F3DFGF:Q3の性能と維持費 4WD/7AT 5人 531万円 2023年式

このページでは、アウディの5ドア・5人乗りSUV、2代目の3DA-F3DFGF型Q3 35 TDI quattro Advanced【2023/04モデル・150PS/34.7kgm・4WD/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

F3DFGF Q3
販売期間:2020/08 - 現行車

画像はアウディより引用
http://www.audi.co.jp/
投稿日:2023/11/24

ボディサイズが全長4490mm×全幅1840mm×全高1610mm、排気量は1968ccであることから、大雑把に分類すると2.0リットルクラス(2000cc、自動車税は2.0L以下を適用)に属し、全長、全高、排気量は5ナンバー枠ながら全幅が1.7mを超えていることにより3ナンバー登録になります。この手のタイプはいわゆる世界戦略車(グローバルカー)に多くあるようです。
参考:100PS~150PSの自動車 一覧

駆動方式には車両に備わる全てのタイヤを駆動する、いわゆる四輪駆動(All Wheel Drive・AWD・Four Wheel Drive・4WDとも)を採用しています。真っ直ぐ進むことに掛けては右に出る者なしとされ、大雨、強風、泥濘、降雪、凍結など天変地異による悪天候下や悪路にて無類の強さを発揮する安心の駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4490mmであるこの車の場合は「ミディアム」(Medium:4300mm超-4650mm以下・Dセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


F3DFGF型 Q3 [1968cc/150PS 4WD/7AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

2代目Q3の類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2023/09
F3DFY型
[35 TFSI]
1.5L-TB・FF/7AT・485.0万円
150PS・25.5kgm・15.5km/L
150PS
25.5kgm
15.5km/L
2023/09
F3DNWF型
[BaseGrade]
2.5L-TB・4WD/7AT・910.0万円
400PS・48.9kgm・10.4km/L
400PS
48.9kgm
10.4km/L
2023/09
F3DNWF型
[BaseGrade]
2.5L-TB・4WD/7AT・936.0万円
400PS・48.9kgm・10.4km/L
400PS
48.9kgm
10.4km/L
2代目 Q3 型式一覧 F3系まとめ 2020-【全12車種】
Q3の旧型モデル
初代 謎型RS Q3
謎型RS Q3は2014/03に登場した初代モデル。参考車両の「Performance」は全長4410mm、全幅1840mm、全高1595mmの車体に、367PS/47.4kgmを発生する2480ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー アウディ
車名&
グレード
Q3
35 TDI quattro Advanced
その他 4.812(1-4-5-B)/3.666(2-3-6-7)
お値段 5310000円
車両型式 3DA-F3DFGF
駆動方式
変速機
4WD・四輪駆動(AWD)
7速AT・7速オートマ車
ドア/定員 5ドア/5名乗車
車体寸法 長4490×幅1840×高1610mm
軸距&
輪距
2680mm
前1580mm/後1585mm
最小半径 5.4m
最低高 185mm
タイヤ 前輪:235/55R18
後輪:235/55R18
ブレーキ 前:ディスク
後:ディスク
車両重量 1700kg
エンジン諸元
原動機型式 DFG
気筒配列 直列4気筒+モーター
排気量1968cc
圧縮比16.2
吸気方式 ターボ
最高出力 150PS[110kW]/3500-4000rpm
最大トルク 34.7kgm[340Nm]/1750-3000rpm
使用燃料 軽油(ディーゼル燃料)
WLTC燃費 15.4km/L(36.2mpg)
JC08燃費 17.8km/L(41.9mpg)
100km燃費 6.5L/100km
DFG型エンジンの諸元と性能まとめ
直列4気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に4個配置する方式。小排気量から2.5Lあたりまでをカバー。モーターを組み合わせることでハイブリッドカーとなります。
これまでに登場したハイブリッドカーの一覧
直列4気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税36000円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税16400円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かる軽油代月額5500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、Q3の新車を610.7万円(諸費用として79.7万円を加算)にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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新車で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 2000cc以下 11年未満 36000円
自動車重量税(1年分) 2.0トン以下 13年未満 16400円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
燃料代(年間1万km) 10000km÷15.4km/L×150円/L 97400円
オイル交換(5000km毎) 1回5500円×2回 11000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本18000円×4本÷5年 14400円
任意保険料(月額5500円) 月額5500円×12ヶ月 66000円
ローン完済後の年間維持費 250100円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額101780円×12ヶ月 1221360円
ローン返済中の年間維持費 1471400円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 53500円
名目 金額
自動車税(1年分) 36000円
自動車重量税(1年分) 16400円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
97400円
(68180円)
(48700円)
(29220円)
オイル交換(5000km毎) 11000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 14400円
任意保険料(月額5500円) 66000円
ローン完済後の年間維持費 250100円
名目 金額
車のローン額(1年分) 1221360円
ローン返済中の年間維持費 1471400円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
53500円
  • 初度登録から1年経過車の場合、「2000cc以下で11年未満」クラスの自動車税は36000円、「2.0トン以下で13年未満」クラスの自動車重量税は16400円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに5500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本18000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額5500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした53500円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

