N96W シャリオ グランディス 性能と維持費 4WD/4AT 7人 329万円 2001年

このページでは、三菱自動車の5ドア・7人乗りミニバン、3代目のGF-N96W型シャリオ グランディス Royal【2001/10モデル・215PS/30.5kgm・4WD/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

N96W シャリオ グランディス
販売期間:1997/10 - 2003/05

画像は三菱自動車より引用
http://www.mitsubishi-motors.co.jp/
投稿:|更新:

ボディサイズが全長4650mm×全幅1780mm×全高1650mm、排気量は2972ccであることから、大雑把に分類すると3.0リットルクラス(3000cc、自動車税は3.0L以下を適用)に属し、全長、全高は5ナンバー枠ながら全幅が1.7mを超え、排気量も2000ccを超えていることにより3ナンバー登録になります。比較的コンパクトなボディに大きめなエンジンの組み合わせは世界戦略車(グローバルカー)やちょっとした高級車に良くあるパターンです。
参考:200PS~250PSの自動車 一覧

駆動方式には車両に備わる全てのタイヤを駆動する、いわゆる四輪駆動(All Wheel Drive・AWD・Four Wheel Drive・4WDとも)を採用しています。真っ直ぐ進むことに掛けては右に出る者なしとされ、大雨、強風、泥濘、降雪、凍結など天変地異による悪天候下や悪路にて無類の強さを発揮する安心の駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4650mmであるこの車の場合は「ミディアム」(Medium:4300mm超-4650mm以下・Dセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。

N96W型 シャリオ グランディス [2972cc/215PS 4WD/4AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

3代目シャリオ グランディスの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2002/05
N84W型
[Touring]
2.4L-NA・FF/4AT・219.0万円
165PS・23.5kgm・11.8km/L
165PS
23.5kgm
11.8km/L
2002/05
N94W型
[Touring]
2.4L-NA・4WD/4AT・243.0万円
165PS・23.5kgm・11.4km/L
165PS
23.5kgm
11.4km/L
2001/10
N86W型
[Royal]
3.0L-NA・FF/4AT・304.8万円
215PS・30.5kgm・10.6km/L
215PS
30.5kgm
10.6km/L
3代目シャリオ グランディスの車両型式・グレード一覧【全4車種】
シャリオ グランディスの新型モデル
4代目 NA4W型グランディス
NA4W型グランディスは2003/05に登場した4代目モデル。参考車両の「S」は全長4780mm、全幅1795mm、全高1655mmの車体に、165PS/22.1kgmを発生する4G69型2378ccエンジンを搭載。

シャリオ グランディスの旧型モデル
2代目 N43W型シャリオ
N43W型シャリオは1991/05に登場した2代目モデル。参考車両の「Resort-Runner GT」は全長4555mm、全幅1695mm、全高1670mmの車体に、230PS/29.5kgmを発生する4G63型1997ccエンジンを搭載。


N96W シャリオ グランディスの主要諸元と大きさ比較

主要諸元
メーカー 三菱自動車
車名&
グレード
シャリオ グランディス
Royal
その他 ロイヤル, ロイヤルツーリング, ロイヤルエクシード, 6人乗りと7人乗りあり
お値段 3288000円
車両型式 GF-N96W
駆動方式
変速機
4WD・四輪駆動(AWD)
4速AT・4速オートマ車
ドア/定員 5ドア・7名乗車
ホイールベース 2780mm
トレッド 1505mm/1535mm
WB/TR比 1.829
最小半径 5.7m
最低高 155mm
タイヤ 前輪:205/65R15
後輪:205/65R15
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
車両重量 1720kg

※WB/TR比はホイールベーストレッド比の略。値が大きいほど直進安定性に優れ、小さいほど旋回性能が高くなりやすい。全ての車種の平均値は1.773。

シャリオ グランディスと各規格の大きさ比較
規格名 規格寸法 増減
シャリオ グランディス
車体寸法
全長 4650mm -
全幅 1780mm -
全高 1650mm -
大きさ 13.66m3 -
軽自動車
新規格
全長 3400mm以下 +1250mm
全幅 1480mm以下 +300mm
全高平均 1640mm +10mm
大きさ平均 8.13m3 +5.53m3
小型車規格
5ナンバー車
全長 4700mm以下 -50mm
全幅 1700mm以下 +80mm
全高平均 1496mm +154mm
大きさ平均 10.48m3 +3.18m3
普通車平均
3ナンバー車
全長平均 4643mm +7mm
全幅平均 1815mm -35mm
全高平均 1518mm +132mm
大きさ平均 12.84m3 +0.82m3

