M710S ブーン 性能と維持費 4WD/CVT 5人 147万円 2021年式

このページでは、ダイハツ工業の5ドア・5人乗りハッチバック、3代目の5BA-M710S型ブーン X SA-III【2021/04モデル・69PS/9.4kgm・4WD/CVT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

M710S ブーン
販売期間:2016/04 -

画像はダイハツ工業より引用
http://www.daihatsu.co.jp/
投稿:|更新:

ボディサイズが全長3650mm×全幅1665mm×全高1525mm、排気量は996ccであることから、大雑把に分類すると1.0リットルクラス(1000cc、自動車税は1.0L以下を適用)に属した、いわゆる5ナンバークラスの車です。とにかく排気量を増やして、とにかくボディを大きく、特に全幅を広げれば良いんだという風潮が蔓延る現代においては大変貴重な車となっています。

駆動方式には車両に備わる全てのタイヤを駆動する、いわゆる四輪駆動(All Wheel Drive・AWD・Four Wheel Drive・4WDとも)を採用しています。真っ直ぐ進むことに掛けては右に出る者なしとされ、大雨、強風、泥濘、降雪、凍結など天変地異による悪天候下や悪路にて無類の強さを発揮する安心の駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が3650mmであるこの車の場合は「スモール」(Small:3500mm超-3850mm以下・Bセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。

M710S型 ブーン [996cc/69PS 4WD/CVT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

3代目ブーンの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2021/04
M700S型
[X SA-III]
1.0L-NA・FF/CVT・126.5万円
69PS・9.4kgm・21.0km/L
69PS
9.4kgm
21.0km/L
2016/04
M700S型
[X]
1.0L-NA・FF/CVT・115.0万円
69PS・9.4kgm・28.0km/L
69PS
9.4kgm
28.0km/L
2016/04
M700S型
[CILQ]
1.0L-NA・FF/CVT・143.1万円
69PS・9.4kgm・28.0km/L
69PS
9.4kgm
28.0km/L
3代目ブーンの車両型式・グレード一覧【全6車種】
ブーンの旧型モデル
2代目 M601S型ブーン
M601S型ブーンは2010/02に登場した2代目モデル。参考車両の「1.3CX」は全長3640mm、全幅1665mm、全高1535mmの車体に、95PS/12.3kgmを発生する1NR型1329ccエンジンを搭載。


M710S ブーンの主要諸元と大きさ比較

主要諸元
メーカー ダイハツ工業
車名&
グレード
ブーン
X SA-III
その他 5BA-M710S-GBNE | スタイル | シルク|Lパッケージ | Gパッケージ
お値段 1469600円
車両型式 5BA-M710S
駆動方式
変速機
4WD・四輪駆動(AWD)
(無段変速機)
ドア/定員 5ドア・5名乗車
ホイールベース 2490mm
トレッド 1465mm/1445mm
WB/TR比 1.711
最小半径 4.6m
最低高 150mm
タイヤ 前輪:165/65R14
後輪:165/65R14
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ドラム
車両重量 960kg

※WB/TR比はホイールベーストレッド比の略。値が大きいほど直進安定性に優れ、小さいほど旋回性能が高くなりやすい。全ての車種の平均値は1.773。

ブーンと各規格の大きさ比較
規格名 規格寸法 増減
ブーン
車体寸法
全長 3650mm -
全幅 1665mm -
全高 1525mm -
大きさ 9.27m3 -
軽自動車
新規格
全長 3400mm以下 +250mm
全幅 1480mm以下 +185mm
全高平均 1640mm -115mm
大きさ平均 8.13m3 +1.14m3
小型車規格
5ナンバー車
全長 4700mm以下 -1050mm
全幅 1700mm以下 -35mm
全高平均 1496mm +29mm
大きさ平均 10.48m3 -1.21m3
普通車平均
3ナンバー車
全長平均 4643mm -993mm
全幅平均 1815mm -150mm
全高平均 1518mm +7mm
大きさ平均 12.84m3 -3.57m3

※上記グラフは100のラインを上回れば平均値以上、下回れば平均値以下を表す。グラフの伸びが大きいほど各規格の車両に対して相対的に車体が長い・広い・高い。※普通乗用車(3ナンバー車)の条件は全長4700mm超または全幅1700mm超または全高2000mm超と上限値が曖昧なため、ここでは普通乗用車に属する全ての車種の平均値との比較。※軽自動車・小型乗用車の全高はいずれも2000mm以下。ただし、ここでは各規格に属する車種の全高の平均値との比較。


