JX20:6シリーズ グランツーリスモの性能と維持費 FR/8AT 826万円

このページでは、BMWの5ドア・5人乗りセダン、3代目の3DA-JX20型6シリーズ グランツーリスモ 623d Luxury G32【2019/07モデル・190PS/40.8kgm・FR/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

JX20 6シリーズ グランツーリスモ
販売期間:2011/02 - 2021/03

画像はBMWより引用
http://www.bmw.co.jp/
投稿:2021/08/30|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長5105mm×全幅1900mm×全高1540mm、排気量は1995ccであることから、大雑把に分類すると2.0リットルクラス(2000cc、自動車税は2.0L以下を適用)に属し、排気量は2000cc以下なれど、全長と全幅が5ナンバー枠を超えていることにより3ナンバー登録になります。車体が大きい割りに排気量が小さいものの、ターボによる過給のおかげで非力さを感じることはなさそうです。

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、後輪のみを駆動する、フロントエンジン・リヤドライブ方式(後輪駆動・FR・RWDとも)を採用しています。前輪は操舵、後輪は駆動と役割分担が異なることから優れたハンドリングを得られるとされ、運転の質を求める人々から絶大なる支持を集めます。高級車の代名詞的な駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が5105mmであるこの車の場合は「ラグジュアリー」(Luxury:4900mm超・Fセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


JX20型 6シリーズ グランツーリスモ [1995cc/190PS FR/8AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

3代目6シリーズ グランツーリスモの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2018/08
JX20S型
[630i Luxury G32]
2.0L-TB | FR/8AT
| 868.0万円
258PS
40.8kgm
14.3km/L
2018/08
JV30A型
[640i xDrive M-sport G32]
3.0L-TB | 4WD/8AT
| 1116.0万円
340PS
45.9kgm
10.9km/L
2013/01
6C44M型
[Gran-Coupe F13]
4.4L-TB | FR/7AT
| 1730.0万円
560PS
69.3kgm
-
3代目6シリーズ グランツーリスモの車両型式・グレード一覧【全14車種】
6シリーズ グランツーリスモの旧型モデル
2代目 EH50型M6 クーペ
EH50型M6 クーペは2005/09に登場した2代目モデル。参考車両の「BaseGrade E63」は全長4870mm、全幅1855mm、全高1370mmの車体に、507PS/53.0kgmを発生するS85B50型4999ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー BMW
車名&
グレード
6シリーズ グランツーリスモ
623d Luxury G32
その他 -
お値段 8260000円
車両型式 3DA-JX20
駆動方式
変速機
FR・後輪駆動(RWD,2WD)
8速AT・8速オートマ車
ドア/定員 5ドア/5名乗車
車体寸法 長5105×幅1900×高1540mm
軸距&
輪距
3070mm
前1620mm/後1625mm
最小半径 5.8m
最低高 140mm
タイヤ 前輪:245/45R19
後輪:275/40R19
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
車両重量 1860kg
エンジン諸元
原動機型式 B47D20B
気筒配列 直列4気筒
排気量1995cc
吸気方式 ターボ
最高出力 190PS[140kW]/4000rpm
最大トルク 40.8kgm[400Nm]/1750-2500rpm
使用燃料 軽油(ディーゼル燃料)
WLTC燃費 15.8km/L(37.2mpg)
JC08燃費 17.4km/L(40.9mpg)
100km燃費 6.3L/100km
B47D20B型エンジンの諸元と性能まとめ
直列4気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に4個配置する方式。小排気量から2.5Lあたりまでをカバー。
直列4気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税39500円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税16400円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かる軽油代月額5500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、2019/07モデルの6シリーズ グランツーリスモを5年落ちの中古で726.9万円にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    6シリーズ グランツーリスモの2019/07モデルの場合、2024年現在では5年が経過しているため、新車価格の80%である660.8万円に諸経費として66.1万円を足した726.9万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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2019年式を5年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 2000cc以下 11年未満 39500円
自動車重量税(1年分) 2.0トン以下 13年未満 16400円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
10000km÷15.8km/L×150円/L
7000km÷15.8km/L×150円/L
5000km÷15.8km/L×150円/L
3000km÷15.8km/L×150円/L
94940円
(66460円)
(47470円)
(28480円)
オイル交換(5000km毎) 1回5500円×2回 11000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本21000円×4本÷5年 16800円
任意保険料(月額5500円) 月額5500円×12ヶ月 66000円
ローン完済後の年間維持費 253500円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額121150円×12ヶ月 1453800円
ローン返済中の年間維持費 1707300円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分+検査手数料等3000円程度 53500円
名目 金額
自動車税(1年分) 39500円
自動車重量税(1年分) 16400円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
94940円
(66460円)
(47470円)
(28480円)
オイル交換(5000km毎) 11000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 16800円
任意保険料(月額5500円) 66000円
ローン完済後の年間維持費 253500円
名目 金額
車のローン額(1年分) 1453800円
ローン返済中の年間維持費 1707300円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
53500円
  • 初度登録から5年経過車の場合、「2000cc以下で11年未満」クラスの自動車税は39500円、「2.0トン以下で13年未満」クラスの自動車重量税は16400円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに5500円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本21000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額5500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした53500円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

