このページでは、メルセデスベンツの5ドア・5人乗りワゴン、5代目のLDA-213204C型Eクラス ステーションワゴン E220d Avantgarde S213【2016/11モデル・194PS/40.8kgm・FR/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。
213204C Eクラス ステーションワゴン 販売期間:2016/11 - ![]() |
ボディサイズが全長4940mm×全幅1850mm×全高1465mm、排気量は1949ccであることから、大雑把に分類すると2.0リットルクラス(2000cc、自動車税は2.0L以下を適用)に属し、排気量は2000cc以下なれど、全長と全幅が5ナンバー枠を超えていることにより3ナンバー登録になります。車体が大きい割りに排気量が小さいものの、ターボによる過給のおかげで非力さを感じることはなさそうです。
駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、後輪のみを駆動する、フロントエンジン・リヤドライブ方式(後輪駆動・FR・RWDとも)を採用しています。前輪は操舵、後輪は駆動と役割分担が異なることから優れたハンドリングを得られるとされ、運転の質を求める人々から絶大なる支持を集めます。高級車の代名詞的な駆動方式です。
ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4940mmであるこの車の場合は「ラグジュアリー」(Luxury:4900mm超・Fセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。
213204C型 Eクラス ステーションワゴン [1949cc/194PS FR/9AT] お品書き
![]() 維持費にまつわるエトセトラ | ![]() エンジンの最高出力・最大トルク | ![]() ギヤ比と加速・回転数と最高速 | ![]() タイヤサイズ変更とメーター誤差 | ![]() 各種スペックの相対評価と通知表 |
![]() | お金にまつわるエトセトラ 1年間のランニングコスト |
![]() | エンジン性能と特性 パワーウェイトレシオ |
![]() | ギヤ比と加速力& エンジン回転数と最高速 |
![]() | タイヤサイズ変更と スピードメーター誤差 |
![]() | 各種スペックの相対評価と レーダーチャート |
5代目Eクラス ステーションワゴンの類型&他グレード 新着順
- 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
- 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種
年式 画像 | 車両型式 グレード | 出力 燃費 | |
---|---|---|---|
2021/09![]() |
213259型 [E450 4matic exclusive S213]3.0L-TB | 4WD/9AT | 1239.0万円 |
367PS 51.0kgm 10.8km/L |
|
2019/10![]() |
213277C型 [E200 Avantgarde BSG S213]1.5L-TB | FR/9AT | 773.0万円 |
184PS 28.6kgm 12.5km/L |
|
2019/10![]() |
213289型 [AMG E63-S 4matic-plus S213]4.0L-TB | 4WD/9AT | 1895.0万円 |
612PS 86.7kgm 8.7km/L |
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5代目Eクラス ステーションワゴンの車両型式・グレード一覧【全47車種】 |
Eクラス ステーションワゴンの旧型モデル | |
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![]() | 4代目 212276型Eクラス ステーションワゴン |
212276型Eクラス ステーションワゴンは2010/02に登場した4代目モデル。参考車両の「E63S AMG 4matic S212」は全長4920mm、全幅1870mm、全高1520mmの車体に、585PS/81.5kgmを発生するM157型5461ccエンジンを搭載。 |
主要諸元とエンジン諸元
主要諸元 | |
---|---|
メーカー | MERCEDES_BENZ |
車名& グレード |
Eクラス ステーションワゴン E220d Avantgarde S213 |
その他 | アバンギャルド スポーツ |
お値段 | 7350000円 |
車両型式 | LDA-213204C |
駆動方式 変速機 |
FR・後輪駆動(RWD,2WD) 9速AT・9速オートマ車 |
ドア/定員 | 5ドア/5人 |
車体寸法 | 長4940×幅1850×高1465mm |
軸距& 輪距 |
2940mm 前1605mm/後1610mm |
最小半径 | 5.4m |
最低高 | 115mm |
タイヤ | 前輪:225/55R17 後輪:225/55R17 |
ブレーキ | 前:ベンチレーテッドディスク 後:ベンチレーテッドディスク |
車両重量 | 1870kg |
エンジン諸元 | |
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原動機型式 | OM654 |
気筒配列 | 直列4気筒 |
排気量 | 1949cc |
圧縮比 | 15.5 |
吸気方式 | ターボ |
最高出力 | 194PS[143kW]/3800rpm |
最大トルク | 40.8kgm[400Nm]/1600-2800rpm |
使用燃料 | 軽油(ディーゼル燃料) |
JC08燃費 | 21.0km/L(49.4mpg) |
100km燃費 | 4.8L/100km |
※OM654型エンジンの諸元と性能まとめ ※直列4気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に4個配置する方式。小排気量から2.5Lあたりまでをカバー。 ※直列4気筒の最高出力ランキング |
税金と年間維持費のシミュレーション
ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税39500円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税16400円/年と自賠責保険料10005円/年、年間1万km走行した際に掛かる軽油代、月額5500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。
さらに、Eクラス ステーションワゴンの新車を845.3万円(諸費用として110.3万円を加算)にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。
- ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
- 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
- 自動車保険は比較で安くなる!
