K9FYH01 ドブロの性能と維持費 FF/8AT 5人 399万円 2023年式

このページでは、フィアットの5ドア・5人乗りミニバン、初代の3DA-K9FYH01型ドブロ BaseGrade【2023/05モデル・130PS/30.6kgm・FF/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

K9FYH01 ドブロ
販売期間:2023/05 - 現行車

画像はフィアットより引用
http://www.fiat-auto.co.jp/
投稿:2023/10/26|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長4405mm×全幅1850mm×全高1850mm、排気量は1498ccであることから、大雑把に分類すると1.5リットルクラス(1500cc、自動車税は1.5L以下を適用)に属し、全長、全高、排気量は5ナンバー枠ながら全幅が1.7mを超えていることにより3ナンバー登録になります。この手のタイプはいわゆる世界戦略車(グローバルカー)に多くあるようです。
参考:100PS~150PSの自動車 一覧

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、前輪のみを駆動する、フロントエンジン・フロントドライブ方式(FF・FWD・前輪駆動とも)を採用しています。この方式はエンジンと駆動系(ミッション、デフ等)の収納がエンジンルーム内で完結するので、軽量コンパクトかつ低コスト化が実現でき、室内を広く作りやすい(エンジンが横置きの場合)ほか、後輪駆動車に比べて直進安定性に優れることが主な特長です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4405mmであるこの車の場合は「ミディアム」(Medium:4300mm超-4650mm以下・Dセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


K9FYH01型 ドブロ [1498cc/130PS FF/8AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

初代ドブロの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2023/05
K9FYH01L型
[MAXI]
1.5L-TB・FF/8AT・429.0万円
130PS・30.6kgm・18.1km/L
130PS
30.6kgm
18.1km/L

主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー フィアット
車名&
グレード
ドブロ
BaseGrade
その他 -
お値段 3990000円
車両型式 3DA-K9FYH01
駆動方式
変速機
FF・前輪駆動(FWD,2WD)
8速AT・8速オートマ車
ドア/定員 5ドア/5名乗車
車体寸法 長4405×幅1850×高1850mm
軸距&
輪距
2785mm
前1555mm/後1570mm
最小半径 5.6m
最低高 180mm
タイヤ 前輪:205/60R16
後輪:205/60R16
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ディスク
車両重量 1560kg
エンジン諸元
原動機型式 YH01
気筒配列 直列4気筒
排気量1498cc
圧縮比16.4
吸気方式 ターボ
最高出力 130PS[96kW]/3750rpm
最大トルク 30.6kgm[300Nm]/1750rpm
使用燃料 軽油(ディーゼル燃料)
WLTC燃費 18.1km/L(42.6mpg)
JC08燃費 22.9km/L(53.9mpg)
100km燃費 5.5L/100km
YH01型エンジンの諸元と性能まとめ
直列4気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に4個配置する方式。小排気量から2.5Lあたりまでをカバー。
直列4気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税30500円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税16400円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かる軽油代月額5000円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、ドブロの新車を458.9万円(諸費用として59.9万円を加算)にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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新車で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 1500cc以下 11年未満 30500円
自動車重量税(1年分) 2.0トン以下 13年未満 16400円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
燃料代(年間1万km) 10000km÷18.1km/L×155円/L 85640円
オイル交換(5000km毎) 1回4500円×2回 9000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本12000円×4本÷5年 9600円
任意保険料(月額5000円) 月額5000円×12ヶ月 60000円
ローン完済後の年間維持費 220000円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額76480円×12ヶ月 917760円
ローン返済中の年間維持費 1137800円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 53500円
名目 金額
自動車税(1年分) 30500円
自動車重量税(1年分) 16400円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
85640円
(59950円)
(42820円)
(25690円)
オイル交換(5000km毎) 9000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 9600円
任意保険料(月額5000円) 60000円
ローン完済後の年間維持費 220000円
名目 金額
車のローン額(1年分) 917760円
ローン返済中の年間維持費 1137800円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
53500円
  • 初度登録から1年経過車の場合、「1500cc以下で11年未満」クラスの自動車税は30500円、「2.0トン以下で13年未満」クラスの自動車重量税は16400円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに4500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本12000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額5000円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした53500円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

