8UCHP:Q3の性能と維持費 FF/6AT 5人乗り 390万円 2014年式

このページでは、アウディの5ドア・5人乗りSUV、初代のABA-8UCHP型Q3 1.4TFSI【2014/08モデル・150PS/25.5kgm・FF/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

8UCHP Q3
販売期間:2012/05 - 2019/09

画像はアウディより引用
http://www.audi.co.jp/
投稿:2014/09/02|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長4385mm×全幅1830mm×全高1595mm、排気量は1394ccであることから、大雑把に分類すると1.4リットルクラス(1400cc、自動車税は1.5L以下を適用)に属し、全長、全高、排気量は5ナンバー枠ながら全幅が1.7mを超えていることにより3ナンバー登録になります。この手のタイプはいわゆる世界戦略車(グローバルカー)に多くあるようです。
参考:100PS~150PSの自動車 一覧

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、前輪のみを駆動する、フロントエンジン・フロントドライブ方式(FF・FWD・前輪駆動とも)を採用しています。この方式はエンジンと駆動系(ミッション、デフ等)の収納がエンジンルーム内で完結するので、軽量コンパクトかつ低コスト化が実現でき、室内を広く作りやすい(エンジンが横置きの場合)ほか、後輪駆動車に比べて直進安定性に優れることが主な特長です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4385mmであるこの車の場合は「ミディアム」(Medium:4300mm超-4650mm以下・Dセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


8UCHP型 Q3 [1394cc/150PS FF/6AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

初代Q3の類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2015/05
8UCULC型
[2.0TFSI Quattro]
2.0L-TB・4WD/7AT・539.0万円
220PS・35.7kgm・14.9km/L
220PS
35.7kgm
14.9km/L
2015/05
8UCULB型
[2.0TFSI Quattro]
2.0L-TB・4WD/7AT・469.0万円
180PS・32.6kgm・15.0km/L
180PS
32.6kgm
15.0km/L
2013/08
8UCCZF型
[2.0TFSI Quattro]
2.0L-TB・4WD/7AT・409.0万円
170PS・28.6kgm・12.7km/L
170PS
28.6kgm
12.7km/L
初代Q3の車両型式・グレード一覧【全8車種】
Q3の新型モデル
2代目 F3DNWF型RS Q3
F3DNWF型RS Q3は2020/12に登場した2代目モデル。参考車両の「BaseGrade」は全長4505mm、全幅1855mm、全高1605mmの車体に、400PS/48.9kgmを発生するDNW型2480ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー アウディ
車名&
グレード
Q3
1.4TFSI
その他 4.800(1-2-3-4)/3.600(5-6-B?)
お値段 3900000円
車両型式 ABA-8UCHP
駆動方式
変速機
FF・前輪駆動(FWD,2WD)
6速AT・6速オートマ車
ドア/定員 5ドア/5名乗車
車体寸法 長4385×幅1830×高1595mm
軸距&
輪距
2605mm
前1570mm/後1575mm
最小半径 5.7m
最低高 170mm
タイヤ 前輪:235/55R17
後輪:235/55R17
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ディスク
車両重量 1470kg
エンジン諸元
原動機型式 CHP
気筒配列 直列4気筒
排気量1394cc
圧縮比10.0
吸気方式 ターボ
最高出力 150PS[110kW]/5000-6000rpm
最大トルク 25.5kgm[250Nm]/1500-3500rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
JC08燃費 17.4km/L(40.9mpg)
100km燃費 5.7L/100km
CHP型エンジンの諸元と性能まとめ
直列4気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に4個配置する方式。小排気量から2.5Lあたりまでをカバー。
直列4気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税34500円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税12300円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額5000円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、2014/08モデルのQ3を10年落ちの中古で235.9万円にて購入し、頭金なしで4年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    Q3の2014/08モデルの場合、2024年現在では10年が経過しているため、新車価格の55%である214.5万円に諸経費として21.4万円を足した235.9万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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2014年式を10年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 1500cc以下 13年未満 34500円
自動車重量税(1年分) 1.5トン以下 13年未満 12300円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
燃料代(年間1万km) 10000km÷16.2×185円/L 114200円
オイル交換(5000km毎) 1回4500円×2回 9000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本15000円×4本÷5年 12000円
任意保険料(月額5000円) 月額5000円×12ヶ月 60000円
ローン完済後の年間維持費 250900円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額49160円×12ヶ月 589920円
ローン返済中の年間維持費 840800円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 45300円
名目 金額
自動車税(1年分) 34500円
自動車重量税(1年分) 12300円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
114200円
(79940円)
(57100円)
(34260円)
オイル交換(5000km毎) 9000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 12000円
任意保険料(月額5000円) 60000円
ローン完済後の年間維持費 250900円
名目 金額
車のローン額(1年分) 589920円
ローン返済中の年間維持費 840800円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
45300円
  • 初度登録から10年経過車の場合、「1500cc以下で13年未満」クラスの自動車税は34500円、「1.5トン以下で13年未満」クラスの自動車重量税は12300円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに4500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本15000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額5000円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした45300円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

