S510P ハイゼット トラックの性能と維持費 4WD/5MT 104万円

このページでは、ダイハツ工業の2ドア・2人乗り軽トラック、11代目の3BD-S510P型ハイゼット トラック Standard【2021/12モデル・46PS/6.1kgm・4WD/MT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

S510P ハイゼット トラック
販売期間:2021/12 - 現行車

画像はダイハツ工業より引用
http://www.daihatsu.co.jp/
投稿:2022/12/19|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長3395mm×全幅1475mm×全高1780mm、排気量は658ccであることから、排気量でざっくりと分ける乗用車的な分類をすると軽自動車クラスに属しています。

駆動方式には車両に備わる全てのタイヤを駆動する、いわゆる四輪駆動(All Wheel Drive・AWD・Four Wheel Drive・4WDとも)を採用しています。真っ直ぐ進むことに掛けては右に出る者なしとされ、大雨、強風、泥濘、降雪、凍結など天変地異による悪天候下や悪路にて無類の強さを発揮する安心の駆動方式です。

貨物車の区分としては、乗車定員が2名、最大積載量が350kg、車両総重量が1270kg、エンジンの排気量が658ccであることから、4ナンバーの軽貨物車(軽トラック・軽バン)に分類され、自動車税は軽貨物車のクラス、重量税は軽貨物車のクラスに該当します。


さて、貨物車(商用車とも)には貨物車の流儀というものがありまして、「荷物が主、人は従」という絶対的な主従関係が存在しています。もしこの関係が崩れると途端に「乗用車」という道楽品、贅沢品として扱われ、行く先には重い重い税負担が待ち構えます。

貨物室の寸法
荷室長1940mm
荷室幅1410mm
荷室高
(仮の荷室高)
285mm
(1840mm)
荷室容積5033.1L
荷室床面地上高660mm
最大積載量350kg
荷室が広い貨物車ランキング

貨物車には乗用車で言うところの「室内長・室内幅・室内高」の代わりに「荷室長・荷室幅・荷室高」というものがあり、室内長幅高が乗客のスペースを示すのに対し、荷室長幅高は荷物を載せられるスペースを示しています。

表中の荷室容積5033.1Lとは、荷室長1940mm×荷室幅1410mm×荷室高1840mmの数値を掛けたもので、荷室床面地上高660mmは読んで字のごとく地面から荷物を載せる床面までの高さを示したものです。
※トラックの荷台には屋根がないため、仮の積載高さ2500mmから荷室床面地上高660mmを引いた1840mmを「仮の荷室高」としています。

最大積載量350kgもまた同様で、「ハイゼット トラックには350kgを超える荷物を載せてはいけません!」と定めてあるものです。これは「車両総重量」と密接に関係しており、この重量を基準に重量税が確定します。乗用車の重量税は乗員数や荷物を考慮しない「車両重量」で決まりますが、貨物車は「車両総重量」で決まる点が異なります。


S510P型 ハイゼット トラック [658cc/46PS 4WD/5MT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

