8PBUBF:A3 スポーツバックの性能と維持費 4WD/6AT 495万円

このページでは、アウディの5ドア・5人乗りハッチバック、2代目のABA-8PBUBF型A3 スポーツバック SportBack 3.2-Quattro【2007/08モデル・250PS/32.6kgm・4WD/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

8PBUBF A3 スポーツバック
販売期間:2003/09 - 2013/09

画像はアウディより引用
http://www.audi.co.jp/
投稿:2012/01/06|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長4285mm×全幅1765mm×全高1450mm、排気量は3188ccであることから、大雑把に分類すると3.2リットルクラス(3200cc、自動車税は3.5L以下を適用)に属し、全長、全高は5ナンバー枠ながら全幅が1.7mを超え、排気量も2000ccを超えていることにより3ナンバー登録になります。比較的コンパクトなボディに大きめなエンジンの組み合わせは世界戦略車(グローバルカー)やちょっとした高級車に良くあるパターンです。
参考:200PS~250PSの自動車 一覧

駆動方式には車両に備わる全てのタイヤを駆動する、いわゆる四輪駆動(All Wheel Drive・AWD・Four Wheel Drive・4WDとも)を採用しています。真っ直ぐ進むことに掛けては右に出る者なしとされ、大雨、強風、泥濘、降雪、凍結など天変地異による悪天候下や悪路にて無類の強さを発揮する安心の駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4285mmであるこの車の場合は「ロア ミディアム」(Lower-Medium:3850mm超-4300mm以下・Cセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


8PBUBF型 A3 スポーツバック [3188cc/250PS 4WD/6AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

2代目A3 スポーツバックの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2011/09
8PCAX型
[SportBack-1.4TFSI]
1.4L-TB・FF/7AT・308.0万円
125PS・20.4kgm・18.4km/L
125PS
20.4kgm
18.4km/L
2011/07
8PCCZF型
[SportBack 2.0TFSI-Quattro]
2.0L-TB・4WD/6AT・463.0万円
200PS・28.6kgm・12.2km/L
200PS
28.6kgm
12.2km/L
2011/07
8PCDA型
[SportBack-1.8TFSI]
1.8L-TB・FF/7AT・365.0万円
160PS・25.5kgm・14.2km/L
160PS
25.5kgm
14.2km/L
2代目A3 スポーツバックの車両型式・グレード一覧【全9車種】
A3 スポーツバックの新型モデル
3代目 8VDAZF型RS3 スポーツバック
8VDAZF型RS3 スポーツバックは2017/03に登場した3代目モデル。参考車両の「BaseGrade」は全長4335mm、全幅1800mm、全高1440mmの車体に、400PS/48.9kgmを発生するDAZ型2480ccエンジンを搭載。

A3 スポーツバックの旧型モデル
初代 8LBAMF型S3
8LBAMF型S3は2001/01に登場した初代モデル。参考車両の「BaseGrade」は全長4150mm、全幅1765mm、全高1400mmの車体に、225PS/28.5kgmを発生するBAM型1780ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー アウディ
車名&
グレード
A3 スポーツバック
SportBack 3.2-Quattro
その他 スポーツバック3.2クワトロ Sライン エクスクルーシブライン 8PBMJF 8PBDBF
お値段 4950000円
車両型式 ABA-8PBUBF
駆動方式
変速機
4WD・四輪駆動(AWD)
6速AT・6速オートマ車
ドア/定員 5ドア/5名乗車
車体寸法 長4285×幅1765×高1450mm
軸距&
輪距
2575mm
前1525mm/後1500mm
最小半径 5.1m
タイヤ 前輪:225/40R18
後輪:225/40R18
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ディスク
車両重量 1640kg
エンジン諸元
原動機型式 BUB
気筒配列 V型6気筒
排気量3188cc
圧縮比10.8
吸気方式 自然吸気(NA・ノンターボ)
最高出力 250PS[184kW]/6300rpm
最大トルク 32.6kgm[320Nm]/2500-3000rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
10・15燃費 10.2km/L(24.0mpg)
100km燃費 9.8L/100km
BUB型エンジンの諸元と性能まとめ
V型6気筒とは‥シリンダをV字型に交互で6個配置する方式。中排気量のスタンダード。
V型6気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税66700円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税22800円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額7000円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、2007/08モデルのA3 スポーツバックを17年落ちの中古で108.9万円にて購入し、頭金なしで2年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    A3 スポーツバックの2007/08モデルの場合、2024年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の20%である99万円に諸経費として9.9万円を足した108.9万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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2007年式を17年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 3500cc以下 13年経過 66700円
自動車重量税(1年分) 2.0トン以下 13年-17年経過 22800円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
燃料代(年間1万km) 10000km÷8.7km/L×185円/L 212640円
オイル交換(5000km毎) 1回6000円×2回 12000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本18000円×4本÷5年 14400円
任意保険料(月額7000円) 月額7000円×12ヶ月 84000円
ローン完済後の年間維持費 421400円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額45380円×12ヶ月 544560円
ローン返済中の年間維持費 966000円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 66300円
名目 金額
自動車税(1年分) 66700円
自動車重量税(1年分) 22800円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
212640円
(148850円)
(106320円)
(63790円)
オイル交換(5000km毎) 12000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 14400円
任意保険料(月額7000円) 84000円
ローン完済後の年間維持費 421400円
名目 金額
車のローン額(1年分) 544560円
ローン返済中の年間維持費 966000円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
66300円
  • 初度登録から13年以上経過車の場合、「3500cc以下で13年経過」クラスの自動車税は66700円、「2.0トン以下で13年-17年経過」クラスの自動車重量税は22800円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに6000円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本18000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額7000円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした66300円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

