164177:Mクラスの性能と維持費 4WD/7AT 1490万円 2008年式

このページでは、メルセデスベンツの5ドア・5人乗りSUV、2代目のCBA-164177型Mクラス ML63-AMG W164【2008/10モデル・510PS/64.2kgm・4WD/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

164177 Mクラス
販売期間:2005/10 - 2012/06

画像はメルセデスベンツより引用
http://www.mercedes-benz.co.jp/
投稿:2011/12/20|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長4815mm×全幅1950mm×全高1775mm、排気量は6208ccであることから、大雑把に分類すると6.3リットルクラス(6300cc、自動車税は6.0L超を適用)に属し、全長、全幅、排気量ともに5ナンバー枠を超えていることにより完全無欠の3ナンバー登録車です。いわゆる【高級車】にカテゴライズされます。

駆動方式には車両に備わる全てのタイヤを駆動する、いわゆる四輪駆動(All Wheel Drive・AWD・Four Wheel Drive・4WDとも)を採用しています。真っ直ぐ進むことに掛けては右に出る者なしとされ、大雨、強風、泥濘、降雪、凍結など天変地異による悪天候下や悪路にて無類の強さを発揮する安心の駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4815mmであるこの車の場合は「アッパーミディアム」(Upper-Medium:4650mm超-4900mm以下・Eセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


164177型 Mクラス [6208cc/510PS 4WD/7AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

No Data
タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
No Data
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

2代目Mクラスの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2010/11
164186型
[ML350-4Matic W164]
3.5L-NA | 4WD/7AT
| 798.0万円
272PS
35.7kgm
7.9km/L
2010/11
164125型
[ML350 BlueTec 4Matic W164]
3.0L-TB | 4WD/7AT
| 814.0万円
211PS
55.1kgm
-
2008/10
164172C型
[ML550-4Matic W164]
5.5L-NA | 4WD/7AT
| 1086.0万円
387PS
54.0kgm
6.3km/L
2代目Mクラスの車両型式・グレード一覧【全5車種】
Mクラスの新型モデル
3代目 166074型Mクラス
166074型Mクラスは2012/06に登場した3代目モデル。参考車両の「ML63 AMG W166」は全長4815mm、全幅1940mm、全高1765mmの車体に、525PS/71.4kgmを発生するM157型5461ccエンジンを搭載。

Mクラスの旧型モデル
初代 ML55型Mクラス
ML55型Mクラスは2000/06に登場した初代モデル。参考車両の「ML55 W163」は全長4650mm、全幅1895mm、全高1805mmの車体に、347PS/52.0kgmを発生する11386型5438ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー MERCEDES_BENZ
車名&
グレード
Mクラス
ML63-AMG W164
その他 -
お値段 14900000円
車両型式 CBA-164177
駆動方式
変速機
4WD・四輪駆動(AWD)
7速AT・7速オートマ車
ドア/定員 5ドア/5名乗車
車体寸法 長4815×幅1950×高1775mm
軸距&
輪距
2915mm
前1645mm/後1650mm
最小半径 5.5m
タイヤ 前輪:295/35R21
後輪:295/35R21
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
車両重量 2350kg
エンジン諸元
原動機型式 M156
気筒配列 V型8気筒
排気量6208cc
圧縮比11.3
吸気方式 自然吸気(NA・ノンターボ)
最高出力 510PS[375kW]/6800rpm
最大トルク 64.2kgm[630Nm]/5200rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
10・15燃費 5.3km/L(12.5mpg)
100km燃費 18.9L/100km
M156型エンジンの諸元と性能まとめ
V型8気筒とは‥シリンダをV字型に交互で8個配置する方式。中?大排気量のスタンダード。
V型8気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税127600円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税28500円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額10000円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、2008/10モデルのMクラスを16年落ちの中古で409.8万円にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    Mクラスの2008/10モデルの場合、2024年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の25%である372.5万円に諸経費として37.3万円を足した409.8万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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2008年式を16年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 6000cc超 13年経過 127600円
自動車重量税(1年分) 2.5トン以下 13年-17年経過 28500円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
10000km÷4.5km/L×180円/L
7000km÷4.5km/L×180円/L
5000km÷4.5km/L×180円/L
3000km÷4.5km/L×180円/L
400000円
(280000円)
(200000円)
(120000円)
オイル交換(5000km毎) 1回10000円×2回 20000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本28000円×4本÷5年 22400円
任意保険料(月額10000円) 月額10000円×12ヶ月 120000円
ローン完済後の年間維持費 727400円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額68290円×12ヶ月 819480円
ローン返済中の年間維持費 1546900円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分+検査手数料等3000円程度 77700円
名目 金額
自動車税(1年分) 127600円
自動車重量税(1年分) 28500円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
400000円
(280000円)
(200000円)
(120000円)
オイル交換(5000km毎) 20000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 22400円
任意保険料(月額10000円) 120000円
ローン完済後の年間維持費 727400円
名目 金額
車のローン額(1年分) 819480円
ローン返済中の年間維持費 1546900円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
77700円
  • 初度登録から13年以上経過車の場合、「6000cc超で13年経過」クラスの自動車税は127600円、「2.5トン以下で13年-17年経過」クラスの自動車重量税は28500円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに10000円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本28000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額10000円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした77700円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