新車で買った場合の年間維持費
名目 | 区分 | 金額 | ||
---|---|---|---|---|
自動車税(1年分) | 2000cc以下 | 11年未満 | 39500円 | |
自動車重量税(1年分) | 2.0トン以下 | 13年未満 | 16400円 | |
自賠責保険料(1年分) | 自家用乗用車 | 10005円 | ||
年間10000km走行燃料代 年間7000km走行の場合 年間5000km走行の場合 年間3000km走行の場合 |
10000km÷19.5×180円/L 7000km÷19.5km/L×180円/L 5000km÷19.5km/L×180円/L 3000km÷19.5km/L×180円/L |
92310円 (64620円) (46160円) (27690円) |
||
オイル交換(5000km毎) | 1回5500円×2回 | 11000円 | ||
タイヤ交換(5年5万km毎) | 1本15000円×4本÷5年 | 12000円 | ||
任意保険料(月額5500円) | 月額5500円×12ヶ月 | 66000円 | ||
ローン完済後の年間維持費 | 247300円 | |||
名目 | 区分 | 金額 | ||
車のローン額(1年分) | 月額140880円×12ヶ月 | 1690560円 | ||
ローン返済中の年間維持費 | 1937800円 | |||
次回車検費用の積み立て目安 | ||||
重量税2年分+自賠責24ヶ月分+検査手数料等3000円程度 | 55900円 |
名目 | 金額 |
---|---|
自動車税(1年分) | 39500円 |
自動車重量税(1年分) | 16400円 |
自賠責保険料(1年分) | 10005円 |
年間10000km走行燃料代 年間7000km走行の場合 年間5000km走行の場合 年間3000km走行の場合 |
92310円 (64620円) (46160円) (27690円) |
オイル交換(5000km毎) | 11000円 |
タイヤ交換(4年4万km毎) | 12000円 |
任意保険料(月額5500円) | 66000円 |
ローン完済後の年間維持費 | 247300円 |
名目 | 金額 |
車のローン額(1年分) | 1690560円 |
ローン返済中の年間維持費 | 1937800円 |
次回車検費用の積み立て目安 | |
重量税2年分+自賠責24ヶ月分 +検査手数料等3000円程度 |
55900円 |
- 初度登録から7年経過車の場合、「2000cc以下で11年未満」クラスの自動車税は39500円、「2.0トン以下で13年未満」クラスの自動車重量税は16400円(単年)です。
- エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに5500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
- タイヤ交換の金額は、1本15000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
- 任意保険料の金額は、月額5500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
- 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
- 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
- 2017年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
- 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。 - 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
- 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
- 車検費用の目安とした55900円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。
お財布に厚みが増した勢いで少し色気を出して、自身の車にステータス性を欲すると月換算で2万円~3万円の間、年間にすると24万円~36万円のクラスです。Eクラス ステーションワゴン【E220d Avantgarde S213】の場合、維持費の月額は20700円(ローン完済前は161500円)になります。
口癖のように「もうちょっと維持費が安ければねえ…?」なんて呟くその姿は自慢げなようであり、しかし哀愁を帯びているようでもあり対応に困ります。より維持費の掛からない新しい車を買うほどではない、が、維持費のことを考えずにもいられない、そんなクラスです。全体から見るとこの辺りから面白味のある車が増えてくるイメージです。
低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km
せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。
走行距離が少なくなれば軽油代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。
年間3000km走行の場合 | ||
---|---|---|
名目 | 金額 | 比率 |
自動車税 | 39500円 | 25% |
自動車重量税 1年分 | 16400円 | 10% |
自賠責保険料 1年分 | 10005円 | 6% |
燃料代 3000km分 | 27690円 | 17% |
オイル交換 年1回 | 5500円 | 3% |
タイヤ交換 6年毎 | 8000円 | 5% |
任意保険料 80% | 52800円 | 34% |
合計 [1万kmとの差額] |
159900円 -87400円 |
- |
年間5000km走行の場合 | ||
---|---|---|
名目 | 金額 | 比率 |
自動車税 | 39500円 | 22% |
自動車重量税 1年分 | 16400円 | 9% |
自賠責保険料 1年分 | 10005円 | 6% |
燃料代 5000km分 | 46160円 | 25% |
オイル交換 年1回 | 5500円 | 3% |
タイヤ交換 6年毎 | 8000円 | 4% |
任意保険料 85% | 56160円 | 31% |
合計 [1万kmとの差額] |
181800円 -65500円 |
- |
年間7000km走行の場合 | ||
---|---|---|
名目 | 金額 | 比率 |
