KH3P:CX-60の性能と維持費 FR/8AT 5人 324万円 2022年式

このページでは、マツダ株式会社の5ドア・5人乗りSUV、初代の3DA-KH3P型CX-60 XD【2022/12モデル・231PS/51.0kgm・FR/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

KH3P CX-60
販売期間:2022/09 - 現行車

画像はマツダ株式会社より引用
http://www.mazda.co.jp/
投稿:2023/06/09|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長4740mm×全幅1890mm×全高1685mm、排気量は3283ccであることから、大雑把に分類すると3.3リットルクラス(3300cc、自動車税は3.5L以下を適用)に属し、全長、全幅、排気量ともに5ナンバー枠を超えていることにより完全無欠の3ナンバー登録車です。いわゆる【高級車】にカテゴライズされます。
参考:200PS~250PSの自動車 一覧

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、後輪のみを駆動する、フロントエンジン・リヤドライブ方式(後輪駆動・FR・RWDとも)を採用しています。前輪は操舵、後輪は駆動と役割分担が異なることから優れたハンドリングを得られるとされ、運転の質を求める人々から絶大なる支持を集めます。高級車の代名詞的な駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4740mmであるこの車の場合は「アッパーミディアム」(Upper-Medium:4650mm超-4900mm以下・Eセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


KH3P型 CX-60 [3283cc/231PS FR/8AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

初代CX-60の類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2022/12
KH5P型
[25S S-package]
2.5L-NA・FR/8AT・299.2万円
188PS・25.5kgm・14.2km/L
188PS
25.5kgm
14.2km/L
2022/12
KH3P型
[XD]
3.3L-TB・4WD/8AT・346.5万円
231PS・51.0kgm・18.5km/L
231PS
51.0kgm
18.5km/L
2022/12
KH5P型
[25S S-package]
2.5L-NA・4WD/8AT・321.8万円
188PS・25.5kgm・13.1km/L
188PS
25.5kgm
13.1km/L
初代CX-60の車両型式・グレード一覧【全5車種】

主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー マツダ株式会社
車名&
グレード
CX-60
XD
その他 S-package | L-package | Exclusive Mode
お値段 3239500円
車両型式 3DA-KH3P
駆動方式
変速機
FR・後輪駆動(RWD,2WD)
8速AT・8速オートマ車
ドア/定員 5ドア/5名乗車
車体寸法 長4740×幅1890×高1685mm
室内寸法 長1910×幅1550×高1230mm
軸距&
輪距
2870mm
前1640mm/後1645mm
最小半径 5.4m
最低高 175mm
タイヤ 前輪:235/60R18
後輪:235/60R18
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
車両重量 1790kg
エンジン諸元
原動機型式 T3-VPTS
気筒配列 直列6気筒
排気量3283cc
圧縮比15.2
吸気方式 ターボ
最高出力 231PS[170kW]/4000-4200rpm
最大トルク 51.0kgm[500Nm]/1500-3000rpm
使用燃料 軽油(ディーゼル燃料)
WLTC燃費 19.8km/L(46.6mpg)
JC08燃費 20.5km/L(48.2mpg)
100km燃費 5.1L/100km
T3-VPTS型エンジンの諸元と性能まとめ
直列6気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に6個配置する方式。理論上では完全バランスなれど今や絶滅危惧種。
直列6気筒エンジンを搭載する車種の一覧
直列6気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税57000円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税16400円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かる軽油代月額7000円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、CX-60の新車を372.6万円(諸費用として48.6万円を加算)にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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新車で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 3500cc以下 11年未満 57000円
自動車重量税(1年分) 2.0トン以下 13年未満 16400円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
燃料代(年間1万km) 10000km÷19.8km/L×155円/L 78280円
オイル交換(5000km毎) 1回7500円×2回 15000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本18000円×4本÷5年 14400円
任意保険料(月額7000円) 月額7000円×12ヶ月 84000円
ローン完済後の年間維持費 274000円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額62090円×12ヶ月 745080円
ローン返済中の年間維持費 1019000円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 53500円
名目 金額
自動車税(1年分) 57000円
自動車重量税(1年分) 16400円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
78280円
(54800円)
(39140円)
(23480円)
オイル交換(5000km毎) 15000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 14400円
任意保険料(月額7000円) 84000円
ローン完済後の年間維持費 274000円
名目 金額
車のローン額(1年分) 745080円
ローン返済中の年間維持費 1019000円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
53500円
  • 初度登録から2年経過車の場合、「3500cc以下で11年未満」クラスの自動車税は57000円、「2.0トン以下で13年未満」クラスの自動車重量税は16400円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに7500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本18000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額7000円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした53500円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