11代目ハイゼット トラックの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2021/12
S700V型
[Cruise-Turbo]
0.66L-TB | FR/CVT
| 145.2万円
64PS
9.3kgm
14.7km/L
2021/12
S510P型
[JUMBO Standard]
0.66L-NA | 4WD/5MT
| 122.7万円
46PS
6.1kgm
15.6km/L
2021/12
S500P型
[Standard]
0.66L-NA | FR/5MT
| 90.2万円
46PS
6.1kgm
15.6km/L
11代目ハイゼット トラックの車両型式・グレード一覧【全18車種】
ハイゼット トラックの旧型モデル
10代目 S320V型ハイゼット カーゴ
S320V型ハイゼット カーゴは2004/12に登場した10代目モデル。参考車両の「Cruise-Turbo」は全長3395mm、全幅1475mm、全高1875mmの車体に、64PS/10.5kgmを発生するEF型659ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー DAIHATSU
車名&
グレード
ハイゼット トラック
Standard
その他 3BD-S510P-TMRF | スタンダード | 営農スペシャル | エクストラ | ハイルーフ | 軽トラとしては10代目
お値段 1034000円
車両型式 3BD-S510P
駆動方式
変速機
4WD・四輪駆動(AWD)
5速MT・5速マニュアル車
ドア/定員 2ドア/2名乗車
車体寸法 長3395×幅1475×高1780mm
軸距&
輪距
1900mm
前1305mm/後1300mm
最小半径 3.6m
最低高 160mm
タイヤ 前輪:145/80R12
後輪:145/80R12
ブレーキ 前:ディスク
後:ドラム
車両重量 810kg
エンジン諸元
原動機型式 KF
気筒配列 直列3気筒
排気量658cc
圧縮比11.3
吸気方式 自然吸気(NA・ノンターボ)
最高出力 46PS[34kW]/5700rpm
最大トルク 6.1kgm[60Nm]/4000rpm
使用燃料 レギュラーガソリン
WLTC燃費 15.6km/L(36.7mpg)
JC08燃費 18.5km/L(43.5mpg)
100km燃費 6.4L/100km
KF型NAエンジン諸元と性能
直列3気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に3個配置する方式。小排気量のスタンダード。
直列3気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税(6000円)、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税(6600円/年)と自賠責保険料(12850円/年)、年間1万km走行した際に掛かる燃料代月額4000円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、ハイゼット トラックの新車を118.9万円(諸費用として15.5万円を加算)にて購入し、頭金なしで2年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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新車で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 軽貨物車 13年未満 6000円
自動車重量税(1年分) 2トン以下 13年未満 6600円
自賠責保険料(1年分) 軽貨物車 12850円
燃料代(年間1万km) 10000km÷15.6km/L×170円/L 108970円
オイル交換(5000km毎) 1回3000円×2回 6000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本4000円×4本÷5年 3200円
任意保険料(月額4000円) 月額4000円×12ヶ月 48000円
ローン完済後の年間維持費 191620円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額49550円×12ヶ月 594600円
ローン返済中の年間維持費 786220円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分+検査手数料等3000円程度 22450円
名目 金額
自動車税(1年分) 6000円
自動車重量税(1年分) 6600円
自賠責保険料(1年分) 12850円
燃料代(年間1万km) 108970円
オイル交換(5000km毎) 6000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 3200円
任意保険料(月額4000円) 48000円
ローン完済後の年間維持費 191620円
名目 金額
車のローン額(1年分) 594600円
ローン返済中の年間維持費 786220円
次回車検費用の積み立て目安
重量税1年分+自賠責12ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
22450円
  • 初度登録から3年経過車の場合、自動車税の区分は「軽貨物車の13年未満」で税額は6000円、重量税の区分は「車両総重量2トン以下の13年未満」で税額は3300円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに3000円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本4000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額4000円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増→15%増)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 車検時には上記の目安金額22,450円の他に法定12ヶ月点検に関連する費用が必要です。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。

ハイゼット トラック【Standard】の場合、維持費の月額は16000円(ローン完済前は65600円)になり、これは今にも壊れそうな格安車、あるいは維持費の安さに全てを懸けたスペシャルマシンから少しステップアップしたクラスになります。

「廉価車にしか乗れなかった自分が、ついにこれだけの維持費が掛かる車を所有できるようになったのだ、新しい自分になれたのだ。あの頃のアタシ、サヨナラ…」とかいう謎のカタルシスに浸りつつ、はるか高みで微笑む理想の自分に近付けるよう自分磨きに邁進しましょう。車としての維持費は安いほうで使い勝手も申し分のない、バランスの取れたクラスです。


燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、レギュラーガソリン1リットルあたり170円を基準として、-50円となる120円から、+50円となる220円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費15.6km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
120円/L
76940円
[-32030円]
-25円
145円/L
92960円
[-16010円]
-10円
160円/L
102580円
[-6390円]
170円/L108970円
[0円]
+10円
180円/L
115400円
[+6430円]
+25円
195円/L
125020円
[+16050円]
+50円
220円/L
141050円
[+32080円]

燃費15.6km/LのS510P型 ハイゼット トラックで10000km走行するのに必要な燃料は641.1L、1リットルあたり170円としたときの燃料代は108970円になります。

参考までに、ハイゼット トラックの燃料タンクは34リットルですので、641.1Lの給油回数は19回、1回あたりの燃料代は約5740円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては6430円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると16050円、50円も違ってくると32080円にもなります。