自動車税 | 39500円 | 19% |
自動車重量税 1年分 | 16400円 | 8% |
自賠責保険料 1年分 | 10005円 | 5% |
燃料代 7000km分 | 64620円 | 31% |
オイル交換 年1回 | 7700円 | 4% |
タイヤ交換 6年毎 | 8000円 | 4% |
任意保険料 90% | 59400円 | 29% |
合計 [1万kmとの差額] |
205700円 -41600円 |
- |
自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、軽油代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。
タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料66000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。
年間3000km走行では、10000km走行に比べて87400円安い159900円に、5000km走行では65500円安い181800円に、7000km走行では41600円安い205700円という結果になりました。
多走行距離での年間維持費|15000km・20000km
続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。軽油代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。
年間15000km走行の場合 | ||
---|---|---|
名目 | 金額 | 比率 |
自動車税 | 39500円 | 12% |
自動車重量税 1年分 | 16400円 | 5% |
自賠責保険料 1年分 | 10005円 | 3% |
燃料代 15000km分 | 138470円 | 43% |
オイル交換 年3回 | 33000円 | 10% |
タイヤ交換 2.7年毎 | 18000円 | 6% |
任意保険料 100% | 66000円 | 21% |
合計 [1万kmとの差額] |
321400円 +74100円 |
- |
年間20000km走行の場合 | ||
---|---|---|
名目 | 金額 | 比率 |
自動車税 | 39500円 | 10% |
自動車重量税 1年分 | 16400円 | 4% |
自賠責保険料 1年分 | 10005円 | 3% |
燃料代 20000km分 | 184620円 | 48% |
オイル交換 年4回 | 44000円 | 11% |
タイヤ交換 2年毎 | 24000円 | 6% |
任意保険料 100% | 66000円 | 18% |
合計 [1万kmとの差額] |
384600円 +137300円 |
- |
自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。
「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。
1km走行コストと月間&年間交通費
距離/日 | 費用/日 | 月換算 | 年換算 |
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10km | 90円 | 2000円 | 2.3万円 |
20km | 170円 | 3700円 | 4.4万円 |
30km | 260円 | 5700円 | 6.8万円 |
50km | 430円 | 9500円 | 11.2万円 |
100km | 860円 | 18900円 | 22.4万円 |
さて、軽油(ディーゼル燃料)1リットルの燃料価格を180円、燃費を21.0km/Lとしたとき、1km走行あたりのコストは8.57円になります。
たとえばこの車を通勤車とした場合、1日の走行距離が10kmなら軽油代は90円/日となり、20km走行なら170円/日、30km走行なら260円/日、50km走行なら430円/日、100km走行なら860円/日かかる計算です。
1か月の労働日数を22日として計算すると、通勤距離が30kmなら月間の走行距離は660kmで軽油代は5700円/月、1年間の労働日数を260日とすると年間の走行距離は7800kmで軽油代は6.8万円/年という塩梅です。
カタログデータから見えてくる要素
OM654型エンジン簡易性能曲線図 | |
---|---|
各回転域での馬力 | |
1600回転時の馬力 | 91PS |
2800回転時の馬力 | 160PS |
3800回転時の馬力 | 194PS |
3800回転時の馬力 | 194PS |
各回転域でのトルク | |
1600回転時のトルク | 40.8kgm |
2800回転時のトルク | 40.8kgm |
3800回転時のトルク | 36.6kgm |
3800回転時のトルク | 36.6kgm |
OM654型エンジンの性能 |
まずおさらいとして、搭載しているOM654型1949cc、直列4気筒のターボエンジンは3800回転時に最高出力194馬力を、1600-2800回転時に最大トルク40.8kgmを発生します。
馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。
トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、低めの回転数から中間域にトルクのピークがあるこのエンジンは、街中での普段使いに心地よく、高回転もそれなりでバランスの取れたタイプです。多くの乗用車がこの特性に当て嵌まるのではないかと思います。
※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。
ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する1600rpmから最高出力が発生する3800rpmまで」の2200rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は57.9%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域
最高出力ランキング リスト |
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2000cc以下クラス編 |
輸入車・外車の小型車&普通車編 |
最大トルク ランキング リスト |
---|
2000cc以下クラス編 |
輸入車・外車の小型車&普通車編 |
うわっ…私の体重、重すぎ…?
さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ は9.639kg/PS(1870kg/194PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。
車重と搭乗者とPWR | |
---|---|
車体のみ | 9.639kg/PS |
車体+1人 | 9.923kg/PS |
車体+5人 | 11.057kg/PS |
お腹と車重とPWR | |
車体+60kg | 9.948kg/PS |
車体+70kg | 10.000kg/PS |
車体+80kg | 10.052kg/PS |
車体+90kg | 10.103kg/PS |
車体+100kg | 10.155kg/PS |
というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは9.923kg/PS(1925kg/194PS)となり、数値としては0.284kg、比率にすると2.9%ほど悪化します。
次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは11.057kg/PS(2145kg/194PS)となり、数値としては1.418kg、比率にすると14.7%も悪化することになります。
もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。
213204C Eクラス ステーションワゴンのライバル候補車たち
愛すべきライバル車種 | |
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2016/11![]() - |
Eクラス ステーションワゴン 9.923kg/PS 1925kg/194PS|2.0L-TB [車体のみPWR:9.639] |
2010/04![]() 車種詳細 |
ウィッシュ 9.826kg/PS 1415kg/144PS|1.8L-NA 車体のみPWR:9.444 |
2013/12![]() 車種詳細 |
ヴェゼル 10.038kg/PS 1325kg/132PS|1.5L-NA 車体のみPWR:9.621 |
2019/04![]() 車種詳細 |
RAV4 9.854kg/PS 1685kg/171PS|2.0L-NA 車体のみPWR:9.532 |
2011/10![]() 車種詳細 |
ヴィッツ G’s 10.000kg/PS 1090kg/109PS|1.5L-NA 車体のみPWR:9.495 |
2016/02![]() 車種詳細 |
イグニス 9.945kg/PS 905kg/91PS|1.3L-NA 車体のみPWR:9.341 |
車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ9.923kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。
9.725kg/PSから10.121kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、トヨタの7人乗りミニバン「ZGE20W型 ウィッシュ」、ホンダの5人乗りSUV「RU3型 ヴェゼル」、トヨタの5人乗りSUV「MXAA54型 RAV4」、トヨタの5人乗りハッチバック「NCP131型 ヴィッツ G’s」、スズキの5人乗りSUV「FF21S型 イグニス」という顔ぶれが並びました。
「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。
●213204C型 Eクラス ステーションワゴン [E220d Avantgarde S213]とパワーウェイトレシオが近い車種|9.923kg/PS
ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は103.7PS/tとなっています。
Eクラス ステーションワゴンがバイクと競争するなら…?