お財布に厚みが増した勢いで少し色気を出して、自身の車にステータス性を欲すると月換算で2万円~3万円の間、年間にすると24万円~36万円のクラスです。6シリーズ グランツーリスモ【623d Luxury G32】の場合、維持費の月額は21200円(ローン完済前は142300円)になります。

口癖のように「もうちょっと維持費が安ければねえ…?」なんて呟くその姿は自慢げなようであり、しかし哀愁を帯びているようでもあり対応に困ります。より維持費の掛からない新しい車を買うほどではない、が、維持費のことを考えずにもいられない、そんなクラスです。全体から見るとこの辺りから面白味のある車が増えてくるイメージです。


燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、軽油(ディーゼル燃料)1リットルあたり150円を基準として、-50円となる100円から、+50円となる200円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費15.8km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
100円/L
63300円
[-31640円]
-25円
125円/L
79130円
[-15810円]
-10円
140円/L
88620円
[-6320円]
150円/L94940円
[0円]
+10円
160円/L
101280円
[+6340円]
+25円
175円/L
110780円
[+15840円]
+50円
200円/L
126600円
[+31660円]

燃費15.8km/LのJX20型 6シリーズ グランツーリスモで10000km走行するのに必要な燃料は633L、1リットルあたり150円としたときの燃料代は94940円になります。

参考までに、6シリーズ グランツーリスモの燃料タンクは66リットルですので、633Lの給油回数は10回、1回あたりの燃料代は約9500円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては6340円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると15840円、50円も違ってくると31660円にもなります。

これをJX20型 6シリーズ グランツーリスモの年間維持費に当てはめてみますと、軽油(ディーゼル燃料)1リットルあたり150円の場合を253500円としたとき、100円/Lに値下がりすれば221860円(87.5%)に、200円/Lに値上がりすれば285160円(112.5%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(39500円)なり重量税(16400円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなれば軽油代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 39500円 24%
自動車重量税 1年分 16400円 10%
自賠責保険料 1年分 8825円 5%
燃料代 3000km分 28480円 17%
オイル交換 年1回 5500円 3%
タイヤ交換 6年毎 11200円 7%
任意保険料 80% 52800円 34%
合計
[1万kmとの差額]
162800円
-90700円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 39500円 21%
自動車重量税 1年分 16400円 9%
自賠責保険料 1年分 8825円 5%
燃料代 5000km分 47470円 26%
オイル交換 年1回 5500円 3%
タイヤ交換 6年毎 11200円 6%
任意保険料 85% 56160円 30%
合計
[1万kmとの差額]
185100円
-68400円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 39500円 19%
自動車重量税 1年分 16400円 8%
自賠責保険料 1年分 8825円 4%
燃料代 7000km分 66460円 32%
オイル交換 年1回 7700円 4%
タイヤ交換 6年毎 11200円 5%
任意保険料 90% 59400円 28%
合計
[1万kmとの差額]
209500円
-44000円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、軽油代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料66000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて90700円安い162800円に、5000km走行では68400円安い185100円に、7000km走行では44000円安い209500円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。軽油代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 39500円 12%
自動車重量税 1年分 16400円 5%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 15000km分 142410円 43%
オイル交換 年3回 33000円 10%
タイヤ交換 2.7年毎 25200円 8%
任意保険料 100% 66000円 19%
合計
[1万kmとの差額]
331400円
+77900円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 39500円 10%
自動車重量税 1年分 16400円 4%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 20000km分 189880円 48%
オイル交換 年4回 44000円 11%
タイヤ交換 2年毎 33600円 8%
任意保険料 100% 66000円 17%
合計
[1万kmとの差額]
398300円
+144800円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。


