RC5 オデッセイの性能と維持費 FF/CVT 7人 480万円 2023年式

このページでは、本田技研工業の5ドア・7人乗りミニバン、5代目の6AA-RC5型オデッセイ e:HEV ABSOLUTE【2023/12モデル・145PS/17.8kgm・FF/CVT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

RC5 オデッセイ
販売期間:2013/11 -

画像は本田技研工業より引用
http://www.honda.co.jp/
投稿日:2024/05/12

ボディサイズが全長4860mm×全幅1820mm×全高1695mm、排気量は1993ccであることから、大雑把に分類すると2.0リットルクラス(2000cc、自動車税は2.0L以下を適用)に属し、排気量は2000cc以下なれど、全長と全幅が5ナンバー枠を超えていることにより3ナンバー登録になります。車体が大きい割りに排気量が小さいので、やや非力に感じることがあるかもしれません。
参考:100PS~150PSの自動車 一覧

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、前輪のみを駆動する、フロントエンジン・フロントドライブ方式(FF・FWD・前輪駆動とも)を採用しています。この方式はエンジンと駆動系(ミッション、デフ等)の収納がエンジンルーム内で完結するので、軽量コンパクトかつ低コスト化が実現でき、室内を広く作りやすい(エンジンが横置きの場合)ほか、後輪駆動車に比べて直進安定性に優れることが主な特長です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4860mmであるこの車の場合は「アッパーミディアム」(Upper-Medium:4650mm超-4900mm以下・Eセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


RC5型 オデッセイ [1993cc/145PS FF/CVT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

5代目オデッセイの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2023/12
RC5型
[e:HEV ABSOLUTE EX]
2.0L-NA・FF/CVT・500.1万円
145PS・17.8kgm・19.6km/L
145PS
17.8kgm
19.6km/L
2020/11
RC1型
[Absolute]
2.4L-NA・FF/CVT・349.5万円
175PS・22.9kgm・12.8km/L
175PS
22.9kgm
12.8km/L
2020/11
RC2型
[Absolute]
2.4L-NA・4WD/CVT・371.5万円
175PS・22.9kgm・12.2km/L
175PS
22.9kgm
12.2km/L
5代目 オデッセイ 型式一覧 RC1/2/3/4/5系まとめ 2013-【全12車種】
オデッセイの旧型モデル
4代目 RB3型オデッセイ
RB3型オデッセイは2008/10に登場した4代目モデル。参考車両の「Absolute」は全長4800mm、全幅1800mm、全高1545mmの車体に、206PS/23.7kgmを発生するK24A型2354ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー 本田技研工業
車名&
グレード
オデッセイ
e:HEV ABSOLUTE
その他 -
お値段 4800000円
車両型式 6AA-RC5
駆動方式
変速機
FF・前輪駆動(FWD,2WD)
(無段変速機)
ドア/定員 5ドア/7名乗車
車体寸法 長4860×幅1820×高1695mm
室内寸法 長2915×幅1560×高1285mm
軸距&
輪距
2900mm
前1560mm/後1560mm
最小半径 5.4m
最低高 145mm
タイヤ 前輪:215/60R17
後輪:215/60R17
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ディスク
車両重量 1920kg
エンジン諸元
原動機型式 LFB11-H4
気筒配列 直列4気筒+モーター
排気量1993cc
圧縮比13.5
吸気方式 自然吸気(NA・ノンターボ)
最高出力 145PS[107kW]/6200rpm
最大トルク 17.8kgm[175Nm]/3500rpm
使用燃料 レギュラーガソリン
WLTC燃費 19.9km/L(46.8mpg)
100km燃費 5.0L/100km
モーター諸元
電動機型式H4
出力135kW/5000-6000rpm
トルク315Nm/0-2000rpm
LFB11-H4型エンジンの諸元と性能まとめ
直列4気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に4個配置する方式。小排気量から2.5Lあたりまでをカバー。モーターを組み合わせることでハイブリッドカーとなります。
これまでに登場したハイブリッドカーの一覧
直列4気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税36000円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税16400円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額5500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、オデッセイの新車を552.0万円(諸費用として72.0万円を加算)にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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新車で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 2000cc以下 13年未満 36000円
自動車重量税(1年分) 2.0トン以下 13年未満 16400円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
燃料代(年間1万km) 10000km÷19.9km/L×175円/L 87940円
オイル交換(5000km毎) 1回4500円×2回 9000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本15000円×4本÷5年 12000円
任意保険料(月額5500円) 月額5500円×12ヶ月 66000円
ローン完済後の年間維持費 236200円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額92000円×12ヶ月 1104000円
ローン返済中の年間維持費 1340200円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 53500円
名目 金額
自動車税(1年分) 36000円
自動車重量税(1年分) 16400円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
87940円
(61560円)
(43970円)
(26380円)
オイル交換(5000km毎) 9000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 12000円
任意保険料(月額5500円) 66000円
ローン完済後の年間維持費 236200円
名目 金額
車のローン額(1年分) 1104000円
ローン返済中の年間維持費 1340200円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
53500円
  • 初度登録から1年経過車の場合、「2000cc以下で13年未満」クラスの自動車税は36000円、「2.0トン以下で13年未満」クラスの自動車重量税は16400円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに4500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本15000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額5500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした53500円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