ドブロ【BaseGrade】の場合、維持費の月額は18400円です。これは今にも壊れそうな格安車、あるいは維持費の安さに全てを懸けたコスパ重視のスペシャルマシンから少しステップアップしたクラスになります。

「廉価車にしか乗れなかった自分が、ついにこれだけの維持費が掛かる車を所有できるようになったのだ、新しい自分になれたのだ。あの頃のアタシ、サヨナラ…」とかいう謎のカタルシスに浸りつつ、はるか高みで微笑む理想の自分に近付けるよう自分磨きに邁進しましょう。車としての維持費は安いほうで使い勝手も申し分のない、バランスの取れたクラスです。

ドブロの維持費は高い?安い?

「ドブロの年間維持費は220000円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「1500ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてドブロの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いヤリス173300円-46700円
ジェイド210700円-9300円
ドブロの維持費220000円
フリード ハイブリッド224600円+4600円
スイフト スポーツ250200円+30200円
基準1500ccクラス平均251400円+31400円
ステップワゴン スパーダ259700円+39700円
コルト Ralliart-R281600円+61600円
ゴルフ トゥーラン321300円+101300円
高いウーノ367800円+147800円

ドブロの年間維持費を、1500ccクラスで最も維持費が安いヤリスと比較して46700円高く、最も高いウーノと比較して147800円安く、1500ccクラスの平均維持費との比較では31400円安くなっています。

最低額のヤリスと最高額のウーノは極端な例としても、1500ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、ドブロの維持費は まあまあ安い! と言えそうです。

年間維持費が安い 1500ccクラスの車 ランキング

ドブロを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟%年収月給手取り
10%290万円25万円20万円
15%190万円16万円13万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は290万円(総支給額25万円/月、手取り20万円/月)、ここから月額維持費1.8万円を支払うと残りは18.2万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は190万円(総支給額16万円/月、手取り13万円/月)、1.8万円を支払うと残りは11.2万円になります。

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、軽油(ディーゼル燃料)1リットルあたり155円を基準として、-50円となる105円から、+50円となる205円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費18.1km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
105円/L
58020円
[-27620円]
-25円
130円/L
71830円
[-13810円]
-10円
145円/L
80120円
[-5520円]
155円/L85640円
[0円]
+10円
165円/L
91170円
[+5530円]
+25円
180円/L
99450円
[+13810円]
+50円
205円/L
113270円
[+27630円]

燃費18.1km/LのK9FYH01型 ドブロで10000km走行するのに必要な燃料は552.5L、1リットルあたり155円としたときの燃料代は85640円になります。

参考までに、ドブロの燃料タンクは50リットルですので、552.5Lの給油回数は12回、1回あたりの燃料代は約7140円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては5530円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると13810円、50円も違ってくると27630円にもなります。

