KB60 7シリーズ 性能と維持費 FR/8AT 5人 1920万円 2010年式

このページでは、BMWの4ドア・5人乗りセダン、5代目のABA-KB60型7シリーズ 760iL F02【2010/09モデル・544PS/76.5kgm・FR/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

KB60 7シリーズ
販売期間:2009/03 - 2015/10

画像はBMWより引用
http://www.bmw.co.jp/
投稿:|更新:

ボディサイズが全長5210mm×全幅1900mm×全高1485mm、排気量は5972ccであることから、大雑把に分類すると6.0リットルクラス(6000cc、自動車税は6.0L以下を適用)に属し、全長、全幅、排気量ともに5ナンバー枠を超えていることにより完全無欠の3ナンバー登録車です。いわゆる【高級車】にカテゴライズされます。
参考:500PS~600PSの自動車 一覧

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、後輪のみを駆動する、フロントエンジン・リヤドライブ方式(後輪駆動・FR・RWDとも)を採用しています。前輪は操舵、後輪は駆動と役割分担が異なることから優れたハンドリングを得られるとされ、運転の質を求める人々から絶大なる支持を集めます。高級車の代名詞的な駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が5210mmであるこの車の場合は「ラグジュアリー」(Luxury:4900mm超・Fセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。

KB60型 7シリーズ [5972cc/544PS FR/8AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

5代目7シリーズの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2013/08
YE44型
[750Li F02]
4.4L-TB・FR/8AT・1439.0万円
450PS・66.3kgm・9.3km/L
450PS
66.3kgm
9.3km/L
2013/08
YA30型
[740i F01]
3.0L-TB・FR/8AT・1029.0万円
320PS・45.9kgm・12.1km/L
320PS
45.9kgm
12.1km/L
2013/08
YA44型
[750i F01]
4.4L-TB・FR/8AT・1299.0万円
450PS・66.3kgm・9.3km/L
450PS
66.3kgm
9.3km/L
5代目 7シリーズ 型式一覧 F01/F02/F03/F04系まとめ 2009-2015【全13車種】
7シリーズの新型モデル
6代目 7H66型7シリーズ
7H66型7シリーズは2015/10に登場した6代目モデル。参考車両の「M760Li xDrive G12」は全長5250mm、全幅1900mm、全高1485mmの車体に、609PS/81.6kgmを発生するN74B66型6591ccエンジンを搭載。

7シリーズの旧型モデル
4代目 GN60型7シリーズ
GN60型7シリーズは2001/10に登場した4代目モデル。参考車両の「760iL E66」は全長5180mm、全幅1900mm、全高1490mmの車体に、445PS/61.2kgmを発生するN73B60型5972ccエンジンを搭載。


ボディサイズの主要諸元と比較

主要諸元
メーカー BMW
車名&
グレード
7シリーズ
760iL F02
その他 エアサス エアスプリング
お値段 19200000円
車両型式 ABA-KB60
駆動方式
変速機
FR・後輪駆動(RWD,2WD)
8速AT・8速オートマ車
ドア/定員 4ドア/5名乗車
軸距&
輪距
3210mm
前1620mm/後1630mm
最小半径 5.7m
タイヤ 前輪:245/45R19
後輪:275/40R19
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
車両重量 2290kg

7シリーズの車体寸法比較
規格名 規格寸法 増減
7シリーズ
車体寸法
全長 5210mm -
全幅 1900mm -
全高 1485mm -
軽自動車
新規格
全長 3400mm以下 +1810mm
全幅 1480mm以下 +420mm
全高平均 1640mm -155mm
小型車規格
5ナンバー車
全長 4700mm以下 +510mm
全幅 1700mm以下 +200mm
全高平均 1496mm -11mm
普通車平均
3ナンバー車
全長平均 4643mm +567mm
全幅平均 1815mm +85mm
全高平均 1518mm -33mm