天に見放されし生粋のド貧民には考えも及ばぬ世界です。金額を見ただけで気が遠くなります。その維持費は月額でさえ60700円(ローン完済前は129000円)にもなる車を所有する、どうやって…?食うものも食わず、着るものも着ず…?いやあ、そこまでやってもまだまだ、さらに限界まで節制に節制を極めたとしても、それでもなお手の届かぬ未知の領域です。

天に魅入られし大富豪でもなければ、お給金の大半をMクラスに吸い取られ泣くハメになりそうです。ということは、この車のステータス性は抜群であると言えます。


燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり180円を基準として、-50円となる130円から、+50円となる230円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費4.5km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
130円/L
288900円
[-111100円]
-25円
155円/L
344460円
[-55540円]
-10円
170円/L
377800円
[-22200円]
180円/L400000円
[0円]
+10円
190円/L
422240円
[+22240円]
+25円
205円/L
455580円
[+55580円]
+50円
230円/L
511130円
[+111130円]

燃費4.5km/Lの164177型 Mクラスで10000km走行するのに必要な燃料は2222.3L、1リットルあたり180円としたときの燃料代は400000円になります。

参考までに、Mクラスの燃料タンクは95リットルですので、2222.3Lの給油回数は24回、1回あたりの燃料代は約16670円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては22240円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると55580円、50円も違ってくると111130円にもなります。

これを164177型 Mクラスの年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり180円の場合を727400円としたとき、130円/Lに値下がりすれば616300円(84.7%)に、230円/Lに値上がりすれば838530円(115.3%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(127600円)なり重量税(28500円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 127600円 31%
自動車重量税 1年分 28500円 7%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 3000km分 120000円 30%
オイル交換 年1回 10000円 2%
タイヤ交換 6年毎 14930円 4%
任意保険料 80% 96000円 24%
合計
[1万kmとの差額]
405900円
-321500円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 127600円 26%
自動車重量税 1年分 28500円 6%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 5000km分 200000円 41%
オイル交換 年1回 10000円 2%
タイヤ交換 6年毎 14930円 3%
任意保険料 85% 102000円 20%
合計
[1万kmとの差額]
491900円
-235500円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 127600円 22%
自動車重量税 1年分 28500円 5%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 7000km分 280000円 48%
オイル交換 年1回 14000円 2%
タイヤ交換 6年毎 14930円 3%
任意保険料 90% 108000円 18%
合計
[1万kmとの差額]
581900円
-145500円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料120000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて321500円安い405900円に、5000km走行では235500円安い491900円に、7000km走行では145500円安い581900円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 127600円 13%
自動車重量税 1年分 28500円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 15000km分 600000円 61%
オイル交換 年3回 60000円 6%
タイヤ交換 2.7年毎 33600円 3%
任意保険料 100% 120000円 13%
合計
[1万kmとの差額]
978600円
+251200円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 127600円 11%
自動車重量税 1年分 28500円 2%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 20000km分 800000円 66%
オイル交換 年4回 80000円 7%
タイヤ交換 2年毎 44800円 4%
任意保険料 100% 120000円 9%
合計
[1万kmとの差額]
1209800円
+482400円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。



