997MA101:911 クーペの性能と維持費 RR/7AT 1404万円

このページでは、ポルシェの2ドア・4人乗りクーペ、6代目のABA-997MA101型911 クーペ Carrera-S【2011/06モデル・385PS/42.8kgm・RR/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

997MA101 911 クーペ
販売期間:2004/08 - 2011/11

画像はポルシェより引用
http://www.porsche.com/japan/jp/
投稿:2012/01/22|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長4435mm×全幅1810mm×全高1300mm、排気量は3799ccであることから、大雑把に分類すると3.8リットルクラス(3800cc、自動車税は4.0L以下を適用)に属し、全長、全高は5ナンバー枠ながら全幅が1.7mを超え、排気量も2000ccを超えていることにより3ナンバー登録になります。比較的コンパクトなボディに大きめなエンジンの組み合わせは世界戦略車(グローバルカー)やちょっとした高級車に良くあるパターンです。

駆動方式にはエンジンを後輪の車軸より後に搭載し、後輪のみを駆動する、リヤエンジン・リヤドライブ方式(RR)を採用しています。ブレーキング時に抜群の安定性を見せ、トラクションの掛かりも絶大とされるものの、乗用車の駆動方式としてはあまり一般的ではないようで、有名どころとしてはポルシェ911と営農サンバーが筆頭に挙げられます。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4435mmであるこの車の場合は「ミディアム」(Medium:4300mm超-4650mm以下・Dセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


997MA101型 911 クーペ [3799cc/385PS RR/7AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

No Data
タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
No Data
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

6代目911 クーペの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2011/06
997MA101型
[Carrera-S]
3.8L-NA | RR/6MT
| 1329.0万円
385PS
42.8kgm
7.3km/L
2011/06
997MA170型
[Turbo]
3.8L-TB | 4WD/6MT
| 1883.0万円
500PS
66.3kgm
-
2011/06
997MA102型
[Carrera]
3.6L-NA | RR/6MT
| 1086.0万円
345PS
39.8kgm
7.5km/L
6代目911 クーペの車両型式・グレード一覧【全43車種】
911 クーペの新型モデル
7代目 991型911 クーペ
991型911 クーペは2011/11に登場した7代目モデル。参考車両の「Carrera-S」は全長4491mm、全幅1808mm、全高1295mmの車体に、400PS/44.9kgmを発生する3799ccエンジンを搭載。

911 クーペの旧型モデル
5代目 996S64型911 GT2
996S64型911 GT2は1998/01に登場した5代目モデル。参考車両の「GT2」は全長4450mm、全幅1830mm、全高1275mmの車体に、483PS/65.3kgmを発生する3600ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー PORSCHE
車名&
グレード
911 クーペ
Carrera-S
その他 911カレラS 左右ハンドル
お値段 14040000円
車両型式 ABA-997MA101
駆動方式
変速機
RR・後輪駆動(RWD,2WD)
7速AT・7速オートマ車
ドア/定員 2ドア/4名乗車
車体寸法 長4435×幅1810×高1300mm
軸距&
輪距
2350mm
前1485mm/後1515mm
最小半径 5.1m
タイヤ 前輪:235/35R19
後輪:295/30R19
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
車両重量 1500kg
エンジン諸元
原動機型式 不明
気筒配列 水平対向6気筒
排気量3799cc
圧縮比12.5
吸気方式 自然吸気(NA・ノンターボ)
最高出力 385PS[283kW]/6500rpm
最大トルク 42.8kgm[420Nm]/4400rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
10・15燃費 7.4km/L(17.4mpg)
100km燃費 13.5L/100km