M710S ブーンの室内広さを各規格の車両と比較

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

ブーンの室内広さを各規格の車両と比較
規格名 規格寸法 増減
ブーン
室内広さ
室内長 1975mm -
室内幅 1420mm -
室内高 1270mm -
車内広さ 3562L -
軽自動車
新規格
室内長平均 1908mm +67mm
室内幅平均 1280mm +140mm
室内高平均 1283mm -13mm
車内広さ平均 3171L +391L
小型車規格
5ナンバー車
室内長平均 1913mm +62mm
室内幅平均 1404mm +16mm
室内高平均 1196mm +74mm
車内広さ平均 3253L +309L
普通車平均
3ナンバー車
室内長平均 2050mm -75mm
室内幅平均 1483mm -63mm
室内高平均 1195mm +75mm
車内広さ平均 3698L -136L

※上記グラフは100のラインを上回れば平均値以上、下回れば平均値以下を表す。グラフの伸びが大きいほど各規格の車両に対して相対的に室内が長い・広い・高い。

人間様の占有スペースと容積効率
室内長×室内幅×室内高 3.562m³
1人あたりのスペース 0.712m³
室内長/全長 54.1%
室内幅/全幅 85.3%
室内高/全高 83.3%
室内容積/車両体積 38.4%

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は3.562m³です。この車の乗車定員は5人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.712m³のスペースが割り当てられることになります。

続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は54.1%、同じく室内幅と全幅の比率は85.3%、同じく室内高と全高の比率は83.3%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は38.4%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車 室内幅が広い車 室内高が高い車 車内の空間が広い車
室内長が長い車
室内幅が広い車
室内高が高い車
車内の空間が広い車


ブーンでの車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.278m
期待される荷室の幅 1.320m
対角線の長さ 1.837m
期待される荷室の面積 1.687m²

縦方向の長さが1.278m(対角線では1.837m)しかないとなると、これはもう常識的に考えてかなり厳しい車中泊を強いられます。運転席あるいは助手席を後ろに倒して寝たほうがまだマシかもしれません。

俗に言う体育座りの体勢で横になれば寝られないこともないでしょうが、寝れども寝れども疲れは取れない上に猛烈な腰痛で目を覚ましかねず、実に爽やかな笑顔で「もう二度と車中泊なんてしないよ!」と後日談を語ることになりかねません。

一見すると車中泊が可能そうに見えるハッチバックやワゴン、SUVであってもリアシートが前に倒れなかったり、倒れても中途半端であったり、凝った足回りのせいで室内に巨大な出っ張りがあったりで、なかなか思うようにはいきませんが、大抵のケースでは知恵と工夫で何とかなるはずです。

車中泊にあると嬉しいアイテム


M710S ブーンの税金・年間維持費シミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税25000円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税8200円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額4500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、ブーンの新車を169.0万円(諸費用として22.0万円を加算)にて購入し、頭金なしで3年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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新車で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税 1000cc以下 13年未満 25000円
自動車重量税
1年分
1.0トン以下 13年未満 8200円
自賠責保険料
(1年換算)
自家用乗用車 8825円
燃料代
年間1万㎞
1万㎞÷19.0㎞/L×185円/L 97370円
オイル交換
5000km毎
1回3500円×2回 7000円
タイヤ交換
5年5万km毎
1本8000円×4本÷5年 6400円
任意保険料
月額4500円
月額4500円×12ヶ月 54000円
ローン完済後の年間維持費 206800円
名目 区分 金額
車のローン額
1年分
月額46950円×12ヶ月 563400円
ローン返済中の年間維持費 770200円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 37100円
  • 初度登録から4年経過車の場合、「1000cc以下で13年未満」クラスの自動車税は25000円、「1.0トン以下で13年未満」クラスの自動車重量税は8200円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに3500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本8000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額4500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした37100円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

ブーン【X SA-III】の場合、維持費の月額は17300円です。これは今にも壊れそうな格安車、あるいは維持費の安さに全てを懸けたコスパ重視のスペシャルマシンから少しステップアップしたクラスになります。

「廉価車にしか乗れなかった自分が、ついにこれだけの維持費が掛かる車を所有できるようになったのだ、新しい自分になれたのだ。あの頃のアタシ、サヨナラ…」とかいう謎のカタルシスに浸りつつ、はるか高みで微笑む理想の自分に近付けるよう自分磨きに邁進しましょう。車としての維持費は安いほうで使い勝手も申し分のない、バランスの取れたクラスです。

ブーンの維持費は高い?安い?

