KA7 ジャスティの性能と維持費 FF/5MT 5人乗り 94万円 1992年式

このページでは、スバル(富士重工業)の3ドア・5人乗りハッチバック、初代のE-KA7型ジャスティ Myme【1992/09モデル・73PS/10.0kgm・FF/MT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

KA7 ジャスティ
販売期間:1984 - 1994/12

画像はスバル(富士重工業)より引用
http://www.subaru.jp/
投稿:2011/09/10|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長3695mm×全幅1535mm×全高1420mm、排気量は1189ccであることから、大雑把に分類すると1.2リットルクラス(1200cc、自動車税は1.5L以下を適用)に属した、いわゆる5ナンバークラスの車です。とにかく排気量を増やして、とにかくボディを大きく、特に全幅を広げれば良いんだという風潮が蔓延る現代においては大変貴重な車となっています。

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、前輪のみを駆動する、フロントエンジン・フロントドライブ方式(FF・FWD・前輪駆動とも)を採用しています。この方式はエンジンと駆動系(ミッション、デフ等)の収納がエンジンルーム内で完結するので、軽量コンパクトかつ低コスト化が実現でき、室内を広く作りやすい(エンジンが横置きの場合)ほか、後輪駆動車に比べて直進安定性に優れることが主な特長です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が3695mmであるこの車の場合は「スモール」(Small:3500mm超-3850mm以下・Bセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


KA7型 ジャスティ [1189cc/73PS FF/5MT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

初代ジャスティの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
1992/09
KA8型
[Myme-II]
1.2L-NA・4WD/5MT・121.2万円
73PS・10.0kgm・15.0km/L
73PS
10.0kgm
15.0km/L
1992/09
KA7型
[Myme]
1.2L-NA・FF/CVT・100.0万円
73PS・10.0kgm・15.6km/L
73PS
10.0kgm
15.6km/L
1992/09
KA8型
[Myme-II]
1.2L-NA・4WD/CVT・128.3万円
73PS・10.0kgm・13.8km/L
73PS
10.0kgm
13.8km/L
初代ジャスティの車両型式・グレード一覧【全4車種】
ジャスティの新型モデル
5代目 M900F型ジャスティ
M900F型ジャスティは2016/11に登場した5代目モデル。参考車両の「Custom-RS SA」は全長3715mm、全幅1670mm、全高1735mmの車体に、98PS/14.3kgmを発生する1KR型996ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー スバル(富士重工業)
車名&
グレード
ジャスティ
Myme
その他 マイム a, L, M, Mf,
お値段 933000円
車両型式 E-KA7
駆動方式
変速機
FF・前輪駆動(FWD,2WD)
5速MT・5速マニュアル車
ドア/定員 3ドア/5名乗車
車体寸法 長3695×幅1535×高1420mm
室内寸法 長1720×幅1320×高1130mm
軸距&
輪距
2285mm
前1330mm/後1290mm
最小半径 4.5m
タイヤ 前輪:165/65R13
後輪:165/65R13
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ドラム
車両重量 770kg
エンジン諸元
原動機型式 EF12
気筒配列 直列3気筒
排気量1189cc
圧縮比9.5
吸気方式 自然吸気(NA・ノンターボ)
最高出力 73PS[54kW]/6000rpm
最大トルク 10.0kgm[98Nm]/3600rpm
使用燃料 レギュラーガソリン
10・15燃費 16.0km/L(37.6mpg)
100km燃費 6.2L/100km
EF12型エンジンの諸元と性能まとめ
直列3気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に3個配置する方式。小排気量のスタンダード。
直列3気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税39600円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税12600円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額5000円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、1992/09モデルのジャスティを32年落ちの中古で20.6万円にて購入し、頭金なしで1年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    ジャスティの1992/09モデルの場合、2024年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の20%である18.66万円に諸経費として1.9万円を足した20.6万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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1992年式を32年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 1500cc以下 13年経過 39600円
自動車重量税(1年分) 1.0トン以下 18年経過 12600円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
燃料代(年間1万km) 10000km÷13.6km/L×180円/L 132350円
オイル交換(5000km毎) 1回4000円×2回 8000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本6000円×4本÷5年 4800円
任意保険料(月額5000円) 月額5000円×12ヶ月 60000円
ローン完済後の年間維持費 266200円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額17110円×12ヶ月 205320円
ローン返済中の年間維持費 471500円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 45900円
名目 金額
自動車税(1年分) 39600円
自動車重量税(1年分) 12600円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
132350円
(92650円)
(66180円)
(39710円)
オイル交換(5000km毎) 8000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 4800円
任意保険料(月額5000円) 60000円
ローン完済後の年間維持費 266200円
名目 金額
車のローン額(1年分) 205320円
ローン返済中の年間維持費 471500円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
45900円
  • 初度登録から13年以上経過車の場合、「1500cc以下で13年経過」クラスの自動車税は39600円、「1.0トン以下で18年経過」クラスの自動車重量税は12600円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに4000円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本6000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額5000円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした45900円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

