M900S トール カスタム 性能と維持費 FF/CVT 5人 205万円 2020年

このページでは、ダイハツ工業の5ドア・5人乗りミニバン、初代の4BA-M900S型トール カスタム Custom G-Turbo【2020/09モデル・98PS/14.3kgm・FF/CVT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

M900S トール カスタム
販売期間:2016/11 -

画像はダイハツ工業より引用
http://www.daihatsu.co.jp/
投稿:|更新:

ボディサイズが全長3705mm×全幅1670mm×全高1735mm、排気量は996ccであることから、大雑把に分類すると1.0リットルクラス(1000cc、自動車税は1.0L以下を適用)に属した、いわゆる5ナンバークラスの車です。とにかく排気量を増やして、とにかくボディを大きく、特に全幅を広げれば良いんだという風潮が蔓延る現代においては大変貴重な車となっています。

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、前輪のみを駆動する、フロントエンジン・フロントドライブ方式(FF・FWD・前輪駆動とも)を採用しています。この方式はエンジンと駆動系(ミッション、デフ等)の収納がエンジンルーム内で完結するので、軽量コンパクトかつ低コスト化が実現でき、室内を広く作りやすい(エンジンが横置きの場合)ほか、後輪駆動車に比べて直進安定性に優れることが主な特長です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が3705mmであるこの車の場合は「スモール」(Small:3500mm超-3850mm以下・Bセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。

M900S型 トール カスタム [996cc/98PS FF/CVT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

初代トール カスタムの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2020/09
M900S型
[Custom-G]
1.0L-NA・FF/CVT・191.4万円
69PS・9.4kgm・18.4km/L
69PS
9.4kgm
18.4km/L
2020/09
M910S型
[Custom-G]
1.0L-NA・4WD/CVT・209.0万円
69PS・9.4kgm・16.8km/L
69PS
9.4kgm
16.8km/L
2016/11
M900S型
[Custom-G Turbo SA2]
1.0L-TB・FF/CVT・196.6万円
98PS・14.3kgm・21.8km/L
98PS
14.3kgm
21.8km/L
初代 トール 型式一覧 M900系まとめ 2016-【全12車種】

M900S トール カスタムの主要諸元と大きさ比較

主要諸元
メーカー ダイハツ工業
車名&
グレード
トール カスタム
Custom G-Turbo
その他 カスタムGターボ | 4BA-M900S-GBVJ
お値段 2046000円
車両型式 4BA-M900S
駆動方式
変速機
FF・前輪駆動(FWD,2WD)
(無段変速機)
ドア/定員 5ドア・5名乗車
ホイールベース 2490mm
トレッド 1455mm/1465mm
WB/TR比 1.705
最小半径 4.7m
最低高 130mm
タイヤ 前輪:175/55R15
後輪:175/55R15
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ドラム
車両重量 1110kg

※WB/TR比はホイールベーストレッド比の略。値が大きいほど直進安定性に優れ、小さいほど旋回性能が高くなりやすい。全ての車種の平均値は1.773。

トール カスタムと各規格の大きさ比較
規格名 規格寸法 増減
トール カスタム
車体寸法
全長 3705mm -
全幅 1670mm -
全高 1735mm -
大きさ 10.73m3 -
軽自動車
新規格
全長 3400mm以下 +305mm
全幅 1480mm以下 +190mm
全高平均 1640mm +95mm
大きさ平均 8.13m3 +2.60m3
小型車規格
5ナンバー車
全長 4700mm以下 -995mm
全幅 1700mm以下 -30mm
全高平均 1496mm +239mm
大きさ平均 10.48m3 +0.25m3
普通車平均
3ナンバー車
全長平均 4643mm -938mm
全幅平均 1815mm -145mm
全高平均 1518mm +217mm
大きさ平均 12.84m3 -2.11m3

※上記グラフは100のラインを上回れば平均値以上、下回れば平均値以下を表す。グラフの伸びが大きいほど各規格の車両に対して相対的に車体が長い・広い・高い。※普通乗用車(3ナンバー車)の条件は全長4700mm超または全幅1700mm超または全高2000mm超と上限値が曖昧なため、ここでは普通乗用車に属する全ての車種の平均値との比較。※軽自動車・小型乗用車の全高はいずれも2000mm以下。ただし、ここでは各規格に属する車種の全高の平均値との比較。


