A187A スタリオンの性能と維持費 FR/4AT 5人 264万円 1988年式

このページでは、三菱自動車の3ドア・5人乗りクーペ、初代のE-A187A型スタリオン GSR-VR【1988/04モデル・175PS/32.0kgm・FR/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

A187A スタリオン
販売期間:1982 - 1990/02

画像は三菱自動車より引用
http://www.mitsubishi-motors.co.jp/
投稿:2011/09/16|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長4410mm×全幅1745mm×全高1320mm、排気量は2555ccであることから、大雑把に分類すると2.6リットルクラス(2600cc、自動車税は3.0L以下を適用)に属し、全長、全高は5ナンバー枠ながら全幅が1.7mを超え、排気量も2000ccを超えていることにより3ナンバー登録になります。比較的コンパクトなボディに大きめなエンジンの組み合わせは世界戦略車(グローバルカー)やちょっとした高級車に良くあるパターンです。
参考:150PS~200PSの自動車 一覧

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、後輪のみを駆動する、フロントエンジン・リヤドライブ方式(後輪駆動・FR・RWDとも)を採用しています。前輪は操舵、後輪は駆動と役割分担が異なることから優れたハンドリングを得られるとされ、運転の質を求める人々から絶大なる支持を集めます。高級車の代名詞的な駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4410mmであるこの車の場合は「ミディアム」(Medium:4300mm超-4650mm以下・Dセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


A187A型 スタリオン [2555cc/175PS FR/4AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

初代スタリオンの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
1988/04
A187A型
[GSR-VR]
2.6L-TB・FR/5MT・255.9万円
175PS・32.0kgm・8.0km/L
175PS
32.0kgm
8.0km/L

主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー 三菱自動車
車名&
グレード
スタリオン
GSR-VR
その他 -
お値段 2638000円
車両型式 E-A187A
駆動方式
変速機
FR・後輪駆動(RWD,2WD)
4速AT・4速オートマ車
ドア/定員 3ドア/5名乗車
車体寸法 長4410×幅1745×高1320mm
室内寸法 長1590×幅1350×高1080mm
軸距&
輪距
2435mm
前1465mm/後1425mm
最小半径 4.8m
タイヤ 前輪:205/55R16
後輪:225/50R16
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
車両重量 1340kg
エンジン諸元
原動機型式 G54B
気筒配列 直列4気筒
排気量2555cc
圧縮比7.0
吸気方式 ターボ
最高出力 175PS[129kW]/5000rpm
最大トルク 32.0kgm[314Nm]/3000rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
10・15燃費 7.0km/L(16.5mpg)
100km燃費 14.3L/100km
G54B型エンジンの諸元と性能まとめ
直列4気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に4個配置する方式。小排気量から2.5Lあたりまでをカバー。
直列4気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税58600円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税18900円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額6500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、1988/04モデルのスタリオンを36年落ちの中古で58.1万円にて購入し、頭金なしで1年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    スタリオンの1988/04モデルの場合、2024年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の20%である52.76万円に諸経費として5.3万円を足した58.1万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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1988年式を36年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 3000cc以下 13年経過 58600円
自動車重量税(1年分) 1.5トン以下 18年経過 18900円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
燃料代(年間1万km) 10000km÷6.0km/L×190円/L 316670円
オイル交換(5000km毎) 1回6500円×2回 13000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本12000円×4本÷5年 9600円
任意保険料(月額6500円) 月額6500円×12ヶ月 78000円
ローン完済後の年間維持費 503600円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額48360円×12ヶ月 580320円
ローン返済中の年間維持費 1084000円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 58500円
名目 金額
自動車税(1年分) 58600円
自動車重量税(1年分) 18900円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
316670円
(221670円)
(158340円)
(95000円)
オイル交換(5000km毎) 13000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 9600円
任意保険料(月額6500円) 78000円
ローン完済後の年間維持費 503600円
名目 金額
車のローン額(1年分) 580320円
ローン返済中の年間維持費 1084000円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
58500円
  • 初度登録から13年以上経過車の場合、「3000cc以下で13年経過」クラスの自動車税は58600円、「1.5トン以下で18年経過」クラスの自動車重量税は18900円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに6500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本12000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額6500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした58500円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

年間の維持費が50万円を超えてくると、これはもうこの車そのものが趣味の世界です。もしくは、これだけの維持費が掛かる車を所有していることに喜びを感じ、ある種のカタルシスを感じているかもしれません。

名にし負うスタリオンともなれば、その維持費は月額でさえ42000円(ローン完済前は90400円)という破格の金額。とてもじゃないが頭金0円!一世一代のフルローン!で乗るような車ではありません。どうしても乗りたい言うなら、清水の舞台から飛び降りる覚悟でご近所をノロノロ運転して満足するか、盆栽としてガレージに飾っておくならまあ、あるいは…

スタリオンの維持費は高い?安い?