このあたりのクラスから理想と現実の違い、つまり「乗りたい車」と「乗ることができる車」は違うことを思い知らされます。うっかり手を出せば「いっ…維持費が高すぎて息ができん!フーッ!フーッ!」と目を白黒させることになりかねません。

さて、A3 スポーツバック【SportBack 3.2-Quattro】の場合、維持費の月額は35200円になります。金銭的にシビアな人からは「車なんてどれもタイヤが4つあるだけなのに、なんでこんなにお金の掛かる車に乗ってるんだ…修行か…」と奇異の目で見られていることでしょう。でも良いんです。愛さえあれば。

A3 スポーツバックの維持費は高い?安い?

「A3 スポーツバックの年間維持費は421400円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「3500ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてA3 スポーツバックの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いCX-60271400円-150000円
ディグニティ310600円-110800円
Eクラス セダン351800円-69600円
IS387200円-34200円
A3 スポーツバックの維持費421400円
基準3500ccクラス平均425800円+4400円
911 クーペ502500円+81100円
カマロ クーペ553300円+131900円
高い5シリーズ セダン736000円+314600円

A3 スポーツバックの年間維持費を、3500ccクラスで最も維持費が安いCX-60と比較して150000円高く、最も高い5シリーズ セダンと比較して314600円安く、3500ccクラスの平均維持費との比較では4400円安くなっています。

最低額のCX-60と最高額の5シリーズ セダンは極端な例としても、3500ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、A3 スポーツバックの維持費は ちょっと安い! と言えそうです。

年間維持費が安い 3500ccクラスの車 ランキング

A3 スポーツバックを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟%年収月給手取り
10%550万円46万円36万円
15%370万円31万円24万円
20%270万円23万円18万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は550万円(総支給額46万円/月、手取り36万円/月)、ここから月額維持費3.5万円を支払うと残りは32.5万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は370万円(総支給額31万円/月、手取り24万円/月)、3.5万円を支払うと残りは20.5万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が270万円(総支給額23万円/月、手取り18万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。3.5万円を引くと残りは14.5万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代22万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり185円を基準として、-50円となる135円から、+50円となる235円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費8.7km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
135円/L
155190円
[-57450円]
-25円
160円/L
183920円
[-28720円]
-10円
175円/L
201170円
[-11470円]
185円/L212640円
[0円]
+10円
195円/L
224160円
[+11520円]
+25円
210円/L
241400円
[+28760円]
+50円
235円/L
270140円
[+57500円]

燃費8.7km/Lの8PBUBF型 A3 スポーツバックで10000km走行するのに必要な燃料は1149.5L、1リットルあたり185円としたときの燃料代は212640円になります。

参考までに、A3 スポーツバックの燃料タンクは60リットルですので、1149.5Lの給油回数は20回、1回あたりの燃料代は約10640円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては11520円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると28760円、50円も違ってくると57500円にもなります。