※上記グラフは100のラインを上回れば平均値以上、下回れば平均値以下を表す。グラフの伸びが大きいほど各規格の車両に対して相対的に車体が長い・広い・高い。※普通乗用車(3ナンバー車)の条件は全長4700mm超または全幅1700mm超または全高2000mm超と上限値が曖昧なため、ここでは普通乗用車に属する全ての車種の平均値との比較。※軽自動車・小型乗用車の全高はいずれも2000mm以下。ただし、ここでは各規格に属する車種の全高の平均値との比較。


N96W シャリオ グランディスの室内広さを各規格の車両と比較

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

シャリオ グランディスの室内広さを各規格の車両と比較
規格名 規格寸法 増減
シャリオ グランディス
室内広さ
室内長 2725mm -
室内幅 1510mm -
室内高 1200mm -
車内広さ 4938L -
軽自動車
新規格
室内長平均 1908mm +817mm
室内幅平均 1280mm +230mm
室内高平均 1283mm -83mm
車内広さ平均 3171L +1767L
小型車規格
5ナンバー車
室内長平均 1913mm +812mm
室内幅平均 1404mm +106mm
室内高平均 1196mm +4mm
車内広さ平均 3253L +1685L
普通車平均
3ナンバー車
室内長平均 2050mm +675mm
室内幅平均 1483mm +27mm
室内高平均 1195mm +5mm
車内広さ平均 3698L +1240L

※上記グラフは100のラインを上回れば平均値以上、下回れば平均値以下を表す。グラフの伸びが大きいほど各規格の車両に対して相対的に室内が長い・広い・高い。

人間様の占有スペースと容積効率
室内長×室内幅×室内高 4.938m³
1人あたりのスペース 0.705m³
室内長/全長 58.6%
室内幅/全幅 84.8%
室内高/全高 72.7%
室内容積/車両体積 36.2%

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は4.938m³です。この車の乗車定員は7人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.705m³のスペースが割り当てられることになります。

続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は58.6%、同じく室内幅と全幅の比率は84.8%、同じく室内高と全高の比率は72.7%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は36.2%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車 室内幅が広い車 室内高が高い車 車内の空間が広い車
室内長が長い車
室内幅が広い車
室内高が高い車
車内の空間が広い車


シャリオ グランディスでの車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.627m
期待される荷室の幅 1.410m
対角線の長さ 2.153m
期待される荷室の面積 2.294m²

縦方向の長さが1.627m(対角線では2.153m)ともなると、もはや車の中で生活しても良いんじゃないかと錯覚しかねないほど快適な睡眠が約束されます。

日頃の行いが悪いとか、人様には言えないことをやらかしたとか、誰の顔も見たくないなどの訳アリで家に帰れず、やむなく車中泊をしてみたが最期、あまりの気楽さに心を奪われ流浪の民となりかねません。

多くのミニバンや1BOXは室内長の寸法が大きいことから車中泊への期待が高まりますが、2列目、3列目シートの収納がイマイチの場合は車中泊の難易度がセダンよりも跳ね上がりかねません。その場合はシートを前ではなく後に倒してのフルフラットの可否が鍵を握ります。