【WLTC特典】市街地・郊外・高速道路の走行比率を変えるとどうなるの?

ひとくちにWLTCモード燃費と言いましても、信号や渋滞があるノロノロ道路の走行を想定した市街地モード(13.4km/L)、信号や渋滞が少ないスイスイ道路の走行を想定した郊外モード(14.8km/L)、高速道路の走行を想定した高速道路モード(18.0km/L)という3つの走行パターンを内包してありまして、これらを「平均的な使用時間配分」なるもので構成したのがWLTCモード燃費(15.8km/L)ということになります。

ここでは年間走行距離を10000kmとして市街地、郊外、高速道路の走行比率を変えてみたとき、WLTCモード燃費での軽油代94940円からどのように変化するかを見ていきたいと思います。

  • 1リットル150円として計算。
  • []内は低燃費タイヤ装着(エコタイヤ)で燃費が3%向上すると仮定した場合の軽油代。
    「差額で元が取れるかな?どうかな?」という、なかなかに絶妙なラインです。
参考:燃費が3%向上すると…?
市街地13.4km/L → 13.8km/L
郊外14.8km/L → 15.2km/L
高速道路18.0km/L → 18.5km/L

●例1:都市部にお住まい

まず最初に、市街地の住まいを想定して、走行の大半を市街地(90%)、たまに郊外へお買い物(5%)、稀に高速道路に乗ってどこか遠くへ…(5%)という場合で見てみます。

市街地90%・郊外5%・高速5%
市街地9000km100740円
[97830円]
郊外500km5070円
[4940円]
高速道路500km4170円
[4050円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
109980円
+15040円
13.6km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
106820円
-3160円
14.0km/L
  • 市街地走行の軽油代
    市街地の走行を9000kmとするとき、市街地モード燃費が13.4km/Lでは軽油671.6Lを消費して、軽油代は100740円になります。
  • 郊外走行の軽油代
    郊外の走行を500kmとするとき、郊外モード燃費が14.8km/Lでは軽油33.8Lを消費して、軽油代は5070円になります。
  • 高速道路走行の軽油代
    高速道路の走行を500kmとするとき、高速道路モード燃費が18.0km/Lでは軽油27.8Lを消費して、軽油代は4170円になります。

このパターンでは使用した燃料量が733.2L、かかった軽油代が109980円となり、平均燃費は13.6km/L(-2.2km/L)、WLTCモード燃費との軽油代の差は+15040円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着で燃費が3%アップするとして、同じ条件で走行すると軽油代は106820円となり、3160円安くなります。車検2回ごとにタイヤ交換するとき、寿命までの5年間で15800円の経費削減になる計算です。純正タイヤとエコタイヤの差額がこれ以上ならお得、以下なら…?

●例2:市街地と郊外を行き来

次に、とにかく市街地と郊外を行ったり来たりする条件を想定して、市街地の走行を50%、郊外の走行を50%、高速道路は走行しない場合を見てみます。

市街地50%・郊外50%・高速0%
市街地5000km55970円
[54350円]
郊外5000km50670円
[49340円]
高速道路0km0円
[0円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
106640円
+11700円
14.1km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
103690円
-2950円
14.5km/L
  • 市街地走行の軽油代
    市街地の走行を5000kmとするとき、市街地モード燃費が13.4km/Lでは373.1Lを消費して、軽油代は55970円になります。
  • 郊外走行の軽油代
    郊外の走行を5000kmとするとき、郊外モード燃費が14.8km/Lでは337.8Lを消費して、軽油代は50670円になります。