お財布に厚みが増した勢いで少し色気を出して愛車にステータス性を求めるなら、月換算22900円くらいの出費は覚悟しましょう。なあに大丈夫、愛車のためです。

口癖のように「もうちょっと維持費が安ければねえ…?」なんて呟くその姿は自慢げなようであり、しかし哀愁を帯びているようでもあり、傍からすれば対応に困ります。より維持費の安い新車を買うほどではない…ないが…考えずにもいられない、そんなクラスです。全体から見るとこの辺りから面白味のある車が増えてきます。

CX-60の維持費は高い?安い?

「CX-60の年間維持費は274000円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「3500ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてCX-60の維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いCX-60271400円-2600円
CX-60の維持費274000円
ディグニティ310600円+36600円
Eクラス セダン351800円+77800円
IS387200円+113200円
基準3500ccクラス平均425800円+151800円
911 クーペ502500円+228500円
カマロ クーペ553300円+279300円
高い5シリーズ セダン736000円+462000円

CX-60の年間維持費を、3500ccクラスで最も維持費が安いCX-60と比較して2600円高く、最も高い5シリーズ セダンと比較して462000円安く、3500ccクラスの平均維持費との比較では151800円安くなっています。

最低額のCX-60と最高額の5シリーズ セダンは極端な例としても、3500ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、CX-60の維持費は ものすごく安い! と言えそうです。

年間維持費が安い 3500ccクラスの車 ランキング

CX-60を維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟%年収月給手取り
10%360万円30万円24万円
15%240万円20万円16万円
20%180万円15万円12万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は360万円(総支給額30万円/月、手取り24万円/月)、ここから月額維持費2.3万円を支払うと残りは21.7万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は240万円(総支給額20万円/月、手取り16万円/月)、2.3万円を支払うと残りは13.7万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が180万円(総支給額15万円/月、手取り12万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。2.3万円を引くと残りは9.7万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代8万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、軽油(ディーゼル燃料)1リットルあたり155円を基準として、-50円となる105円から、+50円となる205円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費19.8km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
105円/L
53040円
[-25240円]
-25円
130円/L
65670円
[-12610円]
-10円
145円/L
73240円
[-5040円]
155円/L78280円
[0円]
+10円
165円/L
83350円
[+5070円]
+25円
180円/L
90920円
[+12640円]
+50円
205円/L
103550円
[+25270円]

燃費19.8km/LのKH3P型 CX-60で10000km走行するのに必要な燃料は505.1L、1リットルあたり155円としたときの燃料代は78280円になります。

参考までに、CX-60の燃料タンクは58リットルですので、505.1Lの給油回数は9回、1回あたりの燃料代は約8700円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては5070円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると12640円、50円も違ってくると25270円にもなります。