Q3【35 TDI quattro Advanced】の場合、維持費の月額は20900円です。これは今にも壊れそうな格安車、あるいは維持費の安さに全てを懸けたコスパ重視のスペシャルマシンから少しステップアップしたクラスになります。

「廉価車にしか乗れなかった自分が、ついにこれだけの維持費が掛かる車を所有できるようになったのだ、新しい自分になれたのだ。あの頃のアタシ、サヨナラ…」とかいう謎のカタルシスに浸りつつ、はるか高みで微笑む理想の自分に近付けるよう自分磨きに邁進しましょう。車としての維持費は安いほうで使い勝手も申し分のない、バランスの取れたクラスです。

Q3の維持費は高い?安い?

「Q3の年間維持費は250100円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「2000ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてQ3の維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いCX-30169600円-80500円
CT214400円-35700円
Q3の維持費250100円
スイフト スポーツ271800円+21700円
シビック タイプR308100円+58000円
基準2000ccクラス平均311700円+61600円
アコード340200円+90100円
WRX STI359000円+108900円
エクスプローラー406700円+156600円
高いBX476000円+225900円

Q3の年間維持費を、2000ccクラスで最も維持費が安いCX-30と比較して80500円高く、最も高いBXと比較して225900円安く、2000ccクラスの平均維持費との比較では61600円安くなっています。

最低額のCX-30と最高額のBXは極端な例としても、2000ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、Q3の維持費は まあまあ安い! と言えそうです。

年間維持費が安い 2000ccクラスの車 ランキング

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、軽油(ディーゼル燃料)1リットルあたり150円を基準として、-50円となる100円から、+50円となる200円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費15.4km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
100円/L
64940円
[-32460円]
-25円
125円/L
81180円
[-16220円]
-10円
140円/L
90920円
[-6480円]
150円/L97400円
[0円]
+10円
160円/L
103910円
[+6510円]
+25円
175円/L
113650円
[+16250円]
+50円
200円/L
129880円
[+32480円]

燃費15.4km/LのF3DFGF型 Q3で10000km走行するのに必要な燃料は649.4L、1リットルあたり150円としたときの燃料代は97400円になります。

参考までに、Q3の燃料タンクは63リットルですので、649.4Lの給油回数は11回、1回あたりの燃料代は約8860円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては6510円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると16250円、50円も違ってくると32480円にもなります。

