E36:B3 カブリオレの性能と維持費 FR/5AT 4人 975万円 1999年式

このページでは、BMWアルピナの2ドア・4人乗りオープンカー、3代目のE36型B3 カブリオレ Cabrio【1999/04モデル・271PS/33.6kgm・FR/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

E36 B3 カブリオレ
販売期間:1995/10 - 1999/10

画像はBMWアルピナより引用
http://www.alpina.co.jp/
投稿:2012/02/16|更新:2019/09/26

ボディサイズが全長4433mm×全幅1710mm×全高1346mm、排気量は3151ccであることから、大雑把に分類すると3.2リットルクラス(3200cc、自動車税は3.5L以下を適用)に属し、全長、全高は5ナンバー枠ながら全幅が1.7mを超え、排気量も2000ccを超えていることにより3ナンバー登録になります。比較的コンパクトなボディに大きめなエンジンの組み合わせは世界戦略車(グローバルカー)やちょっとした高級車に良くあるパターンです。

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、後輪のみを駆動する、フロントエンジン・リヤドライブ方式(後輪駆動・FR・RWDとも)を採用しています。前輪は操舵、後輪は駆動と役割分担が異なることから優れたハンドリングを得られるとされ、運転の質を求める人々から絶大なる支持を集めます。高級車の代名詞的な駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4433mmであるこの車の場合は「ミディアム」(Medium:4300mm超-4650mm以下・Dセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


E36型 B3 カブリオレ [3151cc/271PS FR/5AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

No Data
タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
No Data
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

3代目B3 カブリオレの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
1999/04
E36型
[Cabrio]
3.2L-NA | FR/6MT
| 907.0万円
271PS
33.6kgm
-
1997/01
E36型
[3.2-Touring]
3.2L-NA | FR/6MT
| 817.0万円
271PS
33.6kgm
-
1997/01
E36型
[3.2 Coupe]
3.2L-NA | FR/6MT
| 788.0万円
271PS
33.6kgm
-
3代目B3 カブリオレの車両型式・グレード一覧【全13車種】
B3 カブリオレの新型モデル
4代目 E46型B3 カブリオレ
E46型B3 カブリオレは1999/10に登場した4代目モデル。参考車両の「S-Cabriolet」は全長4490mm、全幅1755mm、全高1370mmの車体に、315PS/36.9kgmを発生する3346ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー BMW_ALPINA
車名&
グレード
B3 カブリオレ
Cabrio
その他 3.2 ベース車(3シリーズ)
お値段 9750000円
車両型式 E36
駆動方式
変速機
FR・後輪駆動(RWD,2WD)
5速AT・5速オートマ車
ドア/定員 2ドア/4名乗車
車体寸法 長4433×幅1710×高1346mm
軸距&
輪距
2700mm
前1410mm/後1423mm
最小半径 5.0m
タイヤ 前輪:235/40R17
後輪:265/35R17
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
車両重量 1575kg
エンジン諸元
原動機型式 不明
気筒配列 直列6気筒
排気量3151cc
圧縮比10.5
吸気方式 自然吸気(NA・ノンターボ)
最高出力 271PS[199kW]/5800rpm
最大トルク 33.6kgm[330Nm]/4400rpm
使用燃料 ハイオクガソリン

直列6気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に6個配置する方式。理論上では完全バランスなれど今や絶滅危惧種。
直列6気筒エンジンを搭載する車種の一覧
直列6気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税66700円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税25200円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額7000円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、1999/04モデルのB3 カブリオレを25年落ちの中古で214.5万円にて購入し、頭金なしで4年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    B3 カブリオレの1999/04モデルの場合、2024年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の20%である195万円に諸経費として19.5万円を足した214.5万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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1999年式を25年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 3500cc以下 13年経過 66700円
自動車重量税(1年分) 2.0トン以下 18年経過 25200円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
10000km÷7.7km/L×180円/L
7000km÷7.7km/L×180円/L
5000km÷7.7km/L×180円/L
3000km÷7.7km/L×180円/L
233770円
(163640円)
(116890円)
(70130円)
オイル交換(5000km毎) 1回6000円×2回 12000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本15000円×4本÷5年 12000円
任意保険料(月額7000円) 月額7000円×12ヶ月 84000円
ローン完済後の年間維持費 442500円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額44690円×12ヶ月 536280円
ローン返済中の年間維持費 978800円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分+検査手数料等3000円程度 71100円
名目 金額
自動車税(1年分) 66700円
自動車重量税(1年分) 25200円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
233770円
(163640円)
(116890円)
(70130円)
オイル交換(5000km毎) 12000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 12000円
任意保険料(月額7000円) 84000円
ローン完済後の年間維持費 442500円
名目 金額
車のローン額(1年分) 536280円
ローン返済中の年間維持費 978800円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
71100円
  • 初度登録から13年以上経過車の場合、「3500cc以下で13年経過」クラスの自動車税は66700円、「2.0トン以下で18年経過」クラスの自動車重量税は25200円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに6000円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本15000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額7000円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 10・15モード燃費、JC08モード燃費、WLTCモード燃費いずれもデータがないので10.0km/Lを仮の燃費として代入。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした71100円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

