F1DHUA:RS Q8の性能と維持費 4WD/8AT 1869万円 2021年式

このページでは、アウディの5ドア・5人乗りSUV、初代の3AA-F1DHUA型RS Q8 BaseGrade【2021/02モデル・600PS/81.6kgm・4WD/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

F1DHUA RS Q8
販売期間:2019/07 - 現行車

画像はアウディより引用
http://www.audi.co.jp/
投稿:2022/01/30|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長5010mm×全幅2000mm×全高1700mm、排気量は3996ccであることから、大雑把に分類すると4.0リットルクラス(4000cc、自動車税は4.0L以下を適用)に属し、全長、全幅、排気量ともに5ナンバー枠を超えていることにより完全無欠の3ナンバー登録車です。いわゆる【高級車】にカテゴライズされます。

駆動方式には車両に備わる全てのタイヤを駆動する、いわゆる四輪駆動(All Wheel Drive・AWD・Four Wheel Drive・4WDとも)を採用しています。真っ直ぐ進むことに掛けては右に出る者なしとされ、大雨、強風、泥濘、降雪、凍結など天変地異による悪天候下や悪路にて無類の強さを発揮する安心の駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が5010mmであるこの車の場合は「ラグジュアリー」(Luxury:4900mm超・Fセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


F1DHUA型 RS Q8 [3996cc/600PS 4WD/8AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

ギヤ比と加速・回転数と最高速

タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
ギヤ比と加速力&
エンジン回転数と最高速
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

初代RS Q8の類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
2023/11
F1CVMS型
[50 TDI quattro]
3.0L-TB | 4WD/8AT
| 1088.0万円
272PS
61.2kgm
11.5km/L
2023/07
F1DWRA型
[BaseGrade]
4.0L-TB | 4WD/8AT
| 1460.0万円
507PS
78.5kgm
7.5km/L
2023/04
F1DCBS型
[55 TFSI quattro]
3.0L-TB | 4WD/8AT
| 1108.0万円
340PS
51.0kgm
9.5km/L
初代RS Q8の車両型式・グレード一覧【全7車種】

主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー AUDI
車名&
グレード
RS Q8
BaseGrade
その他 ハイブリッド車
お値段 18690000円
車両型式 3AA-F1DHUA
駆動方式
変速機
4WD・四輪駆動(AWD)
8速AT・8速オートマ車
ドア/定員 5ドア/5名乗車
車体寸法 長5010×幅2000×高1700mm
軸距&
輪距
2995mm
前1685mm/後1695mm
最小半径 5.6m
最低高 205mm
タイヤ 前輪:295/35R23
後輪:295/35R23
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
車両重量 2410kg
エンジン諸元
原動機型式 DHU
気筒配列 V型8気筒+モーター
排気量3996cc
圧縮比9.7
吸気方式 ターボ
最高出力 600PS[441kW]/6000rpm
最大トルク 81.6kgm[800Nm]/2200-4500rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
WLTC燃費 7.1km/L(16.7mpg)
100km燃費 14.1L/100km
DHU型エンジンの諸元と性能まとめ
V型8気筒とは‥シリンダをV字型に交互で8個配置する方式。中?大排気量のスタンダード。モーターを組み合わせることでハイブリッドカーとなります。
これまでに登場したハイブリッドカーの一覧
V型8気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税65500円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税20500円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額7500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、RS Q8の新車を2149.4万円(諸費用として280.4万円を加算)にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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新車で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 4000cc以下 13年未満 65500円
自動車重量税(1年分) 2.5トン以下 13年未満 20500円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
10000km÷7.1km/L×180円/L
7000km÷7.1km/L×180円/L
5000km÷7.1km/L×180円/L
3000km÷7.1km/L×180円/L
253520円
(177460円)
(126760円)
(76060円)
オイル交換(5000km毎) 1回8000円×2回 16000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本36000円×4本÷5年 28800円
任意保険料(月額7500円) 月額7500円×12ヶ月 90000円
ローン完済後の年間維持費 483200円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額358230円×12ヶ月 4298760円
ローン返済中の年間維持費 4782000円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分+検査手数料等3000円程度 61700円
名目 金額
自動車税(1年分) 65500円
自動車重量税(1年分) 20500円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
253520円
(177460円)
(126760円)
(76060円)
オイル交換(5000km毎) 16000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 28800円
任意保険料(月額7500円) 90000円
ローン完済後の年間維持費 483200円
名目 金額
車のローン額(1年分) 4298760円
ローン返済中の年間維持費 4782000円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
61700円
  • 初度登録から3年経過車の場合、「4000cc以下で13年未満」クラスの自動車税は65500円、「2.5トン以下で13年未満」クラスの自動車重量税は20500円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに8000円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本36000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額7500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした61700円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