水平対向6気筒とは‥シリンダを左右交互で水平に6個配置する方式。直6より短くV6より背の低い6気筒。
水平対向6気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税76400円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税17100円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額7500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、2011/06モデルの911 クーペを13年落ちの中古で617.8万円にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    911 クーペの2011/06モデルの場合、2024年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の40%である561.6万円に諸経費として56.2万円を足した617.8万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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2011年式を13年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 4000cc以下 13年経過 76400円
自動車重量税(1年分) 1.5トン以下 13年-17年経過 17100円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
10000km÷6.3km/L×180円/L
7000km÷6.3km/L×180円/L
5000km÷6.3km/L×180円/L
3000km÷6.3km/L×180円/L
285710円
(200000円)
(142860円)
(85710円)
オイル交換(5000km毎) 1回6500円×2回 13000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本21000円×4本÷5年 16800円
任意保険料(月額7500円) 月額7500円×12ヶ月 90000円
ローン完済後の年間維持費 507900円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額102960円×12ヶ月 1235520円
ローン返済中の年間維持費 1743400円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分+検査手数料等3000円程度 54900円
名目 金額
自動車税(1年分) 76400円
自動車重量税(1年分) 17100円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
285710円
(200000円)
(142860円)
(85710円)
オイル交換(5000km毎) 13000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 16800円
任意保険料(月額7500円) 90000円
ローン完済後の年間維持費 507900円
名目 金額
車のローン額(1年分) 1235520円
ローン返済中の年間維持費 1743400円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
54900円
  • 初度登録から13年以上経過車の場合、「4000cc以下で13年経過」クラスの自動車税は76400円、「1.5トン以下で13年-17年経過」クラスの自動車重量税は17100円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに6500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本21000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額7500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした54900円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

年間の維持費が50万円を超えてくると、これはもうこの車そのものが趣味の世界です。若しくは、これだけの維持費が掛かる車を所有していることに喜びを感じ、意義を見出しているのかもしれません。

名にし負う911 クーペともなると、維持費は月額でさえ42400円(ローン完済前は145300円)という破格の金額になってしまうことを思えば、とてもじゃないけど新車で買って5年のローンを抱えながら乗るような車ではありません。清水の舞台から飛び降りる覚悟でご近所を一周して満足するか、盆栽としてガレージに飾っておくならまあ、あるいは…


燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり180円を基準として、-50円となる130円から、+50円となる230円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費6.3km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
130円/L
206370円
[-79340円]
-25円
155円/L
246050円
[-39660円]
-10円
170円/L
269860円
[-15850円]
180円/L285710円
[0円]
+10円
190円/L
301610円
[+15900円]
+25円
205円/L
325420円
[+39710円]
+50円
230円/L
365110円
[+79400円]

燃費6.3km/Lの997MA101型 911 クーペで10000km走行するのに必要な燃料は1587.4L、1リットルあたり180円としたときの燃料代は285710円になります。

参考までに、911 クーペの燃料タンクは64リットルですので、1587.4Lの給油回数は25回、1回あたりの燃料代は約11430円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては15900円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると39710円、50円も違ってくると79400円にもなります。

これを997MA101型 911 クーペの年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり180円の場合を507900円としたとき、130円/Lに値下がりすれば428560円(84.4%)に、230円/Lに値上がりすれば587300円(115.6%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(76400円)なり重量税(17100円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76400円 28%
自動車重量税 1年分 17100円 6%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 3000km分 85710円 31%
オイル交換 年1回 6500円 2%
タイヤ交換 6年毎 11200円 4%
任意保険料 80% 72000円 26%
合計
[1万kmとの差額]
277800円
-230100円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76400円 23%
自動車重量税 1年分 17100円 5%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 5000km分 142860円 42%
オイル交換 年1回 6500円 2%
タイヤ交換 6年毎 11200円 3%
任意保険料 85% 76560円 22%
合計
[1万kmとの差額]
339500円
-168400円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76400円 19%
自動車重量税 1年分 17100円 4%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 7000km分 200000円 50%
オイル交換 年1回 9100円 2%
タイヤ交換 6年毎 11200円 3%
任意保険料 90% 81000円 20%
合計
[1万kmとの差額]
403700円
-104200円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料90000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて230100円安い277800円に、5000km走行では168400円安い339500円に、7000km走行では104200円安い403700円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76400円 11%
自動車重量税 1年分 17100円 2%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 15000km分 428570円 63%
オイル交換 年3回 39000円 6%
タイヤ交換 2.7年毎 25200円 4%
任意保険料 100% 90000円 13%
合計
[1万kmとの差額]
685100円
+177200円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 76400円 9%
自動車重量税 1年分 17100円 2%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 20000km分 571420円 67%
オイル交換 年4回 52000円 6%
タイヤ交換 2年毎 33600円 4%
任意保険料 100% 90000円 11%
合計
[1万kmとの差額]
849400円
+341500円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。