これを8PBUBF型 A3 スポーツバックの年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり185円の場合を421400円としたとき、135円/Lに値下がりすれば363950円(86.4%)に、235円/Lに値上がりすれば478900円(113.6%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(66700円)なり重量税(22800円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 66700円 27%
自動車重量税 1年分 22800円 9%
自賠責保険料 1年分 8825円 4%
燃料代 3000km分 63790円 26%
オイル交換 年1回 6000円 2%
タイヤ交換 6年毎 9600円 4%
任意保険料 80% 67200円 28%
合計
[1万kmとの差額]
245000円
-176400円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 66700円 23%
自動車重量税 1年分 22800円 8%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 5000km分 106320円 36%
オイル交換 年1回 6000円 2%
タイヤ交換 6年毎 9600円 3%
任意保険料 85% 71400円 25%
合計
[1万kmとの差額]
291700円
-129700円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 66700円 20%
自動車重量税 1年分 22800円 7%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 7000km分 148850円 44%
オイル交換 年1回 8400円 2%
タイヤ交換 6年毎 9600円 3%
任意保険料 90% 75600円 21%
合計
[1万kmとの差額]
340800円
-80600円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料84000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて176400円安い245000円に、5000km走行では129700円安い291700円に、7000km走行では80600円安い340800円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 66700円 12%
自動車重量税 1年分 22800円 4%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 15000km分 318960円 57%
オイル交換 年3回 36000円 6%
タイヤ交換 2.7年毎 21600円 4%
任意保険料 100% 84000円 15%
合計
[1万kmとの差額]
558900円
+137500円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 66700円 10%
自動車重量税 1年分 22800円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 20000km分 425280円 62%
オイル交換 年4回 48000円 7%
タイヤ交換 2年毎 28800円 4%
任意保険料 100% 84000円 13%
合計
[1万kmとの差額]
684500円
+263100円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
輸入車・外車の小型車&普通車編
3500cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
ハッチバック編

A3 スポーツバックの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
10・15モード燃費 10.2km/L
燃料タンク容量 60L
航続距離(カタログ燃費) 612.0km
航続距離(80%燃費) 492.0km
満タンプライス 11100円
1km走行コスト 18.14円
1万円でどこまで行ける? 551.4km

10・15モード燃費が10.2km/L、燃料タンク容量60リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は612.0kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(9.2km/L)とすると航続距離は552.0km、80%(8.2km/L)だと492.0km、70%(7.1km/L)では426.0kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から60リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり185円では11100円、上で計算した航続距離を踏まえると612.0km(80%燃費時492.0km)を走行するのに11100円かかる計算です。

燃費を8.7km/Lとしたときの1km走行コストは18.14円、10万km走行したときの燃料代は181.4万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら18.1万円/年、7年10万kmなら25.9万円/年、5年10万kmなら36.3万円/年、3年10万kmなら60.5万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば551.4km(往復なら片道275.7km)、カタログ値の80%なら441.1km(片道220.5km)離れたところまで行くことができます。

カタログデータから見えてくる要素

BUB型エンジン簡易性能曲線図
各回転域での馬力
2500回転時の馬力 114PS
3000回転時の馬力 137PS
6300回転時の馬力 250PS
各回転域でのトルク
2500回転時のトルク 32.6kgm
3000回転時のトルク 32.6kgm
6300回転時のトルク 28.4kgm
BUB型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載しているBUB型3188cc、V型6気筒の自然吸気エンジンは6300回転時に最高出力250馬力を、2500-3000回転時に最大トルク32.6kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、アイドリングとそれほど変わらないような回転数から最大トルクが発生するこのエンジンは、坂道発進も平気の平左、MT車でもエンスト知らず、扱いやすさにかけては右に出るものがありません。ディーゼル車やダウンサイジングターボに多くあります。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する2500rpmから最高出力が発生する6300rpmまで」の3800rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は60.3%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
3500cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
3500cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ6.560kg/PS(1640kg/250PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ6.560kg/PS
車体+1人6.780kg/PS
車体+5人7.660kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg6.800kg/PS
車体+70kg6.840kg/PS
車体+80kg6.880kg/PS
車体+90kg6.920kg/PS
車体+100kg6.960kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは6.780kg/PS(1695kg/250PS)となり、数値としては0.220kg、比率にすると3.4%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは7.660kg/PS(1915kg/250PS)となり、数値としては1.100kg、比率にすると16.8%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