※普通乗用車(3ナンバー車)の条件は全長4700mm超または全幅1700mm超または全高2000mm超と上限値が曖昧なため、ここでは普通乗用車に属する全ての車種の平均値との比較。※軽自動車・小型乗用車の全高はいずれも2000mm以下。ただし、ここでは各規格に属する車種の全高の平均値との比較。


税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税101100円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税28500円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額9500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、2010/09モデルの7シリーズを15年落ちの中古で633.6万円にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    7シリーズの2010/09モデルの場合、2025年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の30%である576万円に諸経費として57.6万円を足した633.6万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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2010年式を15年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税 6000cc以下 13年経過 101100円
自動車重量税
1年分
2.5トン以下 13年-17年経過 28500円
自賠責保険料
(1年換算)
自家用乗用車 8825円
燃料代
年間1万㎞
1万㎞÷5.8×190円/L 327590円
オイル交換
5000km毎
1回11000円×2回 22000円
タイヤ交換
5年5万km毎
1本21000円×4本÷5年 16800円
任意保険料
月額9500円
月額9500円×12ヶ月 114000円
ローン完済後の年間維持費 618900円
名目 区分 金額
車のローン額
1年分
月額105600円×12ヶ月 1267200円
ローン返済中の年間維持費 1886100円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 77700円
  • 初度登録から13年以上経過車の場合、「6000cc以下で13年経過」クラスの自動車税は101100円、「2.5トン以下で13年-17年経過」クラスの自動車重量税は28500円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに11000円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本21000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額9500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした77700円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

天に見放されし生粋のド貧民には考えも及ばぬ世界です。金額を見ただけで気が遠くなります。その維持費は月額でさえ51600円(ローン完済前は157200円)にもなる車を所有する、どうやって…?食うものも食わず、着るものも着ず…?いやあ、そこまでやってもまだまだ、さらに限界まで節制に節制を極めたとしても、それでもなお手の届かぬ未知の領域です。

天に魅入られし大富豪でもなければ、お給金の大半を7シリーズに吸い取られ泣くハメになりそうですが、ということはつまり、この車のステータス性は抜群であると言えます。

7シリーズの維持費は高い?安い?

「7シリーズの年間維持費は618900円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「6000ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたして7シリーズの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いセンチュリー391600円-227300円
IS446100円-172800円
LC コンバーチブル477600円-141300円
LX544400円-74500円
基準6000ccクラス平均561100円-57800円
グランドチェロキー566800円-52100円
7シリーズの維持費618900円
レンジローバー635400円+16500円
レンジローバー ヴォーグ667400円+48500円
高い7シリーズ719600円+100700円

7シリーズの年間維持費を、6000ccクラスで最も維持費が安いセンチュリーと比較して227300円高く、最も高い7シリーズと比較して100700円安く、6000ccクラスの平均維持費との比較では57800円高くなっています。

最低額のセンチュリーと最高額の7シリーズは極端な例としても、6000ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、7シリーズの維持費は まあまあ高い! と言えそうです。

年間維持費が安い 6000ccクラスの車 ランキング

7シリーズを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟%年収月給手取り
10%800万円67万円52万円
15%540万円45万円35万円
20%400万円34万円27万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は800万円(総支給額67万円/月、手取り52万円/月)、ここから月額維持費5.2万円を支払うと残りは46.8万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は540万円(総支給額45万円/月、手取り35万円/月)、5.2万円を支払うと残りは29.8万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が400万円(総支給額34万円/月、手取り27万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。5.2万円を引くと残りは21.8万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代33万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり190円を基準として、-50円となる140円から、+50円となる240円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費5.8km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
140円/L
241390円
[-86200円]
-25円
165円/L
284500円
[-43090円]
-10円
180円/L
310360円
[-17230円]
190円/L327590円
[0円]
+10円
200円/L
344840円
[+17250円]
+25円
215円/L
370710円
[+43120円]
+50円
240円/L
413810円
[+86220円]

燃費5.8km/LのKB60型 7シリーズで10000km走行するのに必要な燃料は1724.2L、1リットルあたり190円としたときの燃料代は327590円になります。

