J12MA:XJの性能と維持費 FR/6AT 5人 1655万円 2010年式

このページでは、ジャガーの4ドア・5人乗りセダン、4代目のCBA-J12MA型XJ XJ Super-Sport【2010/05モデル・510PS/63.7kgm・FR/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

J12MA XJ
販売期間:2010/05 - 2022/06

画像はジャガーより引用
http://www.jaguar.co.jp/
投稿:2012/04/30|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長5135mm×全幅1900mm×全高1455mm、排気量は4999ccであることから、大雑把に分類すると5.0リットルクラス(5000cc、自動車税は6.0L以下を適用)に属し、全長、全幅、排気量ともに5ナンバー枠を超えていることにより完全無欠の3ナンバー登録車です。いわゆる【高級車】にカテゴライズされます。

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、後輪のみを駆動する、フロントエンジン・リヤドライブ方式(後輪駆動・FR・RWDとも)を採用しています。前輪は操舵、後輪は駆動と役割分担が異なることから優れたハンドリングを得られるとされ、運転の質を求める人々から絶大なる支持を集めます。高級車の代名詞的な駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が5135mmであるこの車の場合は「ラグジュアリー」(Luxury:4900mm超・Fセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


J12MA型 XJ [4999cc/510PS FR/6AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

4代目XJの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2015/11
J128B型
[Premium-Luxury]
3.0L-SC | FR/8AT
| 1202.0万円
340PS
45.9kgm
7.6km/L
2015/11
J12MA型
[XJR]
5.0L-SC | FR/8AT
| 1820.0万円
551PS
69.3kgm
6.8km/L
2015/11
J12PB型
[Luxury]
2.0L-TB | FR/8AT
| 977.0万円
241PS
34.7kgm
11.5km/L
4代目XJの車両型式・グレード一覧【全7車種】
XJの旧型モデル
3代目 J73TB型XJ
J73TB型XJは2003/05に登場した3代目モデル。参考車両の「XJR」は全長5100mm、全幅1900mm、全高1460mmの車体に、406PS/56.4kgmを発生するTB型4196ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー JAGUAR
車名&
グレード
XJ
XJ Super-Sport
その他 X351 スーパースポーツ
お値段 16550000円
車両型式 CBA-J12MA
駆動方式
変速機
FR・後輪駆動(RWD,2WD)
6速AT・6速オートマ車
ドア/定員 4ドア/5名乗車
車体寸法 長5135×幅1900×高1455mm
軸距&
輪距
3030mm
前1625mm/後1605mm
最小半径 6.2m
タイヤ 前輪:245/40R20
後輪:275/35R20
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
車両重量 1950kg
エンジン諸元
原動機型式 不明
気筒配列 V型8気筒
排気量4999cc
圧縮比9.5
吸気方式 スーパーチャージャー
最高出力 510PS[375kW]/6000-6500rpm
最大トルク 63.7kgm[625Nm]/2500-5500rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
JC08燃費 6.5km/L(15.3mpg)
10・15燃費 6.4km/L(15.1mpg)
100km燃費 15.4L/100km

