4GCREB A6オールロードクワトロ 性能と維持費 4WD/7AT 5人 959万円 2015

このページでは、アウディの5ドア・5人乗りSUV、4代目のABA-4GCREB型A6オールロードクワトロ BaseGrade C7【2015/07モデル・333PS/44.9kgm・4WD/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

4GCREB A6オールロードクワトロ
販売期間:2012/08 - 2019/03

画像はアウディより引用
http://www.audi.co.jp/
投稿:|更新:

ボディサイズが全長4940mm×全幅1900mm×全高1500mm、排気量は2994ccであることから、大雑把に分類すると3.0リットルクラス(3000cc、自動車税は3.0L以下を適用)に属し、全長、全幅、排気量ともに5ナンバー枠を超えていることにより完全無欠の3ナンバー登録車です。いわゆる【高級車】にカテゴライズされます。
参考:300PS~350PSの自動車 一覧

駆動方式には車両に備わる全てのタイヤを駆動する、いわゆる四輪駆動(All Wheel Drive・AWD・Four Wheel Drive・4WDとも)を採用しています。真っ直ぐ進むことに掛けては右に出る者なしとされ、大雨、強風、泥濘、降雪、凍結など天変地異による悪天候下や悪路にて無類の強さを発揮する安心の駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4940mmであるこの車の場合は「ラグジュアリー」(Luxury:4900mm超・Fセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。

4GCREB型 A6オールロードクワトロ [2994cc/333PS 4WD/7AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

4代目A6オールロードクワトロの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2016/08
型式不明
[Performance]
4.0L-TB・4WD/8AT・1805.0万円
605PS・71.4kgm・10.3km/L
605PS
71.4kgm
10.3km/L
2015/08
4GCYPS型
[2.0TFSI]
2.0L-TB・4WD/7AT・680.0万円
252PS・37.7kgm・13.6km/L
252PS
37.7kgm
13.6km/L
2015/08
4GCYPS型
[2.0TFSI]
2.0L-TB・4WD/7AT・718.0万円
252PS・37.7kgm・13.6km/L
252PS
37.7kgm
13.6km/L
4代目 A6 型式一覧 C7系まとめ 2011-2019【全16車種】
A6オールロードクワトロの新型モデル
5代目 F2DJPF型RS6 アバント
F2DJPF型RS6 アバントは2019/03に登場した5代目モデル。参考車両の「BaseGrade」は全長4995mm、全幅1960mm、全高1485mmの車体に、600PS/81.6kgmを発生するDJP型3996ccエンジンを搭載。

A6オールロードクワトロの旧型モデル
3代目 4FBVJA型A6オールロードクワトロ
4FBVJA型A6オールロードクワトロは2006/09に登場した3代目モデル。参考車両の「4.2FSI」は全長4935mm、全幅1860mm、全高1490mmの車体に、350PS/44.9kgmを発生するBVJ型4163ccエンジンを搭載。


4GCREB A6オールロードクワトロの主要諸元と大きさ比較

主要諸元
メーカー アウディ
車名&
グレード
A6オールロードクワトロ
BaseGrade C7
その他 -
お値段 9590000円
車両型式 ABA-4GCREB
駆動方式
変速機
4WD・四輪駆動(AWD)
7速AT・7速オートマ車
ドア/定員 5ドア・5名乗車
ホイールベース 2905mm
トレッド 1635mm/1600mm
WB/TR比 1.795
最小半径 5.7m
最低高 155mm
タイヤ 前輪:235/55R18
後輪:235/55R18
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
車両重量 1960kg

※WB/TR比はホイールベーストレッド比の略。値が大きいほど直進安定性に優れ、小さいほど旋回性能が高くなりやすい。全ての車種の平均値は1.773。

A6オールロードクワトロと各規格の大きさ比較
規格名 規格寸法 増減
A6オールロードクワトロ
車体寸法
全長 4940mm -
全幅 1900mm -
全高 1500mm -
大きさ 14.08m3 -
軽自動車
新規格
全長 3400mm以下 +1540mm
全幅 1480mm以下 +420mm
全高平均 1640mm -140mm
大きさ平均 8.13m3 +5.95m3
小型車規格
5ナンバー車
全長 4700mm以下 +240mm
全幅 1700mm以下 +200mm
全高平均 1496mm +4mm
大きさ平均 10.48m3 +3.60m3
普通車平均
3ナンバー車
全長平均 4643mm +297mm
全幅平均 1815mm +85mm
全高平均 1518mm -18mm
大きさ平均 12.84m3 +1.24m3