これをKH3P型 CX-60の年間維持費に当てはめてみますと、軽油(ディーゼル燃料)1リットルあたり155円の場合を274000円としたとき、105円/Lに値下がりすれば248760円(90.8%)に、205円/Lに値上がりすれば299270円(109.2%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(57000円)なり重量税(16400円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなれば軽油代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 57000円 30%
自動車重量税 1年分 16400円 9%
自賠責保険料 1年分 8825円 5%
燃料代 3000km分 23480円 12%
オイル交換 年1回 7500円 4%
タイヤ交換 6年毎 9600円 5%
任意保険料 80% 67200円 35%
合計
[1万kmとの差額]
190100円
-83900円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 57000円 27%
自動車重量税 1年分 16400円 8%
自賠責保険料 1年分 8825円 4%
燃料代 5000km分 39140円 19%
オイル交換 年1回 7500円 4%
タイヤ交換 6年毎 9600円 5%
任意保険料 85% 71400円 33%
合計
[1万kmとの差額]
209900円
-64100円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 57000円 24%
自動車重量税 1年分 16400円 7%
自賠責保険料 1年分 8825円 4%
燃料代 7000km分 54800円 24%
オイル交換 年1回 10500円 5%
タイヤ交換 6年毎 9600円 4%
任意保険料 90% 75600円 32%
合計
[1万kmとの差額]
232800円
-41200円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、軽油代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料84000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて83900円安い190100円に、5000km走行では64100円安い209900円に、7000km走行では41200円安い232800円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。軽油代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 57000円 16%
自動車重量税 1年分 16400円 5%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 15000km分 117420円 34%
オイル交換 年3回 45000円 13%
タイヤ交換 2.7年毎 21600円 6%
任意保険料 100% 84000円 23%
合計
[1万kmとの差額]
350300円
+76300円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 57000円 14%
自動車重量税 1年分 16400円 4%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 20000km分 156560円 38%
オイル交換 年4回 60000円 15%
タイヤ交換 2年毎 28800円 7%
任意保険料 100% 84000円 20%
合計
[1万kmとの差額]
411600円
+137600円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
マツダの小型車&普通車編
3500cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
5人乗りSUV・RV編

【WLTC特典】市街地・郊外・高速道路の走行比率が変わると?

ひとくちにWLTCモード燃費と言いましても、信号や渋滞があるノロノロ道路の走行を想定した市街地モード(16.5km/L)、信号や渋滞が少ないスイスイ道路の走行を想定した郊外モード(19.6km/L)、高速道路の走行を想定した高速道路モード(21.8km/L)という3つの走行パターンを内包してありまして、これらを「平均的な使用時間配分」なるもので構成したのがWLTCモード燃費(19.8km/L)ということになります。

ここでは年間走行距離を10000kmとして市街地、郊外、高速道路の走行比率を変えてみたとき、WLTCモード燃費での軽油代78280円からどのように変化するかを見ていきたいと思います。

  • 1リットル155円として計算。
  • []内は低燃費タイヤ装着(エコタイヤ)で燃費が3%向上すると仮定した場合の軽油代。
    「差額で元が取れるかな?どうかな?」という、なかなかに絶妙なラインです。
参考:燃費が3%向上すると…?
市街地16.5km/L → 17.0km/L
郊外19.6km/L → 20.2km/L
高速道路21.8km/L → 22.5km/L

●例1:都市部にお住まい

まず最初に、市街地の住まいを想定して、走行の大半を市街地(90%)、たまに郊外へお買い物(5%)、稀に高速道路に乗ってどこか遠くへ…(5%)という場合で見てみます。

市街地90%・郊外5%・高速5%
市街地9000km84550円
[82060円]
郊外500km3950円
[3840円]
高速道路500km3550円
[3440円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
92050円
+13770円
16.8km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
89340円
-2710円
17.3km/L
  • 市街地走行の軽油代
    市街地の走行を9000kmとするとき、市街地モード燃費が16.5km/Lでは軽油545.5Lを消費して、軽油代は84550円になります。
  • 郊外走行の軽油代
    郊外の走行を500kmとするとき、郊外モード燃費が19.6km/Lでは軽油25.5Lを消費して、軽油代は3950円になります。
  • 高速道路走行の軽油代
    高速道路の走行を500kmとするとき、高速道路モード燃費が21.8km/Lでは軽油22.9Lを消費して、軽油代は3550円になります。

このパターンでは使用した燃料量が593.9L、かかった軽油代が92050円となり、平均燃費は16.8km/L(-3.0km/L)、WLTCモード燃費との軽油代の差は+13770円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着で燃費が3%アップするとして、同じ条件で走行すると軽油代は89340円となり、2710円安くなります。車検2回ごとにタイヤ交換するとき、寿命までの5年間で13550円の経費削減になる計算です。純正タイヤとエコタイヤの差額がこれ以上ならお得、以下なら…?