これをK9FYH01型 ドブロの年間維持費に当てはめてみますと、軽油(ディーゼル燃料)1リットルあたり155円の場合を220000円としたとき、105円/Lに値下がりすれば192380円(87.4%)に、205円/Lに値上がりすれば247630円(112.6%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(30500円)なり重量税(16400円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなれば軽油代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 30500円 22%
自動車重量税 1年分 16400円 12%
自賠責保険料 1年分 8825円 6%
燃料代 3000km分 25690円 18%
オイル交換 年1回 4500円 3%
タイヤ交換 6年毎 6400円 5%
任意保険料 80% 48000円 34%
合計
[1万kmとの差額]
140400円
-79600円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 30500円 19%
自動車重量税 1年分 16400円 10%
自賠責保険料 1年分 8825円 5%
燃料代 5000km分 42820円 27%
オイル交換 年1回 4500円 3%
タイヤ交換 6年毎 6400円 4%
任意保険料 85% 51000円 32%
合計
[1万kmとの差額]
160500円
-59500円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 30500円 17%
自動車重量税 1年分 16400円 9%
自賠責保険料 1年分 8825円 5%
燃料代 7000km分 59950円 33%
オイル交換 年1回 6300円 3%
タイヤ交換 6年毎 6400円 4%
任意保険料 90% 54000円 29%
合計
[1万kmとの差額]
182400円
-37600円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、軽油代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料60000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて79600円安い140400円に、5000km走行では59500円安い160500円に、7000km走行では37600円安い182400円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。軽油代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 30500円 11%
自動車重量税 1年分 16400円 6%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 15000km分 128460円 45%
オイル交換 年3回 27000円 9%
タイヤ交換 2.7年毎 14400円 5%
任意保険料 100% 60000円 21%
合計
[1万kmとの差額]
285600円
+65600円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 30500円 9%
自動車重量税 1年分 16400円 5%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 20000km分 171280円 50%
オイル交換 年4回 36000円 11%
タイヤ交換 2年毎 19200円 6%
任意保険料 100% 60000円 16%
合計
[1万kmとの差額]
342300円
+122300円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
輸入車・外車の小型車&普通車編
1500cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
5人乗りミニバン編

【WLTC特典】市街地・郊外・高速道路の走行比率が変わると?

ひとくちにWLTCモード燃費と言いましても、信号や渋滞があるノロノロ道路の走行を想定した市街地モード(14.5km/L)、信号や渋滞が少ないスイスイ道路の走行を想定した郊外モード(18.2km/L)、高速道路の走行を想定した高速道路モード(20.2km/L)という3つの走行パターンを内包してありまして、これらを「平均的な使用時間配分」なるもので構成したのがWLTCモード燃費(18.1km/L)ということになります。

ここでは年間走行距離を10000kmとして市街地、郊外、高速道路の走行比率を変えてみたとき、WLTCモード燃費での軽油代85640円からどのように変化するかを見ていきたいと思います。

  • 1リットル155円として計算。
  • []内は低燃費タイヤ装着(エコタイヤ)で燃費が3%向上すると仮定した場合の軽油代。
    「差額で元が取れるかな?どうかな?」という、なかなかに絶妙なラインです。
参考:燃費が3%向上すると…?
市街地14.5km/L → 14.9km/L
郊外18.2km/L → 18.7km/L
高速道路20.2km/L → 20.8km/L

●例1:都市部にお住まい

まず最初に、市街地の住まいを想定して、走行の大半を市街地(90%)、たまに郊外へお買い物(5%)、稀に高速道路に乗ってどこか遠くへ…(5%)という場合で見てみます。

市街地90%・郊外5%・高速5%
市街地9000km96210円
[93620円]
郊外500km4260円
[4140円]
高速道路500km3840円
[3720円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
104310円
+18670円
14.9km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
101480円
-2830円
15.3km/L
  • 市街地走行の軽油代
    市街地の走行を9000kmとするとき、市街地モード燃費が14.5km/Lでは軽油620.7Lを消費して、軽油代は96210円になります。
  • 郊外走行の軽油代
    郊外の走行を500kmとするとき、郊外モード燃費が18.2km/Lでは軽油27.5Lを消費して、軽油代は4260円になります。
  • 高速道路走行の軽油代
    高速道路の走行を500kmとするとき、高速道路モード燃費が20.2km/Lでは軽油24.8Lを消費して、軽油代は3840円になります。

このパターンでは使用した燃料量が673.0L、かかった軽油代が104310円となり、平均燃費は14.9km/L(-3.2km/L)、WLTCモード燃費との軽油代の差は+18670円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着で燃費が3%アップするとして、同じ条件で走行すると軽油代は101480円となり、2830円安くなります。車検2回ごとにタイヤ交換するとき、寿命までの5年間で14150円の経費削減になる計算です。純正タイヤとエコタイヤの差額がこれ以上ならお得、以下なら…?

