CT9A ランサー エボリューションIXの性能と維持費 4WD/5MT 332万円

このページでは、三菱自動車の4ドア・5人乗りセダン、6代目のGH-CT9A型ランサー エボリューションIX GT Evolution-IX【2005/03モデル・280PS/41.5kgm・4WD/MT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

CT9A ランサー エボリューションIX
販売期間:2001/02 - 2008/06

画像は三菱自動車より引用
http://www.mitsubishi-motors.co.jp/
投稿:2011/08/19|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長4490mm×全幅1770mm×全高1450mm、排気量は1997ccであることから、大雑把に分類すると2.0リットルクラス(2000cc、自動車税は2.0L以下を適用)に属し、全長、全高、排気量は5ナンバー枠ながら全幅が1.7mを超えていることにより3ナンバー登録になります。この手のタイプはいわゆる世界戦略車(グローバルカー)に多くあるようです。

駆動方式には車両に備わる全てのタイヤを駆動する、いわゆる四輪駆動(All Wheel Drive・AWD・Four Wheel Drive・4WDとも)を採用しています。真っ直ぐ進むことに掛けては右に出る者なしとされ、大雨、強風、泥濘、降雪、凍結など天変地異による悪天候下や悪路にて無類の強さを発揮する安心の駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4490mmであるこの車の場合は「ミディアム」(Medium:4300mm超-4650mm以下・Dセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


CT9A型 ランサー エボリューションIX [1997cc/280PS 4WD/5MT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

6代目ランサー エボリューションIXの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2006/08
CT9A型
[GSR Evolution-IX MR]
2.0L-TB | 4WD/6MT
| 362.2万円
280PS
40.8kgm
10.0km/L
2006/08
CT9A型
[RS Evolution-IX MR]
2.0L-TB | 4WD/5MT
| 285.6万円
280PS
41.5kgm
8.9km/L
2005/03
CT9A型
[GSR Evolution-IX]
2.0L-TB | 4WD/6MT
| 357.0万円
280PS
40.8kgm
10.0km/L
6代目ランサー エボリューションIXの車両型式・グレード一覧【全30車種】
ランサー エボリューションIXの新型モデル
7代目 CZ4A型ランサー エボリューションX
CZ4A型ランサー エボリューションXは2007/10に登場した7代目モデル。参考車両の「Evolution-X Final Edition」は全長4495mm、全幅1810mm、全高1480mmの車体に、313PS/43.7kgmを発生する4B11型1998ccエンジンを搭載。

ランサー エボリューションIXの旧型モデル
5代目 CP9A型ランサー エボリューションV
CP9A型ランサー エボリューションVは1995/10に登場した5代目モデル。参考車両の「RS Evolution-V」は全長4350mm、全幅1770mm、全高1415mmの車体に、280PS/38.0kgmを発生する4G63型1997ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー MITSUBISHI
車名&
グレード
ランサー エボリューションIX
GT Evolution-IX
その他 Evolution9 ランエボ9
お値段 3318000円
車両型式 GH-CT9A
駆動方式
変速機
4WD・四輪駆動(AWD)
5速MT・5速マニュアル車
ドア/定員 4ドア/5名乗車
車体寸法 長4490×幅1770×高1450mm
室内寸法 長1880×幅1425×高1185mm
軸距&
輪距
2625mm
前1515mm/後1515mm
最小半径 5.9m
最低高 140mm
タイヤ 前輪:235/45R17
後輪:235/45R17
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
車両重量 1390kg
エンジン諸元
原動機型式 4G63
気筒配列 直列4気筒
排気量1997cc
圧縮比8.8
吸気方式 ターボ
最高出力 280PS[206kW]/6500rpm
最大トルク 41.5kgm[407Nm]/3000rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
10・15燃費 9.9km/L(23.3mpg)
100km燃費 10.1L/100km
4G63型の過給エンジン諸元と性能
直列4気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に4個配置する方式。小排気量から2.5Lあたりまでをカバー。
直列4気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税45400円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税18900円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額5500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、2005/03モデルのランサー エボリューションIXを19年落ちの中古で73万円にて購入し、頭金なしで2年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    ランサー エボリューションIXの2005/03モデルの場合、2024年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の20%である66.4万円に諸経費として6.6万円を足した73万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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2005年式を19年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 2000cc以下 13年経過 45400円
自動車重量税(1年分) 1.5トン以下 18年経過 18900円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
10000km÷8.4km/L×180円/L
7000km÷8.4km/L×180円/L
5000km÷8.4km/L×180円/L
3000km÷8.4km/L×180円/L
214290円
(150000円)
(107150円)
(64290円)
オイル交換(5000km毎) 1回5500円×2回 11000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本15000円×4本÷5年 12000円
任意保険料(月額5500円) 月額5500円×12ヶ月 66000円
ローン完済後の年間維持費 376500円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額30430円×12ヶ月 365160円
ローン返済中の年間維持費 741600円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分+検査手数料等3000円程度 58500円
名目 金額
自動車税(1年分) 45400円
自動車重量税(1年分) 18900円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
214290円
(150000円)
(107150円)
(64290円)
オイル交換(5000km毎) 11000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 12000円
任意保険料(月額5500円) 66000円
ローン完済後の年間維持費 376500円
名目 金額
車のローン額(1年分) 365160円
ローン返済中の年間維持費 741600円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
58500円
  • 初度登録から13年以上経過車の場合、「2000cc以下で13年経過」クラスの自動車税は45400円、「1.5トン以下で18年経過」クラスの自動車重量税は18900円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに5500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本15000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額5500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした58500円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