オデッセイ【e:HEV ABSOLUTE】の場合、維持費の月額は19700円です。これは今にも壊れそうな格安車、あるいは維持費の安さに全てを懸けたコスパ重視のスペシャルマシンから少しステップアップしたクラスになります。

「廉価車にしか乗れなかった自分が、ついにこれだけの維持費が掛かる車を所有できるようになったのだ、新しい自分になれたのだ。あの頃のアタシ、サヨナラ…」とかいう謎のカタルシスに浸りつつ、はるか高みで微笑む理想の自分に近付けるよう自分磨きに邁進しましょう。車としての維持費は安いほうで使い勝手も申し分のない、バランスの取れたクラスです。

オデッセイの維持費は高い?安い?

「オデッセイの年間維持費は236200円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「2000ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてオデッセイの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いプリウス189800円-46400円
ヴォクシー ハイブリッド227000円-9200円
オデッセイの維持費236200円
スイフト スポーツ275300円+39100円
シビック タイプR312300円+76100円
基準2000ccクラス平均316600円+80400円
アコード345200円+109000円
WRX STI364700円+128500円
エクスプローラー413900円+177700円
高いBX484900円+248700円

オデッセイの年間維持費を、2000ccクラスで最も維持費が安いプリウスと比較して46400円高く、最も高いBXと比較して248700円安く、2000ccクラスの平均維持費との比較では80400円安くなっています。

最低額のプリウスと最高額のBXは極端な例としても、2000ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、オデッセイの維持費は かなり安い! と言えそうです。

年間維持費が安い 2000ccクラスの車 ランキング

オデッセイを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟%年収月給手取り
10%310万円26万円20万円
15%200万円17万円14万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は310万円(総支給額26万円/月、手取り20万円/月)、ここから月額維持費2.0万円を支払うと残りは18.0万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は200万円(総支給額17万円/月、手取り14万円/月)、2.0万円を支払うと残りは12.0万円になります。

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、レギュラーガソリン1リットルあたり175円を基準として、-50円となる125円から、+50円となる225円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費19.9km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
125円/L
62830円
[-25110円]
-25円
150円/L
75390円
[-12550円]
-10円
165円/L
82930円
[-5010円]
175円/L87940円
[0円]
+10円
185円/L
92990円
[+5050円]
+25円
200円/L
100520円
[+12580円]
+50円
225円/L
113090円
[+25150円]

燃費19.9km/LのRC5型 オデッセイで10000km走行するのに必要な燃料は502.6L、1リットルあたり175円としたときの燃料代は87940円になります。

参考までに、オデッセイの燃料タンクは55リットルですので、502.6Lの給油回数は10回、1回あたりの燃料代は約8800円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては5050円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると12580円、50円も違ってくると25150円にもなります。