「ブーンの年間維持費は206800円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「1000ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてブーンの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いインサイト183200円-23600円
500S199600円-7200円
ブーンの維持費206800円
クロスビー214500円+7700円
バレーノ223000円+16200円
基準1000ccクラス平均230900円+24100円
フィエスタ240500円+33700円
ストーリア X4259200円+52400円
ブーン X4281000円+74200円
高いミニ316500円+109700円

ブーンの年間維持費を、1000ccクラスで最も維持費が安いインサイトと比較して23600円高く、最も高いミニと比較して109700円安く、1000ccクラスの平均維持費との比較では24100円安くなっています。

最低額のインサイトと最高額のミニは極端な例としても、1000ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、ブーンの維持費は かなり安い! と言えそうです。

年間維持費が安い 1000ccクラスの車 ランキング

ブーンを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟の%年収月給手取り
10%270万円23万円18万円
15%180万円15万円12万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は270万円(総支給額23万円/月、手取り18万円/月)、ここから月額維持費1.7万円を支払うと残りは16.3万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は180万円(総支給額15万円/月、手取り12万円/月)、1.7万円を支払うと残りは10.3万円になります。

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、レギュラーガソリン1リットルあたり185円を基準として、-50円となる135円から、+50円となる235円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費19.0km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代差額
135円/L 71070円 -26300円
160円/L 84230円 -13140円
175円/L 92120円 -5250円
185円/L 97370円 -
195円/L 102650円 +5280円
210円/L 110550円 +13180円
235円/L 123710円 +26340円

燃費19.0km/LのM710S型 ブーンで10000km走行するのに必要な燃料は526.4L、1リットルあたり185円としたときの燃料代は97370円になります。

参考までに、ブーンの燃料タンクは38リットルですので、526.4Lの給油回数は14回、1回あたりの燃料代は約6960円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては5280円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると13180円、50円も違ってくると26340円にもなります。

これをM710S型 ブーンの年間維持費に当てはめてみますと、レギュラーガソリン1リットルあたり185円の場合を206800円としたとき、135円/Lに値下がりすれば180500円(87.3%)に、235円/Lに値上がりすれば233140円(112.7%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(25000円)なり重量税(8200円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

1年分の自動車税・重量税・自賠責保険料
名目 金額
自動車税 25000円
自動車重量税 1年分 8200円
自賠責保険料 1年分 8825円
合計 42025円

※現在の税制では、自動車税、自動車重量税、自賠責保険料は走行距離に関係なく税額・保険料は一律。走行距離税が新設された場合は大幅に変わる可能性あり。


維持費名目 3000km 5000km 7000km
燃料代 29210円 48690円 68160円
オイル交換 3500円 3500円 4900円
タイヤ交換 4270円 4270円 4270円
任意保険料 43200円 45960円 48600円
税金 自賠責 一律 42025円
合計 122300円 144500円 168000円
1万km差額 -84500円 -62300円 -38800円

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで50000km程度持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料54000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて84500円安い122300円に、5000km走行では62300円安い144500円に、7000km走行では38800円安い168000円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は15000kmは1.1倍、20000kmは1.2倍としたのがこちらです。

維持費名目 10000km 15000km 20000km
燃料代 97370円 146060円 194740円
オイル交換 7000円 10500円 14000円
タイヤ交換 6400円 7680円 10240円
任意保険料 54000円 59400円 64800円
税金 自賠責 一律 42025円
合計 206800円 265700円 325900円
1万km差額 - +58900円 +119100円

走行距離と維持費の変化

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

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【WLTC特典】市街地・郊外・高速道路の走行比率が変わると?

ひとくちにWLTCモード燃費と言いましても、信号や渋滞があるノロノロ道路の走行を想定した市街地モード(15.7km/L)、信号や渋滞が少ないスイスイ道路の走行を想定した郊外モード(20.4km/L)、高速道路の走行を想定した高速道路モード(20.5km/L)という3つの走行パターンを内包してありまして、これらを「平均的な使用時間配分」なるもので構成したのがWLTCモード燃費(19.0km/L)ということになります。

ここでは年間走行距離を10000kmとして市街地、郊外、高速道路の走行比率を変えてみたとき、WLTCモード燃費でのガソリン代97370円からどのように変化するかを見ていきたいと思います。

走行例1:都市部にお住まい

まず最初に、市街地の住まいを想定して、走行の大半を市街地(90%)、たまに郊外へお買い物(5%)、稀に高速道路に乗ってどこか遠くへ…(5%)という場合で見てみます。