※上記グラフは100のラインを上回れば平均値以上、下回れば平均値以下を表す。グラフの伸びが大きいほど各規格の車両に対して相対的に車体が長い・広い・高い。※普通乗用車(3ナンバー車)の条件は全長4700mm超または全幅1700mm超または全高2000mm超と上限値が曖昧なため、ここでは普通乗用車に属する全ての車種の平均値との比較。※軽自動車・小型乗用車の全高はいずれも2000mm以下。ただし、ここでは各規格に属する車種の全高の平均値との比較。



A6オールロードクワトロでの車中泊

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.729m
期待される荷室の幅 1.500m
対角線の長さ 2.289m
期待される荷室の面積 2.594m²

縦方向の長さが1.729m(対角線では2.289m)などという破格のクラスになると、これはもう四の五の言わず車に住むべきです。

これだけの車を所持できる素養は持ち得ているのですから、細かいことは気にせずあらゆる支配からの卒業を宣言し、信じられぬ大人との争いに終止符を打ちましょう。

一見すると車中泊が可能そうに見えるハッチバックやワゴン、SUVであってもリアシートが前に倒れなかったり、倒れても中途半端であったり、凝った足回りのせいで室内に巨大な出っ張りがあったりで、なかなか思うようにはいきませんが、大抵のケースでは知恵と工夫で何とかなるはずです。

車中泊にあると嬉しいアイテム


4GCREB A6オールロードクワトロの税金・年間維持費シミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税51000円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税16400円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額6500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、2015/07モデルのA6オールロードクワトロを10年落ちの中古で580.2万円にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    A6オールロードクワトロの2015/07モデルの場合、2025年現在では10年が経過しているため、新車価格の55%である527.45万円に諸経費として52.7万円を足した580.2万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
  • 【PR】自動車保険は比較で安くなる!

2015年式を10年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税 3000cc以下 13年未満 51000円
自動車重量税
1年分
2.0トン以下 13年未満 16400円
自賠責保険料
(1年換算)
自家用乗用車 8825円
燃料代
年間1万㎞
1万㎞÷11.1×195円/L 175680円
オイル交換
5000km毎
1回6500円×2回 13000円
タイヤ交換
5年5万km毎
1本18000円×4本÷5年 14400円
任意保険料
月額6500円
月額6500円×12ヶ月 78000円
ローン完済後の年間維持費 357400円
名目 区分 金額
車のローン額
1年分
月額96700円×12ヶ月 1160400円
ローン返済中の年間維持費 1517800円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 53500円
  • 初度登録から10年経過車の場合、「3000cc以下で13年未満」クラスの自動車税は51000円、「2.0トン以下で13年未満」クラスの自動車重量税は16400円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに6500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本18000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額6500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした53500円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

お財布に厚みが増した勢いで少し色気を出して愛車にステータス性を求めるなら、月換算29800円くらいの出費は覚悟しましょう。なあに大丈夫、愛車のためです。

口癖のように「もうちょっと維持費が安ければねえ…?」なんて呟くその姿は自慢げなようであり、しかし哀愁を帯びているようでもあり、傍からすれば対応に困ります。より維持費の安い新車を買うほどではない…ないが…考えずにもいられない、そんなクラスです。全体から見るとこの辺りから面白味のある車が増えてきます。

A6オールロードクワトロの維持費は高い?安い?

「A6オールロードクワトロの年間維持費は357400円です!」と断じるのは実に簡単なことですが、「3000ccクラスという枠組みの中で維持費を比べたら高いの?安いの?」という点も外せません。はたしてA6オールロードクワトロの維持費は高いのか、安いのか、例によって表を作って差額を求めてみます。


車名年間維持費差額
安いハイエース バン274670円-82730円
スープラ343900円-13500円
グランエース352500円-4900円
A6オールロードクワトロの維持費357400円
スカイライン379100円+21700円
基準3000ccクラス平均413500円+56100円
アリスト453300円+95900円
スカイライン GT-R480700円+123300円
X5519600円+162200円
高いXM ワゴン623000円+265600円