●例2:市街地と郊外を行き来

次に、とにかく市街地と郊外を行ったり来たりする条件を想定して、市街地の走行を50%、郊外の走行を50%、高速道路は走行しない場合を見てみます。

市街地50%・郊外50%・高速0%
市街地5000km46970円
[45590円]
郊外5000km39540円
[38360円]
高速道路0km0円
[0円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
86510円
+8230円
17.9km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
83950円
-2560円
18.5km/L
  • 市街地走行の軽油代
    市街地の走行を5000kmとするとき、市街地モード燃費が16.5km/Lでは303.0Lを消費して、軽油代は46970円になります。
  • 郊外走行の軽油代
    郊外の走行を5000kmとするとき、郊外モード燃費が19.6km/Lでは255.1Lを消費して、軽油代は39540円になります。

このパターンでは使用した燃料量が558.1L、かかった軽油代が86510円となり、平均燃費は17.9km/L(-1.9km/L)、WLTCモード燃費との軽油代の差は+8230円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着では軽油代が83950円となり、1年間で2560円、5年間で12800円の経費削減になる計算です。

●例3:市街地・郊外・高速道路をMix

続いて、都市部に住んでいて郊外の職場へ通勤、あるいは郊外に住んでいて都市部の職場へ通勤、高速利用もバッチリ!という感じでシミュレーションしてみます。

市街地33.3%・郊外33.4%・高速33.3%
市街地3330km31280円
[30360円]
郊外3340km26410円
[25620円]
高速道路3330km23680円
[22940円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
81370円
+3090円
19.0km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
78920円
-2450円
19.6km/L
  • 市街地走行の軽油代
    市街地の走行を3330kmとするとき、市街地モード燃費が16.5km/Lでは201.8Lを消費して、軽油代は31280円になります。
  • 郊外走行の軽油代
    郊外の走行を3340kmとするとき、郊外モード燃費が19.6km/Lでは170.4Lを消費して、軽油代は26410円になります。
  • 高速道路走行の軽油代
    高速道路の走行を3330kmとするとき、高速道路モード燃費が21.8km/Lでは152.8Lを消費して、軽油代は23680円になります。

このパターンでは使用した燃料量が525.0L、かかった軽油代が81370円となり、平均燃費は19.0km/L(-0.8km/L)、WLTCモード燃費との軽油代の差は+3090円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着では軽油代が78920円となり、1年間で2450円、5年間で12250円の経費削減になる計算です。

●例4:農村部にお住まい

最後に、びっくりするほど田舎な住まいを想定して、市街地の走行を5%、郊外の走行を90%、高速道路の走行を5%とした場合を見てみます。

市街地5%・郊外90%・高速5%
市街地500km4700円
[4560円]
郊外9000km71180円
[69050円]
高速道路500km3550円
[3440円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
79430円
+1150円
19.5km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
77050円
-2380円
20.1km/L
  • 市街地走行の軽油代
    市街地の走行を500kmとするとき、市街地モード燃費が16.5km/Lでは30.3Lを消費して、軽油代は4700円になります。
  • 郊外走行の軽油代
    郊外の走行を9000kmとするとき、郊外モード燃費が19.6km/Lでは459.2Lを消費して、軽油代は71180円になります。
  • 高速道路走行の軽油代
    高速道路の走行を500kmとするとき、高速道路モード燃費が21.8km/Lでは22.9Lを消費して、軽油代は3550円になります。

このパターンでは使用した燃料量が512.4L、かかった軽油代が79430円となり、平均燃費は19.5km/L(-0.3km/L)、WLTCモード燃費との軽油代の差は+1150円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着では軽油代が77050円となり、1年間で2380円、5年間で11900円の経費削減になる計算です。

以上、極端な条件でのシミュレーションではありますが、走行シチュエーションによって平均燃費は変わり(16.8km/L・17.9km/L・19.0km/L・19.5km/L)、軽油代のほうもなかなかな違い(92050円・86510円・81370円・79430円)が出てくることがわかります。