これをRC5型 オデッセイの年間維持費に当てはめてみますと、レギュラーガソリン1リットルあたり175円の場合を236200円としたとき、125円/Lに値下がりすれば211090円(89.4%)に、225円/Lに値上がりすれば261350円(110.6%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(36000円)なり重量税(16400円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 36000円 24%
自動車重量税 1年分 16400円 11%
自賠責保険料 1年分 8825円 6%
燃料代 3000km分 26380円 17%
オイル交換 年1回 4500円 3%
タイヤ交換 6年毎 8000円 5%
任意保険料 80% 52800円 34%
合計
[1万kmとの差額]
153000円
-83200円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 36000円 21%
自動車重量税 1年分 16400円 9%
自賠責保険料 1年分 8825円 5%
燃料代 5000km分 43970円 25%
オイル交換 年1回 4500円 3%
タイヤ交換 6年毎 8000円 5%
任意保険料 85% 56160円 32%
合計
[1万kmとの差額]
173900円
-62300円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 36000円 18%
自動車重量税 1年分 16400円 8%
自賠責保険料 1年分 8825円 4%
燃料代 7000km分 61560円 31%
オイル交換 年1回 6300円 3%
タイヤ交換 6年毎 8000円 4%
任意保険料 90% 59400円 32%
合計
[1万kmとの差額]
196500円
-39700円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料66000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて83200円安い153000円に、5000km走行では62300円安い173900円に、7000km走行では39700円安い196500円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 36000円 12%
自動車重量税 1年分 16400円 5%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 15000km分 131910円 43%
オイル交換 年3回 27000円 9%
タイヤ交換 2.7年毎 18000円 6%
任意保険料 100% 66000円 22%
合計
[1万kmとの差額]
304200円
+68000円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 36000円 10%
自動車重量税 1年分 16400円 5%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 20000km分 175880円 48%
オイル交換 年4回 36000円 10%
タイヤ交換 2年毎 24000円 7%
任意保険料 100% 66000円 18%
合計
[1万kmとの差額]
363200円
+127000円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
ホンダの小型車&普通車編
2000cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
7人乗りミニバン編

【WLTC特典】市街地・郊外・高速道路の走行比率が変わると?

ひとくちにWLTCモード燃費と言いましても、信号や渋滞があるノロノロ道路の走行を想定した市街地モード(19.6km/L)、信号や渋滞が少ないスイスイ道路の走行を想定した郊外モード(20.8km/L)、高速道路の走行を想定した高速道路モード(19.5km/L)という3つの走行パターンを内包してありまして、これらを「平均的な使用時間配分」なるもので構成したのがWLTCモード燃費(19.9km/L)ということになります。

ここでは年間走行距離を10000kmとして市街地、郊外、高速道路の走行比率を変えてみたとき、WLTCモード燃費でのガソリン代87940円からどのように変化するかを見ていきたいと思います。

  • 1リットル175円として計算。
  • []内は低燃費タイヤ装着(エコタイヤ)で燃費が3%向上すると仮定した場合のガソリン代。
    「差額で元が取れるかな?どうかな?」という、なかなかに絶妙なラインです。
参考:燃費が3%向上すると…?
市街地19.6km/L → 20.2km/L
郊外20.8km/L → 21.4km/L
高速道路19.5km/L → 20.1km/L

●例1:都市部にお住まい

まず最初に、市街地の住まいを想定して、走行の大半を市街地(90%)、たまに郊外へお買い物(5%)、稀に高速道路に乗ってどこか遠くへ…(5%)という場合で見てみます。

市街地90%・郊外5%・高速5%
市街地9000km80360円
[77960円]
郊外500km4200円
[4100円]
高速道路500km4480円
[4360円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
89040円
+1100円
19.7km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
86420円
-2620円
20.3km/L
  • 市街地走行のガソリン代
    市街地の走行を9000kmとするとき、市街地モード燃費が19.6km/Lではガソリン459.2Lを消費して、ガソリン代は80360円になります。
  • 郊外走行のガソリン代
    郊外の走行を500kmとするとき、郊外モード燃費が20.8km/Lではガソリン24.0Lを消費して、ガソリン代は4200円になります。
  • 高速道路走行のガソリン代
    高速道路の走行を500kmとするとき、高速道路モード燃費が19.5km/Lではガソリン25.6Lを消費して、ガソリン代は4480円になります。

