XW35M X4の性能と維持費 4WD/8AT 5人 863万円 2016年式

このページでは、BMWの5ドア・5人乗りSUV、初代のDBA-XW35M型X4 M40i【2016/01モデル・360PS/47.4kgm・4WD/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

XW35M X4
販売期間:2014/08 - 2018/09

画像はBMWより引用
http://www.bmw.co.jp/
投稿:2016/07/21|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長4680mm×全幅1900mm×全高1625mm、排気量は2979ccであることから、大雑把に分類すると3.0リットルクラス(3000cc、自動車税は3.0L以下を適用)に属し、全長、全高は5ナンバー枠ながら全幅が1.7mを超え、排気量も2000ccを超えていることにより3ナンバー登録になります。比較的コンパクトなボディに大きめなエンジンの組み合わせは世界戦略車(グローバルカー)やちょっとした高級車に良くあるパターンです。
参考:350PS~400PSの自動車 一覧

駆動方式には車両に備わる全てのタイヤを駆動する、いわゆる四輪駆動(All Wheel Drive・AWD・Four Wheel Drive・4WDとも)を採用しています。真っ直ぐ進むことに掛けては右に出る者なしとされ、大雨、強風、泥濘、降雪、凍結など天変地異による悪天候下や悪路にて無類の強さを発揮する安心の駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4680mmであるこの車の場合は「アッパーミディアム」(Upper-Medium:4650mm超-4900mm以下・Eセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


XW35M型 X4 [2979cc/360PS 4WD/8AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

初代X4の類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2014/08
XW20型
[xDrive 28i]
2.0L-TB・4WD/8AT・674.0万円
245PS・35.7kgm・13.7km/L
245PS
35.7kgm
13.7km/L
2014/08
XW35型
[xDrive 35i M-sport]
3.0L-TB・4WD/8AT・790.0万円
306PS・40.8kgm・12.1km/L
306PS
40.8kgm
12.1km/L
X4の新型モデル
2代目 TS30型X4
TS30型X4は2018/09に登場した2代目モデル。参考車両の「M Competition G02」は全長4760mm、全幅1925mm、全高1620mmの車体に、510PS/61.2kgmを発生するS58B30型2992ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー BMW
車名&
グレード
X4
M40i
その他 -
お値段 8630000円
車両型式 DBA-XW35M
駆動方式
変速機
4WD・四輪駆動(AWD)
8速AT・8速オートマ車
ドア/定員 5ドア/5名乗車
車体寸法 長4680×幅1900×高1625mm
軸距&
輪距
2810mm
前1610mm/後1595mm
最小半径 5.7m
最低高 205mm
タイヤ 前輪:245/40R20
後輪:275/35R20
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
車両重量 1920kg
エンジン諸元
原動機型式 N55B30A
気筒配列 直列6気筒
排気量2979cc
圧縮比10.2
吸気方式 ターボ
最高出力 360PS[265kW]/5800rpm
最大トルク 47.4kgm[465Nm]/1350-5250rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
JC08燃費 11.2km/L(26.3mpg)
100km燃費 8.9L/100km
N55B30A型エンジンの諸元と性能まとめ
直列6気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に6個配置する方式。理論上では完全バランスなれど今や絶滅危惧種。
直列6気筒エンジンを搭載する車種の一覧
直列6気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税51000円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税16400円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額6500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、2016/01モデルのX4を9年落ちの中古で569.6万円にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    X4の2016/01モデルの場合、2025年現在では9年が経過しているため、新車価格の60%である517.8万円に諸経費として51.8万円を足した569.6万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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2016年式を9年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 3000cc以下 13年未満 51000円
自動車重量税(1年分) 2.0トン以下 13年未満 16400円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
燃料代(年間1万km) 10000km÷10.4×195円/L 187500円
オイル交換(5000km毎) 1回6500円×2回 13000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本24000円×4本÷5年 19200円
任意保険料(月額6500円) 月額6500円×12ヶ月 78000円
ローン完済後の年間維持費 374000円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額94930円×12ヶ月 1139160円
ローン返済中の年間維持費 1513100円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 53500円
名目 金額
自動車税(1年分) 51000円
自動車重量税(1年分) 16400円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
187500円
(131250円)
(93750円)
(56250円)
オイル交換(5000km毎) 13000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 19200円
任意保険料(月額6500円) 78000円
ローン完済後の年間維持費 374000円
名目 金額
車のローン額(1年分) 1139160円
ローン返済中の年間維持費 1513100円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
53500円
  • 初度登録から9年経過車の場合、「3000cc以下で13年未満」クラスの自動車税は51000円、「2.0トン以下で13年未満」クラスの自動車重量税は16400円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに6500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本24000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額6500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした53500円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

