4MCVMS Q7 性能と維持費 4WD/8AT 7人 1042万円 2023年式

このページでは、アウディの5ドア・7人乗りSUV、2代目の3DA-4MCVMS型Q7 50 TDI quattro【2023/09モデル・272PS/61.2kgm・4WD/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

4MCVMS Q7
販売期間:2016/03 -

画像はアウディより引用
http://www.audi.co.jp/
投稿:|更新:

ボディサイズが全長5065mm×全幅1970mm×全高1735mm、排気量は2967ccであることから、大雑把に分類すると3.0リットルクラス(3000cc、自動車税は3.0L以下を適用)に属し、全長、全幅、排気量ともに5ナンバー枠を超えていることにより完全無欠の3ナンバー登録車です。いわゆる【高級車】にカテゴライズされます。
参考:250PS~300PSの自動車 一覧

駆動方式には車両に備わる全てのタイヤを駆動する、いわゆる四輪駆動(All Wheel Drive・AWD・Four Wheel Drive・4WDとも)を採用しています。真っ直ぐ進むことに掛けては右に出る者なしとされ、大雨、強風、泥濘、降雪、凍結など天変地異による悪天候下や悪路にて無類の強さを発揮する安心の駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が5065mmであるこの車の場合は「ラグジュアリー」(Luxury:4900mm超・Fセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。

4MCVMS型 Q7 [2967cc/272PS 4WD/8AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

2代目Q7の類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2023/04
4MDCBS型
[55 TFSI quattro]
3.0L-TB・4WD/8AT・1062.0万円
340PS・51.0kgm・9.5km/L
340PS
51.0kgm
9.5km/L
2019/10
4MDCBS型
[55 TFSI quattro 5人乗り]
3.0L-TB・4WD/8AT・957.0万円
340PS・51.0kgm・9.3km/L
340PS
51.0kgm
9.3km/L
2019/10
4MDCBS型
[55 TFSI quattro 7人乗り]
3.0L-TB・4WD/8AT・991.0万円
340PS・51.0kgm・9.3km/L
340PS
51.0kgm
9.3km/L
2代目 Q7 型式一覧 4M系まとめ 2016-【全9車種】
Q7の旧型モデル
初代 4LBARS型Q7
4LBARS型Q7は2006/10に登場した初代モデル。参考車両の「4.2FSI-Quattro」は全長5090mm、全幅1985mm、全高1740mmの車体に、350PS/44.9kgmを発生するBAR型4163ccエンジンを搭載。


4MCVMS Q7の主要諸元と大きさ比較

主要諸元
メーカー アウディ
車名&
グレード
Q7
50 TDI quattro
その他 3DA-4MCVMAはエアサスペンション装着車
お値段 10420000円
車両型式 3DA-4MCVMS
駆動方式
変速機
4WD・四輪駆動(AWD)
8速AT・8速オートマ車
ドア/定員 5ドア・7名乗車
ホイールベース 2995mm
トレッド 1680mm/1685mm
WB/TR比 1.780
最小半径 5.7m
最低高 210mm
タイヤ 前輪:255/55R19
後輪:255/55R19
ブレーキ 前:ディスク
後:ディスク
車両重量 2200kg

※WB/TR比はホイールベーストレッド比の略。値が大きいほど直進安定性に優れ、小さいほど旋回性能が高くなりやすい。全ての車種の平均値は1.773。

Q7と各規格の大きさ比較
規格名 規格寸法 増減
Q7
車体寸法
全長 5065mm -
全幅 1970mm -
全高 1735mm -
大きさ 17.31m3 -
軽自動車
新規格
全長 3400mm以下 +1665mm
全幅 1480mm以下 +490mm
全高平均 1640mm +95mm
大きさ平均 8.13m3 +9.18m3
小型車規格
5ナンバー車
全長 4700mm以下 +365mm
全幅 1700mm以下 +270mm
全高平均 1496mm +239mm
大きさ平均 10.48m3 +6.83m3
普通車平均
3ナンバー車
全長平均 4643mm +422mm
全幅平均 1815mm +155mm
全高平均 1518mm +217mm
大きさ平均 12.84m3 +4.47m3