これをF3DFGF型 Q3の年間維持費に当てはめてみますと、軽油(ディーゼル燃料)1リットルあたり150円の場合を250100円としたとき、100円/Lに値下がりすれば217640円(87.0%)に、200円/Lに値上がりすれば282580円(113.0%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(36000円)なり重量税(16400円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなれば軽油代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 36000円 23%
自動車重量税 1年分 16400円 10%
自賠責保険料 1年分 8825円 6%
燃料代 3000km分 29220円 18%
オイル交換 年1回 5500円 3%
タイヤ交換 6年毎 9600円 6%
任意保険料 80% 52800円 34%
合計
[1万kmとの差額]
158400円
-91700円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 36000円 20%
自動車重量税 1年分 16400円 9%
自賠責保険料 1年分 8825円 5%
燃料代 5000km分 48700円 27%
オイル交換 年1回 5500円 3%
タイヤ交換 6年毎 9600円 5%
任意保険料 85% 56160円 31%
合計
[1万kmとの差額]
181200円
-68900円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 36000円 17%
自動車重量税 1年分 16400円 8%
自賠責保険料 1年分 8825円 4%
燃料代 7000km分 68180円 33%
オイル交換 年1回 7700円 4%
タイヤ交換 6年毎 9600円 5%
任意保険料 90% 59400円 29%
合計
[1万kmとの差額]
206200円
-43900円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、軽油代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料66000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて91700円安い158400円に、5000km走行では68900円安い181200円に、7000km走行では43900円安い206200円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。軽油代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 36000円 11%
自動車重量税 1年分 16400円 5%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 15000km分 146100円 45%
オイル交換 年3回 33000円 10%
タイヤ交換 2.7年毎 21600円 7%
任意保険料 100% 66000円 19%
合計
[1万kmとの差額]
328000円
+77900円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 36000円 9%
自動車重量税 1年分 16400円 4%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 20000km分 194800円 49%
オイル交換 年4回 44000円 11%
タイヤ交換 2年毎 28800円 7%
任意保険料 100% 66000円 18%
合計
[1万kmとの差額]
394900円
+144800円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
輸入車・外車の小型車&普通車編
2000cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
5人乗りSUV・RV編

【WLTC特典】市街地・郊外・高速道路の走行比率が変わると?

ひとくちにWLTCモード燃費と言いましても、信号や渋滞があるノロノロ道路の走行を想定した市街地モード(11.9km/L)、信号や渋滞が少ないスイスイ道路の走行を想定した郊外モード(15.2km/L)、高速道路の走行を想定した高速道路モード(17.7km/L)という3つの走行パターンを内包してありまして、これらを「平均的な使用時間配分」なるもので構成したのがWLTCモード燃費(15.4km/L)ということになります。

ここでは年間走行距離を10000kmとして市街地、郊外、高速道路の走行比率を変えてみたとき、WLTCモード燃費での軽油代97400円からどのように変化するかを見ていきたいと思います。

  • 1リットル150円として計算。
  • []内は低燃費タイヤ装着(エコタイヤ)で燃費が3%向上すると仮定した場合の軽油代。
    「差額で元が取れるかな?どうかな?」という、なかなかに絶妙なラインです。
参考:燃費が3%向上すると…?
市街地11.9km/L → 12.3km/L
郊外15.2km/L → 15.7km/L
高速道路17.7km/L → 18.2km/L

●例1:都市部にお住まい

まず最初に、市街地の住まいを想定して、走行の大半を市街地(90%)、たまに郊外へお買い物(5%)、稀に高速道路に乗ってどこか遠くへ…(5%)という場合で見てみます。

市街地90%・郊外5%・高速5%
市街地9000km113450円
[109760円]
郊外500km4940円
[4770円]
高速道路500km4230円
[4130円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
122620円
+25220円
12.2km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
118660円
-3960円
12.6km/L
  • 市街地走行の軽油代
    市街地の走行を9000kmとするとき、市街地モード燃費が11.9km/Lでは軽油756.3Lを消費して、軽油代は113450円になります。
  • 郊外走行の軽油代
    郊外の走行を500kmとするとき、郊外モード燃費が15.2km/Lでは軽油32.9Lを消費して、軽油代は4940円になります。
  • 高速道路走行の軽油代
    高速道路の走行を500kmとするとき、高速道路モード燃費が17.7km/Lでは軽油28.2Lを消費して、軽油代は4230円になります。

このパターンでは使用した燃料量が817.4L、かかった軽油代が122620円となり、平均燃費は12.2km/L(-3.2km/L)、WLTCモード燃費との軽油代の差は+25220円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着で燃費が3%アップするとして、同じ条件で走行すると軽油代は118660円となり、3960円安くなります。車検2回ごとにタイヤ交換するとき、寿命までの5年間で19800円の経費削減になる計算です。純正タイヤとエコタイヤの差額がこれ以上ならお得、以下なら…?