●例2:市街地と郊外を行き来

次に、とにかく市街地と郊外を行ったり来たりする条件を想定して、市街地の走行を50%、郊外の走行を50%、高速道路は走行しない場合を見てみます。

市街地50%・郊外50%・高速0%
市街地5000km53440円
[52020円]
郊外5000km42580円
[41450円]
高速道路0km0円
[0円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
96020円
+10380円
16.1km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
93470円
-2550円
16.6km/L
  • 市街地走行の軽油代
    市街地の走行を5000kmとするとき、市街地モード燃費が14.5km/Lでは344.8Lを消費して、軽油代は53440円になります。
  • 郊外走行の軽油代
    郊外の走行を5000kmとするとき、郊外モード燃費が18.2km/Lでは274.7Lを消費して、軽油代は42580円になります。

このパターンでは使用した燃料量が619.5L、かかった軽油代が96020円となり、平均燃費は16.1km/L(-2.0km/L)、WLTCモード燃費との軽油代の差は+10380円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着では軽油代が93470円となり、1年間で2550円、5年間で12750円の経費削減になる計算です。

●例3:市街地・郊外・高速道路をMix

続いて、都市部に住んでいて郊外の職場へ通勤、あるいは郊外に住んでいて都市部の職場へ通勤、高速利用もバッチリ!という感じでシミュレーションしてみます。

市街地33.3%・郊外33.4%・高速33.3%
市街地3330km35600円
[34640円]
郊外3340km28440円
[27680円]
高速道路3330km25560円
[24820円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
89600円
+3960円
17.3km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
87140円
-2460円
17.8km/L
  • 市街地走行の軽油代
    市街地の走行を3330kmとするとき、市街地モード燃費が14.5km/Lでは229.7Lを消費して、軽油代は35600円になります。
  • 郊外走行の軽油代
    郊外の走行を3340kmとするとき、郊外モード燃費が18.2km/Lでは183.5Lを消費して、軽油代は28440円になります。
  • 高速道路走行の軽油代
    高速道路の走行を3330kmとするとき、高速道路モード燃費が20.2km/Lでは164.9Lを消費して、軽油代は25560円になります。

このパターンでは使用した燃料量が578.1L、かかった軽油代が89600円となり、平均燃費は17.3km/L(-0.8km/L)、WLTCモード燃費との軽油代の差は+3960円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着では軽油代が87140円となり、1年間で2460円、5年間で12300円の経費削減になる計算です。

●例4:農村部にお住まい

最後に、びっくりするほど田舎な住まいを想定して、市街地の走行を5%、郊外の走行を90%、高速道路の走行を5%とした場合を見てみます。

市街地5%・郊外90%・高速5%
市街地500km5350円
[5210円]
郊外9000km76650円
[74600円]
高速道路500km3840円
[3720円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
85840円
+200円
18.1km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
83530円
-2310円
18.6km/L
  • 市街地走行の軽油代
    市街地の走行を500kmとするとき、市街地モード燃費が14.5km/Lでは34.5Lを消費して、軽油代は5350円になります。
  • 郊外走行の軽油代
    郊外の走行を9000kmとするとき、郊外モード燃費が18.2km/Lでは494.5Lを消費して、軽油代は76650円になります。
  • 高速道路走行の軽油代
    高速道路の走行を500kmとするとき、高速道路モード燃費が20.2km/Lでは24.8Lを消費して、軽油代は3840円になります。

このパターンでは使用した燃料量が553.8L、かかった軽油代が85840円となり、平均燃費は18.1km/L(0.0km/L)、WLTCモード燃費との軽油代の差は+200円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着では軽油代が83530円となり、1年間で2310円、5年間で11550円の経費削減になる計算です。