※上記グラフは100のラインを上回れば平均値以上、下回れば平均値以下を表す。グラフの伸びが大きいほど各規格の車両に対して相対的に車体が長い・広い・高い。※普通乗用車(3ナンバー車)の条件は全長4700mm超または全幅1700mm超または全高2000mm超と上限値が曖昧なため、ここでは普通乗用車に属する全ての車種の平均値との比較。※軽自動車・小型乗用車の全高はいずれも2000mm以下。ただし、ここでは各規格に属する車種の全高の平均値との比較。



Q7での車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.773m
期待される荷室の幅 1.570m
対角線の長さ 2.368m
期待される荷室の面積 2.784m²

縦方向の長さが1.773m(対角線では2.368m)などという破格のクラスになると、これはもう四の五の言わず車に住むべきです。

これだけの車を所持できる素養は持ち得ているのですから、細かいことは気にせずあらゆる支配からの卒業を宣言し、信じられぬ大人との争いに終止符を打ちましょう。

一見すると車中泊が可能そうに見えるハッチバックやワゴン、SUVであってもリアシートが前に倒れなかったり、倒れても中途半端であったり、凝った足回りのせいで室内に巨大な出っ張りがあったりで、なかなか思うようにはいきませんが、大抵のケースでは知恵と工夫で何とかなるはずです。

車中泊にあると嬉しいアイテム


4MCVMS Q7の税金・年間維持費シミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税50000円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税20500円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かる軽油代月額6500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、Q7の新車を1198.3万円(諸費用として156.3万円を加算)にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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新車で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税 3000cc以下 11年未満 50000円
自動車重量税
1年分
2.5トン以下 13年未満 20500円
自賠責保険料
(1年換算)
自家用乗用車 8825円
燃料代
年間1万㎞
1万㎞÷11.6㎞/L×165円/L 142240円
オイル交換
5000km毎
1回6500円×2回 13000円
タイヤ交換
5年5万km毎
1本21000円×4本÷5年 16800円
任意保険料
月額6500円
月額6500円×12ヶ月 78000円
ローン完済後の年間維持費 329400円
名目 区分 金額
車のローン額
1年分
月額199720円×12ヶ月 2396640円
ローン返済中の年間維持費 2726100円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 61700円
  • 初度登録から2年経過車の場合、「3000cc以下で11年未満」クラスの自動車税は50000円、「2.5トン以下で13年未満」クラスの自動車重量税は20500円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに6500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本21000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額6500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした61700円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

お財布に厚みが増した勢いで少し色気を出して愛車にステータス性を求めるなら、月換算27500円くらいの出費は覚悟しましょう。なあに大丈夫、愛車のためです。

口癖のように「もうちょっと維持費が安ければねえ…?」なんて呟くその姿は自慢げなようであり、しかし哀愁を帯びているようでもあり、傍からすれば対応に困ります。より維持費の安い新車を買うほどではない…ないが…考えずにもいられない、そんなクラスです。全体から見るとこの辺りから面白味のある車が増えてきます。

Q7の維持費は高い?安い?

「Q7の年間維持費は329400円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「3000ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてQ7の維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いハイエース バン274670円-54730円
Q7の維持費329400円
スープラ343900円+14500円
グランエース352500円+23100円
スカイライン379100円+49700円
基準3000ccクラス平均413500円+84100円
アリスト453300円+123900円
スカイライン GT-R480700円+151300円
X5519600円+190200円
高いXM ワゴン623000円+293600円

Q7の年間維持費を、3000ccクラスで最も維持費が安いハイエース バンと比較して54730円高く、最も高いXM ワゴンと比較して293600円安く、3000ccクラスの平均維持費との比較では84100円安くなっています。

最低額のハイエース バンと最高額のXM ワゴンは極端な例としても、3000ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、Q7の維持費は かなり安い! と言えそうです。

