NRE161G カローラ フィールダーの性能と維持費 FF/CVT 183万円

このページでは、トヨタ自動車の5ドア・5人乗りワゴン、11代目の5BA-NRE161G型カローラ フィールダー EX【2021/09モデル・109PS/13.9kgm・FF/CVT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

NRE161G カローラ フィールダー
販売期間:2012/05 -

画像はトヨタ自動車より引用
http://toyota.jp/
投稿日:2022/09/16

ボディサイズが全長4400mm×全幅1695mm×全高1475mm、排気量は1496ccであることから、大雑把に分類すると1.5リットルクラス(1500cc、自動車税は1.5L以下を適用)に属した、いわゆる5ナンバークラスの車です。とにかく排気量を増やして、とにかくボディを大きく、特に全幅を広げれば良いんだという風潮が蔓延る現代においては大変貴重な車となっています。

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、前輪のみを駆動する、フロントエンジン・フロントドライブ方式(FF・FWD・前輪駆動とも)を採用しています。この方式はエンジンと駆動系(ミッション、デフ等)の収納がエンジンルーム内で完結するので、軽量コンパクトかつ低コスト化が実現でき、室内を広く作りやすい(エンジンが横置きの場合)ほか、後輪駆動車に比べて直進安定性に優れることが主な特長です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4400mmであるこの車の場合は「ミディアム」(Medium:4300mm超-4650mm以下・Dセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


NRE161G型 カローラ フィールダー [1496cc/109PS FF/CVT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

11代目カローラ フィールダーの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2021/09
NZE161G型
[EX]
1.5L-NA | FF/5MT
| 170.9万円
109PS
14.1kgm
17.2km/L
2021/09
NKE165G型
[Hybrid-EX]
1.5L-NA | FF/CVT
| 229.2万円
73PS
11.3kgm
27.8km/L
2021/09
NZE164G型
[EX]
1.5L-NA | 4WD/CVT
| 197.3万円
103PS
13.5kgm
15.6km/L
11代目カローラ フィールダーの車両型式・グレード一覧【全20車種】
カローラ フィールダーの新型モデル
12代目 MZEA12W型カローラ ツーリング
MZEA12W型カローラ ツーリングは2019/09に登場した12代目モデル。参考車両の「ACTIVE RIDE」は全長4495mm、全幅1745mm、全高1460mmの車体に、170PS/20.6kgmを発生するM20A型1986ccエンジンを搭載。

カローラ フィールダーの旧型モデル
10代目 ZRE142G型カローラ フィールダー
ZRE142G型カローラ フィールダーは2006/10に登場した10代目モデル。参考車両の「1.8S」は全長4420mm、全幅1695mm、全高1480mmの車体に、144PS/17.9kgmを発生する2ZR型1797ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー TOYOTA
車名&
グレード
カローラ フィールダー
EX
その他 5BA-NRE161G-AWXNB
お値段 1829300円
車両型式 5BA-NRE161G
駆動方式
変速機
FF・前輪駆動(FWD,2WD)
(無段変速機)
ドア/定員 5ドア/5人
車体寸法 長4400×幅1695×高1475mm
室内寸法 長1945×幅1430×高1200mm
軸距&
輪距
2600mm
前1470mm/後1465mm
最小半径 4.9m
最低高 155mm
タイヤ 前輪:185/60R15
後輪:185/60R15
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ドラム
車両重量 1120kg
エンジン諸元
原動機型式 2NR-FKE
気筒配列 直列4気筒
排気量1496cc
吸気方式 自然吸気(NA・ノンターボ)
最高出力 109PS[80kW]/6000rpm
最大トルク 13.9kgm[136Nm]/4400rpm
使用燃料 レギュラーガソリン
WLTC燃費 19.8km/L(46.6mpg)
JC08燃費 22.0km/L(51.7mpg)
100km燃費 5.1L/100km
2NR-FKE型エンジンの諸元と性能まとめ
直列4気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に4個配置する方式。小排気量から2.5Lあたりまでをカバー。
直列4気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税30500円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税12300円/年と自賠責保険料10005円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額5000円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、カローラ フィールダーの新車を210.3万円(諸費用として27.4万円を加算)にて購入し、頭金なしで4年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
  • 自動車保険は比較で安くなる!