![]() 車種詳細 |
GSR250|248cc 9.917kg/PS 238kg/24.0PS/2.20kgm [車体のみPWR:7.625] 1速ギヤ速度:39.2km/h 最小TWR:1.016 |
2016/11![]() - |
Eクラス ステーションワゴン|1949cc 9.923kg/PS 1925kg/194PS/40.8kgm [車体のみPWR:9.639] 1速ギヤ速度:36.7km/h 最小TWR:1.175 |
![]() 車種詳細 |
KLX230|232cc 9.947kg/PS 189kg/19.0PS/1.90kgm [車体のみPWR:7.053] 1速ギヤ速度:34.4km/h 最小TWR:0.848 |
幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。
などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではEクラス ステーションワゴンとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。
GJ55D GSR250と競争してみる
まずEクラス ステーションワゴンより少しPWRが低いバイクとして、スズキのGSR250が挙げられます。PWRの9.917kg/PSは車両重量183kgにライダーの体重55kgを加えた238kgを、最高出力24.0PSで割ったものです。
自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はGSR250に2.5km/h劣り、1速TWRは0.159kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)
LX230A KLX230と競争してみる
続いて少しPWRが高いバイクとしては、カワサキのKLX230が挙げられます。PWRの9.947kg/PSは車両重量134kg+55kgの189kgを、最高出力19.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は2.3km/h勝り、1速TWRは0.327kg劣る、という結果になりました。
その他の諸元いろいろ
いろいろな数値 | |
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WB/TR比 | 1.828 |
平均ピストンスピード | 11.69m/s |
トルクウェイトレシオ | 45.83kg/kgm |
1馬力あたりのお値段 | 37887円 |
排気量1Lあたり馬力 | 99.54PS/L |
排気量1Lあたりトルク | 20.93kgm/L |
1気筒あたりの馬力 | 48.5PS |
1気筒あたりのトルク | 10.2kgm |
パワーバンド比率 | 57.9% |
燃費×馬力 | 3788.8pt |
各種ランキング | |
ステーションワゴンのPWR 1.8~2.0Lターボ車のPWR |
トルクウェイトレシオは45.83kg/kgm(1870kg/40.8kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)
ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が7350000円、最高出力が194馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は37887円、逆に1万円あたりでは0.26馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は180147円、1万円あたりでは0.06kgmとなります。
1馬力あたりのお値段が安い車ランキング |
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総合ランキング |
輸入車編 |
2000cc以下の車編 |
ステーションワゴン編 |
●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は99.54PS/L、トルクは20.93kgm/L、1気筒あたりの馬力は48.5馬力、トルクは10.2kgmとなり、このエンジンが194馬力を3800回転で発生させているときの平均ピストンスピードは11.69m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング
●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.828になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと真っ直ぐ進むことを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング
●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が19.53km/L、最高出力が194PSであるこの車の獲得ポイントは3788.8ptになります。
戯れに車両重量1870kgを100kg単位にした18.7で割ってみたところ、その数値は202.61ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)
- 低燃費で高出力な自動車ランキング
燃費×最高出力の数値順。燃費が良くて高出力なほど高得点。 - 低燃費で高出力で軽量な自動車ランキング
燃費×最高出力÷車両重量の数値順。燃費が良くて高出力で車両重量が軽いほど高得点。
人間様の占有スペース
人間様の占有スペース | |
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室内長×幅×高 | 3.62m³ |
1人あたりのスペース | 約0.72m³ |
室内長/全長 | 39.9% |
室内幅/全幅 | 82.2% |
室内高/全高 | 82.6% |
室内容積/車両体積 | 27.0% |
ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。
まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は3.62m³です。この車の乗車定員は5人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.72m³のスペースが割り当てられることになります。続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は39.9%、同じく室内幅と全幅の比率は82.2%、同じく室内高と全高の比率は82.6%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は27.0%でした。
室内の広さ・長さランキング | |||
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室内長が長い車 | 室内幅が広い車 | 室内高が高い車 | 車内の空間が広い車 |
室内長が長い車 | |||
室内幅が広い車 | |||
室内高が高い車 | |||
車内の空間が広い車 |
Eクラス ステーションワゴンでの車中泊
期待される客室寸法 | |
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期待される荷室の長さ | 1.73m |
期待される荷室の幅 | 1.42m |
対角線の長さ | 2.24m |