8PBUBF A3 スポーツバックのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2007/08

-
A3 スポーツバック
6.780kg/PS
1695kg/250PS|3.2L-NA
[車体のみPWR:6.560]
2010/10

車種詳細
シビック タイプR
6.841kg/PS
1375kg/201PS|2.0L-NA
車体のみPWR:6.567
2010/11

車種詳細
エリシオン プレステージ
6.717kg/PS
2015kg/300PS|3.5L-NA
車体のみPWR:6.533
2015/09

車種詳細
ポロ GTI
6.745kg/PS
1295kg/192PS|1.8L-TB
車体のみPWR:6.458
2005/12

車種詳細
フォレスター
6.750kg/PS
1485kg/220PS|2.0L-TB
車体のみPWR:6.500
2014/08

車種詳細
i8
6.732kg/PS
1555kg/231PS|1.5L-TB
車体のみPWR:6.494

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ6.780kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

6.577kg/PSから6.983kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、ホンダの4人乗りハッチバック「FN2型 シビック タイプR」、ホンダの7人乗りミニバン「RR5型 エリシオン プレステージ」、フォルクスワーゲンの5人乗りハッチバック「6RDAJ型 ポロ GTI」、スバルの5人乗りSUV「SG5型 フォレスター」、BMWの4人乗りクーペ「2Z15型 i8」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

8PBUBF型 A3 スポーツバック [SportBack 3.2-Quattro]のライバル車種|6.780kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は152.4PS/tとなっています。


A3 スポーツバックがバイクと競争するなら…?


車種詳細
VT1300CR|1312cc
6.741kg/PS
364kg/54.4PS/10.50kgm
[車体のみPWR:5.722]
1速ギヤ速度:58.9km/h
最小TWR:1.082
2007/08

-
A3 スポーツバック|3188cc
6.780kg/PS
1695kg/250PS/32.6kgm
[車体のみPWR:6.560]
1速ギヤ速度:53.7km/h
最小TWR:1.138

車種詳細
スーパーシェルパ|249cc
6.808kg/PS
177kg/26.0PS/2.60kgm
[車体のみPWR:4.692]
1速ギヤ速度:37.7km/h
最小TWR:0.587

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではA3 スポーツバックとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

SC66 VT1300CRと競争してみる

まずA3 スポーツバックより少しPWRが低いバイクとして、ホンダのVT1300CRが挙げられます。PWRの6.741kg/PSは車両重量309kgにライダーの体重55kgを加えた364kgを、最高出力54.4PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はVT1300CRに5.2km/h劣り、1速TWRは0.056kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

KL250G スーパーシェルパと競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、カワサキのスーパーシェルパが挙げられます。PWRの6.808kg/PSは車両重量122kg+55kgの177kgを、最高出力26.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は16.0km/h勝り、1速TWRは0.551kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.702
平均ピストンスピード 20.14m/s
トルクウェイトレシオ 50.31kg/kgm
1馬力あたりのお値段 19800円
排気量1Lあたり馬力 78.42PS/L
排気量1Lあたりトルク 10.23kgm/L
1気筒あたりの馬力 41.7PS
1気筒あたりのトルク 5.4kgm
パワーバンド比率 60.3%
燃費×馬力 2167.5pt
各種ランキング
ハッチバックのPWR
3.0~3.5L以下のPWR

トルクウェイトレシオは50.31kg/kgm(1640kg/32.6kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が4950000円、最高出力が250馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は19800円、逆に1万円あたりでは0.51馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は151840円、1万円あたりでは0.07kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
3500cc以下の車編
ハッチバック編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は78.42PS/L、トルクは10.23kgm/L、1気筒あたりの馬力は41.7馬力、トルクは5.4kgmとなり、このエンジンが250馬力を6300回転で発生させているときの平均ピストンスピードは20.14m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が95.9mmであるBUB型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6260回転です。●最高出力を発生している時点で既に20.0m/sを超えているこのエンジンは実に良く設計された秀逸なエンジンであると言えます。一昔(二昔?)前の常識を覆す誉れ高きエンジンですので、ぜひとも重要文化遺産に登録して後世に伝えていかねばなりません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.702になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと小回りを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が8.67km/L、最高出力が250PSであるこの車の獲得ポイントは2167.5ptになります。
戯れに車両重量1640kgを100kg単位にした16.4で割ってみたところ、その数値は132.16ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)