911 クーペの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
10・15モード燃費 7.4km/L
燃料タンク容量 64L
航続距離(カタログ燃費) 473.6km
航続距離(80%燃費) 377.6km
満タンプライス 11520円
1km走行コスト 24.32円
1万円でどこまで行ける? 411.1km
車両価格/航続距離 29645円/km

10・15モード燃費が7.4km/L、燃料タンク容量64リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は473.6kmになります。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(6.7km/L)とすると428.8km、80%(5.9km/L)だと377.6km、70%(5.2km/L)では332.8kmという航続距離になります。

燃料タンクに1滴の燃料もないスッカラカンの状態から満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり180円で64リットルの給油をすると11520円、上で計算した航続距離を踏まえると473.6km(80%燃費時377.6km)を走行するのに11520円かかる計算です。

燃費を6.3km/Lとしたときの1km走行コストは24.32円、10万km走行したときの燃料代は243.2万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら24.3万円/年、7年10万kmなら34.7万円/年、5年10万kmなら48.6万円/年、3年10万kmなら81.1万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば411.1km(往復なら片道205.6km)、カタログ値の80%なら328.9km(片道164.4km)離れたところまで行くことができます。

ちなみに、1回の給油で473.6kmの距離を移動できる997MA101型 911 クーペ [Carrera-S]という乗り物を、1404.0万円で手に入れたと考えたとき、この車が1km走行するにあたっては「29645円の値打ちがある!」と言える、かもしれません。


カタログデータから見えてくる要素

簡易エンジン性能曲線図
型エンジン性能曲線図もどき
各回転域での馬力
4400回転時の馬力 263PS
6500回転時の馬力 385PS
各回転域でのトルク
4400回転時のトルク 42.8kgm
6500回転時のトルク 42.4kgm

まずおさらいとして、搭載している水平対向6気筒、3799ccの自然吸気エンジンは6500回転時に最高出力385馬力を、4400回転時に最大トルク42.8kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、最大トルクの発生回転数が若干高めにあるこのエンジンは、普段使いでも不足を感じることなく、それでいて高い回転数を維持すればスポーティな走行も楽しめるバランスの良さが魅力です。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する4400rpmから最高出力が発生する6500rpmまで」の2100rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は32.3%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
4000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
4000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ3.896kg/PS(1500kg/385PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ3.896kg/PS
車体+1人4.039kg/PS
車体+4人4.468kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg4.052kg/PS
車体+70kg4.078kg/PS
車体+80kg4.104kg/PS
車体+90kg4.130kg/PS
車体+100kg4.156kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは4.039kg/PS(1555kg/385PS)となり、数値としては0.143kg、比率にすると3.7%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの4人が搭乗した場合、車両重量に220kgがプラスされてパワーウェイトレシオは4.468kg/PS(1720kg/385PS)となり、数値としては0.572kg、比率にすると14.7%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。


997MA101 911 クーペのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2011/06

-
911 クーペ
4.039kg/PS
1555kg/385PS|3.8L-NA
[車体のみPWR:3.896]
2015/12

車種詳細
Aクラス
4.239kg/PS
1615kg/381PS|2.0L-TB
車体のみPWR:4.094
2015/01

車種詳細
RC-F
3.847kg/PS
1835kg/477PS|5.0L-NA
車体のみPWR:3.732
2013/09

車種詳細
IS-F
4.058kg/PS
1745kg/430PS|5.0L-NA
車体のみPWR:3.930
2015/11

車種詳細
GS-F
3.952kg/PS
1885kg/477PS|5.0L-NA
車体のみPWR:3.836
1996/01

車種詳細
スカイラインGT-R
4.013kg/PS
1605kg/400PS|2.8L-TT
車体のみPWR:3.875

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ4.039kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

3.837kg/PSから4.241kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、メルセデスベンツの5人乗りハッチバック「176052型 Aクラス」、レクサスの4人乗りクーペ「USC10型 RC-F」、レクサスの4人乗りセダン「USE20型 IS-F」、レクサスの5人乗りセダン「URL10型 GS-F」、日産の4人乗りクーペ「BCNR33型 スカイラインGT-R」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

997MA101型 911 クーペ [Carrera-S]とパワーウェイトレシオが近い車種|4.039kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は256.7PS/tとなっています。


911 クーペがバイクと競争するなら…?