参考までに、7シリーズの燃料タンクは82リットルですので、1724.2Lの給油回数は22回、1回あたりの燃料代は約14900円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては17250円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると43120円、50円も違ってくると86220円にもなります。

これをKB60型 7シリーズの年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり190円の場合を618900円としたとき、140円/Lに値下がりすれば532700円(86.1%)に、240円/Lに値上がりすれば705120円(113.9%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(101100円)なり重量税(28500円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 101100円 29%
自動車重量税 1年分 28500円 8%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 3000km分 98280円 28%
オイル交換 年1回 11000円 3%
タイヤ交換 6年毎 11200円 3%
任意保険料 80% 91200円 26%
合計
[1万kmとの差額]
350200円
-268700円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 101100円 24%
自動車重量税 1年分 28500円 7%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 5000km分 163800円 39%
オイル交換 年1回 11000円 3%
タイヤ交換 6年毎 11200円 3%
任意保険料 85% 96960円 22%
合計
[1万kmとの差額]
421400円
-197500円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 101100円 20%
自動車重量税 1年分 28500円 6%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 7000km分 229310円 46%
オイル交換 年1回 15400円 3%
タイヤ交換 6年毎 11200円 2%
任意保険料 90% 102600円 21%
合計
[1万kmとの差額]
497000円
-121900円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで50000km程度持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料114000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて268700円安い350200円に、5000km走行では197500円安い421400円に、7000km走行では121900円安い497000円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は15000kmは1.1倍、20000kmは1.2倍としたのがこちらです。

年間10000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 101100円 16%
自動車重量税 1年分 28500円 5%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 10000km分 327590円 53%
オイル交換 年2回 22000円 4%
タイヤ交換 5年毎 16800円 3%
任意保険料 100% 114000円 18%
合計
[1万kmとの差額]
618900円
-
-
年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 101100円 13%
自動車重量税 1年分 28500円 4%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 15000km分 491390円 61%
オイル交換 年3回 33000円 4%
タイヤ交換 3年毎 20160円 2%
任意保険料 110% 125400円 15%
合計
[1万kmとの差額]
808400円
+189500円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 101100円 10%
自動車重量税 1年分 28500円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 20000km分 655180円 65%
オイル交換 年4回 44000円 4%
タイヤ交換 3年毎 26880円 3%
任意保険料 120% 136800円 14%
合計
[1万kmとの差額]
1001300円
+382400円
-
走行距離と維持費の変化

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
輸入車・外車の小型車&普通車編
5000cc超クラス編
小型車&普通車の新車編
4ドア・セダン編

7シリーズの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
JC08モード燃費 6.2km/L
燃料タンク容量 82L
航続距離(カタログ燃費) 508.4km
航続距離(80%燃費) 410.0km
満タンプライス 15580円
1km走行コスト 30.65円/km
1万円でどこまで行ける? 326.3km
東京から508.4kmの範囲

JC08モード燃費が6.2km/L、燃料タンク容量82リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は508.4kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(5.6km/L)とすると航続距離は459.2km、80%(5.0km/L)だと410.0km、70%(4.3km/L)では352.6kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から82リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり190円では15580円、上で計算した航続距離を踏まえると508.4km(80%燃費時410.0km)を走行するのに15580円かかる計算です。

燃費を5.8km/Lとしたときの1km走行コストは30.65円、10万km走行したときの燃料代は306.5万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら30.6万円/年、7年10万kmなら43.8万円/年、5年10万kmなら61.3万円/年、3年10万kmなら102.2万円/年となります。

ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば326.3km(往復なら片道163.2km)、カタログ値の80%なら261.1km(片道130.5km)離れたところまで行くことができます。