年間の維持費が50万円を超えてくると、これはもうこの車そのものが趣味の世界です。若しくは、これだけの維持費が掛かる車を所有していることに喜びを感じ、意義を見出しているのかもしれません。

名にし負うRS Q8ともなると、維持費は月額でさえ40300円(ローン完済前は398500円)という破格の金額になってしまうことを思えば、とてもじゃないけど新車で買って5年のローンを抱えながら乗るような車ではありません。清水の舞台から飛び降りる覚悟でご近所を一周して満足するか、盆栽としてガレージに飾っておくならまあ、あるいは…


燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり180円を基準として、-50円となる130円から、+50円となる230円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費7.1km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
130円/L
183110円
[-70410円]
-25円
155円/L
218320円
[-35200円]
-10円
170円/L
239450円
[-14070円]
180円/L253520円
[0円]
+10円
190円/L
267620円
[+14100円]
+25円
205円/L
288750円
[+35230円]
+50円
230円/L
323960円
[+70440円]

燃費7.1km/LのF1DHUA型 RS Q8で10000km走行するのに必要な燃料は1408.5L、1リットルあたり180円としたときの燃料代は253520円になります。

参考までに、RS Q8の燃料タンクは85リットルですので、1408.5Lの給油回数は17回、1回あたりの燃料代は約14920円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては14100円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると35230円、50円も違ってくると70440円にもなります。

これをF1DHUA型 RS Q8の年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり180円の場合を483200円としたとき、130円/Lに値下がりすれば412790円(85.4%)に、230円/Lに値上がりすれば553640円(114.6%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(65500円)なり重量税(20500円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 65500円 24%
自動車重量税 1年分 20500円 8%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 3000km分 76060円 28%
オイル交換 年1回 8000円 3%
タイヤ交換 6年毎 19200円 7%
任意保険料 80% 72000円 27%
合計
[1万kmとの差額]
270100円
-213100円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 65500円 20%
自動車重量税 1年分 20500円 6%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 5000km分 126760円 39%
オイル交換 年1回 8000円 2%
タイヤ交換 6年毎 19200円 6%
任意保険料 85% 76560円 24%
合計
[1万kmとの差額]
325400円
-157800円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 65500円 17%
自動車重量税 1年分 20500円 5%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 7000km分 177460円 46%
オイル交換 年1回 11200円 3%
タイヤ交換 6年毎 19200円 5%
任意保険料 90% 81000円 22%
合計
[1万kmとの差額]
383700円
-99500円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料90000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて213100円安い270100円に、5000km走行では157800円安い325400円に、7000km走行では99500円安い383700円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 65500円 10%
自動車重量税 1年分 20500円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 15000km分 380280円 58%
オイル交換 年3回 48000円 7%
タイヤ交換 2.7年毎 43200円 7%
任意保険料 100% 90000円 14%
合計
[1万kmとの差額]
656400円
+173200円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 65500円 8%
自動車重量税 1年分 20500円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 20000km分 507040円 62%
オイル交換 年4回 64000円 8%
タイヤ交換 2年毎 57600円 7%
任意保険料 100% 90000円 11%
合計
[1万kmとの差額]
813500円
+330300円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。


【WLTC特典】市街地・郊外・高速道路の走行比率を変えるとどうなるの?