A6オールロードクワトロの年間維持費を、3000ccクラスで最も維持費が安いハイエース バンと比較して82730円高く、最も高いXM ワゴンと比較して265600円安く、3000ccクラスの平均維持費との比較では56100円安くなっています。

最低額のハイエース バンと最高額のXM ワゴンは極端な例としても、3000ccクラスの平均的な維持費との差額を客観的に見て、A6オールロードクワトロの維持費は まあまあ安い! と言えそうです。

年間維持費が安い 3000ccクラスの車 ランキング

A6オールロードクワトロを維持するための年収要件

せっかく年間維持費を求めましたので、生活に支障を与えず無理なく維持できる年収をシミュレーションしてみましょう。ここでは年収の30%を天使の取り分として上納した残りを可処分所得(手取り収入)とし、うち10%、15%、20%を維持費に充てる場合で計算してみます。
※購入資金&ローン残高は考慮しません。

覚悟の%年収月給手取り
10%460万円39万円30万円
15%310万円26万円20万円
20%230万円20万円16万円

維持費を可処分所得の10%までとする場合に必要な年収は460万円(総支給額39万円/月、手取り30万円/月)、ここから月額維持費3.0万円を支払うと残りは27.0万円です。価値観は人それぞれありますが、この年収があればそう負担感なく維持できそうです。

15%まで許容する場合に必要な年収は310万円(総支給額26万円/月、手取り20万円/月)、3.0万円を支払うと残りは17.0万円になります。

さて、手取りの20%を車の維持費に回す覚悟があるなら、年収が230万円(総支給額20万円/月、手取り16万円/月)あれば乗れないことはないでしょう。3.0万円を引くと残りは13.0万円…まあ…余裕があるとは言えません。

多方面に支障が出ることになる禁断の果実…ではありますが、1万km分の燃料代18万円を含んでいるので、意外や意外、案ずるより生むが易し、「思い切って蓋を開けてみたら何とかなっちゃった!」という展開もあり得なくはありません。(ご利用は計画的に)

燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり195円を基準として、-50円となる145円から、+50円となる245円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費11.1km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代差額
145円/L 130650円 -45030円
170円/L 153170円 -22510円
185円/L 166690円 -8990円
195円/L 175680円 -
205円/L 184710円 +9030円
220円/L 198220円 +22540円
245円/L 220750円 +45070円

燃費11.1km/Lの4GCREB型 A6オールロードクワトロで10000km走行するのに必要な燃料は901L、1リットルあたり195円としたときの燃料代は175680円になります。

参考までに、A6オールロードクワトロの燃料タンクは65リットルですので、901Lの給油回数は14回、1回あたりの燃料代は約12550円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては9030円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると22540円、50円も違ってくると45070円にもなります。

これを4GCREB型 A6オールロードクワトロの年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり195円の場合を357400円としたとき、145円/Lに値下がりすれば312370円(87.4%)に、245円/Lに値上がりすれば402470円(112.6%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(51000円)なり重量税(16400円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

税金の安さは折り紙付き!
バン・トラックの人気車種ランキング!


低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

1年分の自動車税・重量税・自賠責保険料
名目 金額
自動車税 51000円
自動車重量税 1年分 16400円
自賠責保険料 1年分 8825円
合計 76225円

※現在の税制では、自動車税、自動車重量税、自賠責保険料は走行距離に関係なく税額・保険料は一律。走行距離税が新設された場合は大幅に変わる可能性あり。


維持費名目 3000km 5000km 7000km
燃料代 52700円 87840円 122980円
オイル交換 6500円 6500円 9100円
タイヤ交換 9600円 9600円 9600円
任意保険料 62400円 66360円 70200円
税金 自賠責 一律 76225円
合計 207500円 246600円 288200円
1万km差額 -149900円 -110800円 -69200円

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで50000km程度持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料78000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて149900円安い207500円に、5000km走行では110800円安い246600円に、7000km走行では69200円安い288200円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は15000kmは1.1倍、20000kmは1.2倍としたのがこちらです。

維持費名目 10000km 15000km 20000km
燃料代 175680円 263520円 351360円
オイル交換 13000円 19500円 26000円
タイヤ交換 14400円 17280円 23040円
任意保険料 78000円 85800円 93600円
税金 自賠責 一律 76225円
合計 357400円 462400円 570300円
1万km差額 - +105000円 +212900円