年間維持費が安い 3000ccクラスの車 ランキング

Q7を維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟の%年収月給手取り
10%430万円36万円28万円
15%290万円25万円20万円
20%210万円18万円14万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は430万円(総支給額36万円/月、手取り28万円/月)、ここから月額維持費2.8万円を支払うと残りは25.2万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は290万円(総支給額25万円/月、手取り20万円/月)、2.8万円を支払うと残りは17.2万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が210万円(総支給額18万円/月、手取り14万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。2.8万円を引くと残りは11.2万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代15万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、軽油(ディーゼル燃料)1リットルあたり165円を基準として、-50円となる115円から、+50円となる215円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費11.6km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代差額
115円/L 99150円 -43090円
140円/L 120700円 -21540円
155円/L 133630円 -8610円
165円/L 142240円 -
175円/L 150870円 +8630円
190円/L 163800円 +21560円
215円/L 185360円 +43120円

燃費11.6km/Lの4MCVMS型 Q7で10000km走行するのに必要な燃料は862.1L、1リットルあたり165円としたときの燃料代は142240円になります。

参考までに、Q7の燃料タンクは75リットルですので、862.1Lの給油回数は12回、1回あたりの燃料代は約11860円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては8630円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると21560円、50円も違ってくると43120円にもなります。

これを4MCVMS型 Q7の年間維持費に当てはめてみますと、軽油(ディーゼル燃料)1リットルあたり165円の場合を329400円としたとき、115円/Lに値下がりすれば286310円(86.9%)に、215円/Lに値上がりすれば372520円(113.1%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(50000円)なり重量税(20500円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなれば軽油代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

1年分の自動車税・重量税・自賠責保険料
名目 金額
自動車税 50000円
自動車重量税 1年分 20500円
自賠責保険料 1年分 8825円
合計 79325円

※現在の税制では、自動車税、自動車重量税、自賠責保険料は走行距離に関係なく税額・保険料は一律。走行距離税が新設された場合は大幅に変わる可能性あり。


維持費名目 3000km 5000km 7000km
燃料代 42670円 71120円 99570円
オイル交換 6500円 6500円 9100円
タイヤ交換 11200円 11200円 11200円
任意保険料 62400円 66360円 70200円
税金 自賠責 一律 79325円
合計 202100円 234600円 269400円
1万km差額 -127300円 -94800円 -60000円

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、軽油代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで50000km程度持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料78000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて127300円安い202100円に、5000km走行では94800円安い234600円に、7000km走行では60000円安い269400円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。軽油代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は15000kmは1.1倍、20000kmは1.2倍としたのがこちらです。

維持費名目 10000km 15000km 20000km
燃料代 142240円 213360円 284480円
オイル交換 13000円 19500円 26000円
タイヤ交換 16800円 20160円 26880円
任意保険料 78000円 85800円 93600円
税金 自賠責 一律 79325円
合計 329400円 418200円 510300円
1万km差額 - +88800円 +180900円

走行距離と維持費の変化

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
輸入車・外車の小型車&普通車編
3000cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
7人乗りSUV・RV編

【WLTC特典】市街地・郊外・高速道路の走行比率が変わると?

ひとくちにWLTCモード燃費と言いましても、信号や渋滞があるノロノロ道路の走行を想定した市街地モード(9.0km/L)、信号や渋滞が少ないスイスイ道路の走行を想定した郊外モード(11.5km/L)、高速道路の走行を想定した高速道路モード(13.4km/L)という3つの走行パターンを内包してありまして、これらを「平均的な使用時間配分」なるもので構成したのがWLTCモード燃費(11.6km/L)ということになります。

ここでは年間走行距離を10000kmとして市街地、郊外、高速道路の走行比率を変えてみたとき、WLTCモード燃費での軽油代142240円からどのように変化するかを見ていきたいと思います。

走行例1:都市部にお住まい

まず最初に、市街地の住まいを想定して、走行の大半を市街地(90%)、たまに郊外へお買い物(5%)、稀に高速道路に乗ってどこか遠くへ…(5%)という場合で見てみます。

モード 走行距離 必要燃料量 燃料代
市街地 9000km 1000.0L 165000円
郊外 500km 43.5L 7180円
高速道路 500km 37.3L 6150円
平均燃費 9.3km/L 1080.8L 178330円
WLTC 総合燃費との差額 +36090円