ひとくちにWLTCモード燃費と言いましても、信号や渋滞があるノロノロ道路の走行を想定した市街地モード(4.6km/L)、信号や渋滞が少ないスイスイ道路の走行を想定した郊外モード(7.3km/L)、高速道路の走行を想定した高速道路モード(8.9km/L)という3つの走行パターンを内包してありまして、これらを「平均的な使用時間配分」なるもので構成したのがWLTCモード燃費(7.1km/L)ということになります。

ここでは年間走行距離を10000kmとして市街地、郊外、高速道路の走行比率を変えてみたとき、WLTCモード燃費でのガソリン代253520円からどのように変化するかを見ていきたいと思います。

  • 1リットル180円として計算。
  • []内は低燃費タイヤ装着(エコタイヤ)で燃費が3%向上すると仮定した場合のガソリン代。
    たった3%のようですが、もともとの燃費が…なため、お財布には劇的な効果があります。
参考:燃費が3%向上すると…?
市街地4.6km/L → 4.7km/L
郊外7.3km/L → 7.5km/L
高速道路8.9km/L → 9.2km/L

●例1:都市部にお住まい

まず最初に、市街地の住まいを想定して、走行の大半を市街地(90%)、たまに郊外へお買い物(5%)、稀に高速道路に乗ってどこか遠くへ…(5%)という場合で見てみます。

市街地90%・郊外5%・高速5%
市街地9000km352170円
[344680円]
郊外500km12330円
[12010円]
高速道路500km10120円
[9770円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
374620円
+121100円
4.8km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
366460円
-8160円
4.9km/L
  • 市街地走行のガソリン代
    市街地の走行を9000kmとするとき、市街地モード燃費が4.6km/Lではガソリン1956.5Lを消費して、ガソリン代は352170円になります。
  • 郊外走行のガソリン代
    郊外の走行を500kmとするとき、郊外モード燃費が7.3km/Lではガソリン68.5Lを消費して、ガソリン代は12330円になります。
  • 高速道路走行のガソリン代
    高速道路の走行を500kmとするとき、高速道路モード燃費が8.9km/Lではガソリン56.2Lを消費して、ガソリン代は10120円になります。

このパターンでは使用した燃料量が2081.2L、かかったガソリン代が374620円となり、平均燃費は4.8km/L(-2.3km/L)、WLTCモード燃費とのガソリン代の差は+121100円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着で燃費が3%アップするとして、同じ条件で走行するとガソリン代は366460円となり、8160円安くなります。車検2回ごとにタイヤ交換するとき、寿命までの5年間で40800円の経費削減になる計算です。純正タイヤとエコタイヤの差額がこれ以上ならお得、以下なら…?

●例2:市街地と郊外を行き来

次に、とにかく市街地と郊外を行ったり来たりする条件を想定して、市街地の走行を50%、郊外の走行を50%、高速道路は走行しない場合を見てみます。

市街地50%・郊外50%・高速0%
市街地5000km195660円
[191480円]
郊外5000km123280円
[120010円]
高速道路0km0円
[0円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
318940円
+65420円
5.6km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
311490円
-7450円
5.8km/L
  • 市街地走行のガソリン代
    市街地の走行を5000kmとするとき、市街地モード燃費が4.6km/Lでは1087.0Lを消費して、ガソリン代は195660円になります。
  • 郊外走行のガソリン代
    郊外の走行を5000kmとするとき、郊外モード燃費が7.3km/Lでは684.9Lを消費して、ガソリン代は123280円になります。

このパターンでは使用した燃料量が1771.9L、かかったガソリン代が318940円となり、平均燃費は5.6km/L(-1.5km/L)、WLTCモード燃費とのガソリン代の差は+65420円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着ではガソリン代が311490円となり、1年間で7450円、5年間で37250円の経費削減になる計算です。