V型8気筒とは‥シリンダをV字型に交互で8個配置する方式。中?大排気量のスタンダード。
V型8気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税101100円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税22800円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額8500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、2010/05モデルのXJを14年落ちの中古で637.2万円にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    XJの2010/05モデルの場合、2024年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の35%である579.3万円に諸経費として57.9万円を足した637.2万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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2010年式を14年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 6000cc以下 13年経過 101100円
自動車重量税(1年分) 2.0トン以下 13年-17年経過 22800円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
10000km÷6.0×180円/L
7000km÷6.0km/L×180円/L
5000km÷6.0km/L×180円/L
3000km÷6.0km/L×180円/L
300000円
(210000円)
(150000円)
(90000円)
オイル交換(5000km毎) 1回9500円×2回 19000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本24000円×4本÷5年 19200円
任意保険料(月額8500円) 月額8500円×12ヶ月 102000円
ローン完済後の年間維持費 573000円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額106210円×12ヶ月 1274520円
ローン返済中の年間維持費 1847500円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分+検査手数料等3000円程度 66300円
名目 金額
自動車税(1年分) 101100円
自動車重量税(1年分) 22800円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
300000円
(210000円)
(150000円)
(90000円)
オイル交換(5000km毎) 19000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 19200円
任意保険料(月額8500円) 102000円
ローン完済後の年間維持費 573000円
名目 金額
車のローン額(1年分) 1274520円
ローン返済中の年間維持費 1847500円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
66300円
  • 初度登録から13年以上経過車の場合、「6000cc以下で13年経過」クラスの自動車税は101100円、「2.0トン以下で13年-17年経過」クラスの自動車重量税は22800円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに9500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本24000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額8500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした66300円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

年間の維持費が50万円を超えてくると、これはもうこの車そのものが趣味の世界です。若しくは、これだけの維持費が掛かる車を所有していることに喜びを感じ、意義を見出しているのかもしれません。

名にし負うXJともなると、維持費は月額でさえ47800円(ローン完済前は154000円)という破格の金額になってしまうことを思えば、とてもじゃないけど新車で買って5年のローンを抱えながら乗るような車ではありません。清水の舞台から飛び降りる覚悟でご近所を一周して満足するか、盆栽としてガレージに飾っておくならまあ、あるいは…


燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり180円を基準として、-50円となる130円から、+50円となる230円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費6.0km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
130円/L
216680円
[-83320円]
-25円
155円/L
258340円
[-41660円]
-10円
170円/L
283340円
[-16660円]
180円/L300000円
[0円]
+10円
190円/L
316680円
[+16680円]
+25円
205円/L
341680円
[+41680円]
+50円
230円/L
383350円
[+83350円]

燃費6.0km/LのJ12MA型 XJで10000km走行するのに必要な燃料は1666.7L、1リットルあたり180円としたときの燃料代は300000円になります。

参考までに、XJの燃料タンクは85リットルですので、1666.7Lの給油回数は20回、1回あたりの燃料代は約15000円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては16680円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると41680円、50円も違ってくると83350円にもなります。

これをJ12MA型 XJの年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり180円の場合を573000円としたとき、130円/Lに値下がりすれば489680円(85.5%)に、230円/Lに値上がりすれば656350円(114.5%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(101100円)なり重量税(22800円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 101100円 31%
自動車重量税 1年分 22800円 7%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 3000km分 90000円 28%
オイル交換 年1回 9500円 3%
タイヤ交換 6年毎 12800円 4%
任意保険料 80% 81600円 24%
合計
[1万kmとの差額]
326700円
-246300円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 101100円 26%
自動車重量税 1年分 22800円 6%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 5000km分 150000円 38%
オイル交換 年1回 9500円 2%
タイヤ交換 6年毎 12800円 3%
任意保険料 85% 86760円 23%
合計
[1万kmとの差額]
391800円
-181200円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 101100円 22%
自動車重量税 1年分 22800円 5%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 7000km分 210000円 46%
オイル交換 年1回 13300円 3%
タイヤ交換 6年毎 12800円 3%
任意保険料 90% 91800円 19%
合計
[1万kmとの差額]
460700円
-112300円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料102000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて246300円安い326700円に、5000km走行では181200円安い391800円に、7000km走行では112300円安い460700円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 101100円 13%
自動車重量税 1年分 22800円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 15000km分 450000円 58%
オイル交換 年3回 57000円 7%
タイヤ交換 2.7年毎 28800円 4%
任意保険料 100% 102000円 14%
合計
[1万kmとの差額]
770600円
+197600円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 101100円 11%
自動車重量税 1年分 22800円 2%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 20000km分 600000円 63%
オイル交換 年4回 76000円 8%
タイヤ交換 2年毎 38400円 4%
任意保険料 100% 102000円 11%
合計
[1万kmとの差額]
949200円
+376200円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。