これをS510P型 ハイゼット トラックの年間維持費に当てはめてみますと、レギュラーガソリン1リットルあたり170円の場合を191620円としたとき、120円/Lに値下がりすれば159590円(83.3%)に、220円/Lに値上がりすれば223700円(116.7%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(6000円)なり重量税(6600円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなれば燃料代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 6000円 6%
自動車重量税 1年分 6600円 6%
自賠責保険料 1年分 12850円 13%
燃料代 3000km分 32690円 32%
オイル交換 年1回 3000円 3%
タイヤ交換 6年毎 2130円 2%
任意保険料 80% 38400円 38%
合計
[1万kmとの差額]
101670円
-89950円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 6000円 5%
自動車重量税 1年分 6600円 5%
自賠責保険料 1年分 12850円 10%
燃料代 5000km分 54490円 43%
オイル交換 年1回 3000円 2%
タイヤ交換 6年毎 2130円 2%
任意保険料 85% 40800円 33%
合計
[1万kmとの差額]
125870円
-65750円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 6000円 4%
自動車重量税 1年分 6600円 4%
自賠責保険料 1年分 12850円 8%
燃料代 7000km分 76280円 50%
オイル交換 年1回 4200円 3%
タイヤ交換 6年毎 2130円 1%
任意保険料 90% 43200円 30%
合計
[1万kmとの差額]
151260円
-40360円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、燃料代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料48000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて89950円安い101670円に、5000km走行では65750円安い125870円に、7000km走行では40360円安い151260円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。燃料代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 6000円 2%
自動車重量税 1年分 6600円 3%
自賠責保険料 1年分 12850円 5%
燃料代 15000km分 163460円 63%
オイル交換 年3回 18000円 7%
タイヤ交換 2.7年毎 4800円 2%
任意保険料 100% 48000円 18%
合計
[1万kmとの差額]
259710円
+68090円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 6000円 2%
自動車重量税 1年分 6600円 2%
自賠責保険料 1年分 12850円 4%
燃料代 20000km分 217940円 68%
オイル交換 年4回 24000円 7%
タイヤ交換 2年毎 6400円 2%
任意保険料 100% 48000円 15%
合計
[1万kmとの差額]
321790円
+130170円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。


【WLTC特典】市街地・郊外・高速道路の走行比率を変えるとどうなるの?

ひとくちにWLTCモード燃費と言いましても、信号や渋滞があるノロノロ道路の走行を想定した市街地モード(13.9km/L)、信号や渋滞が少ないスイスイ道路の走行を想定した郊外モード(17.1km/L)、高速道路の走行を想定した高速道路モード(15.6km/L)という3つの走行パターンを内包してありまして、これらを「平均的な使用時間配分」なるもので構成したのがWLTCモード燃費(15.6km/L)ということになります。

ここでは年間走行距離を10000kmとして市街地、郊外、高速道路の走行比率を変えてみたとき、WLTCモード燃費での燃料代108970円からどのように変化するかを見ていきたいと思います。

  • 1リットル170円として計算。
  • []内の金額は低燃費タイヤ(エコタイヤ)装着で燃費が3%向上すると仮定した場合の燃料代。
    「差額で元が取れるかな?どうかな?」という、なかなかに絶妙なラインです。
参考:燃費が3%向上すると…?
市街地13.9km/L → 14.3km/L
郊外17.1km/L → 17.6km/L
高速道路15.6km/L → 16.1km/L

●例1:都市部にお住まい

まず最初に、市街地の住まいを想定して、走行の大半を市街地(90%)、たまに郊外へお買い物(5%)、稀に高速道路に乗ってどこか遠くへ…(5%)という場合で見てみます。

市街地90%・郊外5%・高速5%
市街地9000km110080円
[107000円]
郊外500km4960円
[4830円]
高速道路500km5460円
[5290円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
120500円
+11530円
14.1km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
117120円
-3380円
14.5km/L
  • 市街地走行の燃料代
    市街地の走行を9000kmとするとき、市街地モード燃費が13.9km/Lでは647.5Lを消費して、燃料代は110080円になります。
  • 郊外走行の燃料代
    郊外の走行を500kmとするとき、郊外モード燃費が17.1km/Lでは29.2Lを消費して、燃料代は4960円になります。
  • 高速道路走行の燃料代
    高速道路の走行を500kmとするとき、高速道路モード燃費が15.6km/Lでは32.1Lを消費して、燃料代は5460円になります。

このパターンでは使用した燃料量が708.8L、かかった燃料代が120500円となり、平均燃費は14.1km/L(-1.5km/L)、WLTCモード燃費との燃料代の差は+11530円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着で燃費が3%アップするとして、同じ条件で走行すると燃料代は117120円となり、3380円安くなります。車検2回ごとにタイヤ交換するとき、寿命までの5年間で16900円の経費削減になる計算です。純正タイヤとエコタイヤの差額がこれ以上ならお得、以下なら…?