以上、極端な条件でのシミュレーションではありますが、走行シチュエーションによって平均燃費は変わり(14.9km/L・16.1km/L・17.3km/L・18.1km/L)、軽油代のほうもなかなかな違い(104310円・96020円・89600円・85840円)が出てくることがわかります。


市街地・郊外・高速道路の満タン航続距離

各モード燃費と航続距離
燃料タンク容量 50リットル
WLTCモード燃費
18.1km/L
905.0km
市街地燃費
14.5km/L
725.0km
[-180.0km]
郊外燃費
18.2km/L
910.0km
[+5.0km]
高速道路燃費
20.2km/L
1010.0km
[+105.0km]
満タン給油価格 7750円
1km走行コスト 8.56円
1万円走行距離 1167.7km

WLTCモード燃費が18.1km/L、燃料タンク容量50リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は905.0kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(16.3km/L)とすると航続距離は815.0km、80%(14.5km/L)だと725.0km、70%(12.7km/L)では635.0kmになります。

WLTCモード燃費には市街地モード・郊外モード・高速道路モードという3つの走行パターンが内包されておりますので、参考までにそれぞれのモード燃費で燃料タンクが空になるまで走行した場合の満タン航続距離を計算してみます。

燃料タンクの容量を50Lとしたとき、市街地モード燃費14.5km/Lでの航続距離は725.0km(-180.0km)、郊外モード燃費18.2km/Lでの航続距離は910.0km(+5.0km)、高速道路モード燃費20.2km/Lでの航続距離は1010.0km(+105.0km)となります。

ある特定のシチュエーションのみを、燃料タンクが空になるまで走行することはなかなかありませんが、「その気になればこのくらいの距離を走れちゃうんだぜ!」という参考データだけは持っておくと、次回の給油回数削減チャレンジでギリギリのラインを狙っていくのに役立つ、かもしれません。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から50リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、軽油(ディーゼル燃料)を1リットルあたり155円では7750円、上で計算した航続距離を踏まえると905.0km(80%燃費時725.0km)を走行するのに7750円かかる計算です。

燃費を18.1km/Lとしたときの1km走行コストは8.56円、10万km走行したときの燃料代は85.6万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら8.6万円/年、7年10万kmなら12.2万円/年、5年10万kmなら17.1万円/年、3年10万kmなら28.5万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば1167.7km(往復なら片道583.9km)、カタログ値の80%なら934.2km(片道467.1km)離れたところまで行くことができます。

カタログデータから見えてくる要素

YH01型エンジン簡易性能曲線図
各回転域での馬力
1750回転時の馬力 75PS
3750回転時の馬力 130PS
各回転域でのトルク
1750回転時のトルク 30.6kgm
3750回転時のトルク 24.8kgm
YH01型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載しているYH01型1498cc、直列4気筒のターボエンジンは3750回転時に最高出力130馬力を、1750回転時に最大トルク30.6kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、低めの回転数から中間域にトルクのピークがあるこのエンジンは、街中での普段使いに心地よく、高回転もそれなりでバランスの取れたタイプです。多くの乗用車がこの特性に当て嵌まるのではないかと思います。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する1750rpmから最高出力が発生する3750rpmまで」の2000rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は53.3%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
1500cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
1500cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ12.000kg/PS(1560kg/130PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ12.000kg/PS
車体+1人12.423kg/PS
車体+5人14.115kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg12.462kg/PS
車体+70kg12.538kg/PS
車体+80kg12.615kg/PS
車体+90kg12.692kg/PS
車体+100kg12.769kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは12.423kg/PS(1615kg/130PS)となり、数値としては0.423kg、比率にすると3.5%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは14.115kg/PS(1835kg/130PS)となり、数値としては2.115kg、比率にすると17.6%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