モード 走行距離 必要燃料量 燃料代
市街地 9000km 573.2L 106040円
郊外 500km 24.5L 4530円
高速道路 500km 24.4L 4510円
平均燃費 16.1km/L 622.1L 115080円
WLTC 総合燃費との差額 +17710円

走行例2:市街地と郊外を行き来

次に、とにかく市街地と郊外を行ったり来たりする条件を想定して、市街地の走行を50%、郊外の走行を50%、高速道路は走行しない場合を見てみます。

モード 走行距離 必要燃料量 燃料代
市街地 5000km 318.5L 58920円
郊外 5000km 245.1L 45340円
高速道路 0km 0L 0円
平均燃費 17.7km/L 563.6L 104260円
WLTC 総合燃費との差額 +6890円

走行例3:市街地・郊外・高速道路をMix

続いて、都市部に住んでいて郊外の職場へ通勤(33%)、あるいは郊外に住んでいて都市部の職場へ通勤(34%)、高速利用もバッチリ!(33%)という感じでシミュレーションしてみます。

モード 走行距離 必要燃料量 燃料代
市街地 3330km 212.1L 39240円
郊外 3340km 163.7L 30280円
高速道路 3330km 162.4L 30040円
平均燃費 18.6km/L 538.2L 99560円
WLTC 総合燃費との差額 +2190円

走行例4:農村部にお住まい

最後に、びっくりするほど田舎な住まいを想定して、隣町の市街地へ買い出しに行くため500km走行、パトロールがてらにいつもの田んぼ道を9000km走行、一念発起して都会の空気を吸いに高速道路を500km走行したとする場合を見てみます。

モード 走行距離 必要燃料量 燃料代
市街地 500km 31.8L 5880円
郊外 9000km 441.2L 81620円
高速道路 500km 24.4L 4510円
平均燃費 20.1km/L 497.4L 92010円
WLTC 総合燃費との差額 -5360円


走行距離は同じ1万kmであっても、走行する環境によって燃料代はずいぶん大きく変わります。信号待ちや渋滞のSTOP&GOで燃費が悪くなりがちな走行例1と、渋滞知らずで燃費にも車にも優しい走行例4では燃料の消費量が124.7リットルの差、金額にして23070円の差が生じます。

参考:燃費が3%向上すると…?

モード 各モード燃費 +3%燃費 燃費差
総合燃費 19.0km/L 19.6km/L +0.6km/L
市街地 15.7km/L 16.2km/L +0.5km/L
郊外 20.4km/L 21.0km/L +0.6km/L
高速道路 20.5km/L 21.1km/L +0.6km/L

WLTCモード燃費が良い車ランキング [全車種・総合]

市街地・郊外・高速道路の満タン航続距離

WLTCモード燃費には市街地モード・郊外モード・高速道路モードという3つの走行パターンが内包されておりますので、参考までにそれぞれのモード燃費で燃料タンクが空になるまで走行した場合の満タン航続距離を計算してみます。

各モード燃費の航続距離
モード 燃費 航続距離 1km費用
総合 19.0km/L 722km - 9.74円/km
市街地 15.7km/L 597km -125km 11.8円/km
郊外 20.4km/L 775km +53km 9.1円/km
高速 20.5km/L 779km +57km 9.0円/km

※1km費用は燃料価格185円/Lを各モード燃費で割ったもの。1km走行するために必要な燃料代。

燃料タンクの容量を38Lとしたとき、市街地モード燃費15.7km/Lでの航続距離は597km(-125km)、郊外モード燃費20.4km/Lでの航続距離は775km(+53km)、高速道路モード燃費20.5km/Lでの航続距離は779km(+57km)となります。

ある特定のシチュエーションのみを、燃料タンクが空になるまで走行することはなかなかありませんが、「その気になればこのくらいの距離を走れちゃうんだぜ!」という参考データだけは持っておくと、次回の給油回数削減チャレンジでギリギリのラインを狙っていくのに役立つ、かもしれません。

ブーンの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
WLTCモード燃費 19.0km/L
燃料タンク容量 38L
航続距離(カタログ燃費) 722.0km
航続距離(80%燃費) 577.6km
満タンプライス 7030円
1km走行コスト 9.74円/km
1万円でどこまで行ける? 1027.0km
東京から722.0kmの範囲

WLTCモード燃費が19.0km/L、燃料タンク容量38リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は722.0kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(17.1km/L)とすると航続距離は649.8km、80%(15.2km/L)だと577.6km、70%(13.3km/L)では505.4kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から38リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、レギュラーガソリンを1リットルあたり185円では7030円、上で計算した航続距離を踏まえると722.0km(80%燃費時577.6km)を走行するのに7030円かかる計算です。