年間の維持費が30万円前後では曖昧だった貧民と平民の線引きがこの辺りから明確になってきます。月換算で3万円~4万円、年間では36万円~48万円クラスとなると、それなりの収入が継続的に見込めないと手を出せないクラスです。

ランサー エボリューションIX【GT Evolution-IX】の場合、維持費の月額は31400円(ローン完済前は61800円)になります。金銭的にシビアな人からは「車なんてどれもタイヤが4つあるだけなのに、なんでこんなにお金の掛かる車に乗ってるんだ…修行か…」と奇異の目で見られていることでしょう。でも良いんです。愛さえあれば。


燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり180円を基準として、-50円となる130円から、+50円となる230円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費8.4km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
130円/L
154770円
[-59520円]
-25円
155円/L
184530円
[-29760円]
-10円
170円/L
202390円
[-11900円]
180円/L214290円
[0円]
+10円
190円/L
226200円
[+11910円]
+25円
205円/L
244060円
[+29770円]
+50円
230円/L
273820円
[+59530円]

燃費8.4km/LのCT9A型 ランサー エボリューションIXで10000km走行するのに必要な燃料は1190.5L、1リットルあたり180円としたときの燃料代は214290円になります。

参考までに、ランサー エボリューションIXの燃料タンクは55リットルですので、1190.5Lの給油回数は22回、1回あたりの燃料代は約9750円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては11910円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると29770円、50円も違ってくると59530円にもなります。

これをCT9A型 ランサー エボリューションIXの年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり180円の場合を376500円としたとき、130円/Lに値下がりすれば316980円(84.2%)に、230円/Lに値上がりすれば436030円(115.8%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(45400円)なり重量税(18900円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 45400円 22%
自動車重量税 1年分 18900円 9%
自賠責保険料 1年分 8825円 4%
燃料代 3000km分 64290円 32%
オイル交換 年1回 5500円 3%
タイヤ交換 6年毎 8000円 4%
任意保険料 80% 52800円 26%
合計
[1万kmとの差額]
203800円
-172700円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 45400円 18%
自動車重量税 1年分 18900円 8%
自賠責保険料 1年分 8825円 4%
燃料代 5000km分 107150円 43%
オイル交換 年1回 5500円 2%
タイヤ交換 6年毎 8000円 3%
任意保険料 85% 56160円 22%
合計
[1万kmとの差額]
250000円
-126500円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 45400円 15%
自動車重量税 1年分 18900円 6%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 7000km分 150000円 50%
オイル交換 年1回 7700円 3%
タイヤ交換 6年毎 8000円 3%
任意保険料 90% 59400円 20%
合計
[1万kmとの差額]
298300円
-78200円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料66000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて172700円安い203800円に、5000km走行では126500円安い250000円に、7000km走行では78200円安い298300円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 45400円 9%
自動車重量税 1年分 18900円 4%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 15000km分 321440円 63%
オイル交換 年3回 33000円 6%
タイヤ交換 2.7年毎 18000円 4%
任意保険料 100% 66000円 12%
合計
[1万kmとの差額]
511600円
+135100円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 45400円 7%
自動車重量税 1年分 18900円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 20000km分 428580円 67%
オイル交換 年4回 44000円 7%
タイヤ交換 2年毎 24000円 4%
任意保険料 100% 66000円 11%
合計
[1万kmとの差額]
635800円
+259300円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。