Mクラスの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
10・15モード燃費 5.3km/L
燃料タンク容量 95L
航続距離(カタログ燃費) 503.5km
航続距離(80%燃費) 399.0km
満タンプライス 17100円
1km走行コスト 33.96円
1万円でどこまで行ける? 294.4km
車両価格/航続距離 29593円/km

10・15モード燃費が5.3km/L、燃料タンク容量95リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は503.5kmになります。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(4.8km/L)とすると456.0km、80%(4.2km/L)だと399.0km、70%(3.7km/L)では351.5kmという航続距離になります。

燃料タンクに1滴の燃料もないスッカラカンの状態から満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり180円で95リットルの給油をすると17100円、上で計算した航続距離を踏まえると503.5km(80%燃費時399.0km)を走行するのに17100円かかる計算です。

燃費を4.5km/Lとしたときの1km走行コストは33.96円、10万km走行したときの燃料代は339.6万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら34.0万円/年、7年10万kmなら48.5万円/年、5年10万kmなら67.9万円/年、3年10万kmなら113.2万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば294.4km(往復なら片道147.2km)、カタログ値の80%なら235.6km(片道117.8km)離れたところまで行くことができます。

ちなみに、1回の給油で503.5kmの距離を移動できる164177型 Mクラス [ML63-AMG W164]という乗り物を、1490.0万円で手に入れたと考えたとき、この車が1km走行するにあたっては「29593円の値打ちがある!」と言える、かもしれません。


カタログデータから見えてくる要素

M156型エンジン簡易性能曲線図
M156型エンジン性能曲線図もどき
各回転域での馬力
5200回転時の馬力 466PS
6800回転時の馬力 510PS
各回転域でのトルク
5200回転時のトルク 64.2kgm
6800回転時のトルク 53.7kgm
M156型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載しているM156型6208cc、V型8気筒の自然吸気エンジンは6800回転時に最高出力510馬力を、5200回転時に最大トルク64.2kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、最大トルクと最高出力の発生回転数が程よく近いこのエンジンは、高めの回転数が得意なタイプのエンジンです。日常での使い勝手をある程度は確保しつつ、高回転のパワー感もしっかり伴う雰囲気の良さが自慢です。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する5200rpmから最高出力が発生する6800rpmまで」の1600rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は23.5%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
5000cc超クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
5000cc超クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ4.608kg/PS(2350kg/510PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ4.608kg/PS
車体+1人4.716kg/PS
車体+5人5.147kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg4.725kg/PS
車体+70kg4.745kg/PS
車体+80kg4.765kg/PS
車体+90kg4.784kg/PS
車体+100kg4.804kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは4.716kg/PS(2405kg/510PS)となり、数値としては0.108kg、比率にすると2.3%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは5.147kg/PS(2625kg/510PS)となり、数値としては0.539kg、比率にすると11.7%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。


164177 Mクラスのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2008/10

-
Mクラス
4.716kg/PS
2405kg/510PS|6.3L-NA
[車体のみPWR:4.608]
2017/09

車種詳細
シビック タイプR
4.516kg/PS
1445kg/320PS|2.0L-TB
車体のみPWR:4.344
2015/12

車種詳細
シビック タイプR
4.629kg/PS
1435kg/310PS|2.0L-TB
車体のみPWR:4.452
2010/01

車種詳細
インプレッサ R205
4.766kg/PS
1525kg/320PS|2.0L-TB
車体のみPWR:4.594
2011/01

車種詳細
インプレッサWRX
4.951kg/PS
1525kg/308PS|2.0L-TB
車体のみPWR:4.773
2019/09

車種詳細
スカイライン
4.481kg/PS
1815kg/405PS|3.0L-TT
車体のみPWR:4.346

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ4.716kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

4.480kg/PSから4.952kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、ホンダの4人乗りハッチバック「FK8型 シビック タイプR」、ホンダの4人乗りハッチバック「FK2型 シビック タイプR」、スバルの5人乗りハッチバック「GRB型 インプレッサ R205」、スバルの5人乗りセダン「GVB型 インプレッサWRX」、日産の5人乗りセダン「RV37型 スカイライン」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

164177型 Mクラス [ML63-AMG W164]とパワーウェイトレシオが近い車種|4.716kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は217.0PS/tとなっています。


Mクラスがバイクと競争するなら…?