期待される荷室の面積 | 2.46m² |
ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。
縦方向の長さが1.73m(対角線では2.24m)などという破格のクラスになると、これはもう四の五の言わず車に住むべきです。
これだけの車を所持できる素養は持ち得ているのですから、細かいことは気にせずあらゆる支配からの卒業を宣言し、信じられぬ大人との争いに終止符を打ちましょう。
一見すると車中泊が可能そうに見えるハッチバックやワゴン、SUVであってもリアシートが前に倒れなかったり、倒れても中途半端であったり、凝った足回りのせいで室内に巨大な出っ張りがあったりで、なかなか思うようにはいきませんが、大抵のケースでは知恵と工夫で何とかなるはずです。
●車中泊にあると嬉しいアイテム
Eクラス ステーションワゴンの燃料タンクと燃費と航続距離と
燃料タンクと燃費と航続距離と | |
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JC08モード燃費 | 21.0km/L |
燃料タンク容量 | 66L |
航続距離(カタログ燃費) | 1386.0km |
航続距離(80%燃費) | 1108.8km |
満タンプライス | 11880円 |
1万円でどこまで行ける? | 1166.7km |
車両価格/航続距離 | 5303円/km |
JC08モード燃費が21.0km/Lですので、燃料タンクの容量が66リットルですと航続可能距離は1386.0kmになります。(カタログ燃費通りに走行できた場合)
実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(18.9km/L)とすると1247.4km、80%(16.8km/L)だと1108.8km、70%(14.7km/L)では970.2kmという航続距離になります。
燃料タンクに1滴の燃料もないスッカラカンの状態から満タンにしたときの金額を計算してみますと、軽油(ディーゼル燃料)66リットルの給油で11880円、上で計算した航続距離を踏まえると1386.0km(80%燃費時1108.8km)を走行するのに11880円かかる計算です。
ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば1166.7km(往復なら片道583.3km)、カタログ値の80%なら933.3km(片道466.7km)離れたところまで行くことができます。
ちなみに、1回の給油で1386.0kmの距離を移動できる213204C型 Eクラス ステーションワゴン [E220d Avantgarde S213]という乗り物を、735.0万円で手に入れたと考えたとき、この車が1km走行するにあたっては「5303円の値打ちがある!」と言える、かもしれません。
ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係
続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。
しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。
ピークパワーが発生する回転数(この車の場合3800rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした4300回転を仮のレブリミットとして計算してみます。
暫定レブ 4300rpm|タイヤサイズ 225/55R17|タイヤ直径 67.9cm|円周長 213.3cm | |||||||
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ギヤ | ギヤ比 | 総減速比 | ステップ比 | シフトアップ 後の回転数 |
4300rpm の速度 |
100kmh の回転数 |
タイヤの 最大駆動力 |
1速 | 5.354 | 13.25 | - | - |
42km/h | 10350rpm | 1591.8kgm |
2速 | 3.243 | 8.02 | 0.606 | 1-2/ 2610rpm |
69km/h | 6270rpm | 964.2kgm |
3速 | 2.252 | 5.57 | 0.694 | 2-3/ 2980rpm |
99km/h | 4350rpm | 669.6kgm |
4速 | 1.636 | 4.05 | 0.726 | 3-4/ 3120rpm |
136km/h | 3160rpm | 486.4kgm |
5速 | 1.211 | 3.00 | 0.740 | 4-5/ 3180rpm |
184km/h | 2340rpm | 360.1kgm |
6速 | 1.000 | 2.47 | 0.826 | 5-6/ 3550rpm |
222km/h | 1930rpm | 297.3kgm |
7速 | 0.865 | 2.14 | 0.865 | 6-7/ 3720rpm |
257km/h | 1670rpm | 257.2kgm |
8速 | 0.717 | 1.77 | 0.829 | 7-8/ 3560rpm |
310km/h | 1390rpm | 213.2kgm |
9速 | 0.601 | 1.49 | 0.838 | 8-9/ 3600rpm |
370km/h | 1160rpm | 178.7kgm |
Final | 2.474 | レシオカバレッジ(変速比幅)8.908 |
ギヤの繋がりイメージ |
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- ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
- シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
- 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数1600-2800rpm)を下回るもの。
- 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(2.474)で算出。
- タイヤの最大駆動力は最大トルク(40.8kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(2.474)÷タイヤの有効半径(0.3395m)で算出。
ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。
本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は9速ギヤの370km(3800rpmでは327.1km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。
おまけ:3800rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度
3800rpmでの速度と シフトアップ後の回転数 | ||
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ギヤ | 速度 | 回転数 |
1速ギヤ | 37km/h | - |
2速ギヤ | 61km/h | 2300rpm |
3速ギヤ | 87km/h | 2640rpm |
4速ギヤ | 120km/h | 2760rpm |
5速ギヤ | 162km/h | 2810rpm |
6速ギヤ | 197km/h | 3140rpm |