ランサー エボリューションIXの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
10・15モード燃費 9.9km/L
燃料タンク容量 55L
航続距離(カタログ燃費) 544.5km
航続距離(80%燃費) 434.5km
満タンプライス 9900円
1km走行コスト 18.18円
1万円でどこまで行ける? 550.0km
車両価格/航続距離 6094円/km

10・15モード燃費が9.9km/L、燃料タンク容量55リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は544.5kmになります。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(8.9km/L)とすると489.5km、80%(7.9km/L)だと434.5km、70%(6.9km/L)では379.5kmという航続距離になります。

燃料タンクに1滴の燃料もないスッカラカンの状態から満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり180円で55リットルの給油をすると9900円、上で計算した航続距離を踏まえると544.5km(80%燃費時434.5km)を走行するのに9900円かかる計算です。

燃費を8.4km/Lとしたときの1km走行コストは18.18円、10万km走行したときの燃料代は181.8万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら18.2万円/年、7年10万kmなら26.0万円/年、5年10万kmなら36.4万円/年、3年10万kmなら60.6万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば550.0km(往復なら片道275.0km)、カタログ値の80%なら440.0km(片道220.0km)離れたところまで行くことができます。

ちなみに、1回の給油で544.5kmの距離を移動できるCT9A型 ランサー エボリューションIX [GT Evolution-IX]という乗り物を、331.8万円で手に入れたと考えたとき、この車が1km走行するにあたっては「6094円の値打ちがある!」と言える、かもしれません。


カタログデータから見えてくる要素

4G63型エンジン簡易性能曲線図
4G63型エンジン性能曲線図もどき
各回転域での馬力
3000回転時の馬力 174PS
6500回転時の馬力 280PS
各回転域でのトルク
3000回転時のトルク 41.5kgm
6500回転時のトルク 30.9kgm
4G63型の過給エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載している4G63型1997cc、直列4気筒のターボエンジンは6500回転時に最高出力280馬力を、3000回転時に最大トルク41.5kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、低めの回転数から中間域にトルクのピークがあるこのエンジンは、街中での普段使いに心地よく、高回転もそれなりでバランスの取れたタイプです。多くの乗用車がこの特性に当て嵌まるのではないかと思います。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する3000rpmから最高出力が発生する6500rpmまで」の3500rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は53.9%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
2000cc以下クラス編
三菱の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
2000cc以下クラス編
三菱の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ4.964kg/PS(1390kg/280PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ4.964kg/PS
車体+1人5.161kg/PS
車体+5人5.946kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg5.179kg/PS
車体+70kg5.214kg/PS
車体+80kg5.250kg/PS
車体+90kg5.286kg/PS
車体+100kg5.321kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは5.161kg/PS(1445kg/280PS)となり、数値としては0.197kg、比率にすると4.0%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは5.946kg/PS(1665kg/280PS)となり、数値としては0.982kg、比率にすると19.8%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。


CT9A ランサー エボリューションIXのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2005/03

-
ランサー エボリューションIX
5.161kg/PS
1445kg/280PS|2.0L-TB
[車体のみPWR:4.964]
2014/08

車種詳細
WRX STI
4.984kg/PS
1535kg/308PS|2.0L-TB
車体のみPWR:4.805
2014/08

車種詳細
WRX S4
5.317kg/PS
1595kg/300PS|2.0L-TB
車体のみPWR:5.133
2002/01

車種詳細
シルビア
5.180kg/PS
1295kg/250PS|2.0L-TB
車体のみPWR:4.960
2007/10

車種詳細
S2000
5.300kg/PS
1325kg/250PS|2.0L-NA
車体のみPWR:5.080
2011/11

車種詳細
インプレッサWRX
5.150kg/PS
1545kg/300PS|2.5L-TB
車体のみPWR:4.967

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ5.161kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