お財布に厚みが増した勢いで少し色気を出して愛車にステータス性を求めるなら、月換算22200円くらいの出費は覚悟しましょう。なあに大丈夫、愛車のためです。

口癖のように「もうちょっと維持費が安ければねえ…?」なんて呟くその姿は自慢げなようであり、しかし哀愁を帯びているようでもあり、傍からすれば対応に困ります。より維持費の安い新車を買うほどではない…ないが…考えずにもいられない、そんなクラスです。全体から見るとこの辺りから面白味のある車が増えてきます。

ジャスティの維持費は高い?安い?

「ジャスティの年間維持費は266200円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「1500ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてジャスティの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いヤリス176100円-90100円
ジェイド215000円-51200円
フリード ハイブリッド229500円-36700円
スイフト スポーツ256800円-9400円
基準1500ccクラス平均258000円-8200円
ジャスティの維持費266200円
ステップワゴン スパーダ266600円+400円
コルト Ralliart-R289200円+23000円
ゴルフ トゥーラン330800円+64600円
高いウーノ381500円+115300円

ジャスティの年間維持費を、1500ccクラスで最も維持費が安いヤリスと比較して90100円高く、最も高いウーノと比較して115300円安く、1500ccクラスの平均維持費との比較では8200円高くなっています。

最低額のヤリスと最高額のウーノは極端な例としても、1500ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、ジャスティの維持費は ちょっと高い! と言えそうです。

年間維持費が安い 1500ccクラスの車 ランキング

ジャスティを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟%年収月給手取り
10%350万円30万円24万円
15%230万円20万円16万円
20%170万円15万円12万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は350万円(総支給額30万円/月、手取り24万円/月)、ここから月額維持費2.2万円を支払うと残りは21.8万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は230万円(総支給額20万円/月、手取り16万円/月)、2.2万円を支払うと残りは13.8万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が170万円(総支給額15万円/月、手取り12万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。2.2万円を引くと残りは9.8万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代14万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、レギュラーガソリン1リットルあたり180円を基準として、-50円となる130円から、+50円となる230円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費13.6km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
130円/L
95590円
[-36760円]
-25円
155円/L
113980円
[-18370円]
-10円
170円/L
125010円
[-7340円]
180円/L132350円
[0円]
+10円
190円/L
139710円
[+7360円]
+25円
205円/L
150740円
[+18390円]
+50円
230円/L
169120円
[+36770円]

燃費13.6km/LのKA7型 ジャスティで10000km走行するのに必要な燃料は735.3L、1リットルあたり180円としたときの燃料代は132350円になります。

参考までに、ジャスティの燃料タンクは35リットルですので、735.3Lの給油回数は22回、1回あたりの燃料代は約6020円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては7360円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると18390円、50円も違ってくると36770円にもなります。