M900S トール カスタムの室内広さを各規格の車両と比較

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

トール カスタムの室内広さを各規格の車両と比較
規格名 規格寸法 増減
トール カスタム
室内広さ
室内長 2180mm -
室内幅 1480mm -
室内高 1355mm -
車内広さ 4372L -
軽自動車
新規格
室内長平均 1908mm +272mm
室内幅平均 1280mm +200mm
室内高平均 1283mm +72mm
車内広さ平均 3171L +1201L
小型車規格
5ナンバー車
室内長平均 1913mm +267mm
室内幅平均 1404mm +76mm
室内高平均 1196mm +159mm
車内広さ平均 3253L +1119L
普通車平均
3ナンバー車
室内長平均 2050mm +130mm
室内幅平均 1483mm -3mm
室内高平均 1195mm +160mm
車内広さ平均 3698L +674L

※上記グラフは100のラインを上回れば平均値以上、下回れば平均値以下を表す。グラフの伸びが大きいほど各規格の車両に対して相対的に室内が長い・広い・高い。

人間様の占有スペースと容積効率
室内長×室内幅×室内高 4.372m³
1人あたりのスペース 0.874m³
室内長/全長 58.8%
室内幅/全幅 88.6%
室内高/全高 78.1%
室内容積/車両体積 40.7%

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は4.372m³です。この車の乗車定員は5人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.874m³のスペースが割り当てられることになります。

続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は58.8%、同じく室内幅と全幅の比率は88.6%、同じく室内高と全高の比率は78.1%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は40.7%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車 室内幅が広い車 室内高が高い車 車内の空間が広い車
室内長が長い車
室内幅が広い車
室内高が高い車
車内の空間が広い車


トール カスタムでの車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.297m
期待される荷室の幅 1.380m
対角線の長さ 1.894m
期待される荷室の面積 1.790m²

縦方向の長さが1.297m(対角線では1.894m)しかないとなると、これはもう常識的に考えてかなり厳しい車中泊を強いられます。運転席あるいは助手席を後ろに倒して寝たほうがまだマシかもしれません。

俗に言う体育座りの体勢で横になれば寝られないこともないでしょうが、寝れども寝れども疲れは取れない上に猛烈な腰痛で目を覚ましかねず、実に爽やかな笑顔で「もう二度と車中泊なんてしないよ!」と後日談を語ることになりかねません。

多くのミニバンや1BOXは室内長の寸法が大きいことから車中泊への期待が高まりますが、2列目、3列目シートの収納がイマイチの場合は車中泊の難易度がセダンよりも跳ね上がりかねません。その場合はシートを前ではなく後に倒してのフルフラットの可否が鍵を握ります。

車中泊にあると嬉しいアイテム


M900S トール カスタムの税金・年間維持費シミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税25000円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税12300円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額4500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、トール カスタムの新車を235.3万円(諸費用として30.7万円を加算)にて購入し、頭金なしで4年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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新車で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税 1000cc以下 13年未満 25000円
自動車重量税
1年分
1.5トン以下 13年未満 12300円
自賠責保険料
(1年換算)
自家用乗用車 8825円
燃料代
年間1万㎞
1万㎞÷16.8㎞/L×185円/L 110120円
オイル交換
5000km毎
1回4000円×2回 8000円
タイヤ交換
5年5万km毎
1本10000円×4本÷5年 8000円
任意保険料
月額4500円
月額4500円×12ヶ月 54000円
ローン完済後の年間維持費 226300円
名目 区分 金額
車のローン額
1年分
月額49020円×12ヶ月 588240円
ローン返済中の年間維持費 814500円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 45300円
  • 初度登録から5年経過車の場合、「1000cc以下で13年未満」クラスの自動車税は25000円、「1.5トン以下で13年未満」クラスの自動車重量税は12300円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに4000円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本10000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額4500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした45300円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

トール カスタム【Custom G-Turbo】の場合、維持費の月額は18900円です。これは今にも壊れそうな格安車、あるいは維持費の安さに全てを懸けたコスパ重視のスペシャルマシンから少しステップアップしたクラスになります。

「廉価車にしか乗れなかった自分が、ついにこれだけの維持費が掛かる車を所有できるようになったのだ、新しい自分になれたのだ。あの頃のアタシ、サヨナラ…」とかいう謎のカタルシスに浸りつつ、はるか高みで微笑む理想の自分に近付けるよう自分磨きに邁進しましょう。車としての維持費は安いほうで使い勝手も申し分のない、バランスの取れたクラスです。

トール カスタムの維持費は高い?安い?