●例2:市街地と郊外を行き来

次に、とにかく市街地と郊外を行ったり来たりする条件を想定して、市街地の走行を50%、郊外の走行を50%、高速道路は走行しない場合を見てみます。

市街地50%・郊外50%・高速0%
市街地5000km61150円
[59450円]
郊外5000km49710円
[48300円]
高速道路0km0円
[0円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
110860円
+1890円
15.3km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
107750円
-3110円
15.8km/L
  • 市街地走行の燃料代
    市街地の走行を5000kmとするとき、市街地モード燃費が13.9km/Lでは359.7Lを消費して、燃料代は61150円になります。
  • 郊外走行の燃料代
    郊外の走行を5000kmとするとき、郊外モード燃費が17.1km/Lでは292.4Lを消費して、燃料代は49710円になります。

このパターンでは使用した燃料量が652.1L、かかった燃料代が110860円となり、平均燃費は15.3km/L(-0.3km/L)、WLTCモード燃費との燃料代の差は+1890円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着では燃料代が107750円となり、1年間で3110円、5年間で15550円の経費削減になる計算です。

●例3:市街地・郊外・高速道路をMix

続いて、都市部に住んでいて郊外の職場へ通勤、あるいは郊外に住んでいて都市部の職場へ通勤、高速利用もバッチリ!という感じでシミュレーションしてみます。

市街地33.3%・郊外33.4%・高速33.3%
市街地3330km40730円
[39590円]
郊外3340km33200円
[32270円]
高速道路3330km36300円
[35160円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
110230円
+1260円
15.4km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
107020円
-3210円
15.9km/L
  • 市街地走行の燃料代
    市街地の走行を3330kmとするとき、市街地モード燃費が13.9km/Lでは239.6Lを消費して、燃料代は40730円になります。
  • 郊外走行の燃料代
    郊外の走行を3340kmとするとき、郊外モード燃費が17.1km/Lでは195.3Lを消費して、燃料代は33200円になります。
  • 高速道路走行の燃料代
    高速道路の走行を3330kmとするとき、高速道路モード燃費が15.6km/Lでは213.5Lを消費して、燃料代は36300円になります。

このパターンでは使用した燃料量が648.4L、かかった燃料代が110230円となり、平均燃費は15.4km/L(-0.2km/L)、WLTCモード燃費との燃料代の差は+1260円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着では燃料代が107020円となり、1年間で3210円、5年間で16050円の経費削減になる計算です。

●例4:農村部にお住まい

最後に、びっくりするほど田舎な住まいを想定して、市街地の走行を5%、郊外の走行を90%、高速道路の走行を5%とした場合を見てみます。

市街地5%・郊外90%・高速5%
市街地500km6120円
[5950円]
郊外9000km89470円
[86940円]
高速道路500km5460円
[5290円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
101050円
-7920円
16.8km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
98180円
-2870円
17.3km/L
  • 市街地走行の燃料代
    市街地の走行を500kmとするとき、市街地モード燃費が13.9km/Lでは36.0Lを消費して、燃料代は6120円になります。
  • 郊外走行の燃料代
    郊外の走行を9000kmとするとき、郊外モード燃費が17.1km/Lでは526.3Lを消費して、燃料代は89470円になります。
  • 高速道路走行の燃料代
    高速道路の走行を500kmとするとき、高速道路モード燃費が15.6km/Lでは32.1Lを消費して、燃料代は5460円になります。

このパターンでは使用した燃料量が594.4L、かかった燃料代が101050円となり、平均燃費は16.8km/L(+1.2km/L)、WLTCモード燃費との燃料代の差は-7920円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着では燃料代が98180円となり、1年間で2870円、5年間で14350円の経費削減になる計算です。

以上、極端な条件でのシミュレーションではありますが、走行シチュエーションによって平均燃費は変わり(14.1km/L・15.3km/L・15.4km/L・16.8km/L)、燃料代のほうもなかなかな違い(120500円・110860円・110230円・101050円)が出てくることがわかります。


市街地・郊外・高速道路の満タン航続距離

各モード燃費と航続距離
WLTCモード燃費
15.6km/L
530.4km
市街地燃費
13.9km/L
472.6km
[-57.8km]
郊外燃費
17.1km/L
581.4km
[+51.0km]
高速道路燃費
15.6km/L
530.4km
[0.0km]