燃費を19.0km/Lとしたときの1km走行コストは9.74円、10万km走行したときの燃料代は97.4万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら9.7万円/年、7年10万kmなら13.9万円/年、5年10万kmなら19.5万円/年、3年10万kmなら32.5万円/年となります。

ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば1027.0km(往復なら片道513.5km)、カタログ値の80%なら821.6km(片道410.8km)離れたところまで行くことができます。

M710S ブーンのエンジン諸元とカタログデータ

1KR-FE型エンジン簡易性能曲線図
エンジン諸元
原動機型式 1KR-FE
気筒配列 直列3気筒
排気量996cc
圧縮比 12.5
吸気方式 自然吸気(NA・ノンターボ)
最高出力 69PS[51kW]/6000rpm
最大トルク 9.4kgm[92Nm]/4400rpm
パワーバンド 4400-6000rpm, 帯域26.7%
使用燃料 レギュラーガソリン
WLTC燃費19.0km/L(44.7mpg)
JC08燃費24.4km/L(57.4mpg)
100km燃費5.3L/100km
最高出力・最大トルク 各回転数での出力
4400rpm 58PS/9.4kgm
6000rpm 69PS/8.2kgm
1KR-FE型エンジンの諸元と性能まとめ
直列3気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に3個配置する方式。小排気量のスタンダード。
直列3気筒の最高出力ランキング

まずおさらいとして、搭載している1KR型996cc、直列3気筒の自然吸気エンジンは6000回転時に最高出力69馬力を、4400回転時に最大トルク9.4kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、最大トルクと最高出力の発生回転数が程よく近いこのエンジンは、高めの回転数が得意なタイプのエンジンです。日常での使い勝手をある程度は確保しつつ、高回転のパワー感もしっかり伴う雰囲気の良さが自慢です。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なります。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する4400rpmから最高出力が発生する6000rpmまで」の1600rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は26.7%となります。※簡易エンジン性能曲線図オレンジ色の帯域。

最高出力ランキング リスト
1000cc以下クラス編
ダイハツの小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
1000cc以下クラス編
ダイハツの小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ13.913kg/PS(960kg/69PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ13.913kg/PS
車体+1人14.710kg/PS
車体+5人17.899kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg14.783kg/PS
車体+70kg14.928kg/PS
車体+80kg15.072kg/PS
車体+90kg15.217kg/PS
車体+100kg15.362kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは14.710kg/PS(1015kg/69PS)となり、数値としては0.797kg、比率にすると5.7%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは17.899kg/PS(1235kg/69PS)となり、数値としては3.986kg、比率にすると28.6%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

M710S ブーンのライバル候補車たち

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ14.710kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

愛すべきライバル車種
Page Link車名 PWR+55kg

-
ブーン
14.710kg/PS
69PS・1.0L-NA
車体のみPWR 13.913
1015kg
+5.7%

車種詳細
スマートK
14.636kg/PS
55PS・0.6L-TB
車体のみPWR 13.636
805kg
+7.3%

車種詳細
ワゴンR スティングレー
14.609kg/PS
64PS・0.7L-TB
車体のみPWR 13.750
935kg
+6.2%

車種詳細
ヴィッツ
14.718kg/PS
71PS・1.0L-NA
車体のみPWR 13.944
1045kg
+5.6%

車種詳細
アクセラ ハイブリッド
14.596kg/PS
99PS・2.0L-NA
車体のみPWR 14.040
1445kg
+4.0%

車種詳細
アルト
14.592kg/PS
49PS・0.7L-NA
車体のみPWR 13.469
715kg
+8.3%


14.563kg/PSから14.857kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、スマートの2人乗り軽ハッチバック・MC01K型 スマートK、スズキの4人乗り軽ミニバン・MH23S型 ワゴンR スティングレー、トヨタの5人乗りハッチバック・KSP90型 ヴィッツ、マツダの5人乗りセダン・BYEFP型 アクセラ ハイブリッド、スズキの4人乗り軽ハッチバック・HA36S型 アルトという顔ぶれが並びました。

最高出力が高いからといって、車両重量が重ければパワーウェイトレシオの数値は似たようなものになったりします。「空車状態のPWRの違いが、戦力の決定的差ではないということを…教えてやる!」といったところでしょうか。

こうなると、思いもよらぬ車種の登場に「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごも生じることもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

M710S型 ブーン [X SA-III]のライバル車種|14.710kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は71.9PS/tとなっています。


ブーンがバイクと競争するなら…?