これをKA7型 ジャスティの年間維持費に当てはめてみますと、レギュラーガソリン1リットルあたり180円の場合を266200円としたとき、130円/Lに値下がりすれば229440円(86.2%)に、230円/Lに値上がりすれば302970円(113.8%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(39600円)なり重量税(12600円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 39600円 25%
自動車重量税 1年分 12600円 8%
自賠責保険料 1年分 8825円 6%
燃料代 3000km分 39710円 25%
オイル交換 年1回 4000円 3%
タイヤ交換 6年毎 3200円 2%
任意保険料 80% 48000円 31%
合計
[1万kmとの差額]
156000円
-110200円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 39600円 21%
自動車重量税 1年分 12600円 7%
自賠責保険料 1年分 8825円 5%
燃料代 5000km分 66180円 36%
オイル交換 年1回 4000円 2%
タイヤ交換 6年毎 3200円 2%
任意保険料 85% 51000円 27%
合計
[1万kmとの差額]
185500円
-80700円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 39600円 18%
自動車重量税 1年分 12600円 6%
自賠責保険料 1年分 8825円 4%
燃料代 7000km分 92650円 43%
オイル交換 年1回 5600円 3%
タイヤ交換 6年毎 3200円 1%
任意保険料 90% 54000円 25%
合計
[1万kmとの差額]
216500円
-49700円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料60000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて110200円安い156000円に、5000km走行では80700円安い185500円に、7000km走行では49700円安い216500円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 39600円 11%
自動車重量税 1年分 12600円 4%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 15000km分 198530円 57%
オイル交換 年3回 24000円 7%
タイヤ交換 2.7年毎 7200円 2%
任意保険料 100% 60000円 16%
合計
[1万kmとの差額]
350800円
+84600円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 39600円 9%
自動車重量税 1年分 12600円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 20000km分 264700円 62%
オイル交換 年4回 32000円 7%
タイヤ交換 2年毎 9600円 2%
任意保険料 100% 60000円 15%
合計
[1万kmとの差額]
427400円
+161200円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
スバルの小型車&普通車編
1500cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
ハッチバック編

ジャスティの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
10・15モード燃費 16.0km/L
燃料タンク容量 35L
航続距離(カタログ燃費) 560.0km
航続距離(80%燃費) 448.0km
満タンプライス 6300円
1km走行コスト 11.25円
1万円でどこまで行ける? 888.9km

10・15モード燃費が16.0km/L、燃料タンク容量35リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は560.0kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(14.4km/L)とすると航続距離は504.0km、80%(12.8km/L)だと448.0km、70%(11.2km/L)では392.0kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から35リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、レギュラーガソリンを1リットルあたり180円では6300円、上で計算した航続距離を踏まえると560.0km(80%燃費時448.0km)を走行するのに6300円かかる計算です。

燃費を13.6km/Lとしたときの1km走行コストは11.25円、10万km走行したときの燃料代は112.5万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら11.2万円/年、7年10万kmなら16.1万円/年、5年10万kmなら22.5万円/年、3年10万kmなら37.5万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば888.9km(往復なら片道444.4km)、カタログ値の80%なら711.1km(片道355.6km)離れたところまで行くことができます。

カタログデータから見えてくる要素

EF12型エンジン簡易性能曲線図
各回転域での馬力
3600回転時の馬力 50PS
6000回転時の馬力 73PS
各回転域でのトルク
3600回転時のトルク 10.0kgm
6000回転時のトルク 8.7kgm
EF12型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載しているEF12型1189cc、直列3気筒の自然吸気エンジンは6000回転時に最高出力73馬力を、3600回転時に最大トルク10.0kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、最大トルクの発生回転数が若干高めにあるこのエンジンは、普段使いでも不足を感じることなく、それでいて高い回転数を維持すればスポーティな走行も楽しめるバランスの良さが魅力です。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する3600rpmから最高出力が発生する6000rpmまで」の2400rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は40.0%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
1500cc以下クラス編
スバルの小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
1500cc以下クラス編
スバルの小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ10.548kg/PS(770kg/73PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ10.548kg/PS
車体+1人11.301kg/PS
車体+5人14.315kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg11.370kg/PS
車体+70kg11.507kg/PS
車体+80kg11.644kg/PS
車体+90kg11.781kg/PS
車体+100kg11.918kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは11.301kg/PS(825kg/73PS)となり、数値としては0.753kg、比率にすると7.1%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは14.315kg/PS(1045kg/73PS)となり、数値としては3.767kg、比率にすると35.7%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