Q3【1.4TFSI】の場合、維持費の月額は21000円です。これは今にも壊れそうな格安車、あるいは維持費の安さに全てを懸けたコスパ重視のスペシャルマシンから少しステップアップしたクラスになります。

「廉価車にしか乗れなかった自分が、ついにこれだけの維持費が掛かる車を所有できるようになったのだ、新しい自分になれたのだ。あの頃のアタシ、サヨナラ…」とかいう謎のカタルシスに浸りつつ、はるか高みで微笑む理想の自分に近付けるよう自分磨きに邁進しましょう。車としての維持費は安いほうで使い勝手も申し分のない、バランスの取れたクラスです。

Q3の維持費は高い?安い?

「Q3の年間維持費は250900円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「1500ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてQ3の維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いヤリス173300円-77600円
ジェイド210700円-40200円
フリード ハイブリッド224600円-26300円
スイフト スポーツ250200円-700円
Q3の維持費250900円
基準1500ccクラス平均251400円+500円
ステップワゴン スパーダ259700円+8800円
コルト Ralliart-R281600円+30700円
ゴルフ トゥーラン321300円+70400円
高いウーノ367800円+116900円

Q3の年間維持費を、1500ccクラスで最も維持費が安いヤリスと比較して77600円高く、最も高いウーノと比較して116900円安く、1500ccクラスの平均維持費との比較では500円安くなっています。

最低額のヤリスと最高額のウーノは極端な例としても、1500ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、Q3の維持費は ちょっと安い! と言えそうです。

年間維持費が安い 1500ccクラスの車 ランキング

Q3を維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟%年収月給手取り
10%330万円28万円22万円
15%220万円19万円15万円
20%160万円14万円11万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は330万円(総支給額28万円/月、手取り22万円/月)、ここから月額維持費2.1万円を支払うと残りは19.9万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は220万円(総支給額19万円/月、手取り15万円/月)、2.1万円を支払うと残りは12.9万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が160万円(総支給額14万円/月、手取り11万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。2.1万円を引くと残りは8.9万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代12万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり185円を基準として、-50円となる135円から、+50円となる235円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費16.2km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
135円/L
83340円
[-30860円]
-25円
160円/L
98770円
[-15430円]
-10円
175円/L
108030円
[-6170円]
185円/L114200円
[0円]
+10円
195円/L
120380円
[+6180円]
+25円
210円/L
129640円
[+15440円]
+50円
235円/L
145070円
[+30870円]

燃費16.2km/Lの8UCHP型 Q3で10000km走行するのに必要な燃料は617.3L、1リットルあたり185円としたときの燃料代は114200円になります。

参考までに、Q3の燃料タンクは63リットルですので、617.3Lの給油回数は10回、1回あたりの燃料代は約11420円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては6180円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると15440円、50円も違ってくると30870円にもなります。