●例3:市街地・郊外・高速道路をMix

続いて、都市部に住んでいて郊外の職場へ通勤、あるいは郊外に住んでいて都市部の職場へ通勤、高速利用もバッチリ!という感じでシミュレーションしてみます。

市街地33.3%・郊外33.4%・高速33.3%
市街地3330km130300円
[127530円]
郊外3340km82350円
[80150円]
高速道路3330km67360円
[65160円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
280010円
+26490円
6.4km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
272840円
-7170円
6.6km/L
  • 市街地走行のガソリン代
    市街地の走行を3330kmとするとき、市街地モード燃費が4.6km/Lでは723.9Lを消費して、ガソリン代は130300円になります。
  • 郊外走行のガソリン代
    郊外の走行を3340kmとするとき、郊外モード燃費が7.3km/Lでは457.5Lを消費して、ガソリン代は82350円になります。
  • 高速道路走行のガソリン代
    高速道路の走行を3330kmとするとき、高速道路モード燃費が8.9km/Lでは374.2Lを消費して、ガソリン代は67360円になります。

このパターンでは使用した燃料量が1555.6L、かかったガソリン代が280010円となり、平均燃費は6.4km/L(-0.7km/L)、WLTCモード燃費とのガソリン代の差は+26490円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着ではガソリン代が272840円となり、1年間で7170円、5年間で35850円の経費削減になる計算です。

●例4:農村部にお住まい

最後に、びっくりするほど田舎な住まいを想定して、市街地の走行を5%、郊外の走行を90%、高速道路の走行を5%とした場合を見てみます。

市街地5%・郊外90%・高速5%
市街地500km19570円
[19150円]
郊外9000km221920円
[216000円]
高速道路500km10120円
[9770円]
合計金額
WLTC燃費との差額
平均燃費
251610円
-1910円
7.2km/L
エコタイヤ合計金額
純正タイヤとの差額
平均燃費
244920円
-6690円
7.3km/L
  • 市街地走行のガソリン代
    市街地の走行を500kmとするとき、市街地モード燃費が4.6km/Lでは108.7Lを消費して、ガソリン代は19570円になります。
  • 郊外走行のガソリン代
    郊外の走行を9000kmとするとき、郊外モード燃費が7.3km/Lでは1232.9Lを消費して、ガソリン代は221920円になります。
  • 高速道路走行のガソリン代
    高速道路の走行を500kmとするとき、高速道路モード燃費が8.9km/Lでは56.2Lを消費して、ガソリン代は10120円になります。

このパターンでは使用した燃料量が1397.8L、かかったガソリン代が251610円となり、平均燃費は7.2km/L(+0.1km/L)、WLTCモード燃費とのガソリン代の差は-1910円という結果になりました。

低燃費タイヤ装着ではガソリン代が244920円となり、1年間で6690円、5年間で33450円の経費削減になる計算です。

以上、極端な条件でのシミュレーションではありますが、走行シチュエーションによって平均燃費は変わり(4.8km/L・5.6km/L・6.4km/L・7.2km/L)、ガソリン代のほうもなかなかな違い(374620円・318940円・280010円・251610円)が出てくることがわかります。


市街地・郊外・高速道路の満タン航続距離

各モード燃費と航続距離
WLTCモード燃費
7.1km/L
603.5km
市街地燃費
4.6km/L
391.0km
[-212.5km]
郊外燃費
7.3km/L
620.5km
[+17.0km]
高速道路燃費
8.9km/L
756.5km
[+153.0km]

WLTCモード燃費には市街地モード・郊外モード・高速道路モードという3つの走行パターンが内包されておりますので、参考までにそれぞれのモード燃費で燃料タンクが空になるまで走行した場合の満タン航続距離を計算してみます。

燃料タンクの容量を85Lとしたとき、市街地モード燃費4.6km/Lでの航続距離は391.0km(-212.5km)、郊外モード燃費7.3km/Lでの航続距離は620.5km(+17.0km)、高速道路モード燃費8.9km/Lでの航続距離は756.5km(+153.0km)となります。

ある特定のシチュエーションのみを、燃料タンクが空になるまで走行することはなかなかありませんが、「その気になればこのくらいの距離を走れちゃうんだぜ!」という参考データだけは持っておくと、次回の給油回数削減チャレンジでギリギリのラインを狙っていくのに役立つ、かもしれません。