走行距離と維持費の変化

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。

年間維持費ランキング リスト
輸入車・外車の小型車&普通車編
3000cc以下クラス編
小型車&普通車の新車編
5人乗りSUV・RV編

A6オールロードクワトロの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
JC08モード燃費 11.9km/L
燃料タンク容量 65L
航続距離(カタログ燃費) 773.5km
航続距離(80%燃費) 617.5km
満タンプライス 12675円
1km走行コスト 16.39円/km
1万円でどこまで行ける? 610.3km
東京から773.5kmの範囲

JC08モード燃費が11.9km/L、燃料タンク容量65リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は773.5kmです。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(10.7km/L)とすると航続距離は695.5km、80%(9.5km/L)だと617.5km、70%(8.3km/L)では539.5kmになります。

燃料タンクに1滴の燃料もない状態から65リットルきっちり満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり195円では12675円、上で計算した航続距離を踏まえると773.5km(80%燃費時617.5km)を走行するのに12675円かかる計算です。

燃費を11.1km/Lとしたときの1km走行コストは16.39円、10万km走行したときの燃料代は163.9万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら16.4万円/年、7年10万kmなら23.4万円/年、5年10万kmなら32.8万円/年、3年10万kmなら54.6万円/年となります。

ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば610.3km(往復なら片道305.1km)、カタログ値の80%なら488.2km(片道244.1km)離れたところまで行くことができます。

4GCREB A6オールロードクワトロのエンジン諸元とカタログデータ

CRE型エンジン簡易性能曲線図
エンジン諸元
原動機型式 CRE
気筒配列 V型6気筒
排気量2994cc
圧縮比 10.8
吸気方式 スーパーチャージャー
最高出力 333PS[245kW]/5500-6500rpm
最大トルク 44.9kgm[440Nm]/2900-5300rpm
パワーバンド 2900-6500rpm, 帯域55.4%
使用燃料 ハイオクガソリン
JC08燃費11.9km/L(28.0mpg)
100km燃費8.4L/100km
最高出力・最大トルク 各回転数での出力
2900rpm 182PS/44.9kgm
5300rpm332PS/44.9kgm
5500rpm333PS/43.4kgm
6500rpm 333PS/36.7kgm
CRE型エンジンの諸元と性能まとめ
V型6気筒とは‥シリンダをV字型に交互で6個配置する方式。中排気量のスタンダード。
V型6気筒の最高出力ランキング

まずおさらいとして、搭載しているCRE型2994cc、V型6気筒のスーパーチャージャー付きエンジンは5500-6500回転時に最高出力333馬力を、2900-5300回転時に最大トルク44.9kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、低めの回転数から中間域にトルクのピークがあるこのエンジンは、街中での普段使いに心地よく、高回転もそれなりでバランスの取れたタイプです。多くの乗用車がこの特性に当て嵌まるのではないかと思います。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なります。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する2900rpmから最高出力が発生する6500rpmまで」の3600rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は55.4%となります。※簡易エンジン性能曲線図オレンジ色の帯域。

最高出力ランキング リスト
3000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
3000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ5.886kg/PS(1960kg/333PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ5.886kg/PS
車体+1人6.051kg/PS
車体+5人6.712kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg6.066kg/PS
車体+70kg6.096kg/PS
車体+80kg6.126kg/PS
車体+90kg6.156kg/PS
車体+100kg6.186kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは6.051kg/PS(2015kg/333PS)となり、数値としては0.165kg、比率にすると2.8%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは6.712kg/PS(2235kg/333PS)となり、数値としては0.826kg、比率にすると14.0%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

4GCREB A6オールロードクワトロのライバル候補車たち

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ6.051kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

愛すべきライバル車種
Page Link車名 PWR+55kg

-
A6オールロードクワトロ
6.051kg/PS
333PS・3.0L-SC
車体のみPWR 5.886
2015kg
+2.8%

車種詳細
フォレスター
5.875kg/PS
280PS・2.0L-TB
車体のみPWR 5.679
1645kg
+3.5%

車種詳細
マツダスピード アテンザ
5.938kg/PS
272PS・2.3L-TB
車体のみPWR 5.735
1615kg
+3.5%

車種詳細
シビック タイプR
6.081kg/PS
185PS・1.6L-NA
車体のみPWR 5.784
1125kg
+5.1%

車種詳細
セリカ
6.184kg/PS
190PS・1.8L-NA
車体のみPWR 5.895
1175kg
+4.9%

車種詳細
RX-8
5.979kg/PS
235PS・1.4L-NA
車体のみPWR 5.745
1405kg
+4.1%


5.869kg/PSから6.233kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、スバルの5人乗りSUV・SJG型 フォレスター、マツダの5人乗りセダン・GG3P型 マツダスピード アテンザ、ホンダの4人乗りハッチバック・EK9型 シビック タイプR、トヨタの4人乗りクーペ・ZZT231型 セリカ、マツダの4人乗りクーペ・SE3P型 RX-8という顔ぶれが並びました。