7シリーズのエンジン諸元とカタログデータ

N74B60A型エンジン簡易性能曲線図
エンジン諸元
原動機型式 N74B60A
気筒配列 V型12気筒
排気量5972cc
圧縮比 10.0
吸気方式 ツインターボ
最高出力 544PS[400kW]/5250rpm
最大トルク 76.5kgm[750Nm]/1500-5000rpm
パワーバンド 1500-5250rpm, 帯域71.4%
使用燃料 ハイオクガソリン
JC08燃費6.2km/L(14.6mpg)
10・15燃費6.3km/L(14.8mpg)
100km燃費16.1L/100km
最高出力・最大トルク 各回転数での出力
1500回転時
馬力
160PS/1500rpm
5000回転時
馬力
534PS/5000rpm
5250回転時
トルク
74.2kgm/5250rpm
N74B60A型エンジンの諸元と性能まとめ
V型12気筒とは‥シリンダをV字型に交互で12個配置する方式。満足度の高さはピカイチ。
V型12気筒の最高出力ランキング

まずおさらいとして、搭載しているN74B60型5972cc、V型12気筒のツインターボエンジンは5250回転時に最高出力544馬力を、1500-5000回転時に最大トルク76.5kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、アイドリングとそれほど変わらないような回転数から最大トルクが発生するこのエンジンは、坂道発進も平気の平左、MT車でもエンスト知らず、扱いやすさにかけては右に出るものがありません。ディーゼル車やダウンサイジングターボに多くあります。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なります。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する1500rpmから最高出力が発生する5250rpmまで」の3750rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は71.4%となります。※簡易エンジン性能曲線図オレンジ色の帯域。

最高出力ランキング リスト
5000cc超クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
5000cc超クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ4.210kg/PS(2290kg/544PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ4.210kg/PS
車体+1人4.311kg/PS
車体+5人4.715kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg4.320kg/PS
車体+70kg4.338kg/PS
車体+80kg4.357kg/PS
車体+90kg4.375kg/PS
車体+100kg4.393kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは4.311kg/PS(2345kg/544PS)となり、数値としては0.101kg、比率にすると2.4%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは4.715kg/PS(2565kg/544PS)となり、数値としては0.505kg、比率にすると12.0%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

KB60 7シリーズのライバル候補車たち

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ4.311kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

愛すべきライバル車種
Page Link車名 PWR+55kg

-
7シリーズ
4.311kg/PS
544PS・6.0L-TT
車体のみPWR 4.210
2345kg
+2.4%

車種詳細
シビック タイプR
4.516kg/PS
320PS・2.0L-TB
車体のみPWR 4.344
1445kg
+4.0%

車種詳細
スカイライン
4.481kg/PS
405PS・3.0L-TT
車体のみPWR 4.346
1815kg
+3.1%

車種詳細
Aクラス
4.239kg/PS
381PS・2.0L-TB
車体のみPWR 4.094
1615kg
+3.5%

車種詳細
インプレッサ WRX
4.516kg/PS
320PS・2.0L-TB
車体のみPWR 4.344
1445kg
+4.0%

車種詳細
インプレッサ WRX S202
4.328kg/PS
320PS・2.0L-TB
車体のみPWR 4.156
1385kg
+4.1%


4.095kg/PSから4.527kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、ホンダの4人乗りハッチバック・FK8型 シビック タイプR、日産の5人乗りセダン・RV37型 スカイライン、メルセデスベンツの5人乗りハッチバック・176052型 Aクラス、スバルの5人乗りセダン・GDB型 インプレッサ WRX、スバルの5人乗りセダン・GDB型 インプレッサ WRX S202という顔ぶれが並びました。

最高出力が高いからといって、車両重量が重ければパワーウェイトレシオの数値は似たようなものになったりします。「空車状態のPWRの違いが、戦力の決定的差ではないということを…教えてやる!」といったところでしょうか。

こうなると、思いもよらぬ車種の登場に「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごも生じることもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

KB60型 7シリーズ [760iL F02]のライバル車種|4.311kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は237.6PS/tとなっています。


7シリーズがバイクと競争するなら…?