これを8UCHP型 Q3の年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり185円の場合を250900円としたとき、135円/Lに値下がりすれば220040円(87.7%)に、235円/Lに値上がりすれば281770円(112.3%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(34500円)なり重量税(12300円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 34500円 23%
自動車重量税 1年分 12300円 8%
自賠責保険料 1年分 8825円 6%
燃料代 3000km分 34260円 23%
オイル交換 年1回 4500円 3%
タイヤ交換 6年毎 8000円 5%
任意保険料 80% 48000円 32%
合計
[1万kmとの差額]
150400円
-100500円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 34500円 20%
自動車重量税 1年分 12300円 7%
自賠責保険料 1年分 8825円 5%
燃料代 5000km分 57100円 32%
オイル交換 年1回 4500円 3%
タイヤ交換 6年毎 8000円 5%
任意保険料 85% 51000円 28%
合計
[1万kmとの差額]
176300円
-74600円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 34500円 17%
自動車重量税 1年分 12300円 6%
自賠責保険料 1年分 8825円 4%
燃料代 7000km分 79940円 39%
オイル交換 年1回 6300円 3%
タイヤ交換 6年毎 8000円 4%
任意保険料 90% 54000円 27%
合計
[1万kmとの差額]
203900円
-47000円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料60000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて100500円安い150400円に、5000km走行では74600円安い176300円に、7000km走行では47000円安い203900円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 34500円 10%
自動車重量税 1年分 12300円 4%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 15000km分 171300円 52%
オイル交換 年3回 27000円 8%
タイヤ交換 2.7年毎 18000円 5%
任意保険料 100% 60000円 18%
合計
[1万kmとの差額]
332000円
+81100円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 34500円 9%
自動車重量税 1年分 12300円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 20000km分 228400円 57%
オイル交換 年4回 36000円 9%
タイヤ交換 2年毎 24000円 6%
任意保険料 100% 60000円 14%
合計
[1万kmとの差額]
404100円
+153200円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
輸入車・外車の小型車&普通車編
1500cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
5人乗りSUV・RV編

Q3の燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
JC08モード燃費 17.4km/L
燃料タンク容量 63L
航続距離(カタログ燃費) 1096.2km
航続距離(80%燃費) 875.7km
満タンプライス 11655円
1km走行コスト 10.63円
1万円でどこまで行ける? 940.5km

JC08モード燃費が17.4km/L、燃料タンク容量63リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は1096.2kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(15.7km/L)とすると航続距離は989.1km、80%(13.9km/L)だと875.7km、70%(12.2km/L)では768.6kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から63リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり185円では11655円、上で計算した航続距離を踏まえると1096.2km(80%燃費時875.7km)を走行するのに11655円かかる計算です。

燃費を16.2km/Lとしたときの1km走行コストは10.63円、10万km走行したときの燃料代は106.3万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら10.6万円/年、7年10万kmなら15.2万円/年、5年10万kmなら21.3万円/年、3年10万kmなら35.4万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば940.5km(往復なら片道470.3km)、カタログ値の80%なら752.4km(片道376.2km)離れたところまで行くことができます。

カタログデータから見えてくる要素

CHP型エンジン簡易性能曲線図
各回転域での馬力
1500回転時の馬力 53PS
3500回転時の馬力 125PS
5000回転時の馬力 150PS
6000回転時の馬力 150PS
各回転域でのトルク
1500回転時のトルク 25.5kgm
3500回転時のトルク 25.5kgm
5000回転時のトルク 21.5kgm
6000回転時のトルク 17.9kgm
CHP型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載しているCHP型1394cc、直列4気筒のターボエンジンは5000-6000回転時に最高出力150馬力を、1500-3500回転時に最大トルク25.5kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、アイドリングとそれほど変わらないような回転数から最大トルクが発生するこのエンジンは、坂道発進も平気の平左、MT車でもエンスト知らず、扱いやすさにかけては右に出るものがありません。ディーゼル車やダウンサイジングターボに多くあります。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する1500rpmから最高出力が発生する6000rpmまで」の4500rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は75.0%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
1500cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
1500cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ9.800kg/PS(1470kg/150PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ9.800kg/PS
車体+1人10.167kg/PS
車体+5人11.633kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg10.200kg/PS
車体+70kg10.267kg/PS
車体+80kg10.333kg/PS
車体+90kg10.400kg/PS
車体+100kg10.467kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは10.167kg/PS(1525kg/150PS)となり、数値としては0.367kg、比率にすると3.7%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは11.633kg/PS(1745kg/150PS)となり、数値としては1.833kg、比率にすると18.7%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