市街地・郊外・高速道路の満タン航続距離

各モード燃費と航続距離
燃料タンク容量 58リットル
WLTCモード燃費
19.8km/L
1148.4km
市街地燃費
16.5km/L
957.0km
[-191.4km]
郊外燃費
19.6km/L
1136.8km
[-11.6km]
高速道路燃費
21.8km/L
1264.4km
[+116.0km]
満タン給油価格 8990円
1km走行コスト 7.83円
1万円走行距離 1277.4km

WLTCモード燃費が19.8km/L、燃料タンク容量58リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は1148.4kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(17.8km/L)とすると航続距離は1032.4km、80%(15.8km/L)だと916.4km、70%(13.9km/L)では806.2kmになります。

WLTCモード燃費には市街地モード・郊外モード・高速道路モードという3つの走行パターンが内包されておりますので、参考までにそれぞれのモード燃費で燃料タンクが空になるまで走行した場合の満タン航続距離を計算してみます。

燃料タンクの容量を58Lとしたとき、市街地モード燃費16.5km/Lでの航続距離は957.0km(-191.4km)、郊外モード燃費19.6km/Lでの航続距離は1136.8km(-11.6km)、高速道路モード燃費21.8km/Lでの航続距離は1264.4km(+116.0km)となります。

ある特定のシチュエーションのみを、燃料タンクが空になるまで走行することはなかなかありませんが、「その気になればこのくらいの距離を走れちゃうんだぜ!」という参考データだけは持っておくと、次回の給油回数削減チャレンジでギリギリのラインを狙っていくのに役立つ、かもしれません。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から58リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、軽油(ディーゼル燃料)を1リットルあたり155円では8990円、上で計算した航続距離を踏まえると1148.4km(80%燃費時916.4km)を走行するのに8990円かかる計算です。

燃費を19.8km/Lとしたときの1km走行コストは7.83円、10万km走行したときの燃料代は78.3万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら7.8万円/年、7年10万kmなら11.2万円/年、5年10万kmなら15.7万円/年、3年10万kmなら26.1万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば1277.4km(往復なら片道638.7km)、カタログ値の80%なら1021.9km(片道511.0km)離れたところまで行くことができます。

カタログデータから見えてくる要素

T3-VPTS型エンジン簡易性能曲線図
各回転域での馬力
1500回転時の馬力 107PS
3000回転時の馬力 214PS
4000回転時の馬力 231PS
4200回転時の馬力 231PS
各回転域でのトルク
1500回転時のトルク 51.0kgm
3000回転時のトルク 51.0kgm
4000回転時のトルク 41.4kgm
4200回転時のトルク 39.4kgm
T3-VPTS型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載しているT3型3283cc、直列6気筒のターボエンジンは4000-4200回転時に最高出力231馬力を、1500-3000回転時に最大トルク51.0kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、アイドリングとそれほど変わらないような回転数から最大トルクが発生するこのエンジンは、坂道発進も平気の平左、MT車でもエンスト知らず、扱いやすさにかけては右に出るものがありません。ディーゼル車やダウンサイジングターボに多くあります。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する1500rpmから最高出力が発生する4200rpmまで」の2700rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は64.3%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
3500cc以下クラス編
マツダの小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
3500cc以下クラス編
マツダの小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ7.749kg/PS(1790kg/231PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ7.749kg/PS
車体+1人7.987kg/PS
車体+5人8.939kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg8.009kg/PS
車体+70kg8.052kg/PS
車体+80kg8.095kg/PS
車体+90kg8.139kg/PS
車体+100kg8.182kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは7.987kg/PS(1845kg/231PS)となり、数値としては0.238kg、比率にすると3.1%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは8.939kg/PS(2065kg/231PS)となり、数値としては1.190kg、比率にすると15.4%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

KH3P CX-60のライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2022/12

-
CX-60
7.987kg/PS
1845kg/231PS|3.3L-TB
[車体のみPWR:7.749]
2014/10

車種詳細
ノート
8.107kg/PS
1135kg/140PS|1.6L-NA
車体のみPWR:7.714
2011/12

車種詳細
スイフト スポーツ
8.125kg/PS
1105kg/136PS|1.6L-NA
車体のみPWR:7.721
2006/12

車種詳細
ブーン X4
7.782kg/PS
1035kg/133PS|1.0L-TB
車体のみPWR:7.368
2017/09

車種詳細
シビック
7.832kg/PS
1355kg/173PS|1.5L-TB
車体のみPWR:7.514
2008/10

車種詳細
フーガ
7.780kg/PS
1735kg/223PS|2.5L-NA
車体のみPWR:7.534

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ7.987kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