車種詳細
RMX250S|249cc
4.175kg/PS
167kg/40.0PS/4.00kgm
[車体のみPWR:2.800]
1速ギヤ速度:56.1km/h
最小TWR:0.521
2010/09

-
7シリーズ|5972cc
4.311kg/PS
2345kg/544PS/76.5kgm
[車体のみPWR:4.210]
1速ギヤ速度:52.5km/h
最小TWR:0.793

車種詳細
ゴールドウイング|1832cc
4.330kg/PS
472kg/109.0PS/16.40kgm
[車体のみPWR:3.826]
1速ギヤ速度:60.4km/h
最小TWR:0.740

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここでは7シリーズとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

SJ14A RMX250Sと競争してみる

まず7シリーズより少しPWRが低いバイクとして、スズキのRMX250Sが挙げられます。PWRの4.175kg/PSは車両重量112kgにライダーの体重55kgを加えた167kgを、最高出力40.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はRMX250Sに3.6km/h劣り、1速TWRは0.272kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

SC68 ゴールドウイングと競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、ホンダのゴールドウイングが挙げられます。PWRの4.330kg/PSは車両重量417kg+55kgの472kgを、最高出力109.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は7.9km/h劣り、1速TWRは0.053kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.975
平均ピストンスピード 14.00m/s
トルクウェイトレシオ 29.93kg/kgm
1馬力あたりのお値段 35294円
排気量1Lあたり馬力 91.09PS/L
排気量1Lあたりトルク 12.81kgm/L
1気筒あたりの馬力 45.3PS
1気筒あたりのトルク 6.4kgm
パワーバンド比率 71.4%
燃費×馬力 3138.9pt
各種ランキング
セダンのPWR
5.0L超のPWR

トルクウェイトレシオは29.93kg/kgm(2290kg/76.5kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が19200000円、最高出力が544馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は35294円、逆に1万円あたりでは0.28馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は250980円、1万円あたりでは0.04kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
5000cc超の車編
セダン編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は91.09PS/L、トルクは12.81kgm/L、1気筒あたりの馬力は45.3馬力、トルクは6.4kgmとなり、このエンジンが544馬力を5250回転で発生させているときの平均ピストンスピードは14.00m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が80.0mmであるN74B60型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は7500回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.975になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、小回りよりも真っ直ぐ進むことを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が5.77km/L、最高出力が544PSであるこの車の獲得ポイントは3138.9ptになります。
戯れに車両重量2290kgを100kg単位にした22.9で割ってみたところ、その数値は137.07ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)



7シリーズでの車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.823m
期待される荷室の幅 1.500m
対角線の長さ 2.361m
期待される荷室の面積 2.734m²

縦方向の長さが1.823m(対角線では2.361m)などという破格のクラスになると、これはもう四の五の言わず車に住むべきです。

これだけの車を所持できる素養は持ち得ているのですから、細かいことは気にせずあらゆる支配からの卒業を宣言し、信じられぬ大人との争いに終止符を打ちましょう。

セダンやクーペであっても後部座席の背もたれを取り外してトランクルームと貫通させて荷室長を確保すれば良いだけの話です。たまに背もたれを取り外してもトランクルームと繋がっていなかったり、頑強な補強バーが入っていて邪魔されることもありますが、恐らく稀なケースです。