8UCHP Q3のライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2014/08

-
Q3
10.167kg/PS
1525kg/150PS|1.4L-TB
[車体のみPWR:9.800]
2017/01

車種詳細
スイフト
10.165kg/PS
925kg/91PS|1.3L-NA
車体のみPWR:9.560
2013/12

車種詳細
エクストレイル
10.170kg/PS
1495kg/147PS|2.0L-NA
車体のみPWR:9.796
2017/12

車種詳細
クロスビー
10.253kg/PS
1015kg/99PS|1.0L-TB
車体のみPWR:9.697
2013/01

車種詳細
プレマシー
10.232kg/PS
1545kg/151PS|2.0L-NA
車体のみPWR:9.868
2012/11

車種詳細
フォレスター
10.101kg/PS
1495kg/148PS|2.0L-NA
車体のみPWR:9.730

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ10.167kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

10.065kg/PSから10.269kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、スズキの5人乗りハッチバック「ZC83S型 スイフト」、日産の5人乗りSUV「T32型 エクストレイル」、スズキの5人乗りSUV「MN71S型 クロスビー」、マツダの7人乗りミニバン「CWFFW型 プレマシー」、スバルの5人乗りSUV「SJ5型 フォレスター」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

8UCHP型 Q3 [1.4TFSI]のライバル車種|10.167kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は102.0PS/tとなっています。


Q3がバイクと競争するなら…?


車種詳細
スカイウェイブ250|249cc
10.154kg/PS
264kg/26.0PS/2.50kgm
[車体のみPWR:8.038]
1速ギヤ速度:38.7km/h
最小TWR:1.145
2014/08

-
Q3|1394cc
10.167kg/PS
1525kg/150PS/25.5kgm
[車体のみPWR:9.800]
1速ギヤ速度:47.0km/h
最小TWR:1.197

車種詳細
GSR250F|248cc
10.167kg/PS
244kg/24.0PS/2.20kgm
[車体のみPWR:7.875]
1速ギヤ速度:39.2km/h
最小TWR:1.049

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではQ3とパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

CJ44A スカイウェイブ250と競争してみる

まずQ3より少しPWRが低いバイクとして、スズキのスカイウェイブ250が挙げられます。PWRの10.154kg/PSは車両重量209kgにライダーの体重55kgを加えた264kgを、最高出力26.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はスカイウェイブ250に8.3km/h勝り、1速TWRは0.052kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

GJ55D GSR250Fと競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、スズキのGSR250Fが挙げられます。PWRの10.167kg/PSは車両重量189kg+55kgの244kgを、最高出力24.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は7.8km/h勝り、1速TWRは0.148kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.656
平均ピストンスピード 16.00m/s
トルクウェイトレシオ 57.65kg/kgm
1馬力あたりのお値段 26000円
排気量1Lあたり馬力 107.60PS/L
排気量1Lあたりトルク 18.29kgm/L
1気筒あたりの馬力 37.5PS
1気筒あたりのトルク 6.4kgm
パワーバンド比率 75.0%
燃費×馬力 2427.0pt
各種ランキング
SUV・RV・クロカンのPWR
1.3~1.5L以下のPWR

トルクウェイトレシオは57.65kg/kgm(1470kg/25.5kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が3900000円、最高出力が150馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は26000円、逆に1万円あたりでは0.38馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は152941円、1万円あたりでは0.07kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
1500cc以下の車編
5人乗りSUV編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は107.60PS/L、トルクは18.29kgm/L、1気筒あたりの馬力は37.5馬力、トルクは6.4kgmとなり、このエンジンが150馬力を6000回転で発生させているときの平均ピストンスピードは16.00m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が80.0mmであるCHP型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は7500回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.656になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと小回りを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が16.18km/L、最高出力が150PSであるこの車の獲得ポイントは2427.0ptになります。
戯れに車両重量1470kgを100kg単位にした14.7で割ってみたところ、その数値は165.10ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)