車種詳細
NS400R|387cc
4.034kg/PS
238kg/59.0PS/5.10kgm
[車体のみPWR:3.102]
2011/06

-
911 クーペ|3799cc
4.039kg/PS
1555kg/385PS/42.8kgm
[車体のみPWR:3.896]

車種詳細
ゼファー750|738cc
4.044kg/PS
275kg/68.0PS/5.50kgm
[車体のみPWR:3.235]

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここでは911 クーペとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

NC19 NS400Rと競争してみる

まず911 クーペより少しPWRが低いバイクとして、ホンダのNS400Rが挙げられます。PWRの4.034kg/PSは車両重量183kgにライダーの体重55kgを加えた238kgを、最高出力59.0PSで割ったものです。

ZR750C ゼファー750と競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、カワサキのゼファー750が挙げられます。PWRの4.044kg/PSは車両重量220kg+55kgの275kgを、最高出力68.0PSで割ったもので、(PWRで比較すれば)まさに街角の好敵手と呼べるバイクです。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.567
平均ピストンスピード 16.79m/s
トルクウェイトレシオ 35.05kg/kgm
1馬力あたりのお値段 36468円
排気量1Lあたり馬力 101.34PS/L
排気量1Lあたりトルク 11.27kgm/L
1気筒あたりの馬力 64.2PS
1気筒あたりのトルク 7.1kgm
パワーバンド比率 32.3%
燃費×馬力 2421.7pt
各種ランキング
クーペのPWR
3.5~4.0L以下のPWR

トルクウェイトレシオは35.05kg/kgm(1500kg/42.8kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が14040000円、最高出力が385馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は36468円、逆に1万円あたりでは0.27馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は328037円、1万円あたりでは0.03kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
4000cc以下の車編
クーペ編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は101.34PS/L、トルクは11.27kgm/L、1気筒あたりの馬力は64.2馬力、トルクは7.1kgmとなり、このエンジンが385馬力を6500回転で発生させているときの平均ピストンスピードは16.79m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が77.5mmであるこのエンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は7740回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.567になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、真っ直ぐ進むよりも小回りを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が6.29km/L、最高出力が385PSであるこの車の獲得ポイントは2421.7ptになります。
戯れに車両重量1500kgを100kg単位にした15.0で割ってみたところ、その数値は161.44ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)



911 クーペでの車中泊

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.55m
期待される荷室の幅 1.41m
対角線の長さ 2.10m
期待される荷室の面積 2.19m²

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

縦方向の長さが1.55m(対角線では2.10m)となれば、一般的な身長ならそれなりの車中泊を楽しむことができそうです。

車の中で足を伸ばして優雅に寝られる悦びを味わうために最低限必要な長さを備えた、車中泊のスタンダードと呼ぶに相応しい性能を有しています。

セダンやクーペであっても後部座席の背もたれを取り外してトランクルームと貫通させて荷室長を確保すれば良いだけの話です。たまに背もたれを取り外してもトランクルームと繋がっていなかったり、頑強な補強バーが入っていて邪魔されることもありますが、恐らく稀なケースです。
車中泊にあると嬉しいアイテム


純正装着タイヤの295/30R19と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 295/30R19 | 直径 660mm