RS Q8の燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
WLTCモード燃費 7.1km/L
燃料タンク容量 85L
航続距離(カタログ燃費) 603.5km
航続距離(80%燃費) 484.5km
満タンプライス 15300円
1km走行コスト 25.35円
1万円でどこまで行ける? 394.4km
車両価格/航続距離 30969円/km

WLTCモード燃費が7.1km/L、燃料タンク容量85リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は603.5kmになります。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(6.4km/L)とすると544.0km、80%(5.7km/L)だと484.5km、70%(5.0km/L)では425.0kmという航続距離になります。

燃料タンクに1滴の燃料もないスッカラカンの状態から満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり180円で85リットルの給油をすると15300円、上で計算した航続距離を踏まえると603.5km(80%燃費時484.5km)を走行するのに15300円かかる計算です。

燃費を7.1km/Lとしたときの1km走行コストは25.35円、10万km走行したときの燃料代は253.5万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら25.4万円/年、7年10万kmなら36.2万円/年、5年10万kmなら50.7万円/年、3年10万kmなら84.5万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば394.4km(往復なら片道197.2km)、カタログ値の80%なら315.6km(片道157.8km)離れたところまで行くことができます。

ちなみに、1回の給油で603.5kmの距離を移動できるF1DHUA型 RS Q8 [BaseGrade]という乗り物を、1869.0万円で手に入れたと考えたとき、この車が1km走行するにあたっては「30969円の値打ちがある!」と言える、かもしれません。


カタログデータから見えてくる要素

DHU型エンジン簡易性能曲線図
DHU型エンジン性能曲線図もどき
各回転域での馬力
2200回転時の馬力 251PS
4500回転時の馬力 513PS
6000回転時の馬力 600PS
各回転域でのトルク
2200回転時のトルク 81.6kgm
4500回転時のトルク 81.6kgm
6000回転時のトルク 71.6kgm
DHU型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載しているDHU型3996cc、V型8気筒+モーターのターボエンジンは6000回転時に最高出力600馬力を、2200-4500回転時に最大トルク81.6kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、アイドリングとそれほど変わらないような回転数から最大トルクが発生するこのエンジンは、坂道発進も平気の平左、MT車でもエンスト知らず、扱いやすさにかけては右に出るものがありません。ディーゼル車やダウンサイジングターボに多くあります。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する2200rpmから最高出力が発生する6000rpmまで」の3800rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は63.3%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
4000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
4000cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ4.017kg/PS(2410kg/600PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ4.017kg/PS
車体+1人4.108kg/PS
車体+5人4.475kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg4.117kg/PS
車体+70kg4.133kg/PS
車体+80kg4.150kg/PS
車体+90kg4.167kg/PS
車体+100kg4.183kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは4.108kg/PS(2465kg/600PS)となり、数値としては0.091kg、比率にすると2.3%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは4.475kg/PS(2685kg/600PS)となり、数値としては0.458kg、比率にすると11.4%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。


F1DHUA RS Q8のライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
2021/02

-
RS Q8
4.108kg/PS
2465kg/600PS|4.0L-TB
[車体のみPWR:4.017]
2015/12

車種詳細
Aクラス
4.239kg/PS
1615kg/381PS|2.0L-TB
車体のみPWR:4.094
2013/09

車種詳細
IS-F
4.058kg/PS
1745kg/430PS|5.0L-NA
車体のみPWR:3.930
2015/11

車種詳細
GS-F
3.952kg/PS
1885kg/477PS|5.0L-NA
車体のみPWR:3.836
1996/01

車種詳細
スカイラインGT-R
4.013kg/PS
1605kg/400PS|2.8L-TT
車体のみPWR:3.875
2002/11

車種詳細
コルベット クーペ
4.296kg/PS
1525kg/355PS|5.7L-NA
車体のみPWR:4.141

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ4.108kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

3.903kg/PSから4.313kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、メルセデスベンツの5人乗りハッチバック「176052型 Aクラス」、レクサスの4人乗りセダン「USE20型 IS-F」、レクサスの5人乗りセダン「URL10型 GS-F」、日産の4人乗りクーペ「BCNR33型 スカイラインGT-R」、シボレーの2人乗りクーペ「CY25E型 コルベット クーペ」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

F1DHUA型 RS Q8 [BaseGrade]とパワーウェイトレシオが近い車種|4.108kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は249.0PS/tとなっています。


RS Q8がバイクと競争するなら…?