このパターンでは使用した燃料量が710.9L、かかった軽油代が106640円となり、平均燃費は14.1km/L(-1.7km/L)、WLTCモード燃費との軽油代の差は+11700円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着では軽油代が103690円となり、1年間で2950円、5年間で14750円の経費削減になる計算です。

●例3:市街地・郊外・高速道路をMix

続いて、都市部に住んでいて郊外の職場へ通勤、あるいは郊外に住んでいて都市部の職場へ通勤、高速利用もバッチリ!という感じでシミュレーションしてみます。

市街地33.3%・郊外33.4%・高速33.3%
市街地3330km37280円
[36200円]
郊外3340km33860円
[32960円]
高速道路3330km27750円
[27000円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
98890円
+3950円
15.2km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
96160円
-2730円
15.6km/L
  • 市街地走行の軽油代
    市街地の走行を3330kmとするとき、市街地モード燃費が13.4km/Lでは248.5Lを消費して、軽油代は37280円になります。
  • 郊外走行の軽油代
    郊外の走行を3340kmとするとき、郊外モード燃費が14.8km/Lでは225.7Lを消費して、軽油代は33860円になります。
  • 高速道路走行の軽油代
    高速道路の走行を3330kmとするとき、高速道路モード燃費が18.0km/Lでは185.0Lを消費して、軽油代は27750円になります。

このパターンでは使用した燃料量が659.2L、かかった軽油代が98890円となり、平均燃費は15.2km/L(-0.6km/L)、WLTCモード燃費との軽油代の差は+3950円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着では軽油代が96160円となり、1年間で2730円、5年間で13650円の経費削減になる計算です。

●例4:農村部にお住まい

最後に、びっくりするほど田舎な住まいを想定して、市街地の走行を5%、郊外の走行を90%、高速道路の走行を5%とした場合を見てみます。

市街地5%・郊外90%・高速5%
市街地500km5600円
[5430円]
郊外9000km91220円
[88820円]
高速道路500km4170円
[4050円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
100990円
+6050円
14.9km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
98300円
-2690円
15.3km/L
  • 市街地走行の軽油代
    市街地の走行を500kmとするとき、市街地モード燃費が13.4km/Lでは37.3Lを消費して、軽油代は5600円になります。
  • 郊外走行の軽油代
    郊外の走行を9000kmとするとき、郊外モード燃費が14.8km/Lでは608.1Lを消費して、軽油代は91220円になります。
  • 高速道路走行の軽油代
    高速道路の走行を500kmとするとき、高速道路モード燃費が18.0km/Lでは27.8Lを消費して、軽油代は4170円になります。

このパターンでは使用した燃料量が673.2L、かかった軽油代が100990円となり、平均燃費は14.9km/L(-0.9km/L)、WLTCモード燃費との軽油代の差は+6050円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着では軽油代が98300円となり、1年間で2690円、5年間で13450円の経費削減になる計算です。

以上、極端な条件でのシミュレーションではありますが、走行シチュエーションによって平均燃費は変わり(13.6km/L・14.1km/L・15.2km/L・14.9km/L)、軽油代のほうもなかなかな違い(109980円・106640円・98890円・100990円)が出てくることがわかります。


市街地・郊外・高速道路の満タン航続距離

各モード燃費と航続距離
WLTCモード燃費
15.8km/L
1042.8km
市街地燃費
13.4km/L
884.4km
[-158.4km]
郊外燃費
14.8km/L
976.8km
[-66.0km]
高速道路燃費
18.0km/L
1188.0km
[+145.2km]

WLTCモード燃費には市街地モード・郊外モード・高速道路モードという3つの走行パターンが内包されておりますので、参考までにそれぞれのモード燃費で燃料タンクが空になるまで走行した場合の満タン航続距離を計算してみます。

燃料タンクの容量を66Lとしたとき、市街地モード燃費13.4km/Lでの航続距離は884.4km(-158.4km)、郊外モード燃費14.8km/Lでの航続距離は976.8km(-66.0km)、高速道路モード燃費18.0km/Lでの航続距離は1188.0km(+145.2km)となります。