XJの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
JC08モード燃費 6.5km/L
燃料タンク容量 85L
航続距離(カタログ燃費) 552.5km
航続距離(80%燃費) 442.0km
満タンプライス 15300円
1km走行コスト 27.69円
1万円でどこまで行ける? 361.1km
車両価格/航続距離 29955円/km

JC08モード燃費が6.5km/L、燃料タンク容量85リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は552.5kmになります。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(5.9km/L)とすると501.5km、80%(5.2km/L)だと442.0km、70%(4.5km/L)では382.5kmという航続距離になります。

燃料タンクに1滴の燃料もないスッカラカンの状態から満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり180円で85リットルの給油をすると15300円、上で計算した航続距離を踏まえると552.5km(80%燃費時442.0km)を走行するのに15300円かかる計算です。

燃費を6.0km/Lとしたときの1km走行コストは27.69円、10万km走行したときの燃料代は276.9万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら27.7万円/年、7年10万kmなら39.6万円/年、5年10万kmなら55.4万円/年、3年10万kmなら92.3万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば361.1km(往復なら片道180.6km)、カタログ値の80%なら288.9km(片道144.4km)離れたところまで行くことができます。

ちなみに、1回の給油で552.5kmの距離を移動できるJ12MA型 XJ [XJ Super-Sport]という乗り物を、1655.0万円で手に入れたと考えたとき、この車が1km走行するにあたっては「29955円の値打ちがある!」と言える、かもしれません。


カタログデータから見えてくる要素

簡易エンジン性能曲線図
型エンジン性能曲線図もどき
各回転域での馬力
2500回転時の馬力 222PS
5500回転時の馬力 489PS
6000回転時の馬力 510PS
6500回転時の馬力 510PS
各回転域でのトルク
2500回転時のトルク 63.7kgm
5500回転時のトルク 63.7kgm
6000回転時のトルク 60.9kgm
6500回転時のトルク 56.2kgm

まずおさらいとして、搭載しているV型8気筒、4999ccのスーパーチャージャー付きエンジンは6000-6500回転時に最高出力510馬力を、2500-5500回転時に最大トルク63.7kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、アイドリングとそれほど変わらないような回転数から最大トルクが発生するこのエンジンは、坂道発進も平気の平左、MT車でもエンスト知らず、扱いやすさにかけては右に出るものがありません。ディーゼル車やダウンサイジングターボに多くあります。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する2500rpmから最高出力が発生する6500rpmまで」の4000rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は61.5%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
5000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
5000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ3.824kg/PS(1950kg/510PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ3.824kg/PS
車体+1人3.931kg/PS
車体+5人4.363kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg3.941kg/PS
車体+70kg3.961kg/PS
車体+80kg3.980kg/PS
車体+90kg4.000kg/PS
車体+100kg4.020kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは3.931kg/PS(2005kg/510PS)となり、数値としては0.107kg、比率にすると2.8%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは4.363kg/PS(2225kg/510PS)となり、数値としては0.539kg、比率にすると14.1%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。


J12MA XJのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2010/05

-
XJ
3.931kg/PS
2005kg/510PS|5.0L-SC
[車体のみPWR:3.824]
2015/12

車種詳細
Aクラス
4.239kg/PS
1615kg/381PS|2.0L-TB
車体のみPWR:4.094
2015/01

車種詳細
RC-F
3.847kg/PS
1835kg/477PS|5.0L-NA
車体のみPWR:3.732
2013/09

車種詳細
IS-F
4.058kg/PS
1745kg/430PS|5.0L-NA
車体のみPWR:3.930
2015/11

車種詳細
GS-F
3.952kg/PS
1885kg/477PS|5.0L-NA
車体のみPWR:3.836
2016/08

車種詳細
NSX
3.619kg/PS
1835kg/507PS|3.5L-TT
車体のみPWR:3.511

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ3.931kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

