Y12 ウイングロード 性能と維持費 FF/4AT 5人 162万円 2010年式

このページでは、日産自動車の5ドア・5人乗りワゴン、3代目のDBA-Y12型ウイングロード 15S【2010/08モデル・109PS/15.1kgm・FF/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

Y12 ウイングロード
販売期間:2005/11 - 2018/03

画像は日産自動車より引用
http://www.nissan.co.jp/
投稿:|更新:

ボディサイズが全長4440mm×全幅1695mm×全高1505mm、排気量は1498ccであることから、大雑把に分類すると1.5リットルクラス(1500cc、自動車税は1.5L以下を適用)に属した、いわゆる5ナンバークラスの車です。とにかく排気量を増やして、とにかくボディを大きく、特に全幅を広げれば良いんだという風潮が蔓延る現代においては大変貴重な車となっています。
参考:100PS~150PSの自動車 一覧

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、前輪のみを駆動する、フロントエンジン・フロントドライブ方式(FF・FWD・前輪駆動とも)を採用しています。この方式はエンジンと駆動系(ミッション、デフ等)の収納がエンジンルーム内で完結するので、軽量コンパクトかつ低コスト化が実現でき、室内を広く作りやすい(エンジンが横置きの場合)ほか、後輪駆動車に比べて直進安定性に優れることが主な特長です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4440mmであるこの車の場合は「ミディアム」(Medium:4300mm超-4650mm以下・Dセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。

Y12型 ウイングロード [1498cc/109PS FF/4AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

3代目ウイングロードの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2010/08
JY12型
[18G]
1.8L-NA・FF/CVT・202.1万円
128PS・17.9kgm・14.0km/L
128PS
17.9kgm
14.0km/L
2010/08
Y12型
[15M]
1.5L-NA・FF/CVT・184.8万円
109PS・15.1kgm・17.2km/L
109PS
15.1kgm
17.2km/L
2010/08
NY12型
[15S-Four]
1.5L-NA・4WD/4AT・184.5万円
109PS・15.1kgm・14.0km/L
109PS
15.1kgm
14.0km/L
3代目ウイングロードの車両型式・グレード一覧【全4車種】
ウイングロードの旧型モデル
2代目 WPY11型ウイングロード
WPY11型ウイングロードは1999/05に登場した2代目モデル。参考車両の「ZV-S」は全長4390mm、全幅1695mm、全高1475mmの車体に、190PS/20.0kgmを発生するSR20型1998ccエンジンを搭載。


Y12 ウイングロードの主要諸元と大きさ比較

主要諸元
メーカー 日産自動車
車名&
グレード
ウイングロード
15S
その他 15RS Aero, Rider, Rider-Alpha, Axis, V-Selection
お値段 1617000円
車両型式 DBA-Y12
駆動方式
変速機
FF・前輪駆動(FWD,2WD)
4速AT・4速オートマ車
ドア/定員 5ドア・5名乗車
ホイールベース 2600mm
トレッド 1480mm/1485mm
WB/TR比 1.753
最小半径 5.2m
最低高 160mm
タイヤ 前輪:185/65R15
後輪:185/65R15
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ドラム
車両重量 1190kg

※WB/TR比はホイールベーストレッド比の略。値が大きいほど直進安定性に優れ、小さいほど旋回性能が高くなりやすい。全ての車種の平均値は1.773。

ウイングロードと各規格の大きさ比較
規格名 規格寸法 増減
ウイングロード
車体寸法
全長 4440mm -
全幅 1695mm -
全高 1505mm -
大きさ 11.33m3 -
軽自動車
新規格
全長 3400mm以下 +1040mm
全幅 1480mm以下 +215mm
全高平均 1640mm -135mm
大きさ平均 8.13m3 +3.20m3
小型車規格
5ナンバー車
全長 4700mm以下 -260mm
全幅 1700mm以下 -5mm
全高平均 1496mm +9mm
大きさ平均 10.48m3 +0.85m3
普通車平均
3ナンバー車
全長平均 4643mm -203mm
全幅平均 1815mm -120mm
全高平均 1518mm -13mm
大きさ平均 12.84m3 -1.51m3