このパターンでは使用した燃料量が508.8L、かかったガソリン代が89040円となり、平均燃費は19.7km/L(-0.2km/L)、WLTCモード燃費とのガソリン代の差は+1100円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着で燃費が3%アップするとして、同じ条件で走行するとガソリン代は86420円となり、2620円安くなります。車検2回ごとにタイヤ交換するとき、寿命までの5年間で13100円の経費削減になる計算です。純正タイヤとエコタイヤの差額がこれ以上ならお得、以下なら…?

●例2:市街地と郊外を行き来

次に、とにかく市街地と郊外を行ったり来たりする条件を想定して、市街地の走行を50%、郊外の走行を50%、高速道路は走行しない場合を見てみます。

市街地50%・郊外50%・高速0%
市街地5000km44640円
[43310円]
郊外5000km42070円
[40880円]
高速道路0km0円
[0円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
86710円
-1230円
20.2km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
84190円
-2520円
20.8km/L
  • 市街地走行のガソリン代
    市街地の走行を5000kmとするとき、市街地モード燃費が19.6km/Lでは255.1Lを消費して、ガソリン代は44640円になります。
  • 郊外走行のガソリン代
    郊外の走行を5000kmとするとき、郊外モード燃費が20.8km/Lでは240.4Lを消費して、ガソリン代は42070円になります。

このパターンでは使用した燃料量が495.5L、かかったガソリン代が86710円となり、平均燃費は20.2km/L(+0.3km/L)、WLTCモード燃費とのガソリン代の差は-1230円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着ではガソリン代が84190円となり、1年間で2520円、5年間で12600円の経費削減になる計算です。

●例3:市街地・郊外・高速道路をMix

続いて、都市部に住んでいて郊外の職場へ通勤、あるいは郊外に住んでいて都市部の職場へ通勤、高速利用もバッチリ!という感じでシミュレーションしてみます。

市街地33.3%・郊外33.4%・高速33.3%
市街地3330km29730円
[28860円]
郊外3340km28110円
[27320円]
高速道路3330km29890円
[29000円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
87730円
-210円
19.9km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
85180円
-2550円
20.5km/L
  • 市街地走行のガソリン代
    市街地の走行を3330kmとするとき、市街地モード燃費が19.6km/Lでは169.9Lを消費して、ガソリン代は29730円になります。
  • 郊外走行のガソリン代
    郊外の走行を3340kmとするとき、郊外モード燃費が20.8km/Lでは160.6Lを消費して、ガソリン代は28110円になります。
  • 高速道路走行のガソリン代
    高速道路の走行を3330kmとするとき、高速道路モード燃費が19.5km/Lでは170.8Lを消費して、ガソリン代は29890円になります。

このパターンでは使用した燃料量が501.3L、かかったガソリン代が87730円となり、平均燃費は19.9km/L(0.0km/L)、WLTCモード燃費とのガソリン代の差は-210円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着ではガソリン代が85180円となり、1年間で2550円、5年間で12750円の経費削減になる計算です。

●例4:農村部にお住まい

最後に、びっくりするほど田舎な住まいを想定して、市街地の走行を5%、郊外の走行を90%、高速道路の走行を5%とした場合を見てみます。

市街地5%・郊外90%・高速5%
市街地500km4460円
[4340円]
郊外9000km75720円
[73610円]
高速道路500km4480円
[4360円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
84660円
-3280円
20.7km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
82310円
-2350円
21.3km/L
  • 市街地走行のガソリン代
    市街地の走行を500kmとするとき、市街地モード燃費が19.6km/Lでは25.5Lを消費して、ガソリン代は4460円になります。
  • 郊外走行のガソリン代
    郊外の走行を9000kmとするとき、郊外モード燃費が20.8km/Lでは432.7Lを消費して、ガソリン代は75720円になります。
  • 高速道路走行のガソリン代
    高速道路の走行を500kmとするとき、高速道路モード燃費が19.5km/Lでは25.6Lを消費して、ガソリン代は4480円になります。