車種詳細
Vストローム650XT|645cc
4.091kg/PS
270kg/66.0PS/6.00kgm
[車体のみPWR:3.258]
1速ギヤ速度:70.7km/h
最小TWR:0.763
2021/02

-
RS Q8|3996cc
4.108kg/PS
2465kg/600PS/81.6kgm
[車体のみPWR:4.017]
1速ギヤ速度:59.2km/h
最小TWR:0.773

車種詳細
ワルキューレ ツアラー|1520cc
4.140kg/PS
414kg/99.9PS/13.50kgm
[車体のみPWR:3.590]
1速ギヤ速度:66.0km/h
最小TWR:0.775

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではRS Q8とパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

VP56A Vストローム650XTと競争してみる

まずRS Q8より少しPWRが低いバイクとして、スズキのVストローム650XTが挙げられます。PWRの4.091kg/PSは車両重量215kgにライダーの体重55kgを加えた270kgを、最高出力66.0PSで割ったものです。

自動車であれバイクであれ、最も鋭い加速を見せるのは、最も低いギヤ比(変速比)のときですので、各々の1速ギヤ最高速と、1速ギヤかつ最大トルク発生時のトルクウェイトレシオを比べてみますと、1速ギヤ最高速はVストローム650XTに11.5km/h劣り、1速TWRは0.010kg劣る、という結果になりました。※1速TWRは車体のみの数値(今後の課題)

SC34 ワルキューレ ツアラーと競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、ホンダのワルキューレ ツアラーが挙げられます。PWRの4.140kg/PSは車両重量359kg+55kgの414kgを、最高出力99.9PSで割ったものです。こちらも同様に比べてみますと、1速ギヤ最高速は6.8km/h劣り、1速TWRは0.002kg勝る、という結果になりました。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.772
平均ピストンスピード 17.20m/s
トルクウェイトレシオ 29.53kg/kgm
1馬力あたりのお値段 31150円
排気量1Lあたり馬力 150.20PS/L
排気量1Lあたりトルク 20.42kgm/L
1気筒あたりの馬力 75.0PS
1気筒あたりのトルク 10.2kgm
パワーバンド比率 63.3%
燃費×馬力 4260.0pt
各種ランキング
SUV・RV・クロカンのPWR
3.5~4.0L以下のPWR

トルクウェイトレシオは29.53kg/kgm(2410kg/81.6kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が18690000円、最高出力が600馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は31150円、逆に1万円あたりでは0.32馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は229044円、1万円あたりでは0.04kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
4000cc以下の車編
5人乗りSUV編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は150.20PS/L、トルクは20.42kgm/L、1気筒あたりの馬力は75.0馬力、トルクは10.2kgmとなり、このエンジンが600馬力を6000回転で発生させているときの平均ピストンスピードは17.20m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が86.0mmであるDHU型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6980回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.772になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、走ってよし、曲がってよしで至れり尽くせりのオールラウンダーであると言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が7.1km/L、最高出力が600PSであるこの車の獲得ポイントは4260.0ptになります。
戯れに車両重量2410kgを100kg単位にした24.1で割ってみたところ、その数値は176.76ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)



RS Q8での車中泊

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.75m
期待される荷室の幅 1.60m
対角線の長さ 2.37m
期待される荷室の面積 2.80m²