車種詳細
CBR250RR|249cc
4.711kg/PS
212kg/45.0PS/2.50kgm
[車体のみPWR:3.489]
2008/10

-
Mクラス|6208cc
4.716kg/PS
2405kg/510PS/64.2kgm
[車体のみPWR:4.608]

車種詳細
GSX400 インパルス|399cc
4.717kg/PS
250kg/53.0PS/3.80kgm
[車体のみPWR:3.679]

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではMクラスとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

MC22 CBR250RRと競争してみる

まずMクラスより少しPWRが低いバイクとして、ホンダのCBR250RRが挙げられます。PWRの4.711kg/PSは車両重量157kgにライダーの体重55kgを加えた212kgを、最高出力45.0PSで割ったものです。

GK79A GSX400 インパルスと競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、スズキのGSX400 インパルスが挙げられます。PWRの4.717kg/PSは車両重量195kg+55kgの250kgを、最高出力53.0PSで割ったもので、(PWRで比較すれば)まさに街角の好敵手と呼べるバイクです。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.769
平均ピストンスピード 21.44m/s
トルクウェイトレシオ 36.60kg/kgm
1馬力あたりのお値段 29216円
排気量1Lあたり馬力 82.15PS/L
排気量1Lあたりトルク 10.34kgm/L
1気筒あたりの馬力 63.8PS
1気筒あたりのトルク 8.0kgm
パワーバンド比率 23.5%
燃費×馬力 2295.0pt
各種ランキング
SUV・RV・クロカンのPWR
5.0L超のPWR

トルクウェイトレシオは36.60kg/kgm(2350kg/64.2kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が14900000円、最高出力が510馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は29216円、逆に1万円あたりでは0.34馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は232087円、1万円あたりでは0.04kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
5000cc超の車編
5人乗りSUV編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は82.15PS/L、トルクは10.34kgm/L、1気筒あたりの馬力は63.8馬力、トルクは8.0kgmとなり、このエンジンが510馬力を6800回転で発生させているときの平均ピストンスピードは21.44m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が94.6mmであるM156型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6340回転です。●最高出力を発生している時点で既に20.0m/sを超えているこのエンジンは実に良く設計された秀逸なエンジンであると言えます。一昔(二昔?)前の常識を覆す誉れ高きエンジンですので、ぜひとも重要文化遺産に登録して後世に伝えていかねばなりません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.769になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、走ってよし、曲がってよしで至れり尽くせりのオールラウンダーであると言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が4.50km/L、最高出力が510PSであるこの車の獲得ポイントは2295.0ptになります。
戯れに車両重量2350kgを100kg単位にした23.5で割ってみたところ、その数値は97.66ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)



Mクラスでの車中泊

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.69m
期待される荷室の幅 1.55m
対角線の長さ 2.29m
期待される荷室の面積 2.62m²

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

縦方向の長さが1.69m(対角線では2.29m)ともなると、もはや車の中で生活しても良いんじゃないかと錯覚しかねないほど快適な睡眠が約束されます。

日頃の行いが悪いとか、人様には言えないことをやらかしたとか、誰の顔も見たくないなどの訳アリで家に帰れず、やむなく車中泊をしてみたが最期、あまりの気楽さに心を奪われ流浪の民となりかねません。

一見すると車中泊が可能そうに見えるハッチバックやワゴン、SUVであってもリアシートが前に倒れなかったり、倒れても中途半端であったり、凝った足回りのせいで室内に巨大な出っ張りがあったりで、なかなか思うようにはいきませんが、大抵のケースでは知恵と工夫で何とかなるはずです。
車中泊にあると嬉しいアイテム