年間の維持費が30万円前後では曖昧だった貧民と平民の線引きがこの辺りから明確になってきます。月換算で3万円~4万円、年間では36万円~48万円クラスとなると、それなりの収入が継続的に見込めないと手を出せないクラスです。

B3 カブリオレ【Cabrio】の場合、維持費の月額は36900円(ローン完済前は81600円)になります。金銭的にシビアな人からは「車なんてどれもタイヤが4つあるだけなのに、なんでこんなにお金の掛かる車に乗ってるんだ…修行か…」と奇異の目で見られていることでしょう。でも良いんです。愛さえあれば。


燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり180円を基準として、-50円となる130円から、+50円となる230円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費7.7km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
130円/L
168850円
[-64920円]
-25円
155円/L
201320円
[-32450円]
-10円
170円/L
220800円
[-12970円]
180円/L233770円
[0円]
+10円
190円/L
246780円
[+13010円]
+25円
205円/L
266260円
[+32490円]
+50円
230円/L
298730円
[+64960円]

燃費7.7km/LのE36型 B3 カブリオレで10000km走行するのに必要な燃料は1298.8L、1リットルあたり180円としたときの燃料代は233770円になります。

参考までに、B3 カブリオレの燃料タンクは65リットルですので、1298.8Lの給油回数は20回、1回あたりの燃料代は約11690円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては13010円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると32490円、50円も違ってくると64960円にもなります。

これをE36型 B3 カブリオレの年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり180円の場合を442500円としたとき、130円/Lに値下がりすれば377580円(85.3%)に、230円/Lに値上がりすれば507460円(114.7%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(66700円)なり重量税(25200円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 66700円 26%
自動車重量税 1年分 25200円 10%
自賠責保険料 1年分 8825円 4%
燃料代 3000km分 70130円 28%
オイル交換 年1回 6000円 2%
タイヤ交換 6年毎 8000円 3%
任意保険料 80% 67200円 27%
合計
[1万kmとの差額]
252100円
-190400円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 66700円 22%
自動車重量税 1年分 25200円 8%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 5000km分 116890円 39%
オイル交換 年1回 6000円 2%
タイヤ交換 6年毎 8000円 3%
任意保険料 85% 71400円 23%
合計
[1万kmとの差額]
303100円
-139400円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 66700円 19%
自動車重量税 1年分 25200円 7%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 7000km分 163640円 46%
オイル交換 年1回 8400円 2%
タイヤ交換 6年毎 8000円 2%
任意保険料 90% 75600円 22%
合計
[1万kmとの差額]
356400円
-86100円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料84000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて190400円安い252100円に、5000km走行では139400円安い303100円に、7000km走行では86100円安い356400円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 66700円 11%
自動車重量税 1年分 25200円 4%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 15000km分 350660円 59%
オイル交換 年3回 36000円 6%
タイヤ交換 2.7年毎 18000円 3%
任意保険料 100% 84000円 16%
合計
[1万kmとの差額]
589400円
+146900円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 66700円 9%
自動車重量税 1年分 25200円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 20000km分 467540円 65%
オイル交換 年4回 48000円 7%
タイヤ交換 2年毎 24000円 3%
任意保険料 100% 84000円 12%
合計
[1万kmとの差額]
724300円
+281800円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。



B3 カブリオレの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
暫定基準燃費 7.7km/L
燃料タンク容量 65L
航続距離(カタログ燃費) 500.5km
航続距離(80%燃費) 403.0km
満タンプライス 11700円
1km走行コスト 23.38円

10・15モード燃費、JC08モード燃費、WLTPモード燃費ともにデータがないので7.7km/Lを仮の燃費とすると、、燃料タンク容量65リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は500.5kmになります。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(6.9km/L)とすると448.5km、80%(6.2km/L)だと403.0km、70%(5.4km/L)では351.0kmという航続距離になります。

燃料タンクに1滴の燃料もないスッカラカンの状態から満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり180円で65リットルの給油をすると11700円、上で計算した航続距離を踏まえると500.5km(80%燃費時403.0km)を走行するのに11700円かかる計算です。

燃費を7.7km/Lとしたときの1km走行コストは23.38円、10万km走行したときの燃料代は233.8万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら23.4万円/年、7年10万kmなら33.4万円/年、5年10万kmなら46.8万円/年、3年10万kmなら77.9万円/年となります。