7速ギヤ | 227km/h | 3290rpm |
8速ギヤ | 274km/h | 3150rpm |
9速ギヤ | 327km/h | 3180rpm |
213204C型Eクラス ステーションワゴンに搭載されたOM654型1949ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する3800rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。
まず1速ギヤで3800rpmまで引っ張ると37km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は3800rpmから2300rpmまで落ち、そこから3800rpmまで加速を続けると速度は61km/h(+24km/h)になります。
3速ギヤでは2640rpmまで落ちて3800rpmで87km/h(+26km/h)に、4速ギヤでは2760rpmまで落ちて3800rpmで120km/h(+33km/h)に、5速ギヤでは2810rpmまで落ちて3800rpmで162km/h(+42km/h)になります。
続いて6速ギヤでは3140rpmまで落ちて3800rpmで197km/h(+35km/h)に、7速ギヤでは3290rpmまで落ちて3800rpmで227km/h(+30km/h)に、8速ギヤでは3150rpmまで落ちて3800rpmで274km/h(+47km/h)に、9速ギヤでは3180rpmまで落ちて3800rpmで327km/h(+53km/h)という具合に加速していくイメージです。
タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが1600-2800回転で最大トルク40.8kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。
この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば45.83kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(9.639kg/ps)に比べると霞んで見えます。
しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと1591.8kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1870kg)を1速ギヤの最大駆動力(1591.8kgm)で割ってみると1.175kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する3800回転でのトルク(36.6kgm)からTWRを算出すると1.31kg/kgmとなり、1600-3800回転の回転域では1.175-1.31kg/kgmの間で推移することがわかります。
ある速度における各ギヤでの回転数
ギヤ | 40 km/h |
60 km/h |
80 km/h |
100 km/h |
120 km/h |
140 km/h |
180 km/h |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1速 | 4140 | 6210 | 8280 | 10350 | 12420 | 14490 | 18630 |
2速 | 2510 | 3760 | 5020 | 6270 | 7520 | 8780 | 11280 |
3速 | 1740 | 2610 | 3480 | 4350 | 5220 | 6090 | 7840 |
4速 | 1270 | 1900 | 2530 | 3160 | 3800 | 4430 | 5690 |
5速 | 940 | 1400 | 1870 | 2340 | 2810 | 3280 | 4210 |
6速 | 770 | 1160 | 1550 | 1930 | 2320 | 2710 | 3480 |
7速 | 670 | 1000 | 1340 | 1670 | 2010 | 2340 | 3010 |
8速 | 550 | 830 | 1110 | 1390 | 1660 | 1940 | 2490 |
9速 | 460 | 700 | 930 | 1160 | 1390 | 1630 | 2090 |
この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.601)を選択して時速100kmにて走行すると1160回転まで回ります。
ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは700回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは810回転、一般的な高速道路の80km/hでは930回転、100km/hでは1160回転、制限速度が120km/hになると1390回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは2090回転まで回ります。
これほどまでに時速100kmでの巡航回転数が低ければ、(パワーさえ足りていれば)高速道路では向かうところ敵なしです。エンジンノイズによる疲れとは無縁の世界、ただひたすらに回り続けるエンジンのなんと頼もしいことでしょう。これに合わせてタイヤのロードノイズ、風きり音すらも完璧に抑え込まれていたならば、これはもはや完全無欠の高級車です。ある回転数における各ギヤでの速度
ギヤ | 1000 rpm |
2000 rpm |
3000 rpm |
4000 rpm |
5000 rpm |
6000 rpm |
7000 rpm |
8000 rpm |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1速 | 10 | 19 | 29 | 39 | 48 | 58 | 68 | 77 |
2速 | 16 | 32 | 48 | 64 | 80 | 96 | 112 | 128 |
3速 | 23 | 46 | 69 | 92 | 115 | 138 | 161 | 184 |
4速 | 32 | 63 | 95 | 126 | 158 | 190 | 221 | 253 |
5速 | 43 | 85 | 128 | 171 | 214 | 256 | 299 | 342 |
6速 | 52 | 103 | 155 | 207 | 259 | 310 | 362 | 414 |
7速 | 60 | 120 | 179 | 239 | 299 | 359 | 419 | 478 |
8速 | 72 | 144 | 216 | 289 | 361 | 433 | 505 | 577 |
9速 | 86 | 172 | 258 | 344 | 430 | 516 | 603 | 689 |
この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(4300回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。
純正装着タイヤの225/55R17と互換可能な車検対応サイズ|簡易版
下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。
※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。
純正タイヤ 225/55R17 | 直径 679mm | |||||