新車で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 1500cc以下 13年未満 30500円
自動車重量税(1年分) 1.5トン以下 13年未満 12300円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 10005円
燃料代(年間1万km) 10000km÷19.8km/L×165円/L 83330円
オイル交換(5000km毎) 1回4000円×2回 8000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本10000円×4本÷5年 8000円
任意保険料(月額5000円) 月額5000円×12ヶ月 60000円
ローン完済後の年間維持費 212200円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額43820円×12ヶ月 525840円
ローン返済中の年間維持費 738000円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分+検査手数料等3000円程度 47700円
名目 金額
自動車税(1年分) 30500円円
自動車重量税(1年分) 12300円
自賠責保険料(1年分) 10005円
燃料代(年間1万km) 83330円
オイル交換(5000km毎) 8000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 8000円
任意保険料(月額5000円) 60000円
ローン完済後の年間維持費 212200円
名目 金額
車のローン額(1年分) 525840円
ローン返済中の年間維持費 738000円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
47700円
  • 初度登録から2年経過車の場合、「1500cc以下で13年未満」クラスの自動車税は30500円、「1.5トン以下で13年未満」クラスの自動車重量税は12300円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに4000円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本10000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額5000円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2017年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした47700円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

カローラ フィールダー【EX】の場合、維持費の月額は17700円(ローン完済前は61500円)になり、これは今にも壊れそうな格安車、あるいは維持費の安さに全てを懸けたスペシャルマシンから少しステップアップしたクラスになります。

「廉価車にしか乗れなかった自分が、ついにこれだけの維持費が掛かる車を所有できるようになったのだ、新しい自分になれたのだ。あの頃のアタシ、サヨナラ…」とかいう謎のカタルシスに浸りつつ、はるか高みで微笑む理想の自分に近付けるよう自分磨きに邁進しましょう。車としての維持費は安いほうで使い勝手も申し分のない、バランスの取れたクラスです。


低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 30500円 23%
自動車重量税 1年分 12300円 9%
自賠責保険料 1年分 10005円 7%
燃料代 3000km分 25000円 18%
オイル交換 年1回 4000円 3%
タイヤ交換 6年毎 5330円 4%
任意保険料 80% 48000円 36%
合計
[1万kmとの差額]
135200円
-77000円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 30500円 20%
自動車重量税 1年分 12300円 8%
自賠責保険料 1年分 10005円 6%
燃料代 5000km分 41670円 27%
オイル交換 年1回 4000円 3%
タイヤ交換 6年毎 5330円 3%
任意保険料 85% 51000円 33%
合計
[1万kmとの差額]
154900円
-57300円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 30500円 17%
自動車重量税 1年分 12300円 7%
自賠責保険料 1年分 10005円 6%
燃料代 7000km分 58330円 33%
オイル交換 年1回 5600円 3%
タイヤ交換 6年毎 5330円 3%
任意保険料 90% 54000円 31%
合計
[1万kmとの差額]
176100円
-36100円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料60000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて77000円安い135200円に、5000km走行では57300円安い154900円に、7000km走行では36100円安い176100円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 30500円 11%
自動車重量税 1年分 12300円 4%
自賠責保険料 1年分 10005円 4%
燃料代 15000km分 125000円 46%
オイル交換 年3回 24000円 9%
タイヤ交換 2.7年毎 12000円 4%
任意保険料 100% 60000円 22%
合計
[1万kmとの差額]
273900円
+61700円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 30500円 9%
自動車重量税 1年分 12300円 4%
自賠責保険料 1年分 10005円 3%
燃料代 20000km分 166660円 51%
オイル交換 年4回 32000円 10%
タイヤ交換 2年毎 16000円 5%
任意保険料 100% 60000円 18%
合計
[1万kmとの差額]
327500円
+115300円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。


【WLTC特典】市街地・郊外・高速道路の走行比率を変えるとどうなるの?