「スタリオンの年間維持費は503600円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「3000ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてスタリオンの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いハイエース バン266980円-236620円
GLS327100円-176500円
グランエース342500円-161100円
スカイライン369100円-134500円
基準3000ccクラス平均402100円-101500円
アリスト439900円-63700円
スカイラインGT-R466200円-37400円
X5503300円-300円
スタリオンの維持費503600円
高いXM ワゴン600800円+97200円

スタリオンの年間維持費を、3000ccクラスで最も維持費が安いハイエース バンと比較して236620円高く、最も高いXM ワゴンと比較して97200円安く、3000ccクラスの平均維持費との比較では101500円高くなっています。

最低額のハイエース バンと最高額のXM ワゴンは極端な例としても、3000ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、スタリオンの維持費は かなり高い! と言えそうです。

年間維持費が安い 3000ccクラスの車 ランキング

スタリオンを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟%年収月給手取り
10%650万円55万円43万円
15%440万円37万円29万円
20%330万円28万円22万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は650万円(総支給額55万円/月、手取り43万円/月)、ここから月額維持費4.2万円を支払うと残りは38.8万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は440万円(総支給額37万円/月、手取り29万円/月)、4.2万円を支払うと残りは24.8万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が330万円(総支給額28万円/月、手取り22万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。4.2万円を引くと残りは17.8万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代32万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり190円を基準として、-50円となる140円から、+50円となる240円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費6.0km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
140円/L
233340円
[-83330円]
-25円
165円/L
275010円
[-41660円]
-10円
180円/L
300010円
[-16660円]
190円/L316670円
[0円]
+10円
200円/L
333340円
[+16670円]
+25円
215円/L
358350円
[+41680円]
+50円
240円/L
400010円
[+83340円]

燃費6.0km/LのA187A型 スタリオンで10000km走行するのに必要な燃料は1666.7L、1リットルあたり190円としたときの燃料代は316670円になります。

参考までに、スタリオンの燃料タンクは75リットルですので、1666.7Lの給油回数は23回、1回あたりの燃料代は約13770円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては16670円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると41680円、50円も違ってくると83340円にもなります。

これをA187A型 スタリオンの年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり190円の場合を503600円としたとき、140円/Lに値下がりすれば420270円(83.5%)に、240円/Lに値上がりすれば586940円(116.5%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(58600円)なり重量税(18900円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 58600円 23%
自動車重量税 1年分 18900円 7%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 3000km分 95000円 37%
オイル交換 年1回 6500円 3%
タイヤ交換 6年毎 6400円 2%
任意保険料 80% 62400円 25%
合計
[1万kmとの差額]
256700円
-246900円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 58600円 18%
自動車重量税 1年分 18900円 6%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 5000km分 158340円 49%
オイル交換 年1回 6500円 2%
タイヤ交換 6年毎 6400円 2%
任意保険料 85% 66360円 20%
合計
[1万kmとの差額]
324000円
-179600円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 58600円 15%
自動車重量税 1年分 18900円 5%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 7000km分 221670円 56%
オイル交換 年1回 9100円 2%
タイヤ交換 6年毎 6400円 2%
任意保険料 90% 70200円 18%
合計
[1万kmとの差額]
393700円
-109900円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料78000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて246900円安い256700円に、5000km走行では179600円安い324000円に、7000km走行では109900円安い393700円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 58600円 8%
自動車重量税 1年分 18900円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 15000km分 475010円 69%
オイル交換 年3回 39000円 6%
タイヤ交換 2.7年毎 14400円 2%
任意保険料 100% 78000円 11%
合計
[1万kmとの差額]
692800円
+189200円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 58600円 7%
自動車重量税 1年分 18900円 2%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 20000km分 633340円 73%
オイル交換 年4回 52000円 6%
タイヤ交換 2年毎 19200円 2%
任意保険料 100% 78000円 9%
合計
[1万kmとの差額]
868900円
+365300円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
三菱の小型車&普通車編
3000cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
2ドア・クーペ編