このパターンでは使用した燃料量が483.8L、かかったガソリン代が84660円となり、平均燃費は20.7km/L(+0.8km/L)、WLTCモード燃費とのガソリン代の差は-3280円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着ではガソリン代が82310円となり、1年間で2350円、5年間で11750円の経費削減になる計算です。

以上、極端な条件でのシミュレーションではありますが、走行シチュエーションによって平均燃費は変わり(19.7km/L・20.2km/L・19.9km/L・20.7km/L)、ガソリン代のほうもなかなかな違い(89040円・86710円・87730円・84660円)が出てくることがわかります。


市街地・郊外・高速道路の満タン航続距離

各モード燃費と航続距離
燃料タンク容量 55リットル
WLTCモード燃費
19.9km/L
1094.5km
市街地燃費
19.6km/L
1078.0km
[-16.5km]
郊外燃費
20.8km/L
1144.0km
[+49.5km]
高速道路燃費
19.5km/L
1072.5km
[-22.0km]
満タン給油価格 9625円
1km走行コスト 8.79円
1万円走行距離 1137.1km

WLTCモード燃費が19.9km/L、燃料タンク容量55リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は1094.5kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(17.9km/L)とすると航続距離は984.5km、80%(15.9km/L)だと874.5km、70%(13.9km/L)では764.5kmになります。

WLTCモード燃費には市街地モード・郊外モード・高速道路モードという3つの走行パターンが内包されておりますので、参考までにそれぞれのモード燃費で燃料タンクが空になるまで走行した場合の満タン航続距離を計算してみます。

燃料タンクの容量を55Lとしたとき、市街地モード燃費19.6km/Lでの航続距離は1078.0km(-16.5km)、郊外モード燃費20.8km/Lでの航続距離は1144.0km(+49.5km)、高速道路モード燃費19.5km/Lでの航続距離は1072.5km(-22.0km)となります。

ある特定のシチュエーションのみを、燃料タンクが空になるまで走行することはなかなかありませんが、「その気になればこのくらいの距離を走れちゃうんだぜ!」という参考データだけは持っておくと、次回の給油回数削減チャレンジでギリギリのラインを狙っていくのに役立つ、かもしれません。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から55リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、レギュラーガソリンを1リットルあたり175円では9625円、上で計算した航続距離を踏まえると1094.5km(80%燃費時874.5km)を走行するのに9625円かかる計算です。

燃費を19.9km/Lとしたときの1km走行コストは8.79円、10万km走行したときの燃料代は87.9万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら8.8万円/年、7年10万kmなら12.6万円/年、5年10万kmなら17.6万円/年、3年10万kmなら29.3万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば1137.1km(往復なら片道568.6km)、カタログ値の80%なら909.7km(片道454.9km)離れたところまで行くことができます。

カタログデータから見えてくる要素

LFB11-H4型エンジン簡易性能曲線図
各回転域での馬力
3500回転時の馬力 87PS
6200回転時の馬力 145PS
各回転域でのトルク
3500回転時のトルク 17.8kgm
6200回転時のトルク 16.8kgm
LFB11-H4型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載しているLFB11型1993cc、直列4気筒+モーターの自然吸気エンジンは6200回転時に最高出力145馬力を、3500回転時に最大トルク17.8kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、低めの回転数から中間域にトルクのピークがあるこのエンジンは、街中での普段使いに心地よく、高回転もそれなりでバランスの取れたタイプです。多くの乗用車がこの特性に当て嵌まるのではないかと思います。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する3500rpmから最高出力が発生する6200rpmまで」の2700rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は43.5%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
2000cc以下クラス編
ホンダの小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
2000cc以下クラス編
ホンダの小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ13.241kg/PS(1920kg/145PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ13.241kg/PS
車体+1人13.621kg/PS
車体+7人15.897kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg13.655kg/PS
車体+70kg13.724kg/PS
車体+80kg13.793kg/PS
車体+90kg13.862kg/PS
車体+100kg13.931kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは13.621kg/PS(1975kg/145PS)となり、数値としては0.380kg、比率にすると2.9%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの7人が搭乗した場合、車両重量に385kgがプラスされてパワーウェイトレシオは15.897kg/PS(2305kg/145PS)となり、数値としては2.656kg、比率にすると20.1%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