4.955kg/PSから5.367kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、スバルの5人乗りセダン「VAB型 WRX STI」、スバルの5人乗りセダン「VAG型 WRX S4」、日産の4人乗りクーペ「S15型 シルビア」、ホンダの2人乗りオープンカー「AP1型 S2000」、スバルの5人乗りハッチバック「GRF型 インプレッサWRX」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

CT9A型 ランサー エボリューションIX [GT Evolution-IX]とパワーウェイトレシオが近い車種|5.161kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は201.4PS/tとなっています。


ランサー エボリューションIXがバイクと競争するなら…?


車種詳細
アフリカツイン|742cc
5.105kg/PS
291kg/57.1PS/6.12kgm
[車体のみPWR:4.140]
1速ギヤ速度:64.5km/h
最小TWR:0.882
2005/03

-
ランサー エボリューションIX|1997cc
5.161kg/PS
1445kg/280PS/41.5kgm
[車体のみPWR:4.964]
1速ギヤ速度:62.5km/h
最小TWR:0.854

車種詳細
ZZR400|399cc
5.189kg/PS
275kg/53.0PS/3.80kgm
[車体のみPWR:4.151]
1速ギヤ速度:62.0km/h
最小TWR:0.866

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではランサー エボリューションIXとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

RD04 アフリカツインと競争してみる

まずランサー エボリューションIXより少しPWRが低いバイクとして、ホンダのアフリカツインが挙げられます。PWRの5.105kg/PSは車両重量236kgにライダーの体重55kgを加えた291kgを、最高出力57.1PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はアフリカツインに2.0km/h劣り、1速TWRは0.028kg勝る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

ZX400N ZZR400と競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、カワサキのZZR400が挙げられます。PWRの5.189kg/PSは車両重量220kg+55kgの275kgを、最高出力53.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は0.5km/h勝り、1速TWRは0.012kg勝る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.733
平均ピストンスピード 19.07m/s
トルクウェイトレシオ 33.49kg/kgm
1馬力あたりのお値段 11850円
排気量1Lあたり馬力 140.21PS/L
排気量1Lあたりトルク 20.78kgm/L
1気筒あたりの馬力 70.0PS
1気筒あたりのトルク 10.4kgm
パワーバンド比率 53.9%
燃費×馬力 2357.6pt
各種ランキング
セダンのPWR
1.8~2.0Lターボ車のPWR

トルクウェイトレシオは33.49kg/kgm(1390kg/41.5kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が3318000円、最高出力が280馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は11850円、逆に1万円あたりでは0.84馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は79952円、1万円あたりでは0.13kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
三菱編
2000cc以下の車編
セダン編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は140.21PS/L、トルクは20.78kgm/L、1気筒あたりの馬力は70.0馬力、トルクは10.4kgmとなり、このエンジンが280馬力を6500回転で発生させているときの平均ピストンスピードは19.07m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が88.0mmである4G63型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6820回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.733になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、走ってよし、曲がってよしで至れり尽くせりのオールラウンダーであると言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が8.42km/L、最高出力が280PSであるこの車の獲得ポイントは2357.6ptになります。
戯れに車両重量1390kgを100kg単位にした13.9で割ってみたところ、その数値は169.61ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)


人間様の占有スペース

人間様の占有スペース
室内長×幅×高 3.17m³
1人あたりのスペース 約0.63m³
室内長/全長 41.9%
室内幅/全幅 80.5%
室内高/全高 81.7%
室内容積/車両体積 27.5%

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は3.17m³です。この車の乗車定員は5人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.63m³のスペースが割り当てられることになります。続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は41.9%、同じく室内幅と全幅の比率は80.5%、同じく室内高と全高の比率は81.7%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は27.5%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車 室内幅が広い車 室内高が高い車 車内の空間が広い車
室内長が長い車
室内幅が広い車
室内高が高い車
車内の空間が広い車


ランサー エボリューションIXでの車中泊

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.57m
期待される荷室の幅 1.32m
対角線の長さ 2.05m
期待される荷室の面積 2.07m²