-20mm
幅275mm
-10mm
幅285mm
変更なし
幅295mm
+10mm
幅305mm
+20mm
幅315mm
-5%
25
扁平
275/25R19
37.6km/h
直径621mm
径差-39mm
285/25R19
37.9km/h
直径626mm
径差-34mm
295/25R19
38.2km/h
直径631mm
径差-29mm
305/25R19
38.5km/h
直径636mm
径差-24mm
315/25R19
38.8km/h
直径641mm
径差-19mm
0%
30
扁平
275/30R19
39.3km/h
直径648mm
径差-12mm
285/30R19
39.6km/h
直径654mm
径差-6mm
295/30R19
40.0km/h
660mm
0mm
305/30R19
40.4km/h
直径666mm
径差+6mm
315/30R19
40.7km/h
直径672mm
径差+12mm
+5%
35
扁平
275/35R19
41.0km/h
直径676mm
径差+16mm
285/35R19
41.4km/h
直径683mm
径差+23mm
295/35R19
41.8km/h
直径690mm
径差+30mm
305/35R19
42.2km/h
直径697mm
径差+37mm
315/35R19
42.7km/h
直径704mm
径差+44mm
+10%
40
扁平
275/40R19
42.6km/h
直径703mm
径差+43mm
285/40R19
43.1km/h
直径711mm
径差+51mm
295/40R19
43.6km/h
直径719mm
径差+59mm
305/40R19
44.1km/h
直径727mm
径差+67mm
315/40R19
44.5km/h
直径735mm
径差+75mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、275/30R19 、285/30R19 、295/25R19 、305/25R19 、315/25R19あたりのタイヤがおすすめです。

295/30R19のタイヤ幅を275mmから325mmまで、扁平率を15%から45%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、ホイールサイズを19インチからインチダウン、インチアップした場合の一覧表は、純正装着タイヤが295/30R19のとき互換可能なタイヤサイズのページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
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997MA101型911 クーペ[3.8L-NA RR/7AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト3.896kg/ps66.06
1速ギヤ加速性能-39.92
1L換算馬力101.34ps/L72.36
1L換算トルク11.27kgm/L71.95
WB/TR比1.56771.24
ワイド&ロー指数0.71862.66
前面の面積2.353m²57.62
最低地上高-43.72
スポーツ性能部門の得点485.53

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
10-15燃費7.4km/L37.68
年間維持費507900円33.47
100kmh回転数-43.39
航続距離473.6km35.97
車の大きさ10.436m³46.01
室内の広さ(仮) 1.892m³35.51
最小回転半径5.1m51.67
馬力単価36468円30.16
ユーティリティ部門の得点313.86

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した 997MA101型911 クーペ[3.8L-NA RR/7AT] の総合得点は 799.39 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介した997MA101型911 クーペ(RR/7AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのクーペ」、「4000ccのクーペ」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

911 クーペの歴代モデル

7代目 991型 911 クーペ
991 911 クーペは2011/11に登場した7代目モデル。参考車両の「Carrera-S」は全長4491mm、全幅1808mm、全高1295mmの車体に、400PS/44.9kgmを発生する3799ccエンジンを搭載した4人乗りクーペ。

6代目 99679型 911 GT3
99679 911 GT3は2004/08に登場した6代目モデル。参考車両の「GT3」は全長4435mm、全幅1770mm、全高1275mmの車体に、381PS/39.3kgmを発生する3600ccエンジンを搭載した2人乗りクーペ。

5代目 99666型 911 カブリオレ
99666 911 カブリオレは1998/01に登場した5代目モデル。参考車両の「Carrera-4 Cabriolet」は全長4430mm、全幅1765mm、全高1305mmの車体に、300PS/35.7kgmを発生する3387ccエンジンを搭載した4人乗りオープンカー。

4代目 993型 911 カレラRS
993 911 カレラRSは1995/10に登場した4代目モデル。参考車両の「Carrera-RS」は全長4245mm、全幅1730mm、全高1270mmの車体に、300PS/35.5kgmを発生する3745ccエンジンを搭載した4人乗りクーペ。

3代目 964K型 911 カブリオレ
964K 911 カブリオレは1989/01に登場した3代目モデル。参考車両の「Carrera-4 Cabriolet」は全長4245mm、全幅1660mm、全高1310mmの車体に、250PS/31.6kgmを発生する3600ccエンジンを搭載した4人乗りオープンカー。