ひとくちにWLTCモード燃費と言いましても、信号や渋滞があるノロノロ道路の走行を想定した市街地モード(15.0km/L)、信号や渋滞が少ないスイスイ道路の走行を想定した郊外モード(20.9km/L)、高速道路の走行を想定した高速道路モード(22.1km/L)という3つの走行パターンを内包してありまして、これらを「平均的な使用時間配分」なるもので構成したのがWLTCモード燃費(19.8km/L)ということになります。

ここでは年間走行距離を10000kmとして市街地、郊外、高速道路の走行比率を変えてみたとき、WLTCモード燃費でのガソリン代83330円からどのように変化するかを見ていきたいと思います。

  • 1リットル165円として計算。
  • []内は低燃費タイヤ装着(エコタイヤ)で燃費が3%向上すると仮定した場合のガソリン代。
    「差額で元が取れるかな?どうかな?」という、なかなかに絶妙なラインです。

参考:燃費が3%向上すると…?
市街地15.0km/L → 15.5km/L
郊外20.9km/L → 21.5km/L
高速道路22.1km/L → 22.8km/L

●例1:都市部にお住まい

まず最初に、市街地の住まいを想定して、走行の大半を市街地(90%)、たまに郊外へお買い物(5%)、稀に高速道路に乗ってどこか遠くへ…(5%)という場合で見てみます。

市街地90%・郊外5%・高速5%
市街地9000km99000円
[95800円]
郊外500km3940円
[3840円]
高速道路500km3730円
[3610円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
106670円
+23340円
15.5km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
103250円
-3420円
16.0km/L
  • 市街地走行のガソリン代
    市街地の走行を9000kmとするとき、市街地モード燃費が15.0km/Lではガソリン600.0Lを消費して、ガソリン代は99000円になります。
  • 郊外走行のガソリン代
    郊外の走行を500kmとするとき、郊外モード燃費が20.9km/Lではガソリン23.9Lを消費して、ガソリン代は3940円になります。
  • 高速道路走行のガソリン代
    高速道路の走行を500kmとするとき、高速道路モード燃費が22.1km/Lではガソリン22.6Lを消費して、ガソリン代は3730円になります。

このパターンでは使用した燃料量が646.5L、かかったガソリン代が106670円となり、平均燃費は15.5km/L(-4.3km/L)、WLTCモード燃費とのガソリン代の差は+23340円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着で燃費が3%アップするとして、同じ条件で走行するとガソリン代は103250円となり、3420円安くなります。車検2回ごとにタイヤ交換するとき、寿命までの5年間で17100円の経費削減になる計算です。純正タイヤとエコタイヤの差額がこれ以上ならお得、以下なら…?

●例2:市街地と郊外を行き来

次に、とにかく市街地と郊外を行ったり来たりする条件を想定して、市街地の走行を50%、郊外の走行を50%、高速道路は走行しない場合を見てみます。

市街地50%・郊外50%・高速0%
市街地5000km54990円
[53230円]
郊外5000km39470円
[38380円]
高速道路0km0円
[0円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
94460円
+11130円
17.5km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
91610円
-2850円
18.0km/L
  • 市街地走行のガソリン代
    市街地の走行を5000kmとするとき、市街地モード燃費が15.0km/Lでは333.3Lを消費して、ガソリン代は54990円になります。
  • 郊外走行のガソリン代
    郊外の走行を5000kmとするとき、郊外モード燃費が20.9km/Lでは239.2Lを消費して、ガソリン代は39470円になります。

このパターンでは使用した燃料量が572.5L、かかったガソリン代が94460円となり、平均燃費は17.5km/L(-2.3km/L)、WLTCモード燃費とのガソリン代の差は+11130円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着ではガソリン代が91610円となり、1年間で2850円、5年間で14250円の経費削減になる計算です。

●例3:市街地・郊外・高速道路をMix

続いて、都市部に住んでいて郊外の職場へ通勤、あるいは郊外に住んでいて都市部の職場へ通勤、高速利用もバッチリ!という感じでシミュレーションしてみます。

市街地33.3%・郊外33.4%・高速33.3%
市街地3330km36630円
[35440円]
郊外3340km26370円
[25620円]
高速道路3330km24870円
[24110円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
87870円
+4540円
18.8km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
85170円
-2700円
19.4km/L
  • 市街地走行のガソリン代
    市街地の走行を3330kmとするとき、市街地モード燃費が15.0km/Lでは222.0Lを消費して、ガソリン代は36630円になります。
  • 郊外走行のガソリン代
    郊外の走行を3340kmとするとき、郊外モード燃費が20.9km/Lでは159.8Lを消費して、ガソリン代は26370円になります。
  • 高速道路走行のガソリン代
    高速道路の走行を3330kmとするとき、高速道路モード燃費が22.1km/Lでは150.7Lを消費して、ガソリン代は24870円になります。