K9FYH01 ドブロのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2023/05

-
ドブロ
12.423kg/PS
1615kg/130PS|1.5L-TB
[車体のみPWR:12.000]
2013/04

車種詳細
500S
12.529kg/PS
1065kg/85PS|0.9L-TB
車体のみPWR:11.882
2015/07

車種詳細
シエンタ
12.523kg/PS
1365kg/109PS|1.5L-NA
車体のみPWR:12.018
2004/10

車種詳細
インサイト
12.500kg/PS
875kg/70PS|1.0L-NA
車体のみPWR:11.714
2015/02

車種詳細
CX-3
12.333kg/PS
1295kg/105PS|1.5L-TB
車体のみPWR:11.810
2019/05

車種詳細
MAZDA3 ファストバック
12.387kg/PS
1375kg/111PS|1.5L-NA
車体のみPWR:11.892

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ12.423kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

12.299kg/PSから12.547kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、フィアットの4人乗りハッチバック「31209型 500S」、トヨタの7人乗りミニバン「NSP170G型 シエンタ」、ホンダの2人乗りクーペ「ZE1型 インサイト」、マツダの5人乗りSUV「DK5FW型 CX-3」、マツダの5人乗りハッチバック「BP5P型 MAZDA3 ファストバック」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

K9FYH01型 ドブロ [BaseGrade]のライバル車種|12.423kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は83.3PS/tとなっています。


ドブロがバイクと競争するなら…?


車種詳細
CB125R|124cc
12.333kg/PS
185kg/15.0PS/1.20kgm
[車体のみPWR:8.667]
1速ギヤ速度:35.9km/h
最小TWR:1.030
2023/05

-
ドブロ|1498cc
12.423kg/PS
1615kg/130PS/30.6kgm
[車体のみPWR:12.000]
1速ギヤ速度:28.1km/h
最小TWR:1.015

車種詳細
GSX-S125|124cc
12.533kg/PS
188kg/15.0PS/1.10kgm
[車体のみPWR:8.867]
1速ギヤ速度:37.5km/h
最小TWR:1.203

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではドブロとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

JC91 CB125Rと競争してみる

まずドブロより少しPWRが低いバイクとして、ホンダのCB125Rが挙げられます。PWRの12.333kg/PSは車両重量130kgにライダーの体重55kgを加えた185kgを、最高出力15.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はCB125Rに7.8km/h劣り、1速TWRは0.015kg勝る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

DL32B GSX-S125と競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、スズキのGSX-S125が挙げられます。PWRの12.533kg/PSは車両重量133kg+55kgの188kgを、最高出力15.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は9.4km/h劣り、1速TWRは0.188kg勝る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.782
平均ピストンスピード 10.60m/s
トルクウェイトレシオ 50.98kg/kgm
1馬力あたりのお値段 30692円
排気量1Lあたり馬力 86.78PS/L
排気量1Lあたりトルク 20.43kgm/L
1気筒あたりの馬力 32.5PS
1気筒あたりのトルク 7.7kgm
パワーバンド比率 53.3%
燃費×馬力 2353.0pt
各種ランキング
トールワゴンのPWR
1.3~1.5L以下のPWR

トルクウェイトレシオは50.98kg/kgm(1560kg/30.6kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が3990000円、最高出力が130馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は30692円、逆に1万円あたりでは0.33馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は130392円、1万円あたりでは0.08kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
1500cc以下の車編
5人乗りミニバン編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は86.78PS/L、トルクは20.43kgm/L、1気筒あたりの馬力は32.5馬力、トルクは7.7kgmとなり、このエンジンが130馬力を3750回転で発生させているときの平均ピストンスピードは10.60m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.782になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、走ってよし、曲がってよしで至れり尽くせりのオールラウンダーであると言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が18.1km/L、最高出力が130PSであるこの車の獲得ポイントは2353.0ptになります。
戯れに車両重量1560kgを100kg単位にした15.6で割ってみたところ、その数値は150.83ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)



ドブロでの車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.542m
期待される荷室の幅 1.450m
対角線の長さ 2.117m
期待される荷室の面積 2.236m²