WLTCモード燃費には市街地モード・郊外モード・高速道路モードという3つの走行パターンが内包されておりますので、参考までにそれぞれのモード燃費で燃料タンクが空になるまで走行した場合の満タン航続距離を計算してみます。

燃料タンクの容量を34Lとしたとき、市街地モード燃費13.9km/Lでの航続距離は472.6km(-57.8km)、郊外モード燃費17.1km/Lでの航続距離は581.4km(+51.0km)、高速道路モード燃費15.6km/Lでの航続距離は530.4km(0.0km)となります。

ある特定のシチュエーションのみを、燃料タンクが空になるまで走行することはなかなかありませんが、「その気になればこのくらいの距離を走れちゃうんだぜ!」という参考データだけは持っておくと、次回の給油回数削減チャレンジでギリギリのラインを狙っていくのに役立つ、かもしれません。


ハイゼット トラックの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
WLTCモード燃費 15.6km/L
燃料タンク容量 34L
航続距離(カタログ燃費) 530.4km
航続距離(80%燃費) 425.0km
満タンプライス 5780円
1km走行コスト 10.90円
1万円でどこまで行ける? 917.6km
車両価格/航続距離 1949円/km

WLTCモード燃費が15.6km/L、燃料タンク容量34リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は530.4kmになります。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(14.0km/L)とすると476.0km、80%(12.5km/L)だと425.0km、70%(10.9km/L)では370.6kmという航続距離になります。

燃料タンクに1滴の燃料もないスッカラカンの状態から満タンにしたときの金額を計算してみますと、レギュラーガソリンを1リットルあたり170円で34リットルの給油をすると5780円、上で計算した航続距離を踏まえると530.4km(80%燃費時425.0km)を走行するのに5780円かかる計算です。

燃費を15.6km/Lとしたときの1km走行コストは10.90円、10万km走行したときの燃料代は109.0万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら10.9万円/年、7年10万kmなら15.6万円/年、5年10万kmなら21.8万円/年、3年10万kmなら36.3万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば917.6km(往復なら片道458.8km)、カタログ値の80%なら734.1km(片道367.1km)離れたところまで行くことができます。

ちなみに、1回の給油で530.4kmの距離を移動できるS510P型 ハイゼット トラック [Standard]という乗り物を、103.4万円で手に入れたと考えたとき、この車が1km走行するにあたっては「1949円の値打ちがある!」と言える、かもしれません。


カタログデータから見えてくる要素

KF型エンジン簡易性能曲線図
KF型エンジン性能曲線図もどき
各回転域での馬力
4000回転時の馬力 34PS
5700回転時の馬力 46PS
各回転域でのトルク
4000回転時のトルク 6.1kgm
5700回転時のトルク 5.8kgm
KF型NAエンジンの性能

まずおさらいとして、搭載しているKF型658cc、直列3気筒の自然吸気エンジンは5700回転時に最高出力46馬力を、4000回転時に最大トルク6.1kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、最大トルクと最高出力の発生回転数が程よく近いこのエンジンは、高めの回転数が得意なタイプのエンジンです。日常での使い勝手をある程度は確保しつつ、高回転のパワー感もしっかり伴う雰囲気の良さが自慢です。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する4000rpmから最高出力が発生する5700rpmまで」の1700rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は29.8%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
軽自動車クラス編
ダイハツの軽自動車編
最大トルク ランキング リスト
軽自動車クラス編
ダイハツの軽自動車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ17.609kg/PS(810kg/46PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ17.609kg/PS
車体+1人18.804kg/PS
車体+2人20.000kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg18.913kg/PS
車体+70kg19.130kg/PS
車体+80kg19.348kg/PS
車体+90kg19.565kg/PS
車体+100kg19.783kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは18.804kg/PS(865kg/46PS)となり、数値としては1.195kg、比率にすると6.8%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの2人が搭乗した場合、車両重量に110kgがプラスされてパワーウェイトレシオは20.000kg/PS(920kg/46PS)となり、数値としては2.391kg、比率にすると13.6%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。


S510P ハイゼット トラックのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2021/12

-
ハイゼット トラック
18.804kg/PS
865kg/46PS|0.7L-NA
[車体のみPWR:17.609]
2010/08

車種詳細
eKワゴン
18.700kg/PS
935kg/50PS|0.7L-NA
車体のみPWR:17.600
1992/09

車種詳細
ドミンゴ
18.942kg/PS
985kg/52PS|1.2L-NA
車体のみPWR:17.885
2013/10

車種詳細
タント
18.750kg/PS
975kg/52PS|0.7L-NA
車体のみPWR:17.692
2006/11

車種詳細
R1
18.804kg/PS
865kg/46PS|0.7L-NA
車体のみPWR:17.609
2010/11

車種詳細
ライフ
18.750kg/PS
975kg/52PS|0.7L-NA
車体のみPWR:17.692

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ18.804kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