ある特定のシチュエーションのみを、燃料タンクが空になるまで走行することはなかなかありませんが、「その気になればこのくらいの距離を走れちゃうんだぜ!」という参考データだけは持っておくと、次回の給油回数削減チャレンジでギリギリのラインを狙っていくのに役立つ、かもしれません。


6シリーズ グランツーリスモの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
WLTCモード燃費 15.8km/L
燃料タンク容量 66L
航続距離(カタログ燃費) 1042.8km
航続距離(80%燃費) 831.6km
満タンプライス 9900円
1km走行コスト 9.49円
1万円でどこまで行ける? 1053.3km
車両価格/航続距離 7921円/km

WLTCモード燃費が15.8km/L、燃料タンク容量66リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は1042.8kmになります。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(14.2km/L)とすると937.2km、80%(12.6km/L)だと831.6km、70%(11.1km/L)では732.6kmという航続距離になります。

燃料タンクに1滴の燃料もないスッカラカンの状態から満タンにしたときの金額を計算してみますと、軽油(ディーゼル燃料)を1リットルあたり150円で66リットルの給油をすると9900円、上で計算した航続距離を踏まえると1042.8km(80%燃費時831.6km)を走行するのに9900円かかる計算です。

燃費を15.8km/Lとしたときの1km走行コストは9.49円、10万km走行したときの燃料代は94.9万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら9.5万円/年、7年10万kmなら13.6万円/年、5年10万kmなら19.0万円/年、3年10万kmなら31.6万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば1053.3km(往復なら片道526.7km)、カタログ値の80%なら842.7km(片道421.3km)離れたところまで行くことができます。

ちなみに、1回の給油で1042.8kmの距離を移動できるJX20型 6シリーズ グランツーリスモ [623d Luxury G32]という乗り物を、826.0万円で手に入れたと考えたとき、この車が1km走行するにあたっては「7921円の値打ちがある!」と言える、かもしれません。


カタログデータから見えてくる要素

B47D20B型エンジン簡易性能曲線図
B47D20B型エンジン性能曲線図もどき
各回転域での馬力
1750回転時の馬力 100PS
2500回転時の馬力 142PS
4000回転時の馬力 190PS
各回転域でのトルク
1750回転時のトルク 40.8kgm
2500回転時のトルク 40.8kgm
4000回転時のトルク 34.0kgm
B47D20B型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載しているB47D20型1995cc、直列4気筒のターボエンジンは4000回転時に最高出力190馬力を、1750-2500回転時に最大トルク40.8kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、低めの回転数から中間域にトルクのピークがあるこのエンジンは、街中での普段使いに心地よく、高回転もそれなりでバランスの取れたタイプです。多くの乗用車がこの特性に当て嵌まるのではないかと思います。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する1750rpmから最高出力が発生する4000rpmまで」の2250rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は56.2%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
2000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
2000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ9.789kg/PS(1860kg/190PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ9.789kg/PS
車体+1人10.079kg/PS
車体+5人11.237kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg10.105kg/PS
車体+70kg10.158kg/PS
車体+80kg10.211kg/PS
車体+90kg10.263kg/PS
車体+100kg10.316kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは10.079kg/PS(1915kg/190PS)となり、数値としては0.290kg、比率にすると3.0%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは11.237kg/PS(2135kg/190PS)となり、数値としては1.448kg、比率にすると14.8%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。


JX20 6シリーズ グランツーリスモのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2019/07

-
6シリーズ グランツーリスモ
10.079kg/PS
1915kg/190PS|2.0L-TB
[車体のみPWR:9.789]
2017/01

車種詳細
スイフト
10.165kg/PS
925kg/91PS|1.3L-NA
車体のみPWR:9.560
2013/12

車種詳細
ヴェゼル
10.038kg/PS
1325kg/132PS|1.5L-NA
車体のみPWR:9.621
2013/12

車種詳細
エクストレイル
10.170kg/PS
1495kg/147PS|2.0L-NA
車体のみPWR:9.796
2011/10

車種詳細
ヴィッツ G’s
10.000kg/PS
1090kg/109PS|1.5L-NA
車体のみPWR:9.495
2012/11

車種詳細
フォレスター
10.101kg/PS
1495kg/148PS|2.0L-NA
車体のみPWR:9.730

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ10.079kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

9.978kg/PSから10.180kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、スズキの5人乗りハッチバック「ZC83S型 スイフト」、ホンダの5人乗りSUV「RU3型 ヴェゼル」、日産の5人乗りSUV「T32型 エクストレイル」、トヨタの5人乗りハッチバック「NCP131型 ヴィッツ G’s」、スバルの5人乗りSUV「SJ5型 フォレスター」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

JX20型 6シリーズ グランツーリスモ [623d Luxury G32]とパワーウェイトレシオが近い車種|10.079kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は102.2PS/tとなっています。


6シリーズ グランツーリスモがバイクと競争するなら…?