※上記グラフは100のラインを上回れば平均値以上、下回れば平均値以下を表す。グラフの伸びが大きいほど各規格の車両に対して相対的に車体が長い・広い・高い。※普通乗用車(3ナンバー車)の条件は全長4700mm超または全幅1700mm超または全高2000mm超と上限値が曖昧なため、ここでは普通乗用車に属する全ての車種の平均値との比較。※軽自動車・小型乗用車の全高はいずれも2000mm以下。ただし、ここでは各規格に属する車種の全高の平均値との比較。


Y12 ウイングロードの室内広さを各規格の車両と比較

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

ウイングロードの室内広さを各規格の車両と比較
規格名 規格寸法 増減
ウイングロード
室内広さ
室内長 1955mm -
室内幅 1395mm -
室内高 1210mm -
車内広さ 3300L -
軽自動車
新規格
室内長平均 1908mm +47mm
室内幅平均 1280mm +115mm
室内高平均 1283mm -73mm
車内広さ平均 3171L +129L
小型車規格
5ナンバー車
室内長平均 1913mm +42mm
室内幅平均 1404mm -9mm
室内高平均 1196mm +14mm
車内広さ平均 3253L +47L
普通車平均
3ナンバー車
室内長平均 2050mm -95mm
室内幅平均 1483mm -88mm
室内高平均 1195mm +15mm
車内広さ平均 3698L -398L

※上記グラフは100のラインを上回れば平均値以上、下回れば平均値以下を表す。グラフの伸びが大きいほど各規格の車両に対して相対的に室内が長い・広い・高い。

人間様の占有スペースと容積効率
室内長×室内幅×室内高 3.300m³
1人あたりのスペース 0.660m³
室内長/全長 44.0%
室内幅/全幅 82.3%
室内高/全高 80.4%
室内容積/車両体積 29.1%

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は3.300m³です。この車の乗車定員は5人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.660m³のスペースが割り当てられることになります。

続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は44.0%、同じく室内幅と全幅の比率は82.3%、同じく室内高と全高の比率は80.4%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は29.1%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車 室内幅が広い車 室内高が高い車 車内の空間が広い車
室内長が長い車
室内幅が広い車
室内高が高い車
車内の空間が広い車


ウイングロードでの車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.554m
期待される荷室の幅 1.295m
対角線の長さ 2.023m
期待される荷室の面積 2.012m²

縦方向の長さが1.554m(対角線では2.023m)となれば、一般的な身長ならそれなりの車中泊を楽しむことができそうです。

車の中で足を伸ばして優雅に寝られる悦びを味わうために最低限必要な長さを備えた、車中泊のスタンダードと呼ぶに相応しい性能を有しています。

一見すると車中泊が可能そうに見えるハッチバックやワゴン、SUVであってもリアシートが前に倒れなかったり、倒れても中途半端であったり、凝った足回りのせいで室内に巨大な出っ張りがあったりで、なかなか思うようにはいきませんが、大抵のケースでは知恵と工夫で何とかなるはずです。

車中泊にあると嬉しいアイテム


Y12 ウイングロードの税金・年間維持費シミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税39600円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税17100円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額5000円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、2010/08モデルのウイングロードを15年落ちの中古で53.4万円にて購入し、頭金なしで1年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    ウイングロードの2010/08モデルの場合、2025年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の30%である48.51万円に諸経費として4.9万円を足した53.4万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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2010年式を15年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税 1500cc以下 13年経過 39600円
自動車重量税
1年分
1.5トン以下 13年-17年経過 17100円
自賠責保険料
(1年換算)
自家用乗用車 8825円
燃料代
年間1万㎞
1万㎞÷14.0×185円/L 132140円
オイル交換
5000km毎
1回4000円×2回 8000円
タイヤ交換
5年5万km毎
1本10000円×4本÷5年 8000円
任意保険料
月額5000円
月額5000円×12ヶ月 60000円
ローン完済後の年間維持費 273700円
名目 区分 金額
車のローン額
1年分
月額44470円×12ヶ月 533640円
ローン返済中の年間維持費 807400円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 54900円
  • 初度登録から13年以上経過車の場合、「1500cc以下で13年経過」クラスの自動車税は39600円、「1.5トン以下で13年-17年経過」クラスの自動車重量税は17100円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに4000円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本10000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額5000円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした54900円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