車種詳細
トリシティ155|155cc
14.667kg/PS
220kg/15.0PS/1.40kgm
[車体のみPWR:11.000]
1速ギヤ速度:32.8km/h
最小TWR:1.282
2021/04

-
ブーン|996cc
14.710kg/PS
1015kg/69PS/9.4kgm
[車体のみPWR:13.913]
1速ギヤ速度:42.8km/h
最小TWR:1.934

車種詳細
XLR125R|124cc
14.750kg/PS
177kg/12.0PS/1.00kgm
[車体のみPWR:10.167]
1速ギヤ速度:33.5km/h
最小TWR:1.204

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではブーンとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

SG37J トリシティ155と競争してみる

まずブーンより少しPWRが低いバイクとして、ヤマハのトリシティ155が挙げられます。PWRの14.667kg/PSは車両重量165kgにライダーの体重55kgを加えた220kgを、最高出力15.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はトリシティ155に10.0km/h勝り、1速TWRは0.652kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

JD16 XLR125Rと競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、ホンダのXLR125Rが挙げられます。PWRの14.750kg/PSは車両重量122kg+55kgの177kgを、最高出力12.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は9.3km/h勝り、1速TWRは0.730kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.711
平均ピストンスピード 16.78m/s
トルクウェイトレシオ 102.13kg/kgm
1馬力あたりのお値段 21299円
排気量1Lあたり馬力 69.28PS/L
排気量1Lあたりトルク 9.44kgm/L
1気筒あたりの馬力 23.0PS
1気筒あたりのトルク 3.1kgm
パワーバンド比率 26.7%
燃費×馬力 1311.0pt
各種ランキング
ハッチバックのPWR
1.0L以下のPWR

トルクウェイトレシオは102.13kg/kgm(960kg/9.4kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が1469600円、最高出力が69馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は21299円、逆に1万円あたりでは0.47馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は156340円、1万円あたりでは0.06kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
ダイハツ編
1000cc以下の車編
ハッチバック編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は69.28PS/L、トルクは9.44kgm/L、1気筒あたりの馬力は23.0馬力、トルクは3.1kgmとなり、このエンジンが69馬力を6000回転で発生させているときの平均ピストンスピードは16.78m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が83.9mmである1KR型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は7150回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.711になります。全ての車種の平均値である1.773を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと小回りを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が19.0km/L、最高出力が69PSであるこの車の獲得ポイントは1311.0ptになります。
戯れに車両重量960kgを100kg単位にした9.6で割ってみたところ、その数値は136.56ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


M710S ブーンのギヤ比と回転数・速度のステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合6000rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした6500回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 6500rpm|タイヤサイズ 165/65R14|タイヤ直径 57.0cm|円周長 179.1cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
6500rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 3.327 15.05 - - 46km/h 14000rpm 496.3kgm
2速 0.628 2.84 0.189 1-2/
1230rpm
246km/h 2640rpm 93.7kgm
Final4.523レシオカバレッジ(変速比幅)5.298
  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数4400rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.523)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(9.4kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.523)÷タイヤの有効半径(0.285m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は2速ギヤの246km(6000rpmでは227.0km/h)となります。CVTは無段変速機というだけあって、変速比を低速側の3.327から高速側の0.628の間で自由自在に可変できる変速機ですから、実際にはちょうどいい塩梅の妥当な回転数にて妥当な最高速に落ち着くものと思われます。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが4400回転で最大トルク9.4kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば102.13kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(13.913kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと496.3kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(960kg)を1速ギヤの最大駆動力(496.3kgm)で割ってみると1.934kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する6000回転でのトルク(8.2kgm)からTWRを算出すると2.217kg/kgmとなり、4400-6000回転の回転域では1.934-2.217kg/kgmの間で推移することがわかります。


ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 5600 8400 11200 14000 16800 19600 25210
2速 1060 1590 2110 2640 3170 3700 4760
※赤い数字は暫定レブリミット(6500rpm)を上回るもの。
※CVTの場合はどのようにギヤ比を制御をしているのか想像も付かないので参考値です。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.628)を選択して時速100kmにて走行すると2640回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1590回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1850回転、一般的な高速道路の80km/hでは2110回転、100km/hでは2640回転、制限速度が120km/hになると3170回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは4760回転まで回ります。

一般的な自動車であれば時速100kmでの巡航回転数は2500回転付近に落ち着くようですが、その中でも若干高めの回転数となっています。標準的なギヤ比の範囲内ながらも静粛性や燃費よりも加速に重きを置いた設定なので、高速道路やバイパスを走行するとき、ふと「もう1段上のギヤがあったらなあ‥」と呟くことがあるかもしれません。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 7 14 21 29 36 43 50 57
2速 38 76 113 151 189 227 265 303