このパターンでは使用した燃料量が532.5L、かかったガソリン代が87870円となり、平均燃費は18.8km/L(-1.0km/L)、WLTCモード燃費とのガソリン代の差は+4540円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着ではガソリン代が85170円となり、1年間で2700円、5年間で13500円の経費削減になる計算です。

●例4:農村部にお住まい

最後に、びっくりするほど田舎な住まいを想定して、市街地の走行を5%、郊外の走行を90%、高速道路の走行を5%とした場合を見てみます。

市街地5%・郊外90%・高速5%
市街地500km5490円
[5330円]
郊外9000km71050円
[69070円]
高速道路500km3730円
[3610円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
80270円
-3060円
20.6km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
78010円
-2260円
21.2km/L
  • 市街地走行のガソリン代
    市街地の走行を500kmとするとき、市街地モード燃費が15.0km/Lでは33.3Lを消費して、ガソリン代は5490円になります。
  • 郊外走行のガソリン代
    郊外の走行を9000kmとするとき、郊外モード燃費が20.9km/Lでは430.6Lを消費して、ガソリン代は71050円になります。
  • 高速道路走行のガソリン代
    高速道路の走行を500kmとするとき、高速道路モード燃費が22.1km/Lでは22.6Lを消費して、ガソリン代は3730円になります。

このパターンでは使用した燃料量が486.5L、かかったガソリン代が80270円となり、平均燃費は20.6km/L(+0.8km/L)、WLTCモード燃費とのガソリン代の差は-3060円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着ではガソリン代が78010円となり、1年間で2260円、5年間で11300円の経費削減になる計算です。

以上、極端な条件でのシミュレーションではありますが、走行シチュエーションによって平均燃費は変わり(15.5km/L・17.5km/L・18.8km/L・20.6km/L)、ガソリン代のほうもなかなかな違い(106670円・94460円・87870円・80270円)が出てくることがわかります。


1km走行コストと月間&年間交通費

距離/日費用/日月換算年換算
10km80円1800円2.1万円
20km170円3700円4.4万円
30km250円5500円6.5万円
50km420円9200円10.9万円
100km830円18300円21.6万円

さて、レギュラーガソリン1リットルの燃料価格を165円、燃費を19.8km/Lとしたとき、1km走行あたりのコストは8.33円になります。

たとえばこの車を通勤車とした場合、1日の走行距離が10kmならガソリン代は80円/日となり、20km走行なら170円/日、30km走行なら250円/日、50km走行なら420円/日、100km走行なら830円/日かかる計算です。

1か月の労働日数を22日として計算すると、通勤距離が30kmなら月間の走行距離は660kmでガソリン代は5500円/月、1年間の労働日数を260日とすると年間の走行距離は7800kmでガソリン代は6.5万円/年という塩梅です。


カタログデータから見えてくる要素

2NR-FKE型エンジン簡易性能曲線図
2NR-FKE型エンジン性能曲線図もどき
各回転域での馬力
4400回転時の馬力 85PS
6000回転時の馬力 109PS
6000回転時の馬力 109PS
各回転域でのトルク
4400回転時のトルク 13.9kgm
6000回転時のトルク 13.0kgm
6000回転時のトルク 13.0kgm
2NR-FKE型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載している2NR型1496cc、直列4気筒の自然吸気エンジンは6000回転時に最高出力109馬力を、4400回転時に最大トルク13.9kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、最大トルクと最高出力の発生回転数が程よく近いこのエンジンは、高めの回転数が得意なタイプのエンジンです。日常での使い勝手をある程度は確保しつつ、高回転のパワー感もしっかり伴う雰囲気の良さが自慢です。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する4400rpmから最高出力が発生する6000rpmまで」の1600rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は26.7%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
1500cc以下クラス編
トヨタの小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
1500cc以下クラス編
トヨタの小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ10.275kg/PS(1120kg/109PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ10.275kg/PS
車体+1人10.780kg/PS
車体+5人12.798kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg10.826kg/PS
車体+70kg10.917kg/PS
車体+80kg11.009kg/PS
車体+90kg11.101kg/PS
車体+100kg11.193kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは10.780kg/PS(1175kg/109PS)となり、数値としては0.505kg、比率にすると4.9%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは12.798kg/PS(1395kg/109PS)となり、数値としては2.523kg、比率にすると24.6%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。