3.538kg/PSから4.324kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、メルセデスベンツの5人乗りハッチバック「176052型 Aクラス」、レクサスの4人乗りクーペ「USC10型 RC-F」、レクサスの4人乗りセダン「USE20型 IS-F」、レクサスの5人乗りセダン「URL10型 GS-F」、ホンダの2人乗りクーペ「NC1型 NSX」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

J12MA型 XJ [XJ Super-Sport]とパワーウェイトレシオが近い車種|3.931kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は261.5PS/tとなっています。


XJがバイクと競争するなら…?


車種詳細
ヴェルシス650|649cc
3.928kg/PS
271kg/69.0PS/6.50kgm
[車体のみPWR:3.130]
1速ギヤ速度:63.8km/h
最小TWR:0.662
2010/05

-
XJ|4999cc
3.931kg/PS
2005kg/510PS/63.7kgm
[車体のみPWR:3.824]
1速ギヤ速度:62.3km/h
最小TWR:0.778

車種詳細
VFR400Z|399cc
3.949kg/PS
233kg/59.0PS/4.00kgm
[車体のみPWR:3.017]
1速ギヤ速度:71.7km/h
最小TWR:0.677

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではXJとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

LE650F ヴェルシス650と競争してみる

まずXJより少しPWRが低いバイクとして、カワサキのヴェルシス650が挙げられます。PWRの3.928kg/PSは車両重量216kgにライダーの体重55kgを加えた271kgを、最高出力69.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はヴェルシス650に1.5km/h劣り、1速TWRは0.116kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

NC21 VFR400Zと競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、ホンダのVFR400Zが挙げられます。PWRの3.949kg/PSは車両重量178kg+55kgの233kgを、最高出力59.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は9.4km/h劣り、1速TWRは0.101kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.876
平均ピストンスピード 20.15m/s
トルクウェイトレシオ 30.61kg/kgm
1馬力あたりのお値段 32451円
排気量1Lあたり馬力 102.02PS/L
排気量1Lあたりトルク 12.74kgm/L
1気筒あたりの馬力 63.8PS
1気筒あたりのトルク 8.0kgm
パワーバンド比率 61.5%
燃費×馬力 3080.4pt
各種ランキング
セダンのPWR
4.5~5.0L以下のPWR

トルクウェイトレシオは30.61kg/kgm(1950kg/63.7kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が16550000円、最高出力が510馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は32451円、逆に1万円あたりでは0.31馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は259812円、1万円あたりでは0.04kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
5000cc以下の車編
セダン編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は102.02PS/L、トルクは12.74kgm/L、1気筒あたりの馬力は63.8馬力、トルクは8.0kgmとなり、このエンジンが510馬力を6500回転で発生させているときの平均ピストンスピードは20.15m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が93.0mmであるこのエンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6450回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.876になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと真っ直ぐ進むことを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が6.04km/L、最高出力が510PSであるこの車の獲得ポイントは3080.4ptになります。
戯れに車両重量1950kgを100kg単位にした19.5で割ってみたところ、その数値は157.97ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)



XJでの車中泊

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.80m
期待される荷室の幅 1.50m
対角線の長さ 2.34m
期待される荷室の面積 2.70m²

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

縦方向の長さが1.80m(対角線では2.34m)などという破格のクラスになると、これはもう四の五の言わず車に住むべきです。

これだけの車を所持できる素養は持ち得ているのですから、細かいことは気にせずあらゆる支配からの卒業を宣言し、信じられぬ大人との争いに終止符を打ちましょう。

セダンやクーペであっても後部座席の背もたれを取り外してトランクルームと貫通させて荷室長を確保すれば良いだけの話です。たまに背もたれを取り外してもトランクルームと繋がっていなかったり、頑強な補強バーが入っていて邪魔されることもありますが、恐らく稀なケースです。
車中泊にあると嬉しいアイテム


ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合6000-6500rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした7000回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 7000rpm|タイヤサイズ 275/35R20|タイヤ直径 70.1cm|円周長 220.2cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
7000rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 4.171 13.79 -
-
67km/h 10440rpm 2506.8kgm
2速 2.340 7.74 0.561 1-2/
3930rpm
120km/h 5860rpm 1406.4kgm
3速 1.521 5.03 0.650 2-3/
4550rpm
184km/h 3810rpm 914.1kgm
4速 1.143 3.78 0.751 3-4/
5260rpm
245km/h 2860rpm 687.0kgm
5速 0.867 2.87 0.759 4-5/
5310rpm
323km/h 2170rpm 521.1kgm
6速 0.691 2.29 0.797 5-6/
5580rpm
405km/h 1730rpm 415.3kgm
Final 3.307 レシオカバレッジ(変速比幅)6.036

ギヤの繋がりイメージ
J12MA型XJ6AT車のギヤ比イメージ
  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数2500-5500rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.307)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(63.7kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.307)÷タイヤの有効半径(0.3505m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は6速ギヤの405km(6500rpmでは375.8km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

おまけ:6500rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

6500rpmでの速度と
シフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ62km/h-
2速ギヤ111km/h3650rpm
3速ギヤ171km/h4230rpm
4速ギヤ227km/h4880rpm
5速ギヤ300km/h4930rpm
6速ギヤ376km/h5180rpm

J12MA型XJに搭載された4999ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する6500rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

まず1速ギヤで6500rpmまで引っ張ると62km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は6500rpmから3650rpmまで落ち、そこから6500rpmまで加速を続けると速度は111km/h(+49km/h)になります。

3速ギヤでは4230rpmまで落ちて6500rpmで171km/h(+60km/h)に、4速ギヤでは4880rpmまで落ちて6500rpmで227km/h(+56km/h)になります。

続いて5速ギヤでは4930rpmまで落ちて6500rpmで300km/h(+73km/h)に、6速ギヤでは5180rpmまで落ちて6500rpmで376km/h(+76km/h)という具合に加速していくイメージです。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが2500-5500回転で最大トルク63.7kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば30.61kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(3.824kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと2506.8kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1950kg)を1速ギヤの最大駆動力(2506.8kgm)で割ってみると0.778kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する6500回転でのトルク(56.2kgm)からTWRを算出すると0.88kg/kgmとなり、2500-6500回転の回転域では0.778-0.88kg/kgmの間で推移することがわかります。


ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4180 6260 8350 10440 12530 14620 18790
2速 2340 3510 4690 5860 7030 8200 10540
3速 1520 2280 3050 3810 4570 5330 6850
4速 1140 1720 2290 2860 3430 4010 5150
5速 870 1300 1740 2170 2600 3040 3910
6速 690 1040 1380 1730 2080 2420 3110
※赤い数字は暫定レブリミット(7000rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.691)を選択して時速100kmにて走行すると1730回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1040回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1210回転、一般的な高速道路の80km/hでは1380回転、100km/hでは1730回転、制限速度が120km/hになると2080回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは3110回転まで回ります。

これほどまでに時速100kmでの巡航回転数が低ければ、(パワーさえ足りていれば)高速道路では向かうところ敵なしです。エンジンノイズによる疲れとは無縁の世界、ただひたすらに回り続けるエンジンのなんと頼もしいことでしょう。これに合わせてタイヤのロードノイズ、風きり音すらも完璧に抑え込まれていたならば、これはもはや完全無欠の高級車です。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 10 19 29 38 48 57 67 77
2速 17 34 51 68 85 102 120 137
3速 26 53 79 105 131 158 184 210
4速 35 70 105 140 175 210 245 280
5速 46 92 138 184 230 276 323 369
6速 58 116 173 231 289 347 405 463