このあたりのクラスから理想と現実の違い、つまり「乗りたい車」と「乗ることができる車」は違うことを思い知らされます。うっかり手を出せば「いっ…維持費が高すぎて息ができん!フーッ!フーッ!」と目を白黒させることになりかねません。

さて、X4【M40i】の場合、維持費の月額は31200円になります。金銭的にシビアな人からは「車なんてどれもタイヤが4つあるだけなのに、なんでこんなにお金の掛かる車に乗ってるんだ…修行か…」と奇異の目で見られていることでしょう。でも良いんです。愛さえあれば。

X4の維持費は高い?安い?

「X4の年間維持費は374000円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「3000ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてX4の維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いハイエース バン274670円-99330円
スープラ343900円-30100円
X4の維持費374000円
スカイライン379100円+5100円
ハイエース ワゴン387600円+13600円
基準3000ccクラス平均414300円+40300円
アリスト453300円+79300円
スカイラインGT-R480700円+106700円
X5519600円+145600円
高いXM ワゴン623000円+249000円

X4の年間維持費を、3000ccクラスで最も維持費が安いハイエース バンと比較して99330円高く、最も高いXM ワゴンと比較して249000円安く、3000ccクラスの平均維持費との比較では40300円安くなっています。

最低額のハイエース バンと最高額のXM ワゴンは極端な例としても、3000ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、X4の維持費は まあまあ安い! と言えそうです。

年間維持費が安い 3000ccクラスの車 ランキング

X4を維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟%年収月給手取り
10%490万円41万円32万円
15%320万円27万円21万円
20%240万円20万円16万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は490万円(総支給額41万円/月、手取り32万円/月)、ここから月額維持費3.1万円を支払うと残りは28.9万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は320万円(総支給額27万円/月、手取り21万円/月)、3.1万円を支払うと残りは17.9万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が240万円(総支給額20万円/月、手取り16万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。3.1万円を引くと残りは12.9万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代19万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり195円を基準として、-50円となる145円から、+50円となる245円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費10.4km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
145円/L
139440円
[-48060円]
-25円
170円/L
163480円
[-24020円]
-10円
185円/L
177900円
[-9600円]
195円/L187500円
[0円]
+10円
205円/L
197130円
[+9630円]
+25円
220円/L
211560円
[+24060円]
+50円
245円/L
235600円
[+48100円]

燃費10.4km/LのXW35M型 X4で10000km走行するのに必要な燃料は961.6L、1リットルあたり195円としたときの燃料代は187500円になります。

参考までに、X4の燃料タンクは67リットルですので、961.6Lの給油回数は15回、1回あたりの燃料代は約12500円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては9630円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると24060円、50円も違ってくると48100円にもなります。