RC5 オデッセイのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2023/12

-
オデッセイ
13.621kg/PS
1975kg/145PS|2.0L-NA
[車体のみPWR:13.241]
2004/06

車種詳細
コペン
13.516kg/PS
865kg/64PS|0.7L-TB
車体のみPWR:12.656
2014/12

車種詳細
アルト
13.558kg/PS
705kg/52PS|0.7L-NA
車体のみPWR:12.500
2013/12

車種詳細
ハスラー
13.516kg/PS
865kg/64PS|0.7L-TB
車体のみPWR:12.656
2008/07

車種詳細
Keiワークス
13.672kg/PS
875kg/64PS|0.7L-TB
車体のみPWR:12.812
2007/08

車種詳細
ソニカ
13.672kg/PS
875kg/64PS|0.7L-TB
車体のみPWR:12.812

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ13.621kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

13.485kg/PSから13.757kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、ダイハツの2人乗り軽オープンカー「L880K型 コペン」、スズキの4人乗り軽ハッチバック「HA36S型 アルト」、スズキの4人乗り軽SUV「MR31S型 ハスラー」、スズキの4人乗り軽SUV「HN22S型 Keiワークス」、ダイハツの4人乗り軽ハッチバック「L405S型 ソニカ」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

RC5型 オデッセイ [e:HEV ABSOLUTE]のライバル車種|13.621kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は75.5PS/tとなっています。


オデッセイがバイクと競争するなら…?


車種詳細
ジクサー|154cc
13.571kg/PS
190kg/14.0PS/1.40kgm
[車体のみPWR:9.643]
1速ギヤ速度:34.5km/h
最小TWR:1.102
2023/12

-
オデッセイ|1993cc
13.621kg/PS
1975kg/145PS/17.8kgm
[車体のみPWR:13.241]
1速ギヤ速度:84.5km/h
最小TWR:3.900

車種詳細
CBX125 カスタム|124cc
13.664kg/PS
179kg/13.1PS/1.10kgm
[車体のみPWR:9.466]
1速ギヤ速度:33.1km/h
最小TWR:1.041

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではオデッセイとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

NG4BG ジクサーと競争してみる

まずオデッセイより少しPWRが低いバイクとして、スズキのジクサーが挙げられます。PWRの13.571kg/PSは車両重量135kgにライダーの体重55kgを加えた190kgを、最高出力14.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はジクサーに50.0km/h勝り、1速TWRは2.798kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

JC12 CBX125 カスタムと競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、ホンダのCBX125 カスタムが挙げられます。PWRの13.664kg/PSは車両重量124kg+55kgの179kgを、最高出力13.1PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は51.4km/h勝り、1速TWRは2.859kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.859
平均ピストンスピード 19.98m/s
トルクウェイトレシオ 107.87kg/kgm
1馬力あたりのお値段 33103円
排気量1Lあたり馬力 72.75PS/L
排気量1Lあたりトルク 8.93kgm/L
1気筒あたりの馬力 36.2PS
1気筒あたりのトルク 4.5kgm
パワーバンド比率 43.5%
燃費×馬力 2885.5pt
各種ランキング
ミニバン・1BOXのPWR
1.8~2.0LのNA車 PWR

トルクウェイトレシオは107.87kg/kgm(1920kg/17.8kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が4800000円、最高出力が145馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は33103円、逆に1万円あたりでは0.30馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は269663円、1万円あたりでは0.04kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
ホンダ編
2000cc以下の車編
7人乗りミニバン編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は72.75PS/L、トルクは8.93kgm/L、1気筒あたりの馬力は36.2馬力、トルクは4.5kgmとなり、このエンジンが145馬力を6200回転で発生させているときの平均ピストンスピードは19.98m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が96.7mmであるLFB11型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6200回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.859になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと真っ直ぐ進むことを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が19.9km/L、最高出力が145PSであるこの車の獲得ポイントは2885.5ptになります。
戯れに車両重量1920kgを100kg単位にした19.2で割ってみたところ、その数値は150.29ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