7.747kg/PSから8.227kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、日産の5人乗りハッチバック「E12改型 ノート」、スズキの5人乗りハッチバック「ZC32S型 スイフト スポーツ」、ダイハツの5人乗りハッチバック「M312S型 ブーン X4」、ホンダの5人乗りセダン「FC1型 シビック」、日産の5人乗りセダン「Y50型 フーガ」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

KH3P型 CX-60 [XD]のライバル車種|7.987kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は129.1PS/tとなっています。


CX-60がバイクと競争するなら…?


車種詳細
スカイウェイブ400|385cc
7.969kg/PS
255kg/32.0PS/3.30kgm
[車体のみPWR:6.250]
1速ギヤ速度:53.3km/h
最小TWR:1.142
2022/12

-
CX-60|3283cc
7.987kg/PS
1845kg/231PS/51.0kgm
[車体のみPWR:7.749]
1速ギヤ速度:33.7km/h
最小TWR:0.746

車種詳細
CBR250R|249cc
8.000kg/PS
216kg/27.2PS/2.35kgm
[車体のみPWR:5.963]
1速ギヤ速度:39.6km/h
最小TWR:0.829

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではCX-60とパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

CK43A スカイウェイブ400と競争してみる

まずCX-60より少しPWRが低いバイクとして、スズキのスカイウェイブ400が挙げられます。PWRの7.969kg/PSは車両重量200kgにライダーの体重55kgを加えた255kgを、最高出力32.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はスカイウェイブ400に19.6km/h劣り、1速TWRは0.396kg勝る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

MC41 CBR250Rと競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、ホンダのCBR250Rが挙げられます。PWRの8.000kg/PSは車両重量161kg+55kgの216kgを、最高出力27.2PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は5.9km/h劣り、1速TWRは0.083kg勝る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.747
平均ピストンスピード 13.19m/s
トルクウェイトレシオ 35.10kg/kgm
1馬力あたりのお値段 14024円
排気量1Lあたり馬力 70.36PS/L
排気量1Lあたりトルク 15.53kgm/L
1気筒あたりの馬力 38.5PS
1気筒あたりのトルク 8.5kgm
パワーバンド比率 64.3%
燃費×馬力 4573.8pt
各種ランキング
SUV・RV・クロカンのPWR
3.0~3.5L以下のPWR

トルクウェイトレシオは35.10kg/kgm(1790kg/51.0kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が3239500円、最高出力が231馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は14024円、逆に1万円あたりでは0.71馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は63520円、1万円あたりでは0.16kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
マツダ編
3500cc以下の車編
5人乗りSUV編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は70.36PS/L、トルクは15.53kgm/L、1気筒あたりの馬力は38.5馬力、トルクは8.5kgmとなり、このエンジンが231馬力を4200回転で発生させているときの平均ピストンスピードは13.19m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.747になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、走ってよし、曲がってよしで至れり尽くせりのオールラウンダーであると言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が19.8km/L、最高出力が231PSであるこの車の獲得ポイントは4573.8ptになります。
戯れに車両重量1790kgを100kg単位にした17.9で割ってみたところ、その数値は255.52ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


人間様の占有スペース

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

人間様の占有スペース
室内長×室内幅×室内高 3.641m³
1人あたりのスペース 0.728m³
室内長/全長 40.3%
室内幅/全幅 82.0%
室内高/全高 73.0%
室内容積/車両体積 24.1%

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は3.641m³です。この車の乗車定員は5人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.728m³のスペースが割り当てられることになります。続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は40.3%、同じく室内幅と全幅の比率は82.0%、同じく室内高と全高の比率は73.0%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は24.1%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車 室内幅が広い車 室内高が高い車 車内の空間が広い車
室内長が長い車
室内幅が広い車
室内高が高い車
車内の空間が広い車