18.616kg/PSから18.992kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、三菱の4人乗り軽ミニバン「H82W型 eKワゴン」、スバルの7人乗り1BOX「KJ8型 ドミンゴ」、ダイハツの4人乗り軽ミニバン「LA600S型 タント」、スバルの4人乗り軽ハッチバック「RJ1型 R1」、ホンダの4人乗り軽ミニバン「JC2型 ライフ」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

S510P型 ハイゼット トラック [Standard]とパワーウェイトレシオが近い車種|18.804kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は56.8PS/tとなっています。


ハイゼット トラックがバイクと競争するなら…?


車種詳細
リード|107cc
18.778kg/PS
169kg/9.0PS/0.95kgm
[車体のみPWR:12.667]
1速ギヤ速度:25.1km/h
最小TWR:1.067
2021/12

-
ハイゼット トラック|658cc
18.804kg/PS
865kg/46PS/6.1kgm
[車体のみPWR:17.609]
1速ギヤ速度:21.3km/h
最小TWR:1.318

車種詳細
ディオ110|107cc
18.810kg/PS
158kg/8.4PS/0.89kgm
[車体のみPWR:12.262]
1速ギヤ速度:30.1km/h
最小TWR:1.120

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではハイゼット トラックとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

JF19 リードと競争してみる

まずハイゼット トラックより少しPWRが低いバイクとして、ホンダのリードが挙げられます。PWRの18.778kg/PSは車両重量114kgにライダーの体重55kgを加えた169kgを、最高出力9.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はリードに3.8km/h劣り、1速TWRは0.251kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

JF31 ディオ110と競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、ホンダのディオ110が挙げられます。PWRの18.810kg/PSは車両重量103kg+55kgの158kgを、最高出力8.4PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は8.8km/h劣り、1速TWRは0.198kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.458
平均ピストンスピード 13.38m/s
トルクウェイトレシオ 132.79kg/kgm
1馬力あたりのお値段 22478円
排気量1Lあたり馬力 69.90PS/L
排気量1Lあたりトルク 9.27kgm/L
1気筒あたりの馬力 15.3PS
1気筒あたりのトルク 2.0kgm
パワーバンド比率 29.8%
燃費×馬力 717.6pt
各種ランキング
ミニバン・1BOXのPWR
軽自動車のPWR(ターボ)

トルクウェイトレシオは132.79kg/kgm(810kg/6.1kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が1034000円、最高出力が46馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は22478円、逆に1万円あたりでは0.44馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は169508円、1万円あたりでは0.06kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
ダイハツ編
軽自動車編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は69.90PS/L、トルクは9.27kgm/L、1気筒あたりの馬力は15.3馬力、トルクは2.0kgmとなり、このエンジンが46馬力を5700回転で発生させているときの平均ピストンスピードは13.38m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が70.4mmであるKF型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は8520回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.458になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、真っ直ぐ進むよりも小回りを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が15.6km/L、最高出力が46PSであるこの車の獲得ポイントは717.6ptになります。
戯れに車両重量810kgを100kg単位にした8.1で割ってみたところ、その数値は88.59ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)



ハイゼット トラックでの車中泊

荷室寸法
荷室長 1.940m
荷室幅 1.410m
荷室高 0.285m
対角線の長さ 2.398m
荷室の床面積 2.735m²
荷室の容積 5.033m³

商用車(貨物車・バン)は乗用車とは違ってカタログに荷室寸法が明記されておりますので、ここではその寸法を使って車中泊の可能性を探ってみます。

貨物車は荷物がたくさん積めてこそ、フルフラットな荷室があってこそという性質を持った車ですから、車中泊の適性は非常に高いものと思われます。

縦方向の長さが1.940m(対角線では2.398m)などという破格のクラスになると、これはもう四の五の言わず車に住むべきです。

コンパネを1枚そのままポンと置ける長さと幅を持ち得るならば、ベッドを作り、棚を置き、ポータブルな電源を用意すれば立派な移動式住居の完成です。さあ新天地へと旅立ちましょう。
車中泊にあると嬉しいアイテム

