10kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
ダイハツ編
1500cc以下の車編
5人乗りSUV編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は107.94PS/L、トルクは13.88kgm/L、1気筒あたりの馬力は35.0馬力、トルクは4.5kgmとなり、このエンジンが140馬力を6400回転で発生させているときの平均ピストンスピードは17.00m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が79.7mmであるK3型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は7530回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.850になります。全ての車種の平均値である1.773を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと真っ直ぐ進むことを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が10.88km/L、最高出力が140PSであるこの車の獲得ポイントは1523.2ptになります。
戯れに車両重量1090kgを100kg単位にした10.9で割ってみたところ、その数値は139.74ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


J102G テリオスのギヤ比と回転数・速度のステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合6400rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした6900回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 6900rpm|タイヤサイズ 205/70R15|タイヤ直径 66.8cm|円周長 209.9cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
6900rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 2.730 13.99 - - 62km/h 11110rpm 754.0kgm
2速 1.526 7.82 0.559 1-2/
3860rpm
111km/h 6210rpm 421.5kgm
3速 1.000 5.12 0.655 2-3/
4520rpm
170km/h 4070rpm 276.2kgm
4速 0.696 3.57 0.696 3-4/
4800rpm
244km/h 2830rpm 192.2kgm
Final5.125レシオカバレッジ(変速比幅)3.922
  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数3200rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(5.125)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(18.0kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(5.125)÷タイヤの有効半径(0.334m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は4速ギヤの244km(6400rpmでは226.0km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが3200回転で最大トルク18.0kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば60.56kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(7.786kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと754.0kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1090kg)を1速ギヤの最大駆動力(754.0kgm)で割ってみると1.446kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する6400回転でのトルク(15.7kgm)からTWRを算出すると1.657kg/kgmとなり、3200-6400回転の回転域では1.446-1.657kg/kgmの間で推移することがわかります。


6400rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

J102G型テリオスに搭載されたK3型1297ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する6400rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

6400rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ58km/h-
2速ギヤ103km/h3580rpm
3速ギヤ157km/h4190rpm
4速ギヤ226km/h4450rpm

まず1速ギヤで6400rpmまで引っ張ると58km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は6400rpmから3580rpmまで落ち、そこから6400rpmまで加速を続けると速度は103km/h(+45km/h)になります。

3速ギヤでは4190rpmまで落ちて6400rpmで157km/h(+54km/h)に、4速ギヤでは4450rpmまで落ちて6400rpmで226km/h(+69km/h)という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4440 6670 8890 11110 13330 15550 20000
2速 2480 3730 4970 6210 7450 8690 11180
3速 1630 2440 3260 4070 4880 5700 7320
4速 1130 1700 2270 2830 3400 3970 5100
※赤い数字は暫定レブリミット(6900rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.696)を選択して時速100kmにて走行すると2830回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1700回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1980回転、一般的な高速道路の80km/hでは2270回転、100km/hでは2830回転、制限速度が120km/hになると3400回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは5100回転まで回ります。

一般的な自動車であれば時速100kmでの巡航回転数は2500回転付近に落ち着くようですが、その中でも若干高めの回転数となっています。標準的なギヤ比の範囲内ながらも静粛性や燃費よりも加速に重きを置いた設定なので、高速道路やバイパスを走行するとき、ふと「もう1段上のギヤがあったらなあ‥」と呟くことがあるかもしれません。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 9 18 27 36 45 54 63 72
2速 16 32 48 64 81 97 113 129
3速 25 49 74 98 123 147 172 197
4速 35 71 106 141 177 212 247 282

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(6900回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの205/70R15と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 205/70R15 | 直径 668mm

-20mm
幅185mm
-10mm
幅195mm
変更なし
幅205mm
+10mm
幅215mm
+20mm
幅225mm
65 185/65R15
37.2km/h
径 622mm
差 -46mm
195/65R15
38.0km/h
径 635mm
差 -33mm
205/65R15
38.8km/h
径 648mm
差 -20mm
215/65R15
39.6km/h
径 661mm
差 -7mm
225/65R15
40.4km/h
径 674mm
差 +6mm
70 185/70R15
38.3km/h
径 640mm
差 -28mm
195/70R15
39.2km/h
径 654mm
差 -14mm
205/70R15
40.0km/h
668mm
0mm
215/70R15
40.8km/h
径 682mm
差 +14mm
225/70R15
41.7km/h
径 696mm
差 +28mm
75 185/75R15
39.5km/h
径 659mm
差 -9mm
195/75R15
40.4km/h
径 674mm
差 +6mm
205/75R15
41.3km/h
径 689mm
差 +21mm
215/75R15
42.2km/h
径 704mm
差 +36mm
225/75R15
43.1km/h
径 719mm
差 +51mm
80 185/80R15
40.5km/h
径 677mm
差 +9mm
195/80R15
41.5km/h
径 693mm
差 +25mm
205/80R15
42.5km/h
径 709mm
差 +41mm
215/80R15
43.4km/h
径 725mm
差 +57mm
225/80R15
44.4km/h
径 741mm
差 +73mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、185/70R15、185/75R15 、195/65R15、195/70R15 、205/65R15 、215/65R15 あたりのタイヤがおすすめです。

205/70R15のタイヤ幅を185mmから235mmまで、扁平率を55%から85%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、205/70R15の適応サイズと性能の変化 [J102G型テリオス編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】205/70R15のタイヤ銘柄と通販価格

J102G型 テリオス 1.3Lターボ 4WD/4ATの通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を比較してみます。