スタリオンの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
10・15モード燃費 7.0km/L
燃料タンク容量 75L
航続距離(カタログ燃費) 525.0km
航続距離(80%燃費) 420.0km
満タンプライス 14250円
1km走行コスト 27.14円
1万円でどこまで行ける? 368.4km

10・15モード燃費が7.0km/L、燃料タンク容量75リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は525.0kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(6.3km/L)とすると航続距離は472.5km、80%(5.6km/L)だと420.0km、70%(4.9km/L)では367.5kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から75リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり190円では14250円、上で計算した航続距離を踏まえると525.0km(80%燃費時420.0km)を走行するのに14250円かかる計算です。

燃費を6.0km/Lとしたときの1km走行コストは27.14円、10万km走行したときの燃料代は271.4万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら27.1万円/年、7年10万kmなら38.8万円/年、5年10万kmなら54.3万円/年、3年10万kmなら90.5万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば368.4km(往復なら片道184.2km)、カタログ値の80%なら294.7km(片道147.4km)離れたところまで行くことができます。

カタログデータから見えてくる要素

G54B型エンジン簡易性能曲線図
各回転域での馬力
3000回転時の馬力 134PS
5000回転時の馬力 175PS
各回転域でのトルク
3000回転時のトルク 32.0kgm
5000回転時のトルク 25.1kgm
G54B型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載しているG54B型2555cc、直列4気筒のターボエンジンは5000回転時に最高出力175馬力を、3000回転時に最大トルク32.0kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、最大トルクの発生回転数が若干高めにあるこのエンジンは、普段使いでも不足を感じることなく、それでいて高い回転数を維持すればスポーティな走行も楽しめるバランスの良さが魅力です。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する3000rpmから最高出力が発生する5000rpmまで」の2000rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は40.0%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
3000cc以下クラス編
三菱の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
3000cc以下クラス編
三菱の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ7.657kg/PS(1340kg/175PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ7.657kg/PS
車体+1人7.971kg/PS
車体+5人9.229kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg8.000kg/PS
車体+70kg8.057kg/PS
車体+80kg8.114kg/PS
車体+90kg8.171kg/PS
車体+100kg8.229kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは7.971kg/PS(1395kg/175PS)となり、数値としては0.314kg、比率にすると4.1%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは9.229kg/PS(1615kg/175PS)となり、数値としては1.572kg、比率にすると20.5%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

A187A スタリオンのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
1988/04

-
スタリオン
7.971kg/PS
1395kg/175PS|2.6L-TB
[車体のみPWR:7.657]
2014/10

車種詳細
ノート
8.107kg/PS
1135kg/140PS|1.6L-NA
車体のみPWR:7.714
2011/12

車種詳細
スイフト スポーツ
8.125kg/PS
1105kg/136PS|1.6L-NA
車体のみPWR:7.721
2006/12

車種詳細
ブーン X4
7.782kg/PS
1035kg/133PS|1.0L-TB
車体のみPWR:7.368
2017/09

車種詳細
シビック
7.832kg/PS
1355kg/173PS|1.5L-TB
車体のみPWR:7.514
2008/10

車種詳細
フーガ
7.780kg/PS
1735kg/223PS|2.5L-NA
車体のみPWR:7.534

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ7.971kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

7.732kg/PSから8.210kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、日産の5人乗りハッチバック「E12改型 ノート」、スズキの5人乗りハッチバック「ZC32S型 スイフト スポーツ」、ダイハツの5人乗りハッチバック「M312S型 ブーン X4」、ホンダの5人乗りセダン「FC1型 シビック」、日産の5人乗りセダン「Y50型 フーガ」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

A187A型 スタリオン [GSR-VR]のライバル車種|7.971kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は130.6PS/tとなっています。


スタリオンがバイクと競争するなら…?


車種詳細
スカイウェイブ400|385cc
7.969kg/PS
255kg/32.0PS/3.30kgm
[車体のみPWR:6.250]
1速ギヤ速度:53.3km/h
最小TWR:1.142
1988/04

-
スタリオン|2555cc
7.971kg/PS
1395kg/175PS/32.0kgm
[車体のみPWR:7.657]
1速ギヤ速度:68.2km/h
最小TWR:1.516

車種詳細
CBR250R|249cc
8.000kg/PS
216kg/27.2PS/2.35kgm
[車体のみPWR:5.963]
1速ギヤ速度:39.6km/h
最小TWR:0.829

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではスタリオンとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

CK43A スカイウェイブ400と競争してみる

まずスタリオンより少しPWRが低いバイクとして、スズキのスカイウェイブ400が挙げられます。PWRの7.969kg/PSは車両重量200kgにライダーの体重55kgを加えた255kgを、最高出力32.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はスカイウェイブ400に14.9km/h勝り、1速TWRは0.374kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