お財布に厚みが増した勢いで少し色気を出して愛車にステータス性を求めるなら、月換算22900円くらいの出費は覚悟しましょう。なあに大丈夫、愛車のためです。

口癖のように「もうちょっと維持費が安ければねえ…?」なんて呟くその姿は自慢げなようであり、しかし哀愁を帯びているようでもあり、傍からすれば対応に困ります。より維持費の安い新車を買うほどではない…ないが…考えずにもいられない、そんなクラスです。全体から見るとこの辺りから面白味のある車が増えてきます。

ウイングロードの維持費は高い?安い?

「ウイングロードの年間維持費は273700円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「1500ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてウイングロードの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いヤリス HV177500円-96200円
ジェイド217100円-56600円
フリード ハイブリッド232000円-41700円
スイフト スポーツ260000円-13700円
基準1500ccクラス平均261300円-12400円
ステップワゴン スパーダ270100円-3600円
ウイングロードの維持費273700円
アバルト595304800円+31100円
ゴルフ トゥーラン335600円+61900円
高いウーノ388300円+114600円

ウイングロードの年間維持費を、1500ccクラスで最も維持費が安いヤリス HVと比較して96200円高く、最も高いウーノと比較して114600円安く、1500ccクラスの平均維持費との比較では12400円高くなっています。

最低額のヤリス HVと最高額のウーノは極端な例としても、1500ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、ウイングロードの維持費は ちょっと高い! と言えそうです。

年間維持費が安い 1500ccクラスの車 ランキング

ウイングロードを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟の%年収月給手取り
10%360万円30万円24万円
15%240万円20万円16万円
20%180万円15万円12万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は360万円(総支給額30万円/月、手取り24万円/月)、ここから月額維持費2.3万円を支払うと残りは21.7万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は240万円(総支給額20万円/月、手取り16万円/月)、2.3万円を支払うと残りは13.7万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が180万円(総支給額15万円/月、手取り12万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。2.3万円を引くと残りは9.7万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代14万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、レギュラーガソリン1リットルあたり185円を基準として、-50円となる135円から、+50円となる235円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費14.0km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代差額
135円/L 96440円 -35700円
160円/L 114290円 -17850円
175円/L 125010円 -7130円
185円/L 132140円 -
195円/L 139290円 +7150円
210円/L 150010円 +17870円
235円/L 167870円 +35730円

燃費14.0km/LのY12型 ウイングロードで10000km走行するのに必要な燃料は714.3L、1リットルあたり185円としたときの燃料代は132140円になります。

参考までに、ウイングロードの燃料タンクは45リットルですので、714.3Lの給油回数は16回、1回あたりの燃料代は約8260円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては7150円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると17870円、50円も違ってくると35730円にもなります。

これをY12型 ウイングロードの年間維持費に当てはめてみますと、レギュラーガソリン1リットルあたり185円の場合を273700円としたとき、135円/Lに値下がりすれば238000円(87.0%)に、235円/Lに値上がりすれば309430円(113.1%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(39600円)なり重量税(17100円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

1年分の自動車税・重量税・自賠責保険料
名目 金額
自動車税 39600円
自動車重量税 1年分 17100円
自賠責保険料 1年分 8825円
合計 65525円

※現在の税制では、自動車税、自動車重量税、自賠責保険料は走行距離に関係なく税額・保険料は一律。走行距離税が新設された場合は大幅に変わる可能性あり。


維持費名目 3000km 5000km 7000km
燃料代 39640円 66070円 92500円
オイル交換 4000円 4000円 5600円
タイヤ交換 5330円 5330円 5330円
任意保険料 48000円 51000円 54000円
税金 自賠責 一律 65525円
合計 162500円 192000円 223000円
1万km差額 -111200円 -81700円 -50700円