---|---|---|---|---|---|
-20mm 幅205mm |
-10mm 幅215mm |
変更なし 幅225mm |
+10mm 幅235mm |
+20mm 幅245mm |
|
-5% 50 扁平 |
205/50R17 37.5km/h 直径637mm 径差-42mm |
215/50R17 38.1km/h 直径647mm 径差-32mm |
225/50R17 38.7km/h 直径657mm 径差-22mm |
235/50R17 39.3km/h 直径667mm 径差-12mm |
245/50R17 39.9km/h 直径677mm 径差-2mm |
0% 55 扁平 |
205/55R17 38.8km/h 直径658mm 径差-21mm |
215/55R17 39.4km/h 直径669mm 径差-10mm |
225/55R17 40.0km/h 679mm 0mm |
235/55R17 40.7km/h 直径691mm 径差+12mm |
245/55R17 41.4km/h 直径702mm 径差+23mm |
+5% 60 扁平 |
205/60R17 39.9km/h 直径678mm 径差-1mm |
215/60R17 40.6km/h 直径690mm 径差+11mm |
225/60R17 41.4km/h 直径702mm 径差+23mm |
235/60R17 42.1km/h 直径714mm 径差+35mm |
245/60R17 42.8km/h 直径726mm 径差+47mm |
+10% 65 扁平 |
205/65R17 41.2km/h 直径699mm 径差+20mm |
215/65R17 41.9km/h 直径712mm 径差+33mm |
225/65R17 42.7km/h 直径725mm 径差+46mm |
235/65R17 43.5km/h 直径738mm 径差+59mm |
245/65R17 44.2km/h 直径751mm 径差+72mm |
もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、205/55R17、205/60R17 、215/50R17、215/55R17 、225/50R17 、235/50R17 、245/50R17あたりのタイヤがおすすめです。
225/55R17のタイヤ幅を205mmから255mmまで、扁平率を40%から70%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、225/55R17の適応サイズと性能の変化 [213204C型Eクラス ステーションワゴン編]のページをご覧ください。
純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはオートウェイのタイヤ通販をご覧ください。
213204C型Eクラス ステーションワゴン[2.0Lターボ FR/9AT]の通知表
ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。
スポーツ性能部門 | ||
---|---|---|
評価項目 | 数値 | 得点 |
パワーウェイト | 9.639kg/ps | 50.26 |
1速ギヤ加速性能 | 1.175kg/kgm | 58.62 |
1L換算馬力 | 99.54ps/L | 48.79 |
1L換算トルク | 20.93kgm/L | 66.19 |
WB/TR比 | 1.828 | 44.33 |
ワイド&ロー指数 | 0.792 | 57.25 |
前面の面積 | 2.710m² | 47.26 |
最低地上高 | 115mm | 65.99 |
スポーツ性能部門の得点 | 438.69 |
※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。
ユーティリティ部門 | ||
---|---|---|
評価項目 | 数値 | 得点 |
JC08燃費 | 21.0km/L | 55.26 |
年間維持費 | 247300円 | 58.42 |
100kmh回転数 | 1160rpm | 67.75 |
航続距離 | 1386.0km | 89.34 |
車の大きさ | 13.389m³ | 58.11 |
室内の広さ | 3.623m³ | 52.18 |
最小回転半径 | 5.4m | 45.21 |
馬力単価 | 37887円 | 27.86 |
ユーティリティ部門の得点 | 454.13 |
※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。
スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した 213204C型Eクラス ステーションワゴン[2.0Lターボ FR/9AT] の総合得点は 892.82 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。
上記リンク先では、今回このページで紹介した213204C型Eクラス ステーションワゴン(FR/9AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのワゴン」、「2000ccのワゴン」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。
Eクラス ステーションワゴンの歴代モデル
![]() | 5代目 213042C型 Eクラス セダン |
213042C Eクラス セダンは2016/07に登場した5代目モデル。参考車両の「E200 Avantgarde W213」は全長4930mm、全幅1850mm、全高1455mmの車体に、184PS/30.6kgmを発生するM274型1991ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。 |
![]() | 4代目 212201C型 Eクラス ステーションワゴン |
212201C Eクラス ステーションワゴンは2010/02に登場した4代目モデル。参考車両の「E220 BlueTEC S212」は全長4910mm、全幅1855mm、全高1500mmの車体に、177PS/40.8kgmを発生するOM651型2142ccエンジンを搭載した5人乗りワゴン。 |
![]() | 3代目 211282型 Eクラス ステーションワゴン |
211282 Eクラス ステーションワゴンは2003/08に登場した3代目モデル。参考車両の「E320 4Matic Avantgarde S211」は全長4850mm、全幅1820mm、全高1505mmの車体に、224PS/32.1kgmを発生するM112型3199ccエンジンを搭載した5人乗りワゴン。 |
![]() | 2代目 W210型 Eクラス |
W210 Eクラスは1995/07に登場した2代目モデル。参考車両の「E320 W210」は全長4800mm、全幅1800mm、全高1425mmの車体に、220PS/32.1kgmを発生する104995型3199ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。 |
![]() | 初代 W124型 Eクラス |
W124 Eクラスは1993/10に登場した初代モデル。参考車両の「E400-4.2 S3」は全長4740mm、全幅1765mm、全高1410mmの車体に、312PS/43.3kgmを発生する119975型4195ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。 |