車中泊にあると嬉しいアイテム


N96W シャリオ グランディスの税金・年間維持費シミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税58600円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税25200円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額6500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、2001/10モデルのシャリオ グランディスを24年落ちの中古で72.4万円にて購入し、頭金なしで2年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    シャリオ グランディスの2001/10モデルの場合、2025年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の20%である65.76万円に諸経費として6.6万円を足した72.4万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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2001年式を24年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税 3000cc以下 13年経過 58600円
自動車重量税
1年分
2.0トン以下 18年経過 25200円
自賠責保険料
(1年換算)
自家用乗用車 8825円
燃料代
年間1万㎞
1万㎞÷8.5㎞/L×195円/L 229410円
オイル交換
5000km毎
1回5500円×2回 11000円
タイヤ交換
5年5万km毎
1本10000円×4本÷5年 8000円
任意保険料
月額6500円
月額6500円×12ヶ月 78000円
ローン完済後の年間維持費 419100円
名目 区分 金額
車のローン額
1年分
月額30140円×12ヶ月 361680円
ローン返済中の年間維持費 780800円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 71100円
  • 初度登録から13年以上経過車の場合、「3000cc以下で13年経過」クラスの自動車税は58600円、「2.0トン以下で18年経過」クラスの自動車重量税は25200円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに5500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本10000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額6500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした71100円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

このあたりのクラスから理想と現実の違い、つまり「乗りたい車」と「乗ることができる車」は違うことを思い知らされます。うっかり手を出せば「いっ…維持費が高すぎて息ができん!フーッ!フーッ!」と目を白黒させることになりかねません。

さて、シャリオ グランディス【Royal】の場合、維持費の月額は35000円になります。金銭的にシビアな人からは「車なんてどれもタイヤが4つあるだけなのに、なんでこんなにお金の掛かる車に乗ってるんだ…修行か…」と奇異の目で見られていることでしょう。でも良いんです。愛さえあれば。

シャリオ グランディスの維持費は高い?安い?

「シャリオ グランディスの年間維持費は419100円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「3000ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてシャリオ グランディスの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いハイエース バン274670円-144430円
スープラ343900円-75200円
グランエース352500円-66600円
スカイライン379100円-40000円
基準3000ccクラス平均413500円-5600円
シャリオ グランディスの維持費419100円
アリスト453300円+34200円
スカイライン GT-R480700円+61600円
X5519600円+100500円
高いXM ワゴン623000円+203900円

シャリオ グランディスの年間維持費を、3000ccクラスで最も維持費が安いハイエース バンと比較して144430円高く、最も高いXM ワゴンと比較して203900円安く、3000ccクラスの平均維持費との比較では5600円高くなっています。

最低額のハイエース バンと最高額のXM ワゴンは極端な例としても、3000ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、シャリオ グランディスの維持費は ちょっと高い! と言えそうです。

年間維持費が安い 3000ccクラスの車 ランキング

シャリオ グランディスを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟の%年収月給手取り
10%540万円45万円35万円
15%360万円30万円24万円
20%270万円23万円18万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は540万円(総支給額45万円/月、手取り35万円/月)、ここから月額維持費3.5万円を支払うと残りは31.5万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は360万円(総支給額30万円/月、手取り24万円/月)、3.5万円を支払うと残りは20.5万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が270万円(総支給額23万円/月、手取り18万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。3.5万円を引くと残りは14.5万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代23万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり195円を基準として、-50円となる145円から、+50円となる245円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費8.5km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代差額
145円/L 170600円 -58810円
170円/L 200010円 -29400円
185円/L 217660円 -11750円
195円/L 229410円 -
205円/L 241190円 +11780円
220円/L 258830円 +29420円
245円/L 288250円 +58840円

燃費8.5km/LのN96W型 シャリオ グランディスで10000km走行するのに必要な燃料は1176.5L、1リットルあたり195円としたときの燃料代は229410円になります。

参考までに、シャリオ グランディスの燃料タンクは58リットルですので、1176.5Lの給油回数は21回、1回あたりの燃料代は約10930円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては11780円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると29420円、50円も違ってくると58840円にもなります。

これをN96W型 シャリオ グランディスの年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり195円の場合を419100円としたとき、145円/Lに値下がりすれば360290円(86.0%)に、245円/Lに値上がりすれば477940円(114.0%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(58600円)なり重量税(25200円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

税金の安さは折り紙付き!
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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

1年分の自動車税・重量税・自賠責保険料
名目 金額
自動車税 58600円
自動車重量税 1年分 25200円
自賠責保険料 1年分 8825円
合計 92625円