MC41 CBR250Rと競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、ホンダのCBR250Rが挙げられます。PWRの8.000kg/PSは車両重量161kg+55kgの216kgを、最高出力27.2PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は28.6km/h勝り、1速TWRは0.687kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.685
平均ピストンスピード 16.33m/s
トルクウェイトレシオ 41.88kg/kgm
1馬力あたりのお値段 15074円
排気量1Lあたり馬力 68.49PS/L
排気量1Lあたりトルク 12.52kgm/L
1気筒あたりの馬力 43.8PS
1気筒あたりのトルク 8.0kgm
パワーバンド比率 40.0%
燃費×馬力 1041.2pt
各種ランキング
クーペのPWR
2.5~3.0Lターボ車のPWR

トルクウェイトレシオは41.88kg/kgm(1340kg/32.0kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が2638000円、最高出力が175馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は15074円、逆に1万円あたりでは0.66馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は82438円、1万円あたりでは0.12kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
三菱編
3000cc以下の車編
クーペ編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は68.49PS/L、トルクは12.52kgm/L、1気筒あたりの馬力は43.8馬力、トルクは8.0kgmとなり、このエンジンが175馬力を5000回転で発生させているときの平均ピストンスピードは16.33m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が98.0mmであるG54B型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6120回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.685になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと小回りを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が5.95km/L、最高出力が175PSであるこの車の獲得ポイントは1041.2ptになります。
戯れに車両重量1340kgを100kg単位にした13.4で割ってみたところ、その数値は77.71ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


人間様の占有スペース

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

人間様の占有スペース
室内長×室内幅×室内高 2.318m³
1人あたりのスペース 0.464m³
室内長/全長 36.1%
室内幅/全幅 77.4%
室内高/全高 81.8%
室内容積/車両体積 22.8%

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は2.318m³です。この車の乗車定員は5人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.464m³のスペースに閉じ込められることになります。大柄な体格だとさすがに狭苦しく感じるかもしれません。続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は36.1%、同じく室内幅と全幅の比率は77.4%、同じく室内高と全高の比率は81.8%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は22.8%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車 室内幅が広い車 室内高が高い車 車内の空間が広い車
室内長が長い車
室内幅が広い車
室内高が高い車
車内の空間が広い車


スタリオンでの車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.544m
期待される荷室の幅 1.250m
対角線の長さ 1.987m
期待される荷室の面積 1.930m²

縦方向の長さが1.544m(対角線では1.987m)となれば、一般的な身長ならそれなりの車中泊を楽しむことができそうです。

車の中で足を伸ばして優雅に寝られる悦びを味わうために最低限必要な長さを備えた、車中泊のスタンダードと呼ぶに相応しい性能を有しています。

セダンやクーペであっても後部座席の背もたれを取り外してトランクルームと貫通させて荷室長を確保すれば良いだけの話です。たまに背もたれを取り外してもトランクルームと繋がっていなかったり、頑強な補強バーが入っていて邪魔されることもありますが、恐らく稀なケースです。

車中泊にあると嬉しいアイテム

ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合5000rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした5500回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 5500rpm|タイヤサイズ 225/50R16|タイヤ直径 63.1cm|円周長 198.2cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
5500rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 2.458 8.71 -
-
75km/h 7330rpm 883.8kgm
2速 1.458 5.17 0.593 1-2/
3260rpm
127km/h 4350rpm 524.2kgm
3速 1.000 3.54 0.686 2-3/
3770rpm
185km/h 2980rpm 359.6kgm
4速 0.686 2.43 0.686 3-4/
3770rpm
269km/h 2040rpm 246.7kgm
Final 3.545 レシオカバレッジ(変速比幅)3.583

  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数3000rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.545)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(32.0kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.545)÷タイヤの有効半径(0.3155m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は4速ギヤの269km(5000rpmでは244.5km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが3000回転で最大トルク32.0kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば41.88kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(7.657kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと883.8kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1340kg)を1速ギヤの最大駆動力(883.8kgm)で割ってみると1.516kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する5000回転でのトルク(25.1kgm)からTWRを算出すると1.933kg/kgmとなり、3000-5000回転の回転域では1.516-1.933kg/kgmの間で推移することがわかります。


おまけ:5000rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

A187A型スタリオンに搭載されたG54B型2555ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する5000rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