●例2:市街地と郊外を行き来

次に、とにかく市街地と郊外を行ったり来たりする条件を想定して、市街地の走行を50%、郊外の走行を50%、高速道路は走行しない場合を見てみます。

市街地50%・郊外50%・高速0%
市街地5000km63030円
[60980円]
郊外5000km49340円
[47780円]
高速道路0km0円
[0円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
112370円
+14970円
13.3km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
108760円
-3610円
13.8km/L
  • 市街地走行の軽油代
    市街地の走行を5000kmとするとき、市街地モード燃費が11.9km/Lでは420.2Lを消費して、軽油代は63030円になります。
  • 郊外走行の軽油代
    郊外の走行を5000kmとするとき、郊外モード燃費が15.2km/Lでは328.9Lを消費して、軽油代は49340円になります。

このパターンでは使用した燃料量が749.1L、かかった軽油代が112370円となり、平均燃費は13.3km/L(-2.1km/L)、WLTCモード燃費との軽油代の差は+14970円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着では軽油代が108760円となり、1年間で3610円、5年間で18050円の経費削減になる計算です。

●例3:市街地・郊外・高速道路をMix

続いて、都市部に住んでいて郊外の職場へ通勤、あるいは郊外に住んでいて都市部の職場へ通勤、高速利用もバッチリ!という感じでシミュレーションしてみます。

市街地33.3%・郊外33.4%・高速33.3%
市街地3330km41970円
[40610円]
郊外3340km32960円
[31910円]
高速道路3330km28220円
[27450円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
103150円
+5750円
14.5km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
99970円
-3180円
15.0km/L
  • 市街地走行の軽油代
    市街地の走行を3330kmとするとき、市街地モード燃費が11.9km/Lでは279.8Lを消費して、軽油代は41970円になります。
  • 郊外走行の軽油代
    郊外の走行を3340kmとするとき、郊外モード燃費が15.2km/Lでは219.7Lを消費して、軽油代は32960円になります。
  • 高速道路走行の軽油代
    高速道路の走行を3330kmとするとき、高速道路モード燃費が17.7km/Lでは188.1Lを消費して、軽油代は28220円になります。

このパターンでは使用した燃料量が687.6L、かかった軽油代が103150円となり、平均燃費は14.5km/L(-0.9km/L)、WLTCモード燃費との軽油代の差は+5750円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着では軽油代が99970円となり、1年間で3180円、5年間で15900円の経費削減になる計算です。

●例4:農村部にお住まい

最後に、びっくりするほど田舎な住まいを想定して、市街地の走行を5%、郊外の走行を90%、高速道路の走行を5%とした場合を見てみます。

市街地5%・郊外90%・高速5%
市街地500km6300円
[6110円]
郊外9000km88820円
[85980円]
高速道路500km4230円
[4130円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
99350円
+1950円
15.1km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
96220円
-3130円
15.6km/L
  • 市街地走行の軽油代
    市街地の走行を500kmとするとき、市街地モード燃費が11.9km/Lでは42.0Lを消費して、軽油代は6300円になります。
  • 郊外走行の軽油代
    郊外の走行を9000kmとするとき、郊外モード燃費が15.2km/Lでは592.1Lを消費して、軽油代は88820円になります。
  • 高速道路走行の軽油代
    高速道路の走行を500kmとするとき、高速道路モード燃費が17.7km/Lでは28.2Lを消費して、軽油代は4230円になります。

このパターンでは使用した燃料量が662.3L、かかった軽油代が99350円となり、平均燃費は15.1km/L(-0.3km/L)、WLTCモード燃費との軽油代の差は+1950円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着では軽油代が96220円となり、1年間で3130円、5年間で15650円の経費削減になる計算です。