※現在の税制では、自動車税、自動車重量税、自賠責保険料は走行距離に関係なく税額・保険料は一律。走行距離税が新設された場合は大幅に変わる可能性あり。


維持費名目 3000km 5000km 7000km
燃料代 68820円 114710円 160590円
オイル交換 5500円 5500円 7700円
タイヤ交換 5330円 5330円 5330円
任意保険料 62400円 66360円 70200円
税金 自賠責 一律 92625円
合計 234700円 284600円 336500円
1万km差額 -184400円 -134500円 -82600円

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで50000km程度持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料78000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて184400円安い234700円に、5000km走行では134500円安い284600円に、7000km走行では82600円安い336500円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は15000kmは1.1倍、20000kmは1.2倍としたのがこちらです。

維持費名目 10000km 15000km 20000km
燃料代 229410円 344120円 458820円
オイル交換 11000円 16500円 22000円
タイヤ交換 8000円 9600円 12800円
任意保険料 78000円 85800円 93600円
税金 自賠責 一律 92625円
合計 419100円 548700円 679900円
1万km差額 - +129600円 +260800円

走行距離と維持費の変化

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
三菱の小型車&普通車編
3000cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
7人乗りミニバン編

シャリオ グランディスの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
10・15モード燃費 10.0km/L
燃料タンク容量 58L
航続距離(カタログ燃費) 580.0km
航続距離(80%燃費) 464.0km
満タンプライス 11310円
1km走行コスト 19.50円/km
1万円でどこまで行ける? 512.8km
東京から580.0kmの範囲

10・15モード燃費が10.0km/L、燃料タンク容量58リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は580.0kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(9.0km/L)とすると航続距離は522.0km、80%(8.0km/L)だと464.0km、70%(7.0km/L)では406.0kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から58リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり195円では11310円、上で計算した航続距離を踏まえると580.0km(80%燃費時464.0km)を走行するのに11310円かかる計算です。

燃費を8.5km/Lとしたときの1km走行コストは19.50円、10万km走行したときの燃料代は195.0万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら19.5万円/年、7年10万kmなら27.9万円/年、5年10万kmなら39.0万円/年、3年10万kmなら65.0万円/年となります。

ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば512.8km(往復なら片道256.4km)、カタログ値の80%なら410.3km(片道205.1km)離れたところまで行くことができます。

N96W シャリオ グランディスのエンジン諸元とカタログデータ

6G72型エンジン簡易性能曲線図
エンジン諸元
原動機型式 6G72
気筒配列 V型6気筒
排気量2972cc
圧縮比 10.5
吸気方式 自然吸気(NA・ノンターボ)
最高出力 215PS[158kW]/5500rpm
最大トルク 30.5kgm[299Nm]/3250rpm
パワーバンド 3250-5500rpm, 帯域40.9%
使用燃料 ハイオクガソリン
10・15燃費10.0km/L(23.5mpg)
100km燃費10.0L/100km
最高出力・最大トルク 各回転数での出力
3250rpm 138PS/30.5kgm
5500rpm 215PS/28.0kgm
6G72型NAエンジン諸元と性能
V型6気筒とは‥シリンダをV字型に交互で6個配置する方式。中排気量のスタンダード。
V型6気筒の最高出力ランキング

まずおさらいとして、搭載している6G72型2972cc、V型6気筒の自然吸気エンジンは5500回転時に最高出力215馬力を、3250回転時に最大トルク30.5kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、低めの回転数から中間域にトルクのピークがあるこのエンジンは、街中での普段使いに心地よく、高回転もそれなりでバランスの取れたタイプです。多くの乗用車がこの特性に当て嵌まるのではないかと思います。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なります。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する3250rpmから最高出力が発生する5500rpmまで」の2250rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は40.9%となります。※簡易エンジン性能曲線図オレンジ色の帯域。

最高出力ランキング リスト
3000cc以下クラス編
三菱の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
3000cc以下クラス編
三菱の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ8.000kg/PS(1720kg/215PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ8.000kg/PS
車体+1人8.256kg/PS
車体+7人9.791kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg8.279kg/PS
車体+70kg8.326kg/PS
車体+80kg8.372kg/PS
車体+90kg8.419kg/PS
車体+100kg8.465kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは8.256kg/PS(1775kg/215PS)となり、数値としては0.256kg、比率にすると3.2%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの7人が搭乗した場合、車両重量に385kgがプラスされてパワーウェイトレシオは9.791kg/PS(2105kg/215PS)となり、数値としては1.791kg、比率にすると22.4%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