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで50000km程度持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料60000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて111200円安い162500円に、5000km走行では81700円安い192000円に、7000km走行では50700円安い223000円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は15000kmは1.1倍、20000kmは1.2倍としたのがこちらです。

維持費名目 10000km 15000km 20000km
燃料代 132140円 198210円 264280円
オイル交換 8000円 12000円 16000円
タイヤ交換 8000円 9600円 12800円
任意保険料 60000円 66000円 72000円
税金 自賠責 一律 65525円
合計 273700円 351400円 430700円
1万km差額 - +77700円 +157000円

走行距離と維持費の変化

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
日産の小型車&普通車編
1500cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
ステーションワゴン編

ウイングロードの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
JC08モード燃費 15.0km/L
燃料タンク容量 45L
航続距離(カタログ燃費) 675.0km
航続距離(80%燃費) 540.0km
満タンプライス 8325円
1km走行コスト 12.33円/km
1万円でどこまで行ける? 810.8km
東京から675.0kmの範囲

JC08モード燃費が15.0km/L、燃料タンク容量45リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は675.0kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(13.5km/L)とすると航続距離は607.5km、80%(12.0km/L)だと540.0km、70%(10.5km/L)では472.5kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から45リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、レギュラーガソリンを1リットルあたり185円では8325円、上で計算した航続距離を踏まえると675.0km(80%燃費時540.0km)を走行するのに8325円かかる計算です。

燃費を14.0km/Lとしたときの1km走行コストは12.33円、10万km走行したときの燃料代は123.3万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら12.3万円/年、7年10万kmなら17.6万円/年、5年10万kmなら24.7万円/年、3年10万kmなら41.1万円/年となります。

ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば810.8km(往復なら片道405.4km)、カタログ値の80%なら648.6km(片道324.3km)離れたところまで行くことができます。

Y12 ウイングロードのエンジン諸元とカタログデータ

HR15DE型エンジン簡易性能曲線図
エンジン諸元
原動機型式 HR15DE
気筒配列 直列4気筒
排気量1498cc
圧縮比 10.5
吸気方式 自然吸気(NA・ノンターボ)
最高出力 109PS[80kW]/6000rpm
最大トルク 15.1kgm[148Nm]/4400rpm
パワーバンド 4400-6000rpm, 帯域26.7%
使用燃料 レギュラーガソリン
JC08燃費15.0km/L(35.3mpg)
10・15燃費16.6km/L(39.0mpg)
100km燃費6.7L/100km
最高出力・最大トルク 各回転数での出力
4400rpm 93PS/15.1kgm
6000rpm 109PS/13.0kgm
HR15DE型エンジンの諸元と性能まとめ
直列4気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に4個配置する方式。小排気量から2.5Lあたりまでをカバー。
直列4気筒の最高出力ランキング

まずおさらいとして、搭載しているHR15型1498cc、直列4気筒の自然吸気エンジンは6000回転時に最高出力109馬力を、4400回転時に最大トルク15.1kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、最大トルクと最高出力の発生回転数が程よく近いこのエンジンは、高めの回転数が得意なタイプのエンジンです。日常での使い勝手をある程度は確保しつつ、高回転のパワー感もしっかり伴う雰囲気の良さが自慢です。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なります。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する4400rpmから最高出力が発生する6000rpmまで」の1600rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は26.7%となります。※簡易エンジン性能曲線図オレンジ色の帯域。

最高出力ランキング リスト
1500cc以下クラス編
日産の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
1500cc以下クラス編
日産の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ10.917kg/PS(1190kg/109PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ10.917kg/PS
車体+1人11.422kg/PS
車体+5人13.440kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg11.468kg/PS
車体+70kg11.560kg/PS
車体+80kg11.651kg/PS
車体+90kg11.743kg/PS
車体+100kg11.835kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは11.422kg/PS(1245kg/109PS)となり、数値としては0.505kg、比率にすると4.6%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは13.440kg/PS(1465kg/109PS)となり、数値としては2.523kg、比率にすると23.1%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

Y12 ウイングロードのライバル候補車たち

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ11.422kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