最高出力が高いからといって、車両重量が重ければパワーウェイトレシオの数値は似たようなものになったりします。「空車状態のPWRの違いが、戦力の決定的差ではないということを…教えてやる!」といったところでしょうか。

こうなると、思いもよらぬ車種の登場に「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごも生じることもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

4GCREB型 A6オールロードクワトロ [BaseGrade C7]のライバル車種|6.051kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は169.9PS/tとなっています。


A6オールロードクワトロがバイクと競争するなら…?


車種詳細
バルカン1500 クラシック|1470cc
6.033kg/PS
368kg/61.0PS/11.00kgm
[車体のみPWR:5.131]
1速ギヤ速度:57.6km/h
最小TWR:0.925
2015/07

-
A6オールロードクワトロ|2994cc
6.051kg/PS
2015kg/333PS/44.9kgm
[車体のみPWR:5.886]
1速ギヤ速度:54.3km/h
最小TWR:0.968

車種詳細
WR250X|249cc
6.097kg/PS
189kg/31.0PS/2.40kgm
[車体のみPWR:4.323]
1速ギヤ速度:44.5km/h
最小TWR:0.658

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではA6オールロードクワトロとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

VNT50D バルカン1500 クラシックと競争してみる

まずA6オールロードクワトロより少しPWRが低いバイクとして、カワサキのバルカン1500 クラシックが挙げられます。PWRの6.033kg/PSは車両重量313kgにライダーの体重55kgを加えた368kgを、最高出力61.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はバルカン1500 クラシックに3.3km/h劣り、1速TWRは0.043kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

DG15J WR250Xと競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、ヤマハのWR250Xが挙げられます。PWRの6.097kg/PSは車両重量134kg+55kgの189kgを、最高出力31.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は9.8km/h勝り、1速TWRは0.310kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.795
平均ピストンスピード 19.28m/s
トルクウェイトレシオ 43.65kg/kgm
1馬力あたりのお値段 28799円
排気量1Lあたり馬力 111.22PS/L
排気量1Lあたりトルク 15.00kgm/L
1気筒あたりの馬力 55.5PS
1気筒あたりのトルク 7.5kgm
パワーバンド比率 55.4%
燃費×馬力 3686.3pt
各種ランキング
SUV・RV・クロカンのPWR
2.5~3.0Lターボ車のPWR

トルクウェイトレシオは43.65kg/kgm(1960kg/44.9kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が9590000円、最高出力が333馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は28799円、逆に1万円あたりでは0.35馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は213586円、1万円あたりでは0.05kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
3000cc以下の車編
5人乗りSUV編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は111.22PS/L、トルクは15.00kgm/L、1気筒あたりの馬力は55.5馬力、トルクは7.5kgmとなり、このエンジンが333馬力を6500回転で発生させているときの平均ピストンスピードは19.28m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が89.0mmであるCRE型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6740回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.795になります。全ての車種の平均値である1.773を基準にざっくりと分類すると、走ってよし、曲がってよしで至れり尽くせりのオールラウンダーであると言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が11.07km/L、最高出力が333PSであるこの車の獲得ポイントは3686.3ptになります。
戯れに車両重量1960kgを100kg単位にした19.6で割ってみたところ、その数値は188.08ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