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

縦方向の長さが1.57m(対角線では2.05m)となれば、一般的な身長ならそれなりの車中泊を楽しむことができそうです。

車の中で足を伸ばして優雅に寝られる悦びを味わうために最低限必要な長さを備えた、車中泊のスタンダードと呼ぶに相応しい性能を有しています。

セダンやクーペであっても後部座席の背もたれを取り外してトランクルームと貫通させて荷室長を確保すれば良いだけの話です。たまに背もたれを取り外してもトランクルームと繋がっていなかったり、頑強な補強バーが入っていて邪魔されることもありますが、恐らく稀なケースです。
車中泊にあると嬉しいアイテム


ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合6500rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした7000回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 7000rpm|タイヤサイズ 235/45R17|タイヤ直径 64.3cm|円周長 202.0cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
7000rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 2.785 12.61 -
-
67km/h 10410rpm 1628.2kgm
2速 1.950 8.83 0.700 1-2/
4900rpm
96km/h 7290rpm 1140.0kgm
3速 1.444 6.54 0.741 2-3/
5190rpm
130km/h 5400rpm 844.2kgm
4速 1.096 4.96 0.759 3-4/
5310rpm
171km/h 4100rpm 640.7kgm
5速 0.761 3.45 0.694 4-5/
4860rpm
246km/h 2840rpm 444.9kgm
Final 4.529 レシオカバレッジ(変速比幅)3.660

ギヤの繋がりイメージ
CT9A型ランサー エボリューションIX5MT車のギヤ比イメージ
  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数3000rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.529)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(41.5kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.529)÷タイヤの有効半径(0.3215m)で算出。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は5速ギヤの246km(6500rpmでは228.6km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

おまけ:6500rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

6500rpmでの速度と
シフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ62km/h-
2速ギヤ89km/h4550rpm
3速ギヤ120km/h4820rpm
4速ギヤ159km/h4930rpm
5速ギヤ229km/h4510rpm

CT9A型ランサー エボリューションIXに搭載された4G63型1997ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する6500rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

まず1速ギヤで6500rpmまで引っ張ると62km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は6500rpmから4550rpmまで落ち、そこから6500rpmまで加速を続けると速度は89km/h(+27km/h)になります。

3速ギヤでは4820rpmまで落ちて6500rpmで120km/h(+31km/h)に、4速ギヤでは4930rpmまで落ちて6500rpmで159km/h(+39km/h)に、5速ギヤでは4510rpmまで落ちて6500rpmで229km/h(+70km/h)という具合に加速していくイメージです。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが3000回転で最大トルク41.5kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば33.49kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(4.964kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと1628.2kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1390kg)を1速ギヤの最大駆動力(1628.2kgm)で割ってみると0.854kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する6500回転でのトルク(30.9kgm)からTWRを算出すると1.15kg/kgmとなり、3000-6500回転の回転域では0.854-1.15kg/kgmの間で推移することがわかります。


ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4160 6240 8330 10410 12490 14570 18730
2速 2910 4370 5830 7290 8740 10200 13120
3速 2160 3240 4320 5400 6480 7550 9710
4速 1640 2460 3280 4100 4910 5730 7370
5速 1140 1710 2270 2840 3410 3980 5120
※赤い数字は暫定レブリミット(7000rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.761)を選択して時速100kmにて走行すると2840回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1710回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1990回転、一般的な高速道路の80km/hでは2280回転、100km/hでは2840回転、制限速度が120km/hになると3410回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは5120回転まで回ります。

一般的な自動車であれば時速100kmでの巡航回転数は2500回転付近に落ち着くようですが、その中でも若干高めの回転数となっています。標準的なギヤ比の範囲内ながらも静粛性や燃費よりも加速に重きを置いた設定なので、高速道路やバイパスを走行するとき、ふと「もう1段上のギヤがあったらなあ‥」と呟くことがあるかもしれません。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 10 19 29 38 48 58 67 77
2速 14 27 41 55 69 82 96 110
3速 19 37 56 74 93 111 130 148
4速 24 49 73 98 122 147 171 195
5速 35 70 105 141 176 211 246 281

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(7000回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。


純正装着タイヤの235/45R17と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 235/45R17 | 直径 643mm