愛すべきライバル車種
Page Link車名 PWR+55kg

-
ウイングロード
11.422kg/PS
109PS・1.5L-NA
車体のみPWR 10.917
1245kg
+4.6%

車種詳細
フリード
11.314kg/PS
118PS・1.5L-NA
車体のみPWR 10.847
1335kg
+4.3%

車種詳細
シャトル
11.318kg/PS
110PS・1.5L-NA
車体のみPWR 10.818
1245kg
+4.6%

車種詳細
デリカD:2
11.484kg/PS
91PS・1.3L-NA
車体のみPWR 10.879
1045kg
+5.6%

車種詳細
ソリオ
11.484kg/PS
91PS・1.3L-NA
車体のみPWR 10.879
1045kg
+5.6%

車種詳細
ノート
11.480kg/PS
98PS・1.2L-SC
車体のみPWR 10.918
1125kg
+5.1%


11.308kg/PSから11.536kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、ホンダの7人乗りミニバン・GB3型 フリード、ホンダの5人乗りワゴン・GP7型 シャトル、三菱の5人乗りミニバン・MB36S型 デリカD:2、スズキの5人乗りミニバン・MA36S型 ソリオ、日産の5人乗りハッチバック・E12型 ノートという顔ぶれが並びました。

最高出力が高いからといって、車両重量が重ければパワーウェイトレシオの数値は似たようなものになったりします。「空車状態のPWRの違いが、戦力の決定的差ではないということを…教えてやる!」といったところでしょうか。

こうなると、思いもよらぬ車種の登場に「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごも生じることもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

Y12型 ウイングロード [15S]のライバル車種|11.422kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は91.6PS/tとなっています。


ウイングロードがバイクと競争するなら…?


車種詳細
バーグマン200|199cc
11.368kg/PS
216kg/19.0PS/1.70kgm
[車体のみPWR:8.474]
1速ギヤ速度:37.8km/h
最小TWR:1.186
2010/08

-
ウイングロード|1498cc
11.422kg/PS
1245kg/109PS/15.1kgm
[車体のみPWR:10.917]
1速ギヤ速度:60.4km/h
最小TWR:2.104

車種詳細
バンバン200|199cc
11.438kg/PS
183kg/16.0PS/1.50kgm
[車体のみPWR:8.000]
1速ギヤ速度:33.4km/h
最小TWR:0.946

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではウイングロードとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

CH41A バーグマン200と競争してみる

まずウイングロードより少しPWRが低いバイクとして、スズキのバーグマン200が挙げられます。PWRの11.368kg/PSは車両重量161kgにライダーの体重55kgを加えた216kgを、最高出力19.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はバーグマン200に22.6km/h勝り、1速TWRは0.918kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

NH42A バンバン200と競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、スズキのバンバン200が挙げられます。PWRの11.438kg/PSは車両重量128kg+55kgの183kgを、最高出力16.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は27.0km/h勝り、1速TWRは1.158kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.753
平均ピストンスピード 15.68m/s
トルクウェイトレシオ 78.81kg/kgm
1馬力あたりのお値段 14835円
排気量1Lあたり馬力 72.76PS/L
排気量1Lあたりトルク 10.08kgm/L
1気筒あたりの馬力 27.2PS
1気筒あたりのトルク 3.8kgm
パワーバンド比率 26.7%
燃費×馬力 1520.5pt
各種ランキング
ステーションワゴンのPWR
1.3~1.5L以下のPWR

トルクウェイトレシオは78.81kg/kgm(1190kg/15.1kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が1617000円、最高出力が109馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は14835円、逆に1万円あたりでは0.67馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は107086円、1万円あたりでは0.09kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
日産編
1500cc以下の車編
ステーションワゴン編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は72.76PS/L、トルクは10.08kgm/L、1気筒あたりの馬力は27.2馬力、トルクは3.8kgmとなり、このエンジンが109馬力を6000回転で発生させているときの平均ピストンスピードは15.68m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が78.4mmであるHR15型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は7650回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.753になります。全ての車種の平均値である1.773を基準にざっくりと分類すると、走ってよし、曲がってよしで至れり尽くせりのオールラウンダーであると言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が13.95km/L、最高出力が109PSであるこの車の獲得ポイントは1520.5ptになります。
戯れに車両重量1190kgを100kg単位にした11.9で割ってみたところ、その数値は127.78ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