車種詳細
トリシティ300|292cc
10.069kg/PS
292kg/29.0PS/3.00kgm
[車体のみPWR:8.172]
1速ギヤ速度:41.7km/h
最小TWR:1.204
2019/07

-
6シリーズ グランツーリスモ|1995cc
10.079kg/PS
1915kg/190PS/40.8kgm
[車体のみPWR:9.789]
1速ギヤ速度:32.8km/h
最小TWR:0.992

車種詳細
TW225E|223cc
10.111kg/PS
182kg/18.0PS/1.80kgm
[車体のみPWR:7.056]
1速ギヤ速度:32.3km/h
最小TWR:0.806

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここでは6シリーズ グランツーリスモとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

SH15J トリシティ300と競争してみる

まず6シリーズ グランツーリスモより少しPWRが低いバイクとして、ヤマハのトリシティ300が挙げられます。PWRの10.069kg/PSは車両重量237kgにライダーの体重55kgを加えた292kgを、最高出力29.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はトリシティ300に8.9km/h劣り、1速TWRは0.212kg勝る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

DG09J TW225Eと競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、ヤマハのTW225Eが挙げられます。PWRの10.111kg/PSは車両重量127kg+55kgの182kgを、最高出力18.0PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は0.5km/h勝り、1速TWRは0.186kg劣る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.892
平均ピストンスピード 12.00m/s
トルクウェイトレシオ 45.59kg/kgm
1馬力あたりのお値段 43474円
排気量1Lあたり馬力 95.20PS/L
排気量1Lあたりトルク 20.45kgm/L
1気筒あたりの馬力 47.5PS
1気筒あたりのトルク 10.2kgm
パワーバンド比率 56.2%
燃費×馬力 3002.0pt
各種ランキング
セダンのPWR
1.8~2.0Lターボ車のPWR

トルクウェイトレシオは45.59kg/kgm(1860kg/40.8kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が8260000円、最高出力が190馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は43474円、逆に1万円あたりでは0.23馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は202451円、1万円あたりでは0.05kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
2000cc以下の車編
セダン編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は95.20PS/L、トルクは20.45kgm/L、1気筒あたりの馬力は47.5馬力、トルクは10.2kgmとなり、このエンジンが190馬力を4000回転で発生させているときの平均ピストンスピードは12.00m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.892になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと真っ直ぐ進むことを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が15.8km/L、最高出力が190PSであるこの車の獲得ポイントは3002.0ptになります。
戯れに車両重量1860kgを100kg単位にした18.6で割ってみたところ、その数値は161.40ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)



6シリーズ グランツーリスモでの車中泊

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.79m
期待される荷室の幅 1.50m
対角線の長さ 2.34m
期待される荷室の面積 2.69m²

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

縦方向の長さが1.79m(対角線では2.34m)などという破格のクラスになると、これはもう四の五の言わず車に住むべきです。

これだけの車を所持できる素養は持ち得ているのですから、細かいことは気にせずあらゆる支配からの卒業を宣言し、信じられぬ大人との争いに終止符を打ちましょう。

セダンやクーペであっても後部座席の背もたれを取り外してトランクルームと貫通させて荷室長を確保すれば良いだけの話です。たまに背もたれを取り外してもトランクルームと繋がっていなかったり、頑強な補強バーが入っていて邪魔されることもありますが、恐らく稀なケースです。
車中泊にあると嬉しいアイテム


ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合4000rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした4500回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 4500rpm|タイヤサイズ 275/40R19|タイヤ直径 70.3cm|円周長 220.8cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
4500rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 5.250 16.15 -
-
37km/h 12190rpm 1875.1kgm
2速 3.360 10.34 0.640 1-2/
2880rpm
58km/h 7800rpm 1200.1kgm
3速 2.172 6.68 0.646 2-3/
2910rpm
89km/h 5040rpm 775.8kgm
4速 1.720 5.29 0.792 3-4/
3560rpm
113km/h 3990rpm 614.3kgm
5速 1.316 4.05 0.765 4-5/
3440rpm
147km/h 3060rpm 470.0kgm
6速 1.000 3.08 0.760 5-6/
3420rpm
194km/h 2320rpm 357.2kgm
7速 0.822 2.53 0.822 6-7/
3700rpm
236km/h 1910rpm 293.6kgm
8速 0.640 1.97 0.779 7-8/
3510rpm
303km/h 1490rpm 228.6kgm
Final 3.077 レシオカバレッジ(変速比幅)8.203

ギヤの繋がりイメージ
JX20型6シリーズ グランツーリスモ8AT車のギヤ比イメージ
  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数1750-2500rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.077)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(40.8kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.077)÷タイヤの有効半径(0.3515m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は8速ギヤの303km(4000rpmでは269.1km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

おまけ:4000rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

4000rpmでの速度と
シフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ33km/h-
2速ギヤ51km/h2560rpm
3速ギヤ79km/h2580rpm
4速ギヤ100km/h3170rpm
5速ギヤ131km/h3060rpm
6速ギヤ172km/h3040rpm
7速ギヤ210km/h3290rpm
8速ギヤ269km/h3120rpm

JX20型6シリーズ グランツーリスモに搭載されたB47D20型1995ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する4000rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

まず1速ギヤで4000rpmまで引っ張ると33km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は4000rpmから2560rpmまで落ち、そこから4000rpmまで加速を続けると速度は51km/h(+18km/h)になります。

3速ギヤでは2580rpmまで落ちて4000rpmで79km/h(+28km/h)に、4速ギヤでは3170rpmまで落ちて4000rpmで100km/h(+21km/h)に、5速ギヤでは3060rpmまで落ちて4000rpmで131km/h(+31km/h)になります。

続いて6速ギヤでは3040rpmまで落ちて4000rpmで172km/h(+41km/h)に、7速ギヤでは3290rpmまで落ちて4000rpmで210km/h(+38km/h)に、8速ギヤでは3120rpmまで落ちて4000rpmで269km/h(+59km/h)という具合に加速していくイメージです。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが1750-2500回転で最大トルク40.8kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば45.59kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(9.789kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと1875.1kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1860kg)を1速ギヤの最大駆動力(1875.1kgm)で割ってみると0.992kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する4000回転でのトルク(34.0kgm)からTWRを算出すると1.19kg/kgmとなり、1750-4000回転の回転域では0.992-1.19kg/kgmの間で推移することがわかります。


ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4880 7320 9750 12190 14630 17070 21950
2速 3120 4680 6240 7800 9360 10930 14050
3速 2020 3030 4040 5040 6050 7060 9080
4速 1600 2400 3200 3990 4790 5590 7190
5速 1220 1830 2450 3060 3670 4280 5500
6速 930 1390 1860 2320 2790 3250 4180
7速 760 1150 1530 1910 2290 2670 3440
8速 590 890 1190 1490 1780 2080 2680
※赤い数字は暫定レブリミット(4500rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.640)を選択して時速100kmにて走行すると1490回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは890回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1040回転、一般的な高速道路の80km/hでは1190回転、100km/hでは1490回転、制限速度が120km/hになると1780回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは2680回転まで回ります。

これほどまでに時速100kmでの巡航回転数が低ければ、(パワーさえ足りていれば)高速道路では向かうところ敵なしです。エンジンノイズによる疲れとは無縁の世界、ただひたすらに回り続けるエンジンのなんと頼もしいことでしょう。これに合わせてタイヤのロードノイズ、風きり音すらも完璧に抑え込まれていたならば、これはもはや完全無欠の高級車です。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 8 16 25 33 41 49 57 66
2速 13 26 38 51 64 77 90 103
3速 20 40 59 79 99 119 139 159
4速 25 50 75 100 125 150 175 200
5速 33 65 98 131 164 196 229 262
6速 43 86 129 172 215 258 301 344
7速 52 105 157 210 262 314 367 419
8速 67 135 202 269 336 404 471 538