走行例2:市街地と郊外を行き来

次に、とにかく市街地と郊外を行ったり来たりする条件を想定して、市街地の走行を50%、郊外の走行を50%、高速道路は走行しない場合を見てみます。

モード 走行距離 必要燃料量 燃料代
市街地 5000km 555.6L 91670円
郊外 5000km 434.8L 71740円
高速道路 0km 0L 0円
平均燃費 10.1km/L 990.4L 163410円
WLTC 総合燃費との差額 +21170円

走行例3:市街地・郊外・高速道路をMix

続いて、都市部に住んでいて郊外の職場へ通勤(33%)、あるいは郊外に住んでいて都市部の職場へ通勤(34%)、高速利用もバッチリ!(33%)という感じでシミュレーションしてみます。

モード 走行距離 必要燃料量 燃料代
市街地 3330km 370.0L 61050円
郊外 3340km 290.4L 47920円
高速道路 3330km 248.5L 41000円
平均燃費 11.0km/L 908.9L 149970円
WLTC 総合燃費との差額 +7730円

走行例4:農村部にお住まい

最後に、びっくりするほど田舎な住まいを想定して、隣町の市街地へ買い出しに行くため500km走行、パトロールがてらにいつもの田んぼ道を9000km走行、一念発起して都会の空気を吸いに高速道路を500km走行したとする場合を見てみます。

モード 走行距離 必要燃料量 燃料代
市街地 500km 55.6L 9170円
郊外 9000km 782.6L 129130円
高速道路 500km 37.3L 6150円
平均燃費 11.4km/L 875.5L 144450円
WLTC 総合燃費との差額 +2210円


走行距離は同じ1万kmであっても、走行する環境によって燃料代はずいぶん大きく変わります。信号待ちや渋滞のSTOP&GOで燃費が悪くなりがちな走行例1と、渋滞知らずで燃費にも車にも優しい走行例4では燃料の消費量が205.3リットルの差、金額にして33880円の差が生じます。

参考:燃費が3%向上すると…?

モード 各モード燃費 +3%燃費 燃費差
総合燃費 11.6km/L 11.9km/L +0.3km/L
市街地 9.0km/L 9.3km/L +0.3km/L
郊外 11.5km/L 11.8km/L +0.3km/L
高速道路 13.4km/L 13.8km/L +0.4km/L

WLTCモード燃費が良い車ランキング [全車種・総合]

市街地・郊外・高速道路の満タン航続距離

WLTCモード燃費には市街地モード・郊外モード・高速道路モードという3つの走行パターンが内包されておりますので、参考までにそれぞれのモード燃費で燃料タンクが空になるまで走行した場合の満タン航続距離を計算してみます。

各モード燃費の航続距離
モード 燃費 航続距離 1km費用
総合 11.6km/L 870km - 14.22円/km
市街地 9.0km/L 675km -195km 18.3円/km
郊外 11.5km/L 863km -7km 14.3円/km
高速 13.4km/L 1005km +135km 12.3円/km

※1km費用は燃料価格165円/Lを各モード燃費で割ったもの。1km走行するために必要な燃料代。

燃料タンクの容量を75Lとしたとき、市街地モード燃費9.0km/Lでの航続距離は675km(-195km)、郊外モード燃費11.5km/Lでの航続距離は863km(-7km)、高速道路モード燃費13.4km/Lでの航続距離は1005km(+135km)となります。

ある特定のシチュエーションのみを、燃料タンクが空になるまで走行することはなかなかありませんが、「その気になればこのくらいの距離を走れちゃうんだぜ!」という参考データだけは持っておくと、次回の給油回数削減チャレンジでギリギリのラインを狙っていくのに役立つ、かもしれません。

Q7の燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
WLTCモード燃費 11.6km/L
燃料タンク容量 75L
航続距離(カタログ燃費) 870.0km
航続距離(80%燃費) 697.5km
満タンプライス 12375円
1km走行コスト 14.22円/km
1万円でどこまで行ける? 703.0km
東京から870.0kmの範囲

WLTCモード燃費が11.6km/L、燃料タンク容量75リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は870.0kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(10.4km/L)とすると航続距離は780.0km、80%(9.3km/L)だと697.5km、70%(8.1km/L)では607.5kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から75リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、軽油(ディーゼル燃料)を1リットルあたり165円では12375円、上で計算した航続距離を踏まえると870.0km(80%燃費時697.5km)を走行するのに12375円かかる計算です。