Y12 ウイングロードのギヤ比と回転数・速度のステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合6000rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした6500回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 6500rpm|タイヤサイズ 185/65R15|タイヤ直径 62.2cm|円周長 195.4cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
6500rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 2.861 11.65 - - 65km/h 9940rpm 565.6kgm
2速 1.562 6.36 0.546 1-2/
3550rpm
120km/h 5430rpm 308.8kgm
3速 1.000 4.07 0.640 2-3/
4160rpm
187km/h 3470rpm 197.7kgm
4速 0.697 2.84 0.697 3-4/
4530rpm
269km/h 2420rpm 137.8kgm
Final4.072レシオカバレッジ(変速比幅)4.105
  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数4400rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.072)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(15.1kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.072)÷タイヤの有効半径(0.311m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は4速ギヤの269km(6000rpmでは247.8km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが4400回転で最大トルク15.1kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば78.81kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(10.917kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと565.6kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1190kg)を1速ギヤの最大駆動力(565.6kgm)で割ってみると2.104kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する6000回転でのトルク(13.0kgm)からTWRを算出すると2.444kg/kgmとなり、4400-6000回転の回転域では2.104-2.444kg/kgmの間で推移することがわかります。


6000rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

Y12型ウイングロードに搭載されたHR15型1498ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する6000rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

6000rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ60km/h-
2速ギヤ111km/h3280rpm
3速ギヤ173km/h3840rpm
4速ギヤ248km/h4180rpm

まず1速ギヤで6000rpmまで引っ張ると60km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は6000rpmから3280rpmまで落ち、そこから6000rpmまで加速を続けると速度は111km/h(+51km/h)になります。

3速ギヤでは3840rpmまで落ちて6000rpmで173km/h(+62km/h)に、4速ギヤでは4180rpmまで落ちて6000rpmで248km/h(+75km/h)という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 3970 5960 7950 9940 11920 13910 17890
2速 2170 3260 4340 5430 6510 7600 9770
3速 1390 2080 2780 3470 4170 4860 6250
4速 970 1450 1940 2420 2900 3390 4360
※赤い数字は暫定レブリミット(6500rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.697)を選択して時速100kmにて走行すると2420回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1450回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1690回転、一般的な高速道路の80km/hでは1940回転、100km/hでは2420回転、制限速度が120km/hになると2900回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは4360回転まで回ります。

一般的な自動車であれば時速100kmでの巡航回転数は2500回転付近に落ち着くようですが、その中でも若干低めの回転数となっています。標準的なギヤ比の範囲内ながらも加速よりも静粛性や燃費に重きを置いた設定なので、急な坂道や長く続く坂道では積極的にギヤを1段下げる操作が必要になるかもしれません。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 10 20 30 40 50 60 70 81
2速 18 37 55 74 92 111 129 147
3速 29 58 86 115 144 173 202 230
4速 41 83 124 165 207 248 289 330

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(6500回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの185/65R15と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 185/65R15 | 直径 622mm

-20mm
幅165mm
-10mm
幅175mm
変更なし
幅185mm
+10mm
幅195mm
+20mm
幅205mm
60 165/60R15
37.2km/h
径 579mm
差 -43mm
175/60R15
38.0km/h
径 591mm
差 -31mm
185/60R15
38.8km/h
径 603mm
差 -19mm
195/60R15
39.5km/h
径 615mm
差 -7mm
205/60R15
40.3km/h
径 627mm
差 +5mm
65 165/65R15
38.3km/h
径 596mm
差 -26mm
175/65R15
39.2km/h
径 609mm
差 -13mm
185/65R15
40.0km/h
622mm
0mm
195/65R15
40.8km/h
径 635mm
差 +13mm
205/65R15
41.7km/h
径 648mm
差 +26mm
70 165/70R15
39.4km/h
径 612mm
差 -10mm
175/70R15
40.3km/h
径 626mm
差 +4mm
185/70R15
41.2km/h
径 640mm
差 +18mm
195/70R15
42.1km/h
径 654mm
差 +32mm
205/70R15
43.0km/h
径 668mm
差 +46mm
75 165/75R15
40.5km/h
径 629mm
差 +7mm
175/75R15
41.4km/h
径 644mm
差 +22mm
185/75R15
42.4km/h
径 659mm
差 +37mm
195/75R15
43.3km/h
径 674mm
差 +52mm
205/75R15
44.3km/h
径 689mm
差 +67mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、165/65R15、165/70R15 、175/60R15、175/65R15 、185/60R15 、195/60R15 あたりのタイヤがおすすめです。