以上、極端な条件でのシミュレーションではありますが、走行シチュエーションによって平均燃費は変わり(12.2km/L・13.3km/L・14.5km/L・15.1km/L)、軽油代のほうもなかなかな違い(122620円・112370円・103150円・99350円)が出てくることがわかります。


市街地・郊外・高速道路の満タン航続距離

各モード燃費と航続距離
燃料タンク容量 63リットル
WLTCモード燃費
15.4km/L
970.2km
市街地燃費
11.9km/L
749.7km
[-220.5km]
郊外燃費
15.2km/L
957.6km
[-12.6km]
高速道路燃費
17.7km/L
1115.1km
[+144.9km]
満タン給油価格 9450円
1km走行コスト 9.74円
1万円走行距離 1026.7km

WLTCモード燃費が15.4km/L、燃料タンク容量63リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は970.2kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(13.9km/L)とすると航続距離は875.7km、80%(12.3km/L)だと774.9km、70%(10.8km/L)では680.4kmになります。

WLTCモード燃費には市街地モード・郊外モード・高速道路モードという3つの走行パターンが内包されておりますので、参考までにそれぞれのモード燃費で燃料タンクが空になるまで走行した場合の満タン航続距離を計算してみます。

燃料タンクの容量を63Lとしたとき、市街地モード燃費11.9km/Lでの航続距離は749.7km(-220.5km)、郊外モード燃費15.2km/Lでの航続距離は957.6km(-12.6km)、高速道路モード燃費17.7km/Lでの航続距離は1115.1km(+144.9km)となります。

ある特定のシチュエーションのみを、燃料タンクが空になるまで走行することはなかなかありませんが、「その気になればこのくらいの距離を走れちゃうんだぜ!」という参考データだけは持っておくと、次回の給油回数削減チャレンジでギリギリのラインを狙っていくのに役立つ、かもしれません。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から63リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、軽油(ディーゼル燃料)を1リットルあたり150円では9450円、上で計算した航続距離を踏まえると970.2km(80%燃費時774.9km)を走行するのに9450円かかる計算です。

燃費を15.4km/Lとしたときの1km走行コストは9.74円、10万km走行したときの燃料代は97.4万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら9.7万円/年、7年10万kmなら13.9万円/年、5年10万kmなら19.5万円/年、3年10万kmなら32.5万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば1026.7km(往復なら片道513.3km)、カタログ値の80%なら821.3km(片道410.7km)離れたところまで行くことができます。

カタログデータから見えてくる要素

DFG型エンジン簡易性能曲線図
各回転域での馬力
1750回転時の馬力 85PS
3000回転時の馬力 145PS
3500回転時の馬力 150PS
4000回転時の馬力 150PS
各回転域でのトルク
1750回転時のトルク 34.7kgm
3000回転時のトルク 34.7kgm
3500回転時のトルク 30.7kgm
4000回転時のトルク 26.9kgm
DFG型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載しているDFG型1968cc、直列4気筒+モーターのターボエンジンは3500-4000回転時に最高出力150馬力を、1750-3000回転時に最大トルク34.7kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、低めの回転数から中間域にトルクのピークがあるこのエンジンは、街中での普段使いに心地よく、高回転もそれなりでバランスの取れたタイプです。多くの乗用車がこの特性に当て嵌まるのではないかと思います。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する1750rpmから最高出力が発生する4000rpmまで」の2250rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は56.2%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
2000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
2000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ11.333kg/PS(1700kg/150PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ11.333kg/PS
車体+1人11.700kg/PS
車体+5人13.167kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg11.733kg/PS
車体+70kg11.800kg/PS
車体+80kg11.867kg/PS
車体+90kg11.933kg/PS
車体+100kg12.000kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは11.700kg/PS(1755kg/150PS)となり、数値としては0.367kg、比率にすると3.2%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは13.167kg/PS(1975kg/150PS)となり、数値としては1.834kg、比率にすると16.2%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