「トール カスタムの年間維持費は226300円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「1000ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてトール カスタムの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いインサイト183200円-43100円
500S199600円-26700円
クロスビー214500円-11800円
バレーノ223000円-3300円
トール カスタムの維持費226300円
基準1000ccクラス平均230900円+4600円
フィエスタ240500円+14200円
ストーリア X4259200円+32900円
ブーン X4281000円+54700円
高いミニ316500円+90200円

トール カスタムの年間維持費を、1000ccクラスで最も維持費が安いインサイトと比較して43100円高く、最も高いミニと比較して90200円安く、1000ccクラスの平均維持費との比較では4600円安くなっています。

最低額のインサイトと最高額のミニは極端な例としても、1000ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、トール カスタムの維持費は ちょっと安い! と言えそうです。

年間維持費が安い 1000ccクラスの車 ランキング

トール カスタムを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟の%年収月給手取り
10%290万円25万円20万円
15%200万円17万円14万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は290万円(総支給額25万円/月、手取り20万円/月)、ここから月額維持費1.9万円を支払うと残りは18.1万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は200万円(総支給額17万円/月、手取り14万円/月)、1.9万円を支払うと残りは12.1万円になります。

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、レギュラーガソリン1リットルあたり185円を基準として、-50円となる135円から、+50円となる235円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費16.8km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代差額
135円/L 80370円 -29750円
160円/L 95250円 -14870円
175円/L 104180円 -5940円
185円/L 110120円 -
195円/L 116090円 +5970円
210円/L 125020円 +14900円
235円/L 139900円 +29780円

燃費16.8km/LのM900S型 トール カスタムで10000km走行するのに必要な燃料は595.3L、1リットルあたり185円としたときの燃料代は110120円になります。

参考までに、トール カスタムの燃料タンクは36リットルですので、595.3Lの給油回数は17回、1回あたりの燃料代は約6480円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては5970円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると14900円、50円も違ってくると29780円にもなります。

これをM900S型 トール カスタムの年間維持費に当てはめてみますと、レギュラーガソリン1リットルあたり185円の場合を226300円としたとき、135円/Lに値下がりすれば196550円(86.9%)に、235円/Lに値上がりすれば256080円(113.2%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(25000円)なり重量税(12300円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

1年分の自動車税・重量税・自賠責保険料
名目 金額
自動車税 25000円
自動車重量税 1年分 12300円
自賠責保険料 1年分 8825円
合計 46125円

※現在の税制では、自動車税、自動車重量税、自賠責保険料は走行距離に関係なく税額・保険料は一律。走行距離税が新設された場合は大幅に変わる可能性あり。


維持費名目 3000km 5000km 7000km
燃料代 33040円 55060円 77080円
オイル交換 4000円 4000円 5600円
タイヤ交換 5330円 5330円 5330円
任意保険料 43200円 45960円 48600円
税金 自賠責 一律 46125円
合計 131700円 156500円 182800円
1万km差額 -94600円 -69800円 -43500円

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで50000km程度持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料54000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて94600円安い131700円に、5000km走行では69800円安い156500円に、7000km走行では43500円安い182800円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は15000kmは1.1倍、20000kmは1.2倍としたのがこちらです。

維持費名目 10000km 15000km 20000km
燃料代 110120円 165180円 220240円
オイル交換 8000円 12000円 16000円
タイヤ交換 8000円 9600円 12800円
任意保険料 54000円 59400円 64800円
税金 自賠責 一律 46125円
合計 226300円 292400円 360000円
1万km差額 - +66100円 +133700円

走行距離と維持費の変化

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
ダイハツの小型車&普通車編
1000cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
5人乗りミニバン編

【WLTC特典】市街地・郊外・高速道路の走行比率が変わると?

ひとくちにWLTCモード燃費と言いましても、信号や渋滞があるノロノロ道路の走行を想定した市街地モード(12.7km/L)、信号や渋滞が少ないスイスイ道路の走行を想定した郊外モード(18.4km/L)、高速道路の走行を想定した高速道路モード(18.3km/L)という3つの走行パターンを内包してありまして、これらを「平均的な使用時間配分」なるもので構成したのがWLTCモード燃費(16.8km/L)ということになります。

ここでは年間走行距離を10000kmとして市街地、郊外、高速道路の走行比率を変えてみたとき、WLTCモード燃費でのガソリン代110120円からどのように変化するかを見ていきたいと思います。