4GCREB A6オールロードクワトロのギヤ比と回転数・速度のステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合5500-6500rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした7000回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 7000rpm|タイヤサイズ 235/55R18|タイヤ直径 71.6cm|円周長 224.9cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
7000rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 3.692 16.15 - - 58km/h 11970rpm 2025.4kgm
2速 2.150 9.40 0.582 1-2/
4070rpm
100km/h 6970rpm 1179.5kgm
3速 1.406 6.15 0.654 2-3/
4580rpm
154km/h 4560rpm 771.3kgm
4速 1.025 4.48 0.729 3-4/
5100rpm
211km/h 3320rpm 562.3kgm
5速 0.787 3.44 0.768 4-5/
5380rpm
274km/h 2550rpm 431.7kgm
6速 0.625 2.73 0.794 5-6/
5560rpm
346km/h 2030rpm 342.9kgm
7速 0.519 2.27 0.830 6-7/
5810rpm
416km/h 1680rpm 284.7kgm
Final4.374レシオカバレッジ(変速比幅)7.114
  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数2900-5300rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.374)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(44.9kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.374)÷タイヤの有効半径(0.358m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は7速ギヤの416km(6500rpmでは386.4km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが2900-5300回転で最大トルク44.9kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば43.65kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(5.886kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと2025.4kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1960kg)を1速ギヤの最大駆動力(2025.4kgm)で割ってみると0.968kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する6500回転でのトルク(36.7kgm)からTWRを算出すると1.184kg/kgmとなり、2900-6500回転の回転域では0.968-1.184kg/kgmの間で推移することがわかります。


6500rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

4GCREB型A6オールロードクワトロに搭載されたCRE型2994ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する6500rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

6500rpmでの速度とシフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ54km/h-
2速ギヤ93km/h3780rpm
3速ギヤ143km/h4250rpm
4速ギヤ196km/h4740rpm
5速ギヤ255km/h4990rpm
6速ギヤ321km/h5160rpm
7速ギヤ386km/h5400rpm

まず1速ギヤで6500rpmまで引っ張ると54km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は6500rpmから3780rpmまで落ち、そこから6500rpmまで加速を続けると速度は93km/h(+39km/h)になります。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4790 7180 9570 11970 14360 16750 21540
2速 2790 4180 5580 6970 8360 9760 12540
3速 1820 2730 3650 4560 5470 6380 8200
4速 1330 1990 2660 3320 3990 4650 5980
5速 1020 1530 2040 2550 3060 3570 4590
6速 810 1220 1620 2030 2430 2840 3650
7速 670 1010 1350 1680 2020 2360 3030
※赤い数字は暫定レブリミット(7000rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.519)を選択して時速100kmにて走行すると1680回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1010回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1180回転、一般的な高速道路の80km/hでは1350回転、100km/hでは1680回転、制限速度が120km/hになると2020回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは3030回転まで回ります。

これほどまでに時速100kmでの巡航回転数が低ければ、(パワーさえ足りていれば)高速道路では向かうところ敵なしです。エンジンノイズによる疲れとは無縁の世界、ただひたすらに回り続けるエンジンのなんと頼もしいことでしょう。これに合わせてタイヤのロードノイズ、風きり音すらも完璧に抑え込まれていたならば、これはもはや完全無欠の高級車です。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 8 17 25 33 42 50 58 67
2速 14 29 43 57 72 86 100 115
3速 22 44 66 88 110 132 154 176
4速 30 60 90 120 150 181 211 241
5速 39 78 118 157 196 235 274 314
6速 49 99 148 197 247 296 346 395
7速 59 119 178 238 297 357 416 476

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(7000回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。

純正装着タイヤの235/55R18と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 235/55R18 | 直径 716mm

-20mm
幅215mm
-10mm
幅225mm
変更なし
幅235mm
+10mm
幅245mm
+20mm
幅255mm
50 215/50R18
37.5km/h
径 672mm
差 -44mm
225/50R18
38.1km/h
径 682mm
差 -34mm
235/50R18
38.7km/h
径 692mm
差 -24mm
245/50R18
39.2km/h
径 702mm
差 -14mm
255/50R18
39.8km/h
径 712mm
差 -4mm
55 215/55R18
38.8km/h
径 694mm
差 -22mm
225/55R18
39.4km/h
径 705mm
差 -11mm
235/55R18
40.0km/h
716mm
0mm
245/55R18
40.6km/h
径 727mm
差 +11mm
255/55R18
41.2km/h
径 738mm
差 +22mm
60 215/60R18
39.9km/h
径 715mm
差 -1mm
225/60R18
40.6km/h
径 727mm
差 +11mm
235/60R18
41.3km/h
径 739mm
差 +23mm
245/60R18
42.0km/h
径 751mm
差 +35mm
255/60R18
42.6km/h
径 763mm
差 +47mm
65 215/65R18
41.2km/h
径 737mm
差 +21mm
225/65R18
41.9km/h
径 750mm
差 +34mm
235/65R18
42.6km/h
径 763mm
差 +47mm
245/65R18
43.4km/h
径 776mm
差 +60mm
255/65R18
44.1km/h
径 789mm
差 +73mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、215/55R18、215/60R18 、225/50R18、225/55R18 、235/50R18 、245/50R18 、255/50R18あたりのタイヤがおすすめです。