A3 スポーツバックでの車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.500m
期待される荷室の幅 1.365m
対角線の長さ 2.028m
期待される荷室の面積 2.047m²

縦方向の長さが1.500m(対角線では2.028m)となれば、一般的な身長ならそれなりの車中泊を楽しむことができそうです。

車の中で足を伸ばして優雅に寝られる悦びを味わうために最低限必要な長さを備えた、車中泊のスタンダードと呼ぶに相応しい性能を有しています。

一見すると車中泊が可能そうに見えるハッチバックやワゴン、SUVであってもリアシートが前に倒れなかったり、倒れても中途半端であったり、凝った足回りのせいで室内に巨大な出っ張りがあったりで、なかなか思うようにはいきませんが、大抵のケースでは知恵と工夫で何とかなるはずです。

車中泊にあると嬉しいアイテム

ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合6300rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした6800回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 6800rpm|タイヤサイズ 225/40R18|タイヤ直径 63.7cm|円周長 200.1cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
6800rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 2.933 14.08 -
-
58km/h 11730rpm 1441.0kgm
2速 1.791 8.60 0.611 1-2/
4150rpm
95km/h 7160rpm 879.9kgm
3速 1.266 6.08 0.707 2-3/
4810rpm
134km/h 5060rpm 622.0kgm
4速 0.975 4.68 0.770 3-4/
5240rpm
174km/h 3900rpm 479.0kgm
5速 0.773 3.71 0.793 4-5/
5390rpm
220km/h 3090rpm 379.8kgm
6速 0.619 2.97 0.801 5-6/
5450rpm
275km/h 2470rpm 304.1kgm
Final 4.800 レシオカバレッジ(変速比幅)4.738

  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数2500-3000rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.800)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(32.6kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.800)÷タイヤの有効半径(0.3185m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は6速ギヤの275km(6300rpmでは254.6km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが2500-3000回転で最大トルク32.6kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば50.31kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(6.560kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと1441.0kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1640kg)を1速ギヤの最大駆動力(1441.0kgm)で割ってみると1.138kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する6300回転でのトルク(28.4kgm)からTWRを算出すると1.306kg/kgmとなり、2500-6300回転の回転域では1.138-1.306kg/kgmの間で推移することがわかります。


おまけ:6300rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

8PBUBF型A3 スポーツバックに搭載されたBUB型3188ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する6300rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

6300rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ54km/h-
2速ギヤ88km/h3850rpm
3速ギヤ124km/h4450rpm
4速ギヤ162km/h4850rpm
5速ギヤ204km/h5000rpm
6速ギヤ255km/h5050rpm

まず1速ギヤで6300rpmまで引っ張ると54km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は6300rpmから3850rpmまで落ち、そこから6300rpmまで加速を続けると速度は88km/h(+34km/h)になります。

3速ギヤでは4450rpmまで落ちて6300rpmで124km/h(+36km/h)に、4速ギヤでは4850rpmまで落ちて6300rpmで162km/h(+38km/h)になります。

続いて5速ギヤでは5000rpmまで落ちて6300rpmで204km/h(+42km/h)に、6速ギヤでは5050rpmまで落ちて6300rpmで255km/h(+51km/h)という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4690 7040 9380 11730 14070 16420 21110
2速 2860 4300 5730 7160 8590 10020 12890
3速 2020 3040 4050 5060 6070 7090 9110
4速 1560 2340 3120 3900 4680 5460 7020
5速 1240 1850 2470 3090 3710 4330 5560
6速 990 1480 1980 2470 2970 3460 4450
※赤い数字は暫定レブリミット(6800rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.619)を選択して時速100kmにて走行すると2470回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1480回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1730回転、一般的な高速道路の80km/hでは1980回転、100km/hでは2470回転、制限速度が120km/hになると2970回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは4450回転まで回ります。

一般的な自動車であれば時速100kmでの巡航回転数は2500回転付近に落ち着くようですが、その中でも若干低めの回転数となっています。標準的なギヤ比の範囲内ながらも加速よりも静粛性や燃費に重きを置いた設定なので、急な坂道や長く続く坂道では積極的にギヤを1段下げる操作が必要になるかもしれません。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 9 17 26 34 43 51 60 68
2速 14 28 42 56 70 84 98 112
3速 20 40 59 79 99 119 138 158
4速 26 51 77 103 128 154 180 205
5速 32 65 97 129 162 194 227 259
6速 40 81 121 162 202 242 283 323