燃費を11.6km/Lとしたときの1km走行コストは14.22円、10万km走行したときの燃料代は142.2万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら14.2万円/年、7年10万kmなら20.3万円/年、5年10万kmなら28.4万円/年、3年10万kmなら47.4万円/年となります。

ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば703.0km(往復なら片道351.5km)、カタログ値の80%なら562.4km(片道281.2km)離れたところまで行くことができます。

4MCVMS Q7のエンジン諸元とカタログデータ

CVM型エンジン簡易性能曲線図
エンジン諸元
原動機型式 CVM
気筒配列 V型6気筒
排気量2967cc
圧縮比 17.0
吸気方式 ターボ
最高出力 272PS[200kW]/3500-4000rpm
最大トルク 61.2kgm[600Nm]/1750-3000rpm
パワーバンド 1750-4000rpm, 帯域56.2%
使用燃料 軽油(ディーゼル燃料)
WLTC燃費11.6km/L(27.3mpg)
JC08燃費12.4km/L(29.2mpg)
100km燃費8.6L/100km
最高出力・最大トルク 各回転数での出力
1750rpm 150PS/61.2kgm
3000rpm256PS/61.2kgm
3500rpm272PS/55.7kgm
4000rpm 272PS/48.7kgm
CVM型エンジンの諸元と性能まとめ
V型6気筒とは‥シリンダをV字型に交互で6個配置する方式。中排気量のスタンダード。
V型6気筒の最高出力ランキング

まずおさらいとして、搭載しているCVM型2967cc、V型6気筒のターボエンジンは3500-4000回転時に最高出力272馬力を、1750-3000回転時に最大トルク61.2kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、低めの回転数から中間域にトルクのピークがあるこのエンジンは、街中での普段使いに心地よく、高回転もそれなりでバランスの取れたタイプです。多くの乗用車がこの特性に当て嵌まるのではないかと思います。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なります。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する1750rpmから最高出力が発生する4000rpmまで」の2250rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は56.2%となります。※簡易エンジン性能曲線図オレンジ色の帯域。

最高出力ランキング リスト
3000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
3000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ8.088kg/PS(2200kg/272PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ8.088kg/PS
車体+1人8.290kg/PS
車体+7人9.504kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg8.309kg/PS
車体+70kg8.346kg/PS
車体+80kg8.382kg/PS
車体+90kg8.419kg/PS
車体+100kg8.456kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは8.290kg/PS(2255kg/272PS)となり、数値としては0.202kg、比率にすると2.5%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの7人が搭乗した場合、車両重量に385kgがプラスされてパワーウェイトレシオは9.504kg/PS(2585kg/272PS)となり、数値としては1.416kg、比率にすると17.5%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

4MCVMS Q7のライバル候補車たち

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ8.290kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

愛すべきライバル車種
Page Link車名 PWR+55kg

-
Q7
8.290kg/PS
272PS・3.0L-TB
車体のみPWR 8.088
2255kg
+2.5%

車種詳細
スイフト スポーツ
8.272kg/PS
136PS・1.6L-NA
車体のみPWR 7.868
1125kg
+5.1%

車種詳細
フィット
8.371kg/PS
132PS・1.5L-NA
車体のみPWR 7.955
1105kg
+5.2%

車種詳細
アウトバック
8.446kg/PS
177PS・2.5L-NA
車体のみPWR 8.136
1495kg
+3.8%

車種詳細
ティアナ
8.351kg/PS
185PS・2.5L-NA
車体のみPWR 8.054
1545kg
+3.7%

車種詳細
IS
8.302kg/PS
215PS・2.5L-NA
車体のみPWR 8.047
1785kg
+3.2%


8.124kg/PSから8.456kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、スズキの5人乗りハッチバック・ZC32S型 スイフト スポーツ、ホンダの5人乗りハッチバック・GK5型 フィット、スバルの5人乗りSUV・BP9型 アウトバック、日産の5人乗りセダン・J32型 ティアナ、レクサスの4人乗りオープンカー・GSE20型 ISという顔ぶれが並びました。

最高出力が高いからといって、車両重量が重ければパワーウェイトレシオの数値は似たようなものになったりします。「空車状態のPWRの違いが、戦力の決定的差ではないということを…教えてやる!」といったところでしょうか。

こうなると、思いもよらぬ車種の登場に「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごも生じることもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

4MCVMS型 Q7 [50 TDI quattro]のライバル車種|8.290kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は123.6PS/tとなっています。


Q7がバイクと競争するなら…?