Q3での車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.535m
期待される荷室の幅 1.430m
対角線の長さ 2.098m
期待される荷室の面積 2.195m²

縦方向の長さが1.535m(対角線では2.098m)となれば、一般的な身長ならそれなりの車中泊を楽しむことができそうです。

車の中で足を伸ばして優雅に寝られる悦びを味わうために最低限必要な長さを備えた、車中泊のスタンダードと呼ぶに相応しい性能を有しています。

一見すると車中泊が可能そうに見えるハッチバックやワゴン、SUVであってもリアシートが前に倒れなかったり、倒れても中途半端であったり、凝った足回りのせいで室内に巨大な出っ張りがあったりで、なかなか思うようにはいきませんが、大抵のケースでは知恵と工夫で何とかなるはずです。

車中泊にあると嬉しいアイテム

ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合5000-6000rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした6500回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 6500rpm|タイヤサイズ 235/55R17|タイヤ直径 69.0cm|円周長 216.8cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
6500rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 3.461 16.61 -
-
51km/h 12770rpm 1227.9kgm
2速 2.050 9.84 0.592 1-2/
3850rpm
86km/h 7560rpm 727.3kgm
3速 1.300 6.24 0.634 2-3/
4120rpm
136km/h 4800rpm 461.2kgm
4速 0.902 4.33 0.694 3-4/
4510rpm
195km/h 3330rpm 320.0kgm
5速 0.686 3.29 0.761 4-5/
4950rpm
257km/h 2530rpm 243.4kgm
6速 0.567 2.72 0.827 5-6/
5380rpm
311km/h 2090rpm 201.2kgm
Final 4.800 レシオカバレッジ(変速比幅)6.104

  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数1500-3500rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.800)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(25.5kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.800)÷タイヤの有効半径(0.345m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は6速ギヤの311km(6000rpmでは286.8km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが1500-3500回転で最大トルク25.5kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば57.65kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(9.800kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと1227.9kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1470kg)を1速ギヤの最大駆動力(1227.9kgm)で割ってみると1.197kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する6000回転でのトルク(17.9kgm)からTWRを算出すると1.706kg/kgmとなり、1500-6000回転の回転域では1.197-1.706kg/kgmの間で推移することがわかります。


おまけ:6000rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

8UCHP型Q3に搭載されたCHP型1394ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する6000rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

6000rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ47km/h-
2速ギヤ79km/h3550rpm
3速ギヤ125km/h3800rpm
4速ギヤ180km/h4160rpm
5速ギヤ237km/h4570rpm
6速ギヤ287km/h4960rpm

まず1速ギヤで6000rpmまで引っ張ると47km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は6000rpmから3550rpmまで落ち、そこから6000rpmまで加速を続けると速度は79km/h(+32km/h)になります。

3速ギヤでは3800rpmまで落ちて6000rpmで125km/h(+46km/h)に、4速ギヤでは4160rpmまで落ちて6000rpmで180km/h(+55km/h)になります。

続いて5速ギヤでは4570rpmまで落ちて6000rpmで237km/h(+57km/h)に、6速ギヤでは4960rpmまで落ちて6000rpmで287km/h(+50km/h)という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 5110 7660 10220 12770 15330 17880 22990
2速 3030 4540 6050 7560 9080 10590 13620
3速 1920 2880 3840 4800 5760 6720 8630
4速 1330 2000 2660 3330 3990 4660 5990
5速 1010 1520 2030 2530 3040 3540 4560
6速 840 1260 1670 2090 2510 2930 3770
※赤い数字は暫定レブリミット(6500rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.567)を選択して時速100kmにて走行すると2090回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1260回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1460回転、一般的な高速道路の80km/hでは1670回転、100km/hでは2090回転、制限速度が120km/hになると2510回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは3770回転まで回ります。