人間様の占有スペース

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

人間様の占有スペース
室内長×室内幅×室内高 5.843m³
1人あたりのスペース 0.835m³
室内長/全長 60.0%
室内幅/全幅 85.7%
室内高/全高 75.8%
室内容積/車両体積 39.0%

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は5.843m³です。この車の乗車定員は7人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.835m³のスペースが割り当てられることになります。続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は60.0%、同じく室内幅と全幅の比率は85.7%、同じく室内高と全高の比率は75.8%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は39.0%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車 室内幅が広い車 室内高が高い車 車内の空間が広い車
室内長が長い車
室内幅が広い車
室内高が高い車
車内の空間が広い車


オデッセイでの車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.701m
期待される荷室の幅 1.460m
対角線の長さ 2.242m
期待される荷室の面積 2.483m²

縦方向の長さが1.701m(対角線では2.242m)などという破格のクラスになると、これはもう四の五の言わず車に住むべきです。

これだけの車を所持できる素養は持ち得ているのですから、細かいことは気にせずあらゆる支配からの卒業を宣言し、信じられぬ大人との争いに終止符を打ちましょう。

多くのミニバンや1BOXは室内長の寸法が大きいことから車中泊への期待が高まりますが、2列目、3列目シートの収納がイマイチの場合は車中泊の難易度がセダンよりも跳ね上がりかねません。その場合はシートを前ではなく後に倒してのフルフラットの可否が鍵を握ります。

車中泊にあると嬉しいアイテム

ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合6200rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした6700回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 6700rpm|タイヤサイズ 215/60R17|タイヤ直径 69.0cm|円周長 216.8cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
6700rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 2.454 9.54 -
-
91km/h 7330rpm 492.3kgm
2速 0.805 3.13 0.328 1-2/
2200rpm
278km/h 2410rpm 161.5kgm
Final 3.888 レシオカバレッジ(変速比幅)3.048

  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数3500rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.888)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(17.8kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.888)÷タイヤの有効半径(0.345m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は2速ギヤの278km(6200rpmでは257.7km/h)となります。CVTは無段変速機というだけあって、変速比を低速側の2.454から高速側の0.805の間で自由自在に可変できる変速機ですから、実際にはちょうどいい塩梅の妥当な回転数にて妥当な最高速に落ち着くものと思われます。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが3500回転で最大トルク17.8kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば107.87kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(13.241kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと492.3kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1920kg)を1速ギヤの最大駆動力(492.3kgm)で割ってみると3.900kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する6200回転でのトルク(16.8kgm)からTWRを算出すると4.133kg/kgmとなり、3500-6200回転の回転域では3.900-4.133kg/kgmの間で推移することがわかります。


ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 2930 4400 5870 7330 8800 10270 13200
2速 960 1440 1920 2410 2890 3370 4330
※赤い数字は暫定レブリミット(6700rpm)を上回るもの。
※CVTの場合はどのようにギヤ比を制御をしているのか想像も付かないので参考値です。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.805)を選択して時速100kmにて走行すると2410回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1440回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1680回転、一般的な高速道路の80km/hでは1920回転、100km/hでは2410回転、制限速度が120km/hになると2890回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは4330回転まで回ります。

一般的な自動車であれば時速100kmでの巡航回転数は2500回転付近に落ち着くようですが、その中でも若干低めの回転数となっています。標準的なギヤ比の範囲内ながらも加速よりも静粛性や燃費に重きを置いた設定なので、急な坂道や長く続く坂道では積極的にギヤを1段下げる操作が必要になるかもしれません。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 14 27 41 55 68 82 95 109
2速 42 83 125 166 208 249 291 332

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(6700回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの215/60R17と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 215/60R17 | 直径 690mm