185/65R15のタイヤ幅を165mmから215mmまで、扁平率を50%から80%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、185/65R15の適応サイズと性能の変化 [Y12型ウイングロード編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】185/65R15のタイヤ銘柄と通販価格

Y12型 ウイングロード 1.5L-NA FF/4ATの通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を比較してみます。

運動性能部門 10項目
評価項目全車種平均数値得点評価
PWR9.79㎏/PS10.92㎏/PS46.9ptC
最高回転数5880rpm6000rpm51.5ptC
1速ギヤ
加速性能
1.58㎏/㎏m2.10㎏/㎏m38.9ptD
1速ギヤ
最高速
51.1㎞/h60.4㎞/h58.6ptB
1リットル
換算馬力
73.10PS/L72.76PS/L49.7ptC
1リットル
換算トルク
9.47㎏m/L10.08㎏m/L57.4ptB
WB/TR比1.7731.75352.0ptC
ワイド&
ロー指数
0.8940.88850.4ptC
前面の面積2.631m22.551m252.2ptC
最低地上高154.5mm160mm47.8ptC
スポーツ性能部門の得点505.6pt
総合評価C

※PWR(パワーウェイトレシオ)・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比(旋回性能重視)・ワイド&ロー指数(見た目のかっこよさ)・前面の面積(≒前方投影面積・空気抵抗)・最低地上高については数値が小さいほど高得点。最高回転数・1速ギヤ最高速・1リットル換算馬力・1リットル換算トルクについては数値が大きいほど高得点。

ユーティリティ部門 10項目
評価項目全車種平均数値得点評価
年間維持費340696円273700円55.8ptB
JC08燃費17.7km/L15.0km/L45.8ptD
100km/h
回転数
2490rpm2420rpm50.9ptC
航続距離644.1km627.8km49.1ptC
車の大きさ11.468m311.326m350.6ptC
車内の広さ3430.7L3299.9L48.7ptC
乗車定員4.8人5人51.7ptC
1人あたり
車内広さ
691.9L660.0L47.3ptC
車内床面積2.793m22.727m249.1ptC
最小回転
半径
5.17m5.2m49.4ptC
ユーティリティ部門の得点498.4pt
総合評価C

※JC08燃費・航続距離(燃費×燃料タンク容量)・室内の広さ(室内長×室内幅×室内高)・乗車定員・1人あたりの車内の広さは数値が大きいほど高得点、新車価格・年間維持費・100km/h回転数・車の大きさ(全長×全幅×全高)・最小回転半径は数値が小さいほど高得点。

結果発表!
部門 全10706車種中 RANK
運動性能 505.6pt 4270位 C
運動性能部門 ランキング
ユーティリティ 498.4pt 4168位 C
ユーティリティ部門 ランキング
総合得点 1004.0pt 4645位 C
総合得点ランキング

スポーツ性能部門は505.6点で全10706車種中の4270位、ユーティリティ部門は498.4点で4168位、総合得点は1004.0点で4645位となりました。各部門、獲得点数が多い車種から順番に並べたランキングを用意してありますのでご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したY12型 ウイングロード(FF/4AT) の各種スペックを、ワゴン1500ccという属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを比較してみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

ウイングロードの歴代モデル

3代目 JY12型 ウイングロード
JY12 ウイングロードは2005/11に登場した3代目モデル。参考車両の「18G」は全長4440mm、全幅1695mm、全高1505mmの車体に、128PS/17.9kgmを発生するMR18型1797ccエンジンを搭載した5人乗りワゴン。