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(4500回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。


純正装着タイヤの275/40R19と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 275/40R19 | 直径 703mm

-20mm
幅255mm
-10mm
幅265mm
変更なし
幅275mm
+10mm
幅285mm
+20mm
幅295mm
-5%
35
扁平
255/35R19
37.7km/h
直径662mm
径差-41mm
265/35R19
38.1km/h
直径669mm
径差-34mm
275/35R19
38.5km/h
直径676mm
径差-27mm
285/35R19
38.9km/h
直径683mm
径差-20mm
295/35R19
39.3km/h
直径690mm
径差-13mm
0%
40
扁平
255/40R19
39.1km/h
直径687mm
径差-16mm
265/40R19
39.5km/h
直径695mm
径差-8mm
275/40R19
40.0km/h
703mm
0mm
285/40R19
40.5km/h
直径711mm
径差+8mm
295/40R19
40.9km/h
直径719mm
径差+16mm
+5%
45
扁平
255/45R19
40.6km/h
直径713mm
径差+10mm
265/45R19
41.1km/h
直径722mm
径差+19mm
275/45R19
41.6km/h
直径731mm
径差+28mm
285/45R19
42.1km/h
直径740mm
径差+37mm
295/45R19
42.6km/h
直径749mm
径差+46mm
+10%
50
扁平
255/50R19
42.0km/h
直径738mm
径差+35mm
265/50R19
42.6km/h
直径748mm
径差+45mm
275/50R19
43.1km/h
直径758mm
径差+55mm
285/50R19
43.7km/h
直径768mm
径差+65mm
295/50R19
44.3km/h
直径778mm
径差+75mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、255/40R19 、265/35R19、265/40R19 、275/35R19 、285/35R19 、295/35R19あたりのタイヤがおすすめです。

275/40R19のタイヤ幅を255mmから305mmまで、扁平率を25%から55%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、275/40R19の適応サイズと性能の変化 [JX20型6シリーズ グランツーリスモ編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
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JX20型6シリーズ グランツーリスモ[2.0Lターボ FR/8AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト9.789kg/ps49.93
1速ギヤ加速性能0.992kg/kgm62.45
1L換算馬力95.20ps/L47.21
1L換算トルク20.45kgm/L64.25
WB/TR比1.89237.73
ワイド&ロー指数0.81155.92
前面の面積2.926m²41.52
最低地上高140mm55.85
スポーツ性能部門の得点414.86

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
WLTC燃費15.8km/L49.09
年間維持費253500円56.76
100kmh回転数1490rpm63.27
航続距離1042.8km69.22
車の大きさ14.937m³63.92
室内の広さ(仮) 2.709m³43.27
最小回転半径5.8m37.08
馬力単価43474円20.89
ユーティリティ部門の得点403.50

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した JX20型6シリーズ グランツーリスモ[2.0Lターボ FR/8AT] の総合得点は 818.36 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したJX20型6シリーズ グランツーリスモ(FR/8AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのセダン」、「2000ccのセダン」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

6シリーズ グランツーリスモの歴代モデル

3代目 6C44M型 M6
6C44M M6は2012/04に登場した3代目モデル。参考車両の「Gran-Coupe F13」は全長5015mm、全幅1900mm、全高1395mmの車体に、560PS/69.3kgmを発生するS63B44型4394ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

2代目 EK50型 M6 カブリオレ
EK50 M6 カブリオレは2005/09に登場した2代目モデル。参考車両の「Cabriolet E64」は全長4870mm、全幅1855mm、全高1370mmの車体に、507PS/53.0kgmを発生するS85B50型4999ccエンジンを搭載した4人乗りオープンカー。

初代 M6型 M6 クーペ
M6 M6 クーペは1976に登場した初代モデル。参考車両の「BaseGrade E24」は全長4815mm、全幅1740mm、全高1355mmの車体に、260PS/33.6kgmを発生するS38B35型3453ccエンジンを搭載した4人乗りクーペ。