純正装着タイヤの295/35R21と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 295/35R21 | 直径 740mm

-20mm
幅275mm
-10mm
幅285mm
変更なし
幅295mm
+10mm
幅305mm
+20mm
幅315mm
-5%
30
扁平
275/30R21
37.7km/h
直径698mm
径差-42mm
285/30R21
38.1km/h
直径704mm
径差-36mm
295/30R21
38.4km/h
直径710mm
径差-30mm
305/30R21
38.7km/h
直径716mm
径差-24mm
315/30R21
39.0km/h
直径722mm
径差-18mm
0%
35
扁平
275/35R21
39.2km/h
直径726mm
径差-14mm
285/35R21
39.6km/h
直径733mm
径差-7mm
295/35R21
40.0km/h
740mm
0mm
305/35R21
40.4km/h
直径747mm
径差+7mm
315/35R21
40.8km/h
直径754mm
径差+14mm
+5%
40
扁平
275/40R21
40.7km/h
直径753mm
径差+13mm
285/40R21
41.1km/h
直径761mm
径差+21mm
295/40R21
41.6km/h
直径769mm
径差+29mm
305/40R21
42.0km/h
直径777mm
径差+37mm
315/40R21
42.4km/h
直径785mm
径差+45mm
+10%
45
扁平
275/45R21
42.2km/h
直径781mm
径差+41mm
285/45R21
42.7km/h
直径790mm
径差+50mm
295/45R21
43.2km/h
直径799mm
径差+59mm
305/45R21
43.7km/h
直径808mm
径差+68mm
315/45R21
44.2km/h
直径817mm
径差+77mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、275/35R21 、285/30R21、285/35R21 、295/30R21 、305/30R21 、315/30R21あたりのタイヤがおすすめです。

295/35R21のタイヤ幅を275mmから325mmまで、扁平率を20%から50%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、ホイールサイズを21インチからインチダウン、インチアップした場合の一覧表は、純正装着タイヤが295/35R21のとき互換可能なタイヤサイズのページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
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164177型Mクラス[6.3L-NA 4WD/7AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト4.608kg/ps64.11
1速ギヤ加速性能-39.92
1L換算馬力82.15ps/L57.19
1L換算トルク10.34kgm/L60.61
WB/TR比1.76950.41
ワイド&ロー指数0.91048.74
前面の面積3.461m²26.49
最低地上高-43.72
スポーツ性能部門の得点391.19

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
10-15燃費5.3km/L33.09
年間維持費727400円13.38
100kmh回転数-43.39
航続距離503.5km37.72
車の大きさ16.666m³70.79
室内の広さ(仮) 3.022m³46.25
最小回転半径5.5m43.33
馬力単価29216円39.76
ユーティリティ部門の得点327.71

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した 164177型Mクラス[6.3L-NA 4WD/7AT] の総合得点は 718.90 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介した164177型Mクラス(4WD/7AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全ての5人乗SUV」、「5000cc超の5人乗SUV」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

Mクラスの歴代モデル

3代目 166057型 Mクラス
166057 Mクラスは2012/06に登場した3代目モデル。参考車両の「ML350 4Matic Blue-Efficiency W166」は全長4810mm、全幅1925mm、全高1795mmの車体に、306PS/37.7kgmを発生するM276型3497ccエンジンを搭載した5人乗りSUV。

2代目 164177型 Mクラス
164177 Mクラスは2005/10に登場した2代目モデル。参考車両の「ML63-AMG W164」は全長4815mm、全幅1950mm、全高1775mmの車体に、510PS/64.2kgmを発生するM156型6208ccエンジンを搭載した5人乗りSUV。

初代 ML55型 Mクラス
ML55 Mクラスは2000/06に登場した初代モデル。参考車両の「ML55 W163」は全長4650mm、全幅1895mm、全高1805mmの車体に、347PS/52.0kgmを発生する11386型5438ccエンジンを搭載した5人乗りSUV。