走行例1:都市部にお住まい

まず最初に、市街地の住まいを想定して、走行の大半を市街地(90%)、たまに郊外へお買い物(5%)、稀に高速道路に乗ってどこか遠くへ…(5%)という場合で見てみます。

モード 走行距離 必要燃料量 燃料代
市街地 9000km 708.7L 131110円
郊外 500km 27.2L 5030円
高速道路 500km 27.3L 5050円
平均燃費 13.1km/L 763.2L 141190円
WLTC 総合燃費との差額 +31070円

走行例2:市街地と郊外を行き来

次に、とにかく市街地と郊外を行ったり来たりする条件を想定して、市街地の走行を50%、郊外の走行を50%、高速道路は走行しない場合を見てみます。

モード 走行距離 必要燃料量 燃料代
市街地 5000km 393.7L 72830円
郊外 5000km 271.7L 50260円
高速道路 0km 0L 0円
平均燃費 15.0km/L 665.4L 123090円
WLTC 総合燃費との差額 +12970円

走行例3:市街地・郊外・高速道路をMix

続いて、都市部に住んでいて郊外の職場へ通勤(33%)、あるいは郊外に住んでいて都市部の職場へ通勤(34%)、高速利用もバッチリ!(33%)という感じでシミュレーションしてみます。

モード 走行距離 必要燃料量 燃料代
市街地 3330km 262.2L 48510円
郊外 3340km 181.5L 33580円
高速道路 3330km 182.0L 33670円
平均燃費 16.0km/L 625.7L 115760円
WLTC 総合燃費との差額 +5640円

走行例4:農村部にお住まい

最後に、びっくりするほど田舎な住まいを想定して、隣町の市街地へ買い出しに行くため500km走行、パトロールがてらにいつもの田んぼ道を9000km走行、一念発起して都会の空気を吸いに高速道路を500km走行したとする場合を見てみます。

モード 走行距離 必要燃料量 燃料代
市街地 500km 39.4L 7290円
郊外 9000km 489.1L 90480円
高速道路 500km 27.3L 5050円
平均燃費 18.0km/L 555.8L 102820円
WLTC 総合燃費との差額 -7300円


走行距離は同じ1万kmであっても、走行する環境によって燃料代はずいぶん大きく変わります。信号待ちや渋滞のSTOP&GOで燃費が悪くなりがちな走行例1と、渋滞知らずで燃費にも車にも優しい走行例4では燃料の消費量が207.4リットルの差、金額にして38370円の差が生じます。

参考:燃費が3%向上すると…?

モード 各モード燃費 +3%燃費 燃費差
総合燃費 16.8km/L 17.3km/L +0.5km/L
市街地 12.7km/L 13.1km/L +0.4km/L
郊外 18.4km/L 19.0km/L +0.6km/L
高速道路 18.3km/L 18.8km/L +0.5km/L

WLTCモード燃費が良い車ランキング [全車種・総合]

市街地・郊外・高速道路の満タン航続距離

WLTCモード燃費には市街地モード・郊外モード・高速道路モードという3つの走行パターンが内包されておりますので、参考までにそれぞれのモード燃費で燃料タンクが空になるまで走行した場合の満タン航続距離を計算してみます。

各モード燃費の航続距離
モード 燃費 航続距離 1km費用
総合 16.8km/L 605km - 11.01円/km
市街地 12.7km/L 457km -148km 14.6円/km
郊外 18.4km/L 662km +57km 10.1円/km
高速 18.3km/L 659km +54km 10.1円/km

※1km費用は燃料価格185円/Lを各モード燃費で割ったもの。1km走行するために必要な燃料代。

燃料タンクの容量を36Lとしたとき、市街地モード燃費12.7km/Lでの航続距離は457km(-148km)、郊外モード燃費18.4km/Lでの航続距離は662km(+57km)、高速道路モード燃費18.3km/Lでの航続距離は659km(+54km)となります。

ある特定のシチュエーションのみを、燃料タンクが空になるまで走行することはなかなかありませんが、「その気になればこのくらいの距離を走れちゃうんだぜ!」という参考データだけは持っておくと、次回の給油回数削減チャレンジでギリギリのラインを狙っていくのに役立つ、かもしれません。

トール カスタムの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
WLTCモード燃費 16.8km/L
燃料タンク容量 36L
航続距離(カタログ燃費) 604.8km
航続距離(80%燃費) 482.4km
満タンプライス 6660円
1km走行コスト 11.01円/km
1万円でどこまで行ける? 908.1km
東京から604.8kmの範囲