CX-60での車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.659m
期待される荷室の幅 1.450m
対角線の長さ 2.203m
期待される荷室の面積 2.406m²

縦方向の長さが1.659m(対角線では2.203m)ともなると、もはや車の中で生活しても良いんじゃないかと錯覚しかねないほど快適な睡眠が約束されます。

日頃の行いが悪いとか、人様には言えないことをやらかしたとか、誰の顔も見たくないなどの訳アリで家に帰れず、やむなく車中泊をしてみたが最期、あまりの気楽さに心を奪われ流浪の民となりかねません。

一見すると車中泊が可能そうに見えるハッチバックやワゴン、SUVであってもリアシートが前に倒れなかったり、倒れても中途半端であったり、凝った足回りのせいで室内に巨大な出っ張りがあったりで、なかなか思うようにはいきませんが、大抵のケースでは知恵と工夫で何とかなるはずです。

車中泊にあると嬉しいアイテム

ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合4000-4200rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした4700回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 4700rpm|タイヤサイズ 235/60R18|タイヤ直径 73.9cm|円周長 232.2cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
4700rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 5.258 17.39 -
-
38km/h 12480rpm 2400.0kgm
2速 3.303 10.92 0.628 1-2/
2950rpm
60km/h 7840rpm 1507.6kgm
3速 2.129 7.04 0.645 2-3/
3030rpm
93km/h 5050rpm 971.8kgm
4速 1.705 5.64 0.801 3-4/
3760rpm
116km/h 4050rpm 778.2kgm
5速 1.300 4.30 0.762 4-5/
3580rpm
152km/h 3090rpm 593.4kgm
6速 1.000 3.31 0.769 5-6/
3610rpm
198km/h 2370rpm 456.4kgm
7速 0.822 2.72 0.822 6-7/
3860rpm
241km/h 1950rpm 375.2kgm
8速 0.628 2.08 0.764 7-8/
3590rpm
315km/h 1490rpm 286.6kgm
Final 3.307 レシオカバレッジ(変速比幅)8.373

  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数1500-3000rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.307)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(51.0kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.307)÷タイヤの有効半径(0.3695m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は8速ギヤの315km(4200rpmでは281.8km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが1500-3000回転で最大トルク51.0kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば35.10kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(7.749kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと2400.0kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1790kg)を1速ギヤの最大駆動力(2400.0kgm)で割ってみると0.746kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する4200回転でのトルク(39.4kgm)からTWRを算出すると0.965kg/kgmとなり、1500-4200回転の回転域では0.746-0.965kg/kgmの間で推移することがわかります。


おまけ:4200rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

KH3P型CX-60に搭載されたT3型3283ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する4200rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

4200rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ34km/h-
2速ギヤ54km/h2640rpm
3速ギヤ83km/h2710rpm
4速ギヤ104km/h3360rpm
5速ギヤ136km/h3200rpm
6速ギヤ177km/h3230rpm
7速ギヤ215km/h3450rpm
8速ギヤ282km/h3210rpm

まず1速ギヤで4200rpmまで引っ張ると34km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は4200rpmから2640rpmまで落ち、そこから4200rpmまで加速を続けると速度は54km/h(+20km/h)になります。

3速ギヤでは2710rpmまで落ちて4200rpmで83km/h(+29km/h)に、4速ギヤでは3360rpmまで落ちて4200rpmで104km/h(+21km/h)に、5速ギヤでは3200rpmまで落ちて4200rpmで136km/h(+32km/h)になります。

続いて6速ギヤでは3230rpmまで落ちて4200rpmで177km/h(+41km/h)に、7速ギヤでは3450rpmまで落ちて4200rpmで215km/h(+38km/h)に、8速ギヤでは3210rpmまで落ちて4200rpmで282km/h(+67km/h)という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4990 7490 9980 12480 14980 17470 22470
2速 3140 4700 6270 7840 9410 10980 14110
3速 2020 3030 4040 5050 6060 7070 9100
4速 1620 2430 3240 4050 4860 5670 7280
5速 1230 1850 2470 3090 3700 4320 5550
6速 950 1420 1900 2370 2850 3320 4270
7速 780 1170 1560 1950 2340 2730 3510
8速 600 890 1190 1490 1790 2090 2680
※赤い数字は暫定レブリミット(4700rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.628)を選択して時速100kmにて走行すると1490回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは890回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1040回転、一般的な高速道路の80km/hでは1190回転、100km/hでは1490回転、制限速度が120km/hになると1790回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは2680回転まで回ります。