KA7 ジャスティのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
1992/09

-
ジャスティ
11.301kg/PS
825kg/73PS|1.2L-NA
[車体のみPWR:10.548]
2015/05

車種詳細
シャトル
11.318kg/PS
1245kg/110PS|1.5L-NA
車体のみPWR:10.818
2012/11

車種詳細
スイフト
11.264kg/PS
1025kg/91PS|1.3L-NA
車体のみPWR:10.659
2014/09

車種詳細
デミオ
11.286kg/PS
1185kg/105PS|1.5L-TB
車体のみPWR:10.762
2015/04

車種詳細
ステップワゴン
11.233kg/PS
1685kg/150PS|1.5L-TB
車体のみPWR:10.867
2010/11

車種詳細
キューブ
11.239kg/PS
1225kg/109PS|1.5L-NA
車体のみPWR:10.734

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ11.301kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

11.188kg/PSから11.414kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、ホンダの5人乗りワゴン「GP7型 シャトル」、スズキの5人乗りハッチバック「ZC72S型 スイフト」、マツダの5人乗りハッチバック「DJ5FS型 デミオ」、ホンダの7人乗りミニバン「RP1型 ステップワゴン」、日産の5人乗りミニバン「Z12型 キューブ」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

KA7型 ジャスティ [Myme]のライバル車種|11.301kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は94.8PS/tとなっています。


ジャスティがバイクと競争するなら…?


車種詳細
バンバン200|199cc
11.250kg/PS
180kg/16.0PS/1.50kgm
[車体のみPWR:7.812]
1速ギヤ速度:33.4km/h
最小TWR:0.924
1992/09

-
ジャスティ|1189cc
11.301kg/PS
825kg/73PS/10.0kgm
[車体のみPWR:10.548]
1速ギヤ速度:41.8km/h
最小TWR:1.424

車種詳細
TLM200R|193cc
11.308kg/PS
147kg/13.1PS/1.90kgm
[車体のみPWR:7.077]
1速ギヤ速度:18.9km/h
最小TWR:0.484

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではジャスティとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

NH41A バンバン200と競争してみる

まずジャスティより少しPWRが低いバイクとして、スズキのバンバン200が挙げられます。PWRの11.250kg/PSは車両重量125kgにライダーの体重55kgを加えた180kgを、最高出力16.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はバンバン200に8.4km/h勝り、1速TWRは0.500kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

MD15 TLM200Rと競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、ホンダのTLM200Rが挙げられます。PWRの11.308kg/PSは車両重量92kg+55kgの147kgを、最高出力13.1PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は22.9km/h勝り、1速TWRは0.940kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.744
平均ピストンスピード 16.60m/s
トルクウェイトレシオ 77.00kg/kgm
1馬力あたりのお値段 12781円
排気量1Lあたり馬力 61.40PS/L
排気量1Lあたりトルク 8.41kgm/L
1気筒あたりの馬力 24.3PS
1気筒あたりのトルク 3.3kgm
パワーバンド比率 40.0%
燃費×馬力 992.8pt
各種ランキング
ハッチバックのPWR
1.0~1.3L以下のPWR

トルクウェイトレシオは77.00kg/kgm(770kg/10.0kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が933000円、最高出力が73馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は12781円、逆に1万円あたりでは0.78馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は93300円、1万円あたりでは0.11kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
スバル編
1500cc以下の車編
ハッチバック編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は61.40PS/L、トルクは8.41kgm/L、1気筒あたりの馬力は24.3馬力、トルクは3.3kgmとなり、このエンジンが73馬力を6000回転で発生させているときの平均ピストンスピードは16.60m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が83.0mmであるEF12型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は7230回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.744になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、走ってよし、曲がってよしで至れり尽くせりのオールラウンダーであると言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が13.60km/L、最高出力が73PSであるこの車の獲得ポイントは992.8ptになります。
戯れに車両重量770kgを100kg単位にした7.7で割ってみたところ、その数値は128.94ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


人間様の占有スペース

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

人間様の占有スペース
室内長×室内幅×室内高 2.566m³
1人あたりのスペース 0.513m³
室内長/全長 46.5%
室内幅/全幅 86.0%
室内高/全高 79.6%
室内容積/車両体積 31.9%