WLTCモード燃費が16.8km/L、燃料タンク容量36リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は604.8kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(15.1km/L)とすると航続距離は543.6km、80%(13.4km/L)だと482.4km、70%(11.8km/L)では424.8kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から36リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、レギュラーガソリンを1リットルあたり185円では6660円、上で計算した航続距離を踏まえると604.8km(80%燃費時482.4km)を走行するのに6660円かかる計算です。

燃費を16.8km/Lとしたときの1km走行コストは11.01円、10万km走行したときの燃料代は110.1万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら11.0万円/年、7年10万kmなら15.7万円/年、5年10万kmなら22.0万円/年、3年10万kmなら36.7万円/年となります。

ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば908.1km(往復なら片道454.1km)、カタログ値の80%なら726.5km(片道363.2km)離れたところまで行くことができます。

M900S トール カスタムのエンジン諸元とカタログデータ

1KR-VET型エンジン簡易性能曲線図
エンジン諸元
原動機型式 1KR-VET
気筒配列 直列3気筒
排気量996cc
圧縮比 9.5
吸気方式 ターボ
最高出力 98PS[72kW]/6000rpm
最大トルク 14.3kgm[140Nm]/2400-4000rpm
パワーバンド 2400-6000rpm, 帯域60.0%
使用燃料 レギュラーガソリン
WLTC燃費16.8km/L(39.5mpg)
100km燃費6.0L/100km
最高出力・最大トルク 各回転数での出力
2400rpm 48PS/14.3kgm
4000rpm80PS/14.3kgm
6000rpm 98PS/11.7kgm
1KR-VET型エンジンの諸元と性能まとめ
直列3気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に3個配置する方式。小排気量のスタンダード。
直列3気筒の最高出力ランキング

まずおさらいとして、搭載している1KR型996cc、直列3気筒のターボエンジンは6000回転時に最高出力98馬力を、2400-4000回転時に最大トルク14.3kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、低めの回転数から中間域にトルクのピークがあるこのエンジンは、街中での普段使いに心地よく、高回転もそれなりでバランスの取れたタイプです。多くの乗用車がこの特性に当て嵌まるのではないかと思います。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なります。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する2400rpmから最高出力が発生する6000rpmまで」の3600rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は60.0%となります。※簡易エンジン性能曲線図オレンジ色の帯域。

最高出力ランキング リスト
1000cc以下クラス編
ダイハツの小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
1000cc以下クラス編
ダイハツの小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ11.327kg/PS(1110kg/98PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ11.327kg/PS
車体+1人11.888kg/PS
車体+5人14.133kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg11.939kg/PS
車体+70kg12.041kg/PS
車体+80kg12.143kg/PS
車体+90kg12.245kg/PS
車体+100kg12.347kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは11.888kg/PS(1165kg/98PS)となり、数値としては0.561kg、比率にすると5.0%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは14.133kg/PS(1385kg/98PS)となり、数値としては2.806kg、比率にすると24.8%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

M900S トール カスタムのライバル候補車たち

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ11.888kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

愛すべきライバル車種
Page Link車名 PWR+55kg

-
トール カスタム
11.888kg/PS
98PS・1.0L-TB
車体のみPWR 11.327
1165kg
+5.0%

車種詳細
ジェイド
11.947kg/PS
131PS・1.5L-NA
車体のみPWR 11.527
1565kg
+3.6%

車種詳細
カローラ ツーリング
11.853kg/PS
116PS・1.2L-TB
車体のみPWR 11.379
1375kg
+4.2%

車種詳細
ルーミー
11.786kg/PS
98PS・1.0L-TB
車体のみPWR 11.224
1155kg
+5.0%

車種詳細
パッソ セッテ
11.881kg/PS
109PS・1.5L-NA
車体のみPWR 11.376
1295kg
+4.4%

車種詳細
ステップワゴン
11.967kg/PS
150PS・1.5L-TB
車体のみPWR 11.600
1795kg
+3.2%


11.769kg/PSから12.007kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、ホンダの6人乗りミニバン・FR4型 ジェイド、トヨタの5人乗りワゴン・NRE210W型 カローラ ツーリング、トヨタの5人乗りミニバン・M900A型 ルーミー、トヨタの7人乗りミニバン・M512E型 パッソ セッテ、ホンダの7人乗りミニバン・RP2型 ステップワゴンという顔ぶれが並びました。

最高出力が高いからといって、車両重量が重ければパワーウェイトレシオの数値は似たようなものになったりします。「空車状態のPWRの違いが、戦力の決定的差ではないということを…教えてやる!」といったところでしょうか。

こうなると、思いもよらぬ車種の登場に「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごも生じることもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

M900S型 トール カスタム [Custom G-Turbo]のライバル車種|11.888kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は88.3PS/tとなっています。


トール カスタムがバイクと競争するなら…?