車中泊にあると嬉しいアイテム

ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合5250rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした5750回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 5750rpm|タイヤサイズ 275/40R19|タイヤ直径 70.3cm|円周長 220.8cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
5750rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 4.714 13.26 - - 57km/h 10010rpm 2886.0kgm
2速 3.143 8.84 0.667 1-2/
3840rpm
86km/h 6670rpm 1924.2kgm
3速 2.106 5.92 0.670 2-3/
3850rpm
129km/h 4470rpm 1289.3kgm
4速 1.667 4.69 0.792 3-4/
4550rpm
162km/h 3540rpm 1020.6kgm
5速 1.285 3.61 0.771 4-5/
4430rpm
211km/h 2730rpm 786.7kgm
6速 1.000 2.81 0.778 5-6/
4470rpm
271km/h 2120rpm 612.2kgm
7速 0.839 2.36 0.839 6-7/
4820rpm
323km/h 1780rpm 513.7kgm
8速 0.667 1.88 0.795 7-8/
4570rpm
406km/h 1420rpm 408.3kgm
Final2.813レシオカバレッジ(変速比幅)7.067
  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数1500-5000rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(2.813)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(76.5kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(2.813)÷タイヤの有効半径(0.3515m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は8速ギヤの406km(5250rpmでは370.7km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが1500-5000回転で最大トルク76.5kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば29.93kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(4.210kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと2886.0kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(2290kg)を1速ギヤの最大駆動力(2886.0kgm)で割ってみると0.793kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する5250回転でのトルク(74.2kgm)からTWRを算出すると0.818kg/kgmとなり、1500-5250回転の回転域では0.793-0.818kg/kgmの間で推移することがわかります。


5250rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

KB60型7シリーズに搭載されたN74B60型5972ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する5250rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

5250rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ52km/h-
2速ギヤ79km/h3500rpm
3速ギヤ117km/h3520rpm
4速ギヤ148km/h4160rpm
5速ギヤ192km/h4050rpm
6速ギヤ247km/h4080rpm
7速ギヤ295km/h4400rpm
8速ギヤ371km/h4170rpm

まず1速ギヤで5250rpmまで引っ張ると52km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は5250rpmから3500rpmまで落ち、そこから5250rpmまで加速を続けると速度は79km/h(+27km/h)になります。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4000 6010 8010 10010 12010 14010 18020
2速 2670 4000 5340 6670 8010 9340 12010
3速 1790 2680 3580 4470 5370 6260 8050
4速 1420 2120 2830 3540 4250 4960 6370
5速 1090 1640 2180 2730 3270 3820 4910
6速 850 1270 1700 2120 2550 2970 3820
7速 710 1070 1430 1780 2140 2490 3210
8速 570 850 1130 1420 1700 1980 2550
※赤い数字は暫定レブリミット(5750rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.667)を選択して時速100kmにて走行すると1420回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは850回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは990回転、一般的な高速道路の80km/hでは1130回転、100km/hでは1420回転、制限速度が120km/hになると1700回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは2550回転まで回ります。

これほどまでに時速100kmでの巡航回転数が低ければ、(パワーさえ足りていれば)高速道路では向かうところ敵なしです。エンジンノイズによる疲れとは無縁の世界、ただひたすらに回り続けるエンジンのなんと頼もしいことでしょう。これに合わせてタイヤのロードノイズ、風きり音すらも完璧に抑え込まれていたならば、これはもはや完全無欠の高級車です。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 10 20 30 40 50 60 70 80
2速 15 30 45 60 75 90 105 120
3速 22 45 67 89 112 134 157 179
4速 28 57 85 113 141 170 198 226
5速 37 73 110 147 183 220 257 293
6速 47 94 141 188 235 283 330 377
7速 56 112 168 225 281 337 393 449
8速 71 141 212 282 353 424 494 565

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(5750回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの275/40R19と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 275/40R19 | 直径 703mm

-20mm
幅255mm
-10mm
幅265mm
変更なし
幅275mm
+10mm
幅285mm
+20mm
幅295mm
35 255/35R19
37.7km/h
径 662mm
差 -41mm
265/35R19
38.1km/h
径 669mm
差 -34mm
275/35R19
38.5km/h
径 676mm
差 -27mm
285/35R19
38.9km/h
径 683mm
差 -20mm
295/35R19
39.3km/h
径 690mm
差 -13mm
40 255/40R19
39.1km/h
径 687mm
差 -16mm
265/40R19
39.5km/h
径 695mm
差 -8mm
275/40R19
40.0km/h
703mm
0mm
285/40R19
40.5km/h
径 711mm
差 +8mm
295/40R19
40.9km/h
径 719mm
差 +16mm
45 255/45R19
40.6km/h
径 713mm
差 +10mm
265/45R19
41.1km/h
径 722mm
差 +19mm
275/45R19
41.6km/h
径 731mm
差 +28mm
285/45R19
42.1km/h
径 740mm
差 +37mm
295/45R19
42.6km/h
径 749mm
差 +46mm
50 255/50R19
42.0km/h
径 738mm
差 +35mm
265/50R19
42.6km/h
径 748mm
差 +45mm
275/50R19
43.1km/h
径 758mm
差 +55mm
285/50R19
43.7km/h
径 768mm
差 +65mm
295/50R19
44.3km/h
径 778mm
差 +75mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、255/40R19 、265/35R19、265/40R19 、275/35R19 、285/35R19 、295/35R19あたりのタイヤがおすすめです。