これをXW35M型 X4の年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり195円の場合を374000円としたとき、145円/Lに値下がりすれば325940円(87.1%)に、245円/Lに値上がりすれば422100円(112.9%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(51000円)なり重量税(16400円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 51000円 24%
自動車重量税 1年分 16400円 8%
自賠責保険料 1年分 8825円 4%
燃料代 3000km分 56250円 26%
オイル交換 年1回 6500円 3%
タイヤ交換 6年毎 12800円 6%
任意保険料 80% 62400円 29%
合計
[1万kmとの差額]
214200円
-159800円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 51000円 20%
自動車重量税 1年分 16400円 6%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 5000km分 93750円 37%
オイル交換 年1回 6500円 3%
タイヤ交換 6年毎 12800円 5%
任意保険料 85% 66360円 26%
合計
[1万kmとの差額]
255700円
-118300円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 51000円 17%
自動車重量税 1年分 16400円 5%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 7000km分 131250円 44%
オイル交換 年1回 9100円 3%
タイヤ交換 6年毎 12800円 4%
任意保険料 90% 70200円 24%
合計
[1万kmとの差額]
299600円
-74400円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料78000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて159800円安い214200円に、5000km走行では118300円安い255700円に、7000km走行では74400円安い299600円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 51000円 10%
自動車重量税 1年分 16400円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 15000km分 281250円 56%
オイル交換 年3回 39000円 8%
タイヤ交換 2.7年毎 28800円 6%
任意保険料 100% 78000円 15%
合計
[1万kmとの差額]
503300円
+129300円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 51000円 8%
自動車重量税 1年分 16400円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 20000km分 375000円 61%
オイル交換 年4回 52000円 8%
タイヤ交換 2年毎 38400円 6%
任意保険料 100% 78000円 13%
合計
[1万kmとの差額]
619700円
+245700円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
輸入車・外車の小型車&普通車編
3000cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
5人乗りSUV・RV編

X4の燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
JC08モード燃費 11.2km/L
燃料タンク容量 67L
航続距離(カタログ燃費) 750.4km
航続距離(80%燃費) 603.0km
満タンプライス 13065円
1km走行コスト 17.41円
1万円でどこまで行ける? 574.4km

JC08モード燃費が11.2km/L、燃料タンク容量67リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は750.4kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(10.1km/L)とすると航続距離は676.7km、80%(9.0km/L)だと603.0km、70%(7.8km/L)では522.6kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から67リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり195円では13065円、上で計算した航続距離を踏まえると750.4km(80%燃費時603.0km)を走行するのに13065円かかる計算です。

燃費を10.4km/Lとしたときの1km走行コストは17.41円、10万km走行したときの燃料代は174.1万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら17.4万円/年、7年10万kmなら24.9万円/年、5年10万kmなら34.8万円/年、3年10万kmなら58.0万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば574.4km(往復なら片道287.2km)、カタログ値の80%なら459.5km(片道229.7km)離れたところまで行くことができます。

カタログデータから見えてくる要素

N55B30A型エンジン簡易性能曲線図
各回転域での馬力
1350回転時の馬力 89PS
5250回転時の馬力 347PS
5800回転時の馬力 360PS
各回転域でのトルク
1350回転時のトルク 47.4kgm
5250回転時のトルク 47.4kgm
5800回転時のトルク 44.5kgm
N55B30A型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載しているN55B30型2979cc、直列6気筒のターボエンジンは5800回転時に最高出力360馬力を、1350-5250回転時に最大トルク47.4kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、アイドリングとそれほど変わらないような回転数から最大トルクが発生するこのエンジンは、坂道発進も平気の平左、MT車でもエンスト知らず、扱いやすさにかけては右に出るものがありません。ディーゼル車やダウンサイジングターボに多くあります。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する1350rpmから最高出力が発生する5800rpmまで」の4450rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は76.7%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
3000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
3000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ5.333kg/PS(1920kg/360PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ5.333kg/PS
車体+1人5.486kg/PS
車体+5人6.097kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg5.500kg/PS
車体+70kg5.528kg/PS
車体+80kg5.556kg/PS
車体+90kg5.583kg/PS
車体+100kg5.611kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは5.486kg/PS(1975kg/360PS)となり、数値としては0.153kg、比率にすると2.9%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは6.097kg/PS(2195kg/360PS)となり、数値としては0.764kg、比率にすると14.3%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

XW35M X4のライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2016/01

-
X4
5.486kg/PS
1975kg/360PS|3.0L-TB
[車体のみPWR:5.333]
2014/06

車種詳細
レヴォーグ
5.383kg/PS
1615kg/300PS|2.0L-TB
車体のみPWR:5.200
2014/08

車種詳細
WRX S4
5.317kg/PS
1595kg/300PS|2.0L-TB
車体のみPWR:5.133
2005/10

車種詳細
RX-8
5.460kg/PS
1365kg/250PS|1.4L-NA
車体のみPWR:5.240
2012/09

車種詳細
レガシィ ツーリングワゴン
5.517kg/PS
1655kg/300PS|2.0L-TB
車体のみPWR:5.333
2004/09

車種詳細
インテグラ タイプR
5.659kg/PS
1245kg/220PS|2.0L-NA
車体のみPWR:5.409

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ5.486kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