車種詳細
CB223S|223cc
11.875kg/PS
190kg/16.3PS/1.84kgm
[車体のみPWR:8.438]
1速ギヤ速度:31.7km/h
最小TWR:0.902
2020/09

-
トール カスタム|996cc
11.888kg/PS
1165kg/98PS/14.3kgm
[車体のみPWR:11.327]
1速ギヤ速度:53.6km/h
最小TWR:1.838

車種詳細
NSR80|79cc
11.917kg/PS
143kg/12.0PS/0.97kgm
[車体のみPWR:7.333]
1速ギヤ速度:32.9km/h
最小TWR:0.791

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではトール カスタムとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

MC40 CB223Sと競争してみる

まずトール カスタムより少しPWRが低いバイクとして、ホンダのCB223Sが挙げられます。PWRの11.875kg/PSは車両重量135kgにライダーの体重55kgを加えた190kgを、最高出力16.3PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はCB223Sに21.9km/h勝り、1速TWRは0.936kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

HC06 NSR80と競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、ホンダのNSR80が挙げられます。PWRの11.917kg/PSは車両重量88kg+55kgの143kgを、最高出力12.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は20.7km/h勝り、1速TWRは1.047kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.705
平均ピストンスピード 16.78m/s
トルクウェイトレシオ 77.62kg/kgm
1馬力あたりのお値段 20878円
排気量1Lあたり馬力 98.39PS/L
排気量1Lあたりトルク 14.36kgm/L
1気筒あたりの馬力 32.7PS
1気筒あたりのトルク 4.8kgm
パワーバンド比率 60.0%
燃費×馬力 1646.4pt
各種ランキング
トールワゴンのPWR
1.0L以下のPWR

トルクウェイトレシオは77.62kg/kgm(1110kg/14.3kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が2046000円、最高出力が98馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は20878円、逆に1万円あたりでは0.48馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は143077円、1万円あたりでは0.07kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
ダイハツ編
1000cc以下の車編
5人乗りミニバン編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は98.39PS/L、トルクは14.36kgm/L、1気筒あたりの馬力は32.7馬力、トルクは4.8kgmとなり、このエンジンが98馬力を6000回転で発生させているときの平均ピストンスピードは16.78m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が83.9mmである1KR型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は7150回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.705になります。全ての車種の平均値である1.773を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと小回りを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が16.8km/L、最高出力が98PSであるこの車の獲得ポイントは1646.4ptになります。
戯れに車両重量1110kgを100kg単位にした11.1で割ってみたところ、その数値は148.32ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


M900S トール カスタムのギヤ比と回転数・速度のステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合6000rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした6500回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 6500rpm|タイヤサイズ 175/55R15|タイヤ直径 57.4cm|円周長 180.3cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
6500rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 2.386 12.12 - - 58km/h 11200rpm 603.8kgm
2速 0.426 2.16 0.179 1-2/
1160rpm
325km/h 2000rpm 107.8kgm
Final5.079レシオカバレッジ(変速比幅)5.601
  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数2400-4000rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(5.079)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(14.3kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(5.079)÷タイヤの有効半径(0.287m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は2速ギヤの325km(6000rpmでは300.0km/h)となります。CVTは無段変速機というだけあって、変速比を低速側の2.386から高速側の0.426の間で自由自在に可変できる変速機ですから、実際にはちょうどいい塩梅の妥当な回転数にて妥当な最高速に落ち着くものと思われます。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが2400-4000回転で最大トルク14.3kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば77.62kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(11.327kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと603.8kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1110kg)を1速ギヤの最大駆動力(603.8kgm)で割ってみると1.838kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する6000回転でのトルク(11.7kgm)からTWRを算出すると2.247kg/kgmとなり、2400-6000回転の回転域では1.838-2.247kg/kgmの間で推移することがわかります。


ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4480 6720 8960 11200 13440 15680 20160
2速 800 1200 1600 2000 2400 2800 3600
※赤い数字は暫定レブリミット(6500rpm)を上回るもの。
※CVTの場合はどのようにギヤ比を制御をしているのか想像も付かないので参考値です。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.426)を選択して時速100kmにて走行すると2000回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1200回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1400回転、一般的な高速道路の80km/hでは1600回転、100km/hでは2000回転、制限速度が120km/hになると2400回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは3600回転まで回ります。

これほどまでに時速100kmでの巡航回転数が低ければ、(パワーさえ足りていれば)高速道路では向かうところ敵なしです。エンジンノイズによる疲れとは無縁の世界、ただひたすらに回り続けるエンジンのなんと頼もしいことでしょう。これに合わせてタイヤのロードノイズ、風きり音すらも完璧に抑え込まれていたならば、これはもはや完全無欠の高級車です。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 9 18 27 36 45 54 62 71
2速 50 100 150 200 250 300 350 400

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(6500回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの175/55R15と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 175/55R15 | 直径 574mm

-20mm
幅155mm
-10mm
幅165mm
変更なし
幅175mm
+10mm
幅185mm
+20mm
幅195mm
50 155/50R15
37.4km/h
径 536mm
差 -38mm
165/50R15
38.0km/h
径 546mm
差 -28mm
175/50R15
38.7km/h
径 556mm
差 -18mm
185/50R15
39.4km/h
径 566mm
差 -8mm
195/50R15
40.1km/h
径 576mm
差 +2mm
55 155/55R15
38.5km/h
径 552mm
差 -22mm
165/55R15
39.2km/h
径 563mm
差 -11mm
175/55R15
40.0km/h
574mm
0mm
185/55R15
40.8km/h
径 585mm
差 +11mm
195/55R15
41.5km/h
径 596mm
差 +22mm
60 155/60R15
39.5km/h
径 567mm
差 -7mm
165/60R15
40.3km/h
径 579mm
差 +5mm
175/60R15
41.2km/h
径 591mm
差 +17mm
185/60R15
42.0km/h
径 603mm
差 +29mm
195/60R15
42.9km/h
径 615mm
差 +41mm
65 155/65R15
40.6km/h
径 583mm
差 +9mm
165/65R15
41.5km/h
径 596mm
差 +22mm
175/65R15
42.4km/h
径 609mm
差 +35mm
185/65R15
43.3km/h
径 622mm
差 +48mm
195/65R15
44.3km/h
径 635mm
差 +61mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、155/55R15、155/60R15 、165/50R15、165/55R15 、175/50R15 、185/50R15 あたりのタイヤがおすすめです。

175/55R15のタイヤ幅を155mmから205mmまで、扁平率を40%から70%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、175/55R15の適応サイズと性能の変化 [M900S型トール カスタム編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
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M900S型 トール カスタム 1.0Lターボ FF/CVTの通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を比較してみます。

運動性能部門 10項目
評価項目全車種平均数値得点評価
PWR9.79㎏/PS11.33㎏/PS45.8ptD
最高回転数5880rpm6000rpm51.5ptC
1速ギヤ
加速性能
1.58㎏/㎏m1.84㎏/㎏m44.5ptD
1速ギヤ
最高速
51.1㎞/h53.6㎞/h52.3ptC
1リットル
換算馬力
103.37PS/L98.39PS/L48.2ptC
1リットル
換算トルク
15.99㎏m/L14.36㎏m/L45.0ptD
WB/TR比1.7731.70556.9ptB
ワイド&
ロー指数
0.8941.03939.6ptD
前面の面積2.631m22.897m242.6ptD
最低地上高154.5mm130mm59.9ptB
スポーツ性能部門の得点499.6pt
総合評価C

※PWR(パワーウェイトレシオ)・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比(旋回性能重視)・ワイド&ロー指数(見た目のかっこよさ)・前面の面積(≒前方投影面積・空気抵抗)・最低地上高については数値が小さいほど高得点。最高回転数・1速ギヤ最高速・1リットル換算馬力・1リットル換算トルクについては数値が大きいほど高得点。

ユーティリティ部門 10項目
評価項目全車種平均数値得点評価
年間維持費340674円226300円60.0ptB
WLTC燃費16.2km/L16.8km/L51.2ptC
100km/h
回転数
2489rpm2000rpm56.5ptB
航続距離644.1km604.8km47.7ptC
車の大きさ11.468m310.735m352.9ptC
車内の広さ3431.7L4371.8L59.2ptB
乗車定員4.8人5人51.7ptC
1人あたり
車内広さ
691.9L874.4L65.3ptA
車内床面積2.793m23.226m256.2ptB
最小回転
半径
5.18m4.7m59.8ptB
ユーティリティ部門の得点560.5pt
総合評価A