車種詳細
SR400|399cc
8.259kg/PS
223kg/27.0PS/3.00kgm
[車体のみPWR:6.222]
1速ギヤ速度:48.5km/h
最小TWR:1.029
2023/09

-
Q7|2967cc
8.290kg/PS
2255kg/272PS/61.2kgm
[車体のみPWR:8.088]
1速ギヤ速度:37.4km/h
最小TWR:0.891

車種詳細
CRF250L|249cc
8.292kg/PS
199kg/24.0PS/2.30kgm
[車体のみPWR:6.000]
1速ギヤ速度:38.9km/h
最小TWR:0.760

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではQ7とパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

RH01J SR400と競争してみる

まずQ7より少しPWRが低いバイクとして、ヤマハのSR400が挙げられます。PWRの8.259kg/PSは車両重量168kgにライダーの体重55kgを加えた223kgを、最高出力27.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はSR400に11.1km/h劣り、1速TWRは0.138kg勝る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

MD44 CRF250Lと競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、ホンダのCRF250Lが挙げられます。PWRの8.292kg/PSは車両重量144kg+55kgの199kgを、最高出力24.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は1.5km/h劣り、1速TWRは0.131kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.780
平均ピストンスピード 12.19m/s
トルクウェイトレシオ 35.95kg/kgm
1馬力あたりのお値段 38309円
排気量1Lあたり馬力 91.68PS/L
排気量1Lあたりトルク 20.63kgm/L
1気筒あたりの馬力 45.3PS
1気筒あたりのトルク 10.2kgm
パワーバンド比率 56.2%
燃費×馬力 3155.2pt
各種ランキング
SUV・RV・クロカンのPWR
2.5~3.0Lターボ車のPWR

トルクウェイトレシオは35.95kg/kgm(2200kg/61.2kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が10420000円、最高出力が272馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は38309円、逆に1万円あたりでは0.26馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は170261円、1万円あたりでは0.06kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
3000cc以下の車編
7人乗りSUV編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は91.68PS/L、トルクは20.63kgm/L、1気筒あたりの馬力は45.3馬力、トルクは10.2kgmとなり、このエンジンが272馬力を4000回転で発生させているときの平均ピストンスピードは12.19m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.780になります。全ての車種の平均値である1.773を基準にざっくりと分類すると、走ってよし、曲がってよしで至れり尽くせりのオールラウンダーであると言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が11.6km/L、最高出力が272PSであるこの車の獲得ポイントは3155.2ptになります。
戯れに車両重量2200kgを100kg単位にした22.0で割ってみたところ、その数値は143.42ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


4MCVMS Q7のギヤ比と回転数・速度のステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合3500-4000rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした4500回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 4500rpm|タイヤサイズ 255/55R19|タイヤ直径 76.3cm|円周長 239.7cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
4500rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 5.000 15.39 - - 42km/h 10700rpm 2468.9kgm
2速 3.200 9.85 0.640 1-2/
2880rpm
66km/h 6850rpm 1580.1kgm
3速 2.143 6.60 0.670 2-3/
3020rpm
98km/h 4590rpm 1058.2kgm
4速 1.720 5.29 0.803 3-4/
3610rpm
122km/h 3680rpm 849.3kgm
5速 1.313 4.04 0.763 4-5/
3430rpm
160km/h 2810rpm 648.3kgm
6速 1.000 3.08 0.762 5-6/
3430rpm
210km/h 2140rpm 493.8kgm
7速 0.823 2.53 0.823 6-7/
3700rpm
255km/h 1760rpm 406.4kgm
8速 0.640 1.97 0.778 7-8/
3500rpm
329km/h 1370rpm 316.0kgm
Final3.078レシオカバレッジ(変速比幅)7.812
  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数1750-3000rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.078)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(61.2kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.078)÷タイヤの有効半径(0.3815m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は8速ギヤの329km(4000rpmでは292.0km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが1750-3000回転で最大トルク61.2kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば35.95kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(8.088kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと2468.9kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(2200kg)を1速ギヤの最大駆動力(2468.9kgm)で割ってみると0.891kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する4000回転でのトルク(48.7kgm)からTWRを算出すると1.120kg/kgmとなり、1750-4000回転の回転域では0.891-1.120kg/kgmの間で推移することがわかります。