NRE161G カローラ フィールダーのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2021/09

-
カローラ フィールダー
10.780kg/PS
1175kg/109PS|1.5L-NA
[車体のみPWR:10.275]
2014/09

車種詳細
デミオ
10.810kg/PS
1135kg/105PS|1.5L-TB
車体のみPWR:10.286
2016/09

車種詳細
フリード
10.802kg/PS
1415kg/131PS|1.5L-NA
車体のみPWR:10.382
2013/12

車種詳細
ハリアー
10.695kg/PS
1615kg/151PS|2.0L-NA
車体のみPWR:10.331
2015/01

車種詳細
アルファード
10.852kg/PS
1975kg/182PS|2.5L-NA
車体のみPWR:10.549
2016/02

車種詳細
イグニス
10.714kg/PS
975kg/91PS|1.3L-NA
車体のみPWR:10.110

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ10.780kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

10.672kg/PSから10.888kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、マツダの5人乗りハッチバック「DJ5FS型 デミオ」、ホンダの7人乗りミニバン「GB5型 フリード」、トヨタの5人乗りSUV「ZSU60W型 ハリアー」、トヨタの8人乗りミニバン「AGH30W型 アルファード」、スズキの5人乗りSUV「FF21S型 イグニス」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

NRE161G型 カローラ フィールダー [EX]とパワーウェイトレシオが近い車種|10.780kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は97.3PS/tとなっています。


カローラ フィールダーがバイクと競争するなら…?


車種詳細
ドラッグスター250|248cc
10.750kg/PS
215kg/20.0PS/1.90kgm
[車体のみPWR:8.000]
1速ギヤ速度:40.1km/h
最小TWR:1.118
2021/09

-
カローラ フィールダー|1496cc
10.780kg/PS
1175kg/109PS/13.9kgm
[車体のみPWR:10.275]
1速ギヤ速度:51.3km/h
最小TWR:1.829

車種詳細
スカイウェイブ250SS|249cc
10.783kg/PS
248kg/23.0PS/2.50kgm
[車体のみPWR:8.391]
1速ギヤ速度:37.1km/h
最小TWR:1.014

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではカローラ フィールダーとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

VG05J ドラッグスター250と競争してみる

まずカローラ フィールダーより少しPWRが低いバイクとして、ヤマハのドラッグスター250が挙げられます。PWRの10.750kg/PSは車両重量160kgにライダーの体重55kgを加えた215kgを、最高出力20.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はドラッグスター250に11.2km/h勝り、1速TWRは0.711kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

CJ43A スカイウェイブ250SSと競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、スズキのスカイウェイブ250SSが挙げられます。PWRの10.783kg/PSは車両重量193kg+55kgの248kgを、最高出力23.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は14.2km/h勝り、1速TWRは0.815kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.771
平均ピストンスピード 18.12m/s
トルクウェイトレシオ 80.6kg/kgm
1馬力あたりのお値段 16783円
排気量1Lあたり馬力 72.90PS/L
排気量1Lあたりトルク 9.29kgm/L
1気筒あたりの馬力 27.2PS
1気筒あたりのトルク 3.5kgm
パワーバンド比率 26.7%
燃費×馬力 2158.2pt
各種ランキング
ステーションワゴンのPWR
1.3~1.5L以下のPWR