F3DFGF Q3のライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2023/04

-
Q3
11.700kg/PS
1755kg/150PS|2.0L-TB
[車体のみPWR:11.333]
2011/06

車種詳細
シエンタ
11.591kg/PS
1275kg/110PS|1.5L-NA
車体のみPWR:11.091
2015/04

車種詳細
ステップワゴン スパーダ
11.700kg/PS
1755kg/150PS|1.5L-TB
車体のみPWR:11.333
2018/09

車種詳細
フォレスター
11.690kg/PS
1695kg/145PS|2.0L-NA
車体のみPWR:11.310
2013/06

車種詳細
アコード ハイブリッド
11.713kg/PS
1675kg/143PS|2.0L-NA
車体のみPWR:11.329
2016/11

車種詳細
ルーミー
11.786kg/PS
1155kg/98PS|1.0L-TB
車体のみPWR:11.224

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ11.700kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

11.583kg/PSから11.817kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、トヨタの7人乗りミニバン「NCP81G型 シエンタ」、ホンダの7人乗りミニバン「RP3型 ステップワゴン スパーダ」、スバルの5人乗りSUV「SKE型 フォレスター」、ホンダの5人乗りセダン「CR6型 アコード ハイブリッド」、トヨタの5人乗りミニバン「M900A型 ルーミー」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

F3DFGF型 Q3 [35 TDI quattro Advanced]のライバル車種|11.700kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は88.2PS/tとなっています。


Q3がバイクと競争するなら…?


車種詳細
GB350|348cc
11.650kg/PS
233kg/20.0PS/3.00kgm
[車体のみPWR:8.900]
1速ギヤ速度:41.4km/h
最小TWR:1.184
2023/04

-
Q3|1968cc
11.700kg/PS
1755kg/150PS/34.7kgm
[車体のみPWR:11.333]
1速ギヤ速度:31.3km/h
最小TWR:1.019

車種詳細
CBX125 カスタム|124cc
11.733kg/PS
176kg/15.0PS/1.10kgm
[車体のみPWR:8.067]
1速ギヤ速度:41.0km/h
最小TWR:1.139

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではQ3とパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

NC59 GB350と競争してみる

まずQ3より少しPWRが低いバイクとして、ホンダのGB350が挙げられます。PWRの11.650kg/PSは車両重量178kgにライダーの体重55kgを加えた233kgを、最高出力20.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はGB350に10.1km/h劣り、1速TWRは0.165kg勝る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

JC12 CBX125 カスタムと競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、ホンダのCBX125 カスタムが挙げられます。PWRの11.733kg/PSは車両重量121kg+55kgの176kgを、最高出力15.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は9.7km/h劣り、1速TWRは0.120kg勝る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.693
平均ピストンスピード 12.73m/s
トルクウェイトレシオ 48.99kg/kgm
1馬力あたりのお値段 35400円
排気量1Lあたり馬力 76.22PS/L
排気量1Lあたりトルク 17.63kgm/L
1気筒あたりの馬力 37.5PS
1気筒あたりのトルク 8.7kgm
パワーバンド比率 56.2%
燃費×馬力 2310.0pt
各種ランキング
SUV・RV・クロカンのPWR
1.8~2.0Lターボ車のPWR

トルクウェイトレシオは48.99kg/kgm(1700kg/34.7kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が5310000円、最高出力が150馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は35400円、逆に1万円あたりでは0.28馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は153026円、1万円あたりでは0.07kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
2000cc以下の車編
5人乗りSUV編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は76.22PS/L、トルクは17.63kgm/L、1気筒あたりの馬力は37.5馬力、トルクは8.7kgmとなり、このエンジンが150馬力を4000回転で発生させているときの平均ピストンスピードは12.73m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.693になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと小回りを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が15.4km/L、最高出力が150PSであるこの車の獲得ポイントは2310.0ptになります。
戯れに車両重量1700kgを100kg単位にした17.0で割ってみたところ、その数値は135.88ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)



Q3での車中泊

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.57m
期待される荷室の幅 1.44m
対角線の長さ 2.13m
期待される荷室の面積 2.26m²