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(6500回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの165/65R14と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 165/65R14 | 直径 570mm

-20mm
幅145mm
-10mm
幅155mm
変更なし
幅165mm
+10mm
幅175mm
+20mm
幅185mm
60 145/60R14
37.2km/h
径 530mm
差 -40mm
155/60R14
38.0km/h
径 542mm
差 -28mm
165/60R14
38.9km/h
径 554mm
差 -16mm
175/60R14
39.7km/h
径 566mm
差 -4mm
185/60R14
40.6km/h
径 578mm
差 +8mm
65 145/65R14
38.2km/h
径 545mm
差 -25mm
155/65R14
39.2km/h
径 558mm
差 -12mm
165/65R14
40.0km/h
570mm
0mm
175/65R14
41.0km/h
径 584mm
差 +14mm
185/65R14
41.9km/h
径 597mm
差 +27mm
70 145/70R14
39.2km/h
径 559mm
差 -11mm
155/70R14
40.2km/h
径 573mm
差 +3mm
165/70R14
41.2km/h
径 587mm
差 +17mm
175/70R14
42.2km/h
径 601mm
差 +31mm
185/70R14
43.2km/h
径 615mm
差 +45mm
75 145/75R14
40.3km/h
径 574mm
差 +4mm
155/75R14
41.3km/h
径 589mm
差 +19mm
165/75R14
42.4km/h
径 604mm
差 +34mm
175/75R14
43.4km/h
径 619mm
差 +49mm
185/75R14
44.5km/h
径 634mm
差 +64mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、145/65R14、145/70R14 、155/60R14、155/65R14 、165/60R14 、175/60R14 あたりのタイヤがおすすめです。

165/65R14のタイヤ幅を145mmから195mmまで、扁平率を50%から80%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、165/65R14の適応サイズと性能の変化 [M710S型ブーン編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
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M710S型 ブーン 1.0L-NA 4WD/CVTの通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を比較してみます。

運動性能部門 10項目
評価項目全車種平均数値得点評価
PWR9.79㎏/PS13.91㎏/PS38.8ptD
最高回転数5880rpm6000rpm51.5ptC
1速ギヤ
加速性能
1.58㎏/㎏m1.93㎏/㎏m42.5ptD
1速ギヤ
最高速
51.1㎞/h42.8㎞/h42.4ptD
1リットル
換算馬力
73.10PS/L69.28PS/L47.0ptC
1リットル
換算トルク
9.47㎏m/L9.44㎏m/L49.6ptC
WB/TR比1.7731.71156.3ptB
ワイド&
ロー指数
0.8940.91648.4ptC
前面の面積2.631m22.539m252.6ptC
最低地上高154.5mm150mm51.8ptC
スポーツ性能部門の得点491.2pt
総合評価C

※PWR(パワーウェイトレシオ)・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比(旋回性能重視)・ワイド&ロー指数(見た目のかっこよさ)・前面の面積(≒前方投影面積・空気抵抗)・最低地上高については数値が小さいほど高得点。最高回転数・1速ギヤ最高速・1リットル換算馬力・1リットル換算トルクについては数値が大きいほど高得点。

ユーティリティ部門 10項目
評価項目全車種平均数値得点評価
年間維持費340674円206800円61.7ptB
WLTC燃費16.2km/L19.0km/L55.7ptB
100km/h
回転数
2489rpm2640rpm48.0ptC
航続距離644.1km722.0km54.5ptB
車の大きさ11.468m39.268m358.7ptB
車内の広さ3431.7L3561.7L51.3ptC
乗車定員4.8人5人51.7ptC
1人あたり
車内広さ
691.9L712.3L51.7ptC
車内床面積2.793m22.804m250.2ptC
最小回転
半径
5.18m4.6m61.8ptB
ユーティリティ部門の得点545.3pt
総合評価A

※WLTC燃費・航続距離(燃費×燃料タンク容量)・室内の広さ(室内長×室内幅×室内高)・乗車定員・1人あたりの車内の広さは数値が大きいほど高得点、新車価格・年間維持費・100km/h回転数・車の大きさ(全長×全幅×全高)・最小回転半径は数値が小さいほど高得点。

結果発表!
部門 全10707車種中 RANK
運動性能 491.2pt 5885位 C
運動性能部門 ランキング
ユーティリティ 545.3pt 1278位 A
ユーティリティ部門 ランキング
総合得点 1036.5pt 1838位 B
総合得点ランキング