N96W シャリオ グランディスのライバル候補車たち

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ8.256kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

愛すべきライバル車種
Page Link車名 PWR+55kg

-
シャリオ グランディス
8.256kg/PS
215PS・3.0L-NA
車体のみPWR 8.000
1775kg
+3.2%

車種詳細
スイフト スポーツ
8.272kg/PS
136PS・1.6L-NA
車体のみPWR 7.868
1125kg
+5.1%

車種詳細
ノート
8.107kg/PS
140PS・1.6L-NA
車体のみPWR 7.714
1135kg
+5.1%

車種詳細
フィット
8.371kg/PS
132PS・1.5L-NA
車体のみPWR 7.955
1105kg
+5.2%

車種詳細
ティアナ
8.351kg/PS
185PS・2.5L-NA
車体のみPWR 8.054
1545kg
+3.7%

車種詳細
IS
8.302kg/PS
215PS・2.5L-NA
車体のみPWR 8.047
1785kg
+3.2%


8.091kg/PSから8.421kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、スズキの5人乗りハッチバック・ZC32S型 スイフト スポーツ、日産の5人乗りハッチバック・E12改型 ノート、ホンダの5人乗りハッチバック・GK5型 フィット、日産の5人乗りセダン・J32型 ティアナ、レクサスの4人乗りオープンカー・GSE20型 ISという顔ぶれが並びました。

最高出力が高いからといって、車両重量が重ければパワーウェイトレシオの数値は似たようなものになったりします。「空車状態のPWRの違いが、戦力の決定的差ではないということを…教えてやる!」といったところでしょうか。

こうなると、思いもよらぬ車種の登場に「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごも生じることもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

N96W型 シャリオ グランディス [Royal]のライバル車種|8.256kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は125.0PS/tとなっています。


シャリオ グランディスがバイクと競争するなら…?


車種詳細
CRF250L|249cc
8.250kg/PS
198kg/24.0PS/2.30kgm
[車体のみPWR:5.958]
1速ギヤ速度:38.9km/h
最小TWR:0.755
2001/10

-
シャリオ グランディス|2972cc
8.256kg/PS
1775kg/215PS/30.5kgm
[車体のみPWR:8.000]
1速ギヤ速度:57.5km/h
最小TWR:1.565

車種詳細
SR400|399cc
8.259kg/PS
223kg/27.0PS/3.00kgm
[車体のみPWR:6.222]
1速ギヤ速度:48.5km/h
最小TWR:1.029

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではシャリオ グランディスとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

MD44 CRF250Lと競争してみる

まずシャリオ グランディスより少しPWRが低いバイクとして、ホンダのCRF250Lが挙げられます。PWRの8.250kg/PSは車両重量143kgにライダーの体重55kgを加えた198kgを、最高出力24.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はCRF250Lに18.6km/h勝り、1速TWRは0.810kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

RH01J SR400と競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、ヤマハのSR400が挙げられます。PWRの8.259kg/PSは車両重量168kg+55kgの223kgを、最高出力27.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は9.0km/h勝り、1速TWRは0.536kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.829
平均ピストンスピード 13.93m/s
トルクウェイトレシオ 56.39kg/kgm
1馬力あたりのお値段 15293円
排気量1Lあたり馬力 72.34PS/L
排気量1Lあたりトルク 10.26kgm/L
1気筒あたりの馬力 35.8PS
1気筒あたりのトルク 5.1kgm
パワーバンド比率 40.9%
燃費×馬力 1827.5pt
各種ランキング
ミニバン・1BOXのPWR
2.5~3.0LのNA車 PWR

トルクウェイトレシオは56.39kg/kgm(1720kg/30.5kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が3288000円、最高出力が215馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は15293円、逆に1万円あたりでは0.65馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は107803円、1万円あたりでは0.09kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
三菱編
3000cc以下の車編
7人乗りミニバン編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は72.34PS/L、トルクは10.26kgm/L、1気筒あたりの馬力は35.8馬力、トルクは5.1kgmとなり、このエンジンが215馬力を5500回転で発生させているときの平均ピストンスピードは13.93m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が76.0mmである6G72型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は7890回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.829になります。全ての車種の平均値である1.773を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと真っ直ぐ進むことを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が8.50km/L、最高出力が215PSであるこの車の獲得ポイントは1827.5ptになります。
戯れに車両重量1720kgを100kg単位にした17.2で割ってみたところ、その数値は106.25ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