4000rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

4MCVMS型Q7に搭載されたCVM型2967ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する4000rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

4000rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ37km/h-
2速ギヤ58km/h2560rpm
3速ギヤ87km/h2680rpm
4速ギヤ109km/h3210rpm
5速ギヤ142km/h3050rpm
6速ギヤ187km/h3050rpm
7速ギヤ227km/h3290rpm
8速ギヤ292km/h3110rpm

まず1速ギヤで4000rpmまで引っ張ると37km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は4000rpmから2560rpmまで落ち、そこから4000rpmまで加速を続けると速度は58km/h(+21km/h)になります。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4280 6420 8560 10700 12840 14980 19260
2速 2740 4110 5480 6850 8220 9590 12330
3速 1830 2750 3670 4590 5500 6420 8260
4速 1470 2210 2940 3680 4420 5150 6630
5速 1120 1690 2250 2810 3370 3930 5060
6速 860 1280 1710 2140 2570 3000 3850
7速 700 1060 1410 1760 2110 2470 3170
8速 550 820 1100 1370 1640 1920 2470
※赤い数字は暫定レブリミット(4500rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.640)を選択して時速100kmにて走行すると1370回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは820回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは960回転、一般的な高速道路の80km/hでは1100回転、100km/hでは1370回転、制限速度が120km/hになると1640回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは2470回転まで回ります。

これほどまでに時速100kmでの巡航回転数が低ければ、(パワーさえ足りていれば)高速道路では向かうところ敵なしです。エンジンノイズによる疲れとは無縁の世界、ただひたすらに回り続けるエンジンのなんと頼もしいことでしょう。これに合わせてタイヤのロードノイズ、風きり音すらも完璧に抑え込まれていたならば、これはもはや完全無欠の高級車です。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 9 19 28 37 47 56 65 75
2速 15 29 44 58 73 88 102 117
3速 22 44 65 87 109 131 153 174
4速 27 54 81 109 136 163 190 217
5速 36 71 107 142 178 214 249 285
6速 47 93 140 187 234 280 327 374
7速 57 114 170 227 284 341 397 454
8速 73 146 219 292 365 438 511 584

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(4500回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの255/55R19と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 255/55R19 | 直径 763mm

-20mm
幅235mm
-10mm
幅245mm
変更なし
幅255mm
+10mm
幅265mm
+20mm
幅275mm
50 235/50R19
37.6km/h
径 718mm
差 -45mm
245/50R19
38.2km/h
径 728mm
差 -35mm
255/50R19
38.7km/h
径 738mm
差 -25mm
265/50R19
39.2km/h
径 748mm
差 -15mm
275/50R19
39.7km/h
径 758mm
差 -5mm
55 235/55R19
38.9km/h
径 742mm
差 -21mm
245/55R19
39.5km/h
径 753mm
差 -10mm
255/55R19
40.0km/h
763mm
0mm
265/55R19
40.6km/h
径 775mm
差 +12mm
275/55R19
41.2km/h
径 786mm
差 +23mm
60 235/60R19
40.1km/h
径 765mm
差 +2mm
245/60R19
40.7km/h
径 777mm
差 +14mm
255/60R19
41.4km/h
径 789mm
差 +26mm
265/60R19
42.0km/h
径 801mm
差 +38mm
275/60R19
42.6km/h
径 813mm
差 +50mm
65 235/65R19
41.4km/h
径 789mm
差 +26mm
245/65R19
42.0km/h
径 802mm
差 +39mm
255/65R19
42.7km/h
径 815mm
差 +52mm
265/65R19
43.4km/h
径 828mm
差 +65mm
275/65R19
44.1km/h
径 841mm
差 +78mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、235/55R19 、245/50R19、245/55R19 、255/50R19 、265/50R19 、275/50R19あたりのタイヤがおすすめです。