235/55R18のタイヤ幅を215mmから265mmまで、扁平率を40%から70%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、235/55R18の適応サイズと性能の変化 [4GCREB型A6オールロードクワトロ編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
【PR】235/55R18のタイヤ銘柄と通販価格

4GCREB型 A6オールロードクワトロ 3.0L-SC 4WD/7ATの通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を比較してみます。

運動性能部門 10項目
評価項目全車種平均数値得点評価
PWR9.79㎏/PS5.89㎏/PS60.6ptB
最高回転数5880rpm5500rpm45.3ptD
1速ギヤ
加速性能
1.58㎏/㎏m0.97㎏/㎏m62.8ptA
1速ギヤ
最高速
51.1㎞/h54.3㎞/h53.0ptC
1リットル
換算馬力
103.35PS/L111.22PS/L52.8ptC
1リットル
換算トルク
15.98㎏m/L15.00㎏m/L47.0ptC
WB/TR比1.7731.79547.8ptC
ワイド&
ロー指数
0.8940.78957.5ptB
前面の面積2.631m22.850m243.9ptD
最低地上高154.5mm155mm49.8ptC
スポーツ性能部門の得点502.7pt
総合評価C

※PWR(パワーウェイトレシオ)・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比(旋回性能重視)・ワイド&ロー指数(見た目のかっこよさ)・前面の面積(≒前方投影面積・空気抵抗)・最低地上高については数値が小さいほど高得点。最高回転数・1速ギヤ最高速・1リットル換算馬力・1リットル換算トルクについては数値が大きいほど高得点。

ユーティリティ部門 10項目
評価項目全車種平均数値得点評価
年間維持費340696円357400円48.5ptC
JC08燃費17.7km/L11.9km/L40.9ptD
100km/h
回転数
2490rpm1680rpm60.7ptB
航続距離644.1km719.4km54.3ptB
車の大きさ11.468m314.079m339.7ptD
車内の広さ3430.7L-46.6ptC
乗車定員4.8人5人51.7ptC
1人あたり
車内広さ
691.9L-44.2ptD
車内床面積2.793m2-46.0ptC
最小回転
半径
5.17m5.7m39.2ptD
ユーティリティ部門の得点471.8pt
総合評価D

※JC08燃費・航続距離(燃費×燃料タンク容量)・室内の広さ(室内長×室内幅×室内高)・乗車定員・1人あたりの車内の広さは数値が大きいほど高得点、新車価格・年間維持費・100km/h回転数・車の大きさ(全長×全幅×全高)・最小回転半径は数値が小さいほど高得点。

結果発表!
部門 全10707車種中 RANK
運動性能 502.7pt 4606位 C
運動性能部門 ランキング
ユーティリティ 471.8pt 7274位 D
ユーティリティ部門 ランキング
総合得点 974.5pt 7065位 C
総合得点ランキング

スポーツ性能部門は502.7点で全10707車種中の4606位、ユーティリティ部門は471.8点で7274位、総合得点は974.5点で7065位となりました。各部門、獲得点数が多い車種から順番に並べたランキングを用意してありますのでご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介した4GCREB型 A6オールロードクワトロ(4WD/7AT) の各種スペックを、5人乗SUV3000ccという属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを比較してみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

A6オールロードクワトロの歴代モデル

5代目 F2DLZF型 A6 アバント
F2DLZF A6 アバントは2019/03に登場した5代目モデル。参考車両の「55TFSI quattro Debut-pack」は全長4950mm、全幅1885mm、全高1485mmの車体に、340PS/51.0kgmを発生するDLZ型2994ccエンジンを搭載した5人乗りワゴン。

4代目 4GCYG型 A6アバント
4GCYG A6アバントは2012/02に登場した4代目モデル。参考車両の「1.8TFSI」は全長4955mm、全幅1875mm、全高1495mmの車体に、190PS/32.6kgmを発生するCYG型1798ccエンジンを搭載した5人乗りワゴン。