5.267kg/PSから5.705kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、スバルの5人乗りワゴン「VMG型 レヴォーグ」、スバルの5人乗りセダン「VAG型 WRX S4」、マツダの4人乗りクーペ「SE3P型 RX-8」、スバルの5人乗りワゴン「BRG型 レガシィ ツーリングワゴン」、ホンダの4人乗りクーペ「DC5型 インテグラ タイプR」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

XW35M型 X4 [M40i]のライバル車種|5.486kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は187.5PS/tとなっています。


X4がバイクと競争するなら…?


車種詳細
ドラッグスター1100|1063cc
5.483kg/PS
329kg/60.0PS/8.30kgm
[車体のみPWR:4.567]
1速ギヤ速度:63.1km/h
最小TWR:0.960
2016/01

-
X4|2979cc
5.486kg/PS
1975kg/360PS/47.4kgm
[車体のみPWR:5.333]
1速ギヤ速度:48.0km/h
最小TWR:0.890

車種詳細
デスペラード800X|805cc
5.520kg/PS
276kg/50.0PS/6.60kgm
[車体のみPWR:4.420]
1速ギヤ速度:49.6km/h
最小TWR:0.730

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではX4とパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

VP10J ドラッグスター1100と競争してみる

まずX4より少しPWRが低いバイクとして、ヤマハのドラッグスター1100が挙げられます。PWRの5.483kg/PSは車両重量274kgにライダーの体重55kgを加えた329kgを、最高出力60.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はドラッグスター1100に15.1km/h劣り、1速TWRは0.070kg勝る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

VS53B デスペラード800Xと競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、スズキのデスペラード800Xが挙げられます。PWRの5.520kg/PSは車両重量221kg+55kgの276kgを、最高出力50.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は1.6km/h劣り、1速TWRは0.160kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.753
平均ピストンスピード 17.32m/s
トルクウェイトレシオ 40.51kg/kgm
1馬力あたりのお値段 23972円
排気量1Lあたり馬力 120.85PS/L
排気量1Lあたりトルク 15.91kgm/L
1気筒あたりの馬力 60.0PS
1気筒あたりのトルク 7.9kgm
パワーバンド比率 76.7%
燃費×馬力 3751.2pt
各種ランキング
SUV・RV・クロカンのPWR
2.5~3.0Lターボ車のPWR

トルクウェイトレシオは40.51kg/kgm(1920kg/47.4kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が8630000円、最高出力が360馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は23972円、逆に1万円あたりでは0.42馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は182068円、1万円あたりでは0.05kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
3000cc以下の車編
5人乗りSUV編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は120.85PS/L、トルクは15.91kgm/L、1気筒あたりの馬力は60.0馬力、トルクは7.9kgmとなり、このエンジンが360馬力を5800回転で発生させているときの平均ピストンスピードは17.32m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が89.6mmであるN55B30型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6700回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.753になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、走ってよし、曲がってよしで至れり尽くせりのオールラウンダーであると言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が10.42km/L、最高出力が360PSであるこの車の獲得ポイントは3751.2ptになります。
戯れに車両重量1920kgを100kg単位にした19.2で割ってみたところ、その数値は195.38ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)



X4での車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.638m
期待される荷室の幅 1.500m
対角線の長さ 2.221m
期待される荷室の面積 2.457m²

縦方向の長さが1.638m(対角線では2.221m)ともなると、もはや車の中で生活しても良いんじゃないかと錯覚しかねないほど快適な睡眠が約束されます。

日頃の行いが悪いとか、人様には言えないことをやらかしたとか、誰の顔も見たくないなどの訳アリで家に帰れず、やむなく車中泊をしてみたが最期、あまりの気楽さに心を奪われ流浪の民となりかねません。