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(6800回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの225/40R18と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 225/40R18 | 直径 637mm

-20mm
幅205mm
-10mm
幅215mm
変更なし
幅225mm
+10mm
幅235mm
+20mm
幅245mm
-5%
35
扁平
205/35R18
37.7km/h
直径601mm
径差-36mm
215/35R18
38.2km/h
直径608mm
径差-29mm
225/35R18
38.6km/h
直径615mm
径差-22mm
235/35R18
39.1km/h
直径622mm
径差-15mm
245/35R18
39.5km/h
直径629mm
径差-8mm
0%
40
扁平
205/40R18
39.0km/h
直径621mm
径差-16mm
215/40R18
39.5km/h
直径629mm
径差-8mm
225/40R18
40.0km/h
637mm
0mm
235/40R18
40.5km/h
直径645mm
径差+8mm
245/40R18
41.0km/h
直径653mm
径差+16mm
+5%
45
扁平
205/45R18
40.3km/h
直径642mm
径差+5mm
215/45R18
40.9km/h
直径651mm
径差+14mm
225/45R18
41.4km/h
直径660mm
径差+23mm
235/45R18
42.0km/h
直径669mm
径差+32mm
245/45R18
42.6km/h
直径678mm
径差+41mm
+10%
50
扁平
205/50R18
41.6km/h
直径662mm
径差+25mm
215/50R18
42.2km/h
直径672mm
径差+35mm
225/50R18
42.8km/h
直径682mm
径差+45mm
235/50R18
43.5km/h
直径692mm
径差+55mm
245/50R18
44.1km/h
直径702mm
径差+65mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、205/40R18 、215/35R18、215/40R18 、225/35R18 、235/35R18 、245/35R18あたりのタイヤがおすすめです。

225/40R18のタイヤ幅を205mmから255mmまで、扁平率を25%から55%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、225/40R18の適応サイズと性能の変化 [8PBUBF型A3 スポーツバック編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】225/40R18のタイヤ銘柄と通販価格

8PBUBF型A3 スポーツバック[3.2L-NA 4WD/6AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト6.560kg/ps58.78
1速ギヤ加速性能1.138kg/kgm59.36
1L換算馬力78.42ps/L54.20
1L換算トルク10.23kgm/L59.27
WB/TR比1.70257.32
ワイド&ロー指数0.82255.13
前面の面積2.559m²51.91
最低地上高-43.72
スポーツ性能部門の得点439.69

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
10-15燃費10.2km/L43.81
年間維持費421400円41.32
100kmh回転数2470rpm50.32
航続距離612.0km44.12
車の大きさ10.966m³48.06
室内の広さ(仮) 1.989m³36.40
最小回転半径5.1m51.43
馬力単価19800円52.31
ユーティリティ部門の得点367.77

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した 8PBUBF型A3 スポーツバック[3.2L-NA 4WD/6AT] の総合得点は 807.46 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介した8PBUBF型A3 スポーツバック(4WD/6AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのハッチバック」、「3500ccのハッチバック」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

A3 スポーツバックの歴代モデル

4代目 GYDNFF型 S3 スポーツバック
GYDNFF S3 スポーツバックは2021/04に登場した4代目モデル。参考車両の「BaseGrade」は全長4350mm、全幅1815mm、全高1440mmの車体に、310PS/40.8kgmを発生するDNF型1984ccエンジンを搭載した5人乗りハッチバック。

3代目 8VCZGF型 RS3 スポーツバック
8VCZGF RS3 スポーツバックは2015/10に登場した3代目モデル。参考車両の「BaseGrade」は全長4345mm、全幅1800mm、全高1440mmの車体に、367PS/47.4kgmを発生するCZG型2480ccエンジンを搭載した5人乗りハッチバック。

2代目 8PCDLF型 S3
8PCDLF S3は2009/02に登場した2代目モデル。参考車両の「SportBack」は全長4300mm、全幅1765mm、全高1450mmの車体に、256PS/33.7kgmを発生するCDL型1984ccエンジンを搭載した5人乗りハッチバック。

初代 8LBAMF型 S3
8LBAMF S3は2001/01に登場した初代モデル。参考車両の「BaseGrade」は全長4150mm、全幅1765mm、全高1400mmの車体に、225PS/28.5kgmを発生するBAM型1780ccエンジンを搭載した5人乗りハッチバック。