3代目 4FBXAS型 S6アバント
4FBXAS S6アバントは2006/06に登場した3代目モデル。参考車両の「BaseGrade C6」は全長4940mm、全幅1865mm、全高1455mmの車体に、435PS/55.1kgmを発生するCYG型5204ccエンジンを搭載した5人乗りワゴン。

2代目 4BBASF型 オールロードクワトロ
4BBASF オールロードクワトロは2001/02に登場した2代目モデル。参考車両の「4.2」は全長4815mm、全幅1865mm、全高1530mmの車体に、300PS/38.8kgmを発生するBAS型4163ccエンジンを搭載した5人乗りSUV。

初代 4AAAN型 S6 セダン
4AAAN S6 セダンは1994/11に登場した初代モデル。参考車両の「Quattro C4」は全長4795mm、全幅1815mm、全高1415mmの車体に、230PS/31.6kgmを発生するAAN型2226ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。


人気があるSUVの車種比較


A210A ライズ 2021 vs NGX50 C-HR GRスポーツ 2020 性能比較
初代 ライズ Z(2021年式 A210A・4WD/CVT・1.0L+ターボ・98PS/14.3kgm・5人乗り)と、初代 C-HR GRスポーツ S-T GR-Sport(2020年式 NGX50・4WD/CVT・1.2L+ターボ・116PS/18.9kgm・5人乗り)を比較。

RV4 ヴェゼル 2021 vs NGX50 C-HR GRスポーツ 2020 性能比較
2代目 ヴェゼル G(2021年式 RV4・4WD/CVT・1.5L・118PS/14.5kgm・5人乗り)と、初代 C-HR GRスポーツ S-T GR-Sport(2020年式 NGX50・4WD/CVT・1.2L+ターボ・116PS/18.9kgm・5人乗り)を比較。

RV6 ヴェゼル e:HEV e:HEV 2021 vs RV4 ヴェゼル G 2021 性能比較
2代目 ヴェゼル e:HEV Z(2021年式 RV6・4WD/CVT・1.5L・106PS/13.0kgm・5人乗り)と、2代目 ヴェゼル G(2021年式 RV4・4WD/CVT・1.5L・118PS/14.5kgm・5人乗り)を比較。

H57A パジェロ ジュニア 1997 vs H56A パジェロ ミニ 1997 性能比較
初代 パジェロ ジュニア ZR-I(1997年式 H57A・4WD/5MT・1.1L・80PS/10.0kgm・4人乗り)と、初代 パジェロ ミニ Duke-V(1997年式 H56A・4WD/5MT・0.66L+ターボ・64PS/9.9kgm・4人乗り)を比較。

WDB3S フロンクス 2024 vs DG5 WR-V 2024 性能比較
初代 フロンクス(2024年式 WDB3S・FF/6AT・1.5L・101PS/13.8kgm・5人乗り)と、初代 WR-V X(2024年式 DG5・FF/CVT・1.5L・118PS/14.5kgm・5人乗り)を比較。

MN71S クロスビー 2020 vs MR52S ハスラー 2020 性能比較
初代 クロスビー Hybrid-MX(2020年式 MN71S・4WD/6AT・1.0L+ターボ・99PS/15.3kgm・5人乗り)と、2代目 ハスラー Hybrid-G Turbo(2020年式 MR52S・4WD/CVT・0.66L+ターボ・64PS/10.0kgm・4人乗り)を比較。

MR31S ハスラー 2013 vs JB64W ジムニー 2022 性能比較
初代 ハスラー G(2013年式 MR31S・4WD/5MT・0.66L・52PS/6.4kgm・4人乗り)と、4代目 ジムニー XL(2022年式 JB64W・4WD/5MT・0.66L+ターボ・64PS/9.8kgm・4人乗り)を比較。

LA910S タフト 2023 vs MR52S ハスラー 2020 性能比較
初代 タフト X-Turbo eco-IDLE非装着車(2023年式 LA910S・4WD/CVT・0.66L+ターボ・64PS/10.2kgm・4人乗り)と、2代目 ハスラー Hybrid-G Turbo(2020年式 MR52S・4WD/CVT・0.66L+ターボ・64PS/10.0kgm・4人乗り)を比較。