これほどまでに時速100kmでの巡航回転数が低ければ、(パワーさえ足りていれば)高速道路では向かうところ敵なしです。エンジンノイズによる疲れとは無縁の世界、ただひたすらに回り続けるエンジンのなんと頼もしいことでしょう。これに合わせてタイヤのロードノイズ、風きり音すらも完璧に抑え込まれていたならば、これはもはや完全無欠の高級車です。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 8 16 24 32 40 48 56 64
2速 13 26 38 51 64 77 89 102
3速 20 40 59 79 99 119 139 158
4速 25 49 74 99 124 148 173 198
5速 32 65 97 130 162 194 227 259
6速 42 84 126 169 211 253 295 337
7速 51 103 154 205 256 308 359 410
8速 67 134 201 268 335 403 470 537

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(4700回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの235/60R18と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 235/60R18 | 直径 739mm

-20mm
幅215mm
-10mm
幅225mm
変更なし
幅235mm
+10mm
幅245mm
+20mm
幅255mm
-5%
55
扁平
215/55R18
37.6km/h
直径694mm
径差-45mm
225/55R18
38.2km/h
直径705mm
径差-34mm
235/55R18
38.8km/h
直径716mm
径差-23mm
245/55R18
39.4km/h
直径727mm
径差-12mm
255/55R18
39.9km/h
直径738mm
径差-1mm
0%
60
扁平
215/60R18
38.7km/h
直径715mm
径差-24mm
225/60R18
39.4km/h
直径727mm
径差-12mm
235/60R18
40.0km/h
739mm
0mm
245/60R18
40.6km/h
直径751mm
径差+12mm
255/60R18
41.3km/h
直径763mm
径差+24mm
+5%
65
扁平
215/65R18
39.9km/h
直径737mm
径差-2mm
225/65R18
40.6km/h
直径750mm
径差+11mm
235/65R18
41.3km/h
直径763mm
径差+24mm
245/65R18
42.0km/h
直径776mm
径差+37mm
255/65R18
42.7km/h
直径789mm
径差+50mm
+10%
70
扁平
215/70R18
41.0km/h
直径758mm
径差+19mm
225/70R18
41.8km/h
直径772mm
径差+33mm
235/70R18
42.5km/h
直径786mm
径差+47mm
245/70R18
43.3km/h
直径800mm
径差+61mm
255/70R18
44.1km/h
直径814mm
径差+75mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、215/60R18、215/65R18 、225/55R18、225/60R18 、235/55R18 、245/55R18 、255/55R18あたりのタイヤがおすすめです。

235/60R18のタイヤ幅を215mmから265mmまで、扁平率を45%から75%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、235/60R18の適応サイズと性能の変化 [KH3P型CX-60編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】235/60R18のタイヤ銘柄と通販価格

KH3P型CX-60[3.3Lターボ FR/8AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト7.749kg/ps55.53
1速ギヤ加速性能0.746kg/kgm67.74
1L換算馬力70.36ps/L38.10
1L換算トルク15.53kgm/L48.73
WB/TR比1.74752.68
ワイド&ロー指数0.89250.05
前面の面積3.185m²34.38
最低地上高175mm41.67
スポーツ性能部門の得点388.88

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
WLTC燃費19.8km/L57.39
年間維持費274000円54.82
100kmh回転数1490rpm63.25
航続距離1148.4km75.19
車の大きさ15.095m³64.42
室内の広さ3.641m³52.13
最小回転半径5.4m45.31
馬力単価14024円59.91
ユーティリティ部門の得点472.42

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した KH3P型CX-60[3.3Lターボ FR/8AT] の総合得点は 861.30 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したKH3P型CX-60(FR/8AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全ての5人乗SUV」、「3500ccの5人乗SUV」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。