※WLTC燃費・航続距離(燃費×燃料タンク容量)・室内の広さ(室内長×室内幅×室内高)・乗車定員・1人あたりの車内の広さは数値が大きいほど高得点、新車価格・年間維持費・100km/h回転数・車の大きさ(全長×全幅×全高)・最小回転半径は数値が小さいほど高得点。

結果発表!
部門 全10707車種中 RANK
運動性能 499.6pt 4957位 C
運動性能部門 ランキング
ユーティリティ 560.5pt 826位 A
ユーティリティ部門 ランキング
総合得点 1060.1pt 689位 A
総合得点ランキング

スポーツ性能部門は499.6点で全10707車種中の4957位、ユーティリティ部門は560.5点で826位、総合得点は1060.1点で689位となりました。各部門、獲得点数が多い車種から順番に並べたランキングを用意してありますのでご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したM900S型 トール カスタム(FF/CVT) の各種スペックを、トールワゴン1000ccという属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを比較してみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。


人気があるミニバンの車種比較


RP6 ステップワゴン 2022 vs MZRA90W ノア 2022 性能比較
6代目 ステップワゴン AIR(2022年式 RP6・FF/CVT・1.5L+ターボ・150PS/20.7kgm・8人乗り)と、4代目 ノア X 8人乗り(2022年式 MZRA90W・FF/CVT・2.0L・170PS/20.6kgm・8人乗り)を比較。

ZWR90W ノア ハイブリッド 2022 vs MZRA90W ノア 2022 性能比較
4代目 ノア ハイブリッド X 8人乗り(2022年式 ZWR90W・FF/CVT・1.8L・98PS/14.5kgm・8人乗り)と、4代目 ノア X 8人乗り(2022年式 MZRA90W・FF/CVT・2.0L・170PS/20.6kgm・8人乗り)を比較。

B38A デリカ ミニ 2023 vs CV1W デリカD:5 2019 性能比較
初代 デリカ ミニ T(2023年式 B38A・4WD/CVT・0.66L+ターボ・64PS/10.2kgm・4人乗り)と、5代目 デリカD:5 M(2019年式 CV1W・4WD/8AT・2.3L+ターボ・145PS/38.7kgm・8人乗り)を比較。

RP8 ステップワゴン e:HEV 2022 vs ZWR90W ノア ハイブリッド 2022 性能比較
6代目 ステップワゴン e:HEV AIR(2022年式 RP8・FF/CVT・2.0L・145PS/17.8kgm・8人乗り)と、4代目 ノア ハイブリッド X 8人乗り(2022年式 ZWR90W・FF/CVT・1.8L・98PS/14.5kgm・8人乗り)を比較。

S231G アトレー7 2004 vs U66W タウンボックス ワイド 2000 性能比較
4代目 アトレー7 X Low-Roof(2004年式 S231G・4WD/4AT・1.3L・92PS/12.7kgm・7人乗り)と、初代 タウンボックス ワイド(2000年式 U66W・4WD/4AT・1.1L・75PS/10.2kgm・6人乗り)を比較。

MZRA90W ノア 2022 vs C28 セレナ 2022 性能比較
4代目 ノア X 8人乗り(2022年式 MZRA90W・FF/CVT・2.0L・170PS/20.6kgm・8人乗り)と、6代目 セレナ X(2022年式 C28・FF/CVT・2.0L・150PS/20.4kgm・8人乗り)を比較。

GT1 フリード 2024 vs MXPC10G シエンタ 2022 性能比較
3代目 フリード AIR EX(2024年式 GT1・FF/CVT・1.5L・118PS/14.5kgm・7人乗り)と、3代目 シエンタ X(2022年式 MXPC10G・FF/CVT・1.5L・120PS/14.8kgm・7人乗り)を比較。

S231G アトレー7 2004 vs S230G アトレーワゴン 2004 性能比較
4代目 アトレー7 L High-Roof(2004年式 S231G・4WD/5MT・1.3L・92PS/12.7kgm・7人乗り)と、4代目 アトレーワゴン Touring-Turbo Low-Roof(2004年式 S230G・4WD/5MT・0.66L+ターボ・64PS/10.5kgm・4人乗り)を比較。