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は2.566m³です。この車の乗車定員は5人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.513m³のスペースが割り当てられることになります。続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は46.5%、同じく室内幅と全幅の比率は86.0%、同じく室内高と全高の比率は79.6%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は31.9%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車 室内幅が広い車 室内高が高い車 車内の空間が広い車
室内長が長い車
室内幅が広い車
室内高が高い車
車内の空間が広い車


ジャスティでの車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.293m
期待される荷室の幅 1.220m
対角線の長さ 1.778m
期待される荷室の面積 1.577m²

縦方向の長さが1.293m(対角線では1.778m)しかないとなると、これはもう常識的に考えてかなり厳しい車中泊を強いられます。運転席あるいは助手席を後ろに倒して寝たほうがまだマシかもしれません。

俗に言う体育座りの体勢で横になれば寝られないこともないでしょうが、寝れども寝れども疲れは取れない上に猛烈な腰痛で目を覚ましかねず、実に爽やかな笑顔で「もう二度と車中泊なんてしないよ!」と後日談を語ることになりかねません。

一見すると車中泊が可能そうに見えるハッチバックやワゴン、SUVであってもリアシートが前に倒れなかったり、倒れても中途半端であったり、凝った足回りのせいで室内に巨大な出っ張りがあったりで、なかなか思うようにはいきませんが、大抵のケースでは知恵と工夫で何とかなるはずです。

車中泊にあると嬉しいアイテム

ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合6000rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした6500回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 6500rpm|タイヤサイズ 165/65R13|タイヤ直径 54.5cm|円周長 171.2cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
6500rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 3.071 14.74 -
-
45km/h 14350rpm 540.9kgm
2速 1.695 8.14 0.552 1-2/
3590rpm
82km/h 7920rpm 298.6kgm
3速 1.137 5.46 0.671 2-3/
4360rpm
122km/h 5310rpm 200.3kgm
4速 0.794 3.81 0.698 3-4/
4540rpm
175km/h 3710rpm 139.9kgm
5速 0.631 3.03 0.795 4-5/
5170rpm
220km/h 2950rpm 111.1kgm
Final 4.800 レシオカバレッジ(変速比幅)4.867

  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数3600rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.800)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(10.0kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.800)÷タイヤの有効半径(0.2725m)で算出。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は5速ギヤの220km(6000rpmでは203.5km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが3600回転で最大トルク10.0kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば77.00kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(10.548kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと540.9kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(770kg)を1速ギヤの最大駆動力(540.9kgm)で割ってみると1.424kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する6000回転でのトルク(8.7kgm)からTWRを算出すると1.636kg/kgmとなり、3600-6000回転の回転域では1.424-1.636kg/kgmの間で推移することがわかります。


おまけ:6000rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

KA7型ジャスティに搭載されたEF12型1189ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する6000rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

6000rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ42km/h-
2速ギヤ76km/h3310rpm
3速ギヤ113km/h4030rpm
4速ギヤ162km/h4190rpm
5速ギヤ203km/h4770rpm

まず1速ギヤで6000rpmまで引っ張ると42km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は6000rpmから3310rpmまで落ち、そこから6000rpmまで加速を続けると速度は76km/h(+34km/h)になります。

3速ギヤでは4030rpmまで落ちて6000rpmで113km/h(+37km/h)に、4速ギヤでは4190rpmまで落ちて6000rpmで162km/h(+49km/h)に、5速ギヤでは4770rpmまで落ちて6000rpmで203km/h(+41km/h)という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 5740 8610 11480 14350 17220 20090 25830
2速 3170 4750 6340 7920 9500 11090 14260
3速 2130 3190 4250 5310 6380 7440 9560
4速 1480 2230 2970 3710 4450 5190 6680
5速 1180 1770 2360 2950 3540 4130 5310
※赤い数字は暫定レブリミット(6500rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.631)を選択して時速100kmにて走行すると2950回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1770回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは2060回転、一般的な高速道路の80km/hでは2360回転、100km/hでは2950回転、制限速度が120km/hになると3540回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは5310回転まで回ります。