N96W シャリオ グランディスのギヤ比と回転数・速度のステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合5500rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした6000回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 6000rpm|タイヤサイズ 205/65R15|タイヤ直径 64.8cm|円周長 203.6cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
6000rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 2.842 11.67 - - 63km/h 9560rpm 1099.0kgm
2速 1.495 6.14 0.526 1-2/
3160rpm
119km/h 5030rpm 578.1kgm
3速 1.000 4.11 0.669 2-3/
4010rpm
178km/h 3360rpm 386.7kgm
4速 0.731 3.00 0.731 3-4/
4390rpm
244km/h 2460rpm 282.7kgm
Final4.108レシオカバレッジ(変速比幅)3.888
  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数3250rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.108)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(30.5kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.108)÷タイヤの有効半径(0.324m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は4速ギヤの244km(5500rpmでは223.7km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが3250回転で最大トルク30.5kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば56.39kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(8.000kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと1099.0kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1720kg)を1速ギヤの最大駆動力(1099.0kgm)で割ってみると1.565kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する5500回転でのトルク(28.0kgm)からTWRを算出すると1.705kg/kgmとなり、3250-5500回転の回転域では1.565-1.705kg/kgmの間で推移することがわかります。


5500rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

N96W型シャリオ グランディスに搭載された6G72型2972ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する5500rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

5500rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ58km/h-
2速ギヤ109km/h2890rpm
3速ギヤ164km/h3680rpm
4速ギヤ224km/h4020rpm

まず1速ギヤで5500rpmまで引っ張ると58km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は5500rpmから2890rpmまで落ち、そこから5500rpmまで加速を続けると速度は109km/h(+51km/h)になります。

3速ギヤでは3680rpmまで落ちて5500rpmで164km/h(+55km/h)に、4速ギヤでは4020rpmまで落ちて5500rpmで224km/h(+60km/h)という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 3820 5730 7650 9560 11470 13380 17200
2速 2010 3020 4020 5030 6030 7040 9050
3速 1350 2020 2690 3360 4040 4710 6050
4速 980 1470 1970 2460 2950 3440 4420
※赤い数字は暫定レブリミット(6000rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.731)を選択して時速100kmにて走行すると2460回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1470回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1720回転、一般的な高速道路の80km/hでは1970回転、100km/hでは2460回転、制限速度が120km/hになると2950回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは4420回転まで回ります。

一般的な自動車であれば時速100kmでの巡航回転数は2500回転付近に落ち着くようですが、その中でも若干低めの回転数となっています。標準的なギヤ比の範囲内ながらも加速よりも静粛性や燃費に重きを置いた設定なので、急な坂道や長く続く坂道では積極的にギヤを1段下げる操作が必要になるかもしれません。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 10 21 31 42 52 63 73 84
2速 20 40 60 80 99 119 139 159
3速 30 59 89 119 149 178 208 238
4速 41 81 122 163 203 244 285 325

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(6000回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの205/65R15と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 205/65R15 | 直径 648mm

-20mm
幅185mm
-10mm
幅195mm
変更なし
幅205mm
+10mm
幅215mm
+20mm
幅225mm
60 185/60R15
37.2km/h
径 603mm
差 -45mm
195/60R15
38.0km/h
径 615mm
差 -33mm
205/60R15
38.7km/h
径 627mm
差 -21mm
215/60R15
39.4km/h
径 639mm
差 -9mm
225/60R15
40.2km/h
径 651mm
差 +3mm
65 185/65R15
38.4km/h
径 622mm
差 -26mm
195/65R15
39.2km/h
径 635mm
差 -13mm
205/65R15
40.0km/h
648mm
0mm
215/65R15
40.8km/h
径 661mm
差 +13mm
225/65R15
41.6km/h
径 674mm
差 +26mm
70 185/70R15
39.5km/h
径 640mm
差 -8mm
195/70R15
40.4km/h
径 654mm
差 +6mm
205/70R15
41.2km/h
径 668mm
差 +20mm
215/70R15
42.1km/h
径 682mm
差 +34mm
225/70R15
43.0km/h
径 696mm
差 +48mm
75 185/75R15
40.7km/h
径 659mm
差 +11mm
195/75R15
41.6km/h
径 674mm
差 +26mm
205/75R15
42.5km/h
径 689mm
差 +41mm
215/75R15
43.5km/h
径 704mm
差 +56mm
225/75R15
44.4km/h
径 719mm
差 +71mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、185/65R15、185/70R15 、195/65R15 、205/60R15 、215/60R15 あたりのタイヤがおすすめです。