縦方向の長さが1.542m(対角線では2.117m)となれば、一般的な身長ならそれなりの車中泊を楽しむことができそうです。

車の中で足を伸ばして優雅に寝られる悦びを味わうために最低限必要な長さを備えた、車中泊のスタンダードと呼ぶに相応しい性能を有しています。

多くのミニバンや1BOXは室内長の寸法が大きいことから車中泊への期待が高まりますが、2列目、3列目シートの収納がイマイチの場合は車中泊の難易度がセダンよりも跳ね上がりかねません。その場合はシートを前ではなく後に倒してのフルフラットの可否が鍵を握ります。

車中泊にあると嬉しいアイテム

ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合3750rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした4250回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 4250rpm|タイヤサイズ 205/60R16|タイヤ直径 65.2cm|円周長 204.8cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
4250rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 5.070 16.38 -
-
32km/h 13330rpm 1537.6kgm
2速 2.971 9.60 0.586 1-2/
2490rpm
54km/h 7810rpm 901.0kgm
3速 1.950 6.30 0.656 2-3/
2790rpm
83km/h 5130rpm 591.4kgm
4速 1.469 4.75 0.753 3-4/
3200rpm
110km/h 3860rpm 445.5kgm
5速 1.230 3.97 0.837 4-5/
3560rpm
131km/h 3230rpm 373.0kgm
6速 1.000 3.23 0.813 5-6/
3460rpm
162km/h 2630rpm 303.3kgm
7速 0.808 2.61 0.808 6-7/
3430rpm
200km/h 2120rpm 245.0kgm
8速 0.672 2.17 0.832 7-8/
3540rpm
241km/h 1770rpm 203.8kgm
Final 3.231 レシオカバレッジ(変速比幅)7.545

  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数1750rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.231)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(30.6kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.231)÷タイヤの有効半径(0.326m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は8速ギヤの241km(3750rpmでは212.2km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが1750回転で最大トルク30.6kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば50.98kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(12.000kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと1537.6kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1560kg)を1速ギヤの最大駆動力(1537.6kgm)で割ってみると1.015kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する3750回転でのトルク(24.8kgm)からTWRを算出すると1.252kg/kgmとなり、1750-3750回転の回転域では1.015-1.252kg/kgmの間で推移することがわかります。


おまけ:3750rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

K9FYH01型ドブロに搭載されたYH01型1498ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する3750rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

3750rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ28km/h-
2速ギヤ48km/h2200rpm
3速ギヤ73km/h2460rpm
4速ギヤ97km/h2820rpm
5速ギヤ116km/h3140rpm
6速ギヤ143km/h3050rpm
7速ギヤ177km/h3030rpm
8速ギヤ212km/h3120rpm

まず1速ギヤで3750rpmまで引っ張ると28km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は3750rpmから2200rpmまで落ち、そこから3750rpmまで加速を続けると速度は48km/h(+20km/h)になります。

3速ギヤでは2460rpmまで落ちて3750rpmで73km/h(+25km/h)に、4速ギヤでは2820rpmまで落ちて3750rpmで97km/h(+24km/h)に、5速ギヤでは3140rpmまで落ちて3750rpmで116km/h(+19km/h)になります。

続いて6速ギヤでは3050rpmまで落ちて3750rpmで143km/h(+27km/h)に、7速ギヤでは3030rpmまで落ちて3750rpmで177km/h(+34km/h)に、8速ギヤでは3120rpmまで落ちて3750rpmで212km/h(+35km/h)という具合に加速していくイメージです。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 5330 8000 10660 13330 16000 18660 24000
2速 3120 4690 6250 7810 9370 10940 14060
3速 2050 3080 4100 5130 6150 7180 9230
4速 1550 2320 3090 3860 4640 5410 6950
5速 1290 1940 2590 3230 3880 4530 5820
6速 1050 1580 2100 2630 3160 3680 4730
7速 850 1270 1700 2120 2550 2970 3820
8速 710 1060 1410 1770 2120 2470 3180
※赤い数字は暫定レブリミット(4250rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.672)を選択して時速100kmにて走行すると1770回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1060回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1240回転、一般的な高速道路の80km/hでは1410回転、100km/hでは1770回転、制限速度が120km/hになると2120回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは3180回転まで回ります。