ハイゼット トラックのスペース効率

車体の大きさと荷室の広さの比率
全長に対する荷室長の比率
1.940m÷3.395m
57.1%
全幅に対する荷室幅の比率
1.410m÷1.475m
95.6%
全高に対する荷室高の比率
0.285m÷1.780m
16.0%
車体に対する荷室の比率
5.033m³÷8.914m³
56.5%

貨物車は貨物車であるがゆえに、いかに効率よく大量に荷物を載せ、運搬できるかが重視されます。これはかつて、ある自動車メーカーが標榜したMM思想、いわゆる「マン・マキシマム&メカ・ミニマム」の精神を感じさせ、言うなれば「荷室を最大限に、人と機械は最小限に」ってなものです。

というわけで、荷室の各寸法と車体の各寸法の比率がどの程度であるかを見てみます。己の全てを荷室に捧げるバンは快適性に媚を売るそこらの軟弱乗用車とは違い、ペラペラ内装と紙装甲こそがアイデンティティであり、ドアを閉めればバァン!と轟音を響かせて(バンだけに)アピールしてくるほどですから、かなりの数値が期待ができます。

荷室長の比率は荷室長1.940m÷全長3.395mで57.1%、荷室幅の比率は荷室幅1.410m÷全幅1.475mで95.6%、荷室高の比率は荷室高0.285m÷全高1.780mで16.0%、荷室の比率は荷室容積5.033m³÷車体体積8.914m³で56.5%となりました。

荷室幅と荷室高の比率が50%を超えるのは珍しい話ではありませんが、荷室長の57.1%は立派なものです。これぞバン、まさにバン、THE KING OF VANと言えましょう。


ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合5700rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした6200回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 6200rpm|タイヤサイズ 145/80R12|タイヤ直径 53.7cm|円周長 168.7cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
6200rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 4.059 27.06 -
-
23km/h 26730rpm 614.7kgm
2速 2.389 15.93 0.589 1-2/
3650rpm
39km/h 15730rpm 361.8kgm
3速 1.636 10.91 0.685 2-3/
4250rpm
58km/h 10770rpm 247.8kgm
4速 1.000 6.67 0.611 3-4/
3790rpm
94km/h 6590rpm 151.4kgm
5速 0.742 4.95 0.742 4-5/
4600rpm
127km/h 4890rpm 112.4kgm
Final 6.666 レシオカバレッジ(変速比幅)5.470

ギヤの繋がりイメージ
S510P型ハイゼット トラック5MT車のギヤ比イメージ
  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数4000rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(6.666)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(6.1kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(6.666)÷タイヤの有効半径(0.2685m)で算出。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は5速ギヤの127km(5700rpmでは116.6km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

おまけ:5700rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

5700rpmでの速度と
シフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ21km/h-
2速ギヤ36km/h3360rpm
3速ギヤ53km/h3900rpm
4速ギヤ87km/h3480rpm
5速ギヤ117km/h4230rpm

S510P型ハイゼット トラックに搭載されたKF型658ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する5700rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

まず1速ギヤで5700rpmまで引っ張ると21km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は5700rpmから3360rpmまで落ち、そこから5700rpmまで加速を続けると速度は36km/h(+15km/h)になります。

3速ギヤでは3900rpmまで落ちて5700rpmで53km/h(+17km/h)に、4速ギヤでは3480rpmまで落ちて5700rpmで87km/h(+34km/h)に、5速ギヤでは4230rpmまで落ちて5700rpmで117km/h(+30km/h)という具合に加速していくイメージです。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが4000回転で最大トルク6.1kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば132.79kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(17.609kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと614.7kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(810kg)を1速ギヤの最大駆動力(614.7kgm)で割ってみると1.318kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する5700回転でのトルク(5.8kgm)からTWRを算出すると1.39kg/kgmとなり、4000-5700回転の回転域では1.318-1.39kg/kgmの間で推移することがわかります。


ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 10690 16040 21380 26730 32080 37420 48120
2速 6290 9440 12590 15730 18880 22030 28320
3速 4310 6460 8620 10770 12930 15080 19390
4速 2630 3950 5270 6590 7900 9220 11850
5速 1950 2930 3910 4890 5860 6840 8800
※赤い数字は暫定レブリミット(6200rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.742)を選択して時速100kmにて走行すると4890回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは2930回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは3420回転、一般的な高速道路の80km/hでは3910回転、100km/hでは4890回転、制限速度が120km/hになると5860回転、軽自動車の速度リミッターが働く140km/hでは6840回転になります。仮にリミッター解除で180km/hまで出たとすると8800回転まで回ります。