カタログデータから見えてくる要素

簡易エンジン性能曲線図
型エンジン性能曲線図もどき
各回転域での馬力
4400回転時の馬力 206PS
5800回転時の馬力 271PS
各回転域でのトルク
4400回転時のトルク 33.6kgm
5800回転時のトルク 33.5kgm

まずおさらいとして、搭載している直列6気筒、3151ccの自然吸気エンジンは5800回転時に最高出力271馬力を、4400回転時に最大トルク33.6kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、最大トルクと最高出力の発生回転数が程よく近いこのエンジンは、高めの回転数が得意なタイプのエンジンです。日常での使い勝手をある程度は確保しつつ、高回転のパワー感もしっかり伴う雰囲気の良さが自慢です。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する4400rpmから最高出力が発生する5800rpmまで」の1400rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は24.1%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
3500cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
3500cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ5.812kg/PS(1575kg/271PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ5.812kg/PS
車体+1人6.015kg/PS
車体+4人6.624kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg6.033kg/PS
車体+70kg6.070kg/PS
車体+80kg6.107kg/PS
車体+90kg6.144kg/PS
車体+100kg6.181kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは6.015kg/PS(1630kg/271PS)となり、数値としては0.203kg、比率にすると3.5%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの4人が搭乗した場合、車両重量に220kgがプラスされてパワーウェイトレシオは6.624kg/PS(1795kg/271PS)となり、数値としては0.812kg、比率にすると14.0%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。


E36 B3 カブリオレのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
1999/04

-
B3 カブリオレ
6.015kg/PS
1630kg/271PS|3.2L-NA
[車体のみPWR:5.812]
2012/11

車種詳細
フォレスター
5.875kg/PS
1645kg/280PS|2.0L-TB
車体のみPWR:5.679
2005/06

車種詳細
マツダスピード アテンザ
5.938kg/PS
1615kg/272PS|2.3L-TB
車体のみPWR:5.735
2005/12

車種詳細
セリカ
6.184kg/PS
1175kg/190PS|1.8L-NA
車体のみPWR:5.895
1998/09

車種詳細
シビック タイプR
6.081kg/PS
1125kg/185PS|1.6L-NA
車体のみPWR:5.784
2009/05

車種詳細
RX-8
5.979kg/PS
1405kg/235PS|1.4L-NA
車体のみPWR:5.745

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ6.015kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

5.835kg/PSから6.195kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、スバルの5人乗りSUV「SJG型 フォレスター」、マツダの5人乗りセダン「GG3P型 マツダスピード アテンザ」、トヨタの4人乗りクーペ「ZZT231型 セリカ」、ホンダの4人乗りハッチバック「EK9型 シビック タイプR」、マツダの4人乗りクーペ「SE3P型 RX-8」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

E36型 B3 カブリオレ [Cabrio]とパワーウェイトレシオが近い車種|6.015kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は172.1PS/tとなっています。


B3 カブリオレがバイクと競争するなら…?


車種詳細
Ninja 400|399cc
6.000kg/PS
264kg/44.0PS/3.80kgm
[車体のみPWR:4.750]
1999/04

-
B3 カブリオレ|3151cc
6.015kg/PS
1630kg/271PS/33.6kgm
[車体のみPWR:5.812]

車種詳細
CTX700|669cc
6.021kg/PS
289kg/47.6PS/6.12kgm
[車体のみPWR:4.875]

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではB3 カブリオレとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

EX400E Ninja 400と競争してみる

まずB3 カブリオレより少しPWRが低いバイクとして、カワサキのNinja 400が挙げられます。PWRの6.000kg/PSは車両重量209kgにライダーの体重55kgを加えた264kgを、最高出力44.0PSで割ったものです。

RC69 CTX700と競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、ホンダのCTX700が挙げられます。PWRの6.021kg/PSは車両重量234kg+55kgの289kgを、最高出力47.6PSで割ったもので、(PWRで比較すれば)まさに街角の好敵手と呼べるバイクです。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.905
平均ピストンスピード 17.32m/s
トルクウェイトレシオ 46.88kg/kgm
1馬力あたりのお値段 35978円
排気量1Lあたり馬力 86.00PS/L
排気量1Lあたりトルク 10.66kgm/L
1気筒あたりの馬力 45.2PS
1気筒あたりのトルク 5.6kgm
パワーバンド比率 24.1%
燃費×馬力 No data
各種ランキング
オープンカーのPWR
3.0~3.5L以下のPWR