一般的な自動車であれば時速100kmでの巡航回転数は2500回転付近に落ち着くようですが、その中でも若干高めの回転数となっています。標準的なギヤ比の範囲内ながらも静粛性や燃費よりも加速に重きを置いた設定なので、高速道路やバイパスを走行するとき、ふと「もう1段上のギヤがあったらなあ‥」と呟くことがあるかもしれません。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 7 14 21 28 35 42 49 56
2速 13 25 38 51 63 76 88 101
3速 19 38 56 75 94 113 132 151
4速 27 54 81 108 135 162 189 216
5速 34 68 102 136 170 203 237 271

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(6500回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの165/65R13と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 165/65R13 | 直径 545mm

-20mm
幅145mm
-10mm
幅155mm
変更なし
幅165mm
+10mm
幅175mm
+20mm
幅185mm
-5%
60
扁平
145/60R13
37.0km/h
直径504mm
径差-41mm
155/60R13
37.9km/h
直径516mm
径差-29mm
165/60R13
38.8km/h
直径528mm
径差-17mm
175/60R13
39.6km/h
直径540mm
径差-5mm
185/60R13
40.5km/h
直径552mm
径差+7mm
0%
65
扁平
145/65R13
38.1km/h
直径519mm
径差-26mm
155/65R13
39.0km/h
直径532mm
径差-13mm
165/65R13
40.0km/h
545mm
0mm
175/65R13
41.0km/h
直径558mm
径差+13mm
185/65R13
41.9km/h
直径571mm
径差+26mm
+5%
70
扁平
145/70R13
39.1km/h
直径533mm
径差-12mm
155/70R13
40.1km/h
直径547mm
径差+2mm
165/70R13
41.2km/h
直径561mm
径差+16mm
175/70R13
42.2km/h
直径575mm
径差+30mm
185/70R13
43.2km/h
直径589mm
径差+44mm
+10%
75
扁平
145/75R13
40.2km/h
直径548mm
径差+3mm
155/75R13
41.3km/h
直径563mm
径差+18mm
165/75R13
42.4km/h
直径578mm
径差+33mm
175/75R13
43.5km/h
直径593mm
径差+48mm
185/75R13
44.6km/h
直径608mm
径差+63mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、145/65R13、145/70R13 、155/65R13 、165/60R13 、175/60R13 あたりのタイヤがおすすめです。

165/65R13のタイヤ幅を145mmから195mmまで、扁平率を50%から80%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、165/65R13の適応サイズと性能の変化 [KA7型ジャスティ編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】165/65R13のタイヤ銘柄と通販価格

KA7型ジャスティ[1.2L-NA FF/5MT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト10.548kg/ps47.87
1速ギヤ加速性能1.424kg/kgm53.25
1L換算馬力61.40ps/L40.78
1L換算トルク8.41kgm/L37.07
WB/TR比1.74452.99
ワイド&ロー指数0.92547.66
前面の面積2.180m²62.52
最低地上高-43.72
スポーツ性能部門の得点385.86

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
10-15燃費16.0km/L56.50
年間維持費266200円55.54
100kmh回転数2950rpm43.99
航続距離560.0km41.11
車の大きさ8.054m³36.53
室内の広さ2.566m³41.89
最小回転半径4.5m63.67
馬力単価12781円61.54
ユーティリティ部門の得点400.77

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した KA7型ジャスティ[1.2L-NA FF/5MT] の総合得点は 786.63 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したKA7型ジャスティ(FF/5MT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのハッチバック」、「1500ccのハッチバック」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

ジャスティの歴代モデル

5代目 M900F型 ジャスティ
M900F ジャスティは2016/11に登場した5代目モデル。参考車両の「Custom-RS SA」は全長3715mm、全幅1670mm、全高1735mmの車体に、98PS/14.3kgmを発生する1KR型996ccエンジンを搭載した5人乗りミニバン。

初代 KA8型 ジャスティ
KA8 ジャスティは1984に登場した初代モデル。参考車両の「Myme-II」は全長3695mm、全幅1535mm、全高1420mmの車体に、73PS/10.0kgmを発生するEF12型1189ccエンジンを搭載した5人乗りハッチバック。