トルクウェイトレシオは80.6kg/kgm(1120kg/13.9kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が1829300円、最高出力が109馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は16783円、逆に1万円あたりでは0.60馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は131604円、1万円あたりでは0.08kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
トヨタ編
1500cc以下の車編
ステーションワゴン編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は72.90PS/L、トルクは9.29kgm/L、1気筒あたりの馬力は27.2馬力、トルクは3.5kgmとなり、このエンジンが109馬力を6000回転で発生させているときの平均ピストンスピードは18.12m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が90.6mmである2NR型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6620回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.771になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、走ってよし、曲がってよしで至れり尽くせりのオールラウンダーであると言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が19.8km/L、最高出力が109PSであるこの車の獲得ポイントは2158.2ptになります。
戯れに車両重量1120kgを100kg単位にした11.2で割ってみたところ、その数値は192.70ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


人間様の占有スペース

人間様の占有スペース
室内長×幅×高 3.34m³
1人あたりのスペース 約0.67m³
室内長/全長 44.2%
室内幅/全幅 84.4%
室内高/全高 81.4%
室内容積/車両体積 30.4%

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は3.34m³です。この車の乗車定員は5人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.67m³のスペースが割り当てられることになります。続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は44.2%、同じく室内幅と全幅の比率は84.4%、同じく室内高と全高の比率は81.4%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は30.4%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車 室内幅が広い車 室内高が高い車 車内の空間が広い車
室内長が長い車
室内幅が広い車
室内高が高い車
車内の空間が広い車


カローラ フィールダーでの車中泊

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.54m
期待される荷室の幅 1.33m
対角線の長さ 2.03m
期待される荷室の面積 2.05m²

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

縦方向の長さが1.54m(対角線では2.03m)となれば、一般的な身長ならそれなりの車中泊を楽しむことができそうです。

車の中で足を伸ばして優雅に寝られる悦びを味わうために最低限必要な長さを備えた、車中泊のスタンダードと呼ぶに相応しい性能を有しています。

一見すると車中泊が可能そうに見えるハッチバックやワゴン、SUVであってもリアシートが前に倒れなかったり、倒れても中途半端であったり、凝った足回りのせいで室内に巨大な出っ張りがあったりで、なかなか思うようにはいきませんが、大抵のケースでは知恵と工夫で何とかなるはずです。
車中泊にあると嬉しいアイテム


カローラ フィールダーの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
WLTCモード燃費 19.8km/L
燃料タンク容量 42L
航続距離(カタログ燃費) 831.6km
航続距離(80%燃費) 663.6km
満タンプライス 6930円
1万円でどこまで行ける? 1200.0km
車両価格/航続距離 2200円/km

WLTCモード燃費が19.8km/Lですので、燃料タンクの容量が42リットルですと航続可能距離は831.6kmになります。(カタログ燃費通りに走行できた場合)

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(17.8km/L)とすると747.6km、80%(15.8km/L)だと663.6km、70%(13.9km/L)では583.8kmという航続距離になります。

燃料タンクに1滴の燃料もないスッカラカンの状態から満タンにしたときの金額を計算してみますと、レギュラーガソリン42リットルの給油で6930円、上で計算した航続距離を踏まえると831.6km(80%燃費時663.6km)を走行するのに6930円かかる計算です。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば1200.0km(往復なら片道600.0km)、カタログ値の80%なら960.0km(片道480.0km)離れたところまで行くことができます。

ちなみに、1回の給油で831.6kmの距離を移動できるNRE161G型 カローラ フィールダー [EX]という乗り物を、182.9万円で手に入れたと考えたとき、この車が1km走行するにあたっては「2200円の値打ちがある!」と言える、かもしれません。


市街地・郊外・高速道路の満タン航続距離

各モード燃費と航続距離
WLTCモード燃費
19.8km/L
831.6km
市街地燃費
15.0km/L
630.0km
[-201.6km]
郊外燃費
20.9km/L
877.8km
[+46.2km]
高速道路燃費
22.1km/L
928.2km
[+96.6km]

WLTCモード燃費には市街地モード・郊外モード・高速道路モードという3つの走行パターンが内包されておりますので、参考までにそれぞれのモード燃費で燃料タンクが空になるまで走行した場合の満タン航続距離を計算してみます。

燃料タンクの容量を42Lとしたとき、市街地モード燃費15.0km/Lでの航続距離は630.0km(-201.6km)、郊外モード燃費20.9km/Lでの航続距離は877.8km(+46.2km)、高速道路モード燃費22.1km/Lでの航続距離は928.2km(+96.6km)となります。