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

縦方向の長さが1.57m(対角線では2.13m)となれば、一般的な身長ならそれなりの車中泊を楽しむことができそうです。

車の中で足を伸ばして優雅に寝られる悦びを味わうために最低限必要な長さを備えた、車中泊のスタンダードと呼ぶに相応しい性能を有しています。

一見すると車中泊が可能そうに見えるハッチバックやワゴン、SUVであってもリアシートが前に倒れなかったり、倒れても中途半端であったり、凝った足回りのせいで室内に巨大な出っ張りがあったりで、なかなか思うようにはいきませんが、大抵のケースでは知恵と工夫で何とかなるはずです。
車中泊にあると嬉しいアイテム

ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合3500-4000rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした4500回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 4500rpm|タイヤサイズ 235/55R18|タイヤ直径 71.6cm|円周長 224.9cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
4500rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 3.578 17.22 -
-
35km/h 12760rpm 1668.8kgm
2速 2.095 10.08 0.586 1-2/
2640rpm
60km/h 7470rpm 977.1kgm
3速 1.278 6.15 0.610 2-3/
2750rpm
99km/h 4560rpm 596.1kgm
4速 0.888 4.27 0.695 3-4/
3130rpm
142km/h 3170rpm 414.2kgm
5速 0.677 3.26 0.762 4-5/
3430rpm
186km/h 2410rpm 315.8kgm
6速 0.550 2.65 0.812 5-6/
3650rpm
229km/h 1960rpm 256.5kgm
7速 0.427 2.05 0.776 6-7/
3490rpm
296km/h 1520rpm 199.2kgm
Final 4.812 レシオカバレッジ(変速比幅)8.379

  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数1750-3000rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.812)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(34.7kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.812)÷タイヤの有効半径(0.358m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は7速ギヤの296km(4000rpmでは262.7km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

おまけ:4000rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

4000rpmでの速度と
シフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ31km/h-
2速ギヤ54km/h2340rpm
3速ギヤ88km/h2440rpm
4速ギヤ126km/h2780rpm
5速ギヤ166km/h3050rpm
6速ギヤ204km/h3250rpm
7速ギヤ263km/h3100rpm

F3DFGF型Q3に搭載されたDFG型1968ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する4000rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

まず1速ギヤで4000rpmまで引っ張ると31km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は4000rpmから2340rpmまで落ち、そこから4000rpmまで加速を続けると速度は54km/h(+23km/h)になります。

3速ギヤでは2440rpmまで落ちて4000rpmで88km/h(+34km/h)に、4速ギヤでは2780rpmまで落ちて4000rpmで126km/h(+38km/h)に、5速ギヤでは3050rpmまで落ちて4000rpmで166km/h(+40km/h)になります。

続いて6速ギヤでは3250rpmまで落ちて4000rpmで204km/h(+38km/h)に、7速ギヤでは3100rpmまで落ちて4000rpmで263km/h(+59km/h)という具合に加速していくイメージです。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが1750-3000回転で最大トルク34.7kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば48.99kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(11.333kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと1668.8kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1700kg)を1速ギヤの最大駆動力(1668.8kgm)で割ってみると1.019kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する4000回転でのトルク(26.9kgm)からTWRを算出すると1.31kg/kgmとなり、1750-4000回転の回転域では1.019-1.31kg/kgmの間で推移することがわかります。


ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 5100 7660 10210 12760 15310 17860 22970
2速 2990 4480 5980 7470 8960 10460 13450
3速 1820 2730 3650 4560 5470 6380 8200
4速 1270 1900 2530 3170 3800 4430 5700
5速 970 1450 1930 2410 2900 3380 4350
6速 780 1180 1570 1960 2350 2750 3530
7速 610 910 1220 1520 1830 2130 2740
※赤い数字は暫定レブリミット(4500rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.427)を選択して時速100kmにて走行すると1520回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは910回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1070回転、一般的な高速道路の80km/hでは1220回転、100km/hでは1520回転、制限速度が120km/hになると1830回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは2740回転まで回ります。