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

縦方向の長さが1.75m(対角線では2.37m)などという破格のクラスになると、これはもう四の五の言わず車に住むべきです。

これだけの車を所持できる素養は持ち得ているのですから、細かいことは気にせずあらゆる支配からの卒業を宣言し、信じられぬ大人との争いに終止符を打ちましょう。

一見すると車中泊が可能そうに見えるハッチバックやワゴン、SUVであってもリアシートが前に倒れなかったり、倒れても中途半端であったり、凝った足回りのせいで室内に巨大な出っ張りがあったりで、なかなか思うようにはいきませんが、大抵のケースでは知恵と工夫で何とかなるはずです。
車中泊にあると嬉しいアイテム


ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合6000rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした6500回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 6500rpm|タイヤサイズ 295/35R23|タイヤ直径 79.1cm|円周長 248.5cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
6500rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 4.714 15.11 -
-
64km/h 10130rpm 3117.2kgm
2速 3.143 10.07 0.667 1-2/
4340rpm
96km/h 6760rpm 2078.3kgm
3速 2.106 6.75 0.670 2-3/
4360rpm
144km/h 4530rpm 1392.6kgm
4速 1.667 5.34 0.792 3-4/
5150rpm
181km/h 3580rpm 1102.3kgm
5速 1.285 4.12 0.771 4-5/
5010rpm
235km/h 2760rpm 849.7kgm
6速 1.000 3.21 0.778 5-6/
5060rpm
302km/h 2150rpm 661.3kgm
7速 0.839 2.69 0.839 6-7/
5450rpm
360km/h 1800rpm 554.8kgm
8速 0.667 2.14 0.795 7-8/
5170rpm
453km/h 1430rpm 441.1kgm
Final 3.205 レシオカバレッジ(変速比幅)7.067

ギヤの繋がりイメージ
F1DHUA型RS Q88AT車のギヤ比イメージ
  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
  • シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
  • 赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数2200-4500rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.205)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(81.6kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.205)÷タイヤの有効半径(0.3955m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は8速ギヤの453km(6000rpmでは418.5km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

おまけ:6000rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

6000rpmでの速度と
シフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ59km/h-
2速ギヤ89km/h4000rpm
3速ギヤ133km/h4020rpm
4速ギヤ167km/h4750rpm
5速ギヤ217km/h4630rpm
6速ギヤ279km/h4670rpm
7速ギヤ333km/h5030rpm
8速ギヤ418km/h4770rpm

F1DHUA型RS Q8に搭載されたDHU型3996ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する6000rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

まず1速ギヤで6000rpmまで引っ張ると59km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は6000rpmから4000rpmまで落ち、そこから6000rpmまで加速を続けると速度は89km/h(+30km/h)になります。

3速ギヤでは4020rpmまで落ちて6000rpmで133km/h(+44km/h)に、4速ギヤでは4750rpmまで落ちて6000rpmで167km/h(+34km/h)に、5速ギヤでは4630rpmまで落ちて6000rpmで217km/h(+50km/h)になります。

続いて6速ギヤでは4670rpmまで落ちて6000rpmで279km/h(+62km/h)に、7速ギヤでは5030rpmまで落ちて6000rpmで333km/h(+54km/h)に、8速ギヤでは4770rpmまで落ちて6000rpmで418km/h(+85km/h)という具合に加速していくイメージです。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが2200-4500回転で最大トルク81.6kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。


さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば29.53kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(4.017kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと3117.2kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(2410kg)を1速ギヤの最大駆動力(3117.2kgm)で割ってみると0.773kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する6000回転でのトルク(71.6kgm)からTWRを算出すると0.88kg/kgmとなり、2200-6000回転の回転域では0.773-0.88kg/kgmの間で推移することがわかります。


ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4050 6080 8110 10130 12160 14190 18240
2速 2700 4050 5400 6760 8110 9460 12160
3速 1810 2720 3620 4530 5430 6340 8150
4速 1430 2150 2870 3580 4300 5020 6450
5速 1100 1660 2210 2760 3310 3870 4970
6速 860 1290 1720 2150 2580 3010 3870
7速 720 1080 1440 1800 2160 2520 3250
8速 570 860 1150 1430 1720 2010 2580
※赤い数字は暫定レブリミット(6500rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.667)を選択して時速100kmにて走行すると1430回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは860回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1000回転、一般的な高速道路の80km/hでは1150回転、100km/hでは1430回転、制限速度が120km/hになると1720回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは2580回転まで回ります。