205/65R15のタイヤ幅を185mmから235mmまで、扁平率を50%から80%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、205/65R15の適応サイズと性能の変化 [N96W型シャリオ グランディス編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】205/65R15のタイヤ銘柄と通販価格

N96W型 シャリオ グランディス 3.0L-NA 4WD/4ATの通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を比較してみます。

運動性能部門 10項目
評価項目全車種平均数値得点評価
PWR9.79㎏/PS8.00㎏/PS54.8ptB
最高回転数5880rpm5500rpm45.3ptD
1速ギヤ
加速性能
1.58㎏/㎏m1.56㎏/㎏m50.3ptC
1速ギヤ
最高速
51.1㎞/h57.5㎞/h55.9ptB
1リットル
換算馬力
73.10PS/L72.34PS/L49.4ptC
1リットル
換算トルク
9.47㎏m/L10.26㎏m/L59.6ptB
WB/TR比1.7731.82944.3ptD
ワイド&
ロー指数
0.8940.92747.6ptC
前面の面積2.631m22.937m241.4ptD
最低地上高154.5mm155mm49.8ptC
スポーツ性能部門の得点492.1pt
総合評価C

※PWR(パワーウェイトレシオ)・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比(旋回性能重視)・ワイド&ロー指数(見た目のかっこよさ)・前面の面積(≒前方投影面積・空気抵抗)・最低地上高については数値が小さいほど高得点。最高回転数・1速ギヤ最高速・1リットル換算馬力・1リットル換算トルクについては数値が大きいほど高得点。

ユーティリティ部門 10項目
評価項目全車種平均数値得点評価
年間維持費340696円419100円43.2ptD
10-15燃費13.0km/L10.0km/L43.4ptD
100km/h
回転数
2490rpm2460rpm50.4ptC
航続距離644.1km493.0km41.3ptD
車の大きさ11.468m313.657m341.3ptD
車内の広さ3430.7L4937.7L64.8ptA
乗車定員4.8人7人68.3ptA
1人あたり
車内広さ
691.9L705.4L51.1ptC
車内床面積2.793m24.115m268.9ptA
最小回転
半径
5.17m5.7m39.2ptD
ユーティリティ部門の得点511.9pt
総合評価B

※10-15燃費・航続距離(燃費×燃料タンク容量)・室内の広さ(室内長×室内幅×室内高)・乗車定員・1人あたりの車内の広さは数値が大きいほど高得点、新車価格・年間維持費・100km/h回転数・車の大きさ(全長×全幅×全高)・最小回転半径は数値が小さいほど高得点。

結果発表!
部門 全10706車種中 RANK
運動性能 492.1pt 5782位 C
運動性能部門 ランキング
ユーティリティ 511.9pt 3025位 B
ユーティリティ部門 ランキング
総合得点 1004.0pt 4642位 C
総合得点ランキング

スポーツ性能部門は492.1点で全10706車種中の5782位、ユーティリティ部門は511.9点で3025位、総合得点は1004.0点で4642位となりました。各部門、獲得点数が多い車種から順番に並べたランキングを用意してありますのでご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したN96W型 シャリオ グランディス(4WD/4AT) の各種スペックを、ミニバン3000ccという属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを比較してみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

シャリオ グランディスの歴代モデル

4代目 NA4W型 グランディス
NA4W グランディスは2003/05に登場した4代目モデル。参考車両の「S」は全長4780mm、全幅1795mm、全高1655mmの車体に、165PS/22.1kgmを発生する4G69型2378ccエンジンを搭載した7人乗りミニバン。