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(7000回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。


純正装着タイヤの275/35R20と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 275/35R20 | 直径 701mm

-20mm
幅255mm
-10mm
幅265mm
変更なし
幅275mm
+10mm
幅285mm
+20mm
幅295mm
-5%
30
扁平
255/30R20
37.7km/h
直径661mm
径差-40mm
265/30R20
38.1km/h
直径667mm
径差-34mm
275/30R20
38.4km/h
直径673mm
径差-28mm
285/30R20
38.7km/h
直径679mm
径差-22mm
295/30R20
39.1km/h
直径685mm
径差-16mm
0%
35
扁平
255/35R20
39.2km/h
直径687mm
径差-14mm
265/35R20
39.6km/h
直径694mm
径差-7mm
275/35R20
40.0km/h
701mm
0mm
285/35R20
40.4km/h
直径708mm
径差+7mm
295/35R20
40.8km/h
直径715mm
径差+14mm
+5%
40
扁平
255/40R20
40.6km/h
直径712mm
径差+11mm
265/40R20
41.1km/h
直径720mm
径差+19mm
275/40R20
41.5km/h
直径728mm
径差+27mm
285/40R20
42.0km/h
直径736mm
径差+35mm
295/40R20
42.5km/h
直径744mm
径差+43mm
+10%
45
扁平
255/45R20
42.1km/h
直径738mm
径差+37mm
265/45R20
42.6km/h
直径747mm
径差+46mm
275/45R20
43.1km/h
直径756mm
径差+55mm
285/45R20
43.7km/h
直径765mm
径差+64mm
295/45R20
44.2km/h
直径774mm
径差+73mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、255/35R20 、265/30R20、265/35R20 、275/30R20 、285/30R20 、295/30R20あたりのタイヤがおすすめです。

275/35R20のタイヤ幅を255mmから305mmまで、扁平率を20%から50%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、275/35R20の適応サイズと性能の変化 [J12MA型XJ編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
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J12MA型XJ[5.0L-SC FR/6AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト3.824kg/ps66.26
1速ギヤ加速性能0.778kg/kgm67.01
1L換算馬力102.02ps/L49.71
1L換算トルク12.74kgm/L40.16
WB/TR比1.87639.38
ワイド&ロー指数0.76659.18
前面の面積2.764m²46.07
最低地上高-43.72
スポーツ性能部門の得点411.49

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
JC08燃費6.5km/L32.76
年間維持費573000円27.51
100kmh回転数1730rpm60.08
航続距離552.5km40.58
車の大きさ14.196m³60.97
室内の広さ(仮) 2.574m³41.99
最小回転半径6.2m28.75
馬力単価32451円35.48
ユーティリティ部門の得点328.12

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した J12MA型XJ[5.0L-SC FR/6AT] の総合得点は 739.61 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したJ12MA型XJ(FR/6AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのセダン」、「5000ccのセダン」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

XJの歴代モデル

4代目 J24MA型 XJ
J24MA XJは2010/05に登場した4代目モデル。参考車両の「XJ Super-Sport LWB」は全長5260mm、全幅1900mm、全高1455mmの車体に、510PS/63.7kgmを発生する4999ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

3代目 J80RB型 XJ
J80RB XJは2003/05に登場した3代目モデル。参考車両の「XJ8-L 3.5」は全長5215mm、全幅1900mm、全高1455mmの車体に、267PS/34.6kgmを発生するRB型3554ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

2代目 JLSA型 XJ
JLSA XJは1986/10に登場した2代目モデル。参考車両の「XJ12」は全長5025mm、全幅1800mm、全高1360mmの車体に、315PS/48.7kgmを発生するRB型5992ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

初代 JLS型 XJ
JLS XJは1968に登場した初代モデル。参考車両の「XJ12」は全長4990mm、全幅1800mm、全高1360mmの車体に、310PS/47.2kgmを発生するRB型5992ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。