これほどまでに時速100kmでの巡航回転数が低ければ、(パワーさえ足りていれば)高速道路では向かうところ敵なしです。エンジンノイズによる疲れとは無縁の世界、ただひたすらに回り続けるエンジンのなんと頼もしいことでしょう。これに合わせてタイヤのロードノイズ、風きり音すらも完璧に抑え込まれていたならば、これはもはや完全無欠の高級車です。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 8 16 23 31 39 47 55 63
2速 13 26 40 53 66 79 93 106
3速 21 42 63 83 104 125 146 167
4速 30 60 90 120 150 180 210 240
5速 40 79 119 158 198 237 277 316
6速 48 96 143 191 239 287 335 382

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(6500回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの235/55R17と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 235/55R17 | 直径 690mm

-20mm
幅215mm
-10mm
幅225mm
変更なし
幅235mm
+10mm
幅245mm
+20mm
幅255mm
-5%
50
扁平
215/50R17
37.5km/h
直径647mm
径差-43mm
225/50R17
38.1km/h
直径657mm
径差-33mm
235/50R17
38.7km/h
直径667mm
径差-23mm
245/50R17
39.2km/h
直径677mm
径差-13mm
255/50R17
39.8km/h
直径687mm
径差-3mm
0%
55
扁平
215/55R17
38.8km/h
直径669mm
径差-21mm
225/55R17
39.4km/h
直径680mm
径差-10mm
235/55R17
40.0km/h
690mm
0mm
245/55R17
40.7km/h
直径702mm
径差+12mm
255/55R17
41.3km/h
直径713mm
径差+23mm
+5%
60
扁平
215/60R17
40.0km/h
直径690mm
径差0mm
225/60R17
40.7km/h
直径702mm
径差+12mm
235/60R17
41.4km/h
直径714mm
径差+24mm
245/60R17
42.1km/h
直径726mm
径差+36mm
255/60R17
42.8km/h
直径738mm
径差+48mm
+10%
65
扁平
215/65R17
41.3km/h
直径712mm
径差+22mm
225/65R17
42.0km/h
直径725mm
径差+35mm
235/65R17
42.8km/h
直径738mm
径差+48mm
245/65R17
43.5km/h
直径751mm
径差+61mm
255/65R17
44.3km/h
直径764mm
径差+74mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、215/55R17、215/60R17 、225/50R17、225/55R17 、235/50R17 、245/50R17 、255/50R17あたりのタイヤがおすすめです。

235/55R17のタイヤ幅を215mmから265mmまで、扁平率を40%から70%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、235/55R17の適応サイズと性能の変化 [8UCHP型Q3編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】235/55R17のタイヤ銘柄と通販価格

8UCHP型Q3[1.4Lターボ FF/6AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト9.800kg/ps49.91
1速ギヤ加速性能1.197kg/kgm58.10
1L換算馬力107.60ps/L51.61
1L換算トルク18.29kgm/L57.30
WB/TR比1.65662.06
ワイド&ロー指数0.87251.50
前面の面積2.919m²41.83
最低地上高170mm43.70
スポーツ性能部門の得点416.01

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
JC08燃費17.4km/L49.61
年間維持費250900円56.94
100kmh回転数2090rpm55.34
航続距離1096.2km72.16
車の大きさ12.799m³55.33
室内の広さ(仮) 2.321m³39.56
最小回転半径5.7m39.18
馬力単価26000円44.16
ユーティリティ部門の得点412.28

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した 8UCHP型Q3[1.4Lターボ FF/6AT] の総合得点は 828.29 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介した8UCHP型Q3(FF/6AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全ての5人乗SUV」、「1500ccの5人乗SUV」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

Q3の歴代モデル

2代目 F3DPC型 Q3
F3DPC Q3は2020/08に登場した2代目モデル。参考車両の「35 TFSI」は全長4490mm、全幅1840mm、全高1610mmの車体に、150PS/25.5kgmを発生するDPC型1497ccエンジンを搭載した5人乗りSUV。

初代 8UCULC型 Q3
8UCULC Q3は2012/05に登場した初代モデル。参考車両の「2.0TFSI Quattro」は全長4400mm、全幅1830mm、全高1615mmの車体に、220PS/35.7kgmを発生するCUL型1984ccエンジンを搭載した5人乗りSUV。