-20mm
幅195mm
-10mm
幅205mm
変更なし
幅215mm
+10mm
幅225mm
+20mm
幅235mm
-5%
55
扁平
195/55R17
37.5km/h
直径647mm
径差-43mm
205/55R17
38.1km/h
直径658mm
径差-32mm
215/55R17
38.8km/h
直径669mm
径差-21mm
225/55R17
39.4km/h
直径680mm
径差-10mm
235/55R17
40.1km/h
直径691mm
径差+1mm
0%
60
扁平
195/60R17
38.6km/h
直径666mm
径差-24mm
205/60R17
39.3km/h
直径678mm
径差-12mm
215/60R17
40.0km/h
690mm
0mm
225/60R17
40.7km/h
直径702mm
径差+12mm
235/60R17
41.4km/h
直径714mm
径差+24mm
+5%
65
扁平
195/65R17
39.8km/h
直径686mm
径差-4mm
205/65R17
40.5km/h
直径699mm
径差+9mm
215/65R17
41.3km/h
直径712mm
径差+22mm
225/65R17
42.0km/h
直径725mm
径差+35mm
235/65R17
42.8km/h
直径738mm
径差+48mm
+10%
70
扁平
195/70R17
40.9km/h
直径705mm
径差+15mm
205/70R17
41.7km/h
直径719mm
径差+29mm
215/70R17
42.5km/h
直径733mm
径差+43mm
225/70R17
43.3km/h
直径747mm
径差+57mm
235/70R17
44.1km/h
直径761mm
径差+71mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、195/60R17、195/65R17 、205/55R17、205/60R17 、215/55R17 、225/55R17 あたりのタイヤがおすすめです。

215/60R17のタイヤ幅を195mmから245mmまで、扁平率を45%から75%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、215/60R17の適応サイズと性能の変化 [RC5型オデッセイ編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
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RC5型オデッセイ[2.0L-NA FF/CVT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト13.241kg/ps40.50
1速ギヤ加速性能3.900kg/kgm0.34
1L換算馬力72.75ps/L49.73
1L換算トルク8.93kgm/L43.41
WB/TR比1.85941.13
ワイド&ロー指数0.93147.22
前面の面積3.085m²37.18
最低地上高145mm53.86
スポーツ性能部門の得点313.37

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
WLTC燃費19.9km/L57.60
年間維持費236200円58.29
100kmh回転数2410rpm51.11
航続距離1094.5km72.06
車の大きさ14.993m³64.02
室内の広さ5.843m³73.08
最小回転半径5.4m45.31
馬力単価33103円34.82
ユーティリティ部門の得点456.29

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した RC5型オデッセイ[2.0L-NA FF/CVT] の総合得点は 769.66 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したRC5型オデッセイ(FF/CVT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのミニバン」、「2000ccのミニバン」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

オデッセイの歴代モデル

5代目 RC1型 オデッセイ
RC1 オデッセイは2013/11に登場した5代目モデル。参考車両の「B」は全長4830mm、全幅1800mm、全高1695mmの車体に、175PS/23.0kgmを発生するK24W型2356ccエンジンを搭載した8人乗りミニバン。

4代目 RB4型 オデッセイ
RB4 オデッセイは2008/10に登場した4代目モデル。参考車両の「M Fine-Spilit」は全長4800mm、全幅1800mm、全高1565mmの車体に、173PS/22.6kgmを発生するK24A型2354ccエンジンを搭載した7人乗りミニバン。

3代目 RB2型 オデッセイ
RB2 オデッセイは2003/10に登場した3代目モデル。参考車両の「Absolute」は全長4770mm、全幅1800mm、全高1570mmの車体に、190PS/23.2kgmを発生するK24A型2354ccエンジンを搭載した7人乗りミニバン。

2代目 RA9型 オデッセイ
RA9 オデッセイは1999/12に登場した2代目モデル。参考車両の「VG」は全長4840mm、全幅1795mm、全高1655mmの車体に、210PS/27.5kgmを発生するJ30A型2997ccエンジンを搭載した7人乗りミニバン。

初代 RA5型 オデッセイ プレステージ
RA5 オデッセイ プレステージは1997/10に登場した初代モデル。参考車両の「VG」は全長4840mm、全幅1790mm、全高1650mmの車体に、200PS/27.0kgmを発生するJ30A型2997ccエンジンを搭載した7人乗りミニバン。