275/40R19のタイヤ幅を255mmから305mmまで、扁平率を25%から55%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、275/40R19の適応サイズと性能の変化 [KB60型7シリーズ編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】275/40R19のタイヤ銘柄と通販価格

KB60型 7シリーズ 6.0L-TT FR/8ATの通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を比較してみます。

運動性能部門 10項目
評価項目全車種平均数値得点評価
PWR9.78㎏/PS4.21㎏/PS65.1ptA
最高回転数5881rpm5250rpm42.2ptD
1速ギヤ
加速性能
1.58㎏/㎏m0.79㎏/㎏m66.5ptA
1速ギヤ
最高速
51.1㎞/h52.5㎞/h51.3ptC
1リットル
換算馬力
103.35PS/L91.09PS/L45.6ptD
1リットル
換算トルク
15.98㎏m/L12.81㎏m/L40.2ptD
WB/TR比1.7731.97529.4ptF
ワイド&
ロー指数
0.8940.78258.0ptB
前面の面積2.631m22.821m244.7ptD
最低地上高154.5mm-43.7ptD
スポーツ性能部門の得点465.9pt
総合評価D

※PWR(パワーウェイトレシオ)・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比(旋回性能重視)・ワイド&ロー指数(見た目のかっこよさ)・前面の面積(≒前方投影面積・空気抵抗)・最低地上高については数値が小さいほど高得点。最高回転数・1速ギヤ最高速・1リットル換算馬力・1リットル換算トルクについては数値が大きいほど高得点。

ユーティリティ部門 10項目
評価項目全車種平均数値得点評価
年間維持費335944円618900円25.0ptF
JC08燃費17.7km/L6.2km/L32.0ptE
100km/h
回転数
2490rpm1420rpm64.1ptA
航続距離643.9km472.8km40.1ptD
車の大きさ11.466m314.700m337.2ptE
車内の広さ3430.7L-46.6ptC
乗車定員4.8人5人51.7ptC
1人あたり
車内広さ
691.7L-44.2ptD
車内床面積2.793m2-46.0ptC
最小回転
半径
5.17m5.7m39.2ptD
ユーティリティ部門の得点426.1pt
総合評価E

※JC08燃費・航続距離(燃費×燃料タンク容量)・室内の広さ(室内長×室内幅×室内高)・乗車定員・1人あたりの車内の広さは数値が大きいほど高得点、新車価格・年間維持費・100km/h回転数・車の大きさ(全長×全幅×全高)・最小回転半径は数値が小さいほど高得点。

結果発表!
部門 全10699車種中 RANK
運動性能 465.9pt 8272位 D
運動性能部門 ランキング
ユーティリティ 426.1pt 10320位 E
ユーティリティ部門 ランキング
総合得点 892.0pt 10002位 E
総合得点ランキング

スポーツ性能部門は465.9点で全10699車種中の8272位、ユーティリティ部門は426.1点で10320位、総合得点は892.0点で10002位となりました。各部門、獲得点数が多い車種から順番に並べたランキングを用意してありますのでご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したKB60型 7シリーズ(FR/8AT) の各種スペックを、セダン6000cc超という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを比較してみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