5000rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ68km/h-
2速ギヤ115km/h2970rpm
3速ギヤ168km/h3430rpm
4速ギヤ245km/h3430rpm

まず1速ギヤで5000rpmまで引っ張ると68km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は5000rpmから2970rpmまで落ち、そこから5000rpmまで加速を続けると速度は115km/h(+47km/h)になります。

3速ギヤでは3430rpmまで落ちて5000rpmで168km/h(+53km/h)に、4速ギヤでは3430rpmまで落ちて5000rpmで245km/h(+77km/h)に、という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 2930 4400 5860 7330 8790 10260 13190
2速 1740 2610 3480 4350 5220 6080 7820
3速 1190 1790 2380 2980 3580 4170 5370
4速 820 1230 1640 2040 2450 2860 3680
※赤い数字は暫定レブリミット(5500rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.686)を選択して時速100kmにて走行すると2050回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1230回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1430回転、一般的な高速道路の80km/hでは1640回転、100km/hでは2050回転、制限速度が120km/hになると2450回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは3680回転まで回ります。

これほどまでに時速100kmでの巡航回転数が低ければ、(パワーさえ足りていれば)高速道路では向かうところ敵なしです。エンジンノイズによる疲れとは無縁の世界、ただひたすらに回り続けるエンジンのなんと頼もしいことでしょう。これに合わせてタイヤのロードノイズ、風きり音すらも完璧に抑え込まれていたならば、これはもはや完全無欠の高級車です。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 14 27 41 55 68 82 96 109
2速 23 46 69 92 115 138 161 184
3速 34 67 101 134 168 201 235 268
4速 49 98 147 196 245 293 342 391

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(5500回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの225/50R16と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 225/50R16 | 直径 631mm

-20mm
幅205mm
-10mm
幅215mm
変更なし
幅225mm
+10mm
幅235mm
+20mm
幅245mm
-5%
45
扁平
205/45R16
37.5km/h
直径591mm
径差-40mm
215/45R16
38.0km/h
直径600mm
径差-31mm
225/45R16
38.6km/h
直径609mm
径差-22mm
235/45R16
39.2km/h
直径618mm
径差-13mm
245/45R16
39.7km/h
直径627mm
径差-4mm
0%
50
扁平
205/50R16
38.7km/h
直径611mm
径差-20mm
215/50R16
39.4km/h
直径621mm
径差-10mm
225/50R16
40.0km/h
631mm
0mm
235/50R16
40.6km/h
直径641mm
径差+10mm
245/50R16
41.3km/h
直径651mm
径差+20mm
+5%
55
扁平
205/55R16
40.1km/h
直径632mm
径差+1mm
215/55R16
40.8km/h
直径643mm
径差+12mm
225/55R16
41.5km/h
直径654mm
径差+23mm
235/55R16
42.2km/h
直径665mm
径差+34mm
245/55R16
42.9km/h
直径676mm
径差+45mm
+10%
60
扁平
205/60R16
41.3km/h
直径652mm
径差+21mm
215/60R16
42.1km/h
直径664mm
径差+33mm
225/60R16
42.9km/h
直径676mm
径差+45mm
235/60R16
43.6km/h
直径688mm
径差+57mm
245/60R16
44.4km/h
直径700mm
径差+69mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、205/50R16 、215/45R16、215/50R16 、225/45R16 、235/45R16 、245/45R16あたりのタイヤがおすすめです。

225/50R16のタイヤ幅を205mmから255mmまで、扁平率を35%から65%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、225/50R16の適応サイズと性能の変化 [A187A型スタリオン編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】225/50R16のタイヤ銘柄と通販価格

A187A型スタリオン[2.6Lターボ FR/4AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト7.657kg/ps55.78
1速ギヤ加速性能1.516kg/kgm51.28
1L換算馬力68.49ps/L37.42
1L換算トルク12.52kgm/L39.38
WB/TR比1.68559.07
ワイド&ロー指数0.75659.91
前面の面積2.303m²59.08
最低地上高-43.72
スポーツ性能部門の得点405.64

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
10-15燃費7.0km/L36.81
年間維持費503600円33.79
100kmh回転数2040rpm55.99
航続距離525.0km39.08
車の大きさ10.158m³44.86
室内の広さ2.318m³39.54
最小回転半径4.8m57.55
馬力単価15074円58.53
ユーティリティ部門の得点366.15

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した A187A型スタリオン[2.6Lターボ FR/4AT] の総合得点は 771.79 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したA187A型スタリオン(FR/4AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのクーペ」、「3000ccのクーペ」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。