これほどまでに時速100kmでの巡航回転数が低ければ、(パワーさえ足りていれば)高速道路では向かうところ敵なしです。エンジンノイズによる疲れとは無縁の世界、ただひたすらに回り続けるエンジンのなんと頼もしいことでしょう。これに合わせてタイヤのロードノイズ、風きり音すらも完璧に抑え込まれていたならば、これはもはや完全無欠の高級車です。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 8 16 24 31 39 47 55 63
2速 13 27 40 54 67 80 94 107
3速 22 44 66 88 110 132 154 176
4速 32 63 95 126 158 189 221 253
5速 41 83 124 166 207 249 290 331
6速 51 102 153 204 255 306 357 408
7速 66 131 197 263 328 394 460 525

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(4500回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの235/55R18と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 235/55R18 | 直径 716mm

-20mm
幅215mm
-10mm
幅225mm
変更なし
幅235mm
+10mm
幅245mm
+20mm
幅255mm
-5%
50
扁平
215/50R18
37.5km/h
直径672mm
径差-44mm
225/50R18
38.1km/h
直径682mm
径差-34mm
235/50R18
38.7km/h
直径692mm
径差-24mm
245/50R18
39.2km/h
直径702mm
径差-14mm
255/50R18
39.8km/h
直径712mm
径差-4mm
0%
55
扁平
215/55R18
38.8km/h
直径694mm
径差-22mm
225/55R18
39.4km/h
直径705mm
径差-11mm
235/55R18
40.0km/h
716mm
0mm
245/55R18
40.6km/h
直径727mm
径差+11mm
255/55R18
41.2km/h
直径738mm
径差+22mm
+5%
60
扁平
215/60R18
39.9km/h
直径715mm
径差-1mm
225/60R18
40.6km/h
直径727mm
径差+11mm
235/60R18
41.3km/h
直径739mm
径差+23mm
245/60R18
42.0km/h
直径751mm
径差+35mm
255/60R18
42.6km/h
直径763mm
径差+47mm
+10%
65
扁平
215/65R18
41.2km/h
直径737mm
径差+21mm
225/65R18
41.9km/h
直径750mm
径差+34mm
235/65R18
42.6km/h
直径763mm
径差+47mm
245/65R18
43.4km/h
直径776mm
径差+60mm
255/65R18
44.1km/h
直径789mm
径差+73mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、215/55R18、215/60R18 、225/50R18、225/55R18 、235/50R18 、245/50R18 、255/50R18あたりのタイヤがおすすめです。

235/55R18のタイヤ幅を215mmから265mmまで、扁平率を40%から70%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、235/55R18の適応サイズと性能の変化 [F3DFGF型Q3編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
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F3DFGF型Q3[2.0Lターボ 4WD/7AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト11.333kg/ps45.72
1速ギヤ加速性能1.019kg/kgm61.90
1L換算馬力76.22ps/L40.23
1L換算トルク17.63kgm/L55.25
WB/TR比1.69358.25
ワイド&ロー指数0.87551.28
前面の面積2.962m²40.62
最低地上高185mm37.60
スポーツ性能部門の得点390.85

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
WLTC燃費15.4km/L48.43
年間維持費250100円57.01
100kmh回転数1520rpm62.86
航続距離970.2km64.86
車の大きさ13.301m³57.32
室内の広さ(仮) 2.412m³40.43
最小回転半径5.4m45.31
馬力単価35400円31.80
ユーティリティ部門の得点408.02

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した F3DFGF型Q3[2.0Lターボ 4WD/7AT] の総合得点は 798.87 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したF3DFGF型Q3(4WD/7AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全ての5人乗SUV」、「2000ccの5人乗SUV」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

Q3の歴代モデル

2代目 F3DPC型 Q3
F3DPC Q3は2020/08に登場した2代目モデル。参考車両の「35 TFSI」は全長4490mm、全幅1840mm、全高1610mmの車体に、150PS/25.5kgmを発生するDPC型1497ccエンジンを搭載した5人乗りSUV。

初代 8UCULC型 Q3
8UCULC Q3は2012/05に登場した初代モデル。参考車両の「2.0TFSI Quattro」は全長4400mm、全幅1830mm、全高1615mmの車体に、220PS/35.7kgmを発生するCUL型1984ccエンジンを搭載した5人乗りSUV。