ある特定のシチュエーションのみを、燃料タンクが空になるまで走行することはなかなかありませんが、「その気になればこのくらいの距離を走れちゃうんだぜ!」という参考データだけは持っておくと、次回の給油回数削減チャレンジでギリギリのラインを狙っていくのに役立つ、かもしれません。


ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合6000rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした6500回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 6500rpm|タイヤサイズ 185/60R15|タイヤ直径 60.3cm|円周長 189.4cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
6500rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 2.480 13.28 -
-
56km/h 11690rpm 612.4kgm
2速 0.396 2.12 0.160 1-2/
1040rpm
348km/h 1870rpm 97.8kgm
Final 5.356 レシオカバレッジ(変速比幅)6.263

ギヤの繋がりイメージ
NRE161G型カローラ フィールダーCVT車のギヤ比イメージ
  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数4400rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(5.356)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(13.9kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(5.356)÷タイヤの有効半径(0.3015m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は2速ギヤの348km(6000rpmでは321.5km/h)となります。CVTは無段変速機というだけあって、変速比を低速側の2.480から高速側の0.396の間で自由自在に可変できる変速機ですから、実際にはちょうどいい塩梅の妥当な回転数にて妥当な最高速に落ち着くものと思われます。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが4400回転で最大トルク13.9kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば80.6kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(10.275kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと612.4kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1120kg)を1速ギヤの最大駆動力(612.4kgm)で割ってみると1.829kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する6000回転でのトルク(13.0kgm)からTWRを算出すると1.96kg/kgmとなり、4400-6000回転の回転域では1.829-1.96kg/kgmの間で推移することがわかります。


ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4680 7010 9350 11690 14030 16360 21040
2速 750 1120 1490 1870 2240 2610 3360
※赤い数字は暫定レブリミット(6500rpm)を上回るもの。
※CVTの場合はどのようにギヤ比を制御をしているのか想像も付かないので参考値です。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.396)を選択して時速100kmにて走行すると1870回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1120回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1310回転、一般的な高速道路の80km/hでは1490回転、100km/hでは1870回転、制限速度が120km/hになると2240回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは3360回転まで回ります。

これほどまでに時速100kmでの巡航回転数が低ければ、(パワーさえ足りていれば)高速道路では向かうところ敵なしです。エンジンノイズによる疲れとは無縁の世界、ただひたすらに回り続けるエンジンのなんと頼もしいことでしょう。これに合わせてタイヤのロードノイズ、風きり音すらも完璧に抑え込まれていたならば、これはもはや完全無欠の高級車です。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 9 17 26 34 43 51 60 68
2速 54 107 161 214 268 321 375 429

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(6500回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。


純正装着タイヤの185/60R15と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 185/60R15 | 直径 603mm

-20mm
幅165mm
-10mm
幅175mm
変更なし
幅185mm
+10mm
幅195mm
+20mm
幅205mm
-5%
55
扁平
165/55R15
37.3km/h
直径563mm
径差-40mm
175/55R15
38.1km/h
直径574mm
径差-29mm
185/55R15
38.8km/h
直径585mm
径差-18mm
195/55R15
39.5km/h
直径596mm
径差-7mm
205/55R15
40.3km/h
直径607mm
径差+4mm
0%
60
扁平
165/60R15
38.4km/h
直径579mm
径差-24mm
175/60R15
39.2km/h
直径591mm
径差-12mm
185/60R15
40.0km/h
603mm
0mm
195/60R15
40.8km/h
直径615mm
径差+12mm
205/60R15
41.6km/h
直径627mm
径差+24mm
+5%
65
扁平
165/65R15
39.5km/h
直径596mm
径差-7mm
175/65R15
40.4km/h
直径609mm
径差+6mm
185/65R15
41.3km/h
直径622mm
径差+19mm
195/65R15
42.1km/h
直径635mm
径差+32mm
205/65R15
43.0km/h
直径648mm
径差+45mm
+10%
70
扁平
165/70R15
40.6km/h
直径612mm
径差+9mm
175/70R15
41.5km/h
直径626mm
径差+23mm
185/70R15
42.5km/h
直径640mm
径差+37mm
195/70R15
43.4km/h
直径654mm
径差+51mm
205/70R15
44.3km/h
直径668mm
径差+65mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、165/60R15、165/65R15 、175/55R15、175/60R15 、185/55R15 、195/55R15 あたりのタイヤがおすすめです。