2代目 WPY11型 ウイングロード
WPY11 ウイングロードは1999/05に登場した2代目モデル。参考車両の「ZV-S」は全長4390mm、全幅1695mm、全高1475mmの車体に、190PS/20.0kgmを発生するSR20型1998ccエンジンを搭載した5人乗りワゴン。

初代 WFY10型 ウイングロード
WFY10 ウイングロードは1996/05に登場した初代モデル。参考車両の「LE-Extra」は全長4295mm、全幅1665mm、全高1475mmの車体に、105PS/13.8kgmを発生するGA15型1497ccエンジンを搭載した5人乗りワゴン。


人気があるワゴンの車種比較


WGNC34 ステージア 260RS vs BCNR33 スカイライン GT-R 性能比較
初代 ステージア 260RS Autech version 260RS(1998年式 WGNC34・4WD/5MT・2.6L+ツインターボ・280PS/37.5kgm・5人乗り)と、9代目 スカイライン GT-R(1997年式 BCNR33・4WD/5MT・2.6L+ツインターボ・280PS/37.5kgm・4人乗り)を比較。

WGNC34 ステージア 260RS vs WGNC34 ステージア 25t 性能比較
初代 ステージア 260RS Autech version 260RS(1998年式 WGNC34・4WD/5MT・2.6L+ツインターボ・280PS/37.5kgm・5人乗り)と、初代 ステージア 25t RS-FOUR S(2000年式 WGNC34・4WD/5MT・2.5L+ターボ・280PS/35.0kgm・5人乗り)を比較。

EC5A ギャラン VR-4 2000 vs EC5W レグナム VR-4 2000 性能比較
8代目 ギャラン VR-4 type-V(2000年式 EC5A・4WD/5MT・2.5L+ツインターボ・280PS/37.0kgm・5人乗り)と、初代 レグナム VR-4 VR-4 type-S(2000年式 EC5W・4WD/5MT・2.5L+ターボ・280PS/37.0kgm・5人乗り)を比較。

ZZE123G カローラ フィールダー 2ZZ vs ZZT231 セリカ SS-II 性能比較
9代目 カローラ フィールダー Z Aero-Tourer(2004年式 ZZE123G・FF/6MT・1.8L・190PS/18.4kgm・5人乗り)と、7代目 セリカ SS-II(2005年式 ZZT231・FF/6MT・1.8L・190PS/18.4kgm・4人乗り)を比較。

ZZE123G カローラ フィールダー 2ZZ vs ZZE123 カローラ ランクス 2ZZ 性能比較
9代目 カローラ フィールダー Z Aero-Tourer(2004年式 ZZE123G・FF/6MT・1.8L・190PS/18.4kgm・5人乗り)と、9代目 カローラ ランクス Z Aero-Tourer(2004年式 ZZE123・FF/6MT・1.8L・190PS/18.4kgm・5人乗り)を比較。

WGNC34 ステージア 260RS vs BNR34 スカイライン GT-R 性能比較
初代 ステージア 260RS Autech version 260RS(1998年式 WGNC34・4WD/5MT・2.6L+ツインターボ・280PS/37.5kgm・5人乗り)と、10代目 スカイライン GT-R M-spec Nur(2002年式 BNR34・4WD/6MT・2.6L+ツインターボ・280PS/40.0kgm・4人乗り)を比較。

ST246W カルディナ GT-FOUR vs ST215W カルディナ GT-T 新旧比較
3代目 カルディナ GT-FOUR(2005年式 ST246W・4WD/4AT・2.0L+ターボ・260PS/33.0kgm・5人乗り)と、2代目 カルディナ GT-T ActiveSport GT-T(2001年式 ST215W・4WD/5MT・2.0L+ターボ・260PS/33.0kgm・5人乗り)を比較。


HA97S アルト ハイブリッド 2021 vs HA37S アルト 2021 性能比較
9代目 アルト ハイブリッド Hybrid-S(2021年式 HA97S・FF/CVT・0.66L・49PS/5.9kgm・4人乗り)と、9代目 アルト A(2021年式 HA37S・FF/CVT・0.66L・46PS/5.6kgm・4人乗り)を比較。