これほどまでに時速100kmでの巡航回転数が低ければ、(パワーさえ足りていれば)高速道路では向かうところ敵なしです。エンジンノイズによる疲れとは無縁の世界、ただひたすらに回り続けるエンジンのなんと頼もしいことでしょう。これに合わせてタイヤのロードノイズ、風きり音すらも完璧に抑え込まれていたならば、これはもはや完全無欠の高級車です。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 8 15 23 30 38 45 53 60
2速 13 26 38 51 64 77 90 102
3速 20 39 59 78 98 117 137 156
4速 26 52 78 104 129 155 181 207
5速 31 62 93 124 155 186 216 247
6速 38 76 114 152 190 228 266 304
7速 47 94 141 188 235 282 329 377
8速 57 113 170 226 283 340 396 453

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(4250回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの205/60R16と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 205/60R16 | 直径 652mm

-20mm
幅185mm
-10mm
幅195mm
変更なし
幅205mm
+10mm
幅215mm
+20mm
幅225mm
-5%
55
扁平
185/55R16
37.4km/h
直径610mm
径差-42mm
195/55R16
38.1km/h
直径621mm
径差-31mm
205/55R16
38.8km/h
直径632mm
径差-20mm
215/55R16
39.4km/h
直径643mm
径差-9mm
225/55R16
40.1km/h
直径654mm
径差+2mm
0%
60
扁平
185/60R16
38.5km/h
直径628mm
径差-24mm
195/60R16
39.3km/h
直径640mm
径差-12mm
205/60R16
40.0km/h
652mm
0mm
215/60R16
40.7km/h
直径664mm
径差+12mm
225/60R16
41.5km/h
直径676mm
径差+24mm
+5%
65
扁平
185/65R16
39.7km/h
直径647mm
径差-5mm
195/65R16
40.5km/h
直径660mm
径差+8mm
205/65R16
41.3km/h
直径673mm
径差+21mm
215/65R16
42.1km/h
直径686mm
径差+34mm
225/65R16
42.9km/h
直径699mm
径差+47mm
+10%
70
扁平
185/70R16
40.8km/h
直径665mm
径差+13mm
195/70R16
41.7km/h
直径679mm
径差+27mm
205/70R16
42.5km/h
直径693mm
径差+41mm
215/70R16
43.4km/h
直径707mm
径差+55mm
225/70R16
44.2km/h
直径721mm
径差+69mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、185/60R16、185/65R16 、195/55R16、195/60R16 、205/55R16 、215/55R16 あたりのタイヤがおすすめです。

205/60R16のタイヤ幅を185mmから235mmまで、扁平率を45%から75%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、205/60R16の適応サイズと性能の変化 [K9FYH01型ドブロ編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
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K9FYH01型ドブロ[1.5Lターボ FF/8AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト12.000kg/ps43.89
1速ギヤ加速性能1.015kg/kgm61.99
1L換算馬力86.78ps/L44.06
1L換算トルク20.43kgm/L63.94
WB/TR比1.78249.07
ワイド&ロー指数1.00042.22
前面の面積3.422m²27.74
最低地上高180mm39.63
スポーツ性能部門の得点372.54

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
WLTC燃費18.1km/L53.93
年間維持費220000円59.77
100kmh回転数1770rpm59.56
航続距離905.0km61.09
車の大きさ15.076m³64.35
室内の広さ(仮) 2.734m³43.49
最小回転半径5.6m41.22
馬力単価30692円37.99
ユーティリティ部門の得点421.40

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した K9FYH01型ドブロ[1.5Lターボ FF/8AT] の総合得点は 793.94 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したドブロ(FF/8AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのトールワゴン」、「1500ccのトールワゴン」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。