一見すると車中泊が可能そうに見えるハッチバックやワゴン、SUVであってもリアシートが前に倒れなかったり、倒れても中途半端であったり、凝った足回りのせいで室内に巨大な出っ張りがあったりで、なかなか思うようにはいきませんが、大抵のケースでは知恵と工夫で何とかなるはずです。

車中泊にあると嬉しいアイテム

ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合5800rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした6300回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 6300rpm|タイヤサイズ 275/35R20|タイヤ直径 70.1cm|円周長 220.2cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
6300rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 4.714 15.96 -
-
52km/h 12080rpm 2157.9kgm
2速 3.143 10.64 0.667 1-2/
4200rpm
78km/h 8050rpm 1438.8kgm
3速 2.106 7.13 0.670 2-3/
4220rpm
117km/h 5400rpm 964.1kgm
4速 1.667 5.64 0.792 3-4/
4990rpm
148km/h 4270rpm 763.1kgm
5速 1.285 4.35 0.771 4-5/
4860rpm
191km/h 3290rpm 588.2kgm
6速 1.000 3.38 0.778 5-6/
4900rpm
246km/h 2560rpm 457.8kgm
7速 0.839 2.84 0.839 6-7/
5290rpm
293km/h 2150rpm 384.1kgm
8速 0.667 2.26 0.795 7-8/
5010rpm
369km/h 1710rpm 305.3kgm
Final 3.385 レシオカバレッジ(変速比幅)7.067

  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数1350-5250rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.385)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(47.4kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.385)÷タイヤの有効半径(0.3505m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は8速ギヤの369km(5800rpmでは339.4km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが1350-5250回転で最大トルク47.4kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば40.51kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(5.333kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと2157.9kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1920kg)を1速ギヤの最大駆動力(2157.9kgm)で割ってみると0.890kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する5800回転でのトルク(44.5kgm)からTWRを算出すると0.948kg/kgmとなり、1350-5800回転の回転域では0.890-0.948kg/kgmの間で推移することがわかります。


おまけ:5800rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

XW35M型X4に搭載されたN55B30型2979ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する5800rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

5800rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ48km/h-
2速ギヤ72km/h3870rpm
3速ギヤ107km/h3890rpm
4速ギヤ136km/h4590rpm
5速ギヤ176km/h4470rpm
6速ギヤ226km/h4510rpm
7速ギヤ270km/h4870rpm
8速ギヤ339km/h4610rpm

まず1速ギヤで5800rpmまで引っ張ると48km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は5800rpmから3870rpmまで落ち、そこから5800rpmまで加速を続けると速度は72km/h(+24km/h)になります。

3速ギヤでは3890rpmまで落ちて5800rpmで107km/h(+35km/h)に、4速ギヤでは4590rpmまで落ちて5800rpmで136km/h(+29km/h)に、5速ギヤでは4470rpmまで落ちて5800rpmで176km/h(+40km/h)になります。

続いて6速ギヤでは4510rpmまで落ちて5800rpmで226km/h(+50km/h)に、7速ギヤでは4870rpmまで落ちて5800rpmで270km/h(+44km/h)に、8速ギヤでは4610rpmまで落ちて5800rpmで339km/h(+69km/h)という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4830 7250 9660 12080 14490 16910 21740
2速 3220 4830 6440 8050 9660 11270 14490
3速 2160 3240 4320 5400 6470 7550 9710
4速 1710 2560 3420 4270 5130 5980 7690
5速 1320 1980 2630 3290 3950 4610 5930
6速 1020 1540 2050 2560 3070 3590 4610
7速 860 1290 1720 2150 2580 3010 3870
8速 680 1030 1370 1710 2050 2390 3080
※赤い数字は暫定レブリミット(6300rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.667)を選択して時速100kmにて走行すると1710回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1030回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1200回転、一般的な高速道路の80km/hでは1370回転、100km/hでは1710回転、制限速度が120km/hになると2050回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは3080回転まで回ります。