185/60R15のタイヤ幅を165mmから215mmまで、扁平率を45%から75%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、185/60R15の適応サイズと性能の変化 [NRE161G型カローラ フィールダー編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはオートウェイのタイヤ通販をご覧ください。


NRE161G型カローラ フィールダー[1.5L-NA FF/CVT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト10.275kg/ps48.45
1速ギヤ加速性能1.829kg/kgm44.70
1L換算馬力72.90ps/L49.83
1L換算トルク9.29kgm/L47.80
WB/TR比1.77150.21
ワイド&ロー指数0.87051.47
前面の面積2.500m²53.26
最低地上高155mm49.46
スポーツ性能部門の得点395.18

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
WLTC燃費19.8km/L57.05
年間維持費212200円60.51
100kmh回転数1870rpm58.33
航続距離831.6km57.16
車の大きさ11.001m³48.46
室内の広さ3.338m³49.50
最小回転半径4.9m55.62
馬力単価16783円55.99
ユーティリティ部門の得点442.62

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した NRE161G型カローラ フィールダー[1.5L-NA FF/CVT] の総合得点は 837.80 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したNRE161G型カローラ フィールダー(FF/CVT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのワゴン」、「1500ccのワゴン」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

カローラ フィールダーの歴代モデル

12代目 NRE210H型 カローラ スポーツ
NRE210H カローラ スポーツは2018/06に登場した12代目モデル。参考車両の「G-X」は全長4375mm、全幅1790mm、全高1460mmの車体に、116PS/18.9kgmを発生する8NR型1196ccエンジンを搭載した5人乗りハッチバック。

11代目 NKE165G型 カローラ フィールダー
NKE165G カローラ フィールダーは2012/05に登場した11代目モデル。参考車両の「Hybrid」は全長4360mm、全幅1695mm、全高1475mmの車体に、74PS/11.3kgmを発生する1NZ型1496ccエンジンを搭載した5人乗りワゴン。

10代目 ZRE144G型 カローラ フィールダー
ZRE144G カローラ フィールダーは2006/10に登場した10代目モデル。参考車両の「S-202」は全長4420mm、全幅1695mm、全高1490mmの車体に、133PS/16.7kgmを発生する2ZR型1797ccエンジンを搭載した5人乗りワゴン。

9代目 ZZE123型 カローラ ランクス
ZZE123 カローラ ランクスは2001/01に登場した9代目モデル。参考車両の「Z Aero-Tourer」は全長4175mm、全幅1695mm、全高1460mmの車体に、190PS/18.4kgmを発生する2ZZ型1795ccエンジンを搭載した5人乗りハッチバック。

8代目 AE111型 カローラ レビン BZ-V
AE111 カローラ レビン BZ-Vは1995/05に登場した8代目モデル。参考車両の「BZ-V」は全長4285mm、全幅1695mm、全高1305mmの車体に、165PS/16.5kgmを発生する4A型1587ccエンジンを搭載した4人乗りクーペ。

7代目 CE108G型 カローラ ワゴン
CE108G カローラ ワゴンは1991/09に登場した7代目モデル。参考車両の「L」は全長4265mm、全幅1685mm、全高1435mmの車体に、73PS/13.2kgmを発生する2C型1974ccエンジンを搭載した5人乗りワゴン。

6代目 CE97G型 カローラ ワゴン
CE97G カローラ ワゴンは1987/05に登場した6代目モデル。参考車両の「L」は全長4225mm、全幅1655mm、全高1435mmの車体に、67PS/12.5kgmを発生する1C型1839ccエンジンを搭載した5人乗りワゴン。

5代目 AE86型 カローラ レビン GT-APEX
AE86 カローラ レビン GT-APEXは1983/05に登場した5代目モデル。参考車両の「GT-APEX Fin4.300」は全長4180mm、全幅1625mm、全高1335mmの車体に、130PS/15.2kgmを発生する4A型1587ccエンジンを搭載した5人乗りクーペ。