255/55R19のタイヤ幅を235mmから285mmまで、扁平率を40%から70%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、255/55R19の適応サイズと性能の変化 [4MCVMS型Q7編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
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4MCVMS型 Q7 3.0Lターボ 4WD/8ATの通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を比較してみます。

運動性能部門 10項目
評価項目全車種平均数値得点評価
PWR9.79㎏/PS8.09㎏/PS54.6ptB
最高回転数5880rpm3500rpm20.7ptF
1速ギヤ
加速性能
1.58㎏/㎏m0.89㎏/㎏m64.5ptA
1速ギヤ
最高速
51.1㎞/h37.4㎞/h37.4ptE
1リットル
換算馬力
103.35PS/L91.68PS/L45.8ptD
1リットル
換算トルク
15.98㎏m/L20.63㎏m/L64.4ptA
WB/TR比1.7731.78049.3ptC
ワイド&
ロー指数
0.8940.88150.9ptC
前面の面積2.631m23.418m228.0ptF
最低地上高154.5mm210mm27.5ptF
スポーツ性能部門の得点419.1pt
総合評価E

※PWR(パワーウェイトレシオ)・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比(旋回性能重視)・ワイド&ロー指数(見た目のかっこよさ)・前面の面積(≒前方投影面積・空気抵抗)・最低地上高については数値が小さいほど高得点。最高回転数・1速ギヤ最高速・1リットル換算馬力・1リットル換算トルクについては数値が大きいほど高得点。

ユーティリティ部門 10項目
評価項目全車種平均数値得点評価
年間維持費340696円329400円51.0ptC
WLTC燃費16.2km/L11.6km/L40.5ptD
100km/h
回転数
2490rpm1370rpm64.8ptA
航続距離644.1km870.0km63.0ptA
車の大きさ11.468m317.312m326.9ptF
車内の広さ3430.7L-46.6ptC
乗車定員4.8人7人68.3ptA
1人あたり
車内広さ
691.9L-44.2ptD
車内床面積2.793m2-46.0ptC
最小回転
半径
5.17m5.7m39.2ptD
ユーティリティ部門の得点490.5pt
総合評価C

※WLTC燃費・航続距離(燃費×燃料タンク容量)・室内の広さ(室内長×室内幅×室内高)・乗車定員・1人あたりの車内の広さは数値が大きいほど高得点、新車価格・年間維持費・100km/h回転数・車の大きさ(全長×全幅×全高)・最小回転半径は数値が小さいほど高得点。

結果発表!
部門 全10706車種中 RANK
運動性能 419.1pt 9986位 E
運動性能部門 ランキング
ユーティリティ 490.5pt 5062位 C
ユーティリティ部門 ランキング
総合得点 909.6pt 9729位 E
総合得点ランキング

スポーツ性能部門は419.1点で全10706車種中の9986位、ユーティリティ部門は490.5点で5062位、総合得点は909.6点で9729位となりました。各部門、獲得点数が多い車種から順番に並べたランキングを用意してありますのでご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介した4MCVMS型 Q7(4WD/8AT) の各種スペックを、7人乗SUV3000ccという属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを比較してみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

Q7の歴代モデル

2代目 4MCYRS型 Q7
4MCYRS Q7は2016/03に登場した2代目モデル。参考車両の「2.0TFSI Quattro 5人乗」は全長5070mm、全幅1970mm、全高1735mmの車体に、252PS/37.7kgmを発生するCYR型1984ccエンジンを搭載した5人乗りSUV。

初代 4LBARS型 Q7
4LBARS Q7は2006/10に登場した初代モデル。参考車両の「4.2FSI-Quattro」は全長5090mm、全幅1985mm、全高1740mmの車体に、350PS/44.9kgmを発生するBAR型4163ccエンジンを搭載した7人乗りSUV。


人気があるSUVの車種比較


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