3代目 N86W型 シャリオ グランディス
N86W シャリオ グランディスは1997/10に登場した3代目モデル。参考車両の「Royal」は全長4650mm、全幅1780mm、全高1650mmの車体に、215PS/30.5kgmを発生する6G72型2972ccエンジンを搭載した7人乗りミニバン。

2代目 N44W型 シャリオ
N44W シャリオは1991/05に登場した2代目モデル。参考車両の「Super-MX」は全長4495mm、全幅1695mm、全高1595mmの車体に、145PS/21.0kgmを発生する4G64型2350ccエンジンを搭載した7人乗りミニバン。

初代 D05W型 シャリオ
D05W シャリオは1983/02に登場した初代モデル。参考車両の「Thanks」は全長4295mm、全幅1640mm、全高1525mmの車体に、86PS/14.1kgmを発生するG37B型1755ccエンジンを搭載した7人乗りミニバン。


人気があるミニバンの車種比較


RP6 ステップワゴン 2022 vs MZRA90W ノア 2022 性能比較
6代目 ステップワゴン AIR(2022年式 RP6・FF/CVT・1.5L+ターボ・150PS/20.7kgm・8人乗り)と、4代目 ノア X 8人乗り(2022年式 MZRA90W・FF/CVT・2.0L・170PS/20.6kgm・8人乗り)を比較。

ZWR90W ノア ハイブリッド 2022 vs MZRA90W ノア 2022 性能比較
4代目 ノア ハイブリッド X 8人乗り(2022年式 ZWR90W・FF/CVT・1.8L・98PS/14.5kgm・8人乗り)と、4代目 ノア X 8人乗り(2022年式 MZRA90W・FF/CVT・2.0L・170PS/20.6kgm・8人乗り)を比較。

B38A デリカ ミニ 2023 vs CV1W デリカD:5 2019 性能比較
初代 デリカ ミニ T(2023年式 B38A・4WD/CVT・0.66L+ターボ・64PS/10.2kgm・4人乗り)と、5代目 デリカD:5 M(2019年式 CV1W・4WD/8AT・2.3L+ターボ・145PS/38.7kgm・8人乗り)を比較。

RP8 ステップワゴン e:HEV 2022 vs ZWR90W ノア ハイブリッド 2022 性能比較
6代目 ステップワゴン e:HEV AIR(2022年式 RP8・FF/CVT・2.0L・145PS/17.8kgm・8人乗り)と、4代目 ノア ハイブリッド X 8人乗り(2022年式 ZWR90W・FF/CVT・1.8L・98PS/14.5kgm・8人乗り)を比較。

S231G アトレー7 2004 vs U66W タウンボックス ワイド 2000 性能比較
4代目 アトレー7 X Low-Roof(2004年式 S231G・4WD/4AT・1.3L・92PS/12.7kgm・7人乗り)と、初代 タウンボックス ワイド(2000年式 U66W・4WD/4AT・1.1L・75PS/10.2kgm・6人乗り)を比較。

MZRA90W ノア 2022 vs C28 セレナ 2022 性能比較
4代目 ノア X 8人乗り(2022年式 MZRA90W・FF/CVT・2.0L・170PS/20.6kgm・8人乗り)と、6代目 セレナ X(2022年式 C28・FF/CVT・2.0L・150PS/20.4kgm・8人乗り)を比較。

GT1 フリード 2024 vs MXPC10G シエンタ 2022 性能比較
3代目 フリード AIR EX(2024年式 GT1・FF/CVT・1.5L・118PS/14.5kgm・7人乗り)と、3代目 シエンタ X(2022年式 MXPC10G・FF/CVT・1.5L・120PS/14.8kgm・7人乗り)を比較。

S231G アトレー7 2004 vs S230G アトレーワゴン 2004 性能比較
4代目 アトレー7 L High-Roof(2004年式 S231G・4WD/5MT・1.3L・92PS/12.7kgm・7人乗り)と、4代目 アトレーワゴン Touring-Turbo Low-Roof(2004年式 S230G・4WD/5MT・0.66L+ターボ・64PS/10.5kgm・4人乗り)を比較。