スポーツ性能部門は491.2点で全10707車種中の5885位、ユーティリティ部門は545.3点で1278位、総合得点は1036.5点で1838位となりました。各部門、獲得点数が多い車種から順番に並べたランキングを用意してありますのでご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したM710S型 ブーン(4WD/CVT) の各種スペックを、ハッチバック1000ccという属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを比較してみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

ブーンの歴代モデル

3代目 M700S型 ブーン
M700S ブーンは2016/04に登場した3代目モデル。参考車両の「X」は全長3650mm、全幅1665mm、全高1525mmの車体に、69PS/9.4kgmを発生する1KR型996ccエンジンを搭載した5人乗りハッチバック。

2代目 M610S型 ブーン
M610S ブーンは2010/02に登場した2代目モデル。参考車両の「1.0CL」は全長3640mm、全幅1665mm、全高1535mmの車体に、69PS/9.4kgmを発生する1KR型996ccエンジンを搭載した5人乗りハッチバック。

初代 M502G型 ブーン ルミナス
M502G ブーン ルミナスは2008/12に登場した初代モデル。参考車両の「CL」は全長4180mm、全幅1695mm、全高1620mmの車体に、109PS/14.4kgmを発生する3SZ型1495ccエンジンを搭載した7人乗りミニバン。


ブーン vs ライバル車種対決


M312S ブーン X4 2006 vs M112S ストーリア X4 2004 性能比較
初代 ブーン X4(2006年式 M312S・4WD/5MT・1.0L+ターボ・133PS/13.5kgm・5人乗り)と、初代 ストーリア X4(2004年式 M112S・4WD/5MT・0.8L+ターボ・120PS/13.0kgm・5人乗り)を比較。

M312S ブーン X4 2006 vs L880K コペン 2010 性能比較
初代 ブーン X4(2006年式 M312S・4WD/5MT・1.0L+ターボ・133PS/13.5kgm・5人乗り)と、初代 コペン ActiveTop(2010年式 L880K・FF/5MT・0.66L+ターボ・64PS/11.2kgm・2人乗り)を比較。


L512S ミラ X4 1997 vs L210S ミラ X4 1991 新旧比較
4代目 ミラ X4(1997年式 L512S・4WD/5MT・0.66L+ターボ・64PS/10.2kgm・4人乗り)と、3代目 ミラ X4(1991年式 L210S・4WD/5MT・0.66L+ターボ・64PS/9.4kgm・4人乗り)を比較。

EP91 スターレット グランツァV 1997 vs EP82 スターレット GT 1994 新旧比較
5代目 スターレット グランツァV Glanza-V(1997年式 EP91・FF/5MT・1.4L+ターボ・135PS/16.0kgm・5人乗り)と、4代目 スターレット GT(1994年式 EP82・FF/5MT・1.4L+ターボ・135PS/16.0kgm・5人乗り)を比較。

G201S シャレード デトマソ 1997 vs HT81S スイフト スポーツ 2004 性能比較
4代目 シャレード デトマソ(1997年式 G201S・FF/5MT・1.6L・125PS/14.7kgm・5人乗り)と、初代 スイフト スポーツ Sport(2004年式 HT81S・FF/5MT・1.5L・115PS/14.6kgm・5人乗り)を比較。

ZZE123 カローラ ランクス TRD vs ZZE123 カローラ ランクス 2ZZ 性能比較
9代目 カローラ ランクス 1.8 TRD Sport-M(2004年式 ZZE123・FF/6MT・1.8L・205PS/19.7kgm・5人乗り)と、9代目 カローラ ランクス Z Aero-Tourer(2004年式 ZZE123・FF/6MT・1.8L・190PS/18.4kgm・5人乗り)を比較。

ZZE123 カローラ ランクス 2004 vs EP3 シビック タイプR 2004 性能比較
9代目 カローラ ランクス Z Aero-Tourer(2004年式 ZZE123・FF/6MT・1.8L・190PS/18.4kgm・5人乗り)と、7代目 シビック タイプR type-R(2004年式 EP3・FF/6MT・2.0L・215PS/20.6kgm・4人乗り)を比較。

GR1 フィット 2020 vs ZCDDS スイフト 2023 性能比較
4代目 フィット BASIC(2020年式 GR1・FF/CVT・1.4L・98PS/12.0kgm・5人乗り)と、5代目 スイフト XG(2023年式 ZCDDS・FF/CVT・1.2L・82PS/11.0kgm・5人乗り)を比較。