時速100kmでの巡航回転数が4000回転を超えてくるような車は、これはもう加速しか眼中にない純然たる競技車両であるとか、「とにもかくにもパワーがなくて高いギヤ比なんてとんでもない!」という貧相極まるエンジンを搭載しているとか、「時速60km出れば問題ない、だってバンだもの!」などという潔い割り切りをしている車以外にありえません。ここまで来ると「壊れるものなら壊れてみろ!」とエンジンに挑むくらいの覚悟がなければ愛せません。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 4 7 11 15 19 22 26 30
2速 6 13 19 25 32 38 44 51
3速 9 19 28 37 46 56 65 74
4速 15 30 46 61 76 91 106 121
5速 20 41 61 82 102 123 143 164

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(6200回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。


純正装着タイヤの145/80R12と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 145/80R12 | 直径 537mm

-20mm
幅125mm
-10mm
幅135mm
変更なし
幅145mm
+10mm
幅155mm
+20mm
幅165mm
-5%
75
扁平
125/75R12
36.7km/h
直径493mm
径差-44mm
135/75R12
37.8km/h
直径508mm
径差-29mm
145/75R12
39.0km/h
直径523mm
径差-14mm
155/75R12
40.1km/h
直径538mm
径差+1mm
165/75R12
41.2km/h
直径553mm
径差+16mm
0%
80
扁平
125/80R12
37.6km/h
直径505mm
径差-32mm
135/80R12
38.8km/h
直径521mm
径差-16mm
145/80R12
40.0km/h
537mm
0mm
155/80R12
41.2km/h
直径553mm
径差+16mm
165/80R12
42.4km/h
直径569mm
径差+32mm
+5%
85
扁平
125/85R12
38.6km/h
直径518mm
径差-19mm
135/85R12
39.9km/h
直径535mm
径差-2mm
145/85R12
41.1km/h
直径552mm
径差+15mm
155/85R12
42.4km/h
直径569mm
径差+32mm
165/85R12
43.6km/h
直径586mm
径差+49mm
+10%
90
扁平
125/90R12
39.5km/h
直径530mm
径差-7mm
135/90R12
40.8km/h
直径548mm
径差+11mm
145/90R12
42.2km/h
直径566mm
径差+29mm
155/90R12
43.5km/h
直径584mm
径差+47mm
165/90R12
44.8km/h
直径602mm
径差+65mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、125/85R12 、135/80R12、135/85R12 、145/75R12 あたりのタイヤがおすすめです。

145/80R12のタイヤ幅を125mmから175mmまで、扁平率を65%から95%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、145/80R12の適応サイズと性能の変化 [S510P型ハイゼット トラック編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
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S510P型ハイゼット トラック[0.66L-NA 4WD/5MT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト17.609kg/ps28.53
1速ギヤ加速性能1.318kg/kgm55.50
1L換算馬力69.90ps/L47.51
1L換算トルク9.27kgm/L47.56
WB/TR比1.45882.47
ワイド&ロー指数1.20727.20
前面の面積2.626m²49.95
最低地上高160mm47.72
スポーツ性能部門の得点386.44

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
WLTC燃費15.6km/L48.69
年間維持費191620円62.42
100kmh回転数4890rpm18.11
航続距離530.4km39.29
車の大きさ8.914m³39.96
室内の広さ5.033m³65.38
最小回転半径3.6m82.92
馬力単価22478円48.68
ユーティリティ部門の得点405.45

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した S510P型ハイゼット トラック[0.66L-NA 4WD/5MT] の総合得点は 791.89 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したS510P型ハイゼット トラック(4WD/5MT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全ての貨物車」、「軽自動車の貨物車」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

ハイゼット トラックの歴代モデル

11代目 S700V型 ハイゼット カーゴ
S700V ハイゼット カーゴは2021/12に登場した11代目モデル。参考車両の「Cruise-Turbo」は全長3395mm、全幅1475mm、全高1890mmの車体に、64PS/9.3kgmを発生するKF型658ccエンジンを搭載した4人乗り軽キャブバン。

10代目 S320V型 ハイゼット カーゴ
S320V ハイゼット カーゴは2004/12に登場した10代目モデル。参考車両の「Cruise-Turbo」は全長3395mm、全幅1475mm、全高1875mmの車体に、64PS/10.5kgmを発生するEF型659ccエンジンを搭載した4人乗り軽キャブバン。