7シリーズの歴代モデル

7代目 22EH30型 7シリーズ
22EH30 7シリーズは2022/04に登場した7代目モデル。参考車両の「740i Excellence G70」は全長5390mm、全幅1950mm、全高1545mmの車体に、381PS/53.0kgmを発生するB58B30型2997ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

6代目 7E30型 7シリーズ
7E30 7シリーズは2015/10に登場した6代目モデル。参考車両の「740Li M-sport G12」は全長5250mm、全幅1900mm、全高1480mmの車体に、326PS/45.9kgmを発生するB58B30型2997ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

5代目 YE44型 7シリーズ
YE44 7シリーズは2009/03に登場した5代目モデル。参考車両の「750Li F02」は全長5220mm、全幅1900mm、全高1485mmの車体に、450PS/66.3kgmを発生するN63B44型4394ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

4代目 GN60型 7シリーズ
GN60 7シリーズは2001/10に登場した4代目モデル。参考車両の「760iL E66」は全長5180mm、全幅1900mm、全高1490mmの車体に、445PS/61.2kgmを発生するN73B60型5972ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

3代目 GF40型 7シリーズ
GF40 7シリーズは1994/10に登場した3代目モデル。参考車両の「740i 40-8S E38」は全長4985mm、全幅1860mm、全高1435mmの車体に、286PS/40.0kgmを発生するM60B40型3981ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

2代目 L35型 7シリーズ
L35 7シリーズは1987/11に登場した2代目モデル。参考車両の「735iL E32」は全長5025mm、全幅1845mm、全高1400mmの車体に、211PS/31.1kgmを発生する3.34M.J1型3430ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。


人気があるセダンの車種比較


EC5A ギャラン VR-4 2000 vs CT9A ランサー Evolution VII GSR 2001 性能比較
8代目 ギャラン VR-4 type-V(2000年式 EC5A・4WD/5MT・2.5L+ツインターボ・280PS/37.0kgm・5人乗り)と、6代目 ランサー Evolution VII GSR(2001年式 CT9A・4WD/5MT・2.0L+ターボ・280PS/39.0kgm・5人乗り)を比較。

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ZN6 86 ハチロク 2016 vs SXE10 アルテッツァ RS200 2004 性能比較
初代 86 ハチロク G(2016年式 ZN6・FR/6MT・2.0L・207PS/21.6kgm・4人乗り)と、初代 アルテッツァ RS200(2004年式 SXE10・FR/6MT・2.0L・210PS/22.0kgm・5人乗り)を比較。

AUCJXF ゴルフR 2017 vs VAB WRX STI RA-R 2018 性能比較
7代目 ゴルフR(2017年式 AUCJXF・4WD/6MT・2.0L+ターボ・310PS/38.7kgm・5人乗り)と、初代 WRX STI type RA-R(2018年式 VAB・4WD/6MT・2.0L+ターボ・329PS/44.1kgm・5人乗り)を比較。

EC5A ギャラン VR-4 2000 vs EC5W レグナム VR-4 2000 性能比較
8代目 ギャラン VR-4 type-V(2000年式 EC5A・4WD/5MT・2.5L+ツインターボ・280PS/37.0kgm・5人乗り)と、初代 レグナム VR-4 VR-4 type-S(2000年式 EC5W・4WD/5MT・2.5L+ターボ・280PS/37.0kgm・5人乗り)を比較。

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初代 アルテッツァ AS200(2004年式 GXE10・FR/6MT・2.0L・160PS/20.4kgm・5人乗り)と、10代目 スカイライン セダン GT(2000年式 HR34・FR/5MT・2.0L・155PS/19.0kgm・5人乗り)を比較。

BL3FW マツダスピード アクセラ 2009 vs FD2 シビック タイプR 2008 性能比較
2代目 マツダスピード アクセラ(2009年式 BL3FW・FF/6MT・2.3L+ターボ・264PS/38.7kgm・5人乗り)と、8代目 シビック タイプR type-R(2008年式 FD2・FF/6MT・2.0L・225PS/21.9kgm・4人乗り)を比較。