運動性能部門 10項目
評価項目全車種平均数値得点評価
PWR9.79㎏/PS7.79㎏/PS55.4ptB
最高回転数5880rpm6400rpm56.4ptB
1速ギヤ
加速性能
1.58㎏/㎏m1.45㎏/㎏m52.8ptC
1速ギヤ
最高速
51.1㎞/h57.6㎞/h56.0ptB
1リットル
換算馬力
103.35PS/L107.94PS/L51.7ptC
1リットル
換算トルク
15.98㎏m/L13.88㎏m/L43.5ptD
WB/TR比1.7731.85042.1ptD
ワイド&
ロー指数
0.8941.11933.9ptE
前面の面積2.631m22.706m247.9ptC
最低地上高154.5mm175mm41.7ptD
スポーツ性能部門の得点502.0pt
総合評価C

※PWR(パワーウェイトレシオ)・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比(旋回性能重視)・ワイド&ロー指数(見た目のかっこよさ)・前面の面積(≒前方投影面積・空気抵抗)・最低地上高については数値が小さいほど高得点。最高回転数・1速ギヤ最高速・1リットル換算馬力・1リットル換算トルクについては数値が大きいほど高得点。

ユーティリティ部門 10項目
評価項目全車種平均数値得点評価
年間維持費340696円314100円52.3ptC
10-15燃費13.0km/L12.8km/L49.5ptC
100km/h
回転数
2490rpm2830rpm45.5ptD
航続距離644.1km500.5km41.7ptD
車の大きさ11.468m310.322m354.5ptB
車内の広さ3430.7L2332.1L39.2ptD
乗車定員4.8人5人51.7ptC
1人あたり
車内広さ
691.9L466.4L31.0ptE
車内床面積2.793m22.019m238.9ptD
最小回転
半径
5.17m4.7m59.6ptB
ユーティリティ部門の得点463.9pt
総合評価D

※10-15燃費・航続距離(燃費×燃料タンク容量)・室内の広さ(室内長×室内幅×室内高)・乗車定員・1人あたりの車内の広さは数値が大きいほど高得点、新車価格・年間維持費・100km/h回転数・車の大きさ(全長×全幅×全高)・最小回転半径は数値が小さいほど高得点。

結果発表!
部門 全10706車種中 RANK
運動性能 502.0pt 4687位 C
運動性能部門 ランキング
ユーティリティ 463.9pt 8174位 D
ユーティリティ部門 ランキング
総合得点 965.9pt 7615位 C
総合得点ランキング

スポーツ性能部門は502.0点で全10706車種中の4687位、ユーティリティ部門は463.9点で8174位、総合得点は965.9点で7615位となりました。各部門、獲得点数が多い車種から順番に並べたランキングを用意してありますのでご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したJ102G型 テリオス(4WD/4AT) の各種スペックを、5人乗SUV1500ccという属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを比較してみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。


テリオス vs ライバル車種対決


J111G テリオスキッド 2010 vs H58A パジェロ ミニ 2010 性能比較
2代目 パジェロ ミニ ZR(2010年式 H58A・4WD/5MT・0.66L+ターボ・64PS/9.0kgm・4人乗り)と、初代 テリオスキッド Custom-L(2010年式 J111G・4WD/5MT・0.66L+ターボ・64PS/10.9kgm・4人乗り)を比較。

J102G テリオス 2004 vs J210G ビーゴ 2010 性能比較
初代 ビーゴ CX(2010年式 J210G・4WD/5MT・1.5L・109PS/14.4kgm・5人乗り)と、初代 テリオス CL K3型(2004年式 J102G・4WD/5MT・1.3L・90PS/12.5kgm・5人乗り)を比較。

J111G テリオスキッド 2010 vs JB23W ジムニー 2010 性能比較
初代 テリオスキッド Custom-L(2010年式 J111G・4WD/5MT・0.66L+ターボ・64PS/10.9kgm・4人乗り)と、3代目 ジムニー XC ギヤ比変更(2010年式 JB23W・4WD/5MT・0.66L+ターボ・64PS/10.5kgm・4人乗り)を比較。

J102G テリオス 2004 vs J111G テリオスキッド 2010 性能比較
初代 テリオス CL K3型(2004年式 J102G・4WD/5MT・1.3L・90PS/12.5kgm・5人乗り)と、初代 テリオスキッド Custom-L(2010年式 J111G・4WD/5MT・0.66L+ターボ・64PS/10.9kgm・4人乗り)を比較。


V55W パジェロ Evolution 1997 vs V25W パジェロ 1996 性能比較
2代目 パジェロ Evolution(1997年式 V55W・4WD/5MT・3.5L・280PS/35.5kgm・5人乗り)と、2代目 パジェロ Metal-Top Wide ZR-I(1996年式 V25W・4WD/5MT・3.5L・230PS/33.0kgm・5人乗り)を比較。

RV4 ヴェゼル 2021 vs NGX50 C-HR GRスポーツ 2020 性能比較
2代目 ヴェゼル G(2021年式 RV4・4WD/CVT・1.5L・118PS/14.5kgm・5人乗り)と、初代 C-HR GRスポーツ S-T GR-Sport(2020年式 NGX50・4WD/CVT・1.2L+ターボ・116PS/18.9kgm・5人乗り)を比較。

JC74W ジムニー ノマド 2025 vs J210E ラッシュ 2010 性能比較
4代目 ジムニー ノマド FC(2025年式 JC74W・4WD/5MT・1.5L・102PS/13.3kgm・4人乗り)と、初代 ラッシュ X(2010年式 J210E・4WD/5MT・1.5L・109PS/14.4kgm・5人乗り)を比較。

WDB3S フロンクス 2024 vs DG5 WR-V 2024 性能比較
初代 フロンクス(2024年式 WDB3S・FF/6AT・1.5L・101PS/13.8kgm・5人乗り)と、初代 WR-V X(2024年式 DG5・FF/CVT・1.5L・118PS/14.5kgm・5人乗り)を比較。