これほどまでに時速100kmでの巡航回転数が低ければ、(パワーさえ足りていれば)高速道路では向かうところ敵なしです。エンジンノイズによる疲れとは無縁の世界、ただひたすらに回り続けるエンジンのなんと頼もしいことでしょう。これに合わせてタイヤのロードノイズ、風きり音すらも完璧に抑え込まれていたならば、これはもはや完全無欠の高級車です。


ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 10 20 30 39 49 59 69 79
2速 15 30 44 59 74 89 104 118
3速 22 44 66 88 110 133 155 177
4速 28 56 84 112 140 167 195 223
5速 36 72 109 145 181 217 253 290
6速 47 93 140 186 233 279 326 372
7速 55 111 166 222 277 333 388 444
8速 70 139 209 279 349 418 488 558

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(6500回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。


純正装着タイヤの295/35R23と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 295/35R23 | 直径 791mm

-20mm
幅275mm
-10mm
幅285mm
変更なし
幅295mm
+10mm
幅305mm
+20mm
幅315mm
-5%
30
扁平
275/30R23
37.9km/h
直径749mm
径差-42mm
285/30R23
38.2km/h
直径755mm
径差-36mm
295/30R23
38.5km/h
直径761mm
径差-30mm
305/30R23
38.8km/h
直径767mm
径差-24mm
315/30R23
39.1km/h
直径773mm
径差-18mm
0%
35
扁平
275/35R23
39.3km/h
直径777mm
径差-14mm
285/35R23
39.6km/h
直径784mm
径差-7mm
295/35R23
40.0km/h
791mm
0mm
305/35R23
40.4km/h
直径798mm
径差+7mm
315/35R23
40.7km/h
直径805mm
径差+14mm
+5%
40
扁平
275/40R23
40.7km/h
直径804mm
径差+13mm
285/40R23
41.1km/h
直径812mm
径差+21mm
295/40R23
41.5km/h
直径820mm
径差+29mm
305/40R23
41.9km/h
直径828mm
径差+37mm
315/40R23
42.3km/h
直径836mm
径差+45mm
+10%
45
扁平
275/45R23
42.1km/h
直径832mm
径差+41mm
285/45R23
42.5km/h
直径841mm
径差+50mm
295/45R23
43.0km/h
直径850mm
径差+59mm
305/45R23
43.4km/h
直径859mm
径差+68mm
315/45R23
43.9km/h
直径868mm
径差+77mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、275/35R23 、285/30R23、285/35R23 、295/30R23 、305/30R23 、315/30R23あたりのタイヤがおすすめです。

295/35R23のタイヤ幅を275mmから325mmまで、扁平率を20%から50%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、295/35R23の適応サイズと性能の変化 [F1DHUA型RS Q8編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
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F1DHUA型RS Q8[4.0Lターボ 4WD/8AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト4.017kg/ps65.73
1速ギヤ加速性能0.773kg/kgm67.12
1L換算馬力150.20ps/L67.35
1L換算トルク20.42kgm/L64.16
WB/TR比1.77250.10
ワイド&ロー指数0.85053.09
前面の面積3.400m²28.21
最低地上高205mm29.43
スポーツ性能部門の得点425.19

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
WLTC燃費7.1km/L31.59
年間維持費483200円35.73
100kmh回転数1430rpm64.07
航続距離603.5km43.56
車の大きさ17.034m³72.26
室内の広さ(仮) 3.089m³46.89
最小回転半径5.6m41.25
馬力単価31150円37.20
ユーティリティ部門の得点372.55

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した F1DHUA型RS Q8[4.0Lターボ 4WD/8AT] の総合得点は 797.74 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したRS Q8(4WD/8AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全ての5人乗SUV」、「4000ccの5人乗SUV」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。