これほどまでに時速100kmでの巡航回転数が低ければ、(パワーさえ足りていれば)高速道路では向かうところ敵なしです。エンジンノイズによる疲れとは無縁の世界、ただひたすらに回り続けるエンジンのなんと頼もしいことでしょう。これに合わせてタイヤのロードノイズ、風きり音すらも完璧に抑え込まれていたならば、これはもはや完全無欠の高級車です。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 8 17 25 33 41 50 58 66
2速 12 25 37 50 62 75 87 99
3速 19 37 56 74 93 111 130 148
4速 23 47 70 94 117 140 164 187
5速 30 61 91 121 152 182 213 243
6速 39 78 117 156 195 234 273 312
7速 47 93 140 186 233 279 326 372
8速 59 117 176 234 293 351 410 468

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(6300回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの275/35R20と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 275/35R20 | 直径 701mm

-20mm
幅255mm
-10mm
幅265mm
変更なし
幅275mm
+10mm
幅285mm
+20mm
幅295mm
-5%
30
扁平
255/30R20
37.7km/h
直径661mm
径差-40mm
265/30R20
38.1km/h
直径667mm
径差-34mm
275/30R20
38.4km/h
直径673mm
径差-28mm
285/30R20
38.7km/h
直径679mm
径差-22mm
295/30R20
39.1km/h
直径685mm
径差-16mm
0%
35
扁平
255/35R20
39.2km/h
直径687mm
径差-14mm
265/35R20
39.6km/h
直径694mm
径差-7mm
275/35R20
40.0km/h
701mm
0mm
285/35R20
40.4km/h
直径708mm
径差+7mm
295/35R20
40.8km/h
直径715mm
径差+14mm
+5%
40
扁平
255/40R20
40.6km/h
直径712mm
径差+11mm
265/40R20
41.1km/h
直径720mm
径差+19mm
275/40R20
41.5km/h
直径728mm
径差+27mm
285/40R20
42.0km/h
直径736mm
径差+35mm
295/40R20
42.5km/h
直径744mm
径差+43mm
+10%
45
扁平
255/45R20
42.1km/h
直径738mm
径差+37mm
265/45R20
42.6km/h
直径747mm
径差+46mm
275/45R20
43.1km/h
直径756mm
径差+55mm
285/45R20
43.7km/h
直径765mm
径差+64mm
295/45R20
44.2km/h
直径774mm
径差+73mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、255/35R20 、265/30R20、265/35R20 、275/30R20 、285/30R20 、295/30R20あたりのタイヤがおすすめです。

275/35R20のタイヤ幅を255mmから305mmまで、扁平率を20%から50%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、275/35R20の適応サイズと性能の変化 [XW35M型X4編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】275/35R20のタイヤ銘柄と通販価格

XW35M型X4[3.0Lターボ 4WD/8AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト5.333kg/ps62.14
1速ギヤ加速性能0.890kg/kgm64.66
1L換算馬力120.85ps/L56.42
1L換算トルク15.91kgm/L49.91
WB/TR比1.75352.06
ワイド&ロー指数0.85552.73
前面の面積3.087m²37.12
最低地上高205mm29.47
スポーツ性能部門の得点404.51

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
JC08燃費11.2km/L39.92
年間維持費374000円45.66
100kmh回転数1710rpm60.35
航続距離750.4km52.13
車の大きさ14.450m³61.87
室内の広さ(仮) 2.620m³42.41
最小回転半径5.7m39.18
馬力単価23972円46.83
ユーティリティ部門の得点388.35

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した XW35M型X4[3.0Lターボ 4WD/8AT] の総合得点は 792.86 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したXW35M型X4(4WD/8AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全ての5人乗SUV」、「3000ccの5人乗SUV」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

X4の歴代モデル

2代目 UJ20型 X4
UJ20 X4は2018/09に登場した2代目モデル。参考車両の「xDrive30i G02」は全長4760mm、全幅1920mm、全高1620mmの車体に、252PS/35.7kgmを発生するB48B20型1998ccエンジンを搭載した5人乗りSUV。

初代 XW35型 X4
XW35 X4は2014/08に登場した初代モデル。参考車両の「xDrive 35i M-sport」は全長4680mm、全幅1900mm、全高1625mmの車体に、306PS/40.8kgmを発生するN55B30型2979ccエンジンを搭載した5人乗りSUV。


X4 vs ライバル車種対決