トルクウェイトレシオは46.88kg/kgm(1575kg/33.6kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が9750000円、最高出力が271馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は35978円、逆に1万円あたりでは0.28馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は290179円、1万円あたりでは0.03kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
3500cc以下の車編
オープンカー編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は86.00PS/L、トルクは10.66kgm/L、1気筒あたりの馬力は45.2馬力、トルクは5.6kgmとなり、このエンジンが271馬力を5800回転で発生させているときの平均ピストンスピードは17.32m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が89.6mmであるこのエンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6700回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.905になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと真っ直ぐ進むことを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング


純正装着タイヤの265/35R17と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 265/35R17 | 直径 617mm

-20mm
幅245mm
-10mm
幅255mm
変更なし
幅265mm
+10mm
幅275mm
+20mm
幅285mm
-5%
30
扁平
245/30R17
37.5km/h
直径579mm
径差-38mm
255/30R17
37.9km/h
直径585mm
径差-32mm
265/30R17
38.3km/h
直径591mm
径差-26mm
275/30R17
38.7km/h
直径597mm
径差-20mm
285/30R17
39.1km/h
直径603mm
径差-14mm
0%
35
扁平
245/35R17
39.2km/h
直径604mm
径差-13mm
255/35R17
39.6km/h
直径611mm
径差-6mm
265/35R17
40.0km/h
617mm
0mm
275/35R17
40.5km/h
直径625mm
径差+8mm
285/35R17
41.0km/h
直径632mm
径差+15mm
+5%
40
扁平
245/40R17
40.7km/h
直径628mm
径差+11mm
255/40R17
41.2km/h
直径636mm
径差+19mm
265/40R17
41.8km/h
直径644mm
径差+27mm
275/40R17
42.3km/h
直径652mm
径差+35mm
285/40R17
42.8km/h
直径660mm
径差+43mm
+10%
45
扁平
245/45R17
42.3km/h
直径653mm
径差+36mm
255/45R17
42.9km/h
直径662mm
径差+45mm
265/45R17
43.5km/h
直径671mm
径差+54mm
275/45R17
44.1km/h
直径680mm
径差+63mm
285/45R17
44.7km/h
直径689mm
径差+72mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、245/35R17 、255/35R17 、265/30R17 、275/30R17 、285/30R17あたりのタイヤがおすすめです。

265/35R17のタイヤ幅を245mmから295mmまで、扁平率を20%から50%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、ホイールサイズを17インチからインチダウン、インチアップした場合の一覧表は、純正装着タイヤが265/35R17のとき互換可能なタイヤサイズのページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
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E36型B3 カブリオレ[3.2L-NA FR/5AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト5.812kg/ps60.82
1速ギヤ加速性能-39.92
1L換算馬力86.00ps/L60.24
1L換算トルク10.66kgm/L64.51
WB/TR比1.90536.39
ワイド&ロー指数0.78757.66
前面の面積2.302m²59.05
最低地上高-43.72
スポーツ性能部門の得点422.31

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
燃費-41.40
年間維持費442500円39.46
100kmh回転数-43.39
航続距離-25.83
車の大きさ10.203m³45.09
室内の広さ(仮) 1.850m³35.11
最小回転半径5.0m53.75
馬力単価35978円30.81
ユーティリティ部門の得点314.84

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した E36型B3 カブリオレ[3.2L-NA FR/5AT] の総合得点は 737.15 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したE36型B3 カブリオレ(FR/5AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのオープンカー」、「3500ccのオープンカー」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

B3 カブリオレの歴代モデル

7代目 3V30型 B3 リムジン
3V30 B3 リムジンは2019/10に登場した7代目モデル。参考車両の「Limousine Allrad G20」は全長4720mm、全幅1825mm、全高1445mmの車体に、462PS/71.4kgmを発生する2992ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

6代目 3R30型 B3 セダン
3R30 B3 セダンは2013/05に登場した6代目モデル。参考車両の「BiTurbo Limousine F30」は全長4645mm、全幅1810mm、全高1445mmの車体に、410PS/61.2kgmを発生する2979ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

5代目 3K30型 B3 カブリオ
3K30 B3 カブリオは2007/10に登場した5代目モデル。参考車両の「S-BiTurbo Cabrio E90」は全長4625mm、全幅1780mm、全高1385mmの車体に、410PS/55.1kgmを発生する2979ccエンジンを搭載した4人乗りオープンカー。

4代目 E46型 B3 ツーリング
E46 B3 ツーリングは1999/10に登場した4代目モデル。参考車両の「3.3-Touring」は全長4480mm、全幅1740mm、全高1415mmの車体に、285PS/34.2kgmを発生する3299ccエンジンを搭載した5人乗りワゴン。

3代目 E36型 B3 クーペ
E36 B3 クーペは1995/10に登場した3代目モデル。参考車両の「3.0/1」は全長4435mm、全幅1695mm、全高1380mmの車体に、256PS/32.6kgmを発生する2997ccエンジンを搭載した5人乗りクーペ。