-20mm
幅215mm
-10mm
幅225mm
変更なし
幅235mm
+10mm
幅245mm
+20mm
幅255mm
-5%
40
扁平
215/40R17
37.6km/h
直径604mm
径差-39mm
225/40R17
38.1km/h
直径612mm
径差-31mm
235/40R17
38.6km/h
直径620mm
径差-23mm
245/40R17
39.1km/h
直径628mm
径差-15mm
255/40R17
39.6km/h
直径636mm
径差-7mm
0%
45
扁平
215/45R17
38.9km/h
直径626mm
径差-17mm
225/45R17
39.5km/h
直径635mm
径差-8mm
235/45R17
40.0km/h
643mm
0mm
245/45R17
40.6km/h
直径653mm
径差+10mm
255/45R17
41.2km/h
直径662mm
径差+19mm
+5%
50
扁平
215/50R17
40.2km/h
直径647mm
径差+4mm
225/50R17
40.9km/h
直径657mm
径差+14mm
235/50R17
41.5km/h
直径667mm
径差+24mm
245/50R17
42.1km/h
直径677mm
径差+34mm
255/50R17
42.7km/h
直径687mm
径差+44mm
+10%
55
扁平
215/55R17
41.6km/h
直径669mm
径差+26mm
225/55R17
42.3km/h
直径680mm
径差+37mm
235/55R17
43.0km/h
直径691mm
径差+48mm
245/55R17
43.7km/h
直径702mm
径差+59mm
255/55R17
44.4km/h
直径713mm
径差+70mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、215/45R17 、225/40R17、225/45R17 、235/40R17 、245/40R17 、255/40R17あたりのタイヤがおすすめです。

235/45R17のタイヤ幅を215mmから265mmまで、扁平率を30%から60%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、235/45R17の適応サイズと性能の変化 [CT9A型ランサー エボリューションIX編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
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CT9A型ランサー エボリューションIX[2.0Lターボ 4WD/5MT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト4.964kg/ps63.14
1速ギヤ加速性能0.854kg/kgm65.39
1L換算馬力140.21ps/L63.69
1L換算トルク20.78kgm/L65.28
WB/TR比1.73354.12
ワイド&ロー指数0.81955.34
前面の面積2.567m²51.60
最低地上高140mm55.85
スポーツ性能部門の得点474.41

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
10-15燃費9.9km/L43.15
年間維持費376500円45.50
100kmh回転数2840rpm45.34
航続距離544.5km40.11
車の大きさ11.524m³50.34
室内の広さ3.175m³47.70
最小回転半径5.9m35.00
馬力単価11850円62.74
ユーティリティ部門の得点369.88

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した CT9A型ランサー エボリューションIX[2.0Lターボ 4WD/5MT] の総合得点は 844.29 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したCT9A型ランサー エボリューションIX(4WD/5MT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのセダン」、「2000ccのセダン」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

ランサー エボリューションIXの歴代モデル

7代目 CZ4A型 ランサー エボリューションX
CZ4A ランサー エボリューションXは2007/10に登場した7代目モデル。参考車両の「Evolution-X Final Edition」は全長4495mm、全幅1810mm、全高1480mmの車体に、313PS/43.7kgmを発生する4B11型1998ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

6代目 CS5W型 ランサー ワゴン Ralliart
CS5W ランサー ワゴン Ralliartは2003/02に登場した6代目モデル。参考車両の「Ralliart」は全長4540mm、全幅1695mm、全高1450mmの車体に、165PS/22.4kgmを発生する4G93型1834ccエンジンを搭載した5人乗りワゴン。

5代目 CN9A型 ランサー エボリューションIV
CN9A ランサー エボリューションIVは1995/10に登場した5代目モデル。参考車両の「GSR Evolution-IV」は全長4330mm、全幅1690mm、全高1415mmの車体に、280PS/36.0kgmを発生する4G63型1997ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

4代目 CB6A型 ランサー
CB6A ランサーは1991/10に登場した4代目モデル。参考車両の「Royal-V6」は全長4270mm、全幅1690mm、全高1385mmの車体に、140PS/15.0kgmを発生する6A10型1597ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

3代目 C61A型 ランサー
C61A ランサーは1988/06に登場した3代目モデル。参考車両の「S」は全長4235mm、全幅1670mm、全高1405mmの車体に、79PS/10.8kgmを発生する4G13型1298ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。